JPH11240241A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置

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JPH11240241A
JPH11240241A JP10045409A JP4540998A JPH11240241A JP H11240241 A JPH11240241 A JP H11240241A JP 10045409 A JP10045409 A JP 10045409A JP 4540998 A JP4540998 A JP 4540998A JP H11240241 A JPH11240241 A JP H11240241A
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信彦 緒方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 普通紙やバックプリントフィルム等、種々の
異なる記録媒体に記録を行うときに、記録媒体の種類に
かかわらず優れた耐水性と高品位な記録画像を得ること
を目的とする。 【解決手段】 普通紙に記録する場合は、インク中の色
材を不溶化又は凝集させる成分を含む液体Pを普通紙上
に付与してからインクを付与することで記録を行い、バ
ックプリントフィルムに記録する場合は、バックプリン
トフィルム上にインクを付与してから液体Pを付与する
ことで記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクとインク中
の色材を不溶化または凝集させる成分を含む液体を記録
媒体に吐出して、高画質な画像が得られるインクジェッ
ト記録方法およびインクジェット記録装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクの小
滴を飛翔させ、紙等の記録媒体にインクを付着させて記
録を行うものである。特に、特公昭61−59911号
公報、特公昭61−59912号公報、特公昭61−5
9914号公報において開示された、吐出エネルギー供
給手段として電気熱変換体を用い、熱エネルギーをイン
クに与えて気泡を発生させることにより液滴を吐出させ
る方式のインクジェット記録方法によれば、記録ヘッド
の高密度マルチオリフィス化を容易に実現することが出
来、高解像度及び高品位の画像を高速で記録することが
出来る。
【0003】しかしながら、従来のインクジェット記録
方法により、「信頼性の高い記録物」また、「高品位な
記録画像」を得るためには、それらに適したインク吸収
層を有する専用紙を使用する必要があった。近年はイン
クの改良により、プリンタや複写機で大量に使用される
「普通紙」への記録特性をもたせた方法も実用化されて
きている。しかしながら、「普通紙」への記録品位はま
だまだ不十分なレベルに留まっているのが現状である。
【0004】インクを改良して画像の耐水性を向上させ
る方法としては、例えばインク中に含まれる色材に耐水
性を持たせる方法が知られているが、この方法に使用さ
れるインクは、基本的に乾燥後には水に再溶解しにくく
されているため、記録ヘッドのノズルが詰まり易く回復
しにくい。また、これを防止することも可能ではある
が、装置の構成が複雑になってしまう。
【0005】特開昭56−84992号公報には、被記
録材に予め染料を定着させるための材料を塗工しておく
方法が開示されている。しかしながら、この方法では、
特定の記録媒体を使用する必要があり、また、染料を定
着させる材料を塗工するためには、装置の大型化、コス
トアップが避けられない。さらには、被記録材上に、安
定して染料を定着させる材料を所定の膜厚で塗工するこ
とは困難である。
【0006】また、特開昭64−63185号公報に
は、染料を不溶化する無色のインクをインクジェット記
録ヘッドによって被記録材上に付着させる技術が開示さ
れている。この方法においては、無色のインクドット径
を画像記録用のドット径よりも大きくしているので、画
像用インクと無色インクとの着弾位置がずれた場合でも
所望の特性を満足できる。
【0007】しかしながら、この方法では、画像が形成
される領域全面にわたって無色のインクを打ち込むた
め、無色のインクの消費量が多く、ランニングコストの
増加を招く。また、被記録材に対して通常より多くイン
クを打ち込むため、インクの乾燥時間が長くなったり、
インクの付着、乾燥工程で発生する被記録材への凹凸
(コックリング)によりインクの着弾位置ズレが生ず
る。特に、カラー画像を形成する場合には、この凹凸の
基づく着弾位置ズレは色ムラにつながり、画像品位を損
ねてしまう。
【0008】このような課題に対し、インクを被記録材
上に吐出するインクジェット吐出部および該インクジェ
ット吐出部による記録における記録性を向上させるため
に前記被記録材に付与されるプリント性向上液を吐出す
るプリント性向上液吐出部を用いるインクジェット記録
方法であって、複数の記録モードを設定し、前記記録モ
ードにより記録性向上液の量を異ならしめる方法が、特
開平8−216392号公報に開示されている。
【0009】この方法によれば、普通紙上であっても従
来より優れた耐水性を示す「信頼性の高い記録物」を得
ることができ、フェザリングやカラープリントの色間の
にじみが生じない、また、高発色な、さらには、高濃度
の「高品位な記録画像」を得ることができるインクジェ
ット記録方法および記録装置を提供する事が可能とな
る。
