JPH11224038A - 電子写真方法および電子写真装置 - Google Patents

電子写真方法および電子写真装置

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JPH11224038A
JPH11224038A JP18828598A JP18828598A JPH11224038A JP H11224038 A JPH11224038 A JP H11224038A JP 18828598 A JP18828598 A JP 18828598A JP 18828598 A JP18828598 A JP 18828598A JP H11224038 A JPH11224038 A JP H11224038A
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JP
Japan
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toner
image
image carrier
electrophotographic
electrostatic latent
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JP18828598A
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English (en)
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Takeo Yamaguchi
剛男 山口
Hisao Kurosu
久雄 黒須
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真感光体上に地汚れを起こすトナー、
特に、地汚れの主原因をなす正常帯電トナーの電子写真
感光体への付着を抑制して、転写紙などに形成された最
終的な画像の地汚れ、及び、中抜けを防止すること。 【解決手段】 トナーの帯電量分布が、正常帯電トナー
(A)と弱帯電あるいは/および逆帯電トナー(B)と
を含み、該正常帯電トナー(A)が主たる割合を占める
ような帯電量分布を示すトナーを用いる。感光体13の
表面に対して前進接触角から計算される表面自由エネル
ギーγsP[前進]と後退接触角から計算される表面自
由エネルギーγsP[後退]との差と、上記トナーの構
成樹脂に対して前進接触角から計算される表面自由エネ
ルギーγsT[前進]と後退接触角から計算される表面
自由エネルギーγsT[後退]との差との関係を、γs
P[前進]−γsP[後退]<γsT[前進]−γsT
[後退]とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式二成分現像剤
あるいは乾式一成分現像剤を用いた複写機、ファクシミ
リ、プリンター等の電子写真方法および電子写真装置に
係り、詳しくは、一般に「地肌汚れ」あるいは「地汚
れ」といわれているトナーの地肌カブリ、及び、トナー
画像の転写時の「中抜け」と呼ばれる画像欠陥に対する
対策を講じた電子写真方法および電子写真装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、乾式二成分現像剤あるいは乾式一
成分現像剤を用いた複写機、ファクシミリ、プリンター
等の画像形成装置においては、電子写真感光体(以下、
単に「感光体」ともいう)の非画像部(地肌電位部ある
いは単に地肌部ともいう)にトナーが付着することによ
り、いわゆる地肌カブリが発生して画質が低下するとい
う問題がある。このトナーの地肌カブリの問題に対する
対策としては、 (1)現像剤中のトナーの帯電量分布を制御する。 (2)感光体とトナーとの間に働く力を制御する。 (3)現像剤中の劣化トナーを除去する。 などの方法が知られている。
【0003】ここで、上記(1)に関する従来技術とし
て、特開平4−110861号公報には、「静電荷現像
剤の製造方法及び該方法により得られた静電荷現像剤」
が開示されており、現像剤のトナー粒子帯電量分布にお
ける適正帯電領域の分布面積を全帯電量分布面積の約7
0%以上とすることが記載されている。また、特開平4
―77751号公報には、「電子写真現像用磁性キャリ
ア」が開示されており、磁性粒子の表面にカーボンブラ
ック等の導電性微粒子を含有する樹脂被膜を形成した樹
脂コートキャリアを用い、その樹脂被膜に導電性微粒子
リッチの表層部を設けることにより、正帯電性トナーに
対する帯電量分布がシャープとなることが記載されてい
る。また、特開平7−219275号公報には、「電子
写真用現像剤」が開示されており、体積平均粒径(D
T)が4.0〜9.0μmのトナーで、トナー中に含有
する荷電制御剤の数平均分散粒径(DCCA)が、(4<
DT/ DCCA<90)を満足し、且つ荷電制御剤の水に
対する溶解度が2.0%以下であるトナーを用いること
が記載されている。
【0004】上記(2)に関する従来技術として、特開
平6−83097号公報には、「電子写真感光体及び電
子写真装置」が開示されており、感光体表面のXPS測
定による炭素原子とフッ素原子mol分率比を制御し、
表面エネルギーを著しく低くすることで、転写効率を高
くし、転写ムラ等の画像欠陥をなくすことが記載されて
いる。また、特開平8−137119号公報には、「電
子写真装置」が開示されており、アモルファスシリコン
系感光体の表層の比誘電率を制御し、鏡像力を小さくす
ることで地肌カブリのないトータル性能に優れた電子写
真装置を提供することが記載されている。
【0005】上記(3)に関する従来技術として、特開
平3−91782号公報には、「劣化トナー除去装置」
が開示されており、本来、記録または複写を行う領域外
の非画像領域にカブリ状態で現像を行うように構成する
ことにより、地肌カブリを生じさせた劣化トナーを積極
的に現像装置から取り除くことが記載されている。ま
た、特開昭63−265276号公報には、「画像形成
装置」が開示されており、ウォーミングアップ処理実行
中の感光体の予備回転中に、感光体表面を逆極性の電位
に帯電させ、現像装置内の不良現像剤を感光体表面に吸
着して除去することが記載されている。
【0006】一方、この種の電子写真方式の画像形成装
置においては、帯電・電圧印加部材として、従来よりー
般的にコロナ帯電器が用いられている。しかしながら、
該コロナ帯電器は、放電の際に発生するオゾンによっ
て、感光体が劣化したり、環境保全上の問題を生じたり
する不具合がある。このようなコロナ帯電器に代わる帯
電・電圧印加手段として、直接電圧印加方式を採用した
電子写真方法が知られている。これは、電子写真感光体
や中間転写体などに、直接当接させた低抵抗部材に電圧
を印加することにより、所望の帯電あるいは電圧印加を
行うものである。
【0007】このような直接印加方式による電圧印加手
段を、電子写真の転写工程に利用した画像形成装置は、
上記のコロナ帯電方式のものと比べて、被転写材を確実
に保持できるので、該被転写材の搬送安定性が高く、ま
た、転写バイアスも比較的低圧かつ低容量で済むので、
装置をコンパクト化でき、オゾン発生の問題もないとい
う利点がある。しかしながら、この直接印加方式による
電子写真では、転写されるべき文字やライン等のトナー
像の中央部分が被転写体に移らずに像担持体側に残る、
いわゆるトナ−像の「中抜け」現象が発生し易いという
問題がある。
【0008】このようなトナ−像の「中抜け」現象を解
消するものとして、 、電子写真感光体と中間転写体との接触圧を300g
/cm以下として、転写工程おいてトナー像に加わる圧
力を低減することにより、中抜けの発生を抑制する(特
開平7−160129号公報)。 、電子写真感光体と中間転写体との接触圧を可変とす
る(特開平7−72745号公報)。 、転写部材として107〜1010Ω・cmの抵抗率
を有する導電性ベルトの使用により、安定した転写電界
を印加して中抜け現象を抑制する(特開平7−9282
5号公報)。 、ポリ4フッ化エチレン等の離型性材料粉を像担持体
上に分散して、像担持体表面の水に対する静的接触角を
110°以上にすることにより、中抜け画像を抑制する
(特開平6−250413号公報)。などの方法が提案
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の地肌
カブリの原因には、大きく分けて二通りある。一つは、
感光体の感度低下や残留電位の上昇などのように感光体
の静電特性が劣化したり、あるいは電子写真装置におけ
る光学系の汚れなどによって感光体への露光量が低下し
たりするなど、感光体の地肌電位自体に問題がある場合
である。他の一つは、感光体の地肌電位は正常である
が、該感光体上に形成された静電潜像の現像工程に問題
がある場合である。
【0010】該現像工程では、二成分現像剤を例とする
と、現像ニップ(現像領域)内において、ベタ画像を現
像するのに十分な多量のトナーが一旦感光体表面に接触
(付着)する。そして、該感光体表面に接触したトナー
は、該現像ニップ内の現像電界によるクーロン力の向き
と大きさによって、最終的に感光体側に付着するか(現
像されるか)、キャリア側に戻る(スキャベンジされ
る)かが決まる。ここで、該現像ニップ内における上記
現像電界を一定とすると、該現像電界によるクーロン力
の向きと大きさは各トナー粒子の帯電量に依存する。
【0011】従って、該現像ニップ内の全てのトナー粒
子が均等且つ適正な帯電量を持っていれば、上記静電潜
