JPH11240188A - オーバコート転写方法及びオーバコート可能な熱転写型プリ ンタ - Google Patents

オーバコート転写方法及びオーバコート可能な熱転写型プリ ンタ

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JPH11240188A
JPH11240188A JP6217798A JP6217798A JPH11240188A JP H11240188 A JPH11240188 A JP H11240188A JP 6217798 A JP6217798 A JP 6217798A JP 6217798 A JP6217798 A JP 6217798A JP H11240188 A JPH11240188 A JP H11240188A
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recording paper
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recording
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JP6217798A
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Satoshi Kanbe
聡 神戸
Satoshi Yonemitsu
敏 米光
Masaki Takahashi
正樹 高橋
Morihiko Ota
守彦 太田
Toshiyuki Nakamura
俊幸 中村
Kenichi Masano
憲一 正能
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 複雑な構造を採用することなくインク紙の冷
時剥離を行なって密着性及び光沢に優れたオーバコート
を形成することができるオーバコート転写方法。 【解決手段】 インク紙3に塗布させていた熱溶融性イ
ンクをサーマルヘッド36にて印刷情報に応じて発生す
る熱によって記録紙に転写させ、通常の画像を印刷した
後に巻取リール5を停止した状態で記録紙をインク紙3
と共に印刷方向へ送ってオーバコート用インクを画像の
上に熱転写する工程と、記録紙を印刷方向と逆方向に戻
しつつ巻取リール5を回転させてインク紙3を記録紙か
ら剥がしつつ巻き取る工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単数或いは複数の
インク色を塗布したインク紙を用いて記録紙上に画像を
印刷する際、印刷した画像の上に保護用として透明なオ
ーバコート用インクを塗布したインク紙でオーバコート
を施すことが可能な熱転写型プリンタ及びオーバコート
転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷分野において、高解像度、多
階調でかつ取り扱い容易なプリンタとして、熱転写型プ
リンタが多く採用されている。図14は一般的な熱転写
型プリンタに使用されるインク紙の一部を示した図、図
15は一般的な熱転写型プリンタの構成を説明するため
の構成図であり、(A)は印刷前の状態を示し、(B)
は印刷状態を示している。図16は透明なオーバコート
用インクを塗布したインク紙の一部を示した図である。
【0003】図14(A)に示した如く、一般的な熱転
写型プリンタに使用されるインク紙101は、ポリエス
テル薄膜材などで形成された透明なベースフィルム上の
長手方向にイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン
(C)の複数のインク色を順次繰り返して塗布して作成
されている。この際、図14(B)に示した如く、シア
ン(C)の後方にブラック(BK)のインク色を塗布し
て作成する場合もあるし、また、各インクの配列も上述
したものに限定されない。尚、インク紙101は、熱溶
融性インク又は熱昇華性インクを用いており、このイン
ク紙101のインクの種類に応じて後述する記録紙も用
意されるものである。更に、インク紙101は、各イン
ク色の略先頭位置に頭出し検出マークM1〜M3が各イ
ンク色ごとに設けられている。
【0004】次に、図15(A),(B)に示した如
く、一般的な熱転写型プリンタ110内には、インク紙
101の各インク側に設けられ、且つ、記録紙102を
添接しながらフリー回転するプラテンローラ111と、
記録紙102を一定の速度で往復動させるために互いに
圧接し合い、且つ、一方を例えばステップモータやパル
スモータ等よりなるモータ112に連結した一対のキャ
プスタンローラ113及びピンチローラ114と、プラ
テンローラ111の上方に設けられてインク紙101を
ガイド115,116を介して掛け渡した供給リール1
17及び巻取リール118と、巻取リール118と連結
してインク紙101を矢印A1方向の巻取リール118
側に巻き取るインク紙巻取モータ119と、インク紙1
01の各インク側の裏側で且つカムホイール120と連
結して回動するアーム121に支持されてプラテンロー
ラ111側に接離自在に設けたサーマルヘッド122
と、アーム121の一端に取り付けられてインク紙10
1の各インク色ごとに設けた頭出し検出マークM1〜M
3(図14)を検出する光センサ123とで概略構成さ
れている。
【0005】次に、上記構成による一般的な熱転写型プ
リンタ110の動作について説明する。まず、図15
(A)に示した印刷前の状態では、給紙手段(図示せ
ず)から送られた記録紙102をモータ112に連結し
た一対のローラ113,114間に挟持駆動させながら
記録紙102をフリー回転可能なプラテンローラ111
上に添接するように矢印B1方向に移送する。尚、モー
タ112は、上述のようにパルスモータ等により構成さ
れるので、正逆回転による送り量はパルス数をカウント
することにより容易に管理される。