【0010】ところで、近年、インクジェット記録装置
の普及により、普通紙以外の記録媒体への画像記録の要
求が多くなってきており、加えて普通紙以外の記録媒体
での画像の高品位化の必要性も高くなってきている。こ
のような記録媒体としては、PVA(ポリビニアルアル
コール)等の透明インク吸収層(インク保持層)をPE
T(ポリエチレンテレフタレート)上にコーディング塗
布したOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)用フィル
ムや、アルミナや炭酸カルシウムやシリカ等の顔料を分
散させたコーティグ層を基紙上に塗布したコート紙、コ
ート紙の表面をカレンダー処理等で光沢処理した光沢
紙、透明PET上に白色顔料を分散させたコーティング
層をコーティング処理したバックプリントフィルム(以
下BPFという)等が既に市販されており、これらの記
録媒体に対しても上に述べたように、記録画像の商品位
化に加え、耐水性といった記録画像の堅牢性が必要とさ
れる。
【0011】中でもBPFで現在市販されているもの
は、耐水性に乏しいという問題がある事から、上述した
記録性向上液を塗布する事により、普通紙の場合と同様
に耐水性の向上が期待される。
【0012】ところが、本発明が実験検証した結果、上
述した記録性向上液を用いてBPFに画像を記録する以
下のような問題が発生する事が判明した。
【0013】つまり、図19に示したように、記録媒体
106が普通紙の場合、記録ヘッド103から記録性向
上液滴P121とBlack、Cyan、Magent
a、Yellowの4色のカラーインク液滴122、1
23、124、125を普通紙上に記録する際、記録性
向上液滴P121をカラーインク液滴より先に普通紙上
に記録し、その後、カラーインク液滴122、123、
124、125を順に普通紙上に記録する事により、普
通紙表面上で記録性向上液とカラーインクが普通紙の中
に吸収される前にカラーインク中の染料の不溶化反応が
進み、記録画像の耐水化が達成される。
【0014】ところで、BPFは特開昭63−1205
61号公報に開示されているように、PETフィルム等
からなる透明層、インク保持層、インク輸送層の主に3
層構成で構成されており、図20に示したように、BP
F110のインク輸送層111に記録インク滴126を
記録した後、インク保持層112で記録インクを保持し
定着させるようにし、記録画像を透明PET層113側
から観察するような構成となっており、記録画像の透明
PET層113側からの耐水性には優れるが、インクの
付与面側のインク輸送層111側からの耐水性に劣ると
いう問題がある。そこで、上述した記録性向上液を塗布
してBPFに画像を記録する事により、普通紙の場合と
同様に耐水性を向上させることが達成できるが、図21
の実線点線で示したように、BPFに記録した記録画像
濃度が、記録性、向上液を使用しないで記録を行なった
場合よりも記録性向上液を塗布した場合の方が低下して
しまい(HA>Hp)記録画像品位が著しく劣化してし
まうという問題が発生する事が判明した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題点を解決し、普通紙やBPFやOHP用フィルム
といった種々の異なる記録媒体に記録を行うときに、記
録媒体の種類にかかわらず優れた耐水性と高品位な記録
画像を得ることができるインクジェット記録方法及びイ
ンクジェット記録装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、インクと、記録媒体に付与されるインク中の色材
を不溶化または凝集させる成分を含む液体とを記録媒体
に付与することで記録を行うインクジェット記録方法で
あって、記録媒体の種類に応じて、記録媒体にインクを
付与してから前記液体を付与する記録方法と、記録媒体
に前記液体を付与してからインクを付与する記録方法と
を切換えて記録を行なうことを特徴とする。
【0017】また、本発明により、インクを吐出するイ
ンク吐出部と、記録媒体に付与されるインク中の色材を
不溶化または凝集させる成分を含む液体を吐出する液体
吐出部とを用いて記録媒体に記録を行うインクジェット
記録装置であって、記録媒体にインクを付与してから前
記液体を付与する第1の記録モードと、記録媒体に前記
液体を付与してからインクを付与する第2の記録モード
を含む複数の記録モードのうち、記録媒体の種類に応じ
た記録モードで記録を行なう記録制御手段を備えること
を特徴とするインクジェット記録装置が提供される。
【0018】本発明によれば、記録媒体の種類に応じ
て、インク中の色材を不溶化又は凝集化させる成分を含
む液体の吐出条件を最適となるように制御する事が可能
となるので、種類の異なる各々の記録媒体に対して、耐
水性の向上と高品位な記録画像を得ることが可能とな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0020】(第1の実施形態)図1は、本発明に適用
可能なインクジェット記録装置の斜視図を示す。記録装
置100の給紙位置に挿入された被記録材106は、送
りローラ109によって記録ヘッドユニット103の記
録可能領域へ搬送される。記録ヘッドユニット103は
ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、
シアン(C)各色のインク吐出部102BK、102
Y、102M、102Cとインク中の色材を不溶化又は
凝集させる成分を含む液体(記録性向上液P)用の液体