像に接触したトナー粒子のみが感光体側に付着すること
になる。しかしながら、実際には、各トナー粒子がかな
りの幅に分布した帯電量を持っており、それぞれのトナ
ー粒子でその挙動が異なる。このため、該感光体の非画
像部(地肌部)に接触したトナー粒子の一部が、該キャ
リア側にスキャベンジされずにそのまま感光体側に付着
し、地汚れトナーとなって地肌カブリを引き起こすこと
になる。
【0012】すなわち、上記現像バイアスは、一般に、
画像の地肌汚れを減少させる目的で現像ニップに印加さ
れており、該現像ニップ内の感光体の地肌部上に存在す
る多数の正常帯電トナーに対しては、キャリア側にスキ
ャベンジされる比較的大きなクーロン力が働くように作
用する。従って、この感光体の地肌部上に存在する多数
の正常帯電トナーによる地汚れは抑制される。しかし、
現像剤中に存在する少数の逆帯電トナーに対しては、上
記現像バイアスにより、逆に感光体側に付着する方向に
クーロン力が働くため、この逆帯電トナーが感光体の非
画像部に付着することになる。
【0013】また、現像剤中の弱帯電トナーに対して
は、キャリア側にスキャベンジさせるクーロン力が小さ
くなるため、該弱帯電トナーはキャリアにスキャベンジ
されずに地肌部に残り易くなる。従って、これまでは、
主に、現像剤中に含まれる逆帯電トナー及び弱帯電トナ
ーが感光体の地肌部に付着することによって、画像の地
肌カブリが引き起こされるものと考えられてきた。な
お、上記の逆帯電トナー及び弱帯電トナーの増加は、主
に現像剤の経時劣化や現像剤の混合撹拌不足が原因であ
ると予測される。
【0014】これらの問題点の対策として、上記感光体
の地肌電位自体に関する問題に対しては、例えば、該感
光体の表面電位の測定結果に応じてその潜像形成条件を
変化させ、該感光体の地肌部の電位を制御する方法が採
用されている。一方、上記感光体上に形成された静電潜
像の現像工程に問題がある場合に対しては、現像剤中の
逆帯電トナーを減少させるような手段が従来より提案さ
れている。例えば、前述の特開平4−1108615号
公報には、現像剤のトナー粒子帯電量分布における適正
帯電領域の分布面積を規定することで、現像剤中の逆・
弱帯電トナー量を規制した地肌カブリの無いシステムが
開示されており、実際に電子写真方式の現像形成装置内
で利用されている。
【0015】しかしながら、近年の、プリント画像の高
画質化を目的とするトナーの小粒径化や、低エネルギー
によりトナー像を定着できるようにするために軟化点を
低くしたトナーの開発などに伴って、上述したように、
単に現像剤中のトナー帯電量分布を規制しただけでは解
決できないような新たな問題が生じてきている。すなわ
ち、新規トナーを用いた場合には、前述のような従来の
対策だけでは画像の地肌カブリが解消されないという問
題が顕在化してきた。
【0016】そこで、本発明者らは、このような新たな
問題に関し、上記のような幅広い分布を持ったトナーを
用いたときの地汚れについて検討したところ、電子写真
感光体上の地肌部に付着して地汚れを起こすトナーは、
逆帯電トナーや弱帯電トナーだけでなく、正常帯電トナ
ー(現像剤中のトナーの帯電量分布のピークに対応した
帯電量をもつトナー)も付着していることが判明した。
また、この正常帯電トナーが、地肌カブリを起こす主な
地汚れトナーとして、感光体の地肌部に付着している場
合もあることが判った。更に、この正常帯電トナーは、
逆帯電トナーや弱帯電トナーに比べ、その現像剤中に占
める量が圧倒的に多いため、この正常帯電トナーが地汚
れトナーとなって転写工程で被転写体上に転写された場
合には、最終的な画像上での地汚れトナーとして目立つ
ケースが多いことも明らかになった。
【0017】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、電子写真感光体上に
地汚れを起こすトナー、特に、地汚れの主原因をなす正
常帯電トナーの電子写真感光体への付着を抑制して、転
写紙などに形成された最終的な画像の地汚れを防止する
ことができる電子写真方法および電子写真装置を提供す
ることである。
【0018】一方、前述の「中抜け」現象は、転写バイ
アスとして直接印加方式を採用している場合、この直接
印加手段としての帯電部材または被転写体が、像担持体
表面に形成されたトナー像を像担持体側に押し付けるた
めに、トナーが像担持体上で凝集することによって生ず
ると考えられている。この問題点の対策として、例え
ば、前記の特開平6−250413号公報に記載された
方法では、ポリ4フツ化工チレン等の離型性材料粉を像
担侍体上に分散して、像担持体表面の水に対する静的接
触角を、110°以上という高い撥水性表面にすること
により、中抜け画像を抑制するようにしているが、この
ような表面状態の感光体を使用した場合、作像動作時に
おけるトナー粉の付着等の要因により、上記接触角を保
持し続けることは事実上不可能であると考えられる。
【0019】また、仮に、上記感光体が上述のような表
面状態を保持できたとしても、近年の、プリント画像の
高画質化を目的とするトナーの小粒径化や、低エネルギ
ーによりトナー像を定着できるように軟化点を低くした
トナーの開発などに伴うトナー構成材料の像担持体に対
する付着性などを考慮しなければ、上述のような「中抜
け」現象を抑制することはで難しいものと予測される。
【0020】このため、近年の電子写真方法及び電子写
真装置では、上述のような新種のトナーの使用を視野に
入れる必要があり、前述したような従来の対策だけで
は、トナー画像の転写時における「中抜け」現象を解消
することが困難になるという問題が顕在化してきた。
【0021】本発明の他の目的とするところは、トナー
及び各部材間の界面科学的特性の相関を把握することに
より、像担持体上に形成されたトナー像が、被転写体に
中抜けとして転写されるという異常画像の発生を抑制す
ることができる電子写真方法及び電子写真装置を堤供す
ることである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像担持体上にトナー像を形成
し、該像担持体上に形成されたトナー像を被転写体上に
転写し、該像担持体上に残留したトナーを除去する画像
形成方法において、上記像担持体の最外層に対して前進
接触角から計算される表面自由エネルギーγsP[前
進]と後退接触角から計算される表面自由エネルギーγ
sP[後退]との差と、上記トナーの構成樹脂に対して
前進接触角から計算される表面自由エネルギーγsT
[前進]と後退接触角から計算される表面自由エネルギ
ーγsT[後退]との差との関係を、γsP[前進]−
γsP[後退]<γsT[前進]−γsT[後退]とし
たことを特徴とするものである。
【0023】この電子写真方法においては、後述するよ
うな理由によって、地汚れの原因となる地汚れトナー、
特に正常帯電トナーの上記像担持体への付着が抑制さ
れ、上記被転写体上に転写された画像の地肌部のトナー
付着による地肌汚れが解消もしくは低減される。また、
この電子写真方法においては、トナー画像の中抜けの原
因となるトナーの上記像担持体への残留が抑制され、上
記被転写体へのトナー像の転写時におけるトナー画像の
中抜け現象が解消もしくは低減される。
【0024】請求項2の発明は、請求項1の電子写真方
法において、上記像担持体が、電子写真プロセスで用い
られる電子写真感光体であることを特徴とするものであ
る。
【0025】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体上への地汚れトナーの付着、特に正常帯電トナ
ーの上記電子写真感光体への付着が抑制され、転写紙等
の被転写体の地肌部のトナー付着による地肌汚れが解消
もしくは低減される。また、この電子写真方法において
は、トナー画像の中抜けの原因となるトナーの上記電子
写真感光体への残留が抑制され、上記被転写体へのトナ
ー像の転写時におけるトナー画像の中抜け現象が解消も
しくは低減される。
【0026】請求項3の発明は、請求項1の電子写真方
法において、上記像担持体が、電子写真プロセスで用い
られる第1の像担持体としての電子写真感光体と、該電
子写真感光体上に形成されたトナ−像をー時的に担持す
る第2の像担持体としての中間転写体と、からなること
を特徴とするものである。
【0027】この電子写真装置においては、地汚れの原
因となる上記第1の像担持体への地汚れトナーの付着、
特に正常帯電トナーの上記像担持体への付着が抑制さ
れ、上記被転写体上に転写された最終的な画像の地肌部
の地汚れを抑えることが可能となる。また、この電子写
真方法においては、トナー画像の中抜けの原因となるト
ナーの上記第2の像担持体への残留が抑制され、上記被
転写体へのトナー像の転写時におけるトナー画像の中抜
け現象が解消もしくは低減される。
【0028】請求項4の発明は、帯電及び露光によって
第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をト
ナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の像
担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担持
体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該像
担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、ま
たは3の電子写真方法において、上記トナーとして、ア
