JPH1123132A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕様切替室における収納容器の前部と後部と
の間での温度差を極力少なくできるようにする。 【解決手段】 仕様切替室４に収容される収納容器２４
の一端部に第１の凸部２６を、他端部に第１の凸部２６
より突出寸法の大きい第２の凸部２７を設ける。仕様切
替室４を例えば冷凍室として使用する場合には、収納容
器２４を第１の凸部２６が後方へ向く状態として支持枠
２１に支持させ、収納容器２４の本体部２５を扉９から
遠ざけ、冷蔵室として使用する場合には、収納容器２４
を第１の凸部２６が前方へ向く状態として支持枠２１に
支持させ、本体部２５を仕様切替室４の後面、ひいては
ダンパ装置１５から遠ざける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、設定温度の切り替
えが可能な仕様切替室に対して出し入れされる収納容器
を備えた冷蔵庫に関する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】近年、家庭用の冷蔵庫
においては、一つの貯蔵室の設定温度を例えば冷蔵室用
の温度（約３℃）から冷凍室用の温度（約−１８℃）ま
での範囲で切り替えることを可能とした、仕様切替室を
備えたものが供されている。

【０００３】このものでは、次のような構成となってい
る。すなわち、仕様切替室の後部に、当該仕様切替室へ
の冷気の供給を制御するダンパ装置が設けられ、仕様切
替室の天井部に、ダンパ装置から供給される冷気を仕様
切替室へ吹き出す冷気吹出し口が設けられている。そし
て、仕様切替室の前面を開閉する扉は、引き出し式とな
っていて、背面側に設けられた支持枠を介して前後方向
へ移動可能に設けられている。支持枠には、貯蔵物を収
納する収納容器が着脱可能に支持されるようになってい
て、扉の開閉に伴い、その収納容器が仕様切替室に対し
て出し入れされるようになっている。

【０００４】そして、このような構成のものでは、特に
冷凍室として使用する場合の冷気風量を確保するため、
仕様切替室の天井部に設けられた冷気吹出し口から仕様
切替室内に冷気を吹出し、その冷気は、収納容器の前面
と扉の背面との間に形成された空間部を通った後、収納
容器の下方を通り、仕様切替室の後下部に設けられた冷
気出口から仕様切替室の外部のダクトへと流れるように
なっている。また、冷気吹出し口から吹出された冷気が
冷気出口側へ直接流れてしまう、いわゆるショートサー
キットを防止するため、収納容器の後部と冷気吹出し口
の後部側との間の隙間を極力小さくなるようにしてい
る。

【０００５】しかしながら、上記した従来構成のもので
は、次のような不具合が考えられる。仕様切替室を例え
ば冷蔵室として使用する場合に、収納容器の後部がダン
パ装置に近いため、その後部側が冷えすぎてしまい、貯
蔵物（負荷）が少なく、しかも水分の多いものの場合に
は、収納容器の後部側において氷結が生じてしまうこと
がある。また、仕様切替室を冷凍室として使用する場合
に、扉側（外部）からの熱や、仕様切替室前部の周囲に
設けられた防露パイプなどの熱の影響により、収納容器
の前部側の温度が高くなりやすい。

【０００６】本発明は上記した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、仕様切替室における収納容器の
前部と後部との間での温度差を極力少なくすることがで
きる冷蔵庫を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、設定温度の切り替えが可能な仕様切替
室と、この仕様切替室の後部に設けられ、当該仕様切替
室への冷気の供給を制御するダンパ装置と、前記仕様切
替室の上方部に設けられ、前記ダンパ装置から供給され
る冷気を仕様切替室へ吹き出す冷気吹出し口と、前記仕
様切替室の前面に前後方向への移動により当該仕様切替
室の前面開口部を開閉するように設けられ、背面側に支
持枠が設けられた扉と、前記支持枠に着脱可能に支持さ
れると共に、前記扉の開閉に伴い前記仕様切替室に対し
て出し入れされる収納容器とを備えた冷蔵庫において、
前記収納容器は、前後方向の一端部に他端部側とは反対
方向へ突出する第１の凸部を有すると共に、他端部に一
端部側とは反対方向へ突出し、かつ前記第１の凸部より
も突出寸法が大きな第２の凸部を有する構成とし、この
収納容器を、前記支持枠に対して前記第１の凸部が前方
へ向く状態と後方へ向く状態とに入れ替え可能に構成し
たことを特徴とするものである。

【０００８】上記した構成において、仕様切替室を例え
ば冷蔵室として使用する場合には、収納容器を、第１の
凸部が前方へ向く状態として支持枠に支持させる。この
ようにした場合には、収納容器としては突出寸法が大き
な第２の凸部が後側に位置するようになり、収納容器を
仕様切替室に収容した状態で、収納容器は仕様切替室の
後面ひいてはダンパ装置から遠ざかるようになるので、
収納容器の後部側が冷えすぎてしまうことを極力防止で
きるようになる。

