JPH11224846A - レチクル照明光学系 - Google Patents

レチクル照明光学系

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JPH11224846A
JPH11224846A JP10036605A JP3660598A JPH11224846A JP H11224846 A JPH11224846 A JP H11224846A JP 10036605 A JP10036605 A JP 10036605A JP 3660598 A JP3660598 A JP 3660598A JP H11224846 A JPH11224846 A JP H11224846A
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crossover
optical system
lens
aperture
reticle
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JP10036605A
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Mamoru Nakasuji
護 中筋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レチクルに当たる照明ビームが一様で必要最
小限の寸法にできるレチクル照明光学系を提供する。 【解決手段】 本レチクル照明光学系は、ウェハ12上
に縮小投影されるパターンを有するレチクル8を電子ビ
ーム照明する光学系である。ビーム加速電圧50kV以上
の電子銃1と、電子銃が作るクロスオーバを拡大結像す
るレンズ2と、クロスオーバ周辺部のビームを取り除く
クロスオーバ制限開口3を具備する。成形開口6の上流
側にクロスオーバ周辺部のビームを取り除くクロスオー
バ制限開口3を設けたので、成形開口やレチクルに照射
されるビームを一様かつ最小限の断面積とできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感応基板(半導体
ウェハ等)上に縮小投影されるパターンを有するレチク
ルを電子ビーム照明する光学系に関する。特には、レチ
クルに当たる照明ビームが一様で必要最小限の寸法とな
るように改良を加えたレチクル照明光学系に関する。さ
らに、ビーム状態が悪化してもクロスオーバ制限開口で
確実にビームを制限できるよう、あるいはレチクルを照
明するビームの電流密度をレンズ動作で迅速に変化させ
ることができるよう改良を加えたレチクル照明光学系に
関する。
【0002】
【従来の技術】可変成形ビーム描画方式の露光装置用の
電子銃では、電子銃のクロスオーバをレンズで拡大結像
し、結像した位置にクロスオーバを制限する開口を設け
る光学系が公知である(K. Saito, J. Kato, N. Shimaz
u and A. Shimizu, Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 35(199
6) P6435 )。
【0003】上記の可変成形ビーム描画方式は、回路パ
ターンの一部の形状を有するビームを光学系中の複数の
成形開口を用いて成形し、該ビームをウェハに照射して
当該形状のパターンを形成するものである。同方式は、
一単位露光領域の広さが狭い(一例、最大5μm 角)た
めスループットが低いという問題点を有する。そこで、
スループットを向上できる方式として、キャラクタープ
ロジェクションあるいはブロック露光等と呼ばれる図形
部分一括露光方式が実用化されている。図形部分一括露
光方式では、繰り返し性のある回路の小パターン(ウェ
ハ上で5μm 角程度)を、同様の小パターンが複数種類
形成されたマスクを用いて、1個の小パターンを一単位
として繰り返し転写露光を行う。しかし、この図形部分
一括露光方式では非繰り返し部の描画に長時間を要する
ため、本格的な半導体集積回路装置(DRAM等)の実
生産におけるウェハ露光に応用するにはスループットが
1桁程度低い。また最近生産量が増えてきているマイク
ロプロセッサーではパターンの繰り返し性があまりない
ため上記部分一括露光方式のメリットはほとんどない。
【0004】一方、図形部分一括露光方式よりも飛躍的
に高スループットをねらいかつマイクロプロセッサーで
も有利な電子ビーム転写露光方式として、一個の半導体