吐出部102Pから構成されている。ここで、吐出部と
は、同一ヘッドの一部でも、また、異なるヘッドでもよ
い。
【0021】記録可能領域における被記録材の下部に
は、金属製のプラテン108が設けられる。キャリッジ
101は、2つのガイド軸104と105によって定め
られた方向に移動可能な構成となっており、記録領域を
A方向とB方向に往復走査する。キャリッジ101に
は、4色のインクを供給するインクタンクとそれらのイ
ンクを吐出する記録ヘッドとを含む記録ヘッドユニット
103が搭載されている。本実施例のインクジェット記
録装置に設けられる4種の有色のインクは、ブラック
(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)である。107はスイッチ群と表示パネル群であ
り、各種記録モードの設定をしたり、記録装置の状態を
表示したりする。
【0022】図2は、記録ヘッドユニット103の記録
ヘッドの正面図である。記録ヘッドの吐出口面には、
P、Bk、C、M、Yのそれぞれに対応した複数の吐出
口23があり、各色の吐出口の数はそれぞれ64個であ
る。各色64個ある吐出口の間隔は、ピッチが約70μ
mである360dpiの密度で直線状に配置している。
また各色の吐出口列は、P、Bk、C、M、Yの順に記
録されるように配列されている。
【0023】本実施例のインクジェット記録装置は、吐
出口に対応して電気・熱変換体を配置し、記録情報に対
応する駆動信号を電気・熱変換体に印加してノズルから
インクを吐出させる記録方式を採用するものである。
【0024】図3は、本発明を適応可能な記録ヘッドの
拡大断面図である。記録ヘッド102の電気・熱変換体
である発熱体30は、全ての吐出口23に対してそれぞ
れ独立に発熱可能な構成で配置されている。発熱体30
の発熱により急速に加熱された発熱体付近のインクは膜
沸騰により気泡を形成し、この気泡生成の圧力によりイ
ンク滴35が被記録材31に向かって吐出し、被記録材
上に文字や画像を形成する。この時、吐出される各有色
のインク滴の体積は約40ngである。
【0025】吐出口23の各々には、吐出口に連通する
インク液路が設けられており、インク液路が配設される
部位の後方にはこれら液路にインクを供給するための共
通液室32が設けられる。吐出口の各々に対応するイン
ク液路には、これら吐出口からインク滴を吐出するため
に利用されるエネルギーを発生する電気・熱変換体であ
る発熱体30やこれに電力を供給するための電極配線が
設けられている。これら、発熱体30や電極配線は、シ
リコン等からなる基板33上に成膜技術によって形成さ
れる。発熱体30の上にはインクと発熱体が直接接触し
ないように保護膜36が形成されている。さらに、この
基板上に樹脂やガラス材よりなる隔壁34を積層するこ
とによって上記吐出口、インク液路、共通液室等が構成
される。
【0026】このように、電気・熱変換体を使用した記
録方式は、インク滴吐出時に熱エネルギー印加により形
成される気泡を使用しているため、通称バブルジェット
記録方式と呼ばれている。
【0027】図4は、本発明を適用可能なインクジェッ
ト記録装置100のブロック図である。ホストコンピュ
ータから、記録すべき文字や画像のデータ(以下画像デ
ータという)が記録装置の受信バッファ401に入力さ
れる。また、正しくデータが転送されているかどうかを
確認するデータや、記録装置の動作状態を知らせるデー
タが記録装置からホストコンピュータに帰される。受信
バッファ401のデータは本発明における記録制御手段
であるCPU402の管理のもとで、メモリ部403に
転送されRAM(ランダムアクセスメモリ)に一次的に
記憶される。メカコントロール部404は、CPU40
3からの指令によりキャリッジモータやラインフィード
モータ等のメカ部405を駆動する。センサ/SWコン
トロール部406は、各種センサやSW(スイッチ)か
らなるセンサ/SW部407からの信号をCPU402
に送る。表示素子コントロール部408は、CPUから
の指令により表示パネル群のLED等の表示素子部40
9を制御する。
【0028】ヘッドコントロール部410はCPUから
の指令により記録ヘッド411を制御する。また、記録
ヘッド411の状態を示す温度情報等を検出しCPU4
02に伝える。
【0029】図5は本発明の第1の実施形態の記録動作
を示すフローチャートである。まず、ステップS1で画
像を記録する記録媒体の種類を設定する。この設定は、
記録装置に接続されたホストコンピュータからのデー
タ、または、スイッチ群のスイッチからの選択、或いは
記録装置に設けた操作部412から使用者が手動により
記録媒体106の種類の選択を行なうことにより設定さ
れる。
【0030】そしてステップS2で設定された記録媒体
が普通紙かどうかが判定され、普通紙である場合は、ス
テップ3で記録性向上液であるP液が使用される記録動
作モードに移行し、ステップS4で普通紙に画像を記録
する場合の最適記録モード(II)が設定され、ステッ
プS10で記録動作が実行される。
【0031】ステップS2で記録媒体が普通紙でないと
判定されると、ステップS5で今度は記録媒体がBPF
であるかどうかが判定され、BPFである場合、ステッ
プS6でP液が使用される記録動作モードに移行し、ス
テップS7でBPFに画像を記録する場合の最適記録モ
ード(I)が設定され、ステップS10で記録動作が実
行される。
【0032】またステップS5で記録媒体が普通紙でも
BPFでもないと判定されると、ステップS8でP液が
