JPH11243654A - 回転電機用磁石回転子 - Google Patents
回転電機用磁石回転子Info
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Abstract
石回転子を提供する。 【解決手段】ボス部材16と、絶縁樹脂からなる磁石保
持部材17と、磁石保持部材17に保持された永久磁石
18と、磁石保持部材17と永久磁石18を覆う磁石保
護カバー19とにより磁石回転子11を構成する。磁石
保持部材17に設けた磁石保持孔17d内に収容して保
持させる。磁石保持孔17dの内面及び永久磁石18の
側面にテーパ部を設けることにより、磁石18の抜け止
めを図る。磁石保持部材17とボス部材16とは、アリ
17cとアリ溝16cとの嵌合により強固に結合する。
永久磁石18を保持する磁石保持部材17を絶縁樹脂に
より形成することにより渦電流損を少なくして回転子か
らの発熱を抑制する。
Description
や、ブラシレスモータなどの回転電機に用いる磁石回転
子に関し、特に内燃機関に取り付ける磁石発電機に用い
るのに好適な磁石回転子に関するものである。
タなどの回転電機において、回転子の重量を軽くし、そ
の慣性モーメントを小さくする必要がある場合には、回
転子を固定子の内側に配置して、固定子の内側で回転さ
せる内転形の構成をとることが多い。
て、内燃機関に取り付けた磁石式交流発電機の出力で内
燃機関用点火装置を動作させる場合には、機関の加速性
能及び減速性能が損なわれないようにするために、機関
に取り付ける発電機の回転子の慣性モーメントを極力小
さくすることが必要とされる。
付けられていた従来の内転形磁石発電機の磁石回転子1
を示したもので、図9(A)は正面図、図9(B)は同
図(A)のD−D線断面図である。これらの図において
2は鉄または鉄合金などの強磁性材料からなる筒状のボ
ス部材で、このボス部材の内側には、図示しない内燃機
関の回転軸の先端に設けられたテーパ部を嵌合させるた
めのテーパ孔2aが設けられている。ボス部材2は、そ
の横断面の輪郭形状が六角形を呈するように形成されて
いて、ボス部材2の外周に形成された6個の平坦面上に
それぞれ6個の板状の永久磁石3が配置されている。各
永久磁石3の外側の磁極面上に磁極片4が配置され、ボ
ス部材2に設けられたネジ孔に各磁極片4と永久磁石3
とを貫通してねじ込まれたネジ5により、各磁極片4及
び永久磁石3がボス部材2に固定されている。
片4及び永久磁石3が外側に飛び出すのを防ぐために、
ボス部材2の外周面と永久磁石3の側面と磁極片4の端
部とを被覆するようにアルミニュウムからなるモールド
部6が形成されている。ボス部材2の周方向に等角度間
隔で並ぶ6個の永久磁石3は、交互に極性を異ならせて
ボス部材2の径方向の着磁され、これらの磁石により6
極の磁石界磁が構成されている。
内燃機関の回転軸の先端に設けられたテーパ部をボス部
材2の内側のテーパ孔2aに嵌合させて、ネジなどの締
結手段によりボス部材2を回転軸の先端のテーパ部に対
して締め付けることにより機関に取り付けられる。内燃
機関にはまた、磁石回転子1の磁極片4に対向する磁極
部を有する電機子鉄心と該電機子鉄心に巻回された電機
子コイルとを備えた固定子が取り付けられ、該固定子と
磁石回転子1とにより磁石式交流発電機が構成される。
石回転子では、磁極片4と永久磁石3とをネジ5により
ボス部材2に固定していたため、磁石回転子1に振動が
加わった場合にネジ5が緩んで、磁極片4及び永久磁石
3の取付け強度が低下するおそれがあった。
4の周囲がアルミニュウムからなるモールド部6により
囲まれていたため、磁石回転子が回転した際にモールド
部6の磁極片4を囲む領域に渦電流が流れて多くの損失
が生じ、回転電機の効率が悪くなる上に、回転子からの
発熱が多くなるという問題があった。
極片4をネジ5により固定したボス部材2を射出成型用
金型内に挿入して、該金型内にアルミニュウムの湯を射
出することにより形成されるため、モールド部6を形成