チップ全体の回路パターンを備えたマスクの一部領域に
電子ビームを照射し、その照射領域のパターンの像を二
段の投影レンズにより縮小転写する電子ビーム縮小転写
装置が提案されている(例えば特開平5−160012
号参照)。この種の装置では、マスクの全範囲に一括し
て電子ビームを照射して一度にパターンを転写できるほ
どの視野は得られないので、光学系の視野を多数の小領
域(主視野さらに副視野)に分割し、副視野毎に電子ビ
ーム光学系の条件を変えながらパターンを順次転写し、
ウェハ上では各副視野の像(寸法例250μm 角)をつ
なげて配列することにより全回路パターンを転写する、
との提案もなされている(分割転写方式、例えば米国特
許第5260151号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の可変成形ビーム
方式では、成形開口の形状は単純で開口板の厚みは厚く
熱伝導は良いため、開口板が多少余分にビームで照射さ
れても、開口の変形や損傷といった問題は生じなかっ
た。しかし、上記図形部分一括露光方式や分割転写方式
におけるレチクルのように、ウェハ上に縮小転写すべき
デバイスの回路パターンそのものを備える薄いレチクル
の場合、加熱されると寸法変化が生じたり、短時間で損
傷するという問題が生じるため、レチクルを照射するビ
ームの量は必要最小限にする必要がある。
【0006】また上記の従来技術ではクロスオーバを結
像させるレンズの焦点調整を行おうとすると、電子銃の
電界も変化する可能性があるため電子銃電流も変化して
しまうおそれがあった。さらに従来技術では、成形開口
を照射する電流密度を電子銃の運転条件を変えないで可
変にすることができなかった。また、従来技術ではクロ
スオーバを制限する開口寸法がクロスオーバ寸法と同じ
であったため、クロスオーバ位置が少しでも振動あるい
はドリフトするとビーム電流が変動あるいは減少する問
題があった。さらに、従来の技術ではクロスオーバ開口
の温度上昇が著しくなるおそれがあった。
【0007】また従来の技術では、クロスオーバを拡大
するレンズの下流側には、軸合せ装置があったがクロス
オーバ拡大レンズの軸合せ装置は明示されていなかっ
た。さらに、従来の光学系では、照明光学系が複雑で且
つ長寸法であったために電子線縮小投影用の光学系の鏡
筒長を短くするのは困難で、通常のクリーンルームに入
らないおそれがあった。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、感応基板上に縮小投影されるパターンを有
するレチクルを電子ビーム照明する光学系であって、レ
チクルに当たる照明ビームが一様で必要最小限の量にで
きる光学系を提供することを目的とする。さらに、ビー
ム状態が悪化してもクロスオーバ制限開口で確実にビー
ムを制限できるレチクル照明光学系を提供することを目
的とする。
【0009】さらに、以下のような諸特徴を有するレチ
クル照明光学系を提供することを目的とする。 縮小投影に使用可能で、レチクルに照射するビーム
を必要最小限にできる。 電子銃条件を変えても確実にクロスオーバでビーム
を制限することができる。 レチクルを照射する電流密度をレンズ動作で可変に
できる。 クロスオーバの光軸垂直方向(XY方向)の位置が
少々振動あるいはドリフトしても、クロスオーバ開口を
通過するビーム電流の変化が小さい。 クロスオーバ開口が熔けたり高温で変形することが
ない。 クロスオーバを拡大するレンズを収差の小さい近軸
条件で使用できる。 クリーンルームに容易に入る程度の高さで済む。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のレチクル照明光学系は、 感応基板上に縮
小投影されるパターンを有するレチクルを電子ビーム照
明する光学系であって;ビーム加速電圧50kV以上の電
子銃と、 電子銃が作るクロスオーバを拡大結像するレ
ンズと、 クロスオーバの結像位置に設けられた、クロ
スオーバ周辺部のビームを取り除くクロスオーバ制限開
口と、 クロスオーバ制限開口の下流側に設けられたコ
ンデンサレンズと、 コンデンサレンズの下流側に設け
られた成形開口と、 成形開口で成形されたビームを平
行化してレチクルに垂直に入射させる照射レンズと、
を具備することを特徴とする。成形開口の上流側にクロ
スオーバ周辺部のビームを取り除くクロスオーバ制限開
口を設けたので、成形開口やレチクルに照射されるビー