【０００９】また、仕様切替室を例えば冷凍室として使
用する場合には、収納容器を、第１の凸部が後方へ向く
状態として支持枠に支持させる。このようにした場合に
は、収納容器としては突出寸法が大きな第２の凸部が前
側に位置するようになり、収納容器を仕様切替室に収容
した状態で、収納容器は扉から遠ざかるようになるの
で、収納容器の前部側が扉側の熱の影響を受け難くなる
と共に、収納容器と扉との間の通風抵抗を減らすことが
でき、収納容器の前部側の温度が高くなってしまうこと
を極力防止できるようになる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１実施例につい
て図１ないし図４を参照して説明する。まず、冷蔵庫の
全体構成を示す図３及び図４において、冷蔵庫本体１の
内部には、それぞれ貯蔵室として上段から順に、冷蔵室
２、左右に並ぶ製氷室３及び仕様切替室４、冷凍室５、
並びに野菜室６が設けられており、これら各室２〜６の
前面開口部は、それぞれに対応する扉７〜１１によって
開閉されるようになっている。なお、これら扉７〜１１
のうち冷蔵室２の扉７は、右側のヒンジ１２を介して回
動される回動式であるが、他の扉８〜１１は、前後方向
へ移動させる引き出し式となっている。

【００１１】上記仕様切替室４は、その室内の設定温度
を、例えば冷蔵室用の温度（約３℃）から冷凍室用の温
度（約−１８℃）までの範囲で切り替えることが可能な
構成となっていて、その切り替えにより、冷蔵室、野菜
室、チルド室、パーシャル室、冷凍室のいずれかとして
使用することが可能となっている。なお、その切り替え
は、図示しない切替スイッチを操作することにより行わ
れる。

【００１２】冷凍室５の後部には冷却器１３が配設され
ていると共に、製氷室６側にファン装置１４が配設さ
れ、また、仕様切替室４の後部には、図１にも示すよう
に、ダンパ装置１５が配設されている。このダンパ装置
１５は、仕様切替室４側への冷気の供給を制御するダン
パ板１６と、上方の冷蔵室２側への冷気の供給を制御す
るダンパ板１７と、これら両ダンパ板１６，１７を開閉
する１台のモータ１８などを備えた構成となっている。
この場合、これら両ダンパ板１６，１７の開閉モードと
しては、両方とも開放、両方とも閉鎖、一方のダンパ板
１６が開放で他方のダンパ板１７が閉鎖、一方のダンパ
板１６が閉鎖で他方のダンパ板１７が開放の４つのモー
ドがある。

【００１３】上記ファン装置１４が駆動されると、冷却
器１３により冷却された冷気の一部は、冷凍室５及び製
氷室３の後部に設けられた吹出し口５ａ，３ａからそれ
ぞれの室５，３へ吹き出され、残りの冷気はダンパ装置
１５側へ送られる。ダンパ装置１５において一方のダン
パ板１６が開放されている場合には、冷気が通気口１５
ａから仕様切替室４側へ送られ、他方のダンパ板１７が
開放されている場合には、冷気が冷蔵室２側へ送られ
る。仕様切替室４側へ送られた冷気は、仕様切替室４の
上方部たる天井部に設けられたルーバ１９が有する冷気
吹出し口２０（図１参照）から仕様切替室４に吹き出さ
れ、また、冷蔵室２側へ送られた冷気は、冷蔵室２の後
部に設けられた吹出し口２ａから冷蔵室２に吹き出され
た後、下方の野菜室６側へ送られる。

【００１４】さて、仕様切替室４の扉９における背面の
下部には、支持枠２１が後方へ向けて突出する状態で設
けられている。この支持枠２１は、当該支持枠２１の後
部の側部に設けられたローラ２２と、仕様切替室４の前
部の下部に設けられたローラ２３とにより前後方向に移
動可能に支持されている。そして、この支持枠２１に、
上面が開放した合成樹脂製の収納容器２４が着脱可能に
支持されている。

【００１５】この収納容器２４における本体部２５の上
縁部において、一端部である図１中、後端部には、後方
へ向けて突出する（他端部である前端部側とは反対方向
へ突出する）庇状の第１の凸部２６が一体に設けられて
いると共に、他端部である図１中、前端部には、前方へ
向けて突出し（一端部側である後端部側とは反対方向へ
突出し）、かつ第１の凸部２６よりも突出寸法が大きな
庇状の第２の凸部２７が一体に設けられている。この場
合、第１の凸部２６の突出寸法は約５ｍｍとし、第２の
凸部２７の突出寸法は約２０ｍｍとしている。

