JPH11240886A - 金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物、抗菌剤、抗菌性樹脂組成物および抗菌性塗料組成物 - Google Patents

金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物、抗菌剤、抗菌性樹脂組成物および抗菌性塗料組成物

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JPH11240886A
JPH11240886A JP28561198A JP28561198A JPH11240886A JP H11240886 A JPH11240886 A JP H11240886A JP 28561198 A JP28561198 A JP 28561198A JP 28561198 A JP28561198 A JP 28561198A JP H11240886 A JPH11240886 A JP H11240886A
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JP
Japan
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metal complex
hydrotalcite compound
antibacterial
anionic
silver
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JP28561198A
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English (en)
Inventor
Eiji Kanezaki
英二 金崎
Suenori Nakashita
末徳 中下
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Sakai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廉価で、持続性のある優れた抗菌効果を有す
ると共に、安全性および耐熱性を有し、かつ容易に変色
しない新規な金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合
物、抗菌剤、抗菌性樹脂組成物および抗菌性塗料組成物
を提供する。 【解決手段】 式(1) : 【化1】〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+・〔(Y)b
−(Z)c a- x/a・yH2 O 〔式中、M2+およびM3+は陽イオン、式(2):〔(Y)b
−(Z)c a-はアニオン性金属錯体を示し、Yは銀イ
オン等を示し、Zはアミノ酸に由来する陰イオン、 1≦
a, 1≦b, 1≦c を示す。但し、 a,b,cは整数である。0.
16≦x≦0.33、y>0である〕で表される金属錯体含有
ハイドロタルサイト類化合物である。また、その化合物
(1) を有効成分として含有する抗菌剤、その抗菌剤を含
有する樹脂組成物および塗料組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロタルサイ
ト類化合物の層間に、抗菌性を有するアニオン性金属錯
体を担持した金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合
物、抗菌剤、抗菌性樹脂組成物および抗菌性塗料組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、衛生思想の向上に伴って食品や医
薬品等の工場をはじめ、病院などの医療現場や一般家庭
などにおいて、抗菌加工が施された樹脂製品が種々利用
されている。樹脂に練り込む抗菌剤として、特開平3−
161409号公報には、ゼオライトに抗菌性を有する
銀イオンを担持させた、いわゆる抗菌性ゼオライトが開
示されている。かかる抗菌性ゼオライトは、人体に対し
て高い安全性を有するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記抗
菌性ゼオライトは、原材料費、製造工程の複雑さ等の点
から、無機材料を使用した場合の利点でもある廉価であ
ることを満足せず、非常に高価な材料となっている。ま
た、上記抗菌性ゼオライトを使用した場合には、銀イオ
ン(Ag+ )と、水道水あるいは塩化ビニル樹脂等に含
まれる塩素イオン(Cl- )とが反応して塩化銀(Ag
Cl)を生成し、この塩化銀が光や熱により徐々に変色
して黒色に変わり、抗菌加工された製品の品質および抗
菌効果が低下するという問題点を抱えている。
【0004】一方、J.Antibact.Antifung.Agents Vol.2
1,No10,pp543-548,1993 には、〔Ag(S2 3 d
(d-1)-で表されるアニオン性銀錯体をシリカゲルの担体
に担持させた抗菌剤が報告されている。かかる抗菌剤
は、銀イオンの過剰溶出の防止や、抗菌性金属イオンの
安定性の改善を図るために、その表面を有機ケイ素化合
物からなるコーティング被膜でコーティングしなければ
ならないため、コストアップとなる欠点を有している。
しかも前記銀イオンの過剰溶出の防止が不十分である。
【0005】そこで、本発明の目的は、無機材料を使用
した場合の利点を損なうことなく従来の問題点を解決
し、廉価で、かつ持続性のある高い抗菌性を有すると共
に、容易に変色しない新規なハイドロタルサイト類化合
物を提供することである。また本発明の他の目的は、前
記ハイドロタルサイト類化合物を有効成分として含有し
た抗菌剤、ならびに当該抗菌剤を含有した樹脂組成物お
よび塗料組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物
は、式(1) :
【0007】
【化5】〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+・〔(Y)b
−(Z)c a- x/a・yH2 O 〔式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオ
ン、式(2) :
【0008】
【化6】〔(Y)b −(Z)c a- はアニオン性金属錯体を示し、Yは1価の銀イオン、2
価の銅イオンまたは2価の亜鉛イオンを示し、Zはアミ
ノ酸に由来する陰イオンを示し、1≦a、1≦b、1≦
cを示す。但し、a、bおよびcは整数である。また、
0.16≦x≦0.33、y>0である。〕で表される
ことを特徴とする。
【0009】一般に、式(3) :
【0010】
【化7】〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+・〔An- x/n
・yH2 O〕x- 〔式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオ
ン、An-は陰イオンを示し、0.16≦x≦0.33、
n≧1、y>0である〕で表されるハイドロタルサイト
類化合物は、具体的にはハイドロタルサイト型層状金属
複水酸化物と呼ばれ、図1に示すように、〔M2+ 1-X
3+ X (OH)2 X+の部分によって形成された八面体層
(複水酸化物層)が正電荷を持っており、この層間に担
持された陰イオンAn-の負電荷が上記正電荷と釣り合っ
て、電気的中性が保たれる。
【0011】そして、前記ハイドロタルサイト類化合物
(3) は、アニオン交換性をもっており、大きなアニオン
をも高効率で取り込むことができる。本発明の金属錯体
含有ハイドロタルサイト類化合物(1) は、耐熱性に優れ
たハイドロタルサイト類化合物(3) の層間に、陰イオン
として、An-に代えて抗菌性を有するアニオン性金属錯
体(2) を強固に吸着担持させたものである。
【0012】従って、本発明では、抗菌性を有する銀、
銅または亜鉛などの金属イオンをアニオン性の金属錯体
(2) として安定化した形態で使用することから、光や
熱、あるいは樹脂等との接触に起因する金属(とくに
銀)の変色を防止することができる。また本発明では、
前記アニオン性金属錯体(2) が層間に強固に吸着担持さ
れていることから、抗菌性を有する金属の溶出が少なく
(徐放性)、従って持続性に優れた抗菌効果を有し、か
つ高い安全性を有するものである。
【0013】さらに本発明では、上記ハイドロタルサイ
ト類化合物(3) およびアニオン性金属錯体(2) が入手容
易な原材料から製造できるので廉価であるという利点を
有し、しかも前記アニオン性金属錯体(2) の層間への取
込みが短時間で、かつ高効率で行われるので、製造工程
が単純化できる利点を有するものである。本発明の金属
錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1) は、バクテリ
ア(大腸菌、淋菌等のグラム陰性菌;芽胞形成菌、結核
菌、らい菌、ジフテリア菌、黄色ブドウ球菌等のグラム
陽性菌など)、真菌(藻菌、子のう菌類、担子菌類、不
完全菌類、黒コウジカビなど)に優れた抗菌効果を発揮
するものである。
【0014】よって、上記金属錯体含有ハイドロタルサ
イト類化合物を有効成分として含有する抗菌剤、ならび
に当該抗菌剤を含有する樹脂組成物および塗料組成物
は、廉価であり、持続性のある抗菌効果を有すると共
に、安全性および容易に変色しない点で優れている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明で使用されるアニオン性金属錯体(2) :
【0016】
【化8】〔(Y)b −(Z)c a- (式中、Y、Z、a、bおよびcは前記と同じであ
る。)について説明する。上記アニオン性金属錯体(2)
は、抗菌性を有する銅、銀、亜鉛などの金属イオンY
と、配位子としてのアミノ酸に由来する陰イオンZとを