する際に永久磁石3の温度が上昇して該磁石が減磁させ
られることがあった。
場合には、その着磁を容易に行うことができるため、回
転子を組み立てた後に永久磁石の着磁を行うようにすれ
ば、回転子の製造過程で磁石の温度が上昇しても特に問
題がない。しかしながら、永久磁石3として希土類磁石
のような、大容量の着磁装置を必要とする磁石を用いる
場合には、回転子を組み立てた後に磁石を着磁すること
は困難であるため、磁石回転子の製造過程で永久磁石の
温度が上昇して減磁が生じるようなことは避ける必要が
ある。
分を無くして機械的強度が低下するおそれをなくした回
転電機用磁石回転子を提供することにある。
ることができるようにした回転電機用磁石回転子を提供
することにある。
昇を伴う製造過程を経ることなく、組み立てを行うこと
ができるようにした回転電機用磁石回転子を提供するこ
とにある。
の目的を達成するため、回転軸に結合されるボス部材の
外周に絶縁樹脂製の磁石保持部材を固定して、該磁石保
持部材により板状の永久磁石を保持させるようにした。
金などの強磁性材料により筒状に形成されていて、その
内側には回転軸を嵌合させるための孔が設けられ、その
外周側には、周方向に間隔をあけて並ぶ複数のアリ溝が
設けられている。
り囲むように環状に形成された周壁部と、該周壁部の内
周部の複数のアリ溝にそれぞれ対応する位置から径方向
の内側に突出した複数のアリとを有していて、各アリが
ボス部材の対応するアリ溝に嵌合されてボス部材に固定
されている。
向に等角度間隔で並ぶ複数の磁石保持孔が該周壁部を貫
通した状態で形成され、該複数の磁石保持孔内にそれぞ
れ板状の永久磁石が収容されている。各永久磁石はボス
部材の径方向に着磁されている。
断面積をボス部材の径方向の外側に向うに従って次第に
小さくする向きのテーパが付けられたテーパ部が設けら
れ、各磁石保持孔の内面に接する各永久磁石の側面に
は、磁石保持孔の内面のテーパ部と同じ方向に傾斜した
テーパ部が設けられている。各磁石保持孔の内面のテー
パ部に各永久磁石の側面のテーパ部が当接されて、永久
磁石の抜け止めが図られている。
磁石保持部材に設けた磁石保持孔内に永久磁石を収容し
て、磁石保持孔の内面及び永久磁石の側面にそれぞれテ
ーパ部を設けることにより永久磁石の抜け止めを図ると
ともに、絶縁樹脂製の磁石保持部材とボス部材とをアリ
とアリ溝との嵌合により結合する構造にすると、磁極片
を用いることなく、またネジやアルミニュウムのモール
ド部を用いずに永久磁石をボス部材に強固に固定するこ
とができるので、コストの低減を図って、しかも遠心力
に対する機械的強度が高い磁石回転子を得ることができ
る。
をボス部材に固定するようにすると、振動が加わった場
合に緩む個所がなくなるので、振動に強い磁石回転子を
得ることができる。
ルド部を設けることなく、絶縁樹脂製の磁石保持部材に
永久磁石を保持させるようにすると、永久磁石を取り囲
む領域に渦電流が流れることがなくなるので、渦電流損
を少なくして、回転電機の効率を高めることができる上
に、磁石回転子からの発熱を少なくすることができる。
要としないため、磁石回転子の軽量化を図ることがで
き、回転子の慣性モーメントを小さくする要求に容易に
応えることができる。
石の外側の磁極面を磁石保持部材とともに覆う環状の非
磁性磁石カバーをボス部材に固定しておくのが好まし
い。
向の一端寄りの外周部に外鍔部を形成して該外鍔部に磁
石保持部材の軸線方向の一端を当接させることにより、
磁石保持部材の位置決めを図るようにするのが好まし
い。また磁石保持部材の幅寸法を、ボス部材の外鍔部と
ボス部材の軸線方向の他端との間の距離にほぼ等しく設
定して、磁石保持部材の軸線方向の他端を、ボス部材の
軸線方向の他端とほぼ同じ位置に配置するようにしてお
くのが好ましい。
及び他端側にそれぞれ内鍔部を設けて、該磁石カバーの
一端側の内鍔部及び他端側の内鍔部をそれぞれボス部材
の外周の鍔部及びボス部材の他端側の端面に外側から当