【００１６】この収納容器２４を支持枠２１に支持させ
た状態で、扉９を後方へ移動させて仕様切替室４を閉鎖
した状態では、収納容器２４が仕様切替室４内に収容さ
れ、また、扉９を前方へ移動させて仕様切替室４を開放
させることに伴い、収納容器２４が仕様切替室４から引
き出されるようになっている。なお、仕様切替室４の前
部側の周縁部には、防露パイプ２８が設けられ、また、
仕様切替室４の後部の下部には、冷気出口２９が設けら
れている。

【００１７】上記した構成において、仕様切替室４は、
天井部の冷気吹出し口２０から吹き出される冷気により
冷却される。冷気吹出し口２０から吹き出された冷気
は、図１に矢印で示すように、収納容器２４の本体部２
５の前面と扉９との間の空間部３０を通り、この後、収
納容器２４の下方を通り、仕様切替室４の後下部に設け
られた冷気出口２９から仕様切替室４の外部のダクトへ
と流れるようになっている。

【００１８】ここで、仕様切替室４を例えば冷凍室とし
て使用する場合には、図１に示すように、収納容器２４
を、第１の凸部２６が後方へ向く状態として支持枠２１
に支持させる。このようにした場合には、収納容器２４
としては突出寸法が大きな第２の凸部２７が前側に位置
するようになり、収納容器２４を仕様切替室４に収容し
た状態で、収納容器２４の本体部２５は扉９から遠ざか
るようになるので、収納容器２４の前部側が扉９側の熱
や防露パイプ２８の熱の影響などを受け難くなると共
に、収納容器２４と扉９との間の通風抵抗を減らすこと
ができ、収納容器２４の前部側の温度が高くなってしま
うことを極力防止できるようになる。

【００１９】このとき、納容器２４の本体部２５と仕様
切替室４の後面との間隔は小さく、しかも、収納容器２
４の後上部に第１の凸部２６が存しているので、冷気吹
出し口２０から吹出された冷気が冷気出口２９側へ直接
流れてしまうショートサーキットを防止することができ
る。

【００２０】また、仕様切替室４を例えば冷蔵室として
使用する場合には、図２に示すように、収納容器２４
を、第１の凸部２６が前方へ向く状態として支持枠２１
に支持させる。このようにした場合には、収納容器２４
としては突出寸法が大きな第２の凸部２７が後側に位置
するようになり、収納容器２４を仕様切替室４に収容し
た状態で、収納容器２４の本体部２５は仕様切替室４の
後面ひいてはダンパ装置１５から遠ざかるようになるの
で、収納容器２４の後部側が冷えすぎてしまうことを極
力防止できるようになる。

【００２１】このとき、収納容器２４の本体部２５と仕
様切替室４の後面との間隔は大きくなるが、収納容器２
４の後上部に第２の凸部２７が存しているので、この場
合も、冷気吹出し口２０から吹出された冷気が冷気出口
２９側へ直接流れてしまうショートサーキットを防止す
ることができる。

【００２２】図５は本発明の第２実施例を示したもので
あり、この第２実施例は上記した第１実施例とは次の点
が異なっている。すなわち、収納容器２４内に、熱伝導
性の良好な、例えばアルミニウムからなる金属板３１を
配置している。この金属板３１は、容器本体２５のうち
第１の凸部２６が設けられた側の立上がり壁２５ａ（図
５中、右側の立上がり壁）に沿った第１の板部３２と、
容器本体２５の底部２５ｂに沿った第２の板部３３とを
一体に有する構成としている。

【００２３】仕様切替室４を冷凍室として使用する場
合、収納容器２４内に配置された金属板３１は、第１の
板部３２がダンパ装置１５に近い後部に位置するように
なる。ダンパ装置１５に近い第１の板部３２は他の部分
より強く冷却されるようになるが、その第１の板部３２
と底部の第２の板部３３との間で熱交換されることに基
づき、収納容器２４における温度むらを一層小さくでき
るようになる。

【００２４】また、仕様切替室４を冷蔵室として使用す
る場合、収納容器２４内に配置された金属板３１は、第
１の板部３２が扉９に近い前部に位置するようになる。
扉９に近い第１の板部３２は、扉９側（外部）からの熱
や防露パイプ２８などの熱の影響で他の部分より温めら
れがちとなるが、その第１の板部３２と底部の第２の板
部３３との間で熱交換されることに基づき、収納容器２
４における温度むらを一層小さくできるようになる。