使用されない記録動作モードに移行し、普通紙、BPF
以外の記録媒体、例えばコート紙、或いは光沢紙、OH
P用フィルムに対しての最適な記録モード(III)が
設定され、ステップ10で記録動作が実行される。
【0033】尚、BPFは一例として例えば特公平5−
73586号公報に記載された以下のような方法で調製
することができる。
【0034】まず、透光性基材として厚さ100μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社
製)を使用し、このフィルム上にカチオン変形ポリビニ
ルアルコール(PVA−C−318AA、10%水溶
液、クラレ製)をバーコーター法により乾燥後の膜厚が
3μmとなる様に塗工し、100℃で10分間乾燥させ
て非孔質のインク保持層を形成する。
【0035】次に下記組成の塗工液を乾燥後の膜厚が2
0μmとなる様にバーコーター法により塗工し、80℃
で10分間の条件で乾燥してインク輸送層を形成し、白
色不透明の被記録材を得る。 塗工液組成; ポリメタクリレート樹脂(マイクロスフアアM、平均粒
子径8乃至10μm、松本 油脂社製) 100部 ポリビニルアルコール(PVA−117、10%水溶
液、クラレ製) 100部 界面活性剤(エマルゲンA−500、花王株式会社製)
0.05部 水 200部
【0036】また、コート紙は例えば特開昭57−17
3194号や特開昭55−144172号に記載された
方法で調製することができる。
【0037】なお、ここで述べている記録性向上液Pと
は、インク中の染料を不溶化する液体、インク中の顔料
に分散破壊を生じせしめ凝集させる液体等を含むもので
ある。ここで、不溶化とは、インク中の染料に含まれる
アニオン性基と記録性向上液中に含まれるカチオン性物
質のカチオン性基がイオン的に相互作用を起こしてイオ
ン結合が生じ、インク中に均一に溶解していた染料が溶
液中から分離する現象である。なお、本発明においては
必ずしもインク中のすべての染料を不溶化しなくとも、
本発明で述べるようなカラーブリード抑制、発色性の向
上、文字品位の向上、定着性の向上といった効果が得ら
れる。また、凝集とは、インクに使用している色剤がア
ニオン性基を有する水溶染料の場合には、不溶化と同一
の意味で使用される。また、インクに使用している色剤
が顔料の場合には、顔料分散剤あるいは顔料表面と記録
性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチオン性基が
イオン的相互作用を起こし、顔料の分散破壊が生じ、顔
料の粒子径が巨大化することを含む。
【0038】また、ここで使用したインクとP液は以下
のような組成のものを用いている。
【0039】 Bk、C、M、Yインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料 3.0重量% 水 78.0重量% なお、染料は、Y、M、C、Bkでそれぞれに対応した
染料とした。
【0040】 P液 ポリアリルアミン塩酸塩 1.0重量% 塩化ベンザルコニウム 1.0重量% チオジグリコール 10.0重量% アセチレノールEH 0.5重量% 水 87.5重量% 尚、上記アセチレノールEHは商品名であり、川研ファ
インケミカル社製である。その化学物質名はエチレンオ
キサイド−2、4、7、9−テトラメチル−5−デシン
−4、7−ジオールである。
【0041】以下、記録モード(I)、(II)、(I
II)の実施例について具体的に説明する。図6及び図
7は記録ヘッドユニット103の1パス(走査)で画像
を記録する場合の記録モード(I)、(II)、(II
I)の例を示したもので、図6は、1パスで画像を記録
する場合の記録ヘッドユニット103の動きを示してお
り、記録ヘッドユニット103が主走査方向に往方向
(矢印A方向)、復方向(矢印B方向)にシリアルスキ
ャン移動して、例えばA4サイズの記録媒体106上に
画像を記録する。記録ヘッドユニット103は図8に示
したように、ユニット内の一番右側がP液吐出部となっ
ている。記録ヘッドユニット103は、まず記録開始ポ
ジションから矢印A方向に走査して記録を行ない、その
後矢印B方向に走査して記録ヘッドユニット103が左
側の記録開始ポジションに戻ったところで記録媒体10
6が図6中矢印C方向へ記録ヘッドの記録ノズル幅分の
長さLだけ搬送され、このような動作を繰り返して行な
う事により、A4サイズの記録媒体全面に画像を記録す
る。
【0042】図6中の右側の番号は、記録ヘッドユニッ
ト103が1回の走査を行なって記録動作した回数を示
しており、図では4回目の途中までの画像記録の状態を
示している。
【0043】図7(a)、7(b)はインク吸収を良好
にするためのインク受容層(インク保持層)を特別に設
けない普通紙が設定された時の記録モード(II)を説
明する為のモデル図ある。普通紙130に画像を記録す
る場合は、記録ヘッドユニット103が矢印A方向の往
方向に走査する際にP液121及びBk、C、M、Y各
色のインク滴122、123、124、125を順次、
普通紙130表面に吐出することで記録を行ない、往方
向での記録終了後、送りローラ109により普通紙を記
録ヘッドの記録ノズル幅分の長さLだけ、図中矢印C方
向へ副走査移動させながら、記録ヘッドユニット103
を矢印B方向の復方向へと走査して記録開始位置へ復帰
させるようにしている。そして普通紙への画像記録の際
に、記録性向上液P液を最初に普通紙130の表面に記
録、付着させた後、Bk、C、M、Yの各色のカラーイ
