JPH11228614A - 触媒及びオレフィンの重合方法 - Google Patents

触媒及びオレフィンの重合方法

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JPH11228614A
JPH11228614A JP3163398A JP3163398A JPH11228614A JP H11228614 A JPH11228614 A JP H11228614A JP 3163398 A JP3163398 A JP 3163398A JP 3163398 A JP3163398 A JP 3163398A JP H11228614 A JPH11228614 A JP H11228614A
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JP
Japan
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group
transition metal
catalyst
compound
borate
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JP3163398A
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English (en)
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Shigeru Igai
滋 猪飼
Yoshiyuki Kai
甲斐  義幸
Masato Murakami
村上  真人
Hiroshi Nakazawa
浩 中沢
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリスピラゾリルボレートを配位子とする新
規な遷移金属化合物からなるオレフィンの重合などに用
いる触媒、およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方
法を提供すること。 【解決手段】 (A)トリスピラゾリルボレートを配位
子とする遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウムオ
キシ化合物、ルイス酸化合物及びイオン性化合物からな
る群から選択される助触媒とからなる触媒およびこれを
用いる重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な遷移金属化
合物からなるオレフィンの重合触媒などの触媒、及びオ
レフィンの重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】遷移金属・窒素結合を有する錯体として
ヒドロピラゾリルボレ−トを配位子とするチタン、ジル
コニウム錯体が知られている。特開平1−95110号
公報にはアルミノキサンとの組合せでオレフィンの重合
性能が開示されている。また、特開平4−305585
号公報にはスチレンのシンジオタクチック重合触媒とし
て記載されている。さらに、特開平7−70224号公
報にはヒドロピラゾリルボレ−ト配位子とシクロペンタ
ジエニル配位子を共に有するチタン又はジルコニウム錯
体がエチレンの重合又はαオレフィンとの共重合触媒で
あることを開示している。
【0003】また、特開平8−127610号、特開平
8−253524号各公報には、エチレン又はエチレン
・オレフィンの重合活性を示すトリスピラゾリルボレ−
トのチタン、ジルコニウム錯体とイオン性化合物を助触
媒とする触媒系が開示されている。また、特開平9−2
20476号各公報には、中性配位子であるトリスピラ
ゾリルメタンのチタンオキシ錯体、ジルコニウムオキシ
錯体を主触媒とする重合触媒系が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トリスピラ
ゾリルボレートを配位子とする新規な遷移金属化合物か
らなる触媒、これらの触媒を用いた高い重合活性を有す
るオレフィンの重合触媒およびこれらの触媒を用いたオ
レフィンの重合方法を提供すること。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)下式
(1)で表される遷移金属化合物と、(B)有機アルミ
ニウムオキシ化合物、ルイス酸化合物及びイオン性化合
物からなる群から選択される助触媒とからなる触媒に関
する。 RB(Pz)3 M(Q)XLn (1) (式中、Mは周期律表第4族遷移金属、RB(Pz)3
はホウ素で結合された置換又は無置換のピラゾリル基を
三個有するトリスピラゾリルボレ−ト配位子を示し、R
は水素又は炭素数1から24の炭化水素基、Qは酸素原
子又はイミド基を示し、Xは水素、ハロゲン、炭素数1
から24の炭化水素基、アミノ基又はオキシ炭化水素基
を示し、Lはルイス塩基を示し、nは2, 1又は0であ
る。)
【0006】また、本発明は、(A)上記の遷移金属化
合物と(B)有機アルミニウムオキシ化合物、ルイス酸
化合物及びイオン性化合物からなる群から選択される助
触媒とから得られる触媒に関する。
【0007】また、好ましくは、本発明は、上記の触媒
がオレフィンの重合触媒であることを特徴とする触媒に
関する。
【0008】また、本発明は、上記の触媒を用いること
を特徴とするオレフィンの重合方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、(A)下式
(1)で表される遷移金属化合物と、(B)有機アルミ
ニウムオキシ化合物、ルイス酸化合物及びイオン性化合
物からなる群から選択される助触媒とからなる触媒に関
するものである。 RB(Pz)3 M(Q)XLn (1) (式中、Mは周期律表第4族遷移金属、RB(Pz)3
はホウ素で結合された置換又は無置換のピラゾリル基を
三個有するトリスピラゾリルボレ−ト配位子を示し、R
は水素又は炭素数1から24の炭化水素基、Qは酸素原
子又はイミド基を示し、Xは水素、ハロゲン、炭素数1
から24の炭化水素基、アミノ基又はオキシ炭化水素基