錯形成させることにより、調製することができる。
【0017】上記アミノ酸に由来する陰イオンZとして
は、アミノ酸の陰イオンまたはペプチドの陰イオンなど
があげられ、例えば中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、少
なくとも2個の酸性基を有するアミノ酸等のアミノ酸ま
たはそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩などのアル
カリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアル
カリ土類金属塩)、もしくはペプチドなどを用いて調製
することができる。
【0018】具体的には、上記中性アミノ酸としては、
例えばグリシン(Gly)、アラニン(Ala)、バリ
ン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(I
le)、ノルロイシン、セリン(Ser)、トレオニン
(Thr)、システイン(Cys)、メチオニン(Me
t)、プロリン(Pro)、フェニルアラニン(Ph
e)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Asn)、
グルタミン(Gln)、チロニン、ランチオニン、シス
タチオニン、ホモセリン、トリプトファン(Trp)な
どがあげられる。
【0019】中でも、グリシン(Gly)、アラニン
(Ala)、アスパラギン(Asn)、システイン(C
ys)、メチオニン(Met)、チロシン(Tyr)、
グルタミン(Gln)が好適に使用される。塩基性アミ
ノ酸としては、リシン(Lys)、ヒドロキシリシン
(Hyl)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(Hi
s)、オルニチンなどがあげられる。中でも、リシン
(Lys)、ヒドロキシリシン(Hyl)、アルギニン
(Arg)などが好適に使用される。
【0020】少なくとも2個の酸性基を有するアミノ酸
としては、例えばアスパラギン酸(Asp)、グルタミ
ン酸(Glu)などの天然アミノ酸;β−アラニン−
N,N−ジ酢酸、アミノバルビツール酸−N,N−ジ酢
酸、2−アミノ安息香酸−N,N−ジ酢酸、3−アミノ
安息香酸−N,N−ジ酢酸、4−アミノ安息香酸−N,
N−ジ酢酸、2−ホスホエチルイミノ−N,N−ジ酢
酸、2−スルホエチルイミノ−N,N−ジ酢酸、アミノ
メチルホスホン酸−N,N−ジ酢酸、イミノジ酢酸、イ
ミノジプロピオン酸、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ア
ニリンジ酢酸、スルホアニリンジ酢酸、3−スルホアニ
リンジ酢酸、4−スルホアニリンジ酢酸、1,2−ジア
ミノシクロヘキサン−N,N−テトラ酢酸(DCyT
A)、1,3−ジアミノシクロヘキサン−N,N−テト
ラ酢酸、1,4−ジアミノシクロヘキサン−N,N−テ
トラ酢酸、エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、N−ベンジルエチ
レンジアミントリ酢酸、N−ブチルエチレンジアミント
リ酢酸、N−シクロヘキシルエチレンジアミントリ酢
酸、エチレンジアミンジプロピオン酸、エチレンジアミ
ンテトラプロピオン酸、グリシンプロピオン酸、メチル
イミノ−N,N−ジ酢酸、トリメチレンジアミンテトラ
酢酸、テトラジアミンテトラ酢酸、ペンタメチレンジア
ミンテトラ酢酸などの天然に存在しないアミノ酸などが
あげられる。
【0021】中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸(E
DTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、1,2−ジア
ミノシクロヘキサン−N,N−テトラ酢酸(DCyT
A)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Gl
u)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸などが好適に使
用される。なお、本発明におけるアミノ酸は広義に解釈
され、L−アミノ酸のみならずD−アミノ酸を、また、
α−アミノ酸のみならずβ−アミノ酸やγ−アミノ酸な
どを包含する。
【0022】また、本発明で使用するペプチドとして
は、上述したアミノ酸を2個以上使用し、固相法や液相
法などの慣用の方法に従ってペプチド結合によって結合
させたものがあげられる。ペプチドの構成アミノ酸残基
数は10以下(オリゴペプチド)で、ハイドロタルサイ
ト類化合物(3) への層間挿入(インターカレーション)
のし易さを考慮すると上記構成アミノ酸残基数は2〜4
(ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド)である
のが好ましい。
【0023】本発明で使用するペプチドの具体例を三文
字記号を用いて表現すれば、例えばGly−Ala、G
ly−Gly、Gly−Phe、Gly−Ala、Gl
y−Arg−Ala、Asn−Arg、Ala−Ar
g、Gly−Gly−Ala、Gly−Val−As
n、Gly−Gly−Gly−Gly、EDTA−Gl
y、EDTA−Gly−Ala、NTA−Gly−Gl
yなどがあげられる。
【0024】上記アニオン性金属錯体(2):
【0025】
【化9】〔(Y)b −(Z)c a- (式中、Y、Z、a、bおよびcは前記と同じであ
る。)は、上述した抗菌性を有する金属イオンYと、ア
ミノ酸に由来する陰イオンZとを、所定の配合比(Y:
Z=b:c,モル比)で混合・攪拌することにより容易
に調製することができる。
【0026】抗菌性を有する金属イオンYと、アミノ酸
に由来する陰イオンZとの配合比(b:c,モル比)を
具体的に説明すると、上記bは、1≦bを示し、好まし
くは1≦b≦3、より好ましくは1≦b≦2を示す。ま
た上記cは、1≦cを示し、好ましくは1≦c≦3、よ
り好ましくは1≦c≦2を示す。その際、上記アニオン
性金属錯体(2) の価数aは、1≦aを示し、好ましくは
1≦a≦6、より好ましくは1≦a≦3を示す。但し、
上記a、bおよびcは整数である。
【0027】上記アニオン性金属錯体(2) としては、抗
菌性を有する金属イオンYと、アミノ酸に由来する陰イ
オンZとの配合比(b:c)によって種々のアニオン性
金属錯体が調製されるが、具体例としては式(2A)〜(2D)
で表されるアニオン性金属錯体などがあげられる。な
お、本発明におけるアニオン性金属錯体(2) は、tra
ns−異性体、cis−異性体いずれの幾何異性体をも
包含する。
【0028】
【化10】〔Y−Z〕a- (2A) (式中、Yは前記と同じである。Zは少なくとも2個の
酸性基を有するアミノ酸に由来する陰イオンZ’を示
す。但し、aは整数であって、1≦a≦3を示す。)
【0029】
【化11】〔Y(Z)2 a- (2B) (式中、YおよびZは前記と同じである。但し、aは整
数であって、1≦a≦7を示す。)
【0030】
【化12】〔Y(Z)3 a- (2C) (式中、YおよびZは前記と同じである。但し、aは整
数であって、1≦a≦11を示す。)
【0031】
【化13】〔(Y)2 −Z〕a- (2D) (式中、Yは一価の銀イオンを示し、Zは少なくとも2
個の酸性基を有するアミノ酸に由来する陰イオンZ’を
示す。但し、aは整数であって、1≦a≦2を示す。)
とりわけ、前記アニオン性金属錯体(2) として、Yが銀
イオンであり、Zがエチレンジアミン四酢酸の陰イオン
であり、bがm、cがq、aが(p−4)q+mである
アニオン性銀錯体(2'):
【0032】
【化14】〔(Ag)m − (Hp edta) q
(p-4)q+m (式中、pは0、1〜3の整数、qは1〜2の整数、m
は1〜3の整数を示す。但し、(p−4)q+mは0よ
り小さい整数である。edtaは
【0033】
【化15】( -OOCH2 C)2 NCH2 CH2 N(C
2 COO- 2 を示す。)を用いた金属錯体含有ハイドロタルサイト類
化合物(1) などは、後述する実施例から明らかなよう
に、上記バクテリアや真菌に対して優れた抗菌効果を発
揮するものである。
【0034】かかるアニオン性銀錯体(2')は、例えばエ
チレンジアミン四酢酸ジナトリウムを出発原料として使
用し、酸またはアルカリでpHを調節しながら、これに
硝酸銀溶液を徐々に加えて室温で1〜6時間程度反応さ
せることにより、調製することができる。なお、上記酸
としては、例えばクエン酸、硝酸などがあげられ、また
上記アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどがあげられる。
【0035】上記調製法をより具体的に説明すると、例
えばアニオン性銀錯体(2')において、pが2、qが2、
mが1、かつ(p−4)q+mが−3であるアニオン性
銀錯体(2'B-1) は、下記反応式(i) に示すように、エチ
レンジアミン四酢酸ジナトリウム(Na2 2 edt
a)に硝酸を加えて反応液のpHを調節し、ついで反応
式(ii)に示すように、硝酸銀(銀イオン)を加えた後、
水酸化ナトリウムを用いて反応液のpHを調節しながら
室温下で1〜6時間程度混合・攪拌することにより、得
ることができる。
【0036】
【化16】 2Na2 2 edta→2H2 edta+4Na+ ・・(i) 2H2 edta+4Na+ +AgNO3 → 〔Ag (H2 edta)23-+3Na+ +NaNO3 ・・(ii) また上記アニオン性銀錯体(2')において、pが0、qが
1、mが1、かつ(p−4)q+mが−3であるアニオ
ン性銀錯体(2'A-1) を調製するには、上記反応式(i) お
よび(ii)と同様に、酸またはアルカリで反応液のpHを
調節しながら、まず、下記反応式(iii) に示すように、
エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム(Na2 2 ed
ta)に水酸化ナトリウム水溶液を2倍モル量加え、エ
チレンジアミン四酢酸の−4価の陰イオン(edta)
を得、ついで下記反応式(iv)に示すように、このedt
aに硝酸銀(銀イオン)を加えて室温下で1〜6時間程
度混合・攪拌すればよい。
【0037】
【化17】 Na2 2 edta+2NaOH→ edta+4Na+ +2H2 O ・・(iii) edta+4Na+ +AgNO3 → 〔Ag (edta) 〕3-+3Na+ +NaNO3 ・・(iv) また、上記アニオン性銀錯体(2')において、アニオン性
銀錯体(2'A-1) などを含む、pが0、qが1、mが1〜
3の整数、かつ(p−4)q+mが(4−m)−である
アニオン性銀錯体(2'A-a) :
【0038】
【化18】〔edta−Agm (4-m)- (式中、mおよびedtaは前記と同じである。)は、
エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAという)を出
発原料として用いて調製することができる。
【0039】すなわち、下記反応式(v) に示すように、
EDTAを水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水
溶液を用いて−4価を有するEDTAの陰イオン(ed
ta)を形成させ、ついで反応式(vi)に示すように、こ
の陰イオン(edta)と銀イオンとを室温下で1〜6
時間程度反応させることにより製造することができる。
【0040】
【化19】 EDTA+4OH- →edta+4H2 O ・・(v) mAg+ +edta→〔edta−Agm (4-m)- ・・(vi) (各式中、EDTA、mおよびedtaは前記と同じで
ある。)また、アニオン性銀錯体(2')において、一般式
(2'B-8) :
【0041】
【化20】〔Ag (Caedta)23- (式中、Caはカルシウムイオンを示す。edtaは前
記と同じである。)で表されるアニオン性銀錯体は、上
述のアニオン性銀錯体(2'B-1) の調製で使用したエチレ
ンジアミン四酢酸ジナトリウムに代えて、エチレンジア
ミン四酢酸カルシウム・ジナトリウムを用いて上記反応
式(i) および(ii)と同様にして反応させることにより、
製造することができる。
【0042】すなわち、下記反応式(vii) に示すよう
に、エチレンジアミン四酢酸カルシウム・ジナトリウム
に硝酸を加え反応液のpHを調整し、ついで下記反応式
(viii)に示すように、硝酸銀(銀イオン)を加えた後、
水酸化ナトリウムを加えて反応液のpHを調整しながら
室温下で1〜6時間程度混合・攪拌すればよい。
【0043】
【化21】 2Na2 Caedta→2Caedta+4Na+ ・・(vii) 2Caedta+4Na+ +AgNO3 → 〔Ag (Caedta)23-+3Na+ +NaNO3 ・・(viii) (各式中、edtaは前記と同じである。) 本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1)
には、必ずしも一種のアニオン性金属錯体(2) が層間に
吸着担持(層間挿入、インターカレーションともいう)
されている必要がなく、複数種のアニオン性金属錯体
(2) が層間に吸着担持されていてもよい。
【0044】また、本発明の金属錯体含有ハイドロタル
サイト類化合物(1) には、抗菌剤としての作用を有する
程度に上記アニオン性金属錯体(2) が層間に吸着担持さ
れていればよく(その含有量は後述する)、これと共
に、例えばアミノ酸に由来する陰イオン、フッ素イオン
(F- )、塩素イオン(Cl- )、臭素イオン(B
-)、ヨウ素イオン(I- )、硝酸イオン(N
3 - )、過塩素酸イオン(ClO 4 - )、リン酸イオ
ン(PO4 3- )、硫酸イオン(SO4 2- )、炭酸イオン
(CO3 2- )などの陰イオン(前記An-とアミノ酸に由
来する陰イオンとで構成される。以下Dn-という。nは
前記と同じである。)が、抗菌剤としての品質を損なわ
ない程度に上記金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合
物(1) の層間に吸着担持されていてもよい。
【0045】具体的には、金属錯体含有ハイドロタルサ
イト類化合物(1) の層間には、アニオン性金属錯体(2)
を、当該層間に担持される陰イオン全量(アニオン性金
属錯体(2) とDn-と下記アニオン性銀錯体(20)との総
量)に対して1〜100モル%、好ましくは10〜99
モル%の範囲で吸着担持されていればよい。なお、後述
する(A)イオン交換法、(B)層状複水酸化物の再構
築法、あるいは(C)再沈法などを採用すれば、アニオ
ン性金属錯体をかかる範囲で層間に吸着担持した金属錯
体含有ハイドロタルサイト類化合物(1) を製造すること
ができる。
【0046】上記アニオン性金属錯体(2) とともに陰イ
オン(Dn-)を層間に吸着担持した金属錯体含有ハイド
ロタルサイト類化合物(1) は、樹脂や助剤との相溶性
や、溶剤に対する親和性などが向上するという利点があ
る。例えば、アニオン性金属錯体(2) とともにアミノ酸
に由来する陰イオンを層間に吸着担持した金属錯体含有
ハイドロタルサイト類化合物(1) では、塗料などに用い
る際に溶剤に対する親和性が向上する。
【0047】また本発明では、前記アニオン性銀錯体
(2')などを含むアニオン性金属錯体(2) に加えて、例え
ば〔Ag(CN)2 - 、〔Ag(Cl)2 - 、〔A
g(S 2 3 d (2d-1)- (式中、d≧1を示す。)
などのアニオン性銀錯体(20)を併用してもよい。さら
に、本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物
(1) には、上述したハイドロタルサイト類化合物(3) の
層間にアニオン性金属錯体(2) を吸着担持させたもの、
ハイドロタルサイト類化合物(3) の層間にアニオン性金
属錯体(2)とともにアミノ酸に由来する陰イオンやAn-
を吸着担持させたもののほか、金属錯体含有ハイドロタ
ルサイト類化合物(1) の層間以外のいずれかにアニオン
性金属錯体(2) を担持させたものが含まれる。
【0048】本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト
類化合物(1) は、例えば従来公知の(A)イオン交換
法、(B)層状複水酸化物の再構築法、あるいは(C)
再沈法などを用いることにより製造することができる。
まず、(A)イオン交換法を用いた製造方法について説
明する。イオン交換法により上記銀錯体含有ハイドロタ
ルサイト類化合物(1) を合成するには、例えば上記式
(3) :
【0049】
【化22】〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+・〔An-
x/n ・yH2 O〕x- (式中、M2+、M3+、x、y、nおよびAn-は前記と同
じである。)で表されるハイドロタルサイト類化合物を
出発原料として使用し、かかるハイドロタルサイト類化
合物(3) の層間の陰イオンであるAn-を、アニオン性金
属錯体(2) とイオン交換することにより、前記式(3) の
ハイドロタルサイト類化合物の層間にアニオン性金属錯
体(2) を吸着担持させることができる。
【0050】具体的には、上記ハイドロタルサイト類化
合物(3) とアニオン性金属錯体(2)の水溶液とを、溶液
のpHを8〜12に保ちながら20〜80℃で1〜10
日間程度混合・攪拌することにより製造される。その
際、前記ハイドロタルサイト類化合物(3) またはアニオ
ン性金属錯体(2) は1種あるいは2種以上組み合わせて
使用してもよい。
【0051】上記ハイドロタルサイト類化合物(3) 中の
2+、M3+およびAn-としては以下のものが例示され、
これらは各々単独あるいは2種以上併用してもよい。前
記M2+としては、例えばMg2+、Fe2+、Mn2+、Co
2+、Ni2+ 、Zn 2+、Cu2+、Cd2+、Ca2+等の2
価の陽イオンがあげられる。とりわけ、本発明では、上
記ハイドロタルサイト類化合物(3) の層構造中のM 2+
少なくとも一部に、抗菌性を有する銅、亜鉛等の金属を
含有させたハイドロタルサイト化合物を出発原料として
使用すれば、層間に担持された前記式(2) のアニオン性
銀錯体の抗菌効果に加えて、銅、亜鉛等の金属による抗
菌効果が期待される。
【0052】具体的には、上記M2+のうち、好ましくは
Mg2+、Mg2+Zn2+、Zn2+、Zn2+Cu2+、Mg2+
Zn2+Cu2+であり、より好ましくはMg2+、Mg2+
2+、Zn2+であるのがよい。M3+としては、例えばA
3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+等の3価の陽イ
オンがあげられ、好ましくはAl3+である。
【0053】前記An-としては、例えばF- 、Cl-
Br- 、I- 、NO3 - 、ClO4 - 、CO3 2- 、PO4
3- 、SO4 2- 等の陰イオンがあげられ、好ましくはC
3 2 - 、NO3 - 、SO4 2- 、Cl- である。より具体
的には、例えばマグネシウム−亜鉛ハイドロタルサイト
類化合物(3a)が例示されるが、かかるハイドロタルサイ
ト類化合物(3a)は、硝酸マグネシウム六水和物、硝酸亜
鉛六水和物および硝酸アルミニウム九水和物を純粋に溶
解したもの(I液) と、水酸化ナトリウムおよび炭酸ナ
トリウムを純水に溶解したもの(II 液) とを純水に攪拌
しながら徐々に加え(その際、溶液のpHを約8〜1
2、好ましくは9〜12に保つのが好ましい。)、約2
0〜100℃で反応させることにより沈澱物を得、つい
