JPH11230536A - 煤吹装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉外から炉内へランス管を差し入れ、炉内に
設置した熱交換器等へ蒸気等の噴射媒体を噴射して煤吹
作用を行う煤吹装置において、腐食や摩耗の原因となる
ドレンの発生、および滞留を防止する様にしたものを提
供することを課題とする。 【解決手段】 ランス管と供給管の間で供給管を覆って
内管を設け、内管は先端部に蓋をすると共に基端部に複
数の供給孔を穿設し、供給管の先端から供給された噴射
媒体を内管と供給管の外壁との間の通路を経由して供給
孔から内管とランス管の内壁との間の通路へ導いて前記
ランス管へ導入するように構成し、供給蒸気は途中で停
滞する事なく、かつ流れながら順路を順次温めることに
より、蒸気のドレン化および滞留を防止する様にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は炉外から炉内へラン
ス管を差し入れ、炉内に設置した熱交換器等へ蒸気等の
噴射媒体を噴射して煤吹作用を行う煤吹装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の煤吹装置を図２に基づいて説明す
る。

【０００３】図において、１はヘッドバルブで、配管１
４に連結され、同ヘッドバルブ１を開閉することによ
り、配管１４により外部から供給される噴射媒体として
の蒸気ｇの煤吹装置内への供給を制御するものである。

【０００４】２は供給管で、基端部を前記ヘッドバルブ
１に連結し、先端部を後述のケーシング８内に延ばして
設置されている。

【０００５】３はランス管で、先端に蒸気噴射用ノズル
４を有し、供給管２まわりを覆って横方向に延びて配置
されており、かつ図示省略の回転機構により回転されな
がら後述するトラベリングキャリッジ５により供給管２
に沿って前進及び後進自在に移動される様に構成されて
いる。

【０００６】トラベリングキャリッジ５は、側面を前記
ランス管３の基端部と連結され、かつ、下方にケーシン
グ８内を走行する支持ローラ９を有すると共に上方にラ
ック７と噛み合うピニオン歯車６を備え、ケーシング８
の先端部のガイドローラ１０と相俟って前記ランス管３
を炉内に向けて前後進可能に構成している。

【０００７】１１はケーシング８を介して装置重量を支
持する支持材、１５及び１６はリミットスイッチで、同
リミットスイッチ１５、１６は、前記ケーシング８の基
端部寄りと先端部寄りにそれぞれ分かれて設置され、ト
ラベリングキャリッジ５または支持ローラ９と当接して
ランス管３の前進及び後進方向の移動範囲を制御するも
のである。

【０００８】この様に構成された従来の煤吹装置では、
図示省略のタイマー又はリミットスイッチ１５、１６等
の信号に基づいてトラベリングキャリッジ５が駆動さ
れ、ランス管３は回転しながらラック７に沿って前進
し、その先端のノズル４が炉壁１８の開口１８ａから炉
内へ進入するとヘッドバルブ１が開き、供給管２よりラ
ンス管３へ導入された蒸気ｇがノズル４より噴射され、
図示省略の炉内の熱交換チューブなどに対して噴射媒体
としての蒸気を吹きつけ、煤吹作用を行うようになって
いる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】この煤吹作業は、熱交
換器等においてはその熱交換効率を長期に亘って維持す
るために行うものであり、一般に所定時間をおいて定期
的に行われるが、停止中の煤吹装置はヘッドバルブ１が
閉止され、またランス管３及び供給管２は炉壁１８外に
位置しているために外気にさらされてその外気温度まで
下っている。

【００１０】このため、前記した従来の煤吹装置では次
の様な現象が生じる。 （イ） 前の煤吹動作が終了した時、供給管２及びラン
ス管３内には残留蒸気があり、これが待機中にドレン化
している。

【００１１】（ロ） 次の起動時、ヘッドバルブ１が開
いて蒸気が供給されて噴射が開始されると、供給管２と
ランス管３の温度が上昇するまでの間に管内の蒸気が冷
されてコンデンスし、新たに多量のドレンが発生する。

【００１２】そして上記（イ），（ロ）が原因で発生し
たドレンによって、ランス管の内壁が腐食され、また、
新たに供給された蒸気と一諸にノズル４から噴射された
ドレンが熱交換器の構成部材に対して腐食作用、摩耗作
用などの悪影響を与えるという問題があった。