【0006】次に、インク紙101の1色目のイエロー
(Y)を頭出しする時には、サーマルヘッド122をプ
ラテンローラ111側から離間させた状態で、インク紙
巻取モータ119を駆動してインク紙101を巻取リー
ル118側に巻き取りながら1色目の頭出し検出マーク
M1(図14)を光センサ123で検出した後にインク
紙巻取モータ119の駆動を停止させ、1色目のイエロ
ー(Y)の頭出し検出マーク位置で待機する。
【0007】次に、図15(B)に示した印刷状態で
は、カムホイール120と連結して回動するアーム12
1をプラテンローラ111側に回動して、このアーム1
21に支持したサーマルヘッド122をプラテンローラ
111側に押圧すると、プラテンローラ111に添接し
た記録紙102の上にインク紙101がサーマルヘッド
122により押圧され、ここでサーマルヘッド122に
1色目のイエロー(Y)に対応した印刷情報が供給され
るので、記録紙102を矢印B2方向に移送し且つイン
ク紙101を矢印A1方向に巻き取りながらサーマルヘ
ッド122で1色目のイエロー(Y)の印刷を行う。そ
して、1色目のイエロー(Y)の印刷終了位置で、サー
マルヘッド122をプラテンローラ111側から離間さ
せると共に、記録紙102を矢印B1方向に戻した後、
上記と同様な動作により2色目のマゼンタ(M),3色
目のシアン(C)の順に繰り返して印刷する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した一
般的な熱転写型プリンタ110で、インク紙101の各
インク色を記録紙102上に転写してカラー画像が得ら
れるものの、このカラー画像は日光などの光に対して耐
光性が劣っており、更に、カラー画像上に人の指紋など
が付着すると画像品質が劣るため、カラー画像の上に保
護用として透明なオーバコート用インクを塗布したイン
ク紙でオーバコートを施す場合がある。この場合、図1
6(A),(B)に示したようにインク紙101に透明
なオーバコート用インク(O.C)をシアン(C)の後
方又はブラック(BK)のインク色の後方に設けて、カ
ラーインク(Y,M,C)の場合と同様にカラー画像の
上に透明なオーバコート用インク(O.C)を転写して
いる。
【0009】しかしながら、記録紙102に印刷したカ
ラー画像上にインク紙101上の透明なオーバコート用
インク(O.C)を転写する際、インク紙101のイン
クの種類が熱昇華性の透明なオーバコート用インク
(O.C)の場合には、カラーインクと同様のステップ
で構わないが、熱溶融性の透明なオーバコート用インク
(O.C)の場合には、熱溶融性の透明なオーバコート
用インク(O.C)が熱いままでインク紙101を記録
紙102から剥離すると、このオーバコート用インクの
密着性が悪く、完全にオーバコートできないことが実験
の結果判明した。この理由は、通常のY、M、Cなどの
インクの転写の時には、階調度は転写されたインクドッ
トの面積の大小により制御されるので、この階調度を正
確に維持するためには熱転写の直後に記録紙からインク
紙を剥がす、いわゆる熱時剥離を行なわなければならな
いのに対し、オーバコート用インクの場合には、これを
転写面全面に亘って且つ均一に転写する必要があること
から、インク紙を熱転写の直後ではなく転写後に僅かな
冷却時間を経た後に剥がす、いわゆる冷時剥離を行なわ
なければならないからである。
【0010】このオーバコート用インクの冷時剥離を実
現するための手段として、例えば特開平1−26957
4号公報等に示すように可動自在になされた位置決めレ
バーを制御し、これによって冷却時間を稼ぐことが行な
われている。しかしながら、この場合には、位置決めレ
バーのような可動部材を設けなければならないことか
ら、装置自体が大型化すると共にコスト高にもなり、特
にコンパクト化が要求される携帯用プリンタとしては適
さない。本発明は、以上のような問題点に着目し、これ
を有効に解決すべく創案されたものであり、その目的
は、複雑な構造を採用することなくインク紙の冷時剥離
を行なって密着性及び光沢に優れたオーバコートを形成
することができるオーバコート転写方法及びオーバコー
ト可能な熱転写型プリンタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明方法は、供給リー
ルから繰り出したインク紙をサーマルヘッドを経由して
一方向に回転する巻取リールで巻き取ると共に、正逆回
転可能になされたキャプスタンローラとピンチローラに
よって挟み込んだ記録紙と前記インク紙とを前記サーマ
ルヘッドとプラテンローラとの間に圧接させつつ移動さ
せることにより、前記インク紙に塗布させていた熱溶融
性インクを前記サーマルヘッドにて印刷情報に応じて発
生する熱によって前記記録紙に転写させる転写方法にお
いて、通常の画像を印刷した後に前記巻取リールを停止
した状態で前記記録紙を前記インク紙と共に印刷方向へ
送ってオーバコート用インクを前記画像の上に熱転写す
る工程と、前記記録紙を印刷方向と逆方向に戻しつつ前
記巻取リールを回転させて前記インク紙を前記記録紙か
ら剥がしつつ巻き取る工程とを有するようにしたもので
ある。
【0012】これにより、通常の画像を記録紙に印刷
(熱転写)した後にこの画像上に全面に亘ってオーバコ
ート用インクを熱転写する時には、巻取リールを停止し
ているので、インク紙は巻き取られることなく記録紙と
重なった状態でしばらく送られることになり、この間に
転写されたインクは自然冷却されることになる。その
後、しばらくした後に、記録紙を排紙方向へ戻しつつこ
れと同時に巻取リールを回転させることによって転写済
みのインク紙を巻き取ることになり、主にこの時にイン
ク紙は記録紙から剥離されることになる。これにより、
サーマルヘッドを経た直後に記録紙がインク紙を剥離す
るようにした従来方法の熱時剥離ではなく、転写インク
が冷却された後に記録紙からインク紙を剥離する冷時剥