でこの沈澱物を熟成させた後、洗浄、脱水、乾燥するこ
とにより、製造することができる。
【0054】なお、上記の沈澱物を製造する際の反応温
度、反応時間および反応系における攪拌速度を適宜調節
することにより、使用目的や使用対象に応じた所望の結
晶形や粒子径を有するハイドロタルサイト類化合物(3
a)、ひいては金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物
(1) を容易に製造することができる。よって、例えば下
記やのような利点を有するものである。
【0055】なお、下記ハイドロタルサイト類化合物(3
b)は、ハイドロタルサイト類化合物(3a)と同じ組成であ
って、ハイドロタルサイト類化合物(3a)よりも粒子径が
大きいハイドロタルサイト類化合物をいう。 徐放性に優れた抗菌剤を調製したい場合には、比表面
積が小さい金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物
(1) を有効成分として用いる必要があるが、かかる金属
錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1) を製造するに
は、比表面積が小さいハイドロタルサイト類化合物(3
b)、換言すれば粒子径の大きいハイドロタルサイト類化
合物(3b)を出発原料として使用すればよい。
【0056】後述する塗料組成物において、塗布作業
や取り扱いが容易な粘度を有する塗料を調製するには、
良好な分散性を有する、粒子径の大きいハイドロタルサ
イト類化合物(3b)を出発原料として使用すればよい。具
体的には、上記約20〜80℃で反応を行えば、1次粒
子径が約0.2μm以下のハイドロタルサイト類化合物
(3a)を製造することができるが、さらに1次粒子径の大
きい1.0μm以上のハイドロタルサイト類化合物(3b)
を製造するには、例えばオートクレーブなどを用いて1
00〜240℃、好ましくは180〜220℃と、上記
範囲より高温に設定した温度で反応させればよい。
【0057】次に、(B)層状複水酸化物の再構築法に
ついて説明する。かかる再構築法を用いて本発明の金属
錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1) を合成するに
は、上述したイオン交換法で使用したと同じハイドロタ
ルサイト類化合物(3) をまず熱分解し、ついで得られた
熱分解物(以下、金属酸化物という)を前記アニオン性
金属錯体(2) の水溶液に浸漬すると、ハイドロタルサイ
ト構造が再構築され、その際、層間に前記アニオン性金
属錯体(2) を担持させることができる。
【0058】具体的には、例えば上述したイオン交換法
で使用したと同じハイドロタルサイト類化合物(3) 中
の、An-が炭酸イオンであるハイドロタルサイト類化合
物を出発原料として使用した場合には、下記反応式(ix)
に示すように、この化合物を熱分解処理を行って、水酸
イオンと、層間陰イオンである炭酸イオンとを分離離脱
させて金属酸化物(M2+ 1-X 3+ X 1+(x/2) )を生成
し、ついで反応式(x) に示すように、この金属酸化物を
前記アニオン性金属錯体(2) の水溶液に浸漬することに
より、ハイドロタルサイト構造が再構築されるととも
に、水溶液中のアニオン性金属錯体(2) が層間に導入さ
れて、本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合
物(1) が得られる。
【0059】
【化23】 M2+ 1-X 3+ X (OH)2(CO3 x/2 →M2+ 1-X 3+ X 1+(x/2) + x/2CO2 +H2 O ・・・(ix) M2+ 1-X 3+ X 1+x/2 + x/a〔(Y)b −(Z)c a-+[1+(x/2)] H2 O → M2+ 1-X 3+ X (OH)2〔(Y)b −(Z)c a- x/a + xOH- ・・・(x) (各式中、M2+、M3+、Y、Z、a、b、cおよびxは
前記と同じである。) 反応式(ix)における熱分解処理は、通常、300〜80
0℃、好ましくは400〜500℃で1〜10時間程度
で行うのがよい。
【0060】かかる熱分解処理を施すことにより、ハイ
ドロタルサイト類化合物(3) 中のA n-(この場合、炭酸
イオン)が分離離脱され、反応式(x) においてアニオン
性金属錯体(2) が層間に導入される。なおAn-は、ハイ
ドロタルサイト類化合物(3) の層間から必ずしも100
%分離離脱される必要はなく、金属錯体含有ハイドロタ
ルサイト類化合物(1) において抗菌性を発揮するように
(すなわち、An-に代わってアニオン性金属錯体(2)が
層間導入されるように)分離離脱されていればよい。金
属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1) の層間にお
けるアニオン性金属錯体(2) の存在比については前述し
たとおりである。
【0061】反応式(x) において、前記(M2+ 1-X 3+
X 1+x/2 )とアニオン性金属錯体(2) の水溶液との反
応は、通常、25〜120℃、好ましくは40〜90℃
で20分〜24時間程度攪拌することにより終了する。
反応式(x) における前記アニオン性金属錯体(2) の層間
への取込みは、上述したゼオライトの代表的な合成法で
ある水熱反応等を利用する必要がなく、開放系で、かつ
比較的低い温度で実施できるという利点を有するもので
ある。
【0062】次に、(C)共沈法について説明する。本
発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1)
は、前記イオン交換法や再構築法などで使用されたのと
同じハイドロタルサイト類化合物(3) の合成時に、An-
の塩(例えばAn-が炭酸イオンの場合、炭酸ナトリウム
など)に代えて前記アニオン性金属錯体(2) を共存させ
ることにより、かかるアニオン性金属錯体(2) がハイド
ロタルサイト化合物の陰イオンとして層間に担持されて
製造される。
【0063】より具体的には、例えばハイドロタルサイ
ト類化合物(3) が前記マグネシウム−亜鉛ハイドロタル
サイト類化合物(3a)である場合には、硝酸マグネシウム
六水和物、硝酸亜鉛六水和物および硝酸アルミニウム九
水和物を純水に溶解したものに、水酸化ナトリウム水溶
液および前記アニオン性金属錯体(2) の水溶液を加え、
加熱下で攪拌または還流して(その際、溶液のpHを約
8〜12に保つのが好ましい)沈澱物を得、ついでこの
沈澱物を熟成させた後、洗浄、脱水、乾燥することによ
り製造することができる。
【0064】また、上記共沈法を用いて金属錯体含有ハ
イドロタルサイト類化合物(1) を製造する場合に、当該
金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1) の層間に
担持させる量以上のアニオン性金属錯体(2) を共存させ
ることにより、層間のみならず層間以外のいずれかにア
ニオン金属錯体を担持した金属錯体含有ハイドロタルサ
イト類化合物(1) を製造することができる。
【0065】本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト
類化合物(1) において、抗菌性を示すアニオン性金属錯
体(2) の含有量(層間に存在する(2) の含有量である)
は、使用する用途に応じて適宜調節されるが、通常、金
属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物全重量に対して
金属が0.1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%
であるのがよい。
【0066】なお本発明において、金属錯体含有ハイド
ロタルサイト類化合物(1) の層間以外のいずれかにアニ
オン性金属錯体(2) を吸着担持させた場合には、上記範
囲以上のアニオン性金属錯体(2) を含有する。本発明の
抗菌剤は、上記アニオン性金属錯体含有ハイドロタルサ
イト化合物(1) を有効成分として含有するものである。
かかる抗菌剤における有効成分の含有量は、使用目的、
使用環境、使用対象により適宜調節されるが、通常抗菌
剤総量に対して1〜100重量%、好ましくは20〜9
9重量%であるのがよい。
【0067】本発明の抗菌性樹脂組成物は、上記抗菌剤
と従来公知の各種樹脂とを、用いる樹脂の特性に合わせ
て温度や圧力を適宜調節しながら混合することにより、
容易に調製することができる。また本発明では、上記樹
脂組成物中に必要に応じて充填剤、可塑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などの添加剤を配合して
もよい。
【0068】本発明において使用する樹脂としては、例
えば塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポ
リプロピレン(PP)、ABS樹脂、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリアセタール、ポリカーボネイト、アクリル樹
脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエス
テルエラストマー、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂(P
U)、フェノール樹脂、ナイロン、レーヨン、アセテー
ト、アクリル、ポリビニルアルコール、トリアセテー
ト、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムな
どがあげられる。
【0069】本発明の抗菌性樹脂組成物における抗菌剤
の使用量は特に制限はないが、使用する樹脂に抗菌性を
付与することを考慮すれば、樹脂全量に対して通常0.
