JPH11242984A - 炭素系発熱体 - Google Patents

炭素系発熱体

Info

Publication number
JPH11242984A
JPH11242984A JP28001898A JP28001898A JPH11242984A JP H11242984 A JPH11242984 A JP H11242984A JP 28001898 A JP28001898 A JP 28001898A JP 28001898 A JP28001898 A JP 28001898A JP H11242984 A JPH11242984 A JP H11242984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
heating element
boron nitride
composition
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28001898A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Suda
吉久 須田
Osamu Shimizu
修 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP28001898A priority Critical patent/JPH11242984A/ja
Publication of JPH11242984A publication Critical patent/JPH11242984A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱安定性に優れた炭素系発熱体を提供する。 【解決手段】 賦形性を有し焼成後高い炭素残査収率を
示す組成物中に純度99%以上LaおよびLcがいずれ
も500Å以上の結晶化度を有する窒化硼素を均一に分
散させ、得られた分散物を賦形し、非酸化性雰囲気にお
いて焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体として必要
な任意の固有抵抗値と形状を有する炭素系発熱体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、抵抗用発熱体としては主としてタ
ングステン線やニクロム線などの金属線加工品と等方性
炭素材料やガラス状炭素などの炭素の切削加工品、炭化
珪素などの金属化合物が使用されてきた。その中でも金
属線の加工品は主として小型の民生機器のヒーター用発
熱体として、炭素や金属化合物は産業用炉などに使用さ
れている。
【0003】従来の発熱体用素材の中でも炭素は、金属
線などと異なり、発熱速度、発熱効率、遠赤外線の発生
効率が良いなど優れた特徴を有している。しかし従来の
炭素発熱体は、大きな板形状体やブロック形状体より切
削加工により作製するため製造工程が煩雑で高価なうえ
細い物や薄い物など作製することが困難である。また、
ある規格範囲の固有抵抗値を有するブロック体などから
切削するため発熱量の制御は形状を変えるしか方策がな
いなどの問題点を有している。
【0004】そこで本発明者らは特願平9−25889
3号において、薄板形状だけでなく細い棒形状体、細い
円柱形状体など従来の炭素材料では得ることのできない
形状を得ることが可能なうえ任意の固有抵抗値を有する
ことで広範な設定電流・電位の印加による発熱制御が可
能で、発熱体としての炭素材料が持つ発熱速度、発熱効
率、遠赤外線の発生効率に優れた炭素系発熱体として、
賦形性を有し焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示
す組成物と、金属或いは半金属化合物の一種または二種
以上を混合し、焼成することによって、製造される炭素
系発熱体を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記出願
では、金属あるいは半金属化合物としての窒化硼素の純
度または結晶化度(クリスタリットの大きさ)に関する
言及はなく、それが通電の際の経年変化或いは熱安定性
にいかなる影響を及ぼすかが明らかでなかった。したが
って本発明の目的は、炭素含有組成物と窒化硼素を混合
して焼成することによって得られる炭素系発熱体に使用
される窒化硼素の純度または結晶化度と発熱体の特性と
の関係を明らかにして、その経年変化特性または熱安定
性を改善することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、賦形性
を有し焼成後実質的に零でない炭素残査収率を示す組成
物と、純度99%以上でa軸およびc軸方向のクリスタ
リットの長さがいずれも500オングストローム以上の
結晶化度を有する窒化硼素を混合し、焼成して得られる
炭素系発熱体が提供される。
【0007】窒化硼素の純度が99%未満であると連続
通電時に不純物の析出のために抵抗値が許されるレベル
以上に変化し、クラックが発生する。また、たとえ純度
が99%以上であっても結晶化度が上記の値未満である
と連続通電時に結晶成長のためにやはり抵抗値が変化し
クラックが発生する。前述の組成物としては、不活性ガ
ス雰囲気中での焼成により5%以上の炭化収率を示す有
機物質を使用するものである。具体的には、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、
ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビニル共重合体、ポリアミド
等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポ
キシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド等の熱
硬化性樹脂、リグニン、セルロース、トラガントガム、
アラビアガム、糖類等の縮合多環芳香族を分子の基本構
造内に持つ天然高分子物質、及び前記には含有されな
い、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、コプナ
樹脂等の縮合多環芳香族を分子の基本構造内に持つ合成
高分子物質が挙げられる。使用する組成物種と量は、目
的とする発熱体の形状により適宜選択され、単独でも二
種以上の混合体でも使用することができるが、特にポリ
塩化ビニル樹脂、フラン樹脂を使用することが好まし
く、炭素の持つ優れた特性を堅持するためにもその使用
量は30重量部以上が好ましい。
【0008】前述の組成物中には炭素粉末が含有されて
いることが好ましい。炭素粉末としては、カーボンブラ
ック、黒鉛、コークス粉等が挙げられるが、使用する炭
素粉末種と量は、目的とする発熱体の抵抗値・形状によ
り適宜選択され、単独でも二種以上の混合体でも使用す
ることができるが、特に形状制御の簡易さから黒鉛を使
用することが好ましい。
【0009】本発明では、前述の有機物質の焼成により
生じる炭素材料及び炭素粉は電気良導体として、そして