離を行なうことが可能となり、オーバコート用インクの
密着性及び光沢を向上させることが可能となる。
【0013】また、前記オーバコート用インクを熱転写
する工程においては、熱転写後のインク紙は前記キャプ
スタンローラと前記ピンチローラとの間に折り畳まれつ
つ挟み込まれて行くようにすれば、転写済みのインク紙
を一時的に収容する領域や収納容器を設ける必要がな
い。この場合、先にオーバコート用インクが熱転写され
た記録紙の前方(印刷方向)の略半分程はインク紙が剥
離することになるが、この時点ではすでにオーバコート
用インクは十分に自然冷却しているので問題が生ずるこ
とはない。
【0014】また、インク紙を記録紙から剥がしつつ巻
き取る工程では、インク紙を排紙方向へ戻す際に、転写
済みのインク紙がサーマルヘッドとプラテンローラとの
間に挟み込まれて戻ってしまうが、この工程を、前記プ
ラテンローラと前記サーマルヘッドの間に前記インク紙
と前記記録紙とを挟み込んだ状態で前記記録紙を印刷方
向と逆方向に戻しつつ前記巻取リールを回転させて余分
なインク紙の一部を巻き取る第1巻取工程と、この第1
巻取工程の後に前記状態を維持したまま前記記録紙を印
刷方向へ送りつつ前記巻取リールを回転させて残ったイ
ンク紙を巻き取る第2巻取工程とにより構成することに
より、転写済みのインク紙を完全に巻取リールによって
巻き取ることができる。
【0015】上記動作を行なうためには、オーバコート
可能な熱転写プリンタにおいて、熱溶融性インクを塗布
したインク紙が巻回された供給リールと、印刷情報に応
じてインク溶融のための熱を発生するサーマルヘッド
と、このサーマルヘッドを経由した前記インク紙を巻き
取るために一方向へ回転する巻取リールと、正逆回転可
能になされたキャプスタンローラと、前記熱溶融性イン
クが転写される記録紙を前記キャプスタンローラとの間
で挟み込むピンチローラと、前記インク紙と前記記録紙
とを前記サーマルヘッドとの間に挟み込むためのプラテ
ンローラと、通常の画像を印刷した後に前記記録紙を前
記インク紙と共に印刷方向へ送ってオーバコート用イン
クを前記画像上に熱転写し、次いで、前記記録紙を印刷
方向と逆方向に戻しつつ前記巻取ローラを回転させて前
記インク紙を前記記録紙から剥がしつつ巻き取るように
制御する制御手段とを備えるように構成する。
【0016】また、記録紙の戻し方向側に、前記記録紙
を戻す時に付随して戻される熱転写済みのインク紙を折
り畳むためのインク紙折り畳みガイド部を設置すること
により、記録紙を戻す時に付随して戻される熱転写済み
のインク紙は折り畳まれるので、このインク紙が、例え
ばプリンタの記録紙排紙口から外部に一時的に飛び出す
こともない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るオーバコート
可能な熱転写型プリンタ及びオーバコート転写方法の一
実施例を図を参照して詳細に説明する。図1は本発明に
係るオーバコート可能な熱転写型プリンタに適用される
インク紙カートリッジを示した斜視図、図2(A)〜
(F)は図1に示したインク紙カートリッジに収納でき
る種々のインク紙を説明するための図である。まず、図
1に示した如く、本発明に係るオーバコート可能な熱転
写型プリンタに適用されるインク紙カートリッジ1は、
外装部品となるカートリッジ本体2内に、熱溶融性イン
クを用いたインク紙3が供給リール4と巻取リール5と
に巻回して収納されている。このインク紙カートリッジ
1は、後述するように記録紙6(図4〜図7)の名刺サ
イズに合わせ、且つ、後述するように薄い基板の一端に
取り付けた棒状ガラス部材に沿って複数の発熱体を有す
る端面型のサーマルヘッド36(図5〜図7)に合わせ
て小型に形成されている。
【0018】そして、インク紙カートリッジ1は、矢印
N方向を先頭にして後述する熱転写型プリンタ10(図
3)の外装筐体11の後面11bに形成したインク紙カ
ートリッジ挿脱口11b1から交換可能に装着されてい
る。ここで、カートリッジ2内に収納したインク紙3に
ついて、図2(A)〜(F)を用いて説明する。上記イ
ンク紙3は、ポリエステル薄膜材などで形成されたベー
スフィルム面上の長手方向に複数の熱溶融性インクを順
次繰り返して塗布して作成したものである。尚、インク
紙3に熱溶融性インクを用いているため、この熱溶融性
インクに対応して転写性能の良い多孔性の記録紙6(図
4〜図7)を採用している。
【0019】上記インク紙3は、図2(A)に示したよ
うにイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の
3色のインクを順次繰り返して塗布したものとか、図2
(B)に示したように後述する記録紙6(図4〜図6)
として普通紙を用いた際に印刷前の普通紙にアンダーコ
ートをするために上記複数のインク(Y,M,C)の前
に透明なアンダーコート用インク(U.C)を加えて作
成したものとか、図2(C)に示したように印刷後の記
録紙6に保護用としてオーバコートをするために上記複
数のインク(Y,M,C)の後に透明なオーバコート用
インク(O.C)を加えて作成したものとか、更に、上
記図2(A)〜(C)の組み合わせにブラック(BK)
のインクを加えて図2(D)〜(F)に示したように作
成したものとかが用いられている。また、インク紙3の
各インク色の頭出し位置を検出するために、例えば、図
2(A)に示したように、各インク色の先頭部位にイン
ク色検出マークM1〜M3が設けられており、これと同
様に図2(B)〜図2(F)の場合にもインク色検出マ
ークが設けられているが、図示を省略する。
【0020】次に、本発明に係るオーバコート可能な熱
転写型プリンタ10について、図3乃至図7を用いて説
明する。図3は本発明に係るオーバコート可能な熱転写
型プリンタの外観を示した斜視図、図4は本発明に係る
オーバコート可能な熱転写型プリンタを底面側から見た
斜視図であり、(A)は記録紙用ドアが閉じた状態を示
