JPH11237659A - ファインダー系及びそれを用いた光学機器 - Google Patents

ファインダー系及びそれを用いた光学機器

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JPH11237659A
JPH11237659A JP10055759A JP5575998A JPH11237659A JP H11237659 A JPH11237659 A JP H11237659A JP 10055759 A JP10055759 A JP 10055759A JP 5575998 A JP5575998 A JP 5575998A JP H11237659 A JPH11237659 A JP H11237659A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影レンズによって焦点板上に形成した被写
体像と表示体の情報の双方を同一のファインダー視野で
重ねて観察する一眼レフカメラ用のファインダー系を得
ること。 【解決手段】 所定面上に形成した被写体像に基づく光
束を正立像形成部材と、光軸に対して互いに異なる角度
で配置した2つの光学面を通過させて接眼レンズに導光
する観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表示体
からの光束を該2つの光学面で反射させて、該接眼レン
ズに導光する表示系とを利用して該被写体像と該表示体
の双方を同一視野で観察すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファインダー系、
及びそれを用いた光学機器に関し、特に、一眼レフレッ
クスカメラに用いるファインダー系(「ファインダー光
学系」ともいう)において、撮影レンズによって形成し
た被写体像と測距情報等の表示体の情報との双方を重ね
合わせて、同一視野で観察するようにした写真用カメ
ラ、ビデオカメラ等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一眼レフレックスカメラのフ
ァインダー光学系において、撮影レンズによって焦点板
に結像された被写体像に測距位置などの情報を重ねて表
示するファインダー系が、例えば特開昭58-85426号公報
や特開平1-277225号公報等で提案されている。
【0003】このうち、特開昭58-85426号公報に開示さ
れるファインダー系(第1の従来例)では、一眼レフレ
ックスカメラの焦点板の近傍に液晶などのように光の透
過率を変化させることの可能な光学素子を配置し、この
光学素子の透過率を変化させることによって所定の情報
の表示と非表示の切り替えを行う構成を提案している。
【0004】又、特開平昭1-277225号公報に開示される
ファインダー系(第2の従来例)では、一眼レフレック
スカメラの焦点板上に複数の微小プリズムによって所定
の表示形状を予め形成しておき、表示形状の一部分を選
択的に照明して照明光を微小プリズムの偏向作用によっ
て観察者の瞳孔の方向へ偏向させる構成を提案してい
る。
【0005】一方、一眼レフレックスカメラのファイン
ダー光学系において、正立像形成用の光学部材と接眼レ
ンズの間に反射面を配置して光路を分割して各種の用途
に用いるファインダー系が、例えば特公昭62-4694 号公
報や特開平2-309332号公報、特開平6-202202号公報等で
提案されている。
【0006】特公昭62-4694 号公報に開示されるファイ
ンダー系(第3の従来例)では、一眼レフレックスカメ
ラのペンタプリズムと接眼レンズの間に全体として平行
平面板より成り複数の反射面を有するプリズムを配置
し、ファインダーの視野外の所定の位置に情報を表示し
ている。
【0007】特開平2-309332号公報に開示されるファイ
ンダー系(第4の従来例)では、一眼レフレックスカメ
ラのペンタプリズムと接眼レンズの間に、ファインダー
光軸にたいして傾斜した面を有する2つのプリズムより
構成され全体として平行平面板を形成するプリズムを配
置し、ファインダー光軸にたいして傾斜した面を透過面
または反射面として切り替えて使用することによってフ
ァインダー光学系の光路を切り替える構成を提案してい
る。
【0008】また、特開平6-202202号公報に開示される
ファインダー系(第5の従来例)は、上記第1の従来例
に開示されるように、一眼レフレックスカメラの焦点面
近傍に液晶によって構成した表示体を配置して被写体像
に重ねて表示し、さらにペンタプリズムと接眼レンズの
間のファインダー光学系の光路中にファインダー光軸に
対して傾斜した反射面を配置し、この反射面によって光
路を分割して測光用の受光光学系に光線を導く構成を提
案している。
【0009】
【発明が解決しようとしている課題】一眼レフレックス
カメラのファインダー光学系の被写体像に重ねて情報の
表示を行うファインダー系として前記第1、及び第2の
従来例にはそれぞれ次のような問題があった。
【0010】前記第1の従来例では、ファインダー光学
系の光路中に液晶を配置する構成であるため、ファイン
ダー系の明るさが液晶の透過率に依存し、暗くなりやす
いという問題があった。液晶によって透過率を変化させ
ることは可能であっても、液晶が存在しない場合に匹敵
するほど透過率を高くすることはなかなか難しい。
【0011】前記第2の従来例では、ファインダー系の
明るさという点では上記第1の従来例のように透過率を
低下させることは少ないが、ファインダー光学系の被写
体像の上に表示体が常時視認される状態となっており、
表示体の数が多くなってくると観察系として煩わしくな
るという問題があった。また表示と非表示の切り替えの
ための照明光源を配置することが必要となるため、ファ
インダー系の視野内の比較的広範囲の領域に情報の表示
を行うのはなかなか困難であった。
【0012】一眼レフレックスカメラのファインダー光
学系の光路中にファインダー光学系の光軸に対して傾斜
した反射面を形成し、この反射面を介して表示体からの
情報光をファインダー光路中に導入して、情報表示する
ファインダー光学系としての前記第3、第4、及び第5
の従来例にも次のような問題があった。
【0013】前記第3の従来例では、ファインダー光路
中にプリズムを配置して情報を表示する構成を提案して