ースされた導電性支持体上に形成したポリカーボネート
膜上に、帯電および露光を行わずに現像バイアスを印加
して帯電したトナーを付着させたとき、該ポリカーボネ
ート膜上に付着したトナーの帯電量分布が、正常帯電ト
ナー(A)と弱帯電あるいは/および逆帯電トナー
(B)とを含み、該正常帯電トナー(A)が、全トナー
量の50%〜100%を占めるような帯電量分布を示す
トナーを用いることを特徴とするものである。
【0029】この電子写真方法においては、地汚れの原
因となる上記第1の像担持体への地汚れトナーの付着、
特に正常帯電トナーの上記像担持体への付着が抑制さ
れ、上記被転写体上に転写された最終的な画像の地肌部
の地汚れを抑えることが可能となる。また、この電子写
真方法においては、トナー画像の中抜けの原因となるト
ナーの上記第2の像担持体への残留が抑制され、上記被
転写体へのトナー像の転写時におけるトナー画像の中抜
け現象が解消もしくは低減される。
【0030】請求項5の発明は、帯電及び露光によって
第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をト
ナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の像
担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担持
体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該像
担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、少なくとも、導電性基体上に直接または下引き
層を介して設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生
層と、該電荷発生層の上に設けられた電荷輸送物質を含
有する電荷輸送層とを有する電子写真感光体からなり、
該電荷輸送層の結着剤が、少なくともポリビニルブチラ
ールを含有することを特徴とするものである。
【0031】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層にポリビニルブチラールを用いること
で、請求項1、及び2の電子写真方法による画像形成に
適した感光体が提供される。これにより、上記像担持体
への地汚れトナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像
担持体への付着が抑制され、上記被転写体上に転写され
た最終的な画像の地肌部の地汚れを抑えることが可能と
なる。
【0032】請求項6の発明は、帯電及び露光によって
第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をト
ナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の像
担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担持
体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該像
担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、少なくとも、導電性基体上に直接または下引き
層を介して設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生
層と、該電荷発生層の上に設けられた電荷輸送物質を含
有する電荷輸送層とを有する電子写真感光体からなり、
該電荷輸送層の結着剤が、少なくともホ゜リメタクリルメチルを
含有することを特徴とするものである。
【0033】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層にホ゜リメタクリルメチルを用いることで、請
求項1、及び2の電子写真方法による画像形成に適した
感光体が提供される。これにより、上記像担持体への地
汚れトナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持体
への付着が抑制され、上記被転写体上に転写された最終
的な画像の地肌部の地汚れを抑えることが可能となる。
【0034】請求項7の発明は、帯電及び露光によって
第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をト
ナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の像
担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担持
体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該像
担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、少なくとも、導電性基体上に直接または下引き
層を介して設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生
層と、該電荷発生層の上に設けられた電荷輸送物質を含
有する電荷輸送層とを有する電子写真感光体からなり、
該電荷輸送層の結着剤が、少なくともポリアミド樹脂を
含有することを特徴とするものである。
【0035】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層にポリアミド樹脂を用いることで、請
求項1、及び2の電子写真方法による画像形成に適した
感光体が提供される。これにより、上記像担持体への地
汚れトナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持体
への付着が抑制され、上記被転写体上に転写された最終
的な画像の地肌部の地汚れを抑えることが可能となる。
【0036】請求項8の発明は、帯電及び露光によって
第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をト
ナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の像
担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担持
体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該像
担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、少なくとも、導電性基体上に直接または下引き
層を介して設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生
層と、該電荷発生層の上に設けられた電荷輸送物質を含
有する電荷輸送層とを有する電子写真感光体からなり、
該電荷輸送層の結着剤が、少なくとも酢酸セルロースを
含有することを特徴とするものである。
【0037】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層に酢酸セルロースを用いることで、請
求項1、及び2の電子写真方法による画像形成に適した
感光体が提供される。これにより、上記像担持体への地
汚れトナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持体
への付着が抑制され、上記被転写体上に転写された最終
的な画像の地肌部の地汚れを抑えることが可能となる。
【0038】請求項9の発明は、帯電及び露光によって
第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をト
ナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の像
担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担持
体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該像
担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、最外層に保護層を有する電子写真感光体からな
り、該保護層として、少なくともポリビニルブチラール
を用いることを特徴とするものである。
【0039】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層の保護層として、ポリビニルブチラー
ルを用いることで、請求項1、2、3、または4の電子
写真方法による画像形成が達成され、上記像担持体への
地汚れトナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持
体への付着が抑制され、上記被転写体上に転写された最
終的な画像の地肌部の地汚れを抑えることが可能とな
る。
【0040】請求項10の発明は、帯電及び露光によっ
て第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を
トナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の
像担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担
持体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該