ムを一様かつ最小限の断面積とできる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のレチクル照明光学系にお
いては、上記クロスオーバを拡大するレンズが、電子銃
電流を変えることなく焦点距離を可変とできる静電レン
ズであることが好ましい。この静電レンズは、焦点距離
を変える電極のポテンシャルがカソード表面に影響を与
えないので、電子銃電流を変えることなく焦点距離を可
変とでき、その結果、レンズ焦点距離と電子銃電流を独
立に調整できる等の効果が期待できる。さらに、この静
電レンズを電子銃内部に組み込む場合には、クロスオー
バとレンズ間の距離を短くすることができ、大きい拡大
率のクロスオーバ像をクロスオーバ制限開口上に形成で
きる。
【0012】本発明においては、上記静電レンズの上流
側に軸合せ装置が設けられていることが好ましい。この
軸合せ装置は、電子銃から射出される電子ビームの軸を
上記静電レンズの軸に合わせるものである。この軸合せ
装置により、クロスオーバを拡大する静電レンズを収差
の小さい近軸条件で用いることができ、クロスオーバ像
にコマ収差や非点収差が混入しない等の効果が期待でき
る。
【0013】本発明においては、上記コンデンサレンズ
が少なくとも二段のレンズで構成されており、該二段の
レンズのズームレンズ作用により上記成形開口に照射さ
れるビームの電流密度を可変とすることが好ましい。こ
れにより、レチクルの照明ビームの電流密度を迅速に変
えることができ、異なる面積率のレチクルでもビーム電
流をほぼ同一に保つ等の効果が期待できる。
【0014】本発明においては、上記クロスオーバ制限
開口が円形であり、その径が同開口位置におけるクロス
オーバの径(電流密度が半値の部分の径)の半分程度以
下であることが好ましい。また、上記クロスオーバ制限
開口で取り除くビーム電流が、同開口への入射ビーム電
流の60%以上であることが好ましい。クロスオーバの
電流密度はガウス分布となっているが、中央部の電流密
度が一様な部分を選択的に使用すれば、クロスオーバ像
が光軸直角方向に振動あるいはドリフトしてもクロスオ
ーバ制限開口を通過するビームの電流密度の変動は小さ
くなる。
【0015】本発明においては、上記成形開口からレン
ズへの結像系が縮小系であることが好ましい。成形開口
における照明ビームの電流密度を下げることができるの
で、成形開口への熱負荷を下げることができる。
【0016】本発明においては、上記クロスオーバ制限
開口が、電子ビームの上流側よりも下流側がわずかに狭
いテーパー穴であることが好ましい。クロスオーバ周辺
部のビームを取り除く開口テーパー部の面積が広くな
り、単位面積当りの吸収・散乱電子の量が減るため、熱
負荷を下げることができ開口の溶損を防止できる。ここ
で上記テーパー角は55〜89.5°が妥当である。
【0017】本発明においては、上記クロスオーバ制限
開口の開口周辺を構成する開口板が、銀、銅又は表面導
電処理されたダイヤモンド等の高熱伝導材からなること
が好ましい。また、上記クロスオーバ制限開口の開口周
辺を構成する開口板が水冷されていることが好ましい。
放熱性に優れるので開口の溶損を防止できる。ここで表
面導電処理されたダイヤモンドの形成例としては、金属
製の基板の中央部に開口6を形成したダイヤモンドを埋
込み、このダイヤモンドの表面にイオン注入法により水
素やボロン等のイオンを打ち込む方法(電子イオンビー
ムハンドブック第2版又は第3版参照)を挙げることが
できる。
【0018】以下、図面を参照しつつ説明する。図1
は、本発明の1実施例に係るレチクル照明光学系を有す
る電子ビーム転写露光装置の結像関係を示す図である。
この図は、横方向を縦方向の400倍に拡大して描いた
図である。電子銃1は光学系の最上流側にあって、下方
に向けて電子ビーム(一点鎖線)を射出する。電子銃1
の下流側には、2個の軸合せコイル14、15が配置さ
れている。さらにその下流側には、クロスオーバ拡大用
のコンデンサレンズ2が配置されている。軸合せコイル
14、15は、光軸直角方向(X、Y方向)に電子ビー
ムを偏向させて、コンデンサレンズ2の軸芯に電子ビー
ムを合わせる。これにより、クロスオーバを拡大する静
電レンズが収差の小さい近軸条件で用いられるので、静
電レンズがコマ収差や非点収差を発生させることがな
く、円形断面のクロスオーバ像を形成することができ
る。コンデンサレンズ2は、詳しくは図2を参照しつつ
