JPH11229037A - 金属管の冷却方法およびその装置 - Google Patents

金属管の冷却方法およびその装置

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JPH11229037A
JPH11229037A JP3152198A JP3152198A JPH11229037A JP H11229037 A JPH11229037 A JP H11229037A JP 3152198 A JP3152198 A JP 3152198A JP 3152198 A JP3152198 A JP 3152198A JP H11229037 A JPH11229037 A JP H11229037A
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JP
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cooling
cap
cooling water
metal tube
pipe
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JP3152198A
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English (en)
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Shigeto Shoji
成人 東海林
Michiharu Hannoki
道春 播木
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属管の圧延後の制御冷却または焼き入れ時
に、高温から所定の目標冷却終了温度および所定の目標
冷却速度で冷却するに際し、精度よく、長手方向に温度
むらなく冷却する。 【解決手段】 金属管の両端を所定の開口径をもつキャ
ップで覆い、冷却水をキャップの開口から溢出するまで
管内に注入し、金属管を水平に保ち回転させながら冷却
する。小さい開口径のキャップを用い、注入する冷却水
量をあらかじめ計量して注入してもよい。所定の冷却終
了温度に到達後、キャップを外して排水する。または、
冷却水が蒸発完了したときに所定の冷却温度になるよ
う、キャップ開口径または冷却水注入量を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属管、特に鋼管の
制御冷却および焼き入れ処理における冷却方法および冷
却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下の説明は金属管の代表例として、鋼
管の冷却について述べる。鋼管は構造用、配管用ともに
さまざまな分野に利用されているが、高性能化、省資源
化、軽量化、高耐環境性等の要請から、高強度、高靭性
の鋼管が望まれている。省資源、高性能化の観点から合
金成分を低減し、高強度、高靭性を実現するには、鋼管
に圧延成形直後の制御冷却や熱処理において焼き入れ・
焼き戻しを施すのが有効である。制御冷却や焼き入れ時
の冷却には水を用いるのが最も経済的で、実際の製造プ
ロセスでも多用されている。肉厚が小さい場合の冷却は
管外面からの冷却でもよいが、厚肉の場合は管内面から
の冷却が必要である。しかし、鋼管の内面は均一に冷却
水を浴びせかけるのは難しく、周方向、および長さ方向
の特性の不均一や、曲がりなどが発生しやすい。特に最
近のように製造長さが長尺化すると管内面の均一冷却は
一層難しくなってきている。
【0003】管の内外面から均一に冷却する技術として
例えば、以下の技術が開示されている。特開平3−63
29号公報には、冷却水噴射用ノズル孔を有する給水マ
ンドレルを管内に挿入し、かつ管全体を冷却水槽に浸漬
して冷却することにより、内面冷却を均一化する方法が
開示されている。
【0004】特公昭61−4896号公報には、金属管
内へ噴流水を一端から吹き込み、外面をノズルからの噴
流水で冷却するにあたり、内面噴流水の吐出側ほど外面
冷却の噴射水量、または噴射時間を大きくし、吐出側で
内面からの冷却が不足するのを補って、冷却を均一化す
る技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平3−632