01〜10重量%、好ましくは0.1〜8.0重量%で
あるのがよい。本発明の抗菌性樹脂組成物は、シート、
フィルム、パイプ等の各種形状に成形され、防カビおよ
び抗菌性を必要とする種々の分野で利用される。具体的
な用途としては、例えば食品用容器、まな板、冷蔵庫、
医療器具、電話、ブラシ類などのプラスチック製品;シ
ーツ、おしぼり、マスク、靴下、手袋などの繊維製品;
各種チューブ、パッキン、ベルトなどのゴム製品があげ
られる。
【0070】また本発明の抗菌性塗料組成物は、上記抗
菌剤を、少なくともビヒクルと混合することで構成さ
れ、例えばあまに油、しなきり油、大豆油などの乾性油
もしくは半乾性油を用いた油性塗料、フェノール樹脂塗
料、アルキド樹脂塗料、アミノアルキド樹脂塗料、アク
リル樹脂塗料、フッ素樹脂塗料、光硬化型もしくは触媒
型不飽和樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、繊維素誘導体塗
料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコーン塗料、エマルジ
ョン塗料、水溶性樹脂塗料などに適用される。
【0071】上記ビヒクルとは、塗膜形成要素としての
あまに油等の乾性油または樹脂と、溶剤(水または有機
溶剤、もしくはこれらの混合溶剤)とで構成される。上
記樹脂としては、上記した適用される塗料形態によって
適宜選択される。例えば水溶性樹脂塗料に使用する場合
の樹脂としては、例えばアルキド樹脂、アミノ樹脂、フ
ェノール樹脂、アクリル酸樹脂、アクリル酸エステル樹
脂、エポキシエステル樹脂、アクリルアミド樹脂、メラ
ミン樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリンビニ
ルアルコール樹脂、マレイン化油変性樹脂、特殊フェノ
ール樹脂変性樹脂、トリメリット酸変性アルキド樹脂、
ポリエチレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコー
ル樹脂、ポリエチレンイミン樹脂などの、従来公知の種
々の水溶性樹脂があげられ、これらは単独または2種類
以上併用することができる。
【0072】またエマルジョン塗料用の樹脂としては、
例えばポリ酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹
脂、マレイン酸エステル−アクリル酸エステル共重合樹
脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等があげられ
る。上記溶剤としては、例えば水;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メチルアルコール、ブチルアルコール、
イソプロパノール、ベンジルアルコール、酢酸エチル、
アセトン、シクロヘキサノン、セロソルブ、セロソルブ
アセテート、カービトールアセテート、ジオキサン、
N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等
の有機溶剤があげられる。これらは単独または2種類以
上併用することができる。
【0073】本発明の抗菌性塗料組成物に含有させても
よい顔料としては、例えばハンザイイエロ−G、、ベン
ジジンイエロ−G、ベンジジンイエロ−、キノリンイエ
ロ−、バルカンオレンジ、ピラゾロンレッド、キナクリ
ドンレッド、アシットオレンジR、オレンジII、アシッ
ドブル−、マラカイトグリ−ン、メチルバイオレット、
ビクトリアブル−、フタロシアニンブル−、スルホン化
銅フタロシアニン、キナクリドンバイオレッド、ジオキ
サジンバイオレッド、有機蛍光顔料などの有機顔料;二
酸化チタン、亜鉛華、黄色酸化鉄、モリブデートオレン
ジ、ベンガラ、紫ベンガラ、コバルトブルー、酸化クロ
ム、カーボンブラックなどの無機顔料があげられる。
【0074】上記抗菌性塗料組成物は通常、抗菌剤やビ
ヒクルが予め所定量の溶剤中に溶解された液状の形態で
供給されるが、上記溶剤を含有しない固形の形態(粉体
塗料)で供給してもよい。本発明の抗菌性塗料組成物に
おいて、抗菌剤の有効成分として使用される金属錯体含
有ハイドロタルサイト類化合物(1) としては、上述した
ように、その1次粒子径が大きいものを使用することに
より、取り扱いの容易な適度な粘度を有し、かつ徐放性
に優れた抗菌性を有する塗料組成物を調製することがで
きる。
【0075】従って、上記抗菌性塗料組成物に使用され
る前記金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1) の
1次粒子径としては、0.1μm以上、好ましくは0.