接させることにより、磁石カバーをボス部材に対して固
定することができる。
壁部の軸線方向の一端側の側面の内周寄りの部分に軸線
方向に突出した突起を設けるとともに、ボス部材側に
は、磁石保持部材の突起を嵌合させるための凹部を軸線
方向に開口した状態で設けて、磁石保持部材の突起をボ
ス部材側に設けられた凹部にボス部材の軸線方向から嵌
合させることにより、磁石保持部材の軸線方向の一端を
ボス部材に拘束するのが好ましい。このような構造にす
ると、磁石保持部材をよりいっそう強固にボス部材に固
定することができるため、遠心力により磁石保持部材が
外側に膨らむのをより確実に防いで、磁石の取り付け強
度を更に向上させることができる。
施形態を示したもので、図1は本発明に係わる磁石回転
子を用いた磁石式交流発電機の構成例を示した正面図、
図2は図1のA−A線断面図である。また図3は本発明
に係わる磁石回転子の半部を断面して示した正面図、図
4は図3のB−B線断面図、図5は本発明の磁石回転子
で用いる磁石保持部材の正面図、図6は図5のC−C線
断面図である。図7は本発明で用いる磁石保持部材と該
磁石保持部材により保持される永久磁石とを示した斜視
図である。
1は固定子10の内側に配置された本発明に係わる磁石
回転子であり、固定子10と磁石回転子11とにより磁
石式交流発電機12が構成されている。
部から径方向の内側に等角度間隔で6個の突極部13a
〜13fを突出させた環状の電機子鉄心13と、該電機
子鉄心の突極部13a〜13fにそれぞれ巻回された電
機子コイル14a〜14fとからなっている。電機子鉄
心13は、所定の形状に打ち抜いた鋼板の積層体13A
と、該積層体を間にして対向配置された1対の側板13
B,13Bとをリベット15により締め付けた構造を有
するもので、その継鉄部13yには、3つの取付け孔1
3Dが120度間隔で設けられている。また電機子鉄心
の突極部13a〜13fのそれぞれの先端部には、側板
13B,13Bを外側に折り曲げることにより形成され
た極片部13B1,13B1(図2参照)が設けられ、突極
部13a〜13fのそれぞれの先端面と極片部とにより
固定子側の磁極部が構成されている。
び図4にも示したように、鉄等の強磁性材料からなるボ
ス部材16と、絶縁樹脂の成型品からなる磁石保持部材
17と、複数の永久磁石18と、磁石カバー19とによ
り構成されている。本発明において、永久磁石18の種
類は問わないが、図示の例では、永久磁石18として希
土類磁石を用いている。
呈するように形成されていて、その一端の外周側には拡
大径部16aが設けられ、その内側には図示しない内燃
機関の回転軸を嵌合させるためのテーパ孔16bが形成
されている。ボス部材16の外周側には、複数(図示の
例では8個)のアリ溝16c,16c,…が等角度間隔
で設けられ、ボス部材16の軸線方向の一端寄りの外周
部には、拡大径部16aよりも小径の外鍔部16dが形
成されている。図示の各アリ溝16cは、断面が鳩尾状
を呈する溝からなっていて、その長手方向の一端がボス
部材16の他端側に開口するように設けられている。
したように、ボス部材16の外周を隙間なく取り囲むよ
うに環状に形成された周壁部17aと、該周壁部17a
の内周から径方向の内側に突出した複数のアリ17c,
17c,…とからなっている。磁石保持部材17の周壁
部17aの、アリ17c,17c,…相互間に位置する
部分を貫通した状態で、複数の磁石保持孔17d,17
d,…が形成され、これらの磁石保持孔17d,17
d,…内にそれぞれ板状の永久磁石18が収容されてい
る。
面形状と同様な鳩尾状の断面形状を呈する突起からなっ
ていて、対応するアリ溝16cの軸線方向の一端側の開
口部から該アリ溝16cにきつく嵌合させられるように
なっており、各アリ17cを対応するアリ溝16cに嵌
合させて磁石保持部材17をボス部材16の軸線方向に
スライドさせることにより、磁石保持部材17の周壁部
17aをボス部材16の外周にきつく嵌合させることが
できるようになっている。