9号公報、または特公昭61−4896号公報に開示さ
れた技術は元来鋼管の焼き入れ処理を主目的としてお
り、鋼管の内面全体に冷却水が接触し、流動した状態で
冷却するため、冷却速度が非常に速く、圧延成形後の冷
却速度および冷却終了温度が重要な管理ポイントとなる
冷却制御には適していない。
【0006】また、前記特開平3−6329号公報の技
術のように鋼管全体を冷却水槽に浸漬する方法では、管
内面の冷却速度をコントロールするのが困難であり、特
公昭61−4896号公報に開示された技術のように、
管端から冷却水を通ずる方法では長手方向に均一な温度
で冷却停止するのは困難である。
【0007】前記の問題を解決するため、本発明の課題
は、金属管の熱間圧延後の制御冷却時、または金属管の
焼き入れ時の冷却に際して、冷却速度(または冷却開始
から終了までの冷却時間)およびまたは冷却終了温度を
所望の条件にコントロールし、管の全長で均一な冷却方
法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記制御
冷却の課題の解決法として、冷却速度を低減すれば、冷
却速度のコントロールがやりやすくなり、目標冷却終了
温度のコントロールも容易になって、品質が安定すると
着想し、各種試験と検討を行って下記(a) 〜(c) の知見
を得た。
【0009】(a) 管内に冷却水を滞留させ、冷却水量を
調節すれば、冷却速度は低下するものの、その分コント
ロールがしやすくなる。冷却水量は冷却モデルに基づい
て、冷却開始温度、目標冷却終了温度、目標冷却速度お
よび鋼管寸法の条件(以下、冷却仕様という)から求め
ればよい。
【0010】(b) 冷却水を滞留させつつ、管を回転させ
るには、管両端を塞ぐ手段が必要になるが、キャップ方
式が設備費の面で最も安価である。キャップには冷却水
の注入と蒸気の排出のための開口が必要である。 (c) キャップの開口径を調整することによって、滞留水
の量を調整できる。
【0011】上記の知見に基づき、本発明の要旨は以下
の(1) 〜(6) にある。 (1) 金属管の熱間圧延後の制御冷却時の冷却方法、また
は金属管の焼き入れ時の冷却方法において、開口を有す
るキャップで金属管の両端を覆い、冷却水を管内に注入
し滞留させ、金属管を水平状態で回転しながら冷却する
ことを特徴とする金属管の冷却方法。
【0012】(2) 金属管の所定の冷却開始温度で冷却水
を管内に注入し、目標冷却終了温度に到達後、管内の冷
却水を排出することを特徴とする前記(1) 項に記載の金
属管の冷却方法。
【0013】(3) 冷却開始温度、目標冷却終了温度、目
標冷却速度および管の寸法に基づいて定まる量の冷却水
を管内に注入することを特徴とする前記(1) または(2)
項に記載の金属管の冷却方法。
【0014】(4) 冷却開始温度、目標冷却終了温度、目
標冷却速度および金属管の寸法に基づいて定まる径の開
口を中心に有するキャップを用い、該開口からオーバー
フローするまで冷却水を注入することを特徴とする前記
(1) から(3) 項までのいずれかに記載の金属管の冷却方
法。
【0015】(5) 金属管の熱間圧延後の制御冷却時の冷
却装置、または金属管の焼き入れ時の冷却装置におい
て、金属管の両端を覆う開口を有するキャップと、金属
管の両端にキャップを装着するキャップ装着装置と、キ
ャップを外すキャップ脱着装置と、金属管に設定された
量の冷却水を注入する冷却水注入装置と、金属管を水平
状態で回転させる回転装置と、与えられた冷却開始温
度、目標冷却終了温度、目標冷却速度および管の寸法に
基づいて冷却水量を求め、該冷却水量値を該冷却水注入
装置に指令し、金属管の冷却工程の進行に伴い前記の各
装置に設定信号を与える制御装置とを備えたことを特徴
とする金属管の冷却装置。
【0016】(6) 金属管の熱間圧延後の制御冷却の冷却
装置、または金属管の焼き入れ時の冷却装置において、
金属管の両端を覆い、複数種類の径の開口を中心に有す
るキャップ群と、前記キャップ群の中から指令された種
類のキャップを選択し、金属管の両端に装着するキャッ
プ装着装置と、キャップを外すキャップ脱着装置と、金
属管に冷却水を注入する冷却水注入装置と、金属管を水
平状態で回転させる回転装置と、与えられた冷却開始温
度、目標冷却終了温度、目標冷却速度および管の寸法に
基づいて冷却水量を求め、該冷却水量に対応する開口径