いるが、この従来例の構成はファインダー視野の視野外
の暗部の所定位置に情報を表示するものであって、ファ
インダー視野内の被写体像に重ねて情報を表示すること
はできない。
【0014】前記第4の従来例、及び第5の従来例で
は、ファインダー光路中にファインダー光軸に対して傾
斜した反射面を配置して光路を切り替える構成を提案し
ているが、いずれも焦点板上に結像した被写体像をこれ
らの反射面によって切り替えるものであって、ファイン
ダー視野内の被写体像に重ねて情報を表示するための光
路の切り替えを行う構成を開示するものではない。
【0015】本発明は、ファインダー光路中にファイン
ダー光軸に対して傾斜した反射と透過をする光学面を適
切に配置して光路を分割する構成を採用することによ
り、ファインダー視野内の被写体像に表示体の情報を重
ねて表示し、特に、表示体の情報を光学系全体の小型化
を図りつつファインダー視野内の比較的広い面積の領域
にファインダー倍率を十分に大きく維持しつつ表示する
ことができるファインダー系及びそれを用いた光学機器
の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のファインダー系
は (1-1) 所定面上に形成した被写体像に基づく光束を正立
像形成部材と、光軸に対して互いに異なる角度で配置し
た2つの光学面を通過させて接眼レンズに導光する観察
系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表示体からの光
束を該2つの光学面で反射させて、該接眼レンズに導光
する表示系とを利用して該被写体像と該表示体の双方を
同一視野で観察することを特徴としている。
【0017】特に、 (1-1-1) 前記2つの光学面のうち1つはハーフミラー、
他の1つはダイクロイックミラーであることを特徴とし
ている。
【0018】(1-2) 所定面上に形成した被写体像に基づ
く光束を正立像形成部材と、光軸に対して互いに異なる
角度で配置した第1の光学面と第2の光学面の順に通過
させて接眼レンズに導光する観察系と、該正立像形成部
材の近傍に設けた表示体からの光束を該第2の光学面と
第1の光学面の順で反射させて、該接眼レンズに導光す
る表示系とを利用して該被写体像と該表示体の双方を同
一視野で観察することを特徴としている。
【0019】特に、 (1-2-1) 前記第1の光学面はハーフミラー、又はダイク
ロイックミラーであることを特徴としている。
【0020】又、 (1-2-1-1) 前記第1の光学面の法線と光軸とのなす角を
θ1 °としたとき 2.5<θ1 <20 を満足すること。
【0021】(1-2-1-2) 前記第1の光学面の法線と第2
の光学面の法線とのなす角をθR °としたとき 30<θR <55 を満足すること。
【0022】(1-2-1-3) 前記第1と第2の光学面は1つ
の光学部材より形成されており、該第2の光学面は前記
表示体からの光束を反射させるとともに、前記所定面上
の被写体像からの光束であって、該第1の光学面を通過
してくる光束を通過するように光軸に対して傾斜して配
置しており、該第2の光学面に基づく光軸の偏向を補償
する透過面を有する補償光学部材を光路中に設けている
こと。
【0023】(1-2-1-4) 前記第2の光学面は前記表示体
からの光束を全反射させるとともに、前記所定面上の被
写体像からの光束であって、前記第1の光学面を通過し
てくる光束を通過するように設定していること。
【0024】(1-2-1-5) 前記第2の光学面の法線と光軸
とのなす角をθ2 °としたとき 15<θ2 <35 を満足すること。
【0025】(1-2-1-6) 前記正立像形成部材の射出面は
前記第1の光学面と略平行で近接配置、又は接合されて
いること。
【0026】(1-2-1-7) 前記補償光学部材の透過面は曲
面を有しており、前記接眼レンズの一部の光学作用をし
ていること等を特徴としている。
【0027】(1-2-2) 前記第1の光学面と第2の光学面
はいずれもハーフミラー、又はダイクロイックミラーで
あることを特徴としている。
【0028】又、 (1-2-2-1) 前記第1の光学面と第2の光学面は1つの光
学部材より形成されており、該第2の光学面に基づく光
軸の偏向を補償する透過面を有する補償光学部材を該第
2の光学面と接合していること。
【0029】(1-2-2-2) 前記正立像形成部材の射出面は
前記第1の光学面と略平行で近接配置、又は接合されて
いること。
【0030】(1-2-2-3) 前記第1、第2の光学面は反射
鏡より成っていること等を特徴としている。
【0031】(1-3) 所定面上に形成した被写体像に基づ
く光束を正立像形成部材と光軸に対して傾斜した光学面
を有する光学部材の該光学面を通過させて接眼レンズに
導光する観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表
示体からの光束を結像系で集光し、該光学面で反射させ
た後に該接眼レンズに導光する表示系とを利用して、該
所定面上の被写体像と該表示体の縮小像との双方を略同
一の視度で観察するようにしたことを特徴としている。
【0032】特に、 (1-3-1) 前記結像系は正の第1レンズと正の第2レンズ
とを有し、該結像系と前記接眼レンズとの合成の焦点距
離をfR 、前記観察系の焦点距離をfE としたとき 0.1<fR /fE <0.5 を満足することを特徴としている。
【0033】(1-4) 所定面上に形成した被写体像に基づ
く光束を正立像形成部材と、光軸に対して傾斜した光学
面を有する光学部材の該光学面を通過させて接眼レンズ
に導光する観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた
表示体からの光束を該光学面で反射させて、該接眼レン
ズに導光する表示系とを利用して、該被写体像と表示体
の双方を同一視野で観察し、該所定面上に形成した被写
体像に基づく光束の一部を該正立像形成部材、及び該光
学部材のうち、該観察系の有効光線領域外の一部を介し
て受光レンズで集光して受光素子に導光する測光系を用
いて該被写体像の輝度情報を得ていることを特徴として
いる。
【0034】特に、 (1-4-1) 前記光学部材は、前記表示体からの光束を入射
させる表示用入射面、前記正立像形成部材からの光束を