を示し、Lはルイス塩基を示し、nは2, 1又は0であ
る。)
【0010】また、本発明の触媒は、(A)上記の遷移
金属化合物と(B)有機アルミニウムオキシ化合物、ル
イス酸化合物及びイオン性化合物からなる群から選択さ
れる助触媒とから得られる触媒に関するものである。
【0011】上記の触媒がオレフィンの重合触媒である
ことが好ましい。
【0012】また、本発明のオレフィンの重合方法は、
上記の触媒を用いることを特徴とするオレフィンの重合
方法に関するものである。
【0013】本発明の遷移金属化合物は、ホウ素で結合
された置換又は無置換のピラゾリル基を三個有するトリ
スピラゾリルボレ−トを配位子とする周期律表第4族遷
移金属の酸化数4の錯体である。
【0014】本発明の遷移金属化合物の一般式(1)
RB(Pz)3 M(Q)XLn において、Mは、周期
律表第4族遷移金属である。例えば、チタン(Ti)、ジ
ルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などが挙げられ
る。
【0015】RB(Pz)3 は、ホウ素原子(B)で結
合された置換又は無置換のピラゾリル基を三個有するト
リスピラゾリルボレ−ト配位子である。
【0016】Rは、水素又は炭素数1から24、好まし
くは1から12の炭化水素基である。炭化水素基として
は、アリル基、シクロアルキル基などが挙げられる。具
体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、sec −ブチル基、t −ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、ネオペンチル基などの直鎖状脂
肪族炭化水素基または分岐状脂肪族炭化水素基、フェニ
ル、トリル、ナフチル、ベンジル、メチルフェニルメチ
ル、ジメチルフェニル、2,6 −ジメチルフェニル、3,4
−ジメチルフェニル、2, 6−ジイソプロピルフェニル
基、3, 5−ジメチルフェニル基、3, 5−ジイソプロ
ピルフェニル基などの芳香族炭化水素基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基など環状脂肪族炭化水素基など
が挙げられる。さらにトリメチルシリル基、ビストリメ
チルシリル基などのケイ素原子を含有する炭化水素基も
含まれる。
【0017】Pzは、置換又は無置換のピラゾリル基で
ある。置換ピラゾリル基としては、3−、5−、又は
3, 5−置換体が好ましい。置換基としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、t −ブチル基、フェニル基、ベンジル基、2, 6−
ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル
基などが挙げられる。
【0018】Qは、酸素原子又はイミド基である。化学
式、N−Rで表せるイミド基において、Rとしては前記
の式(1)のRと同様のものが挙げられる。
【0019】Xは、水素、ハロゲン、炭素数が1から2
4、好ましくは1から12の炭化水素基、アミノ基、オ
キシ炭化水素基である。ハロゲンとしては、塩素原子、
臭素原子などが挙げられる。炭化水素基としては、上記
のRと同様のものが挙げられる。アミノ基としては、ジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルア
ミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基などが
挙げられる。炭化水素オキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基などが
挙げられる。
【0020】Lは、ルイス塩基である。特に活性水素を
持たないルイス塩基が好ましい。例えば、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル化合物、アセ
トンなどのケトン化合物、トリエチルアミン、ジメチル
アニリン、ピリジンなどのアミン化合物、トリフェニル
ホスフィン、トリエチルホスフィンなどのリン化合物が
挙げられる。Lの配位数であるnは通常2, 1又は0で
あるが、好ましくは1である。
【0021】本発明の遷移金属化合物の具体例として
は、 t- ブチルイミドクロロチタニウム(ピリジン)ヒ
ドロトリスピラゾリルボレート、フェニルイミドクロロ
チタニウム(ピリジン)ヒドロトリスピラゾリルボレー
ト、 t- ブチルイミドクロロチタニウム(ピリジン)ヒ
ドロトリス3,5-ジメチルピラゾリルボレート、フェニル
イミドクロロチタニウム(ピリジン)ヒドロトリス3,5-
ジメチルピラゾリルボレート、t-ブチルイミドブロモチ
タニウム(ピリジン)ヒドロトリスピラゾリルボレー
ト、フェニルイミドブロモチタニウム(ピリジン)ヒド
ロトリスピラゾリルボレート、 t- ブチルイミドブロモ
チタニウム(ピリジン)ヒドロトリス3,5-ジメチルピラ
ゾリルボレート、フェニルイミドブロモチタニウム(ピ
リジン)ヒドロトリス3,5-ジメチルピラゾリルボレート
などが挙げられる。
【0022】本発明の遷移金属化合物は、例えばトリス
ピラゾリルボレート化合物と、二塩化イミド遷移金属化
合物のピリジン錯体との当モル反応により調製すること
ができる。
【0023】本発明においては、(A)上記式(1)で
表される遷移金属化合物と(B)有機アルミニウムオキ
シ化合物、ルイス酸化合物及びイオン性化合物からなる
群から選択される助触媒とからなる触媒系、あるいは、
上記(A)と(B)とから得られる触媒系を用いてオレ
フィンを重合することができる。
【0024】助触媒としての有機アルミニウムオキシ化
合物、ルイス酸化合物、あるいはイオン性化合物は、式
(1)で表される遷移金属化合物と反応してカチオン錯
体を形成することができる。
【0025】遷移金属化合物の配位子Xとして少なくと
も一個の炭化水素基を有していない場合は、有機金属化
合物で予め遷移金属化合物の配位子を炭化水素基に置換
して使用することができる。また、溶媒、反応ガス中の
水分、その他の触媒毒の捕捉剤として、あるいは遷移金