を持つキャップ種類を選択するよう該キャップ装着装置
に指令し、金属管の工程進行に伴い前記の各装置に設定
信号を与える制御装置とを備えたことを特徴とする金属
管の冷却装置。
【0017】
【発明の実施の形態】発明者らは鋼管内面の冷却方法を
検討するため、鋼管を加熱した後、管内に冷却水を注入
し、冷却速度を測定する試験を行った。
【0018】図1は本発明の鋼管の冷却中の状態を示す
概要図である。同図において、高温の鋼管3の両端を開
口2をもつキャップ1で覆った後、片側の管端から冷却
水4を注入する。冷却水4が開口2からオーバーフロー
する以上に冷却水を注入し、鋼管3を回転装置5によっ
て回転させると、余剰の冷却水4は開口2から溢れ出
し、その水位は開口2の下縁にとどまる。
【0019】比較のために行った従来法は、冷却水が管
内面をほぼ満たすように通水する方法である。鋼管試片
の材質はSUS310S、管内径100mm、肉厚12m
m、管長さ450mmである。冷却開始温度は800℃、
目標冷却終了温度は400℃とした。
【0020】従来法、本発明法のいずれも、鋼管3を水
平に保ち60rpm で回転させながら冷却した。鋼管の温
度は長手方向、肉厚方向とも中央位置に熱電対を埋め込
んで測温した。表1に試験結果を示す。
【0021】
【表1】
【0022】同表に示すように、従来法では冷却速度が
著しく大きく、例えば冷却開始温度が800℃、目標冷
却終了温度が500℃とすると、冷却時間はわずか6秒
である。このように冷却時間が短かいと操業のコントロ
ールが困難であり、鋼管が長尺化した場合、冷却水の注
入側と排出側との通水開始時間のわずかな差が大きな温
度差となり、製品の性質のむらや、ばらつきを招くこと
になる。
【0023】さらに、従来法のように、通水冷却した場
合、特に長尺鋼管では注水側で冷却水が低温でかつ高速
の乱流であるため、抜熱量が大きく、排出側ではこれと
は反対に抜熱量が小さいため、前記の冷却時間が短いこ
とも加えて一層温度むらを大きくすることになる。
【0024】これに対して、本発明の冷却方法では冷却
速度、すなわち(冷却開始温度−冷却終了温度)/冷却
時間は従来法のおよそ半分以下である。
【0025】管内に冷却水を注入時、管内に冷却水が行
き渡るまでの時間がかかるため注入側と排出側とで冷却
時間に差があるが、この差があっても、従来法にくらべ
れば長手方向の温度むらは小さくなる。また本発明の方
法では、長手方向にわたって冷却水が一様に分布し、抜
熱量が均一に保たれることも温度むらが小さくなること
に寄与する。本発明の方法は、冷却速度は若干小さくな
るが、鋼管の圧延後の制御冷却や焼き入れではこの程度
の冷却速度低下はあまり問題にならない。
【0026】表1の本発明例、試験No.4〜9ではキ
ャップ1の開口2の大きさを変更した場合を示してい
る。開口径の変更によって、管内に滞留する冷却水量が
変わり、これによって冷却速度も変更可能である。
【0027】図2は本発明の他の冷却方法を示す概要図
である。同図においては、開口2の径は図1の場合より
小さな一定径とし、冷却水4の量を注入量で調節してい
る。以下、図1のようにキャップ1の開口径を変化させ
冷却水量を調整する方法をA法、図2のように冷却水の
注入量で調整する方法をB法という。
【0028】図1および図2において、必要に応じ外面
の冷却(図示していない)を行うが、外面冷却は全長均
一に冷却水をノズルから噴射する等の、公知の方法を用
いればよい。
【0029】A法では冷却水4の滞留量を調節するの
に、冷却水注入量のコントロールは不要である反面、開
口2の異なった径のキャップを多種用意しなければなら
ないという短所がある。B法の冷却水量4を調節する方
法では、比較的小さな開口径のキャップを1種類のみ用
意すればよいため、キャップ在庫を減少できる利点があ
る。
【0030】本発明の方法では、最初に冷却水を注入す
るとき、冷却開始温度を管理しなければならない。圧延
後の制御冷却の場合は、冷却開始温度は作業標準で下限
値が決められ、焼き入れの場合は、上下限値が決められ
ることが多い。冷却開始温度は本発明の冷却水注入直前
の温度(例えば、外表面の放射温度測定による)によっ
て管理すればよい。
【0031】本発明の方法では、最初に冷却水を注入
後、まったく補給せず、蒸発(および若干の開口2から
の飛散やキャップと鋼管の隙間からの漏出もある)のま