た複数の磁石保持孔17d,17d,…は、ボス部材1
6の周方向に等角度間隔で並ぶように設けられ、各磁石
保持孔17dの内面には、各磁石保持孔の断面積をボス
部材の径方向の外側に向うに従って次第に小さくする向
きのテーパが付けられたテーパ部が設けられている。図
示の例では、磁石保持部材17の周方向(ボス部材の周
方向)に相対する各磁石保持孔17dの内面がテーパ部
17d1及び17d1となっている。
磁石18の側面には、磁石保持孔17dの内面のテーパ
部17d1,17d1と同じ方向に傾斜したテーパ部18a
1,18a1が設けられ、各永久磁石18のテーパ部18a
1,18a1が磁石保持孔17dのテーパ部17d1,17d
1に当接することにより、各永久磁石18の抜け止めが
図られるようになっている。
磁石保持孔17d内に収納して保持させた状態で、各永
久磁石18の外側の磁極面が磁石保持部材17の外周面
と同一面上に位置するように、各磁石保持孔17dの深
さ(磁石保持部材17の周壁部17aの厚み)が設定さ
れている。
としては、耐熱性が高く、衝撃強度及び機械的強度に優
れたもの(例えばPPS樹脂)を選定するのが好まし
い。
c,…相互間の間隔は、隣り合うアリ17c,17cの
間に、永久磁石18を磁石保持孔17d内に挿入する際
に必要な隙間を確保するために十分な大きさに設定して
おく。
ニュウムなどの非磁性材料(強磁性材料以外の金属材
料)の薄板を円筒状に成形したものからなっていて、磁
石保持部材17の外周に隙間なく嵌合するように、その
内径寸法が設定されている。磁石カバー19は、その軸
線方向の一端側及び他端側にそれぞれ内鍔部19a及び
19bを有していて、該磁石カバーの一端側の内鍔部1
9a及び他端側の内鍔部19bがそれぞれボス部材16
の外周の鍔部16d及びボス部材16の軸線方向の他端
側の端面に外側から当接させられて、磁石カバー19が
ボス部材16に対して固定されている。
9bの少なくとも一方は、該磁石カバー19を磁石保持
部材17の外周に嵌合させた後にシーミング加工等によ
り形成される。図示の例では、磁石カバー19を製作す
る際にその軸線方向の他端側の内鍔部19bのみを形成
しておき、磁石カバー19を磁石保持部材17の外周に
嵌合させた後に、その軸線方向の一端側の端部にシーミ
ング加工を施して該磁石保持部材の一端をボス部材16
の鍔部16dに被せるように変形させることにより、内
鍔部19aを形成するようにしている。
は、図7に示すように、磁石保持部材17の軸線方向か
らアリ17c,17c相互間の隙間を通して、各磁石保
持孔17d内に永久磁石18を挿入し、各永久磁石18
を磁石保持孔17dの内面に接着により固定する。永久
磁石18と磁石保持孔17dの内面との接着は、永久磁
石18の側面及び磁石保持孔17dの内面にそれぞれ接
着剤を塗布した後に、永久磁石18を磁石保持孔17d
内に挿入することにより行ってもよく、永久磁石18を
磁石保持孔17d内に挿入した後に、永久磁石18の側
面と磁石保持孔17dの内面との間に接着剤を浸透させ
ることにより行ってもよい。
した後に、永久磁石18の側面と磁石保持孔17dの内
面との間に接着剤を浸透させることにより永久磁石18
を磁石保持孔17dの内面に接着する方法をとる場合に
は、磁石保持孔17dの内面の一部、例えば磁石保持孔
17dの各角部に、該磁石保持孔17dの内面と磁石1
8との間の隙間を拡大するポケット部を形成して、該ポ
ケット部内に接着剤を充填するようにすると、接着剤の
浸透を容易にすることができる。
せた後、永久磁石18を保持した磁石保持部材17のア
リ17c,17c,…をボス部材16のアリ溝16c,
16c,…に嵌合させるとともに、磁石保持部材17の
周壁部17aをボス部材16の外周に嵌合させて、該周
壁部17aをボス部材16の外周の鍔部16dに当接さ
せる。その後、磁石カバー19を磁石保持部材17の外
周に嵌合させ、該磁石カバー19の一端をボス部材16
の鍔部16dの外面に被せるようにシーミング加工を施
