JPH11245776A - 平行払拭型ワイパ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横方向移動部の重量を増大させずに倒伏状態
で格納することができるように構成された平行払拭型ワ
イパ装置を提供する。 【解決手段】 横方向に延在するガイドレール２上を往
復移動するスライダ３上に取り付けたワイパアーム５に
よって窓ガラス１の雨滴を払拭する平行払拭型ワイパ装
置の構成を、スライダに設けられてワイパアームの起立
状態を保持するためのロック手段１８・１９と、スライ
ダがガイドレール上の所定位置にある時にのみワイパア
ームに係合して該ワイパアームに旋回運動を与えるため
の駆動手段１４・１７と、スライダを所定位置に固定す
るためのストッパ手段２０・２１と、ロック手段を解除
するためのロック解除手段２２とを有するものとした。
これによれば、ワイパアームを旋回させる駆動手段は、
ワイパアームが所定の格納位置にある時にのみワイパア
ームに係合してワイパアームに旋回運動を与えるので、
旋回駆動装置をワイパアームから分離配設することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、起立状態のワイパ
アームを横方向に往復移動させて窓ガラスの雨滴を払拭
する平行払拭型ワイパ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ブレードを上下方向に延在させるように
起立状態にされたワイパアームを左右方向に往復移動さ
せて窓ガラスの雨滴を払拭する平行払拭型ワイパ装置
が、例えば特開平５−１３９２５１号公報などに提案さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この形式のワイパ装置
においては、不使用時のワイパアームの状態が問題とな
る。例えば起立状態のワイパアームをフロントピラーに
沿わせて停止させたとすると、フロントピラーに並ぶよ
うにワイパーアームが位置するために死角が増えて視界
が余計に妨げられることとなるので好ましくはない。

【０００４】従って、旋回式ワイパアームと同様に、倒
伏した状態で窓枠の下縁側に格納することが好ましい
が、そのためにはワイパアームに旋回運動を与えるため
の駆動装置が必要であり、それをワイパアームと共に移
動するように構成すると、可動部の重量増となるために
移動機構が大がかりなものとなってしまう。特に満足で
きる格納作動速度を得ようとすると、旋回駆動装置の小
型化にも限度がある。また旋回駆動装置を電動にする
と、移動体に電力を供給しなければならないことになる
ので、配線などが煩雑になりがちである。

【０００５】本発明は、このような問題点を解消するべ
く案出されたものであり、その主な目的は、横方向移動
部の重量を増大させずに倒伏状態で格納することができ
るように構成された平行払拭型ワイパ装置を提供するこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明においては、横方向に延在するガイドレ
ール上を往復移動するスライダ上に取り付けたワイパア
ームによって窓ガラスの雨滴を払拭する平行払拭型ワイ
パ装置の構成を、スライダに設けられてワイパアームの
起立状態を保持するためのロック手段と、スライダがガ
イドレール上の所定位置にある時にのみワイパアームに
係合して該ワイパアームに旋回運動を与えるための駆動
手段と、スライダを所定位置に固定するためのストッパ
手段と、ロック手段を解除するためのロック解除手段と
を有するものとした。これによれば、ワイパアームを旋
回させる駆動手段は、ワイパアームが所定の格納位置に
ある時にのみワイパアームに係合してワイパアームに旋
回運動を与えるので、旋回駆動装置をワイパアームから
分離配設することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明の好適な実施の形態について詳細に説明する。

【０００８】図１は、本発明が適用される平行払拭型ワ
イパ装置を示している。このワイパ装置は、自動車のフ
ロントウィンドシールド１の下縁に沿って横方向に延設
されたガイドレール２上を摺動するスライダ３上に設け
られており、例えばコグドベルトを用いた横方向駆動装
置（図示せず）でスライダ３に往復運動を与えることに
より、ブレード４が設けられたワイパアーム５をフロン
トウィンドシールド１の上下方向に延在させた起立状態
で、左右のフロントピラー６ａ・６ｂ間を図１の矢印Ａ
に示される方向に往復払拭運動を行わせることができる
ようになっている。なお、スライダ３に往復運動を与え
る機構としては、ラック／ピニオン機構や、ボールスク
リュー機構など、既知の回転／直線運動変換機構を適用
できるので、ここでは具体的な駆動機構の説明は省略す
る。