ンクを普通紙表面上に付与する事により、カラーインク
と記録性向上液P液が普通紙表面上で反応し、インク中
の色材の不溶化が促進され、普通紙上でのカラーブリー
ド抑剤、発色性の向上、文字品位の向上、定着性の向
上、耐水性の向上効果を実現すると同時に、記録時間の
短縮化も可能となる。
【0044】次に図7(c)、7(d)はBPFが設定
された場合の記録モード(I)を説明する為のモデル図
であり、BPF110に画像を記録する場合は、記録ヘ
ッドユニット103が矢印A方向の往方向に走査する際
に、Bk、C、M、Y各色のカラーインク滴122、1
23、124、125をまずBPF110のインク輸送
層111表面に順次記録を行なった後、BPF110を
矢印C方向に副走査移動させないで、記録ヘッドユニッ
ト103の矢印B方向の復方向の走査の際に、記録性向
上液P液の液滴121をBPF110のインク輸送層1
11上に付与し、記録ヘッドユニット103が記録開始
ポジションに戻ったところで、BPF110を矢印C方
向に記録ノズル幅分の長さLだけ副走査移動させた後、
再び、Bk、C、M、Yの各色カラーインク滴による記
録動作を繰り返すようにしている。
【0045】つまり図9に示したように、従来、BPF
110にインク滴を記録する際には、インク輸送層11
1表面に記録されたインクがインク輸送層111中に吸
収、浸透されて図9(a)に示したように、インク保持
層112まで十分インクが到達した結果、透明PET層
113側から、記録濃度が高く維持された商品位な記録
画像を観察する事が可能となる。しかし、記録性向上液
P液を普通紙130の場合と同じように記録すると、図
9(b)に示したように、先にBPF110のインク輸
送層111表面上に記録されたP液が、インク輸送層1
11中に吸収・浸透している最中に、時間的に遅れて各
色のカラーインク滴がBPF110のインク輸送層11
1表面に付与される事から、記録性向上液P液とカラー
インク滴の反応がインク輸送層111中の途中で行なわ
れてしまい、カラーインクがインク保持層112に十分
浸透する前に不溶化してしまい、結果的に、透明PET
層113側から観察した場合の画像濃度が著しく低下し
てしまう。
【0046】そこで、本発明のように記録媒体がBPF
の場合には、まず先に各色のカラーインク滴をBPF1
10のインク輸送層111表面に付与した後から、記録
性向上液P液を付与する事により、図9(c)に示す様
に、各色のカラーインク滴がインク輸送層111の中ま
で十分浸透し、インク保持層112まで到達した状態
で、インク輸送層111表面側でP液とカラーインクの
不溶化反応が行なわれる為に、透明PET層113側か
ら観察した場合の画像濃度が高く確保できる上に、BP
F110のインク輸送層111側において高い耐水性を
得ることができるので、水の侵入による画像の劣化も解
決する事が可能となる。
【0047】ところで、図10(a)に示したように普
通紙130に記録インク滴を記録する場合に、通常、普
通紙130上での記録濃度を高く確保する為に、記録ド
ット径Diが記録解像度ピッチf(記録解像度600d
piの場合、f=42.3μm)の√2倍(Di=√2
×f)となるように記録インク滴の吐出量Uiを設定す
る。
【0048】しかしながら、BPF110にインク滴を
付与すると、BPF110の記録特性上、インク輸送層
111の表面上に付着したインクが速やかにインク輸送
層111中へと吸収されてしまう為に、インク輸送層1
11表面でのインク滴の滲み量が少なくなり、結果とし
て普通紙の場合と同じ吐出量Uiのインク滴をBPF1
10に記録した際に図10(b)に示すように記録ドッ
ト径DB が小さくなってしまい(DB <Di)、インク
滴と記録性向上液を同じ吐出量Uiで記録した場合、ま
たは記録性向上液の吐出量の方を少なくして記録した場
合、図10(b)で斜線で示したように記録ドット間に
隙間が生じることがあり、この隙間の領域から水が侵入
してしまう場合がある事から、BPF110への記録画
像の耐水性をより高める必要が生じる場合がある。
【0049】そこで、本発明においては、より好ましい
態様として、BPF110に記録性向上液を記録した時
に十分な耐水性を確保する為に、BPF110の表面上
での記録性向上液ドットがBPF110のインク輸送層
111の表面を完全に覆うように、記録性向上液の1回
の吐出量を普通紙に対する記録モード(II)における
記録性向上液の1回の吐出量よりも大きくなるように、
記録性向上液用ヘッド102pの駆動を制御するように
している。
【0050】すなわち、図11(a)に示すように、B
PF110に記録性向上液を付与した時の記録性向上液
のドット径Dpが記録解像度ピッチfの√2倍以上(D
p=√2×f)となるように、記録性向上液滴の吐出量
Upを大きくする事により、インク滴と記録性向上液を
重ねて記録した時のドット径が図11(b)に示すよう
にBPF110のインク輸送層111表面を隙間なく埋
め尽くす事ができ、BPF110の記録画像の耐水性を
より十分なものにする事ができる。
【0051】ここで、記録性向上液Pのインク吐出量U
pは、BPF110に記録した場合の記録インクと記録
性向上液の滲み率をα、βとすると、
【0052】
【外1】 の関係を満たすように記録性向上液用吐出ヘッド102
pの駆動条件を制御すればよい。
【0053】次に、図7(e)、7(f)は、普通紙B
PF以外の記録媒体が設定された場合の記録モード(I
II)を説明する為のモデル図で、本例ではコート紙の