後述するが、電子銃電流を変えることなく焦点距離を可
変とできる静電レンズである。
【0019】コンデンサレンズ2の下流側には、クロス
オーバ制限開口3が配置されている。この開口3には、
コンデンサレンズ2によって、電子銃から放出された電
子線のクロスオーバ拡大像が結像する。なお、コンデン
サレンズ2によるクロスオーバの拡大率は、例えば2〜
20が適当な範囲である。このクロスオーバ制限開口3
の径は、拡大されたクロスオーバ像よりも大きく、50
〜60%以上のビーム電流は散乱又は吸収により取り除
かれる。このクロスオーバ制限開口3の詳細については
図3を参照しつつ後述する。なお、クロスオーバ制限開
口3で散乱された電子線は、コンデンサレンズ5と照射
レンズ7の間に配置されたクロスオーバ開口13で取り
除かれる。
【0020】クロスオーバ制限開口3の下流側には、二
段のコンデンサレンズ4、5が配置されている。クロス
オーバ制限開口3を出た電子ビームは、コンデンサレン
ズ4、5により、クロスオーバ開口13に結像される。
この二段のコンデンサレンズ4、5のズームレンズ作用
により、焦点位置(クロスオーバ像位置)を変えること
なくクロスオーバ開口13におけるクロスオーバ像の径
を変化させることができる。
【0021】下のコンデンサレンズ5の直下には照明ビ
ームの成形開口6が配置されている。この成形開口6
は、この例では2mm角の正方形であり、レチクル8に当
てる照明ビームを正方形に成形する。成形開口6の下流
側には、上述のクロスオーバ開口13が配置されてい
る。クロスオーバ開口13の下流側には、照射レンズ7
が配置されている。照射レンズ7は、電子ビームを平行
化し、同ビームはレチクル8に垂直に入射する。レチク
ル8に当たる照明ビームはこの例では1mm角である。す
なわち、成形開口6からレチクル8に至る結像系は縮小
系であるため成形開口6を大きい寸法にできる。そのた
め成形開口6での電流密度が小さいので、開口が電子線
照射で熔けることはなく、開口の製作精度もそれほど厳
しくなくてもすむ。
【0022】レチクル8は、薄いSi膜に回路パターン
が孔として形成されたもの(ステンシルマスク)が代表
的である。レチクル8の下流側には、一段目の投影レン
ズ9、クロスオーバ開口10、二段目の投影レンズ1
1、ウェハ(感応基板)12が、この順に配置されてい
る。このレチクル8を通ってパターン化された電子ビー
ムは、二段の投影レンズ9、11により縮小され、ウェ
ハ12上に投影結像される。両投影レンズ9、11の間
にはクロスオーバC.O.が形成され、その位置にクロスオ
ーバ開口10が配置されている。しかし、同開口10は
クロスオーバ径よりも十分大きいため、レチクル8のパ
ターン孔を通過した電子ビームは、ほとんど遮蔽される
ことなウェハ12上に結像される。なお、レチクル8の
パターン孔以外の部分で散乱された電子ビームは、ほと
んどがクロスオーバ開口10で遮蔽される。図中の二点
鎖線16は、成形開口6の寸法とZ方向位置を容易に設
計するための補助線である。
【0023】本実施例の電子ビーム露光装置では、ビー
ム光路長は2mとなり、鏡筒長は2.3m程度となる。
試料台を1mとしても、露光装置全体で長さ3.3mと
なり通常のクリーンルームに十分収まる。本実施例のレ
チクル照明光学系がこのように短くできた理由は、成形
開口をレチクル面に結像させるのにわずか1段のレンズ
で可能にしたこと、及び第1コンデンサレンズを静電レ
ンズにしたことである。
【0024】図2は、図1の電子ビーム露光装置の電子
銃及びクロスオーバ拡大レンズの詳細を示す断面図であ
る。この実施例の電子銃1は、光軸方向に順に配置され
たカソード21、ウェーネルト22、アノード23の3
つの電極を有する。各電極は、真空壁29内に配置され
ている。カソード21は、単結晶LaB6 やWからな
り、−100kVの負電圧が印加されている。カソード2
1の下端面からは、電子ビームがアノード23方向に引
き出される。ウェーネルト22は、MoやW、ステンレ
ス等の材料からなり、本例では光軸部に円形孔22aを
有するリング状になっている。ウェーネルト22には、
カソード21よりやや低い負電圧(一例−100.02
kV)が印加されている。このウェーネルト22は、カソ
ード21から引き出される電子ビームを広がらせない作
用をなす。アノード23はウェーネルト22と同じく、
光軸部に円形孔を有するリング状になっており、ウェー