まにしてもよいし、管内の水位を一定にするため、溢出
量および蒸発量に見合う程度の冷却水を補給してもよ
い。
【0032】本発明の方法では、所定の目標冷却終了温
度に到達した時点(冷却終了時)で、キャップ1を外
し、残留した冷却水を排出して所定の冷却速度と冷却終
了温度を得る方法がある。
【0033】本発明の他の方法として、最初に冷却水を
注入後、まったく補給せず、冷却水4がすべて蒸発し終
えたときに、ちょうど冷却が完了するように、最初の注
入量を調節する方法もある。この方法の利点は目標冷却
終了温度に近づくほど冷却速度が低下して、安定的に目
標温度を達成できることである。
【0034】また、これらを組み合わせ、冷却水量が減
少してからキャップを外すようにすれば、冷却速度の小
さい状態で冷却終了タイミングをコントロールできるの
で、精度よく温度管理ができる。
【0035】本発明の方法において、冷却水の注入に際
しては、全長にわたって同一条件で冷却開始するよう
に、管内に給水マンドレルを挿入して冷却水を注入して
もよい。
【0036】本発明の方法において、鋼管3の冷却終了
後に冷却水を排出する場合、キャップ1を外し、自然流
出させてもよいが、冷却時間を均一化するため、公知の
エアまたはスチームによるパージを用いたり、鋼管3を
傾斜させたり、鋼管3を急加速するなどの方法で排水を
早めてもよい。
【0037】図3はA法のキャップ開口形状の他の例を
示す概要図である。同図(a) は同一半径上に多数の小孔
2aをあける多孔型、同図(b) は環状スリット2bによ
る環状スリット型である。同図で冷却水の水位は小孔2
aまたは環状スリット2bの位置で決まり、開口2は注
水専用となる。この場合、開口2の面積は小さくでき、
鋼管の回転中の振動による冷却水の飛散、溢出を低減す
る効果がある。
【0038】A法では、開口2の直径(多孔の場合は管
中心からの小孔2aまたは環状スリット2bの中心から
の位置)には特に制限を設けないが、鋼管内径の10〜
95%の範囲であれば、管内底面を覆う冷却水が安定す
るので好ましく、さらに好ましくは鋼管内径の20〜9
0%の範囲がよい。多孔型または環状スリット型で開口
を冷却水注入用に用いる場合、開口径は鋼管内径の10
〜30%の範囲が好ましい。
【0039】B法では、冷却水注入が容易に行え、かつ
冷却水が飛散しない程度の大きさとするため、開口径は
鋼管内径の10〜30%の範囲が好ましい。前記A法ま
たはB法の冷却水量V(m3)の算出方法の一例を下記に
説明する。
【0040】鋼管の寸法、冷却開始温度TS 、目標冷却
終了温度Tf 、目標冷却速度S(または目標冷却時間
t)が与えられれば、冷却水量Vは例えば下記のような
実験式から求められる。ただし、外面からの冷却条件は
一定とする。
【0041】 V=v・L (1) v=K1 (1−Tf /Ts a ・(1−T0 /Ts -b・(W/W0 c ×(t/t0 −1)-d (2) ここで、 V :鋼管内に注入する冷却水量(m3) v :鋼管の単位長さあたりの冷却水量(m2) L :鋼管の長さ(m) K1 :定数(m2) Ts :冷却開始温度(℃) Tf :目標冷却終了温度(℃) T0 :定数(℃) W :鋼管の肉厚(mm) W0 :定数(mm) S :目標冷却速度(℃/s) t :目標冷却時間(s)、ただし、t=(Ts
f )/S t0 :定数(s) a、b、c、d:正の定数(−) B法の場合は上記の冷却水量Vを冷却水注入装置に設定
すればよい。
【0042】A法の場合は、キャップ開口径rを求める
に際し、管の底面に滞留する冷却水の幾何学的配置から
求められる。すなわち、図1の右図(管端方向の正面
図)において、鋼管の内半径R、キャップの開口半径を
rとすると、単位長さ当たりの滞留冷却水量は図1の右
図のハッチング部の面積vで表され、下記の(3) 式が導
出できる。
【0043】 v=R2cos-1(r/R)−r(R2 −r2 1/2 (3) この(3) 式に、前記(2) 式により求められたvを与えて
rを求めればよい。(3) 式はrについて単純な関数形式
でないが、公知の数値計算法(rの出発値を与え、繰り
返し収束計算)で求められる。A法において、求められ
たキャップ開口径rにちょうど対応する種類のキャップ
在庫がない場合は、最も近い開口径のキャップを選択す
ればよい。
【0044】前記(2) 式において、オンラインで冷却制