像担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、最外層に保護層を有する電子写真感光体からな
り、該保護層として、少なくともホ゜リメタクリルメチルを用い
ることを特徴とするものである。
【0041】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層の保護層として、ホ゜リメタクリルメチルを用
いることで、請求項1、2、3、及び4の電子写真方法
による画像形成が達成され、上記像担持体への地汚れト
ナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持体への付
着が抑制され、上記被転写体上に転写された最終的な画
像の地肌部の地汚れを抑えることが可能となる。
【0042】請求項11の発明は、帯電及び露光によっ
て第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を
トナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の
像担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担
持体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該
像担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、最外層に保護層を有する電子写真感光体からな
り、該保護層として、少なくともポリアミド樹脂を用い
ることを特徴とするものである。
【0043】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層の保護層として、ポリアミド樹脂を用
いることで、請求項1、2、3、及び4の電子写真方法
による画像形成が達成され、上記像担持体への地汚れト
ナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持体への付
着が抑制され、上記被転写体上に転写された最終的な画
像の地肌部の地汚れを抑えることが可能となる。
【0044】請求項12の発明は、帯電及び露光によっ
て第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を
トナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の
像担持体上に形成されたトナー像、または、第2の像担
持体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写し、該
像担持体上に残留したトナーを除去する請求項1、2、
3、または4の電子写真方法において、上記第1の像担
持体が、最外層に保護層を有する電子写真感光体からな
り、該保護層として、少なくとも酢酸セルロースを用い
ることを特徴とするものである。
【0045】この電子写真方法においては、上記電子写
真感光体の最外層の保護層として、酢酸セルロースを用
いることで、請求項1、2、3、及び4の電子写真方法
による画像形成が達成され、上記像担持体への地汚れト
ナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持体への付
着が抑制され、上記被転写体上に転写された最終的な画
像の地肌部の地汚れを抑えることが可能となる。
【0046】請求項13の発明は、帯電及び露光によっ
て第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜像を
トナーにより現像してトナー像を形成した後、該第1の
像担持体から第2の像担持体上に転写されたトナー像を
被転写体上に転写し、該像担持体上に残留したトナーを
除去する請求項1、2、3、または4の電子写真方法に
おいて、上記第2の像担持体が、最表層に、少なくとも
フッ素系樹脂を含有する中間転写体からなることを特徴
とするものである。
【0047】この電子写真装置においては、上記中間転
写体の最表層に、少なくともフッ素系樹脂を含有させる
ことで、請求項1、2、3、及び4の電子写真方法によ
る画像形成が達成され、トナー画像の中抜けの原因とな
るトナーの上記中間転写体への残留が抑制され、上記被
転写体へのトナー像の転写時におけるトナー画像の中抜
け現象が解消もしくは低減される。
【0048】請求項14の発明は、帯電及び露光によっ
て上記第1の像担持体上に静電潜像を形成し、該静電潜
像をトナーにより現像してトナー像を形成した後、該第
1の像担持体から第2の像担持体上に転写されたトナー
像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留したトナ
ーを除去する請求項1、2、3、または4の電子写真方
法において、上記第2の像担持体が、最表層に、少なく
ともシリコーン系樹脂を含有する中間転写体からなるこ
とを特徴とするものである。
【0049】この電子写真方法においては、上記中間転
写体の最表層に、少なくともシリコーン系樹脂を含有さ
せることで、請求項1、2、3、及び4の電子写真方法
による画像形成が達成され、トナー画像の中抜けの原因
となるトナーの上記中間転写体への残留が抑制され、上
記被転写体へのトナー像の転写時におけるトナー画像の
中抜け現象が解消もしくは低減される。
【0050】請求項15の発明は、少なくとも、帯電お
よび露光によって像担持体上に形成された静電潜像をト
ナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、ト
ナー像を転写体上に転写する転写手段と、転写後に該像
担持体上に残留するトナーを除去するクリーニング手段
とを有する電子写真装置において、上記像担持体の最外
層に対して前進接触角から計算される表面自由エネルギ
ーγsP[前進]と後退接触角から計算される表面自由
エネルギーγsP[後退]との差と、上記トナーの構成
樹脂に対して前進接触角から計算される表面自由エネル
ギーγsT[前進]と後退接触角から計算される表面自
由エネルギーγsT[後退]との差との関係が、γsP
[前進]−γsP[後退]<γsT[前進]−γsT
[後退]であることを特徴とするものである。
【0051】この電子写真装置においては、地汚れの原
因となる上記第1の像担持体への地汚れトナーの付着、
特に正常帯電トナーの上記像担持体への付着が抑制さ
れ、上記被転写体上に転写された最終的な画像の地肌部
の地汚れを抑えることが可能となる。また、この電子写
真装置においては、トナー画像の中抜けの原因となるト
ナーの上記第2の像担持体への残留が抑制され、上記被
転写体へのトナー像の転写時におけるトナー画像の中抜
け現象が解消もしくは低減される。
【0052】請求項16の発明は、請求項15の電子写
真装置において、上記像担持体が、電子写真プロセスで
用いられる第1の像担持体としての電子写真感光体と、
該電子写真感光体上に形成されたトナ−像をー時的に担
持する第2の像担持体としての中間転写体とからなるこ
とを特徴とするものである。 (以下、余白)
【0053】この電子写真装置においては、地汚れの原
因となる上記第1の像担持体としての電子写真感光体へ
の地汚れトナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担
持体への付着が抑制され、上記被転写体上に転写された
最終的な画像の地肌部の地汚れを抑えることが可能とな
る。また、この電子写真装置においては、トナー画像の
中抜けの原因となるトナーの上記第2の像担持体として
の中間転写体への残留が抑制され、上記被転写体へのト
ナー像の転写時におけるトナー画像の中抜け現象が解消
もしくは低減される。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真方法によ
る電子写真装置の実施形態について説明する。この電子
写真装置は、少なくとも、帯電および露光によって像担
持体としての電子写真感光体(以下、単に「感光体」と
いう)上に形成された静電潜像をトナーにより現像して
トナー像を形成する現像手段と、該トナー像を転写紙な
どの転写体上に転写する転写手段と、該転写体へのトナ
ー像の転写後に該感光体上に残留するトナーを除去する
クリーニング手段とを有している。
【0055】また、上記トナーとしては、アースされた
導電性支持体上に形成されたポリカーボネート膜上に、
帯電および露光を行わずに現像バイアスを印加して帯電
したトナーを付着させたとき、該ポリカーボネート膜上
に付着したトナーの帯電量分布が、正常帯電トナー
(A)と、弱帯電あるいは/および逆帯電トナー(B)
とを含み、正常帯電トナー(A)が主たる割合を占める
帯電量分布を示すトナーが使用される。
【0056】更に、この電子写真装置では、上記感光体
の最外層表面に離型性物質が付与されているか、あるい
は/および該感光体の最外層に離型性物質を含有してお
り、該感光体は、その最外層に対して前進接触角から計
算される表面自由エネルギーγsP[前進]と後退接触
角から計算される表面自由エネルギーγsP[後退]と
の差が、上記トナーの構成樹脂に対して前進接触角から
計算される表面自由エネルギーγsT[前進]と後退接
触角から計算される表面自由エネルギーγsT[後退]
との差より小さくなるように、つまり、 γsP[前進]−γsP[後退]<γsT[前進]−γ
sT[後退] という関係を保つように設定される。