ネルト22と同様の材料からなる。アノード23の電圧
レベルは0V(グラウンドレベル)である。アノード2
3とカソード21間の差電圧100kVにより、カソード
21の下端から出た電子ビームは加速される。加速され
た電子ビームはアノード23中央の孔23aから図の下
方向に射出され、アノード23の下流側直下にクロスオ
ーバC.O.を形成する。
【0025】クロスオーバC.O.と同レベル(Z方向位
置)で、真空壁29の外側には、1段目の偏向器14が
巻回されている。同偏向器14の下流側には2段目の偏
向器15が、真空壁29の外側に巻回されている。真空
壁29内のアノード23の下流側であって、上記2段目
の偏向器15の下流側にはクロスオーバ拡大用のコンデ
ンサレンズ2が配置されている。同レンズ2は、光軸方
向に並べて配置された3枚のリング状電極24、25、
26からなるアインツェル型の静電レンズである。各電
極24、25、26は、光軸部に円形孔を有するリング
状をしている。上下の電極24、26の電圧レベルは0
Vであり、真中の電極25の電圧レベルは+Vボルト
(一例5000V)である。このレンズ2の中心孔に
は、収束レンズの作用をする電界が形成される。
【0026】偏向器14と15のペアは、図2に一点鎖
線で示したようにビーム軸をシフトするモードと、破線
で示したようにレンズ2の中心を支点にして角度を変化
させるモードの2つのモードで動作できるよう、偏向器
14、15の電流比を調整する。そしてレンズ2の中央
の電極25の印加電圧の値をV1 、V1 +αという2つ
の値に変化させた時に、レンズ2の下流側でビーム軸が
変化しないよう軸合せを行った。レンズ2への軸合せコ
イル14、15は電子銃室外の真空でない領域に2段設
けることによって静電レンズ2の電圧センターを取るこ
とができた。なお、電圧センターを取るとは、静電レン
ズの電圧を変化させた時、レンズを出る主光線の軌道が
変化しないということであって、主光線がレンズ中心を
通っているので静電レンズの収差が小さいという効果が
ある。
【0027】図3は、図1の電子ビーム露光装置のクロ
スオーバ制限開口の詳細を示す図である。(A)はクロ
スオーバ制限開口におけるクロスオーバ像の電流密度分
布を、(B)はクロスオーバ制限開口の断面図を示す。
開口板3は、銀や銅等の熱伝導のよい材料の板からな
り、光軸部に開口(テーパー孔部3b、ストレート孔部
3c)が開けられている。開口板3の上面3a及び下面
3dには水冷ジャケット33、35が付設されており、
開口板を冷却している。
【0028】開口3の断面形状は、電子銃側の孔径D2
が反対側の孔径D3 よりわずかに大きいテーパー孔にな
っている。したがって、開口に入射する電子線は、図3
(B)中に模式的に示すように、孔の斜面に斜入射する
ため散乱される量が大きく、また斜面での電流密度はs
inθ倍に小さくなり、開口の溶損が避けられる。さら
に、開口の周辺部が水冷ジャケット33、35によって
水冷されているので、確実に冷却できる。散乱されたビ
ームは光軸に平行近く進む成分はなく、下流側のクロス
オーバ開口(図1の符号13)で取り除かれる。
【0029】本実施例では、クロスオーバの拡大像の直
径D1 (電流密度の半値部)が2mmφで、開口3の絞ら
れたストレート孔3cの直径D3 を1mmとした。したが
ってガウス分布となるクロスオーバの電流密度分布31
の傾斜の小さい中央部で、電子ビームが開口を通過する
か散乱されるかが決まる。したがって少々クロスオーバ
像がXY方向に振動あるいはドリフトしても開口を通る
ビーム量は、ほとんど振動あるいはドリフトしない。
【0030】さらに円形開口3の断面はθ(一例1°)
程度のテーパーを設けてある。したがって光軸に平行に
入射したビームは1/sinθ倍広い領域に入射するの
で、電流密度はsinθ倍すなわち0.0174倍に小
さくなり、開口の溶損を防げる。またテーパー面で散乱
された電子線は光軸と1度以上の角度で散乱されるの
で、後方の開口で取り除かれレチクルには達しない。
【0031】図1の右側に、本実施例の電子ビーム露光
装置の光軸方向の寸法をcmで示した。この図から読み取
れるように電子銃カソードから試料面までの距離は20
0cmであり、十分クリーンルームに収めることができ
る。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、成形開口の上流側にクロスオーバ周辺部のビ
ームを取り除くクロスオーバ制限開口を設けたので、成