入射させて、前記受光レンズ側に射出させる測光用入射
面と測光用射出面とを有する多面のプリズム体より成っ
ていることを特徴としている。
【0035】(1-4-2) 前記光学部材は前記正立像形成部
材からの光束を入射させる第1の光学面と、光軸に対し
て傾斜した該第1の光学面からの光束を通過させるとと
もに前記表示用入射面からの光束を反射させる第2の光
学面とを有しており、該第1の光学面と前記測光用入射
面を同一面より形成していることを特徴としている。
【0036】(1-5) 所定面上に形成した被写体像に基づ
く光束を正立像形成部材と、光軸に対して傾斜し特定の
波長域の光束を反射させる少なくとも1つの光学面を有
する光学部材の該光学面を通過させて接眼レンズに導光
する観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表示体
からの光束を該光学面で反射させて、該接眼レンズに導
光する表示系とを利用して該被写体像と表示体の双方を
同一視野で観察するとともに該光学面の法線と光軸との
なす角をθ0 °としたとき 2.5<θ0 <50 を満足することを特徴としている。
【0037】特に、 (1-5-1) 前記1つの光学面はダイクロイックミラーであ
り、ファインダー光軸と平行な方向に入射する光線の平
均透過率が50%になる波長をλh(nm)としたとき 600nm<λh<700nm を満足することを特徴としている。
【0038】本発明の光学機器は、 (2-1) 構成(1-1)〜(1-5)のいずれか1項記載のファイン
ダー系を有していることを特徴としている。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1の要部
断面図である。同図は一眼レフレックスカメラのファイ
ンダー光学系を示している。同図において、1は焦点板
であり、その面上には撮影系による物体像が形成されて
いる。2はコンデンサーレンズ、3は正立像形成部材と
して作用するペンタプリズム、4は反射光学部材、5は
接眼レンズ、6は観察者の瞳孔の位置、7は表示系を構
成する表示光学系、8は測光系の一部の光学系を表わし
ている。
【0040】本実施形態では反射光学部材4を3つのガ
ラスプリズム41、42、43より構成している。この
中で光学部材としてのプリズム42の2つの面42a、
42bは表示体74からの光束をそれぞれ反射させる第
1の反射面(第1の光学面)と、第2の反射面(第2の
光学面)となっている。3つのプリズム41、42、4
3は接合したとき平行平面板となる形状より成ってい
る。表示光学系7は、第1の正レンズ71、反射鏡7
2、第2の正レンズ73、及び表示体74を有してい
る。表示体74からの情報光を正レンズ73、反射鏡7
2、正レンズ71によって拡大した後、反射光学部材4
のプリズム42の入射面42cより入射させ、そこに配
置される2つの反射面42b、42aを介してファイン
ダー光学系の光路中に導入し、ファインダー視野像(被
写体像)に重ねて表示している。
【0041】本実施形態の反射光学部材4を構成するプ
リズム42の第1の反射面42aの法線はファインダー
光軸Faに対する角θ1 は条件式(1)を満足するよう
に、例えば、約10°傾斜して配置されており、第2の
反射面42bの法線は条件式(2)、(3)を満足する
ようにファインダー光軸Faに対して第1の反射面とは
反対側の方向に27°(θ2 )傾斜して配置されてい
る。反射光学部材4を構成するプリズム42の第1の反
射面4aには、条件式(6)を満足するように、例え
ば、図2に示すように、ファインダー光軸と平行な方向
に入射する光線の透過率が50%となる波長が650n
m程度の分光透過率特性を持ったダイクロイックミラー
が蒸着されていて、およそ、波長400nm〜650n
mの可視光を透過し、波長650nmより長波長の光を
反射するように構成している。
【0042】また、第2の反射面42bは、表示体74
方向から入射する光線は全反射し、第1の反射面42a
を透過した可視光は透過して屈折するように角度を設定
している。本実施形態の情報光の表示系は、このように
第1の反射面42aと第2の反射面42bの相互反射を
利用してピーク波長が700nm付近の赤色のLEDを
光源とする表示体74からの情報光をファインダー視野
内に導入している。これらの反射面の法線の光軸Faと
のなす角θR を37°としてこの情報光をファインダー
光軸Faに対して74°傾斜した方向から導入するよう
にしている。そして反射光学部材4のプリズム42に形
成された表示用入射面42cから入射した情報光は、第
2の反射面42bで全反射した後に第1の反射面42a
のダイクロイックミラーで反射して接眼レンズ5側に導
光している。そして接眼レンズ5を介して表示体74の
像が焦点板1上の物体像と重なるようにして瞳孔の位置
6より観察している。
【0043】また、表示光学系7の正の屈折力の光学部
材を、反射光学部材4の近傍に配置される第1の正レン
ズ71と、表示体74の近傍に配置される第2の正レン
ズ73より構成し、これらの2つのレンズ71、73に
よって表示体74を焦点板1と略等価な位置に結像させ
るように構成している。ここで2つのレンズ71、73
は結像系を構成している。
【0044】この際、表示体74は正レンズ71、及び
正レンズ73によって拡大して観察されるように構成し
ているため、表示体74の大きさ自体は焦点板1の上の
大きさに対して小さくなっている。そして、結像系と観
察系とを前述の条件式(4)を満足するようにしてい
る。なお、反射鏡72は表示光学系の光路を偏向させて
カメラ全体のコンパクト化を図るためのものである。測
光用光学系8は、測光用の受光レンズ81と、受光素子
82を有している。焦点板1の上に結像した被写体像の
拡散光の一部を、コンデンサーレンズ2、ペンタプリズ
ム3、反射光学部材4を構成するプリズム41、プリズ
ム42の測光用入射面42a、測光用射出面42dを介
した後に受光レンズ81によって受光素子82の上に略
々再結像させて被写体の輝度情報を得ている。なお、測
光系では光学部材(プリズム42)のうち観察系の有効
光線領域外の一部を利用している。なお、測光用の受光
レンズ81が反射面を持っているのは、受光素子82を
適切に配置させることによって、やはりカメラ全体のコ
ンパクト化を図るためである。