し、(B)は記録紙用ドアが開いた状態を示した図、図
5は本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリンタ
を示す図であり、図5(A)は底面図、図5(B)は側
断面図、図6は本発明に係るオーバコート可能な熱転写
型プリンタの構成を示した構成図、図7は図6に示した
カートリッジガイド兼用インク紙折り畳みガイドを拡大
して示した図である。
【0021】図3に示した如く、本発明に係るオーバコ
ート可能な熱転写型プリンタ10の外観形状は、直方体
形状で縦横高さが130×94×36(mm)と小型に
構成されており、且つ、内部に電力供給用のバッテリー
を備えて携帯性良く構成されている。上記熱転写型プリ
ンタ10では、外装筐体11は箱状に形成されており、
図示手前の前面11aと対向した後面11b側にインク
紙カートリッジ1(図1)を挿脱するためのインク紙カ
ートリッジ挿脱口11b1と、このインク紙カートリッ
ジ挿脱口11b1を覆う開閉自在なインク紙用ドア12
と、後述のバッテリー22(図6)を挿脱するためのバ
ッテリー挿脱口11b2と、このバッテリー挿脱口11
b2を覆う開閉自在なバッテリードア13とが形成され
ている。
【0022】また、外装筐体11の天面11cには、熱
転写型プリンタ10を操作するための複数の操作ボタン
14と、印刷状態を表示するための液晶パネル15とが
取り付けられている。また、外装筐体11の天面11c
と対向する底面11dに開口した記録紙挿入口11d1
に記録紙用ドア16がヒンジ17を介して開閉自在に取
り付けらている。また、筐体の一方の側面(図3で左側
面)11eに記録紙6を排紙するための記録紙排紙口1
1e1が開口されており、一方の側面11eと対向する
他方の側面(図3で右側面)11f側の内部にバッテリ
ーを収納するバッテリー収納部22(図6)が設けられ
ている。
【0023】ここで、熱転写型プリンタ10内に記録紙
6を挿入する場合は、図4(A),(B)に示したよう
に、外装筐体11の底面11d側を上にして、ロック釦
18による記録紙用ドア16へのロックを解除して記録
紙用ドア16を開くと、底面11dに開口した記録紙挿
入口11d1と対向して内部に記録紙収納部上板11g
が形成されており、この記録紙収納部上板11gと閉蓋
した記録紙用ドア16との間に名刺サイズの記録紙6を
複数枚積層して収納できる記録紙収納部11g1が形成
されている。即ち、閉蓋した記録紙用ドア16は、記録
紙6を収納した記録紙収納部11g1と対向して設けら
れている。
【0024】また、記録紙収納部上板11g側には、半
月状の給紙ローラ31が記録紙収納部11g1に臨んで
図5(B),図6に示した矢印方向に回転可能に設けら
れている。この際、給紙ローラ31は、図4(A)及び
図5(A)に示したように、記録紙6の巾方向の一方の
端部側に片寄って設けられている。更に、図4(B)及
び図5(A),(B)に示したように、給紙ローラ31
より下流側で記録紙6の給紙方向前方に、積層した記録
紙6を一枚づづ分離するためのスリットを形成したスリ
ット部材32が設けられている。上記スリット部材32
は給紙ローラ31側よりの記録紙6の一方の先端部近傍
に設けられているので、給紙ローラ31の記録紙6への
駆動力がこの給紙ローラ31と接近したスリット部材3
2に伝達できるので、給紙時に記録紙6を確実に一枚づ
づ分離することができる。
【0025】一方、開閉自在な記録紙用ドア16には、
給紙ローラ31と対向する位置に圧縮バネ19を嵌め込
んだ円筒状押圧部材20が押さえ板21を介して取り付
けられている。そして、記録紙用ドア16を閉じると、
記録紙用ドア16に圧縮バネ19の付勢力を介して取り
付けた円筒状押圧部材20が記録紙6を給紙ローラ31
側に押圧しているので、給紙ローラ31が回転すると、
記録紙6の給紙方向先端部がスリット部材32により一
枚だけ分離されて給紙方向に移送される。また、図6に
拡大して示したように、スリット部材32より下流側に
は記録紙6の印刷開始位置を決めるために記録紙6の印
刷方向先端部を検出する印刷方向先端部検出センサ33
が設けられ、更に、この印刷方向先端部検出センサ33
より下流側に記録紙6を一定の速度で左右方向(矢印X
1,X2方向)に往復動させるためにパルスモータ(図
示せず)と連結して時計方向及び反時計方向に回転自在
に駆動するキャプスタンローラ34と、このキャプスタ
ンローラ34に常時圧接して記録紙6をキャプスタンロ
ーラ34との間で挟持しながら従動するピンチローラ3
5とが設けられている。
【0026】また、キャプスタンローラ34及びピンチ
ローラ35より下流側には、インク紙3のインク色側の
裏側に複数の発熱体をインク紙3及び記録紙6の巾方向
に備えた端面型のサーマルヘッド36が下方に向かって
略垂直に固定設置され、且つ、このサーマルヘッド36
に対してフリー回転可能なプラテンローラ37がカムホ
イール(図示せず)によって回動するアーム38を介し
て実線で示した退避位置と二点鎖線(図6)で示した接
触位置との間を接離自在に設けられている。この際、プ
ラテンローラ37を支持したアーム38の回動軸39に
印刷時のみプラテンローラ37をサーマルヘッド36側
に押圧するためのネジリバネ40が設けられている。従
って、印刷時にはプラテンローラ37が記録紙6とイン
ク紙3とを重ね合わせてサーマルヘッド36側に押圧し
ながら回転できる構造になっている。
【0027】また、サーマルヘッド36及びプラテンロ
ーラ37より下流で、且つ、インク紙カートリッジ1の
供給リール4側に、カートリッジガイド兼用インク紙折
り畳みガイド41と印刷方向後端部検出センサ42とが
設けられている。ここで、図7に拡大して示した如く、
上記カートリッジガイド兼用インク紙折り畳みガイド4
1は、挿脱時にインク紙カートリッジ1をガイドするカ
ートリッジガイド部41aと、記録紙6に印刷したカラ
ー画像の上にインク紙3のオーバコート用インク(O.