2〜10.0μmの範囲にあるのがよい。上記抗菌性塗
料組成物中に含有される抗菌剤の量は、特に制限はない
が、使用する樹脂に抗菌性を付与することを考慮すれ
ば、当該抗菌性塗料組成物全量に対して通常0.01〜
20重量%、好ましくは0.1〜15.0重量%である
のがよい。
【0076】また本発明では、上記抗菌性塗料組成物中
に、必要に応じて顔料分散剤、粘度調製剤、乾燥促進
剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合してもよ
い。
【0077】
【実施例】以下、参考例、実施例および試験例を挙げて
本発明を説明する。 (ハイドロタルサイト類化合物(3) の調製) 参考例1 硝酸マグネシウム六水和物13重量部、硝酸亜鉛六水和
物3重量部および硝酸アルミニウム九水和物7.5重量
部を純水100重量部に溶解し、I 液とした。
【0078】一方、水酸化ナトリウム7重量部および炭
酸ナトリウム1重量部を純水100重量部に溶解し、II
液とした。70℃に保った純水250重量部中に、攪拌
下で上記I液およびII液を徐々に加えpHを約10に
保ちながら同温度で8時間攪拌を続け、沈澱物を得た。
この沈澱物を1時間かけて熟成させた後、多量の温水で
洗浄し、脱水した。ついで、80℃で24時間乾燥させ
た後、粉砕して、1次粒子径が0.2μm以下のマグネ
シウム−亜鉛ハイドロタルサイト類化合物〔Mg5 Zn
Al2 (OH)16CO3 ・3H2 O〕(3a)を得た。
【0079】上記化合物(3a)について、Chemical Physi
cs Letters.,226,325-330,(1994).J.Chem.Soc.Faraday
Trans.,88,3583,(1992). およびJ.Mater.Sci.Letters.,
12,669,(1993). に記載の粉末X線回折法に準拠して、
下記の測定条件下で測定したX線回折パターンを図2に
示す。 (測定条件) X線:Cu K−ALPHA 1(島津製作所製)/ 4
0kv / 100mA X線波長:1.54Å 発散スリット: 1/2 deg 散乱スリット: 1/2 deg 受光スリット: 0.15 mm スキャンスピード: 2.000 °/ min スキャンステップ: 0.020 ° 走査軸: 2θ/ θ 走査範囲: 2.000 〜65.000° θオフセット: 0.000 ° 固定軸:0.000° また、図2中の主な回折ピークは以下のとおりである。
【0080】2θ=11.52°(001),23.3
2°(002),34.72°(003),39.28
°(004),46.76°(005),60.56°
(006),61.96°(007). 参考例2 加圧下、200℃(オートクレーブ使用)で3時間攪拌
を行うことにより沈澱物を得た以外は参考例1と同様に
して、1次粒子径が0.8〜1.5μmのマグネシウム
−亜鉛ハイドロタルサイト類化合物〔Mg5 ZnAl2
(OH)16CO 3 ・3H2 O〕(3b)を得た。 参考例3 ・III 液 塩化亜鉛 9重量部 塩化アルミニウム六水和物 15重量部 純水 200重量部 ・IV液 水酸化ナトリウム 10重量部 炭酸ナトリウム 2重量部 純水 200重量部 前記I 液およびII液に代えて、上記配合成分からなるII
I 液およびIV液を使用した以外は、参考例1と同様にし
て、亜鉛ハイドロタルサイト類化合物〔Zn4Al
2 (OH)12CO3 ・H2 O〕(3c)を得た。
【0081】上記化合物(3c)について、化合物(3a)と同
様にして測定したX線回折パターンを図3に示す。ま
た、図3中の主な回折ピークは以下のとおりである。 2θ=11.64°(001),23.48°(00
2),34.56°(003),39.2°(00
4),46.76°(005),60.2°(00
6),61.56°(007). 参考例4 ・V 液 硫酸マグネシウム七水和物 30重量部 硫酸アルミニウム九水和物 10重量部 純水 400重量部 ・VI液 水酸化ナトリウム 13重量部 炭酸ナトリウム 2重量部 純水 400重量部 前記I 液およびII液に代えて、V 液およびVI液を使用し
た以外は参考例1と同様にして、マグネシウムハイドロ
タルサイト類化合物〔Mg6 Al2 (OH)16CO3
4H2 O〕(3d)を得た。
【0082】上記化合物(3d)について、化合物(3a)と同
様にして測定したX線回折パターンを図4に示す。ま
た、図4中の主な回折ピークは以下のとおりである。 2θ=11.6°(001),23.4°(002),
34.84°(003),39.32°(004),4
6.92°(005),60.72°(006),6
2.08°(007).参考例5 (アニオン性銀錯体〔(H2 edta)2 Ag〕3- (2'
B-1)水溶液の調製)エチレンジアミン四酢酸ジナトリウ
ム(33.6g,100ミリモル)に少量の硝酸を加え
た後、最小量の水に溶かした硝酸銀(8.5g,50ミ
リモル)を加えた。ついで、得られた溶液に少量の1N
水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加え、溶液の液性をほ
ぼ中性に調整することにより、標記水溶液を得た。
【0083】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。 参考例6a (アニオン性銀錯体〔 (edta) Ag〕3- (2'A-1)水
溶液の調製)エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム(1
6.8g,50ミリモル)と硝酸銀(8.5g,50ミ
リモル)とを最小量の水に溶解させ、1N水酸化ナトリ
ウム水溶液(100ml,100ミリモル)を攪拌下で
徐々に添加することにより、標記水溶液を調製した。
【0084】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。 参考例6b (アニオン性銀錯体〔 (edta) Ag〕3- (2'A-1)水
溶液の調製)エチレンジアミン四酢酸(14.6g,5
0ミリモル)と硝酸銀(8.5g,50ミリモル)とを
最小量の水に溶解させ、得られた溶液に1N水酸化ナト
リウム水溶液をゆっくり添加することにより、標記水溶
液を調製した。
【0085】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。 参考例7 (アニオン性銀錯体〔(H2 edta)2 Ag〕3-
〔H2 edta〕2- (2'B-2)水溶液の調製)硝酸銀
(8.5g,50ミリモル)に対し、過剰量のエチレン
ジアミン四酢酸ジナトリウム(50.4g,150ミリ
モル)を使用した以外は参考例5と同様にして反応を行
うことにより、標記水溶液を調製した。
【0086】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。 参考例8 (アニオン性銀錯体〔(NTA)2 Ag〕3- (2'B-3)水
溶液の調製)硝酸銀(8.5g,50ミリモル)とニト
リロトリ酢酸(19.1g,100ミリモル)とを最小
量の水(20ml)に溶解させ、得られた溶液に1N水
酸化ナトリウム水溶液(200ml,200ミリモル)
を室温下でゆっくり加え、攪拌することにより、標記水
溶液を調製した。
【0087】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。なお、上記式
(2'B-3)中のNTAは、基:
【0088】
【化24】(HOOCCH2 )N(CH2 COO- 2 を示す。 参考例9 (アニオン性銀錯体〔(Ala)2 Ag〕- +〔Al
a〕- (2'B-4) 水溶液の調製)硝酸銀(8.5g,50
ミリモル)とアラニン(13.4g,150ミリモル)
とを最小量の水(20ml)に溶解させ、得られた溶液
に1N水酸化ナトリウム水溶液(150ml,150ミ
リモル)を室温下でゆっくり加え、攪拌することによ
り、標記水溶液を調製した。
【0089】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。なお、上記式
(2'B-4)中のAlaは、基:
【0090】
【化25】(CH3 CHNH2 COO- )を示す。 参考例10 (アニオン性銀錯体〔(Asn)2 Ag〕- +〔As
n〕- (2'B-5) 水溶液の調製)硝酸銀(8.5g,50
ミリモル)とアスパラギン(19.8g,150ミリモ
ル)とを最小量の水(20ml)に溶解させ、得られた
溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(150ml,15
0ミリモル)を室温下でゆっくり加え、攪拌することに
より、標記水溶液を調製した。
【0091】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。なお、上記式
(2'B-5)中のAsnは、基:
【0092】
【化26】H2 NOCCH2 CHNH2 COO- を示す。 参考例11 (アニオン性銀錯体〔(Asp)2 Ag〕3-(2'B-6) 水
溶液の調製)硝酸銀(8.5g,50ミリモル)とアス
パラギン酸(13.3g,100ミリモル)とを最小量
の水(20ml)に溶解させ、得られた溶液に1N水酸
化ナトリウム水溶液(200ml,200ミリモル)を
室温下でゆっくり加え、攪拌することにより、標記水溶
液を調製した。
【0093】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。なお、上記式
(2'B-6)中のAspは、基:
【0094】
【化27】- OOCCH2 CHNH2 COO- を示す。 参考例12 (アニオン性銀錯体〔(Glu)2 Ag〕3-(2'B-7) 水
溶液の調製)硝酸銀(8.5g,50ミリモル)とグル
タミン酸(14.7g,100ミリモル)とを最小量の
水(20ml)に溶解させ、得られた溶液に1N水酸化
ナトリウム水溶液(200ml,200ミリモル)を室
温下でゆっくり加え、攪拌することにより、標記水溶液
を調製した。
【0095】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。なお、上記式
(2'B-7)中のGluは、基:
【0096】
【化28】- OOC (CH2)2 CHNH2 COO- を示す。 参考例13 (アニオン性銀錯体〔 (Caedta) 2 Ag〕3-(2'B
-8) 水溶液の調製)エチレンジアミン四酢酸カルシウム
ジナトリウム(33.0g,100ミリモル)と硝酸銀
(8.5g,50ミリモル)とを最小量の水に溶解させ
た。ついで、得られた溶液に1N水酸化ナトリウム水溶
液を徐々に加え、溶液の液性をほぼ中性に調整すること
により、標記水溶液を得た。
【0097】そして、この水溶液を銀濃度が35ミリモ