形開口やレチクルに照射されるビームを一様かつ最小限
の量とできる。そのため、レチクルに当たる照明ビーム
が一様で必要最小限の量にできるレチクル照明光学系を
提供できる。さらに、ビーム状態が悪化してもクロスオ
ーバ制限開口で確実にビームを制限できるレチクル照明
光学系を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係るレチクル照明光学系を
有する電子ビーム転写露光装置の結像関係を示す図であ
る。
【図2】図1の電子ビーム露光装置の電子銃及びクロス
オーバ拡大レンズの詳細を示す断面図である。
【図3】図1の電子ビーム露光装置のクロスオーバ制限
開口の詳細を示す図である。(A)はクロスオーバ制限
開口におけるクロスオーバ像の電流密度分布を、(B)
はクロスオーバ制限開口の断面図を示す。
【符号の説明】
1 電子銃 2 コンデンサレ
ンズ 3 クロスオーバ制限開口 4、5 コンデン
サレンズ 6 ビーム成形開口 7 照射レンズ 8 レチクル 9 一段目の投影
レンズ 10 クロスオーバ開口 11 二段目の投
影レンズ 12 ウェハ 13 クロスオー
バ開口 14、15 軸合せコイル 21 カソード 22 ウェーネルト 23 アノード 24、25 26 リング状電極 29 真空壁 33、35 水冷ジャケット

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感応基板上に縮小投影されるパターンを
    有するレチクルを電子ビーム照明する光学系であって;
    ビーム加速電圧50kV以上の電子銃と、 電子銃が作るクロスオーバを拡大結像するレンズと、 クロスオーバの結像位置に設けられた、クロスオーバ周
    辺部のビームを取り除くクロスオーバ制限開口と、 クロスオーバ制限開口の下流側に設けられたコンデンサ
    レンズと、 コンデンサレンズの下流側に設けられた成形開口と、 成形開口で成形されたビームを平行化してレチクルに垂
    直に入射させる照射レンズと、 を具備することを特徴とするレチクル照明光学系。
  2. 【請求項2】 上記クロスオーバを拡大するレンズが、
    電子銃電流を変えることなく焦点距離を変えることので
    きる静電レンズであることを特徴とする請求項1記載の
    レチクル照明光学系。
  3. 【請求項3】 上記静電レンズの上流側に軸合せ装置が
    設けられていることを特徴とする請求項2記載のレチク
    ル照明光学系。
  4. 【請求項4】 上記コンデンサレンズが少なくとも二段
    のレンズで構成されており、該二段のレンズのズームレ
    ンズ作用により上記成形開口に照射されるビームの電流
    密度を可変としたことを特徴とする請求項1記載のレチ
    クル照明光学系。
  5. 【請求項5】 上記クロスオーバ制限開口が円形であ
    り、その径が同開口位置におけるクロスオーバの径(電
    流密度が半値の部分の径)の半分程度以下であることを
    特徴とする請求項1記載のレチクル照明光学系。
  6. 【請求項6】 上記クロスオーバ制限開口で取り除くビ
    ーム電流が、同開口への入射ビーム電流の60%以上で
    あることを特徴とする請求項1記載のレチクル照明光学
    系。
  7. 【請求項7】 上記成形開口からレンズへの結像系が縮
    小系であることを特徴とする請求項1記載のレチクル照
    明光学系。
  8. 【請求項8】 上記クロスオーバ制限開口が、電子ビー
    ムの上流側よりも下流側がわずかに狭いテーパー穴であ
    ることを特徴とする請求項1記載のレチクル照明光学
    系。
  9. 【請求項9】 上記クロスオーバ制限開口の開口周辺を
    構成する開口板が、銀、銅又は表面導電処理されたダイ
    ヤモンド等の高熱伝導材からなることを特徴とする請求
    項1記載のレチクル照明光学系。
  10. 【請求項10】 上記クロスオーバ制限開口の開口周辺
    を構成する開口板が水冷されていることを特徴とする請
    求項1記載のレチクル照明光学系。
  11. 【請求項11】 上記電子銃のカソードから感応基板ま
    での長さが2.4m以下であることを特徴とする請求項
    1記載のレチクル照明光学系。
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