【００１３】本発明は前記した従来の装置におけるこれ
らの問題点を解消し、腐食作用、摩耗作用の原因となる
ドレンの発生、および滞留を防止する様にした煤吹装置
を提供することを課題とするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記した課題
を解決するべくなされたもので、先端にノズルを有し供
給管のまわりを覆って配置され前後進自在に構成された
ランス管を炉内へ差し入れ、同供給管を通して供給され
た噴射媒体を前記ノズルより噴射して炉内の熱交換器に
対し煤吹き作用を行う煤吹装置において、前記ランス管
と供給管の間で同供給管を覆って配設され同ランス管の
内壁と供給管の外壁との間にそれぞれ通路を形成する内
管を設け、同内管は先端部に蓋をすると共に基端部に複
数の供給孔を穿設し、前記供給管の先端から供給された
噴射媒体を前記内管の内側の通路を経由して前記供給孔
から内管の外側の通路へ導いて前記ランス管へ導入する
ようにした煤吹装置を提供するものである。

【００１５】すなわち、本発明によれば、ランス管と供
給管の間に配設されて供給管を覆い、これによりランス
管の内壁との間、及び供給管の外壁との間にそれぞれ通
路を形成する内管を設け、かつ、この内管の先端部には
蓋を、また基端部には複数の供給孔を穿設することによ
り、供給管の先端から供給された噴射媒体の蒸気は、前
記内管の内側の通路から前記供給孔、そして内管の外側
の通路へ導かれて前記ランス管へ導入するので、同蒸気
は途中で停滞する事なく順路に沿って流れ、かつ流れな
がら順路を順次温めるので、蒸気の滞留およびドレン化
を防止し、腐食等の発生を防止するする様にしたもので
ある。

【００１６】また本発明は、前記に加えて前記内管は先
端部にドレンホールを設けた煤吹装置を提供することを
課題とするものである。

【００１７】すなわち、本発明によれば、供給管を覆っ
た内管にはその先端部にドレンホールを設けているの
で、前記噴射媒体の蒸気はその流れの過程で万一ドレン
が発生してもこのドレンホールから除去し、ドレンの系
内滞留を無くすることにより、腐食等の不具合の発生を
防止する様にしたものである。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図１に基
づいて説明する。図１は、本実施の形態に係る煤吹装置
の主要部を概略的に示すものである。

【００１９】なお、本実施の形態においては、煤吹装置
の基本的な構成は前記従来のものと殆ど同一であるの
で、同従来のものと同一の部位については、図中に同一
の符号を付して示すことにより重複する説明は極力省略
し、本実施の形態の特徴点を重点的に説明する。

【００２０】図１に示すように、本実施の形態における
煤吹装置の特徴は、まず、基端部がヘッドバルブ１に取
付けられた供給管２の外壁との間に内通路２１を形成
し、また基端部がトラベリングキャリッジ５に取付けら
れたランス管３の内壁との間に外通路２２を形成する様
にこの供給管２のまわりを覆って配置した内管２０を設
け、かつ同内管２０はその基端部を前記ランス管３と同
様にトラベリングキャリッジ５に取付けている。

【００２１】次いでこの内管２０の基端部周壁には、複
数の蒸気の供給口２０ａを穿設すると共に同内管２０の
先端部は、供給管２の先端との間に間隔をおいて先端蓋
２０ｃを設け、前記供給管２から内通路２１、蒸気の供
給口２０ａ、外通路２２と経由してランス管３に至る噴
射媒体である蒸気の流通経路が形成されている。

【００２２】さらに前記内管２０の先端部には、ドレー
ンホール２０ｂが設けられ、内管２０の内部がランス管
３内に直接連通している。

【００２３】この様に構成された本実施の形態におい
て、いま、装置が起動され、トラベリングキャリッジ５
が駆動されると、ピニオン歯車６が回転して、ランス管
３は図示省略の回転機構により回転されながらラック７
に沿って前進し、その先端が炉壁１８の開口１８ａから
炉内へ進入する。

【００２４】次いで、ヘッドバルブ１が開いて高温、高
圧の蒸気ｇが供給管２へ供給されるが、この蒸気ｇは供
給管２の先端出口２ａから供給管２の外壁と内管２０内
壁間に形成され内通路２１を流れたのち供給口２０ａを
経て、内管２０の外壁とランス管３の内壁間に形成され
た外通路２２へ導入され、ランス管３の先端へと供給さ
れてノズル４より噴射し、炉内の熱交換器に対して煤吹
作用を行う。

