JPH11244011A - 衣服への留め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えばネクタイピンやブローチ、バッジなどの
ような身飾品などを衣類に留める留め具に関し、高価な
身飾品が離脱して紛失するのを確実に防止可能とするこ
とにある。 【解決手段】宝飾品やバッジなどのような身飾品などを
衣服に留める留め具であって、該身飾品などの背面のほ
ぼ中央部ないし上側の部位から下側に垂れたピンを有し
ており、該ピンの長さが、該身飾品などより下側に延び
ている構造である。前記ピンの下端が挿入支持される固
定手段を有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばネクタイピンや
ブローチ、バッジなどのような身飾品などを衣類に留め
る留め具に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は通常のピン式のネクタイ留めであ
り、真珠１などが付いた台２からピン３が突出してい
る。このピン３が入る孔４の開いたピン留め金具５の中
には、孔４に入ってきたピン３を挟持固定するバネが内
蔵されている。また、バネ圧力を解除する解除突起６を
備えている。

【０００３】使用に際しては、ネクタイの表側からピン
３を差し込み、裏側において、解除突起６を押した状態
で、ピン３を留め金具５の孔４中に挿入した後、解除突
起６を開放すると、内部のバネでピン３が挟持され、ネ
クタイが留められる。また、留め金具５に鎖７で取り付
けられたリング８をワイシャツのボタンに嵌めておく
と、ネクタイを常に胸元につないでおくことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ピン式のネクタイ留めの場合は、激しく動いたりした場
合に、ピン３が留め金具５から抜けて紛失したりするこ
とがある。特に、自動車を運転している場合に、シート
ベルトに引っ掛かって、ピン３が抜け、高価な真珠１な
どの付いているピンが側が紛失するケースが多い。

【０００５】留め金具５側は、鎖７でシャツのボタンに
繋がれているので、紛失することはないが、留め金具５
側は安価なため、紛失を防止したいのは高価な真珠１側
である。長期間使用している間に、ピン３が磨耗して細
くなったりして、バネによるピンの挟持力が低下してい
くため、古くなるほど、ピン側が抜け落ちる問題が生じ
やすい。

【０００６】勤務時間後に飲食したりして開放した気分
に浸りたい場合などは、ネクタイを外す場合が多いが、
そのような場合は、ネクタイピンをポケットに仕舞うと
紛失する恐れがある。そこで、スーツのバッジ取り付け
孔にネクタイピンを刺しておくのがよいが、ピン３や留
め金具５の厚み方向の寸法が大きいために、スーツの襟
が膨らんでしまい、見苦しくなる。

【０００７】また、バッジやブローチなどを衣類に取り
付ける場合にも不都合が発生する。バッジなどは、ネジ
留めする場合が多いが、ネジが緩んでバッジを紛失する
ことがある。また、ブローチなどを取り付ける場合は、
安全ピン式が多いが、構造が複雑で、着脱も面倒であ
る。

【０００８】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、ネクタイ留めやバッジ、ブローチなどのような
身飾品を衣類に留めるための留め具において、高価な身
飾品が離脱して紛失するのを確実に防止可能とすること
にある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次
のような手段によって解決される。請求項１は、宝飾品
やバッジなどの身飾品を衣服に留める留め具であって、
該身飾品の背面のほぼ中央部ないし上側の部位から下側
に垂れたピンを有しており、該ピンの長さが、該身飾品
より下側に延びている衣服への留め具である。

【００１０】このように、身飾品の背面のほぼ中央部な
いし上側から下側に垂れたピンを有しているので、この
ピンを例えば２枚重ねのネクタイに差し込み、該ピンを
ネクタイの背部において垂らしておくだけで、２枚のネ
クタイは、身飾品の部分とピンの上端部との間に挟ま
れ、２枚重ねの状態にネクタイを留めることができる。

【００１１】該ピンは、該身飾品より下側に延びている
ため、ピンは常に下向きに垂れ下がることになり、身飾
品を安定よく一定向きに支持でき、また身飾品が衣類か
ら離脱するのを抑止できる。

【００１２】従来は、大きめのタイピンや向きを一定に
する必要のあるデザインなどの場合は、裏面に取り付け
ピンの他に回り止めのピンが付いているが、本発明の場
合はピンや身飾品の自重で、ピンは常に下向きに垂れる
ので、回り止めなども必要ない。

【００１３】請求項２は、請求項１記載のピンの下端が
挿入支持される固定手段を有している衣服への留め具で
ある。前記のように、ピンが、身飾品の背面において、
身飾品から下側に延びているだけでも、該ピンが垂れ下
がることによって、衣類からの離脱を抑止できるが、請
求項２のように、前記のピンの下端が挿入支持される固
定手段を有していると、該固定手段の部分がピンよりも
十分に太いために、衣類からの離脱をより確実に抑止で
きる。