属化合物の炭化水素化剤として有機金属化合物を触媒成
分と併用することが特に好ましい。
【0026】有機金属化合物としては、有機マグネシウ
ム、有機リチウム、有機アルミニウムを挙げることがで
き、その内、有機アルミニウムが好ましい。有機アルミ
ニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム、ジ
アルキルハロゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲ
ノアルミニウム、アルケニルアルミニウム、ジアルキル
ハイドロアルミニウム、セスキアルキルハイドロアルミ
ニウムなどが挙げられる。具体例としては、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリ
アルキルアルミニウムが挙げられる。
【0027】さらに、ジメチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキル
アルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムク
ロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのよう
な有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニ
ウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドラ
イド、セスキエチルアルミニウムハイドライドのような
水素化有機アルミニウム化合物も含まれる。
【0028】有機アルミニウムオキシ化合物またはアル
モキサンとは、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接
触させることによって得られるものであって、次の一般
式、(-Al(R'')O-)n で示される鎖状アルミノキサン、あ
るいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R''は炭素
数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び
/ 又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合
度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R''
として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が
挙げられるが、メチル基が好ましい。アルミノキサンの
原料として用いられる有機アルミニウム化合物として
は、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアル
キルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
【0029】トリメチルアルミニウムとトリブチルアル
ミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好
適に用いることができる。
【0030】また、縮合剤としては、典型的なものとし
て水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニ
ウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸
着水やジオールなどが挙げられる。
【0031】ルイス酸化合物としては、例えば硼素又は
アルミニウムのフッ素化合物、トリフェニルボラン、ト
リス(モノフルオロフェニル)ボラン又はアルミニウ
ム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン又はアル
ミニウム、トリス(トリフルオロフェニル)ボラン又は
アルミニウム、トリス(ジフルオロフェニル)ボラン又
はアルミニウム、トリス(テトラフルオロフェニル)ボ
ラン又はアルミニウムなどを挙げることができる。ルイ
ス酸化合物は、遷移金属化合物の配位子をアニオンとし
て外し、遷移金属化合物のカチオンを安定化できる。
【0032】イオン性化合物としては、非配位性アニオ
ンとカチオンとのイオン性化合物が挙げられる。アニオ
ンとして周期律表第4族遷移金属メタロセン触媒系でよ
く知られた嵩高い非配位性のアニオンが挙げられる。例
えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テ
トラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラフェ
ニルボレート、及びそれらのアルミネートを挙げること
ができる。テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フル
オロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェ
ニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)
ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレ
ート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレ
ート、テトラ(トリイル)ボレート、テトラ(キシリ
ル)ボレート、(トリフェニル)(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、(トリスペンタフルオロフェニル)
(フェニル)ボレート、トリデカハイドライド- 7, 8
- ジカルバウンデカボレート、テトラフルオロボレー
ト、ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
【0033】一方、カチオンとしては、カルボニウムカ
チオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どを挙げることができる。