【００２５】この際、上記供給管２、内管２０及びラン
ス管３の各底部には、前工程で使用された残留蒸気が装
置停止中にドレン化して滞留しているが、このドレン
は、新たに供給された蒸気により押し出され、しかもこ
の蒸気が供給管２から内通路２１及び外通路２２を流通
する間に各壁面を介して急速に昇温されるので、ランス
管３はドレンが滞留したりドレンが発生したりする余裕
は無く、かつ、短時間のうちに正常な蒸気噴射が可能と
なる。

【００２６】この様にして本実施の形態によれば、この
噴射蒸気を受けた熱交換器がドレンの存在を原因として
腐食または摩耗の発生する可能性は非常に小さくなり、
器材の寿命が長くなる。

【００２７】また、万一内管２０内にドレンが発生して
も、このドレンはドレンホール２０ｂからランス管３内
の比較的広い流通路へ排出されるので、蒸気が各流通路
を流れる際に大きな支障とならず、正常な煤吹作業を行
うことができる。

【００２８】以上、本発明を図示の実施の形態について
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、先
端にノズルを有し供給管のまわりを覆って配置され前後
進自在に構成されたランス管を炉内へ差し入れ、同供給
管を通して供給された噴射媒体を前記ノズルより噴射し
て炉内の熱交換器に対し煤吹き作用を行う煤吹装置にお
いて、前記ランス管と供給管の間で同供給管を覆って配
設され同ランス管の内壁と供給管の外壁との間にそれぞ
れ通路を形成する内管を設け、同内管は先端部に蓋をす
ると共に基端部に複数の供給孔を穿設し、前記供給管の
先端から供給された噴射媒体を前記内管の内側の通路を
経由して前記供給孔から内管の外側の通路へ導いて前記
ランス管へ導入するようにしてこの煤吹装置を構成して
いるので、いま煤吹作用を行うに際し、供給管の先端か
ら供給された噴射媒体の蒸気は、先端部には蓋を、また
基端部に複数の供給孔を穿設し、ランス管と供給管の間
に配設されて供給管を覆い、これによりランス管の内壁
との間、及び供給管の外壁との間にそれぞれ通路を形成
した内管の内側の通路から、前記供給孔そして内管の外
側の通路へと導かれて前記ランス管へ導入するので、同
蒸気は途中で停滞する事なく順路に沿って流れ、かつ流
れながら順路を順次温めることにより、蒸気のドレン化
および滞留を防止し、以て寿命の長期化を達成し信頼性
の高い煤吹装置を得ることができたものである。

【００３０】また、請求項２に記載の発明によれば、前
記内管は先端部にドレンホールを設けて構成しているの
で、供給管を覆った内管にはその先端部にドレンホール
を設けたことにより、前記噴射媒体の蒸気はその流れの
過程で万一ドレンが発生してもこのドレンホールから除
去し、ドレンの系内滞留を無くするので、腐食または摩
耗等の不具合の発生は防止され、以て煤吹装置の寿命の
長期化を達成し信頼性を高めることができたものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る煤吹装置の概略構
成を示す説明図である。

【図２】従来の煤吹装置の概略構成を示す説明図であ
る。

【符号の説明】 １ ヘッドバルブ ２ 供給管 ２ａ 先端出口 ３ ランス管 ４ ノズル ５ トラベリングキャリッジ ６ ピニオン歯車 ７ ラック ８ ケーシング ９ 支持ローラ １０ ガイドローラ １１ 支持材 １５、１６ リミットスイッチ １８ 炉壁 １８ａ 開口 ２０ 内管 ２０ａ 供給口 ２０ｂ ドレーンホール ２０ｃ 先端蓋 ２１ 内通路 ２２ 外通路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端にノズルを有し供給管のまわりを覆
   って配置され前後進自在に構成されたランス管を炉内へ
   差し入れ、同供給管を通して供給された噴射媒体を前記
   ノズルより噴射して炉内の熱交換器に対し煤吹き作用を
   行う煤吹装置において、前記ランス管と供給管の間で同
   供給管を覆って配設され同ランス管の内壁と供給管の外
   壁との間にそれぞれ通路を形成する内管を設け、同内管
   は先端部に蓋をすると共に基端部に複数の供給孔を穿設
   し、前記供給管の先端から供給された噴射媒体を前記内
   管の内側の通路を経由して前記供給孔から内管の外側の
   通路へ導いて前記ランス管へ導入するようにしたことを
   特徴とする煤吹装置。
2. 【請求項２】 前記内管は先端部にドレンホールを設け
   たことを特徴とする請求項１に記載の煤吹装置。