【００１４】従来は、ネクタイピンを外して襟のバッジ
取り付け孔に仮支持する場合は、厚み方向の寸法が大き
いために、襟が膨らむといった問題があったが、本発明
の場合は、ピンが下向きに曲がっているため、嵩張るこ
ともない。

【００１５】

【発明の実施の形態】次に本発明による衣服への留め具
が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明す
る。図１は本発明による衣服への留め具の第一実施形態
である。１は例えば真珠などの宝飾品であり、該宝飾品
の背面のほぼ上側から下側に垂れたピン９を有してい
る。このピン９の長さは、該宝飾品１より下側に延びて
いる。ネクタイ留めなどのように、衣類などに刺し通す
場合は、ピン９の先端９ａは針状に尖っていることが望
ましい。

【００１６】１０は脱落防止用の固定手段であって、図
示例では、円筒状のケーシング１１の中に２枚（または
３枚、４枚）程度の円弧状板バネ１２が１８０度間隔
（または１２０度間隔、９０度間隔）に内蔵されてお
り、内筒体１３には、前記円弧状板バネ１２の円弧状凸
部が入るスリットが開いている。

【００１７】円筒状ケーシング１１の上端には、ピン９
の先端９ａが入り込む孔４が開いており、内筒体１３の
下端が、円筒状ケーシング１１の下側の孔から外側に突
出して、つまみ部１３ａとなっている。

【００１８】したがって、固定具１０の孔４に、ピン９
の先端９ａを押し込むと、ピン９は内筒体１３中に入っ
て円弧状板バネ１２を押し広げて通過し、ピン先端９ａ
がつまみ部１３ａの内端に達するまで進入できる。こう
して、ピン９が円弧状板バネ１２で挟持されることによ
って、相互に固定される。

【００１９】逆に分離したい場合は、つまみ部１３ａと
円筒状ケーシング１１の下端との間に爪を差し込んで、
つまみ部１３ａを下側に引くと、内筒体１３が下降し
て、スリットの無い部分が円弧状板バネ１２の内側に入
り、円弧状凸部を押し拡げるため、ピン９を挟持するバ
ネ力が解除される。その結果、ピン９は固定具１０から
容易に離脱して（２）の状態となる。

【００２０】次に、本発明の衣服への留め具の使い方を
図２において説明する。この図はネクタイを結んだ状態
の断面図であり、その幅広の部分ｔ１と幅の狭い部分ｔ
２とがバラバラにならないように、本発明の留め具で留
めるものとする。

【００２１】まず、（１）図のように、２枚のネクタイ
ｔ１、ｔ２を重ねて、幅広のネクタイｔ１側から、留め
具のピン９の先端９ａを突き刺す。

【００２２】次に、（２）のように、ピン９の根元まで
付き通してから、ピン９を下向きにして、垂らす。この
ような状態において、２枚のネクタイｔ１、ｔ２にピン
９が刺し通され、しかも２枚のネクタイｔ１、ｔ２は、
宝飾品１とピン９との間の隙間Ｇ（図１）に挟まれるた
め、これによって２枚のネクタイｔ１、ｔ２はバラバラ
にならないように留められる。

【００２３】このように留めた状態においては、ピン９
はその自重によって、常に下向きとなるので、留め具が
ネクタイから脱落して紛失するようなことは防止できる
が、より確実にするためには、ピン９を固定具１０に挿
入して、固定しておくのがよい。

【００２４】そのためには、（３）図のように、固定具
１０の孔４にピン９の先端９ａを差し込むと、図１で説
明したように、ピン９が円弧状板バネ１２の円弧状凸部
で挟持されて、互いに固定される。その結果、（４）図
のように、ピン９が２枚のネクタイｔ１、ｔ２に対し直
角の状態になったとしても、固定具１０がストッパーと
なり、ピン９はネクタイｔ１、ｔ２から抜けることがで
きない。

【００２５】このように、ピン９の貫通部９ｂに対し、
宝飾品１とピン９が下向きとなり、しかも宝飾品１とピ
ン９との間に２枚のネクタイｔ１、ｔ２が挟まれている
ことと固定具１０との２重に脱落防止手段を有している
ことになり、高価な宝飾品１が紛失するのを確実に防止
できる。

【００２６】なお、図１のように、つまみ部１３ａに鎖
７で留め環８をつないでおけば、この留め環８をボタン
に嵌めることで、２枚のネクタイｔ１、ｔ２をボタンに
つなぎ止めておくことができる。

【００２７】図１、図２においては、固定具１０とし
て、外径が小さく、上下方向の寸法が外径より長い、比
較的細長い形状のものを用いているが、図６に例示した
ような、比較的外径の大きいものも使用可能である。