場合の例で説明する。つまり、前述したように、基材1
42上に記録インク吸収・定着用の専用のコーティング
層(インク保持層)141をインクが付与される側に設
けてあるようなコート紙140の場合には、普通紙やB
PFの場合のような耐水性等の問題が起こり難く、記録
性向上液P液を付与しなくても十分高品位で堅牢性の高
い記録画像を記録する事ができる事から、記録ヘッドユ
ニット103が矢印A方向の往方向に走査する際に、B
k、C、M、Yの各色のカラーインク滴122、12
3、124、125を順次コート紙140のコーティン
グ層141表面に記録を行なった後、コート紙140を
送りローラ109により記録ノズル幅分の長さLだけ図
中矢印C方向へ副走査移動させながら、記録ヘッドユニ
ット103を矢印B方向の復方向へと走査させる事によ
り、高品位画質の画像記録と記録時間の短縮化を実現す
ることができる。
【0054】図12は各記録モード(I)(II)(I
II)で画像を記録する際の記録インクを記録性向上液
P液の吐出量Uと記録ドット径Dの関係を示したもの
で、前述したように記録モード(II)の場合には、普
通紙上の画像記録であるので、記録インク滴と記録性向
上液P液滴の吐出量は、同等(吐出量=Ui)となるよ
うに記録インク用ヘッド102Y、102M、102
C、102Bkと記録性向上液用ヘッド102Pを駆動
する事により、普通紙上に記録された記録ドット径Di
(=√2×f)で、普通紙表面を隙間なく埋め尽くす事
ができ、BPFに記録を行なう記録モード(I)の場合
には、記録インク液滴の吐出量Uiに対して、Uiより
も吐出量の多い吐出量Up(Up>Ui)で記録性向上
液用ヘッド102pを駆動するというように、記録モー
ドにより記録性向上液用ヘッド102pの駆動条件を切
換えて制御する事を示している。
【0055】ここで記録性向上液P滴のBPF110へ
の記録時の吐出量Upは、前述したように Up>(α/β)Ui Up:記録性向上液の吐出量 Ui:記録インク液の吐出量 α:記録インク液のBPFの滲み率 β:記録性向上液のBPFへの滲み率 を満たせばよいが、図13に示したように、本発明者ら
がキヤノン株式会社製BJカラープリンター「BJC−
700J」とキヤノン株式会社製BPF「BF−10
2」を用いてインク吐出量を変化させて、BPF110
での記録画像の耐水性ラストを行なった結果の定性評価
の結果、吐出量比(Up/Ui)は1.2以上であれば
より優れた耐水性が得られる事がわかった。尚、図13
において◎は耐水性が極めて良好、○は耐水性があり、
△は耐水性があるが、より高い耐水性が求められること
を示す。
【0056】また、にじみ率のα、βの各値は、記録イ
ンク、記録性向上液の溶媒組成および、BPF110の
インク輸送層111の層構成によって異なるが、本発明
者らが検討した結果、大体1.5〜4.0の間の値を示
す。
【0057】従って、吐出量Upの値は最大でも4.0
/1.5≒2.7、すなわち約3倍の吐出量となるよう
に駆動すればよいことから、記録インクと記録性向上液
P液の吐出量比(Up/Ui)は 1.2<(Up/Ui)<3 を満足すればよい事がわかった。
【0058】図14は、記録モード(I)で、BPF1
10に画像を記録する際の記録ヘッド102の駆動制御
の方法を示した説明図で記録モード(II)での記録動
作時の記録性向上液用ヘッド102pの記録ヘッド設定
温度Ti(℃)に対して、記録モード(I)でBPF1
10に記録を行なう際には、図示していない記録ヘッド
102pに設けた記録ヘッド加熱手段の駆動を制御する
事により、記録性向上液用ヘッド102pの記録ヘッド
設定温度Tp(℃)が高くなるように制御し(Tp>T
i)、結果として大きな吐出量Up(Up>Ui)のイ
ンク液滴を記録性向上用ヘッド102pから吐出させる
ようにしている。
【0059】図15は、本発明の各記録モード(I)
(II)(III)での記録インク用ヘッド102Y、
102M、102C、102Bkと記録性向上液用ヘッ
ド102pの記録ヘッドの温度設定の一覧表で、記録モ
ード(II)の場合には、普通紙上への画像記録である
ので記録インク滴と記録性向上液P液滴の吐出量は同等
でいい事から、記録インク用ヘッド102Y、102
M、102C、102Bkの記録ヘッド設定温度Tiと
記録性向上液用ヘッド102pの記録ヘッド設定温度を
同じ温度となるように制御し、記録モード(I)の場合
には、記録性向上液用ヘッド102pのみ、高い温度設
定Tpになるように制御する事を示している。
【0060】なお、本実施例では、普通紙が記録モード
(II)、BPFが記録モード(I)、普通紙やBPF
以外の記録媒体例えばコート紙が記録モード(III)
というように記録媒体の種類と記録性向上液P液の記録
の仕方の異なる記録モードを設定しているが、記録媒体
のインク吸収面の構成に応じて、コート紙等においても
記録性向上液P液を用いた記録モード(I)或いは記録
モード(II)で記録を行なう方が耐水性、画像品位の
向上が優れる場合は、記録モード(I)或いは記録モー
ド(II)で画像記録を行なうように設定してもよい。
【0061】また、ユーザーが画像記録を行ないたい記
録媒体が、耐水性、画像品位が向上される最適な記録モ
ードの不明を記録媒体であるような場合にも対応できる
ように、ユーザーが操作部のスイッチ等の切換えによ
り、記録モード(I)、記録モード(II)、記録モー
ド(III)を適宜選択設定できるようにし、いずれの
記録媒体に対しても最適な記録モードで画像を記録でき
るようにする事により、例えば同じインクジェット用コ