【０００９】ワイパアーム５は、スライダ３にその基端
を枢着されて図１の矢印Ｂに示される向きに旋回運動が
可能なようになっており、不使用時には視界の妨げにな
らないように、フロントウィンドシールド１の下縁側に
倒伏した状態で格納される。

【００１０】次に図２を参照してワイパアーム５に旋回
運動を与えるための旋回駆動装置について説明する。こ
の旋回駆動装置は、図２における背面側にカム溝７が彫
られ、かつ減速機付きモータなどからなる旋回駆動モー
タＭで回転駆動される円板８と、ガイドレール２の側端
部にその中間部が枢着されると共にコネクティングロッ
ド９を介して円板８の外周部にその一端がボールジョイ
ントをもって連結され、かつ二またフォーク部１０がそ
の他端に設けられたレバー部材１１と、レバー部材１１
の二またフォーク部１０にピン１２をもって係合すると
共にガイドレール２の側端に設けられたガイド部１３に
摺合し、レバー部材１１の往復回動変位に応じて往復直
線運動を行うようにされたスライディングロッド１４
と、スライディングロッド１４の一端に設けられたピン
１５が係合するスリット１６を備え、かつその回動中心
がワイパ軸１７ａとしてワイパアーム５に一体結合され
たドリブンプレート１７と、ドリブンプレート１７に設
けられた孔１８に対して突入・脱出自在に設けられ、か
つ常時突入方向へばね付勢されたロックピン１９と、ガ
イドレール２上でのスライダ３の位置決めを行うべく、
円板８のカム溝７に係合して円板８の回動に応じて直線
移動可能であり、かつスライダ３に設けられたノッチ２
０に対して係合・離脱可能なようにされたストッパ部材
２１とからなっている。

【００１１】ドリブンプレート１７のスリット１６は、
ワイパアーム５が起立した位置でスライディングロッド
１４の摺動方向に沿う向きであり、かつその外端が開放
された横向き部１６ａと、横向き部１６ａの内端に接続
し、かつ横向き部１６ａとの挟角が１３５度をなしてそ
の終端が閉じられた傾斜部１６ｂとからなっている。

【００１２】次に本発明装置の作動要領について説明す
る。ワイパアーム５が横方向に平行払拭運動を行う時
は、ドリブンプレート１７はロックピン１９が孔１８に
突入することによってその回動が規制されている。また
スライディングロッド１４は、右側一杯に移動してい
る。そしてスライダ３の右側移動限位置では、ドリブン
プレート１７のスリット１６の横向き部１６ａの開放端
にスライディングロッド１４の一端のピン１５が整合す
るようにしてある。従ってこの状態では、ピン１５とス
リット１６とは何ら干渉せず、起立状態のワイパアーム
５はスライダ３と共に横方向移動し、ウィンドシールド
１の表面を払拭する。

【００１３】ワイパアーム５の格納運動は、スライダ３
の右側移動限位置で行う。これには、先ず旋回駆動モー
タＭによって図２における時計方向（矢印Ｃ）に円板８
を回転させる。するとコネクティングロッド９が右動し
てレバー部材１１を反時計回り（矢印Ｄ）に回動させ、
二またフォーク部１０を左動させる。これにより、スラ
イディングロッド１４が左動する（矢印Ｅ）。

【００１４】スライディングロッド１４が左動すると、
一端のピン１５は先ずスリット１６の横向き部１６ａ内
を移動するが、この段階ではスライディングロッド１４
の左動はドリブンプレート１７に何の影響も及ぼさな
い。

【００１５】他方、円板８の回動に従ってカム溝７に係
合したストッパ部材２１が突き出し、スライダ３に設け
られたノッチ２０に突入してスライダ３の位置決めを行
う。ここでカム溝７は所定角度に渡って真円にされてい
るので、円板８が回転を継続してもストッパ部材２１は
ノッチ２０に突入した状態を維持する（図３参照）。

【００１６】これと同時に、スライディングロッド１４
と一体に設けられたレリーズロッド２２がロックピン１
９に係合し、スライディングロッド１４の左動に伴って
その先端のテーパ面２２ａでロックピン１９を押し下げ
る。これにより、ドリブンプレート１７の孔１８からロ
ックピン１９の先端が離脱させられる（図４参照）。