【0034】カルボニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニル
カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオ
ンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウ
ムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)
カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カル
ボニウムカチオンを挙げることができる。
【0035】アンモニウムカチオンの具体例としては、
トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニ
ウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、ト
リブチルアンモニウムカチオン、トリ(n- ブチル) アン
モニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチ
オン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,
6- ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジ
アルキルアニリニウムカチオン、ジ( イソプロピル) ア
ンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカ
チオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げる
ことができる。
【0036】ホスホニウムカチオンの具体例としては、
トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニ
ル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニ
ウムカチオンを挙げることができる。
【0037】該イオン性化合物は、上記で例示した非配
位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選
択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
【0038】イオン性化合物の具体例としては、トリチ
ルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフ
ェニルカルボニウムテトラ(フルオロフェニル)ボレー
ト、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、1, 1'-ジメチルフェロセニウム
テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ま
しい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0039】本発明においては、遷移金属化合物及び/
又は助触媒を、無機化合物又は有機高分子化合物に担持
して使用することができる。無機化合物としては、無機
酸化物、無機塩化物、無機水酸化物が好ましく、少量の
炭酸塩、硫酸塩を含有したものも採用できる。特に好ま
しいものは無機酸化物であり、シリカ、アルミナ、マグ
ネシア、チタニア、ジルコニア、カルシアなどを挙げる
ことができる。これらの無機酸化物は、平均粒子径が5
〜150μ、比表面積が2〜800m2/gの多孔性微粒子
が好ましく、例えば100〜800℃で熱処理して用い
ることができる。担体の有機高分子化合物としては、側
鎖に芳香族環、置換芳香族環、あるいはヒドロキシ基、
カルボキシル基、エステル基、ハロゲン原子などの官能
基を有するものが好ましい。具体例としては、エチレ
ン、プロピレン、ポリブテンなどの化学変成によって前
記官能基を有するαオレフィンホモポリマ−、αオレフ
ィンコポリマ−、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニ
ル、ビニルアルコ−ル、スチレン、ジビニルベンゼンな
どのホモポリマ−、共重合体、さらにそれらの化学変成
物を挙げることができる。これらの有機高分子化合物
は、平均粒子径が5〜250μの球状微粒子が用いられ
る。
【0040】本発明の触媒は、気相法、スラリ−法、溶
液法いずれのオレフィン重合方法にも採用できる。気相
法においては、例えば前記担体に有機アルミニウム化合
物及び・又は助触媒と遷移金属化合物を担持した触媒を
調製し、攪拌型あるいは流動床型気相重合槽で有機アル
ミニウム化合物及び/又はオレフィンガスと接触させて
重合を行うことができる。
【0041】上記の気相重合は、通常、温度20〜10
0℃、時間20〜360分、重合圧が常圧〜5.1Mp
aの条件下で行われる。スラリ−法、溶液法において
は、例えば有機アルミニウム化合物及び/又はオレフィ
ンガスが溶解した不活性炭化水素溶媒中に、助触媒と遷
移金属化合物を添加して、あるいは予め予備接触したも
のを添加して重合を行うことができる。通常の重合条件
としては、温度が20〜250℃、時間が1〜120
分、重合圧が常圧〜15.3Mpaである。不活性炭化
水素溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0042】遷移金属化合物に対する助触媒の使用量
は、有機アルミニウムオキシ化合物の場合には、Al /
遷移金属原子比で10から10000、好ましくは30
から3000である。ルイス酸化合物又はイオン性化合
物の場合には、遷移金属化合物の1から10倍ほどが好
ましい。また併用する有機アルミニウム化合物の使用量
は、Al /遷移金属原子比で1から5000、好ましく
は5から1000である。
【0043】上記いずれの重合方法においても分子量調
節剤として水素を使用することができる。また、オレフ
ィンの本重合に先立って、前記の各種重合方法に従って