【0045】また接眼レンズ5は、本実施形態では負の
屈折力を有する第1レンズ51、正の屈折力を有する第
2レンズ52、及び保護ガラス53の3つの光学部材よ
り構成していて、ファインダー視度の調節のために第2
レンズ52を光軸上を移動可能に構成している。本実施
形態ではこのように接眼レンズ5にファインダー視度の
調節機能を設けており、このような構成の場合には特に
焦点板1から接眼レンズ5の前側主点位置までの距離が
長くなる傾向にあり、ファインダー倍率の低減を防ぐた
めの工夫が重要となってくる。
【0046】本実施形態では、図1に示されるように、
反射光学部材4をファインダー光軸Faに対してそれぞ
れ異なる方向に傾斜した2つの反射面42a、42bを
含むガラス、又はプラスチック材より成るプリズム42
と2つのプリズム41、43の3つより構成して、ファ
インダーの視野内の広範囲の領域へ情報光を重ねて表示
することのできる表示系を実現するとともに、焦点板1
から接眼レンズ5へ至る光学系の光路長を極力短くして
十分に大きいファインダー倍率を維持することのできる
一眼レフレックスカメラのファインダー光学系を実現し
ている。
【0047】また本実施形態では、情報光の表示のため
の反射光学部材4として光量損失のない全反射とダイク
ロイックミラーを使用しており、ファインダー光学系の
色づきを十分に低減させることができ、かつ十分に明る
く視認性の良好な情報の表示を可能としている。
【0048】本実施形態において反射光学部材4を構成
するプリズム(光学部材)42とプリズム43とは僅か
の間隔を隔てて対向配置しても良く、又、接着剤で接着
しても良い。このとき、表示体74からの光で入射面4
2cから入射した光が第2の反射面42bで全反射する
ようにその角度θ2 をプリズム42の材質や接着剤の屈
折率を考慮して設定している。又、ペンタプリズムの射
出面とプリズム体41とを接合しても良い。又、プリズ
ム体41とプリズム体42とを接合しても良い。
【0049】尚、焦点板1からコンデンサーレンズ2、
ペンタプリズム3、反射光学部材4、そして接眼レンズ
5に至る各要素は観察系を構成し、表示体74、正レン
ズ73、反射鏡72、正レンズ71、第2の光学面42
b、第1の光学面42a、接眼レンズ5に至る各要素は
表示系を構成している。又、焦点板1、コンデンサーレ
ンズ2、ペンタプリズム3、プリズム41、42、受光
レンズ81、受光素子82に至る各要素は測光系を構成
している。
【0050】又、プリズム体43は第2の光学面42b
に基づく光軸の偏向を補償する透過面を有する補償光学
部材を構成している。
【0051】図3は本発明の実施形態2の要部概略図で
ある。
【0052】同図は一眼レフレックスカメラのファイン
ダー光学系を示している。同図の実施形態において、図
1に示される実施形態1と同符号のものは同様のものを
意味している。本実施形態では反射光学部材4は、2つ
の反射鏡44、45より構成しており、これらの反射鏡
に形成された面44a、及び45aは、それぞれ第1の
反射面(第1光学面)、及び第2の反射面(第2の光学
面)に対応している。本実施形態では2つの面44a、
及び45aはどちらもダイクロイックミラーを蒸着して
形成し、それぞれの所定の光線の入射角度に対して特定
の分光透過率特性を持つように構成している。本実施形
態のダイクロイックミラー44aの分光透過率特性も入
射角度は異なるものの、図2に示される実施形態1のダ
イクロイックミラーのものと類似のものとしている。
【0053】又、本実施形態のダイクロイックミラー4
5aの分光透過率特性を図21に示す。同図に示される
ようにダイクロイックミラー45aにおいては、ピーク
波長が700nm付近の赤色のLEDを光源とする情報
光が、その入射角が47°程度の場合には反射され、入
射角が27°程度の場合には透過されるように構成して
いる。誘電体の多層膜の各層の蒸着物質と膜厚を適切に
設定すればダイクロイックミラー45aの特性を図21
のようにすることは可能である。尚、表自体74に液晶
等のように所定の偏光面を持つものを用いた場合には、
その偏光面の方向がダイクロイックミラー45aの反射
面に対して所定の方向となるように適切に設定してやれ
ば、ダイクロイックミラーの入射角47°の場合の特性
は所定の偏光面を持った光のみを考慮すれば十分とな
り、図21に示した特性の実現は比較的容易となる。
【0054】表示体74からの光束を正レンズ73、反
射鏡72、そして正レンズ71で集光し、ダイクロイッ
ク面45a、44aで反射させた後、面45aを通過さ
せて接眼レンズ5に導光している。
【0055】これによって焦点板1上に形成した被写体
像と表示体74で表示した画像情報の双方を接眼レンズ
5を介してアイポイント6より観察している。
【0056】又、焦点板1からの光束の一部をコンデン
サーレンズ2、ペンタプリズム3、ダイクロイック面4
4aを介して受光レンズ81で集光して受光素子82で
受光して、被写体像の輝度情報を得ている。
【0057】本実施形態の構成では、反射光学部材4を
反射鏡44、45の組合せにより構成しているため、光
路長の短縮という点では前述の実施形態1にはやや及ば
ないものの比較的簡易な構成とすることができ、製造コ
ストが比較的安価となるという利点もある。
【0058】図4は本発明の実施形態3の要部概略図で
ある。
【0059】同図は一眼レフレックスカメラのファイン
ダー光学系を示している。同図実施形態において、図1
に示される本実施形態と同符号のものは同様のものを意
味している。本実施形態では反射光学部材4は、2つの
ガラス、又はプラスチック材より成るプリズム46、及
び47より構成している。プリズム(光学部材)46に
形成された2つの面46a、及び46bは、それぞれ第
1の反射面(第1の光学面)、及び第2の反射面(第2
の光学面)に対応している。本実施形態では2つの面4
6a、及び46bは実施形態2と同様にどちらもダイク
ロイックミラーの蒸着により形成しており、それぞれの
所定の光線の入射角度に対して類似の分光透過率特性を
持つように構成している。
【0060】表示体74からの光束を正レンズ73、反
射鏡72、正レンズ71を介してプリズム46の入射面
46cより入射させ、ダイクロイック面46b、46a
で反射させた後、面46bを通過させて、プリズム47