窒化硼素は導電阻害物質として作用しており、電流は導
電阻害物質である窒化硼素を飛び越え、いわゆるホッピ
ングしながら炭素材料またはそれと炭素粉末を媒体とし
て流れる。この為これら2つないし3つの成分の種類や
その比率等を変え、それらを均一に混合、分散させ焼成
することにより、所望の固有抵抗値を有する本発明の炭
素系発熱体を得ることができる。
【0010】また本発明の炭素系発熱体は、発熱速度、
発熱効率、遠赤外線の発生効率など発熱体としての優れ
た特徴を具備し、設計どおりの抵抗値と形状を有するた
め、設定電流・電位の印加により発熱量を容易に制御す
ることが可能である。但し、発熱量を制御する際には、
場合によりかなりの高温になることから、アルゴンガス
等の不活性ガス雰囲気とした容器中で使用することで、
酸化を防止する必要がある。またこの時遠赤外線の発生
効率の妨げとならずに高温に耐える石英等の透明な容器
を用いることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による炭素系発熱
体の製造方法を説明する。まず、組成物と窒化硼素とを
混練機を用いて良く混合させる。得られた混合体を、真
空成型機、射出成型機、押し出し成型機などの既存の成
形手法により設計形状に賦形する。次に賦形体を、炭素
前駆体化処理し、得られた炭素前駆体を窒素、アルゴン
等の不活性ガス雰囲気中もしくは真空下で1000℃程
度、好ましくは2000℃程度まで加熱昇温し、炭素化
し炭素系発熱体を得る。昇温速度は、特に500℃迄は
3〜100℃/h、好ましくは5〜50℃/hとゆっく
りと焼成するのが適当で、昇温速度が大きいと変形した
り微細なクラックが生じるなどの欠陥が生じる。したが
って、500℃迄は100℃/h以上の昇温速度を避け
た方が良い。
【0012】本発明の炭素系発熱体は、発熱速度、発熱
効率、遠赤外線の発生効率など発熱体としての優れた特
徴を具備し、設計どおりの抵抗値と形状を有するため、
設定電流・電位の印加により発熱量を容易に制御するこ
とが可能である。
【0013】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を更に具体的
に説明するが、本願発明はこの実施例によって何等限定
されるものではない。 (実施例1)塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社
製 T−741)40重量%に天然黒鉛微粉末(日本黒
鉛製 平均粒径5μm)5重量%を複合した組成物、窒
化硼素(信越化学工業製 平均粒径2μm、純度99.
5%、結晶化度(Lc:730Å、La:720Å))
55重量%に対し、可塑剤としてジアリルフタレートモ
ノマー20重量%を添加して、ヘンシェルミキサーを用
いて分散した後、表面温度を120℃に保ったミキシン
グ用二本ロールを用いて十分に混練を繰り返して組成物
を得、ペレタイザーによってペレット化し、成形用組成
物を得た。このペレットをスクリュー型押出機で直径
1.5mmφのダイスを用い脱気を行いつつ130℃で3
m/秒の速度で押し出し、これを200℃に加熱された
エアオーブン中で10時間処理してブレカーサー(炭素
前駆体)線材とした。次に、これを窒素ガス雰囲気中で
1800℃で焼成し、円柱状の炭素系発熱体を得た。
【0014】得られた炭素系発熱体は断面の直径1.2
mmφ、曲げ強度が300MPa であった。ホイートストー
ンブリッジ法により固有抵抗を測定したところ、15.
2×103 Ω・cmの値を有していた。この炭素系発熱体
を長さ300mmに切断し、端部にリードを接続し、アル
ゴンガス雰囲気の石英管中で通電したところ100Vで
瞬時1500℃に達するとともに、遠赤外線の放射が確
認できた。また使用中にクラックの発生もなく安定した
発熱量を得ることができた。 (比較例1)塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社
製 T−741)40重量%に天然黒鉛微粉末(日本黒
鉛製 平均粒径5μm)5重量%を複合した組成物、窒
化硼素(信越化学工業製 平均粒径2μm、純度98.
3%、結晶化度(Lc:480Å、La:450Å))
55重量%に対し、可塑剤としてジアリルフタレートモ
ノマー20重量%を添加して、分散、混合し、押し出し
成形を行い、エアオーブン中で10時間処理してブレカ
ーサー(炭素前駆体)線材とし、その後窒素ガス雰囲気
中で1800℃で焼成し、円柱状の炭素系発熱体を得
た。
【0015】得られた炭素系発熱体は断面の直径1.2
mmφ、曲げ強度が290MPa であった。ホイートストー
ンブリッジ法により固有抵抗を測定したところ、14.
5×10-3Ω・cmの値を有していた。この炭素系発熱体
を長さ300mmに切断し、端部にリードを接続し、アル
ゴンガス雰囲気の石英管中で通電したところ100Vで
瞬時1500℃に達するとともに、遠赤外線の放射が確
認できたが、連続使用中にクラックの発生、抵抗値の減
少が生じ、安定した発熱量を得ることができなかった。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
経年変化特性または熱安定性に優れた炭素系発熱体が提
供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 賦形性を有し焼成後実質的に零でない炭
    素残査収率を示す組成物と、純度99%以上でa軸およ
    びc軸方向のクリスタリットの長さがいずれも500オ
    ングストローム以上の結晶化度を有する窒化硼素を混合
    し、焼成して得られる炭素系発熱体。
  2. 【請求項2】 前記組成物は、樹脂を含むことを特徴と
    する請求項1記載の炭素系発熱体。
  3. 【請求項3】 前記組成物中には、カーボンブラック、
    黒鉛及びコークス粉からなる群から選ばれた1種または
    2種以上の炭素粉末が含有されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の炭素系発熱体。
JP28001898A 1997-12-26 1998-10-01 炭素系発熱体 Withdrawn JPH11242984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28001898A JPH11242984A (ja) 1997-12-26 1998-10-01 炭素系発熱体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36036197 1997-12-26
JP9-360361 1997-12-26
JP28001898A JPH11242984A (ja) 1997-12-26 1998-10-01 炭素系発熱体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11242984A true JPH11242984A (ja) 1999-09-07