C)を転写した時のみ供給リール4側からのインク紙3
のオーバコート用インク(O.C)を折り畳むようにガ
イドして、折り畳んだインク紙3が外装筐体11に形成
した記録紙排紙口11e1から突出しないよう規制する
インク紙折り畳みガイド部41bとが一体に形成された
ものである。尚、このインク紙折り畳みガイド部46b
は、カートリッジガイド部41aと別体で単独で設けて
もよいのは勿論である。
【0028】この際、カートリッジガイド兼用インク紙
折り畳みガイド41のインク紙折り畳みガイド部41b
は、記録紙6の搬送路から僅かな間隔だけ上方のインク
紙3側に隔てて設けられ、且つ、インク紙折り畳みガイ
ド部41bはサーマルヘッド36側でカートリッジ2に
形成したインク紙ガイド部2aの近傍まで延出されてい
る共に、外装筐体11に形成した記録紙排紙口11e1
の近傍まで延出されている。一方、上記した印刷方向後
端部検出センサ42は、記録紙6の印刷終了位置を決め
るために記録紙6の印刷方向後端部を検出するものであ
り、カートリッジガイド兼用インク紙折り畳みガイド4
1と対向して記録紙6の下方に設けられている。そし
て、記録紙6の給紙から排紙までに至る間の記録紙6の
搬送路が略一直線となるように上記各構成部材が設置さ
れている。
【0029】更に、プラテンローラ37の上方には、紙
面手前に開口したインク紙カートリッジ挿脱口11b1
(図3)から先に説明したインク紙カートリッジ1を交
換可能に装着するためのインク紙カートリッジ収納部が
形成されており、このインク紙カートリッジ収納部では
インク紙カートリッジ1の外装部品となるカートリッジ
2内にインク紙3が供給リール4と巻取リール5との間
に掛け渡されて、垂設したサーマルヘッド36の両側に
供給リール4と巻取リール5とが位置するようになって
いる。
【0030】また、給紙ローラ31とインク紙カートリ
ッジ1の巻取リール5との間には、給紙ローラ31と巻
取リール5とを選択的に切り換えて駆動する給紙ローラ
駆動手段兼用インク紙巻取駆動手段50が設けられてい
る。この給紙ローラ駆動手段兼用インク紙巻取駆動手段
50の詳細な図示を省略するもが、モータの回転方向に
よって揺動する揺動ギアが各駆動手段側のギヤ列に選択
的に噛合することで駆動力の伝達を切り換えるようにな
っている。この駆動手段50の近傍には、このプリンタ
の動作全体を制御するための例えばマイクロコンピュー
タ等よりなる制御手段55が設けられており、後述する
ような本発明方法の動作を行なうようにプログラムが記
憶されている。そして、上記巻取リール5の回転軸に
は、これが巻き取り方向にのみ回転できるように例えば
図示しないワンウエイクラッチ等が設けられる。
【0031】次に、上記構成による熱転写型プリンタ1
0により記録紙6上にカラー画像を印刷する通常動作に
ついて図6及び図8を併用して説明する。図8(A)〜
(E)は本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリ
ンタにおいて、記録紙6上にカラー画像を印刷する通常
動作について説明するための図である。まず、図8
(A)に示した如く、熱転写型プリンタ10が初期状態
である時には、半月状の給紙ローラ31が最上層の記録
紙6に接することなく、最上層の記録紙6の上方で停止
している。また、パルスモータ(図示せず)と連結した
キャプスタンローラ34は停止しており、このキャプス
タンローラ34に常時圧接しているピンチローラ35も
当然停止している。また、供給リール4と巻取リール5
との間に掛け渡したインク紙3も停止している。更に、
回転軸39を回動中心として回動するアーム38にフリ
ー回転可能に支持されたプラテンローラ37は、供給リ
ール4と巻取リール5の間に固定設置したサーマルヘッ
ド36から退避している。
【0032】次に、図8(B)に示した如く、図示しな
いモータの回転方向によって給紙ローラ駆動手段側に切
り換わる給紙ローラ駆動手段兼用インク紙巻取駆動手段
50(図6)により給紙ローラ31が最上層の記録紙6
に圧接しながら矢印方向(反時計方向)に回転して、最
上層の記録紙6の給紙方向先端部のみがスリット部材3
2のスリットを通過できるので最上層の記録紙6が下方
の記録紙6に対して分離される。この後、給紙ローラ3
1で矢印X1方向に搬送された記録紙6は、給紙ローラ
31の作動と略同時にパルスモータ(図示せず)によっ
て時計方向に回転を開始したキャプスタンローラ34と
これに従動するピンチローラ35の間に挟持される。こ
こでも、プラテンローラ37はサーマルヘッド36から
退避している。
【0033】次に、図8(C)に示した如く、記録紙6
がキャプスタンローラ34とピンチローラ35とにより
矢印X1方向に完全に搬送可能となると、給紙ローラ3
1は最上層の記録紙6から離れて停止するものの、記録
紙6はキャプスタンローラ34とピンチローラ35とに
より矢印X1方向に搬送を続け、記録紙6の給紙方向先
端部と反対側となる記録紙6の印刷方向先端部が印刷方
向先端部検出センサ33で検出された時に、キャプスタ
ンローラ34の時計方向への回転が停止して、記録紙6
が外装筐体11に形成した記録紙排紙口11e1から大
きく突出した状態で停止する。ここでも、プラテンロー
ラ37はサーマルヘッド36から退避しているので、記
録紙6の印刷は行われていない。
【0034】次に、記録紙6の印刷開始位置が検出され
ると、直ちにアーム38に軸支されたプラテンローラ3
7が記録紙6とインク紙3とを重ね合わせるようにサー
マルヘッド36側に移動して、図8(D)に示した如
く、プラテンローラ37がネジリバネ40の付勢力によ
りサーマルヘッド36側に押圧される。これと略同時、
パルスモータ(図示せず)によってキャプスタンローラ
34が反時計方向に回転するのでキャプスタンローラ3
4とピンチローラ35の間に挟持されている記録紙が矢
印X2方向に搬送されると共に、図示しないモータの回
転方向によってインク紙巻取駆動手段側に切り換わる給
紙ローラ駆動手段兼用インク紙巻取駆動手段50(図
6)により巻取リール5が巻き取り方向である矢印Y方
向(反時計方向)に回転するのでインク紙3が巻き取ら
れる。
【0035】ここで、インク紙3を巻取リール5側に巻
き取りながら1色目のイエロー(Y)のインク色検出マ
ークM1(図2(A))を図示しないホトセンサで検出