して内鍔部19aを形成し、磁石カバー19をボス部材
16に固定する。
状の磁石保持部材17に設けた磁石保持孔17d内に永
久磁石18を収容して、磁石保持孔17dの内面及び永
久磁石18の側面にそれぞれテーパ部を設けることによ
り永久磁石18の抜け止めを図るとともに、絶縁樹脂製
の磁石保持部材17とボス部材とをアリとアリ溝との嵌
合により結合する構造にすると、磁極片を用いることな
く、またネジやアルミニュウムのモールド部を用いずに
永久磁石をボス部材に強固に固定することができるの
で、コストの低減を図って、しかも遠心力に対する機械
的強度が高い磁石回転子を得ることができる。
18をボス部材16に固定するようにすると、振動が加
わった場合に緩む個所がなくなるので、振動に強い磁石
回転子を得ることができる。
部材17に永久磁石18を保持させるようにすると、永
久磁石18を取り囲む領域に渦電流が流れることがなく
なるので、渦電流損を少なくして、発電効率を高めるこ
とができる上に、磁石回転子からの発熱を少なくするこ
とができる。
の磁石保持孔17d,17d,…相互間の境界部にそれ
ぞれアリ17c,17c,…を形成するようにすると、
アリとアリ溝との嵌合により各永久磁石18を強固に押
さえることができるため、磁石回転子の機械的強度を高
くすることができる。
絶縁樹脂により成形しておくようにしたが、外周側にア
リ溝16c,16c,…が形成されたボス部材16の外
周に所定個数の永久磁石18を等角度間隔で並べて接着
などにより固定した後、該ボス部材16と永久磁石18
とを射出成型用金型内にインサートして、該金型内に前
記と同様の性能を有する絶縁樹脂を充填することによ
り、磁石保持部材17を成形するようにしてもよい。こ
のようにすると、磁石保持部材17を構成する樹脂がア
リ溝16c内に密に充填され、該樹脂が永久磁石18に
密に接するため、磁石回転子の機械的強度を向上させる
ことができる。絶縁樹脂の溶融温度はアルミニュウムの
溶融温度に比べて低いため、上記のように、永久磁石を
ボス部材とともに磁石保持部材成形用の金型内にインサ
ートして磁石保持部材17を一体成形する方法をとって
も、磁石が減磁することはない。
付けると、磁石回転子を回転電機に組み込む際に、永久
磁石18の外面に物が当って該磁石18が破損するのを
防ぐことができる。また永久磁石18として希土類磁石
を用いる場合、磁石が外気に触れていると磁石の劣化が
早期に進むおそれがあるが、上記のように磁石カバーを
設けると、永久磁石18を外気から遮断することができ
るため、該磁石が早期に劣化するのを防ぐことができ
る。
成例を示したもので、この例では、磁石保持部材17の
周壁部17aの軸線方向の一端側の側面の内周寄りの部
分に軸線方向に突出した突起17eが周設されている。
ボス部材16側には、磁石保持部材17の突起17eを
嵌合させるための環状の凹部16eが軸線方向に開口し
た状態で設けられ、磁石保持部材17の突起17eがボ
ス部材16側に設けられた凹部16eに軸線方向から嵌
合されて磁石保持部材17の軸線方向の一端がボス部材
16に拘束されている。
られた各磁石保持孔の4つの内面のうち、ボス部材16
の軸線方向に相対する1対の内面がテーパ部17d1,1
7d1となっており、ボス部材16の軸線方向に相対する
磁石18の側面にそれぞれ形成されたテーパ部18a1,
18a1がテーパ部17d1,17d1に当接されている。そ
の他の点は図1ないし図7に示した例と同様に構成され
ている。
周壁部の一端側に設けた突起17eをボス部材16側に
設けた凹部16eに軸線方向から嵌合させて、磁石保持
部材17の一端をボス部材16に拘束するようにする
と、磁石保持部材17をいっそう強固にボス部材16に
対して固定することができるため、遠心力により磁石保
持部材17が外側に膨らむのを更に確実に防いで、磁石
の取り付け強度を高めることができる。
として用いる磁石回転子に本発明を適用した場合を例に
とったが、ブラシレス電動機等の他の回転電機に用いる