オレフィンを予備重合したものを触媒として使用するこ
とによって活性を高めることができる。予備重合は、例
えば、不活性炭化水素溶媒中でのスラリ−法において通
常5〜80℃、5〜60分、触媒の遷移金属1ミリグラ
ム原子当たりオレフィン重合体が1〜100g得られる
条件で行うことができる。
【0044】本発明でのオレフィンの具体例としては、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などの非環状モノ
オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボ
ルネンなどの環状モノオレフィン、1 ,3−ブタジエン
などの共役ジエンなどを挙げることができる。また、上
記オレフィンの重合において、さらに少量のジシクロペ
ンタジエン、5−エチリデン−2ノルボルネン、あるい
は1, 5−ヘキサジエンなどの非共役ジオレフィンを重
合させることができる。
【0045】下式(2)で表される遷移金属化合物は、
新規な遷移金属化合物である。 RB(Pz)3 M(Q)XLn (2) (式中、Mは周期律表第4族遷移金属、RB(Pz)3
はホウ素で結合された置換又は無置換のピラゾリル基を
三個有するトリスピラゾリルボレ−ト配位子を示し、R
は水素又は炭素数1から24の炭化水素基、Qは酸素原
子を示し、Xは水素、ハロゲン、炭素数1から24の炭
化水素基、アミノ基又はオキシ炭化水素基を示し、Lは
ルイス塩基を示し、nは2, 1又は0である。)
【0046】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明についてさらに具体的に説明する。本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。実施例におい
て「重合活性」とは、重合反応に使用した遷移金属化合
物の遷移金属1ミリモル当たりの重合体収量(g)であ
る。分子量及び分子量分布は、ポリスチレンを標準物質
として用いたGPCから求めた重量平均分子量Mw及び
数平均分子量Mnによって評価した。プロピレン含量
は、Polymer Communications、1991年、第32卷、310
頁に記載の方法に従って求めた。13C-NMR は溶媒o-ジク
ロロベンゼン中、130 ℃で測定を行った。融点はDSC
にて測定した。
【0047】実施例1 〔遷移金属化合物の合成〕[ HB(3,5−Me2
z)3]TiCl(N−t−Bu)Pyは雑誌Inorganic
Chemistry の1996年、第35卷、1006ページに記載の方法
で合成した。
【0048】実施例2 〔エチレンの重合〕トルエン200ml にメチルアルモキサ
ン( 東ソー・アクゾー社製MMAO)10mM をトルエン溶液と
して添加し、エチレンガス(1L/min.) を流通しながら溶
液を40℃に保った。実施例 1の遷移金属化合物の 10 μ
mol をトルエン溶液として添加して60分間重合を行っ
た。HCl 含有エタノール溶液で重合を停止し、ろ過、乾
燥して白色のエチレン重合体を得た。結果を表 1に示
す。
【0049】実施例3 〔エチレンとプロピレンとの共重合〕実施例2 と同様に
エチレンとプロピレンの混合ガス(3/1)を流通しな
がら共重合を行った。白色のエチレンとプロピレン共重
合体が得られた。結果を表 1に示す。
【0050】実施例4 〔エチレンとプロピレンとの共重合〕エチレンとプロピ
レンの混合ガス(1/1)を流通した以外は実施例3と
同様にエチレンとプロピレンの共重合を行った。白色の
エチレンとプロピレン共重合体が得られた。結果を表1
に示す。
【0051】実施例5 〔エチレンとプロピレンとの共重合〕エチレンとプロピ
レンの混合ガス(1/3)を流通した以外は実施例3と
同様にエチレンとプロピレンの共重合を行った。白色の
エチレンとプロピレン共重合体が得られた。結果を表 1
に示す。
【0052】実施例6 〔エチレンとプロピレンとの共重合〕メチルアルモキサ
ンの代わりにトリエチルアルミニウム1mM添加した後
にさらに(C6 5 3 CB(C6 5 4 の1 5μm
olをトルエン溶液として添加した以外は実施例2 と同
様にエチレン重合を行った。結果を表 1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の遷移金属化合物は、オレフィン
の重合触媒などの触媒に用いることが出来る。本発明の
遷移金属化合物を用いる触媒は、オレフィンの重合触媒
や重合方法に用いる場合、触媒の取扱いが容易であり、
かつ遷移金属当たりの重合活性が高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下式(1)で表される遷移金属化
    合物と(B)有機アルミニウムオキシ化合物、ルイス酸
    化合物及びイオン性化合物からなる群から選択される助
    触媒とからなる触媒。 RB(Pz)3 M(Q)XLn (1) (式中、Mは周期律表第4族遷移金属、RB(Pz)3
    はホウ素で結合された置換又は無置換のピラゾリル基を
    三個有するトリスピラゾリルボレ−ト配位子を示し、R
    は水素又は炭素数1から24の炭化水素基、Qは酸素原
    子又はイミド基を示し、Xは水素、ハロゲン、炭素数1
    から24の炭化水素基、アミノ基又はオキシ炭化水素基
    を示し、Lはルイス塩基を示し、nは2, 1又は0であ
    る。)
  2. 【請求項2】 (A)請求項1に記載の遷移金属化合物
    と(B)有機アルミニウムオキシ化合物、ルイス酸化合
    物及びイオン性化合物からなる群から選択される助触媒
    とから得られる触媒。
  3. 【請求項3】 触媒がオレフィンの重合触媒であること
    を特徴とする請求項1〜2記載の触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1〜2に記載の触媒を用いること
    を特徴とするオレフィンの重合方法。
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