御する場合、冷却開始温度Ts は冷却水注入直前の温度
計から入力するのが好ましいが、圧延終了時または熱処
理炉出側の実測値と冷却水注入直前までの経過時間とか
ら、計算によって求めてもよい。しかし、まったく実測
せず、標準値(定数)のみで冷却開始温度を決定するの
は品質管理上問題がある。
【0045】前記のように(1) 〜(3) の計算式によっ
て、冷却水量を求める方法のほか、各種の冷却仕様を前
記(2) 式であらかじめ計算し、計算結果を冷却水量の表
として用意しておき、冷却開始時に与えられた冷却仕様
に応じてこの表を索表してもよい。
【0046】図4は本発明の冷却装置の概要を示す平面
図である。図示されていない圧延ラインから鋼管3が搬
入され、キャップ装着装置7によって両端にキャップ1
を嵌められる。次に冷却水注入装置6によって鋼管3に
所定量の冷却水が注入される。このとき、A法において
は開口2からオーバーフローする程度の十分な冷却水量
を注入し、B法においてはあらかじめ制御装置9で所定
の冷却水量を求めておき、冷却水注入装置6に指令を出
し、冷却水注入装置6は一定量の冷却水を計量して鋼管
3に注入する。
【0047】前記の冷却水量はオンラインまたはオフラ
インの伝熱シミュレーションによってあらかじめ決定
し、A法においては制御装置9が数種の開口径のキャッ
プから特定の寸法のキャップ種類を選択し、キャップ装
着装置7に指令を出す。B法においては前記決定された
冷却水量をそのまま冷却水注入装置6への設定値の指令
を出す。
【0048】冷却水注入後、鋼管3は回転装置5上で回
転しながら、外面冷却装置10によっても冷却される。
前記伝熱シミュレーションによって求められた所定の冷
却時間経過後、鋼管3はキャップ脱着装置8でキャップ
1を外され、冷却水が排出される。キャップ1はキャッ
プ装着装置7に返送され、再使用される。
【0049】制御装置9は、これら一連の動作のシーケ
ンス制御も行う。すなわち、制御装置9は鋼管3の冷却
仕様を上位の計算機または設定装置(いずれも図示して
いない)から入力し、鋼管3の温度を図示していない温
度センサから入力し、図示していないトラッキングセン
サからの信号に基づいて鋼管3の存在位置をトラッキン
グし、図示していない鋼管の搬送装置、回転装置5、冷
却水注入装置6、キャップ装着装置7、キャップ脱着想
値8、および外面冷却装置10に対して指令を与え、鋼
管の搬入、冷却、搬出の自動化を遂行する。前記トラッ
キングおよび搬送自動化の方法は公知であり説明は省
く。
【0050】
【実施例】既存の鋼管冷却設備に本発明に係る装置を設
置し、効果を検証した。比較例として、従来法による冷
却制御もあわせて実施した。試片の鋼管の材質はSUS
310S、内径300mm、肉厚22mm、長さ22mであ
る。
【0051】本発明法はA法、すなわち、キャップの開
口径を変化させる方法とした。従来法(比較例)の内面
冷却は鋼管の一端から鋼管内がほぼ充満するように通水
冷却した。この時の通水速度はおよそ10m/sであっ
た。本発明例および比較例とも、外面冷却にはスリット
ラミナー冷却で1.5m3/min ・mの水量とした。
【0052】試片の加熱温度すなわち冷却開始温度は9
00℃、目標冷却終了温度(肉厚中心部温度)を500
℃とした。本発明例の冷却目標時間は18s(冷却速度
で22℃/s)とし、前記(1) 〜(3) 式に基づいて、本
発明例についてキャップ径を求め、開口直径120mmの
キャップを選んだ。
【0053】一方、比較例については冷却時間を境界条
件とはせず、前記の通水冷却の条件のもとで伝熱シミュ
レーションにより冷却終了時間をもとめ、所要冷却時間
として9.5sを得た。
【0054】本発明例では所定の冷却目標時間(18
s)経過後、両端のキャップを外し、冷却水を排出し
た。比較例では所定冷却時間経過(9.5s)後、通水
を停止した。
【0055】本発明例、比較例とも、冷却終了後、それ
ぞれ圧空で管内面の冷却水を排出した。本発明例、比較
例とも、表面の復熱を待って、冷却終了10秒後に鋼管
の温度分布を放射温度計で測定した。
【0056】図5は冷却終了後の長手方向の温度分布を
示すグラフである。同図から、本発明例、比較例ともに
目標冷却終了温度は平均としては所期の値が得られたも
のの、比較例では冷却水の注入側と排出側とで大きな温
度差(最大120℃)が生じていた。これに対し、本発