磁石回転子にも本発明を適用することができる。
材を取り囲む環状の磁石保持部材に設けた磁石保持孔内
に永久磁石を収容して、磁石保持孔の内面及び永久磁石
の側面にそれぞれテーパ部を設けることにより永久磁石
の抜け止めを図るとともに、絶縁樹脂製の磁石保持部材
とボス部材とをアリとアリ溝との嵌合により結合する構
造にして、磁極片を用いることなく、またネジやアルミ
ニュウムのモールド部を用いずに永久磁石をボス部材に
強固に固定することができるようにしたので、コストの
低減を図って、しかも遠心力に対する機械的強度が高い
磁石回転子を得ることができる利点がある。
磁石をボス部材に固定するので、振動が加わった場合に
緩む個所をなくして、振動に強い磁石回転子を得ること
ができる。
ールド部を設けることなく、絶縁樹脂製の磁石保持部材
に永久磁石を保持させる構造とすることにより、永久磁
石を取り囲む領域に渦電流が流れるのを防いで、渦電流
損を少なくすることができるようにしたので、回転電機
の効率を高めることができる上に、磁石回転子からの発
熱を少なくすることができる利点がある。
いため、磁石回転子の軽量化を容易に図ることができ、
回転子の慣性モーメントを小さくする要求に容易に応え
ることができる。
発電機の構成例を示した正面図である。
した正面図である。
面図である。
により保持される永久磁石とを示した斜視図である。
た断面図である。
(B)は(A)のD−D線断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 強磁性材料からなっていて、回転軸を嵌
合させるための孔を内側に有し、周方向に間隔をあけて
並ぶ複数のアリ溝を外周側に有する筒状のボス部材と、 前記ボス部材の外周を取り囲むように環状に形成された
周壁部と、該周壁部の内周部の前記複数のアリ溝にそれ
ぞれ対応する位置から径方向の内側に突出した複数のア
リとを有して、各アリが前記ボス部材の対応するアリ溝
に嵌合されて前記ボス部材に固定され、前記周壁部には
前記ボス部材の周方向に等角度間隔で並ぶ複数の磁石保
持孔が該周壁部を貫通した状態で形成されている絶縁樹
脂製の磁石保持部材と、 前記磁石保持部材の複数の磁石保持孔内にそれぞれ収容
されて前記ボス部材の径方向に着磁された複数の板状の
永久磁石とを具備し、 前記各磁石保持孔の内面には、各磁石保持孔の断面積を
前記ボス部材の径方向の外側に向うに従って次第に小さ
くする向きのテーパが付けられたテーパ部が設けられ、 前記各磁石保持孔の内面に接する各永久磁石の側面に
は、前記磁石保持孔の内面のテーパ部と同じ方向に傾斜
したテーパ部が設けられていることを特徴とする回転電
機用磁石回転子。 - 【請求項2】 回転軸を嵌合させるための孔を内側に有
し、周方向に間隔をあけて並ぶ複数のアリ溝を外周部に
有する筒状のボス部材と、 前記ボス部材の外周を取り囲むように環状に形成された
周壁部と、該周壁部の内周部の前記複数のアリ溝にそれ
ぞれ対応する位置から径方向の内側に突出した複数のア
リとを有して、各アリが前記ボス部材の対応するアリ溝
に嵌合されて前記ボス部材に固定され、前記周壁部には
前記ボス部材の周方向に等角度間隔で並ぶ複数の磁石保
持孔が該周壁部を貫通した状態で形成されている絶縁樹
脂製の磁石保持部材と、 前記磁石保持部材の複数の磁石保持孔内にそれぞれ収容
されて前記ボス部材の径方向に着磁された複数の板状の
永久磁石と、 前記複数の永久磁石の外側の磁極面を前記磁石保持部材
とともに覆うように環状に形成されて前記ボス部材に固
定された非磁性磁石カバーとを具備し、 前記各磁石保持孔の内面には、各磁石保持孔の断面積を
前記ボス部材の径方向の外側に向うに従って次第に小さ
くする向きのテーパが付けられたテーパ部が設けられ、 前記各磁石保持孔の内面に接する各永久磁石の側面に
は、前記磁石保持孔の内面のテーパ部と同じ方向に傾斜
したテーパ部が設けられていることを特徴とする回転電
機用磁石回転子。 - 【請求項3】 前記ボス部材の軸線方向の一端寄りの外