【００１７】ここまでの動作がスライディングロッド１
４の一端のピン１５がスリット１６の横向き部１６ａ内
を移動する間に行われる。

【００１８】スライディングロッド１４の一端のピン１
５はスライディングロッド１４と共にある決まった直線
上を移動するので、スリット１６の傾斜部１６ｂにピン
１５が当接すると傾斜部１６ｂがピン１５で左方へ（図
５の矢印Ｆ参照）押され、ドリブンプレート１７がワイ
パアーム５を伴って反時計方向に回動する（図５の矢印
Ｇ参照）。これにより、ワイパアーム５は格納位置まで
倒伏する。このワイパアーム５の倒伏完了をリミットス
イッチなどで検知して旋回駆動モータＭを停止させる。

【００１９】ワイパアーム５を起立させるには、上記と
逆方向に旋回駆動モータＭを回転させれば、上記の逆動
作でワイパアーム５が起立運動を行う。そしてワイパア
ーム５の起立運動に連動してロックピン１９の孔１８へ
の突入とストッパ部材２１のスライダ３のノッチ２０か
らの離脱とが行われる。

【００２０】上記実施例においては、スライダ３の位置
決め、ワイパアーム５のロック、およびワイパアーム５
の旋回の各動作を、単一の駆動源（旋回駆動モータＭ）
の動力で行わせるものとしたが、これら各動作をそれぞ
れ個別のアクチュエータで行わせるように構成すること
も勿論可能である。またワイパアーム５の倒伏・起立運
動は、旋回駆動モータＭを正・逆回転させるのみなら
ず、カム機構によって一方向の回転運動で倒伏・起立運
動を行うようにも構成し得ることは言うまでもない。

【００２１】

【発明の効果】このように本発明によれば、ワイパアー
ムの横方向移動装置から、ワイパアームの格納用駆動装
置を分離して配設できるので、横方向移動部の重量を増
大させずにワイパアームを倒伏状態で格納することがで
きるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明が適用される平行払拭型ワイパ装置の概
略構成図

【図２】本発明による平行払拭型ワイパ装置の格納機構
の斜視図

【図３】スライダの位置決め動作の説明図

【図４】ロックピンの動作説明図

【図５】ワイパアームの旋回動作の説明図

【符号の説明】 １ フロントウィンドシールド ２ ガイドレール ３ スライダ ４ ブレード ５ ワイパアーム ６ａ・６ｂ フロントピラー ７ カム溝 ８ 円板 ９ コネクティングロッド １０ 二またフォーク部 １１ レバー部材 １２ ピン １３ ガイド部 １４ スライディングロッド １５ ピン １６ スリット １６ａ 横向き部 １６ｂ 傾斜部 １７ ドリブンプレート １７ａ ワイパ軸 １８ 孔 １９ ロックピン ２０ ノッチ ２１ ストッパ部材 ２２ レリーズロッド ２２ａ テーパ面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 泰三 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 波木 徹 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 星野 孝 群馬県桐生市広沢町１丁目2681番地 株式 会社ミツバ内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横方向に延在するガイドレール上を往復
   移動するスライダ上に取り付けたワイパアームによって
   窓ガラスの雨滴を払拭する平行払拭型ワイパ装置であっ
   て、 前記スライダに設けられて前記ワイパアームの起立状態
   を保持するためのロック手段と、 前記スライダが前記ガイドレール上の所定位置にある時
   にのみ前記ワイパアームに係合して該ワイパアームに旋
   回運動を与えるための駆動手段と、 前記スライダを前記所定位置に固定するためのストッパ
   手段と、 前記ロック手段を解除するためのロック解除手段とを有
   することを特徴とする平行払拭型ワイパ装置。
2. 【請求項２】 前記ストッパ手段のスライダ固定動作が
   前記駆動手段と連動作動することを特徴とする請求項１
   に記載の平行払拭型ワイパ装置。
3. 【請求項３】 前記ロック解除手段のロック解除動作が
   前記駆動手段と連動作動することを特徴とする請求項１
   に記載の平行払拭型ワイパ装置。