【0057】ここで、上記ポリカーボネート膜上に付着
したトナー(地汚れトナー)の帯電量分布が、正常帯電
トナー(A)と、弱帯電トナーあるいは/および逆帯電
トナー(B)とを含み、正常帯電トナー(A)が主たる
割合を占める帯電量分布を示しているか否かの測定は、
次のようにして行うことができる。
【0058】すなわち、まず、使用される現像剤中のト
ナーの帯電量分布を測定する。このトナーの帯電量分布
は、トナー電荷量qをトナー粒径dで割った値を横軸と
し、トナー数を縦軸とする分布図で示される。従って、
この分布図の横軸位置から、該現像剤中の帯電量分布の
ピークに対応した帯電量を持つトナー、つまり、正常帯
電トナー(A)のピーク値を知ることができる。次い
で、上記ポリカーボネート膜上に付着したトナー(地汚
れトナー)の帯電量分布を測定して、該地汚れトナーの
帯電量分布におけるメインピーク値を、該分布図の横軸
位置から調べる。この結果、該地汚れトナーの帯電量分
布におけるメインピーク値が、現像剤中のトナーの帯電
量分布におけるピーク値に略一致していれば、該地汚れ
トナーの帯電量分布は、正常帯電トナー(A)と、弱帯
電トナーあるいは/および逆帯電トナー(B)とを含
み、正常帯電トナー(A)が主たる割合を占める帯電量
分布を示していることになる。
【0059】このようなトナーの帯電量分布を測定する
方法としては、例えば、チャージスペクトル法を利用し
た方法や、レーザードップラー速度計を使用した方法な
どが知られている。該トナーの帯電量分布は、上記のい
ずれの方法による帯電量分布測定装置を用いて測定して
もよいが、ここでは、上記レーザードップラー速度計を
使用したトナー粒子帯電量分布測定装置(Eスパートア
ナライザー;ホソカワミクロン株式会社製)におけるト
ナーの帯電量分布の測定方法を示す。
【0060】上記現像剤中のトナーの帯電量分布の測定
は、該トナー粒子帯電量分布測定装置における通常の測
定で行うことができる。すなわち、この場合には、ま
ず、磁石で構成されている現像剤保持台に現像剤を保持
させる。次いで、該現像剤保持台に保持した現像剤を、
エアーガン(窒素ガス)により、キャリアとトナーとに
分離して、トナー粒子のみを測定部に吸引導入する。こ
れにより、該測定部に吸引導入されたトナーの帯電量が
順次計測されて、上記現像剤中のトナーの帯電量分布が
得られる。このときの測定条件は、以下の通りである。 窒素ガスブロー圧力:0.4Kg/cm2G 窒素ガスブロー時間:5sec. 窒素ガスブローのインターバル:2sec. 現像剤保持台の回転数:320rpm
【0061】次に、上記ポリカーボネート膜上に付着し
たトナー(地汚れトナー)の帯電量分布を測定する方法
について説明する。この場合には、まず、図1に示すよ
うに、アルミニウム蒸着層1を有するポリエステルフィ
ルム2の上に、ポリカーボネートの被膜3を形成すると
ともに、該アルミニウム蒸着層1とアルミ素管5を導通
させるための導電体としてのアルミホイル4を、該ポリ
エステルフィルム2の端部に取り付ける。次いで、該ア
ルミホイル4により該アルミニウム蒸着層1と該アルミ
素管5とが導通され、且つ、該ポリカーボネート被膜3
が表向きになるように、該アルミ素管5の上に該ポリエ
ステルフィルム2を貼り付ける。
【0062】そして、このポリカーボネート被膜3が取
り付けられたアルミ素管5を、例えば、アナログ式電子
写真複写機(FT−6500;株式会社リコー製)の改
造機に搭載し、帯電および露光を行わずに、−150V
〜−350Vの現像バイアスを印加して、該複写機の現
像装置により、該アルミ素管5のポリカーボネート被膜
3上に、地汚れトナーを付着させる。
【0063】次に、上述のようにして地汚れトナーを付
着させたポリカーボネート被膜3を有するポリエステル
フィルム2を短冊状に切断し、図2に示すように、Eス
パートアナライザーの現像剤保持台6に、この短冊状に
切断した被膜フィルム片7を貼り付ける。そして、この
現像剤保持台6を所定の速度で回転させながら、該被膜
フィルム片7に対してエアーガン8により窒素ガスを吹
き付け、該被膜フィルム片7のポリカーボネート被膜3
から地汚れトナーを分離させ、この分離したトナー粒子
を測定部9に吸引導入させる。これにより、前述の現像
剤中のトナーの帯電量分布を測定する場合と同様に、該
測定部9に吸引導入させた地汚れトナーの帯電量が、該
Eスパートアナライザーによって順次計測されて、該
地汚れトナーの帯電量分布が得られる。このときの測定
条件は、以下の通りである。 窒素ガスブロー圧力:0.6〜0.7Kg/cm2G 窒素ガスブロー時間:30sec. 窒素ガスブローのインターバル:1sec. 現像剤保持台の回転数:1000〜1100rpm
【0064】本実施形態に係る電子写真装置に使用され
る電子写真感光体としては、感光層を有機光導電材料と
樹脂で構成した有機感光体(OPC:Organic Photo Co
nductors)と、感光層をセレン(Se)やアモルファス
シリコン(a−Si)等の無機光導電材料で構成した無
機感光体とがある。また、有機感光体としては、図3
(a)に示すように、支持体(アルミニウム等の金属や
樹脂等からなる管(ドラム)や樹脂ベルト)101の上
に導電層102を形成し、この導電層102の上に、樹
脂と電荷発生剤料からなる電荷発生層(CGL:Carrie
r Generation Layer)103と、樹脂と電荷輸送材料か
らなる電荷輸送層(CTL:Carrier Transport Layer)
104とを積層して有機感光層Aを構成した積層型有機
感光体、及び、図3(b)に示すように、支持体101
の上に導電層102を形成し、この導電層102の上
に、電荷輸送材料と電荷発生剤料とを分散した樹脂膜1
05からなる有機感光層Bを形成した分散型有機感光体
などがある。一方、無機感光体としては、図3(c)に
示すように、支持体101の上に導電層102を形成
し、この導電層102の上に、セレンやアモルファスシ
リコン等の無機光導電材料で構成された半導体やそれら
の積層体からなる無機感光層Cを形成し、更にその上に
樹脂を主体とする保護層106を設けたものなどがあ
る。
【0065】また、上記感光体13の最外層表面の表面
自由エネルギーγsは、以下のようにして求めることが
できる。本実施形態に係る電子写真装置の感光層、又
は、トナーの構成樹脂を、表面の平滑な平板、例えばガ
ラス基板上に形成し、表面自由エネルギーの異なる数種
類の液体に対する動的接触角を測定する。この動的接触
角の測定は、画像処理式接触角測定装置CA−X型(協
和界面化学株式会社製)を用いて行うことができる。具
体的には、該CA−X型のカメラ出力をビデオデッキに
接続し、図4に示すように、上記感光層またはトナーの
構成樹脂が形成された表面の平滑な平板(例えばガラス
基板)30上に、表面自由エネルギーの異なる数種類の
液滴31を置く。そして、該液滴31にシリンジ針32
を刺したまま、図4(a)に示すように該液滴31を大
きくさせたり、図4(b)に示すように該液滴31を小
さくさせたりして、そのときの液滴31の状態をビデオ
録画する。そして、この液滴31の接触角が一定の値で
前進(以下、このときに得られる接触角を「前進接触
角」と呼称する)、又は後退(以下、このときに得られ
る接触角を「後退接触角」と呼称する)する状態の静止
画をビデオプリンターに出力して、そのときの接触角θ
を測定する。以下、これらの前進接触角と後退接触角と
を併せて動的接触角と呼称する。
【0066】ここで用いられる液体としては、n-ヘキサ
デカン、n-テトラデカン、n-ドデカン、n-アンデカ
ン、n-デカン、n-ノナン、n-オクタン、n-ヘプタ
ン、n-ヘキサン、トランスデカリン、ヨウ化メチレ
ン、テトラブロモエタン、α-ブロモナフタレン、アロ
クロール1242、トリクレジルホスフェイト、テトラ
クロロエタン、ヘキサクロロブタジエン、ポリジメチル
シロキサン、水、グリコール、ホルマミド、チオジグリ
コール、エチレンジグリコール、ジエチレンジグコー
ル、ポリエチレングリコール200、ジプロピレングリ
コール等がある。
【0067】上記表面自由エネルギーγsの算出は、日
本接着協会誌・8,131(1972)記載の北崎らの
方法や、J.Adhesion,1974,Vol.6,pp.195-206記載のKael
bleらの方法によって求められる。ここでは、Kaelbleら
の方法について説明する。一般に、固体及び液体の表面
自由エネルギーは、分散力成分γsd、γLdと、極性
成分γsp’、γLp’との和としてそれぞれ表され
る。ここで、極性成分は、クーロン力成分γsp、γL
pと水素結合成分γsh、γLhとを含んでおり、γs
p’=γsp+γsh、γLp’=γLp+γLhとな
る。また、分散力成分及び極性成分の平方根をそれぞれ
α、βとすると、固体及び液体の表面自由エネルギー
は、
【数1】 γL=γLd+γLp’=αL2+βL2 γs=γsd+γsp’=αs2+βs2 …(1) となる。
【0068】ここで、二つの物質間の界面における相互
作用の結果減少するそれぞれの自由エネルギーは、対応
する表面張力成分の幾何平均の和として表すことがで
き、一方に対応する成分がない場合は、その成分の相互
作用はないと考え、そのときの界面張力γ12は、前記の
北崎らの説によれば、
【数2】 と表すことができる。この北崎らの仮定が成り立つとす
ると、Young-Duperの式から、
【数3】 W=(1+cosθ)γL=2(αL・αs+βL・βs) ∴(1+cosθ)γL/2αL=αs+βs(βL/αL) という関係が導かれる。ここで、θは固体と液体との間