周部に外鍔部が形成されて該外鍔部に前記磁石保持部材
の軸線方向の一端が当接され、 前記磁石保持部材は、前記ボス部材の外鍔部と前記ボス
部材の軸線方向の他端との間の距離にほぼ等しい幅寸法
を有するように形成されて、前記磁石保持部材の軸線方
向の他端が前記ボス部材の軸線方向の他端とほぼ同じ位
置に配置され、 前記磁石カバーは、その軸線方向の一端側及び他端側に
それぞれ内鍔部を有して、該磁石カバーの一端側の内鍔
部及び他端側の内鍔部がそれぞれ前記ボス部材の外周の
鍔部及びボス部材の他端側の端面に外側から当接した状
態で前記磁石カバーが前記ボス部材に対して固定されて
いる請求項2に記載の回転電機用磁石回転子。 - 【請求項4】 前記磁石保持部材の周壁部の軸線方向の
一端側の側面の内周寄りの部分に軸線方向に突出した突
起が設けられ、 前記ボス部材側には、前記磁石保持部材の突起を嵌合さ
せるための凹部が軸線方向に開口した状態で設けられ、 前記磁石保持部材の突起が前記ボス部材側に設けられた
凹部に前記ボス部材の軸線方向から嵌合されて前記磁石
保持部材の軸線方向の一端が前記ボス部材に拘束されて
いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つ
に記載の回転電機用磁石回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04147598A JP3397119B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 回転電機用磁石回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04147598A JP3397119B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 回転電機用磁石回転子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11243654A true JPH11243654A (ja) | 1999-09-07 |
JP3397119B2 JP3397119B2 (ja) | 2003-04-14 |
Family
ID=12609395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04147598A Expired - Fee Related JP3397119B2 (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 回転電機用磁石回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3397119B2 (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20020020543A (ko) * | 2000-09-09 | 2002-03-15 | 김학용 | 중심축의 자계형성을 방지하는 회전자 및 그 제작방법 |
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JP2020088901A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | セイコーインスツル株式会社 | ロータ |
WO2023160364A1 (zh) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | 重庆美的通用制冷设备有限公司 | 转子、电机、压缩机和空调器 |
-
1998
- 1998-02-24 JP JP04147598A patent/JP3397119B2/ja not_active Expired - Fee Related
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