【００２８】図３は本発明の留め具を、バッジの取り付
けに実施した例の断面図である。１４はバッジであり、
そして、ピン下端が固定具１０に挿入固定されている。
（１）図においては、バッジ１４の背面の中央に貫通部
９ｂが固定されている。ダイヤモンドなどの場合も、通
常は立て爪と称する金具が取り付けられているため、そ
の構造上、中央部に貫通部９ｂを固定せざるをえない。

【００２９】これに対し、（２）図においては、その背
面の上端に貫通部９ｂが固定され、ピン９が下向きに延
びている。宝飾品１やバッジ１４が、比較的大きい場合
は、図３（２）のように、背面の上側に貫通部９ｂを固
定できるが、小型な場合やダイヤモンドなどのような取
り付け上の制限がある場合は、図３（１）のように、背
面の中央部や中央寄りの位置に固定することもできる。

【００３０】このように、貫通部９ｂを固定するのに適
する位置は、衣類に取り付けられる宝飾品やバッジなど
の身飾品の形態に応じて異なるが、身飾品の背面のほぼ
中央部から上側にかけた範囲となる。

【００３１】バッジ１４などに代えて、ブローチなどを
留める場合は、鎖線１５で示すように、固定具１０の付
近まで延長した大型となり、ブローチ本体の裏面と固定
具１０との間に、衣類の襟を挟む弾力が発生するので、
より確実に取り付けられる。しかも、襟にピン９を通し
て、裏側で固定具１０に差し込むだけなため、衣類への
着脱操作も簡単である。

【００３２】本発明は、衣類に留める必要のある物品で
あれば、ネクタイ止めやバッジ、ブローチなどに限定さ
れず、何にでも実施できる。したがって、本明細書にお
いて「身飾品」とは、「ネクタイ止めやバッジ、ブロー
チなどのほか、衣服に留められるあらゆる物品」を含
み、本発明の留め具とは、これらを衣服に留めるのに使
用される手段である、と定義する。

【００３３】

【発明の効果】請求項１によると、身飾品の背面のほぼ
中央部ないし上側の部位から下側に垂れたピンを有して
いるので、このピンを例えば２枚重ねのネクタイに差し
込み、該ピンをネクタイの背部において垂らしておくだ
けで、２枚のネクタイは、身飾品の部分とピンの上端部
との間に挟まれ、２枚重ねの状態にネクタイを留めるこ
とができる。

【００３４】該ピンは、該身飾品より下側に延びている
ため、ピンは常に下向きに垂れ下がることになり、身飾
品を安定よく一定向きに支持でき、また身飾品が衣類か
ら離脱するのを抑止できる。

【００３５】従来は、大きめのタイピンや向きを一定に
する必要のあるデザインなどの場合は、裏面に取り付け
ピンの他に回り止めのピンが付いているが、本発明の場
合はピンや身飾品の自重で、ピンは常に下向きに垂れる
ので、回り止めなども必要ない。

【００３６】ピンが、身飾品の背面において、身飾品か
ら下側に延びているだけでも、該ピンが垂れ下がること
によって、衣類からの離脱を抑止できるが、請求項２の
ように、前記のピンの下端が挿入支持される固定手段を
有していると、該固定手段の部分がピンよりも十分に太
いために、衣類からの離脱をより確実に抑止できる。

【００３７】従来は、ネクタイピンを外して襟のバッジ
取り付け孔に仮支持する場合は、厚み方向の寸法が大き
いために、襟が膨らむといった問題があったが、本発明
の場合は、ピンが下向きに曲がっているため、嵩張るこ
ともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による衣服への留め具の第一実施形態
を示す部分断面側面図である。

【図２】 本発明による衣服への留め具の使い方を説明
する部分断面側面図である。

【図３】 本発明の留め具をバッジの取り付けに実施し
た例の部分断面側面図である。

【図４】 通常のピン式のネクタイ留めを示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 真珠などの宝飾品 ２ 台 ３ ピン ４ ピンの入る孔 ５ 固定具 ６ 解除突起 ７ 鎖 ８ リング ９ ピン ９ａ ピンの先端 ９ｂ 貫通部 １０ 固定具 １１ 円筒状のケーシング １２ 円弧状板バネ １３ 内筒体 ｔ１、ｔ２ ２枚のネクタイ １４ バッジ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 宝飾品やバッジなどのような身飾品など
   を衣服に留める留め具であって、 該身飾品などの背面のほぼ中央部ないし上側の部位から
   下側に垂れたピンを有しており、該ピンの長さが、該身
   飾品などより下側に延びていることを特徴とする衣服へ
   の留め具。
2. 【請求項２】 前記のピンの下端が挿入支持される固定
   手段を有していることを特徴とする請求項１記載の衣服
   への留め具。