を介して接眼レンズ5に導光している。
【0061】焦点板1からの光束の一部をコンデンサー
レンズ2、ペンタプリズム3、プリズム46の面46
a、面46bを介して、受光レンズ81で集光して受光
素子82で受光して焦点板1上の被写体像の輝度情報を
得ている。
【0062】本実施形態のダイクロイックミラーの分光
透過率特性も入射角度は異なるものの、図2及び図3に
示される実施形態1,2のダイクロイックミラーのもの
と類似のものとしている。また本実施形態においては、
ペンタプリズム3の射出面3bを反射光学部材4を構成
するプリズム46の入射面46aと平行、かつファイン
ダー光軸Faにたいして傾斜して構成し、同時にペンタ
プリズム3と反射光学系4のプリズム46とプリズム4
7を接合して配置している。これによって、焦点板1か
ら接眼レンズ5に至るファインダー光学系の光路長の一
層の短縮と、保持機構の簡略化等の製造上の問題点の解
決を図っている。
【0063】また本実施形態の構成において、ファイン
ダー光学系の光路長を短縮するために、さらに反射光学
部材4を構成するプリズム47と接眼レンズ5を構成す
る第1レンズ51を一体化して構成している。このよう
な構成とすると接眼レンズ5を構成するレンズ面の自由
度が減ることになるためファインダー光学系の収差が若
干劣化する傾向にある。本実施形態では接眼レンズ5と
してファインダー視度の調節機能を設けることを想定し
ているためこのような問題点の発生も予想されるが、フ
ァインダー視度の調節機能を設けないファインダー光学
系を想定すれば特に光路長の短縮のために有効な手法と
いうことができる。
【0064】以上説明した本発明の実施形態1から実施
形態3までは、ファインダー光学系の光軸Faに対して
互いに異なる方向に傾斜した光学面を配置してファイン
ダー内の表示に用いる光学系を構成したものであって、
光学面の構成方法等の変形例をしめしたものである。こ
れらの3つの実施形態における光学面の法線とファイン
ダー光軸のなす角についてはいずれもほぼ同程度として
いるが、もちろん本発明の角度に関する条件式を満足し
た上で角度を適宜変更することもできる。
【0065】図5は本発明の実施形態4の要部概略図で
ある。
【0066】同図は一眼レフレックスカメラのファイン
ダー光学系を示している。同図の実施形態4において、
図1に示される実施形態1と同符号のものは同様のもの
を意味している。本実施形態では反射光学部材4は、1
つの光学部材(反射鏡)48より構成され、反射面(光
学面)48aにダイクロイックミラーが蒸着されてい
る。本実施形態のダイクロイックミラーの分光透過率特
性も入射角度は異なるものの、図2に示される実施形態
1のダイクロイックミラーのものと類似のものとしてい
る。また本実施形態において反射鏡48の反射面48a
の法線とファインダー光軸Faのなす角θ0 は条件式
(5)を満足するように、例えば約35°傾斜して配置
されている。本実施形態の情報光の表示系は、この反射
面48aの反射を利用してファインダー視野内に情報光
を導入している。即ち、表示体74からの情報光を正レ
ンズ73、反射鏡72、そして正レンズ71を介してフ
ァインダー光軸Faに対して70°傾斜した方向から反
射面48に導入するようにしている。
【0067】本実施形態の構成では、反射光学部材4を
反射鏡48のみにより構成しているため、光路長の短縮
という点では必ずしも十分とは言えないものの、より簡
易な構成とすることができ、製造コストが安価となると
いう利点がある。尚、測光系8は焦点板1からの光束を
コンデンサーレンズ2、ペンタプリズム3を介して受光
レンズ81で集光して受光素子82で受光している。
【0068】図6に図1の実施形態1の一眼レフレック
スカメラのファインダー光学系の観察系に相当する部分
の光路の展開図を示す。同図において図1で示した要素
と同一要素には同符番を付している。
【0069】図7に図1の実施形態1の一眼レフレック
スカメラのファインダー光学系の観察系の収差図を示
す。
【0070】本発明の実施形態の一眼レフレックスカメ
ラのファインダー光学系は、このようにペンタプリズム
3と接眼レンズ5の間にファインダー内へ表示体からの
情報を表示するために所定形状の光学部材を配置し、こ
れによってファインダー光学系の光路長の長大化を極力
防止してファインダー倍率の低下を防止している。また
特に本発明の実施形態1では視度調節機構を具備した接
眼レンズ5を配置しており、接眼レンズ5を焦点板側か
ら順に負の屈折力を有する第1レンズ51と正の屈折力
を有する第2レンズ52と保護ガラス53の3つの光学
部材より構成し、視度の調節のために前記第2レンズ5
2を光軸上を移動させる構成としている。この本発明の
実施形態1の光学系は図6のように展開することがで
き、このときの収差図は図7に示すとおりである。ファ
インダー光学系としての緒元は、焦点板1からコンデン
サーレンズ2までの距離は1mm、接眼レンズ5の射出
面から観察者の瞳孔位置6までの距離(アイレリーフ)
は20mm、焦点板1上の最大物体高は20mm、見か
けの視野角度に換算すると15.6°程度となってい
る。
【0071】図8に本発明の実施形態1のファインダー
光学系の表示系に相当する部分の光路の展開図を示す。
【0072】図9に本発明の実施形態1の表示系の収差
図を示す。
【0073】ファインダー光学系と同様に情報光の表示
系を展開すると図8に示すようになる。本実施形態の表
示系は上記のファインダー光学系の接眼レンズ5を共用
して表示体74を観察する光学系であって、表示体74
を焦点板1と光学的に等価な位置に拡大して結像させる
ための2つの正レンズ71、73を有している。表示系
としての緒元は、表示体74から正レンズ73までの距
離は2.15mm、接眼レンズ5の射出面から観察者の
瞳孔位置6までの距離(アイレリーフ)は20mm、表
示体74上の最大物体高は2.7mm、見かけの視野角
度に換算すると6.4°程度となっている。表示体74
の最大物体高は焦点板1上の物体高に換算するとおよそ
8.1mmとなり、表示光学系の正レンズ71、73に
よって表示体74を焦点板におよそ3倍に拡大して観察
するよう構成している。この実施形態による測距位置の
表示の例を図12に示す。
【0074】図7、及び図9に示されるように諸収差は
良好に補正されており、視野、並びに情報光の表示は良