で形成される接触角である。従って、縦軸に、(1+co
sθ)γL/2αLをとり、横軸に、βL/αLをプロット
すると、その傾きから固体の極性成分の平方根βsを、
また、y切片から固体の分散成分の平方根αsを求める
ことができる。これにより、固体の表面自由エネルギー
γsは、αs2+βs2として求められる。
【0069】以下、本実施形態に係る電子写真装置の構
成例について説明する。 「構成例1」この構成例では、アルミニウムを1000
〓の厚さに蒸着した75μmの厚さのポリエステルフィ
ルム上に、ポリアミド(CM8000,株式会社東レ
製)からなる0.5μmの下引き層を儲け、その上にポ
リカーボネートZ(帝人化成株式会社製)の9wt%テ
トラヒドロフラン(以下、「THF]と呼称する)の溶
液をドクターブレードにて塗布し、乾燥させてポリカー
ボネートZの単独膜を作成した。次に、上記ポリカーボ
ネートZ単独膜をアルミ素管に貼り付け、アナログ複写
機FT−6500(株式会社リコー製)の改造機に搭載
し、帯電・露光を行わず、現像剤としてPPC現像剤タ
イプ1(株式会社リコー製)を用いて、該ポリカーボネ
ートZ単独膜に直接現像動作を行った。このとき、ポリ
カーボネートZ単独膜のアルミ蒸着膜はアースし、現像
バイアスは−150Vととした。また、上記の操作の
間、該ポリカーボネートZ単独膜には、クリーニングブ
レード等何も接触しないようにして現像のみを行った。
【0070】このようにして上記ポリカーボネートZ単
独膜上に付着させた地汚れトナーの帯電量分布を、前記
のレーザドップラー速度計を使用したトナー粒子帯電量
分布測定装置(Eスパートアナライザー;ホソカワミク
ロン株式会社製)によって測定したところ、図6に示す
ような帯電量分布が得られた。図6において、横軸はト
ナーの電荷量Qをトナー粒径dで割った値を表してお
り、縦軸はトナー数を表している。図6に示されるよう
に、ポリカーボネートZ単独膜上に付着したトナーの帯
電量分布は、正常帯電トナー(図5に示す現像剤の帯電
量分布と略一致している領域のトナー)と弱・逆帯電ト
ナーから構成され、正常帯電トナーが主たる割合(50
%から100%)を占める帯電量分布を示している。
【0071】次に、下記の構造式(P)のビスアゾ顔料
0.4重量部を、ブチラール樹脂(エスレックBL−
S;積水化学(株)製)の5重量%THF溶液4重量
部、及びTHF7.6重量部とともにボールミリング
し、ミリング後、THFを加えて2重量%に希釈し、電
荷発生層形成用塗液(感光液)を調整した。そして、こ
の感光液をアルミニウムを1000〓の厚さに蒸着し
た、75μmのポリエステルフィルム上にドクターブレ
ードにて塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成した。
【化1】
【0072】次に、下記構造式(D)の正孔輸送物質を
6重量部、ポリビニルブチラール(XYHL、ユニオン
カーバイド社製)9重量部をTHF67重量部に溶解
し、これを電荷発生層上に塗布して乾燥させた膜厚が2
0μmの電荷輸送層を設け、電子写真感光体を作成し
た。
【化2】
【0073】更に、上記感光体をアルミ素管に貼り付
け、前記ポリカーボネートZ単独膜と同様な方法で、該
感光体上に地汚れトナーを付着させた。そして、この感
光体に付着させた地汚れトナーを粘着透明テープに転写
し、この地汚れトナーの付着した粘着テープを白紙上に
貼り付け、この地汚れトナーの地汚れレベルを、自動濃
度計TC−6MC(東京電色技術センター株式会社製)
を用いて、画像濃度(ID)として光学的に評価した。
更に、感光体上の地汚れトナーの帯電量分布を測定した
ところ、図6に比較して主に正常帯電部のトナーの付着
量が減少していた。
【0074】また、上記感光体を用いて、現像時の現像
ローラに−250Vの現像バイアスを印加しながらコピ
ー動作を行い、コピーされた紙上の画像を評価した。ま
た、上記と同様の感光層をガラス基板上に形成し、動的
接触角を測定し、γsP[前進]−γsP[後退]を求
めた。これらの結果を表1に示す。
【0075】更に、上記現像剤のトナー構成樹脂である
ポリエステル樹脂(荒川化学工業株式会社製)ルナペー
ル1447)70重量部と、スチレン・ノルマルブチル
メタアクリレート共重合体30重量部とのメチルエチル
ケトン樹脂液をガラス基板上に塗布し、その動的接触角
を測定し、γsT[前進]、γsT[後退]を求めた結
果、それぞれ36.8dyn/cm、40.7dyn/
cmであった。
【0076】「構成例2」この構成例では、上記「構成
例1」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをポリメタクリル酸メチル(Elvacite 2010、Du Po
nt 社製)に変えた以外は、上記「構成例1」と同様な
構成として、該「構成例1」の場合と同じ実験を行っ
た。この結果を表1に示す。
【0077】「構成例3」この構成例では、上記「構成
例1」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをポリアミドに変えた以外は、上記「構成例1」と
同様な構成として、該「構成例1」の場合と同じ実験を
行った。この結果を表1に示す。
【0078】「構成例4」この構成例では、上記「構成
例1」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールを酢酸セルロース(関東化学株式会社製)に変えた
以外は、上記「構成例1」と同様な構成として、該「構
成例1」の場合と同じ実験を行った。この結果を表1に
示す。
【0079】「比較例1」この比較例では、上記「構成
例1」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをポリカーボネートZに変えた以外は、上記「構成
例1」と同様な構成として、該「構成例1」の場合と同
じ実験を行った。この結果を表1に示す。
【0080】「比較例2」この比較例では、上記「構成
例1」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをピコラスティックD125(Esso Standard 社
製)に変えた以外は、上記「構成例1」と同様な構成と
して、該「構成例1」の場合と同じ実験を行った。この
結果を表1に示す。
【0081】「構成例5」この構成例では、アルミニウ
ムを1000〓の厚さに蒸着した、厚さ75μmのポリ
エステルフィルム上に、非晶質シリコンからなる無機感
光層を形成し、更にその上にポリビニルブチラールのTH
F溶液を用い、浸漬塗工法により1μmの保護層を設け
た。そして、このようにして作成した電子写真感光体を
アルミ素管に貼り付け、前記ポリカーボネートZ単独膜
と同様な方法で地汚れトナーを付着させた。この地汚れ
レベルは上記「構成例1」と同様に画像濃度で評価し
た。また、上記感光体を用いて、「構成例1」と同様に
コピー動作を行い、転写紙上の画像を評価した。更に、
上記と同様の感光層をガラス基板上に形成し、その動的
接触角を測定し、上記γsP[前進]―γsP[後退]
を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0082】「構成例6」この構成例では、上記「構成
例5」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをポリメタクリル酸メチルに変えた以外は、上記
「構成例5」と同様な構成として、該「構成例5」の場
合と同じ実験を行った。この結果を表1に示す。
【0083】「構成例7」この構成例では、上記「構成
例5」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをポリアミドに変えた以外は、上記「構成例5」と
同様な構成として、該「構成例5」の場合と同じ実験を
行った。この結果を表1に示す。
【0084】「構成例8」この構成例では、上記「構成
例5」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールを酢酸セルロースに変えた以外は、上記「構成例
5」と同様な構成として、該「構成例5」の場合と同じ
実験を行った。この結果を表1に示す。
【0085】「比較例3」この比較例では、上記「構成
例5」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをポリカーボネートZに変えた以外は、上記「構成
例5」と同様な構成として、該「構成例5」の場合と同
じ実験を行った。この結果を表1に示す。
【0086】「比較例4」この比較例では、上記「構成
例5」の電荷輸送層の結着剤として、ポリビニルブチラ
ールをピコラスティックD125(Esso Standard 社
製)に変えた以外は、上記「構成例5」と同様な構成と
して、該「構成例5」の場合と同じ実験を行った。この
結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】図7に本実施形態に係る電子写真装置のー
例の概略図を示す。この電子写真装置は、1つの感光体
ドラム10の周囲に、4色のトナーを個々に収容した4
個の現像器Y,M,C,Bkが並置されており、該感光
体ドラム10上に異なった色成分毎に形成されるトナー
像を、中間転写体11上に順次重ね転写し、この重ね転
写されたトナー像を、転写紙等にー括転写することによ
って、カラー画像を得る1ドラム中間転写方式の電子写