Family

ID=26553581

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28001898A Withdrawn JPH11242984A (ja) 1997-12-26 1998-10-01 炭素系発熱体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11242984A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6501056B1 (en) 1998-04-28 2002-12-31 E. Tec Corporation Carbon heating element and method of manufacturing the same
US7332695B2 (en) * 1997-06-25 2008-02-19 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. Carbon heating element and method of producing same
CN108147777A (zh) * 2017-12-22 2018-06-12 郑州中南杰特超硬材料有限公司 一种利用回收合成立方氮化硼固废制备超高压合成用加热管的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7332695B2 (en) * 1997-06-25 2008-02-19 Mitsubishi Pencil Co., Ltd. Carbon heating element and method of producing same
US6501056B1 (en) 1998-04-28 2002-12-31 E. Tec Corporation Carbon heating element and method of manufacturing the same
CN108147777A (zh) * 2017-12-22 2018-06-12 郑州中南杰特超硬材料有限公司 一种利用回收合成立方氮化硼固废制备超高压合成用加热管的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3173800B2 (ja) 炭素系発熱体の製造方法
JPH11242984A (ja) 炭素系発熱体
JP5303103B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体及びその製造方法
US20080108494A1 (en) Composition of molybdenum disilicide and the application of the same
JPH0826709A (ja) 炭素材の製造方法
JPH11242988A (ja) 炭素系発熱体
JP4623778B2 (ja) 炭素系発熱体の製造方法
JPH11242987A (ja) 炭素系発熱体
JPH11242986A (ja) 炭素系発熱体
CN1055368C (zh) 铬酸镧电热体及其制造方法
JP4766742B2 (ja) 炭素系発熱体の製造方法
US4609694A (en) Process for preparing metamorphosed alkaline titanates
JPH11242985A (ja) 炭素系発熱体
WO2004011690A1 (ja) スパッタリングターゲット
JP2001261441A (ja) 導電性SiC焼結体の製造方法
JP2002100278A (ja) 炭素系エミッタ及びその製造方法
JP5130099B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JP4827616B2 (ja) ダイヤモンドの製造方法
CN113548667B (zh) 一种电流辅助低温快速制备超细碳化硼粉体的方法
JP2002158080A (ja) 炭素系発熱体
JP2003206196A (ja) 熱フィラメントcvd装置
JPH0367316B2 (ja)
JPH01101372A (ja) 導電性複合樹脂組成物
JP4786829B2 (ja) フラーレン製造用炭素材料
JP2000026153A (ja) 新規なカーボンセラミックスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110