好に観察できるようになっている。
【0075】図10に本発明の実施形態1の表示系の変
形例に相当する部分の光路展開図を示す。
【0076】図11に本発明の実施形態1の表示系の変
形例の収差図を示す。
【0077】図10、及び図11に示した表示系の変形
例は、図8、及び図9に示した表示系の数値実施例2で
あって、主として正レンズ71の形状を変形したもので
ある。この実施形態における諸元は、表示体74から正
レンズ73までの距離は2mm、接眼レンズ5の射出面
から観察者の瞳孔位置6までの距離(アイレリーフ)は
20mm、表示体74上の最大物体高は2.7mm、見
かけの視野角度に換算すると6.8°程度となってい
る。表示体74の最大物体高は焦点板1上の物体高に換
算するとおよそ8.65mmとなり、表示系の正レンズ
71、73によって表示体74を焦点板におよそ3.2
倍に拡大して観察するよう構成している。
【0078】本実施形態では、このように数値上の変形
例としてはさまざまのものが考えられるが、表示系に非
球面を用いるなどの手法を併用して、正レンズの形状を
適切に設定し、ファインダー視野内の中央から所定の領
域内に良好に視認できるように情報を重ねて表示してい
る。
【0079】以下に本発明の実施形態1、2の一眼レフ
レックスカメラのファインダー光学系の観察系、及び表
示系の数値実施例を示す。
【0080】数値実施例において*印の付されているレ
ンズ面は非球面を表わしており、非球面の形状は次式に
よって表わすものとする。
【0081】
【数1】 この他、本発明の実施形態2から実施形態4の一眼レフ
レックスカメラのファインダー光学系に対応する数値実
施例は、この本発明の実施形態1に対応する数値実施例
を若干変形すれば容易に実現することができ、説明の重
複となるためここでは割愛する。
【0082】なお、ファインダー光学系の光路長をより
短縮するためにペンタプリズム3、及び反射光学部材4
はより高屈折率材料で構成するのが望ましく、上記実施
形態に開示したようにNdが1.6以上のものを使用す
るのが望ましい。
【0083】
【外1】
【0084】
【外2】 ここで前述の各条件式(1)〜(6)の技術的意味を説
明すると、条件式(1)に基づいて第1の反射面(光学
面)の法線とファインダー光軸のなす角を比較的小さく
設定しておくと、ハーフミラー、あるいはダイクロイッ
クミラーで反射する情報光のこの面への入射角が比較的
小さくなって、分光反射率特性の入射角度依存(入射角
度に対する分光反射率特性の変化)を小さくすることが
できる。即ち、前記第1の反射面をこの条件式(1)を
満足するように配置することによってファインダーの視
野内での見かけ上の色の変化を少なくすることができ
る。条件式(1)の上限値を超えてこれらのなす角が大
きくなると、分光反射率特性の入射角度依存が大きくな
り、逆にこれらのなす角が小さくなると情報光を分離す
るための光学部材が大きくなって装置のコンパクト化が
困難となる。
【0085】条件式(2)は情報表示用の光学部材の2
つの反射面(光学面)のなす角を規定する式であって、
この条件式(2)によってこの光学部材に導入する情報
光の方向を規定している。この条件式(2)で規定する
範囲を超えた設定とするとファインダー光学系の光軸と
表示系の情報光の導入方向のなす角が比較的小さくなっ
て、表示系の構成部品の配置が難しくなり、装置のコン
パクト化の妨げとなる。
【0086】条件式(3)はプリズム体より成る光学部
材の第2の反射面(光学面)において、焦点板から観察
者の瞳孔に至るファインダーの視野像が透過し、特定の
方向に配置され、ここから導入される情報光が反射する
ように構成したときに、全体をコンパクトにするための
条件式である。条件式(3)の下限値を超えて角度θ2
が小さくなると、情報光を前記第1の反射面(光学面)
と前記第2の反射面(光学面)の相互反射によってファ
インダーの視野内に情報光を重ねて表示させるためには
前記第1の反射面の法線とファインダー光軸のなす角を
大きく設定することが必要となって、コンパクトな構成
とし難いという問題や、上記の分光反射率特性の入射角
度依存が大きくなり易くなるという問題が生じる。又、
逆に条件式(3)の上限値を超えて角度θ2 が大きくな
ると、やはりコンパクトな構成とし難いという問題が生
じる。又、このように反射面とファインダー光軸のなす
角度を大きく設定し、その反射面を接合面としない場合
には、この面のプリズム作用の影響が大きくなってファ
インダー視野像の色のにじみが多くなるという問題も発
生する。
【0087】条件式(4)は、ファインダー光学系の観
察系の合成焦点距離fE に対する表示系(結像系と接眼
レンズとの合成系)の合成焦点距離fR の比を規定する
式であって、表示系における表示体の焦点板に対する縮
小倍率を適切に設定するべく規定する式である。条件式
(4)の下限値を超えて表示系の合成焦点距離fR が短
くなると、表示体を極めて小さく構成することが必要と
なって製造上の問題が発生する。逆に条件式(4)の上
限値を超えて表示光学系の合成焦点距離fR が長くなる
と、表示体をあまりコンパクトに構成することができな
くなって好ましくない。
【0088】条件式(5)は光学部材を1つの光学面よ
り構成したときの1つの反射面(光学面)の法線とファ
インダー光軸のなす角をθ0 °を規定して、この反射面
により表示体からの情報を表示する際の反射面の配置を
適切にするものである。上記の条件式(1)ではファイ
ンダー光路中に2つの反射面を配置する場合の第1の反
射面についての適切な配置について規定しているが、フ
ァインダー光学系の光路長の短縮という観点では若干不
利な点があるものの1つの反射面のみを配置する場合も
考えられ、条件式(5)は、このような場合も併せて反
射面を設定するときの条件を規定した式となっている。
条件式(5)の下限値は、条件式(1)のファインダー
光学系の光路中に2面の反射面を配置したときの下限値
と同様であり、条件式(5)の上限値はファインダー光
学系の光路中に1面のみの反射面を配置して情報光の表
示系を構成する場合で、表示装置からの情報光をファイ
ンダー光軸と略垂直な方向から導入するべく構成するこ
とを想定しており、表示装置を小型に構成し得る条件を
規定するものである。反射面の法線とファインダー光軸