ート紙の中でも製造方法、コーティング層、基材等の異
なる種々なコート紙に対してもそれぞれのコート紙で最
適な記録モードで画像が記録できる事から、記録媒体へ
の適応範囲をより広くする事が可能となる。
【0062】〔第2の実施形態〕図16、図17は本発
明の記録性向上液用ヘッド102pの駆動制御方法の他
の例を説明する為のモデル図で、本実施形態では、前述
した記録モード(I)で、BPF110に画像を記録す
る際に、大きな吐出量Upのインク液滴を記録性向上用
ヘッド102pから吐出させる層に、記録性向上用ヘッ
ド102pの各記録素子に印加する駆動信号を制御する
ようにしている。
【0063】つまり、記録ヘッド102の各記録素子の
発熱体30に図16に示したような電圧がV(v)でパ
ルス幅がW(μ秒)のパルス信号を印加し、発熱体30
の発熱面上での発泡現象により、各ノズルからインク滴
を吐出させている。
【0064】そして、図17及び図18に示すように、
記録性向上用ヘッド102pの発熱体30に印加する駆
動パルス条件であるパルス信号のパルス電圧値Vp或い
はパルス幅Wpの少くともどちらか一方を記録モード
(II)で普通紙に記録する際のパルス電圧値Vi或い
はパルス幅Wiより高くし、発熱体30上での発泡体積
をより大きくする事により、記録性向上液P液の吐出量
Upを増加させるようにしている。
【0065】そして、本実施形態のように、記録モード
(I)でBPFの記録性向上液を記録する際の記録性向
上液用ヘッド102pの駆動条件を記録ヘッド102p
への駆動印加パルス条件で制御する事により、記録性向
上液用ヘッド102Pからの吐出量Uの制御を精度よ
く、時間的応答性も早く制御できるようになる。
【0066】尚、本発明はプリンタ側で操作者が記録媒
体の種類に応じた記録モードを設定する形態のみなら
ず、例えばホスト側より記録媒体の書類に応じた記録モ
ードあるいは記録媒体の種類を指定することにより、指
定された情報を記録装置側で判断し、指定された情報に
対応した記録モードで記録を行うように構成したインク
ジェット記録装置も含むものである。
【0067】なお、本発明は、特にインクジェット記録
方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用される
エネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気
熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギにより
インクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録
装置において優れた効果をもたらすものである。かかる
方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるか
らである。
【0068】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方法は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号の一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書、同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0069】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0070】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0071】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0072】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0073】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0074】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、記
録媒体の種類に応じて、記録性向上液の記録媒体への付
与条件を最適となるように制御する事が可能となり、種
類の異なる各々の記録媒体に対して、耐水性を向上さ
せ、高品位な記録画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した記録装置における複数の記録ヘッ
ドユニットの正面図である。
【図3】図2に示した記録ヘッドの拡大断面図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置の一実施形態
の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明のインクジェット記録方法の一実施形態
の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明のインクジェット記録方法における1パ
ス記録時の記録ヘッドユニットの動きを示す平面図であ
る。
【図7】本発明の各記録モードを説明する為のモデル図
である。
【図8】本発明の記録ヘッドユニットを示すモデル図で
ある。
【図9】BPF(バックプリントフィルム)への記録の
状態を示すモデル図である。
【図10】普通紙上、BPF上での記録ドットの広がり
の違いを示すモデル図である。
【図11】BPFにおける記録性向上液ドットを説明す