してイエロー(Y)の頭出しを行い、サーマルヘッド3
6に1色目のイエロー(Y)に対応した画像情報が供給
されるので、インク紙3を巻き取りながらサーマルヘッ
ド36で記録紙6に1色目のイエロー(Y)の印刷を開
始する。このイエロー(Y)の印刷中では、インク紙3
の巻取張力によりインク紙3がサーマルヘッド36を通
過した時点で記録紙6から強制的に剥離される。このよ
うな剥離は、インク紙が熱い内に剥離されるので熱時剥
離という。また、イエロー(Y)を印刷された記録紙6
は次の最上層の記録紙6と記録紙収納部上板11gとの
間に一時的に収納される。
【0036】次に、図8(E)に示した如く、1色目の
イエロー(Y)の記録紙6の印刷方向後端部が印刷方向
後端部検出センサ42で検出されると1色目のイエロー
(Y)の印刷が終了するので、プラテンローラ37がサ
ーマルヘッド36から直ちに離れて退避すると共に、イ
ンク紙3及び記録紙6の搬送も停止する。この後は、図
8(C)で説明した動作に再び戻り、上記と同様に図8
(C)〜図8(E)の動作を繰り返して2色目のマゼン
タ(M),3色目のシアン(C)を印刷して、印刷が終
了した時点では記録紙6上にカラー画像が得られる。こ
の状態でカラー印刷した記録紙6を外装筐体11に形成
した記録紙排紙口11e1から排紙できるものの、本発
明では記録紙6上のカラー画像を保護するために、カラ
ー画像の上にインク紙3に塗布した熱溶融性の透明なオ
ーバコート用インク(O.C)を転写する際のインク紙
の剥がし方に特徴があり、これについて以下詳述する。
【0037】すなわち、本発明の特徴は、オーバコート
用インクを熱転写した際に直ちにインク紙を記録紙から
剥がす熱時剥離を行なうのではなく、熱転写後にインク
紙と記録紙とを重ねた状態でしばらく搬送放置して自然
冷却を行ない、その後にインク紙を記録紙から剥がす冷
時剥離を行なう点にある。図9は本発明方法の第1実施
例を説明するための工程図、図10は本発明の第1実施
例を示すフローチャートである。尚、図9(後述する図
11も含む)は本発明方法の理解を容易にするために、
プリンタの主要部分のみを取り出して模式的に記載して
おり、また、記録紙の厚みも、実際よりも厚く記載して
いる。まず、先の図8(E)に示すように通常の画像、
すなわち、Y、M、Cの各インクの熱転写が終了したな
らば、サーマルヘッド36からプラテンローラ37を離
間させた状態で、図9(A)に示すように記録紙6を排
紙方向X1へ送ってイニシャル位置に戻し(S1)、そ
の後、プラテンローラ37を回動してこれをサーマルヘ
ッド36に圧着させる(S2)。
【0038】次に、図9(B)に示すように、サーマル
ヘッド36に全通電し、巻取リール5を停止した状態で
キャプスタンローラ37を反時計回り方向へ回転するこ
とにより、記録紙6を印刷方向X2へ送る。この時、す
でにオーバコート用インクが頭出しされていたインク紙
3は、供給リール4側から繰り出され、サーマルヘッド
36の発熱によって記録紙6上にはオーバコート用イン
クが転写面前面に亘って均一に熱転写されることになる
(S3)。この際、巻取リールは停止されているので、
熱転写済みのインク紙3は、記録紙6上に重ね合わされ
た状態で送り出されており、図9(C)に示すように、
キャプスタンローラ34とピンチローラ35との間に挟
み込まれた状態で両者は更に送り出される。そして、こ
の間に熱転写されたオーバコート用インクや記録紙6は
自然冷却されることになる。
【0039】また、巻取リール5は停止していることか
ら、記録紙6がある程度以上の距離だけ印刷方向X2へ
進むと、熱転写済みのインク紙3は記録紙6の先端(図
中左端)の方から剥がれてきて2つ折りに重ね合わされ
た状態となって重ね合わせ部3Aが発生する。この場
合、記録紙6の先端部分の転写済みのオーバコート用イ
ンクはすでに自然冷却しているので、インク紙3が剥が
れても問題はない。この記録紙6の印刷方向X2への送
りは、記録紙6の略長さ分だけ行なわれる(S4)。こ
の時、重ね合わせ部3Aの長さは、当然のこととして記
録紙6の長さの略半分程度の長さとなる。このように記
録紙6をこの長さに相当する量だけ印刷方向X2へ送っ
たならば、キャプスタンローラ34の回転を止めて記録
紙6の送りを停止し(S5)、これと同時にサーマルヘ
ッド36への通電も停止する(S6)。この状態で、熱
転写済みのオーバコート用インクは完全に自然冷却され
た状態となっている。
【0040】次に、図9(D)に示すようにプラテンロ
ーラ37をサーマルヘッド36から離間させ(S7)、
キャプスタンローラ34を時計回り方向へ回転すること
により記録紙6を印刷方向と逆方向の排紙方向X1へ戻
しつつこれと同時に巻取リール5を回転させて熱転写済
みのインク紙3を記録紙6から剥がしつつこれを巻き取
ることになる(S8)。この時、キャプスタンローラ3
4とピンチローラ35とから離れたインク紙3は図示の
ように弛むので、巻取ローラ5を回転させることにより
剥がしつつこれを巻き取っている。上述のようにすでに
オーバコート用インクは完全に自然冷却されているので
冷時剥離となり、形成されたオーバコートの密着性を向
上させることができるばかりでなく、その光沢も高く維
持することができる。次に、図9(E)に示すように、
インク紙3上に次のインクの頭出しマークが検出された
ならば、巻取リール5を止めることによってインク紙の
巻き取りを停止し(S9)、また、記録紙6の排紙が完
了したならば、キャプスタンローラ34の回転を停止し
て(S10)、処理を終了することになる。このよう
に、本発明方法によれば、プリンタの構造を複雑化させ
ることなく、各モータの回転を制御するプログラム上の
改良だけで冷時剥離を行なうようにしたので、オーバコ
ートの記録紙6への密着性を向上でき、しかもオーバコ
ートの光沢も向上させることができる。
【0041】次に、本発明方法の第2実施例について図
11及び図12を参照して説明する。上記第1実施例で
は熱転写済みの記録紙6を戻して排紙する時に、プラテ
ンローラ37をサーマルヘッド36から離間させている
ので、特に、転写済みインク紙3がキャプスタンローラ
34とピンチローラ35との間から外れた時に巻取リー
ル5の回転力によりインク紙3に大きなテンションが加
わってしまい、この時に回転自在な供給リール4から過