明方例では均一な温度分布(温度差最大30℃)が得ら
れた。
【0057】目標冷却速度(目標冷却時間)の面では、
本発明例ではねらい通りの冷却速度を得られたが、比較
例ではこれを制御することはできず、はるかに大きな冷
却速度(42℃/s)となった。
【0058】
【発明の効果】本発明により、金属管の圧延後の制御冷
却時、または焼き入れ時の冷却において、精度よく冷却
終了温度および冷却速度が管理でき、長手方向に温度む
らのない冷却が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋼管の冷却方法を示す概要図である。
【図2】本発明の他の鋼管冷却方法を示す概要図であ
る。
【図3】本発明のキャップの開口形状の例を示す概要図
で、同図(a) は多孔式、同図(b) は環状スリット式であ
る。
【図4】本発明の冷却装置の概要を示す平面図である。
【図5】鋼管の冷却終了後の長手方向温度分布を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 キャップ 2 開口 2a 小孔 2b 環状スリット 3 鋼管 4 冷却水 5 回転装置 6 冷却水注入装置 7 キャップ装着装置 8 キャップ脱着装置 9 制御装置 10 外面冷却装置 R 鋼管の内半径 r キャップの開口半径

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の熱間圧延後の制御冷却時の冷却
    方法、または金属管の焼き入れ時の冷却方法において、
    開口を有するキャップで金属管の両端を覆い、冷却水を
    管内に注入し滞留させ、金属管を水平状態で回転しなが
    ら冷却することを特徴とする金属管の冷却方法。
  2. 【請求項2】 金属管の所定の冷却開始温度で冷却水を
    管内に注入し、目標冷却終了温度に到達後、管内の冷却
    水を排出することを特徴とする請求項1に記載の金属管
    の冷却方法。
  3. 【請求項3】 冷却開始温度、目標冷却終了温度、目標
    冷却速度および管の寸法に基づいて定まる量の冷却水を
    管内に注入することを特徴とする請求項1または2に記
    載の金属管の冷却方法。
  4. 【請求項4】 冷却開始温度、目標冷却終了温度、目標
    冷却速度および金属管の寸法に基づいて定まる径の開口
    を中心に有するキャップを用い、該開口からオーバーフ
    ローするまで冷却水を注入することを特徴とする請求項
    1から3までのいずれかに記載の金属管の冷却方法。
  5. 【請求項5】 金属管の熱間圧延後の制御冷却時の冷却
    装置、または金属管の焼き入れ時の冷却装置において、
    金属管の両端を覆う開口を有するキャップと、金属管の
    両端にキャップを装着するキャップ装着装置と、キャッ
    プを外すキャップ脱着装置と、金属管に設定された量の
    冷却水を注入する冷却水注入装置と、金属管を水平状態
    で回転させる回転装置と、与えられた冷却開始温度、目
    標冷却終了温度、目標冷却速度および管の寸法に基づい
    て冷却水量を求め、該冷却水量値を該冷却水注入装置に
    指令し、金属管の冷却工程の進行に伴い前記の各装置に
    設定信号を与える制御装置とを備えたことを特徴とする
    金属管の冷却装置。
  6. 【請求項6】 金属管の熱間圧延後の制御冷却の冷却装
    置、または金属管の焼き入れ時の冷却装置において、金
    属管の両端を覆い、複数種類の径の開口を中心に有する
    キャップ群と、前記キャップ群の中から指令された種類
    のキャップを選択し、金属管の両端に装着するキャップ
    装着装置と、キャップを外すキャップ脱着装置と、金属
    管に冷却水を注入する冷却水注入装置と、金属管を水平
    状態で回転させる回転装置と、与えられた冷却開始温
    度、目標冷却終了温度、目標冷却速度および管の寸法に
    基づいて冷却水量を求め、該冷却水量に対応する開口径
    を持つキャップ種類を選択するよう該キャップ装着装置
    に指令し、金属管の工程進行に伴い前記の各装置に設定
    信号を与える制御装置とを備えたことを特徴とする金属
    管の冷却装置。
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