ル/リットルになるように純水で薄めた。 実施例1 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1a)の合成)
上記得られた参考例1のハイドロタルサイト類化合物を
450〜500℃で2時間熱処理し、これを担体素材
(本文中の金属酸化物である)とした。
【0098】また参考例5で調製したアニオン性銀錯体
の水溶液50mlに、上記担体素材1gを混合し、25
℃の恒温水槽内で攪拌しながら10時間反応させた。反
応終了後、固液分離し、沈澱物を洗浄、乾燥して標記化
合物を得た。一般にハイドロタルサイト類化合物は、そ
の層間に担持される陰イオンの大きさが大きいほど、図
1中の層間距離dは拡張することが知られている。
【0099】従って、上記実施例1では、原料として使
用するハイドロタルサイト類化合物(3a)には炭酸イオン
を、一方、銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1a)
には炭酸イオンよりもイオンサイズの大きいアニオン性
銀錯体を層間に担持しているので、両者の層間距離を測
定することにより、インターカレーション(層間に吸着
担持、層間挿入)された後の層間距離(すなわち、銀錯
体含有ハイドロタルサイト類化合物(1a)の層間距離)
が、インターカレーションされる前のそれ(すなわち、
ハイドロタルサイト類化合物(3a)の層間距離)よりも拡
張されていれば、上記銀錯体含有ハイドロタルサイト類
化合物(1a)の生成を確認することができる。
【0100】ところで、上記層間距離dは、粉末X線回
折法によって測定した回折ピーク(2θ)をもとにブラ
ッグ(Bragg)の式から算出することができる。ブ
ラッグの式とは、式:
【0101】
【数1】2d・sinθ=nλ 〔式中、dは結晶の空間格子の中の一群の平行な格子面
の間隔(すなわち、ハイドロタルサイト類化合物の層間
距離を示す)、λは入射X線の波長、nは正の整数を示
し、θは視射角(入射角の余角)で、粉末X線回折法に
よって測定される回折ピーク(2θ)の1/2の値であ
る。〕で表される。
【0102】この式から明らかなように、粉末X線回折
法では入射X線の波長が一定なので右辺(nλ)は定数
となることがわかる。従って、左辺の層間距離dと、s
inθとは反比例するので、視射角θが小さければ層間
距離dは大きくなる。よって、銀錯体含有ハイドロタル
サイト類化合物(1a)の視射角θが、原料として使用する
ハイドロタルサイト類化合物(3a)のそれよりも小さくな
っていれば、層間距離dは拡張していることを意味す
る。
【0103】そこで、実施例1で得られた銀錯体含有ハ
イドロタルサイト類化合物(1a)について、ハイドロタル
サイト類化合物(3a)と同様にして粉末X線回折法によっ
て回折ピークを測定したところ、原料として使用するハ
イドロタルサイト類化合物(3a)において2θ=11.5
2°であった回折ピーク(001)が、2θ=<10°
と低シフトしている(小さくなっている)ことが認めら
れ、銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1a)の層間
距離dは、ハイドロタルサイト類化合物(3a)のそれより
も拡張していることがわかった。
【0104】この測定結果から、銀錯体含有ハイドロタ
ルサイト類化合物(1a)の生成を確認することができた。 実施例2 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1b)の合成)
参考例1のハイドロタルサイト類化合物に代えて、参考
例2のハイドロタルサイト類化合物を担体素材と使用し
た以外は実施例1と同様にして反応を行うことにより、
標記化合物を得た。 実施例3 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1c)の合成)
参考例1のハイドロタルサイト類化合物に代えて、参考
例3のハイドロタルサイト類化合物を担体素材と使用し
た以外は実施例1と同様にして反応を行うことにより、
標記化合物を得た。 実施例4 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1d)の合成)
参考例1のハイドロタルサイト類化合物に代えて、参考
例4のハイドロタルサイト類化合物を担体素材と使用し
た以外は実施例1と同様にして反応を行うことにより、
標記化合物を得た。 実施例5 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1e)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例6aで調製したアニオン性銀錯体の水溶液を
同量使用した以外は実施例1と同様にして反応を行うこ
とにより、標記化合物を得た。 実施例6 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1f)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例7で調製したアニオン性銀錯体の水溶液を
0.6倍モル量使用した以外は実施例1と同様にして反
応を行うことにより、標記化合物を得た。 実施例7 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1g)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例8で調製したアニオン性銀錯体の水溶液を同
モル量使用した以外は実施例1と同様にして反応を行う
ことにより、標記化合物を得た。 実施例8 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1h)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例9で調製したアニオン性銀錯体の水溶液を
0.6倍モル量使用した以外は実施例1と同様にして反
応を行うことにより、標記化合物を得た。 実施例9 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1i)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例10で調製したアニオン性銀錯体の水溶液を
0.6倍モル量使用した以外は実施例1と同様にして反
応を行うことにより、標記化合物を得た。 実施例10 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1j)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例11で調製したアニオン性銀錯体の水溶液を
同モル量使用した以外は実施例1と同様にして反応を行
うことにより、標記化合物を得た。 実施例11 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1k)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例12で調製したアニオン性銀錯体の水溶液を
同モル量使用した以外は実施例1と同様にして反応を行
うことにより、標記化合物を得た。 実施例12 (共沈法を用いた銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合
物(1l)の合成)70℃に保った純水250重量部中に攪
拌下でI 液を加えて得られた溶液に、II液に代えて水酸
化ナトリウム7重量部、および炭酸ナトリウム1重量部
に代えて参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液
(100ml,20ミリモル)をそれぞれ徐々に添加し
た以外は参考例1と同様にして反応を行うことにより、
標記化合物を得た。 実施例13 (銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1m)の合成)
参考例5で調製したアニオン性銀錯体の水溶液に代え
て、参考例13で調製したアニオン性銀錯体の水溶液を
同モル量使用した以外は実施例1と同様にして反応を行
うことにより、標記化合物を得た。
【0105】実施例2〜13で得られた金属錯体含有ハ
イドロタルサイト類化合物について、上記銀錯体含有ハ
イドロタルサイト類化合物(1a)と同様にして粉末X線回
折法によって回折ピークを測定したところ、原料として
使用するハイドロタルサイト類化合物において2θ=1
1.5°程度であった回折ピーク(001)が、いずれ
の実施例においても2θ=<10°と低シフトしている
ことが認められた。
【0106】この結果から、実施例2〜13の金属錯体
含有ハイドロタルサイト類化合物では、炭酸イオンより
もイオンサイズの大きいアニオン性金属錯体がハイドロ
タルサイト類化合物の層間に吸着担持されていることが
わかる。 (抗菌性試験)上記得られた実施例1〜13の金属錯体
含有ハイドロタルサイト類化合物を用いて、以下の抗菌
性試験(試験例1〜3)を行った。
【0107】なお、試験例1は本発明の金属錯体含有ハ
イドロタルサイト類化合物自体の抗菌性を評価するもの
であり、試験例2は本発明の樹脂組成物の抗菌性を評価
するものであり、また試験例3は本発明の塗料組成物の
抗菌性を評価するものである。 試験例1 (試験方法)上記実施例1〜13の金属錯体含有ハイド
ロタルサイト類化合物を1重量%含有したリン酸緩衝液
に、大腸菌が5×105 個/ml入った菌液を添加し、
24時間培養した後、大腸菌の生菌数を測定した。
【0108】なお対照として、金属錯体含有ハイドロタ
ルサイト類化合物を添加しなかったリン酸酸緩衝液を用
いて24時間培養したところ、大腸菌の生菌数は4×1
5個/mlであった。上記試験結果を、各実施例の金
属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物の推定構造式と
ともに、下記表1に示す。但し、上記推定構造式では、
各参考例5〜13のアニオン性金属錯体が、ハイドロタ
ルサイト類化合物の層間に完全にインターカレーション
された場合(層間に担持される陰イオン全量に対して1
00モル%の場合)を代表的に示している。
【0109】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜13の金属錯体含
有ハイドロタルサイト類化合物において生菌数の減少が
認められ、抗菌性を有することがわかる。 試験例2 (試作プレートの作製)各種樹脂(PVC、PP、P
E、ABS樹脂、PU)100重量部に対して、実施例
1の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1a)1.