度にインク紙3が繰り出される恐れが存在する。第2実
施例は、このインク紙3の過度の繰り出しを防止するよ
うになされている。
【0042】図11中の図11(A)〜図11(C)の
内容は、図9(A)〜図9(C)と同じであり、また、
図12中のS21〜S26の内容は、図10中のS1〜
S6までと同じなので、その説明を省略する。この第2
実施例では、記録紙6を完全に印刷方向X2へ送ってサ
ーマルヘッド36の通電を停止したならば、第1実施例
と異なって図11(D)に示すようにプラテンローラ3
7をサーマルヘッド36に当接したまま、キャプスタン
ローラ34を時計回り方向へ逆回転させて記録紙6を印
刷方向と逆方向の排紙方向X1へ戻しつつ巻取リール5
も回転させて転写済みのインク紙3の一部を記録紙6か
ら剥離させつつ巻き取る(S27)。そして、この巻き
取り操作は、記録紙6の長さの略1/2の長さだけ戻る
まで行ない(S28)、略1/2の長さだけ戻ったなら
ばキャプスタンローラ34の回転を停止する(S2
9)。
【0043】尚、この長さはキャプスタンローラ34を
駆動するパルスモータのパルス数を管理することにより
容易に求めることができる。この場合、図11(C)に
示すように重ね合わせ部3Aの長さは、記録紙6の長さ
の略半分程度なので、転写済みのインク紙3がキャプス
タンローラ34とピンチローラ35との間から外れるの
に十分な長さである。
【0044】次に、図11(E)に示すようにキャプス
タンローラ34を反時計回り方向に逆転させて再度、記
録紙6を印刷方向X2へ再度送り、これと同時に巻取リ
ール5も回転させて残った転写済みのインク紙3も記録
紙6から剥離しつつ供給リール4側に弛んだインク紙3
のすべてを巻き取ることになる(S30)。この送り操
作は、記録紙6の後端側がプラテンローラ37の所まで
位置するように所定量の長さだけ行なう(S31)。次
に、図11(F)に示すように、この段階でインク紙3
は全て巻き取られているので、プラテンローラ37をサ
ーマルヘッド36から離間させ(S32)、記録紙6を
排紙方向X1へ戻す(S33)。そして、記録紙6の排
紙を終了したらキャプスタンローラ34の回転を停止し
て(S34)、処理を終了する。
【0045】この場合にも、インク紙3は冷時剥離を行
っていることから、オーバコートの記録紙6への密着性
や光沢を向上でき、更には、転写済みのインク紙3を巻
き取る際にも、プラテンローラ37によってインク紙3
を押さえつつ行うようにしているので、巻取リール5に
よってインク紙3に加わっているテンションが直接供給
リール4に加わることがなく、これによりインク紙4が
過度に繰り出されることを防止することができる。
【0046】尚、上記第2実施例においては、図11
(D)に示す場合において、熱転写済みの記録紙6を排
紙方向X1へ戻した時に、これに付随して行く熱転写済
みのインク紙3の供給リール4側の端部3Bが、外装筐
体11に設けた記録紙排紙口11e1(図7)から外方
へ突出して見苦しくなる恐れがある。しかしながら、本
発明装置では、この記録紙排紙口11e1の内側近傍に
インク紙折り畳みガイド部41b(図7)を設けている
ので、これがインク紙3を折り畳んで距離を稼ぎ、イン
ク紙3が排紙口11e1から外に飛び出ることはない。
図13はこの時の状況を示しており、図中斜線で示すイ
ンク紙折り畳みガイド部41bに沿ってインク紙3が折
り畳まれるので、この端部が外装筐体11に設けた記録
紙排紙口11e1から外へ露出することを防止すること
ができる。尚、このガイド部41bは、例えばこの内側
先端部41bbにて紙面垂直方向(プリンタの幅方向)
へ延びる単なる棒状部材により形成することもでき、そ
の形状には限定されないのは勿論である。尚、上記各実
施例では、カラー画像を形成する場合を例にとって説明
したが、これに限定されず、白黒画像の場合にも本発明
を適用できるのは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のオーバコ
ート転写方法及びオーバコート可能な熱転写型プリンタ
によれば、次のように優れた作用効果を発揮することが
できる。オーバコート用インクを記録紙に熱転写する際
に、巻取リールを停止させた状態で、記録紙を印刷方向
へ送り、その後、しばらくした後に巻取リールで熱転写
済みのインク紙を記録紙から剥がしつつこれを巻き取る
ようにしたので、プリンタの構造を複雑化することなく
冷時剥離を行なうことができる。従って、プリンタを大
型化やコスト高にすることなく、冷時剥離を行なってオ
ーバコートと記録紙の密着性及びオーバコートの光沢を
向上させることができる。また、熱転写時に、転写済み
のインク紙をキャプスタンローラとピンチローラとの間
に折り畳みつつ挟み込むようにすれば、転写済みのイン
ク紙を一時的に収容する領域を別個確保する必要もな
い。また、本発明のプリンタにおいて、インク紙折り畳
みガイド部を設けることにより、記録紙を印刷方向と逆
方向に戻す時に転写済みのインク紙がこのガイド部によ
り折り畳まれることになり、このインク紙が記録紙排紙
口から外へ飛び出すことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリ
ンタに適用されるインク紙カートリッジを示した斜視図
である。
【図2】図1に示したインク紙カートリッジに収納でき
る種々のインク紙を説明するための図である。
【図3】本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリ
ンタの外観を示した斜視図である。
【図4】本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリ
ンタを底面側から見た斜視図である。
【図5】本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリ
ンタを示す図であり、図5(A)は底面図であり、図5
(B)は側断面図である。
【図6】本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリ
ンタの構成を示した構成図である。
【図7】図6に示したカートリッジガイド兼用インク紙
折り畳みガイドを拡大して示した図である。
【図8】本発明に係るオーバコート可能な熱転写型プリ