【００２５】図６は本発明の第３実施例を示したもので
あり、この第３実施例は上記した第２実施例とは次の点
が異なっている。すなわち、収納容器２４には、第２の
凸部２７の代わりに該第２の凸部２７よりも突出寸法の
小なる第２の凸部２７´が設けられており、この第２の
凸部２７´側の立上がり壁２５ｃ（図６の左側の立上が
り壁）には、例えば発泡スチロールからなる断熱材３４
が接着剤等により付設されている。

【００２６】この第３実施例によれば、第２の凸部２７
´は第２の凸部２７よりも突出寸法が小であるので、第
２の凸部２７の場合よりも立上がり壁２５ｃと扉９或い
は仕様切替室４の後面との間隔が小さくなるが、断熱材
３４によって熱の影響或いは冷気の影響を少なくするこ
とができるものであり、したがって、第２の凸部２７´
の突出寸法を小になし得る分だけ収納容器２４の収納容
積を大にすることができる。尚、この第３実施例におい
て、金属板３１は必要に応じて設ければよい。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を得る
ことができる。請求項１の冷蔵庫において、仕様切替室
を例えば冷蔵室として使用する場合には、収納容器を第
１の凸部が前方へ向く状態として支持枠に支持させる。
このようにした場合には、収納容器としては突出寸法が
大きな第２の凸部が後側に位置し、仕様切替室の後面ひ
いてはダンパ装置から遠ざかるようになるので、収納容
器の後部側が冷えすぎてしまうことを極力防止できるよ
うになる。また、仕様切替室を例えば冷凍室として使用
する場合には、収納容器を第１の凸部が後方へ向く状態
として支持枠に支持させる。このようにした場合には、
収納容器としては突出寸法が大きな第２の凸部が前側に
位置し、扉から遠ざかるようになるので、収納容器の前
部側の温度が高くなってしまうことを極力防止できるよ
うになる。従って、仕様切替室を冷蔵室として使用する
場合でも、冷凍室として使用する場合でも、収納容器の
前部と後部との間での温度差を極力少なくすることがで
きるようにる。

【００２８】請求項２の冷蔵庫によれば、収納容器にお
ける第２の凸部側の立上がり壁の外面に断熱材を設ける
ことにより、収納容器の収納容積を大きくすることがで
きる。

【００２９】請求項３の冷蔵庫によれば、収納容器内に
熱伝導性の良好な金属板を配置することにより、収納容
器における温度むらを一層小さくできるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示したものであり、仕様
切替室を冷凍室として使用する場合の要部の縦断側面図

【図２】仕様切替室を冷蔵室として使用する場合の要部
の縦断側面図

【図３】全体の正面図

【図４】扉を外した状態で、冷気の流れを示す正面図

【図５】本発明の第２実施例を示すもので、金属板を収
納した収納容器の縦断側面図

【図６】本発明の第３実施例を示す図５相当図

【符号の説明】

１は冷蔵庫本体、４は仕様切替室、９は扉、１５はダン
パ装置、２０は冷気吹出し口、２１は支持枠、２４は収
納容器、２５は本体部、２５ａは立上がり壁、２５ｂは
底部、２６は第１の凸部、２７及び２７´は第２の凸
部、３１は金属板、３２は第１の板部、３３は第２の板
部、３４は断熱材を示す。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 設定温度の切り替えが可能な仕様切替室
   と、 この仕様切替室の後部に設けられ、当該仕様切替室への
   冷気の供給を制御するダンパ装置と、 前記仕様切替室の上方部に設けられ、前記ダンパ装置か
   ら供給される冷気を仕様切替室へ吹き出す冷気吹出し口
   と、 前記仕様切替室の前面に前後方向への移動により当該仕
   様切替室の前面開口部を開閉するように設けられ、背面
   側に支持枠が設けられた扉と、 前記支持枠に着脱可能に支持されると共に、前記扉の開
   閉に伴い前記仕様切替室に対して出し入れされる収納容
   器とを備え、 前記収納容器は、前後方向の一端部に他端部側とは反対
   方向へ突出する第１の凸部を有すると共に、他端部に一
   端部側とは反対方向へ突出し、かつ前記第１の凸部より
   も突出寸法が大きな第２の凸部を有し、前記支持枠に対
   して前記第１の凸部が前方へ向く状態と後方へ向く状態
   とに入れ替え可能に構成したことを特徴とする冷蔵庫。
2. 【請求項２】 収納容器において第２の凸部が設けられ
   た側の立上がり壁の外面に断熱材を設けるようにしたこ
   とを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。
3. 【請求項３】 収納容器内に熱伝導性の良好な金属板を
   備え、 この金属板は、収納容器において第１の凸部が設けられ
   た側の立上がり壁に沿った第１の板部と、収納容器の底
   部に沿った第２の板部とを一体に有する構成であること
   を特徴とする請求項１または２記載の冷蔵庫。