のなす角を上述の条件式(1)を満足するように構成し
て2つの反射面による情報光を導入する構成とするのが
より好ましいが、第2の方法としてこのように反射面を
1面のみこの条件式(5)を満足するように構成するこ
とも可能である。
【0089】条件式(6)はダイクロイックミラーによ
ってファインダー視野像に表示体からの情報光を重ねて
表示するときの反射光学部材の分光透過率特性の一部を
規定する式であって、ファインダー光軸と平行な方向に
入射する光線の平均透過率が50%となる波長、すなわ
ち透過光と反射光を分離する波長を規定している。条件
式(6)の下限値を超えて平均透過率が50%となる波
長が短波長となるとファインダー視野像のうちの赤色成
分が欠落して見えるようになり、また逆に条件式(6)
の上限値を超えて平均透過率が50%となる波長が長波
長となると表示体からの情報光の視認性が悪くなる。
【0090】本発明は、以上説明したような種々の構成
を採用することによって、ファインダー視野内の被写体
像に重ねて情報を表示する新規の一眼レフレックスカメ
ラのファインダー光学系を実現している。特に、ファイ
ンダーの視野内の比較的広い面積の領域に情報を表示す
ることを可能とし、また、コンパクトな構成としてファ
インダー倍率を十分に大きく維持することの可能なファ
インダー光学系を実現することに成功している。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、ファイン
ダー光路中にファインダー光軸に対して傾斜した反射と
透過をする光学面を適切に配置して光路を分割する構成
を採用することにより、ファインダー視野内の被写体像
に表示体の情報を重ねて表示し、特に、表示体の情報を
光学系全体の小型化を図りつつファインダー視野内の比
較的広い面積の領域にファインダー倍率を十分に大きく
維持しつつ表示することができるファインダー系及びそ
れを用いた光学機器を達成することができる。
【0092】特に、本発明によれば、ファインダー視野
内の被写体像に重ねて情報を表示する新規で良好な一眼
レフレックスカメラのファインダー光学系を実現するこ
とができ、又、ファインダーの視野内の比較的広い面積
の領域に情報を表示することを可能とし、また、コンパ
クトな構成としてファインダー倍率を十分に大きく維持
することの可能なファインダー光学系を実現することが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の要部断面図
【図2】 図1の光学面のダイクロイックミラーの分光
透過率の説明図
【図3】 本発明の実施形態2の要部断面図
【図4】 本発明の実施形態3の要部断面図
【図5】 本発明の実施形態4の要部断面図
【図6】 本発明の実施形態1の観察系の光路展開図
【図7】 本発明の実施形態1の観察系の収差図
【図8】 本発明の実施形態1の表示系の光路展開図
【図9】 本発明の実施形態1の表示系の収差図
【図10】 本発明の実施形態1の表示系の一部分の変
形説明図
【図11】 本発明の実施形態1の表示系の一部分の変
形説明図
【図12】 本発明の実施形態1の表示系の測距位置の
説明図
【図13】 本発明の実施形態2に係るダイクロイック
ミラーの分光透過率の説明図
【符号の説明】
1 焦点板 2 コンデンサーレンズ 3 正立像形成手段 4 光学部材 5 接眼レンズ 6 瞳位置(アイポイント) 7 表示系 8 測光系

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定面上に形成した被写体像に基づく光
    束を正立像形成部材と、光軸に対して互いに異なる角度
    で配置した2つの光学面を通過させて接眼レンズに導光
    する観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表示体
    からの光束を該2つの光学面で反射させて、該接眼レン
    ズに導光する表示系とを利用して該被写体像と該表示体
    の双方を同一視野で観察することを特徴とするファイン
    ダー系。
  2. 【請求項2】 前記2つの光学面のうち1つはハーフミ
    ラー、他の1つはダイクロイックミラーであることを特
    徴とする請求項1のファインダー系。
  3. 【請求項3】 所定面上に形成した被写体像に基づく光
    束を正立像形成部材と、光軸に対して互いに異なる角度
    で配置した第1の光学面と第2の光学面の順に通過させ
    て接眼レンズに導光する観察系と、該正立像形成部材の
    近傍に設けた表示体からの光束を該第2の光学面と第1
    の光学面の順で反射させて、該接眼レンズに導光する表
    示系とを利用して該被写体像と該表示体の双方を同一視
    野で観察することを特徴とするファインダー系。
  4. 【請求項4】 前記第1の光学面はハーフミラー、又は
    ダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項3
    のファインダー系。
  5. 【請求項5】 前記第1の光学面の法線と光軸とのなす
    角をθ1 °としたとき 2.5<θ1 <20 を満足することを特徴とする請求項4のファインダー
    系。
  6. 【請求項6】 前記第1の光学面の法線と第2の光学面
    の法線とのなす角をθR °としたとき 30<θR <55 を満足することを特徴とする請求項4のファインダー
    系。
  7. 【請求項7】 前記第1と第2の光学面は1つの光学部
    材より形成されており、該第2の光学面は前記表示体か
    らの光束を反射させるとともに、前記所定面上の被写体
    像からの光束であって、該第1の光学面を通過してくる
    光束を通過するように光軸に対して傾斜して配置してお
    り、該第2の光学面に基づく光軸の偏向を補償する透過
    面を有する補償光学部材を光路中に設けていることを特
    徴とする請求項4のファインダー系。
  8. 【請求項8】 前記第2の光学面は前記表示体からの光
    束を全反射させるとともに、前記所定面上の被写体像か
    らの光束であって、前記第1の光学面を通過してくる光
    束を通過するように設定していることを特徴とする請求
    項7のファインダー系。