5PHR(樹脂100重量部に対する配合量(重量部)
である)を配合して得た混合物を、射出成型機を用いて
試作プレート(60×35×2mm)を作製した。
【0110】また、実施例3〜6および10〜12の金
属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物について、上記
実施例1の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物と
同様に、PVCを用いて試作プレートを作製した。その
際、使用する樹脂に応じて射出温度を適宜調節するとと
もに、PVCを使用する場合には安定剤(堺化学工業
(株)製のカルシウム−亜鉛系複合安定剤「NWP−1
000」)を5.0PHR添加した。 (試験方法)上記作製した各試作プレートをドロップ法
を用いて抗菌試験を行った。すなわち、各試作プレート
に、菌懸濁液〔菌:黄色ぶどう状球菌、初期菌数:3.
6×104 個/ml、培地:リン酸緩衝液+1/500
培栄養(肉エキス10mg/ml+ペプトン20mg/
ml+塩化ナトリウム10mg/ml)〕100μlを
のせ、25℃で24時間放置後、生菌数を測定した。
【0111】なお対照プレートとして、金属錯体含有ハ
イドロタルサイト類化合物を配合しなかった各樹脂プレ
ートを作製し、これらの対照プレートについても抗菌試
験を行った。上記試験結果を、下記表2に示す。
【0112】
【表2】 表2から明らかなように、使用する樹脂によっていくら
かの差はみられるが、金属錯体含有ハイドロタルサイト
類化合物を配合した試作プレートはいずれも、対照プレ
ートに比べて、黄色ぶどう状球菌の生菌数の減少が認め
られ、抗菌性を有することがわかる。 実施例14 (抗菌性塗料の調製)顔料としてチタン白(R−65
0)〔堺化学工業(株)製ルチル型〕を使用し、樹脂と
してアクリル樹脂〔日立化成工業(株)製の「ヒタロイ
ド7113」〕と、ブチル化メラミン樹脂〔日立化成工
業(株)製の「メラン242」〕を使用し、下記配合比
からなる白色塗料を調製した。
【0113】 (成分) (配合量) ヒタロイド7113 264重量部 メラン242 80重量部 チタン白(R−650) 186重量部 イオン交換水 370重量部 ついで、上記白色塗料900重量部に、実施例1の銀錯
体ハイドロタルサイト類化合物(1a)を100重量部加え
て、合計1000重量部の抗菌性塗料を調製した。 実施例15
【0114】実施例1の銀錯体含有ハイドロタルサイト
類化合物(1a)に代えて実施例2の銀錯体含有ハイドロタ
ルサイト類化合物(1b)を使用した以外は、実施例14と
同様にして抗菌性塗料を調製した。 (抗菌性塗料の粘度の測定)上記実施例14および15
の抗菌性塗料の粘度をB型粘度計にて測定したところ、
実施例14の抗菌性塗料は900cpsであり、また実
施例15の抗菌性塗料は500cpsであった。
【0115】このことから、粒子径の大きい(換言すれ
ば、表面積の小さい)金属錯体含有ハイドロタルサイト
類化合物を塗料に配合した場合には、得られる塗料の粘
度が低くなることがわかる。 実施例16〜21 実施例1の銀錯体含有ハイドロタルサイト類化合物(1a)
に代えて、実施例3、5〜7、11および12の銀錯体
含有ハイドロタルサイト類化合物を使用した以外は実施
例14と同様にして、抗菌性塗料を調製した。 試験例3 (試験方法)表面の平滑なPVCプレート(50×50
mm)に常法により下塗りを行った後、上記得られた実
施例14〜21の供試塗料をそれぞれ塗布し、乾燥した
後、形成した塗膜表面に、菌懸濁液〔菌:黄色ぶどう状
球菌、培地:リン酸緩衝液+1/500培栄養(肉エキ
ス10mg/ml+ペプトン20mg/ml+塩化ナト
リウム10mg/ml)〕0.5ml接種した。ついで
フィルム密着法により、すなわち、上記各塗膜表面上に
被覆フィルムを被せて蓋をした後、35℃で0、10時
間および24時間放置後の生菌数を測定した。
【0116】また、対照として銀錯体含有ハイドロタル
サイト類化合物を添加していない塗料を調製し、実施例
の供試塗料と同様に35℃で0、10時間および24時
間放置後の生菌数を測定した。上記試験結果を、下記表
3に示す。
【0117】
【表3】 実施例14〜21の抗菌性塗料から形成した塗膜はいず
れも、生菌数の減少が著しく認められ、十分な抗菌性を
発現していることがわかる。
【0118】
【発明の効果】本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイ
ト類化合物(1) は、ハイドロタルサイト類化合物の層間
に、抗菌性を有するアニオン性金属錯体(2) を吸着担持
させているため、従来の無機系抗菌剤が抱えていた変色
等の心配がなく、また前記アニオン性金属錯体(2) の過
剰な流出を防止することができるので(徐放性を有す
る)、高い安全性を有すると共に、持続性のある優れた
抗菌効果を発揮することができる。
【0119】さらに上記金属錯体含有ハイドロタルサイ
ト類化合物(1) は、使用するハイドロタルサイト類化合
物およびアニオン性金属錯体(2) が入手容易な原材料か
ら製造できるので、廉価でしかも製造(取扱い性など)
も容易である。よって、本発明の金属錯体含有ハイドロ
タルサイト類化合物(1) は、樹脂やビヒクル等に混合し
て使用する抗菌剤の有効成分として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化
合物の結晶構造図である。
【図2】ハイドロタルサイト類化合物(3a)の粉末X線回
折図形である。
【図3】ハイドロタルサイト類化合物(3c)の粉末X線回
折図形である。
【図4】ハイドロタルサイト類化合物(3d)の粉末X線回
折図形である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/00 C08L 101/00 C09D 5/14 C09D 5/14 // C07F 19/00 C07F 19/00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) : 【化1】〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+・〔(Y)b
    −(Z)c a- x/a・yH2 O〔式中、M2+は2価の陽
    イオン、M3+は3価の陽イオン、式(2) : 【化2】〔(Y)b −(Z)c a- はアニオン性金属錯体を示し、Yは1価の銀イオン、2
    価の銅イオンまたは2価の亜鉛イオンを示し、Zはアミ
    ノ酸に由来する陰イオンを示し、1≦a、1≦b、1≦
    cを示す。但し、a、bおよびcは整数である。また、
    0.16≦x≦0.33、y>0である。〕で表される
    金属錯体含有ハイドロタルサイト類化合物。
  2. 【請求項2】式(1'): 【化3】〔M2+ 1-X 3+ X (OH)2 X+・〔Y−
    Z’〕a- x/a・yH2 O 〔式中、M2+は2価の陽イオン、M3+は3価の陽イオ
    ン、式(2A): 【化4】〔Y−Z’〕a- はアニオン性金属錯体を示し、Yは1価の銀イオン、2
    価の銅イオンまたは2価の亜鉛イオンを示し、Z’は少
    なくとも2個の酸性基を有するアミノ酸に由来する陰イ
    オンを示し、1≦a≦3を示す。但し、aは整数であ
    る。また、0.16≦x≦0.33、y>0である〕で
    表される、請求項1記載の金属錯体含有ハイドロタルサ
    イト類化合物。
  3. 【請求項3】前記式(2) 中のbが1であり、cが2であ
    る請求項1記載の金属錯体含有ハイドロタルサイト類化
    合物。
  4. 【請求項4】アミノ酸に由来する陰イオン、F- 、Cl
    - 、Br- 、I- 、NO3 - 、ClO4 - 、CO3 2-
    PO4 3- およびSO4 2- からなる群より選ばれる少なく
    とも一種の陰イオンが、上記アニオン性金属錯体(2) と
    ともにハイドロタルサイト類化合物(1) の層間に吸着担
    持されている、請求項1〜3のいずれかに記載の金属錯
    体含有ハイドロタルサイト類化合物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の金属錯体
    含有ハイドロタルサイト類化合物を有効成分として含有
    する抗菌剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の金属錯体
    含有ハイドロタルサイト類化合物を有効成分として含有
    する抗菌剤と、樹脂とを含有することを特徴とする抗菌
    性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかに記載の金属錯体
    含有ハイドロタルサイト類化合物を有効成分として含有
    する抗菌剤と、ビヒクルとを含有することを特徴とする
    抗菌性塗料組成物。
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