ンタにおいて、記録紙上にカラー画像を印刷する通常動
作について説明するための図である。
【図9】本発明方法の第1実施例を説明するための工程
図である。
【図10】本発明の第1実施例を示すフローチャートで
ある。
【図11】本発明方法の第2実施例を説明するための工
程図である。
【図12】本発明の第2実施例を示すフローチャートで
ある。
【図13】本発明のプリンタのインク紙折り畳みガイド
部の作用を示す図である。
【図14】一般的な熱転写型プリンタに使用されるイン
ク紙の一部を示した図である。
【図15】一般的な熱転写型プリンタの構成を説明する
ための構成図である。
【図16】透明なオーバコート用インクを塗布したイン
ク紙の一部を示した図である。
【符号の説明】
1…インク紙カートリッジ、3…インク紙、4…供給リ
ール、5…巻取リール、6…記録紙、10…オーバコー
ト可能な熱転写型プリンタ、11…外装筐体、34…キ
ャプスタンローラ、35…ピンチローラ、36…サーマ
ルヘッド、37…プラテンローラ、41…カートリッジ
ガイド兼用インク紙折り畳みガイド、41b…インク紙
折り畳みガイド部、50…給紙ローラ駆動手段兼用イン
ク紙巻取駆動手段、55…制御手段、O.C…インク紙
のオーバコート用インク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 正樹 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 太田 守彦 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 中村 俊幸 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 正能 憲一 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給リールから繰り出したインク紙をサ
    ーマルヘッドを経由して一方向に回転する巻取リールで
    巻き取ると共に、正逆回転可能になされたキャプスタン
    ローラとピンチローラによって挟み込んだ記録紙と前記
    インク紙とを前記サーマルヘッドとプラテンローラとの
    間に圧接させつつ移動させることにより、前記インク紙
    に塗布させていた熱溶融性インクを前記サーマルヘッド
    にて印刷情報に応じて発生する熱によって前記記録紙に
    転写させる転写方法において、通常の画像を印刷した後
    に前記巻取リールを停止した状態で前記記録紙を前記イ
    ンク紙と共に印刷方向へ送ってオーバコート用インクを
    前記画像の上に熱転写する工程と、前記記録紙を印刷方
    向と逆方向に戻しつつ前記巻取リールを回転させて前記
    インク紙を前記記録紙から剥がしつつ巻き取る工程とを
    有することを特徴とするオーバコート転写方法。
  2. 【請求項2】 前記オーバコート用インクを熱転写する
    工程においては、熱転写後のインク紙は前記キャプスタ
    ンローラと前記ピンチローラとの間に折り畳まれつつ挟
    み込まれていくことを特徴とする請求項1記載のオーバ
    コート転写方法。
  3. 【請求項3】 前記インク紙を前記記録紙から剥がしつ
    つ巻き取る工程は、前記プラテンローラと前記サーマル
    ヘッドの間に前記インク紙と前記記録紙とを挟み込んだ
    状態で前記記録紙を印刷方向と逆方向に戻しつつ前記巻
    取リールを回転させて余分なインク紙の一部を巻き取る
    第1巻取工程と、この第1巻取工程の後に前記状態を維
    持したまま前記記録紙を印刷方向へ送りつつ前記巻取リ
    ールを回転させて残ったインク紙を巻き取る第2巻取工
    程とよりなることを特徴とする請求項1または2記載の
    オーバコート転写方法。
  4. 【請求項4】 熱溶融性インクを塗布したインク紙が巻
    回された供給リールと、印刷情報に応じてインク溶融の
    ための熱を発生するサーマルヘッドと、このサーマルヘ
    ッドを経由した前記インク紙を巻き取るために一方向へ
    回転する巻取リールと、正逆回転可能になされたキャプ
    スタンローラと、前記熱溶融性インクが転写される記録
    紙を前記キャプスタンローラとの間で挟み込むピンチロ
    ーラと、前記インク紙と前記記録紙とを前記サーマルヘ
    ッドとの間に挟み込むためのプラテンローラと、通常の
    画像を印刷した後に前記記録紙を前記インク紙と共に印
    刷方向へ送ってオーバコート用インクを前記画像上に熱
    転写し、次いで、前記記録紙を印刷方向と逆方向に戻し
    つつ前記巻取ローラを回転させて前記インク紙を前記記
    録紙から剥がしつつ巻き取るように制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするオーバコート可能な熱転写型
    プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記記録紙の戻し方向側には、前記記録
    紙を戻す時に付随して戻される熱転写済みのインク紙を
    折り畳むためのインク紙折り畳みガイド部が設置されて
    いることを特徴とする請求項4記載のオーバコート可能
    な熱転写プリンタ。
JP6217798A 1998-02-26 1998-02-26 オーバコート転写方法及びオーバコート可能な熱転写型プリ ンタ Pending JPH11240188A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007001129A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Shinko Electric Co Ltd インクリボン、プリンタ、および画像印刷方法
JP2009012275A (ja) * 2007-07-04 2009-01-22 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルプリントヘッドおよびこれを用いたサーマルプリンタ

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