  9. 【請求項9】 前記第2の光学面の法線と光軸とのなす
    角をθ2 °としたとき 15<θ2 <35 を満足することを特徴とする請求項7のファインダー
    系。
  10. 【請求項10】 前記正立像形成部材の射出面は前記第
    1の光学面と略平行で近接配置、又は接合されているこ
    とを特徴とする請求項7のファインダー系。
  11. 【請求項11】 前記補償光学部材の透過面は曲面を有
    しており、前記接眼レンズの一部の光学作用をしている
    ことを特徴とする請求項7のファインダー系。
  12. 【請求項12】 前記第1の光学面と第2の光学面はい
    ずれもハーフミラー、又はダイクロイックミラーである
    ことを特徴とする請求項3のファインダー系。
  13. 【請求項13】 前記第1の光学面と第2の光学面は1
    つの光学部材より形成されており、該第2の光学面に基
    づく光軸の偏向を補償する透過面を有する補償光学部材
    を該第2の光学面と接合していることを特徴とする請求
    項12のファインダー系。
  14. 【請求項14】 前記正立像形成部材の射出面は前記第
    1の光学面と略平行で近接配置、又は接合されているこ
    とを特徴とする請求項12のファインダー系。
  15. 【請求項15】 前記第1、第2の光学面は反射鏡より
    成っていることを特徴とする請求項12のファインダー
    系。
  16. 【請求項16】 所定面上に形成した被写体像に基づく
    光束を正立像形成部材と光軸に対して傾斜した光学面を
    有する光学部材の該光学面を通過させて接眼レンズに導
    光する観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表示
    体からの光束を結像系で集光し、該光学面で反射させた
    後に該接眼レンズに導光する表示系とを利用して、該所
    定面上の被写体像と該表示体の縮小像との双方を略同一
    の視度で観察するようにしたことを特徴とするファイン
    ダー系。
  17. 【請求項17】 前記結像系は正の第1レンズと正の第
    2レンズとを有し、該結像系と前記接眼レンズとの合成
    の焦点距離をfR 、前記観察系の焦点距離をfE とした
    とき 0.1<fR /fE <0.5 を満足することを特徴とするファインダー系。
  18. 【請求項18】 所定面上に形成した被写体像に基づく
    光束を正立像形成部材と、光軸に対して傾斜した光学面
    を有する光学部材の該光学面を通過させて接眼レンズに
    導光する観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表
    示体からの光束を該光学面で反射させて、該接眼レンズ
    に導光する表示系とを利用して、該被写体像と表示体の
    双方を同一視野で観察し、該所定面上に形成した被写体
    像に基づく光束の一部を該正立像形成部材、及び該光学
    部材のうち、該観察系の有効光線領域外の一部を介して
    受光レンズで集光して受光素子に導光する測光系を用い
    て該被写体像の輝度情報を得ていることを特徴とするフ
    ァインダー系。
  19. 【請求項19】 前記光学部材は、前記表示体からの光
    束を入射させる表示用入射面、前記正立像形成部材から
    の光束を入射させて、前記受光レンズ側に射出させる測
    光用入射面と測光用射出面とを有する多面のプリズム体
    より成っていることを特徴とする請求項18のファイン
    ダー系。
  20. 【請求項20】 前記光学部材は前記正立像形成部材か
    らの光束を入射させる第1の光学面と、光軸に対して傾
    斜した該第1の光学面からの光束を通過させるとともに
    前記表示用入射面からの光束を反射させる第2の光学面
    とを有しており、該第1の光学面と前記測光用入射面を
    同一面より形成していることを特徴とする請求項19の
    ファインダー系。
  21. 【請求項21】 所定面上に形成した被写体像に基づく
    光束を正立像形成部材と、光軸に対して傾斜し特定の波
    長域の光束を反射させる少なくとも1つの光学面を有す
    る光学部材の該光学面を通過させて接眼レンズに導光す
    る観察系と、該正立像形成部材の近傍に設けた表示体か
    らの光束を該光学面で反射させて、該接眼レンズに導光
    する表示系とを利用して該被写体像と表示体の双方を同
    一視野で観察するとともに該光学面の法線と光軸とのな
    す角をθ0 °としたとき 2.5<θ0 <50 を満足することを特徴とするファインダー系。
  22. 【請求項22】 前記1つの光学面はダイクロイックミ
    ラーであり、ファインダー光軸と平行な方向に入射する
    光線の平均透過率が50%になる波長をλh(nm)と
    したとき 600nm<λh<700nm を満足することを特徴とする請求項21のファインダー
    系。
  23. 【請求項23】 前記観察系の光軸と前記表示系の光軸
    は前記接眼レンズで一致していることを特徴とする請求
    項1から22のいずれか1項記載のファインダー系。
  24. 【請求項24】 請求項1から23のいずれか1項記載
    のファインダー系を有していることを特徴とする光学機
    器。
  25. 【請求項25】 請求項1から23のいずれか1項記載
    のファインダー系の前記所定面近傍に焦点板を設け、該
    焦点板に撮影レンズによる被写体像を形成していること
    を特徴とする光学機器。
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JP2017021310A (ja) * 2015-07-15 2017-01-26 キヤノン株式会社 ファインダー光学系及びそれを有する撮像装置
JP2017134199A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 キヤノン株式会社 光学素子及びそれを有するファインダー光学系

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