る為のモデル図である。
【図12】各記録モードでのインク吐出量と記録ドット
径の制御方法を示す図である。
【図13】吐出量比と耐水性との関係を示す表である。
【図14】記録ヘッド温度とインク吐出量の関係を示す
モデル図である。
【図15】各記録モードと記録ヘッド設定温度の制御方
法を示す図である。
【図16】記録ヘッドに印加する駆動パルス信号のモデ
ル図である。
【図17】記録ヘッドによる吐出インク滴量と記録ヘッ
ド印加電圧の関係を示す図である。
【図18】記録ヘッドによる吐出インク滴量と記録ヘッ
ド印加パルス幅の関係を示す図である。
【図19】従来のインクジェット記録装置による画像記
録動作を示すモデル図である。
【図20】従来のBPF(バックプリントフィルム)へ
の記録方法を示すモデル図である。
【図21】プリント性向上液をBPF(バックプリント
フィルム)に記録した場合の問題点を説明する為の図で
ある。
【符号の説明】
23 吐出口 30 発熱体 31 被記録材 35 インク滴 100 記録装置 101 キャリッジ 102 記録ヘッド 103 記録ヘッドユニット 110 BPF 111 インク輸送層 112 インク保持層 113 透明層 121 プリント性向上液 122、123、124、125 記録インク液 130 普通紙 140 コート紙 141 コート層 142 基材 401 受信バッファ 402 CPU 403 メモリ部 404 メカコントロール部 405 メカ部 406 センサ/SWコントロール部 407 センサ/SW部 408 表示素子コントロール部 409 表示素子部 410 記録ヘッドコントロール部 411 記録ヘッド 412 操作部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクと、記録媒体に付与されるインク
    中の色材を不溶化または凝集させる成分を含む液体とを
    記録媒体に付与することで記録を行うインクジェット記
    録方法であって、 記録媒体の種類に応じて、記録媒体にインクを付与して
    から前記液体を付与する記録方法と、記録媒体に前記液
    体を付与してからインクを付与する記録方法とを切換え
    て記録を行なうことを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  2. 【請求項2】 インクを吐出するインク吐出部と、記録
    媒体に付与されるインク中の色材を不溶化または凝集さ
    せる成分を含む液体を吐出する液体吐出部とを用いて記
    録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、 記録媒体にインクを付与してから前記液体を付与する第
    1の記録モードと、記録媒体に前記液体を付与してから
    インクを付与する第2の記録モードを含む複数の記録モ
    ードのうち、記録媒体の種類に応じた記録モードで記録
    を行なう記録制御手段を備えることを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録制御手段は、記録媒体がインク
    付与側に位置するインク輸送層と当該インク輸送層から
    輸送されるインクを保持するインク保持層とを有する記
    録媒体であるとき、前記第1の記録モードで記録を行な
    うことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記記録制御手段は、記録媒体が普通紙
    であるとき、前記第2の記録モードで記録を行なうこと
    を特徴とする請求項2または3記載のインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の記録モードは、記録媒体にイ
    ンクを付与するが前記液体は付与しない第3の記録モー
    ドを含み、前記記録制御手段は、記録媒体がインク付与
    側にインク保持層を備える記録媒体であるとき、前記第
    3の記録モードで記録を行なうことを特徴とする請求項
    2乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の記録モードにおいて、前記液
    体の一回の吐出量は前記第2の記録モードにおける前記
    液体の一回の吐出量よりも大であることを特徴とする請
    求項2ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置。
  7. 【請求項7】 前記インク吐出部および前記液体吐出部
    は、吐出のための熱エネルギーを発生する熱エネルギー
    発生体を備えることを特徴とする請求項2ないし6のい
    ずれかに記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008087285A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 画像形成装置および画像形成方法
JP2013248883A (ja) * 2012-05-01 2013-12-12 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法及びその画像形成方法により生産した生産物、並びに、印刷物の印刷方法及びその印刷方法により印刷した印刷物
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