真装置である。
【0089】図7において、周知の電子写真プロセスに
より、まず、帯電部において、感光体ドラム10の表面
が、スコロトロン帯電器12により、一様にマイナス帯
電(約一600V)される。次いで、露光部において、
該感光体ドラム10の表面に、画像情報に応じたレーザ
光13が照射される。これにより、該感光体ドラム10
の表面に、該画像情報に応じた−100V〜−500V
の静電潜像が形成される。ここで、上記感光体ドラム1
0の帯電条件や露光条件などは、該感光体ドラム10の
表面の帯電電位や露光部電位を電位センサで検出して、
適宜、制御することができる。
【0090】上記感光体ドラム10の表面に形成された
静電潜像は、現像部に配置された上記4色の各現像器
Y,M,C,Bkにより、選択的に現像されて、1色目
のトナーによりトナー像化される。ここで、各現像器
Y,M,C,Bkとしては、乾式2成分現像剤を用い、
上記感光体ドラム10上の低電位部にマイナス帯電トナ
ーを付着させる反転現像方式の現像器を用いた。また、
各現像器Y,M,C,Bkの現像バイアス値は、約一5
00Vとした。この現像バイアスには、交流成分を重畳
させてもよい。
【0091】上記感光体ドラム10の回転方向の上記現
像部の下流側の位置には、Pセンサ15が設置されてい
る。該Pセンサ15は、上記感光体ドラム10の表面の
光学的反射率から、該感光体ドラム10の表面のトナー
付着量を検出して、上記電子写真プロセスのプロセス条
件を制御する。
【0092】上述のような電子写真プロセスにより、上
記感光体ドラム10上に形成された1色目のトナー画像
は、中間転写体11上に順次転写される。この中間転写
体11の裏面の電極には、転写電圧(Vt)が印加され
る。この転写電圧(Vt)は、図示しない転写電源によ
って、該中間転写体11の裏面に配設されたバイアスロ
ーラ16、17などを通して供給される。該転写電源の
出力値は制御部(不図示)によってコントロールされ
る。ここで、上記感光体ドラム10と中間転写体11と
は、図示しない接離機構によって接離可能に構成されて
いる。以下、上記の転写電源や接離機構などをまとめ
て、「1次転写手段」と称し、上記感光体ドラム10か
ら中間転写体11上へのトナー画像の転写を「1次転
写」と称す。
【0093】1次転写後の感光体ドラム10上の残留ト
ナーは、PCC18によって、上記感光体ドラム10の
表面の帯電量が制御された後、、ドラムクリーニング装
置19のクリーニングブラシ19a及びクリーニングブ
レード19bにより、該感光体ドラム10上から除去さ
れる。また、上記感光体ドラム10上の残留電荷は、除
電ランプ20により、除去される。
【0094】このようにして、上記中間転写体11上に
1色目のトナー画像が転写された後、該1色目のトナー
画像の場合と同様に、上記感光体ドラム10上への2色
目のトナー画像の作像動作が開始さる。そして、上記中
間転写体11上に、上記2色目のトナー画像が、上記1
色目のトナー画像に重ね合わされて転写される。このと
き、上記中間転写体11上に各色のトナー画像が転写さ
れる順番毎に、該中間転写体11に印加する転写電圧を
増加させていってもよい。
【0095】そして、フルカラー画像の場合には、黒
(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)の4色のトナー画像を、上記中間転写体11上
に、順次、重ね合わせて、該中間転写体11上にフルカ
ラー画像を形成した後、このフルカラー画像を、転写ロ
ーラ21により、記録紙22上に一括して転写する。上
記転写ローラ21は、図示しない接離機構によって、上
記中間転写体11と接離可能に構成されている。また、
該転写ローラ21には、図示しない転写電源によって電
圧が印加可能となっている。
【0096】上記中間転写体11上から記録紙22上へ
のトナー画像の転写は、該中間転写体11の裏面の電極
をアースとし、上記転写ローラ21により、上記記録紙
22の裏側からプラス極性の電圧を印加する。これらの
転写ローラ21、接離機構、転写電源などをまとめて、
以後、「2次転写手段」と称し、上記中間転写体11か
ら記録紙22上へのトナー画像の転写を「二次転写」と
称す。
【0097】上記2次転写後の中間転写体11上に残留
したトナーは、ベルトクリーニング装置23によって除
去される。また、上記2次転写後の中間転写体11上に
残留した電荷は、交流コロナ放電などによる除電装置に
より除電される。
【0098】このようにして、上記中間転写体11上へ
のトナー画像の1次転写工程が完全に終了した後、該中
間転写体11の電極(基板)を接地状態に切り替え、2
次転写部において、記録体22上に各色のトナー画像を
ー括して転写する。このとき、上記転写ローラ21に、
+2000V程度の転写電圧を印加する。そして、上記
2次転写工により、記録紙22上に一括転写された各色
のトナー画像は、該記録体22が定着部に搬送されるこ
とにより、該記録体22上に熱溶融定着される。
【0099】一方、本発明でいう像担持体の表面自由エ
ネルギーの制御方法については、該像担持体表面に高い
離型性を付与せしめることによって達成される。このよ
うな像担持体としての上記感光体ドラム10や上記中間
転写体11の表面の雛型性を高める方法としては、 像担持体表面の膜を構成する樹脂自体に表面エネルギ
ーの低いものを用いる。 像担持体の最外層に、撥水・撥油性を付与するような
添加剤を加える。 像担持体の最外層に、高い離型性を有する材料を粉体
状にして分散する(特開平6−250413号公報、特
開平6−95413号公報等)。 像担持体表面に、高い離型性を有する材料を塗布す
る。 等の方法が挙げられる。
【0100】ここで、の例としては、例えば、像担持
体表面の膜を構成する樹脂の構造中に、フッ素含有基
や、シリコン含有基等を導入する。の方法としては、
シリコンオイルや界面活性剤等を添加剤とする。とし
ては、含フッ素ポリマー、例えば、ポリ4フッ化工チレ
ン、ポリフッ化ビニリデン等の粉体の分散が好適であ
る。の例としては、金属石鹸(高級脂肪酸のアルカリ
金属以外の金属塩)やフッ素系有機酸等の固形・液体離
型剤を適宜像担持体上に供給する方法等がある。このよ
うな処置により、上記像担持体表面の離型性が向上さ
れ、転写時におけるトナー画像の「中抜け」現象が解消
される。
【0101】上記のフッ素含有基を構成するフッ素系
樹脂の例としては、テトラフルオロエチレン、トリフル
オロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、モノ
クロロトリフルオロエチレン、1−クロロ−2,2−ジ
フルオロエチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフル
オロエチレン、ビニリデンクロロフルプライド、ヘキサ
フルオロプロペン、3,3,3,2−テトラフルオロプ
ロペン、トリフルオロメチルエチレン、2−フルオロプ
ロペン、2−クロロ−1,1,3,3、3−ペンタフル
オロプロペン、1,1、2−トリクロロ−3−トリフル
オロプロペン、パーフルオロ−1−ブテン、パーフルオ
ロ−1−ペンテン、パーフルオロ−1−ノネン、パーフ
ルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレ
ン、パーフルオロデシルエチレン、パーフルオロドデシ
ルエチレン等の含フッ素オレフィン;トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、ヘキサクロロブチル(メタ)アクリ
レート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヘプタデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、
ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレ−ト;アルキルビニル
エーテルの水素原子のー部または全部がフッ素原子で置
換されているフッ化アルキルビニルエーテル;脂肪酸ビ
ニルエステルの水素原子のー部または全部がフッ素原子
で置換されているフッ化脂肪酸ビニルエステル等のホモ
ポリマーあるいはこれらフッ素原子を含有するエチレン
性不飽和モノマーと、ヒドロキシアルキルビニルエーテ
ル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、アリルアルコ
ール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アク
リル酸、メタクリル酸等のフッ素原子を含有しないエチ
レン性不飽和モノマーやグリシジルビニルエーテル、エ
チレン、プロピレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、エチレンビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリル
エステル類、オレフィン等との共重合体が挙げられる。
【0102】また、上記のシリコン含有基を構成する
シリコーン樹脂の例としては、モノメチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、エチルシリケート、ジメチルジクロ
ロシラン等のシラン類のニ量体以上のオリゴマーあるい
はそのオリゴマーから誘導されるシロキサンの形で用い
ることができ、さらに上記シラン類にメラミン樹脂、ベ
ンゾグアナミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の
改質用樹脂を混合・変性したものでもよい。
【0103】更に、上記「中抜け」現象を低減させる他
の方法としては、第1の像担持体としての上記感光体ド
ラム10、及び、第2の像担持体としての上記中間転写
体11の最表層に、金属石鹸(高級脂肪酸のアルカリ金
属以外の金属塩)からなる離型性層を設けてもよい。こ
れにより、上記第1及び第2の像担持体へのトナーの残
留が低減し、上記の「中抜け」現象が低減される。
【0104】ここで、上記金属石鹸とは、カチオン(陽
イオン)成分が有機酸成分によって表される化合物を意
味し、該金属石鹸を構成する金属としては、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニ
ウム、ガリウム、チタン、ジルコニウム、クロム、モリ
ブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、錫、鉛、カドミウム、銀等が挙げられる。また、該
金属石鹸を構成する酸としては、カルボン酸、アルキル
硫酸、スルホン酸、リン酸エステル等の酸性基を有する
有機酸が挙げられる。好ましい金属石鹸の例としては、
ナフテン酸鉄、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸ニッケ
ル、ナフテン酸ジルコニウム、オクテン酸鉄、オクテン
酸ニッケル、オクテン酸ジルコニウム、トリステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸
マンガン、ステアリン酸ジルコニウム、オレイン酸マン
ガン、オレイン酸銅、樹脂酸鉛、石油酸バリウム、2−
エチルヘキシルスルホコハク酸マンガン等が挙げられ
る。
【0105】上記のように、像担持体表面に離型性物
質を付与する表面性制御手段としては、特開昭56−1
54778号公報、特開昭57−58181号公報、特
開昭59−197068号公報、特開平1−25939
2号公報等に開示されたものが知られている。
【0106】図8に、上記のように、上記像担持体に
離型性材料を塗布する離型剤塗布装置の具体的な例を示
す。この離型剤塗布装置は、上記像担持体としての感光
体ドラム10に、離型剤を塗布する例である。図8にお
いて、前記ドラムクリーニング装置19内には、前記の
クリーニングブラシ19aに離型剤を塗布する塗布ロー
ラ24と、該塗布ローラ24に当接された離型剤からな
る固形潤滑剤25とが配設されている。ここで、上記固
形潤滑剤25としては、ステアリン酸亜鉛を主成分とす
る離型性材料を溶融し、冷却固化させたものを用いた。
【0107】上記固形潤滑剤25は、上記塗布ローラ2
4の周面に供給された後、上記クリーニングブラシ19
aのブラシ繊維によって、約1μm程度の微粒子として
削り取られ、該ブラシ繊維により、上記感光体ドラム1
0の表面に付着される。その後、この感光体ドラム10
の表面に付着された上記固形潤滑剤25の微粒子は、前
記クリーニングブレード19bの当接圧力によって、該
感光体ドラム10の表面に比較的強固に付着される。
【0108】ここで、現像効率を考慮すると、上記感光
体ドラム10上の離型剤の塗布量は必要最小限にするこ
とが望ましい。このため、この離型剤塗布装置では、ソ
レノイドなどの接離機構によって、上記塗布ローラ24
に対して上記固形潤滑剤25を、または、クリーニング
ブラシ19aに対して上記塗布ローラ24を、接離させ
るように構成されている。また、上記クリーニングブラ
シ19aとしては、炭素含有アクリル繊維による360
デニール/24フィラメント、5万本/lnch2、毛
足長さ5ミリ程度の直毛ブラシを用いた。この直毛ブラ
シの植毛密度や繊維の太さなどは、感光体ドラム10の
線速、感光体のドラム径、感光体の材質、上記固形潤滑
剤25の材質などにより、上記感光体ドラム10への供
給量が最適となるように決定される。
【0109】「構成例9」この構成例では、図7に示し
た電子写真装置において、上記第1の像担持体である上
記感光体ドラム10として、前記「構成例1」の感光体
を用い、上記第2の像担持体である上記中間転写体11
として、エチレン−テトラ−フルオロエチレン(ETF
E)樹脂の中に、カーボンブラックを分散させた、表面
抵抗値が109Ω/□、体積抵抗値が1010Ωcmの単
層の中抵抗ベルトを用い、2次転写時のベルト転写バイ
アス値は+1200Vとした。ここで、現像剤中のトナ
一帯電量は、−30μC/g程度であった。また、2次
転写工程後の中間転写体11のベルト上でのトナー帯電
量の平均値Qは、−17.7μC/gであった。
【0110】そして、非画像部の帯電電位をVd=−6
00Vとし、露光部の電位をVL=−100Vとして、
シアンで幅200μmのライン画像を、500μmヒッ
チで形成し、感光体ドラム10上、中間転写体11上、
記録紙22上の各トナー画像を、ハイパーマイクロスコ
ープ(VH−6110型、キーエンス社製)にて200
倍に拡大観察し、「中抜け」画像品位を判定した。ま
た、ガラス基板上に形成した上記と同様の感光層と中間
転写ベルト片に対して、動的接触角を測定し、γsP
[前進]−γsP[後退]を求めた。さらに、上記現像
剤のトナー構成樹脂であるポリエステル樹脂(荒川化学
工業社製 ルナペール1447)70重量部とスチレン
・ノルマルブチルメタアクリレート共重合体30重量部
とのメチルエチルケトン樹脂液をガラス基板上に塗布
し、動的接触角を測定し、γST[前進]、γST[後
退]を求めた結果、それぞれ36.8、40.7dyn
/cmであった。これらの結果を表2に示す。
【0111】
【構成例10】この構成例では、上記構成例9におい
て、前記「構成例2」の感光体を用いた。
【構成例11】この構成例では、上記構成例9におい
て、前記「構成例3」の感光体を用いた。
【構成例12】この構成例では、上記構成例9におい
て、前記「構成例4」の感光体を用いた。
【構成例13】この構成例では、上記構成例9におい
て、上記中間転写体11を構成する樹脂として、ETF
Eを、ポリフッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合
体(エルフアトケム社製)に変えた。
【構成例14】この構成例では、上記構成例9におい
て、上記中間転写体11を構成する樹脂として、FTF
Eを、ポリジメチルシロキサンに変えた。
【構成例15】この構成例では、上記構成例9におい
て、上記感光体ドラム10の電荷輸送層結着剤として、
ポリカーボネイトを用い、図8に示したような離型剤塗
布装置をドラムクリーニング装置19に設け、離型性物
質としてステアリン酸亜鉛を用いた。以下、前記比較例
1と同様な構成とし、該構成例1の場合と同じ実験を行
った。この結果を表2に示す。 (以下、余白)
【構成例16】この構成例では、上記構成例15の離型
性物質として、ステアリン酸亜鉛を、トリステアリン酸
アルミニウムに変えた。以下、上記構成例15と同様な
構成とし、該構成例15の場合と同じ実験を行った。こ
の結果を表2に示す。
【0112】
【表2】
【0113】
【発明の効果】請求項1乃至14の発明によれば、上記
像担持体の最外層に対する前進接触角から計算される表
面自由エネルギーγsP[前進]と後退接触角から計算
される表面自由エネルギーγsP[後退]との差と、上
記トナーの構成樹脂に対する前進接触角から計算される
表面自由エネルギーγsT[前進]と後退接触角から計
算される表面自由エネルギーγsT[後退]との差との
関係が、γsP[前進]−γsP[後退]<γsT[前
進]−γsT[後退]であるので、上記像担持体上に、
地汚れトナー、特に、正常帯電の地汚れトナーが付着し
難くなり、最終的な画面上での地肌汚れを抑えることが
可能となる。また、トナー画像の中抜けの原因となるト
ナーの上記像担持体への残留が抑制され、被転写体への
トナー像の転写時におけるトナー画像の中抜け現象を解
消もしくは低減できるという優れた効果がある。
【0114】特に、請求項5、及び9の発明によれば、
上記像担持体の最外層にポリビニルブチラールを用いる
ことで、請求項1乃至4の電子写真方法を実現する像担
持体を提供することができ、上記像担持体上への地汚れ
トナーの付着、特に、正常帯電の地汚れトナーが付着し
難くなり、最終的な画面上での地肌汚れを抑えることが
可能となり、また、トナー画像の中抜け現象を解消もし
くは低減できるという優れた効果がある。
【0115】また、請求項6、及び10の発明によれ
ば、上記像担持体の最外層にポリメタクリル酸メチルを
用いることで、請求項1乃至4の電子写真方法を実現す
る像担持体を提供することができ、上記像担持体上への
地汚れトナーの付着、特に、正常帯電の地汚れトナーが
付着し難くなり、最終的な画面上での地肌汚れを抑える
ことが可能となり、また、トナー画像の中抜け現象を解
消もしくは低減できるという優れた効果がある。
【0116】また、請求項7、及び11の発明によれ
ば、上記像担持体の最外層にポリアミド樹脂を用いるこ
とで、請求項1乃至4の電子写真方法を実現する像担持
体を提供することができ、上記像担持体上への地汚れト
ナーの付着、特に、正常帯電の地汚れトナーが付着し難
くなり、最終的な画面上での地肌汚れを抑えることが可
能となり、また、トナー画像の中抜け現象を解消もしく
は低減できるという優れた効果がある。
【0117】また、請求項8、及び12の発明によれ
ば、上記像担持体の最外層に酢酸セルロースを用いるこ
とで、請求項1乃至4の電子写真方法を実現する像担持
体を提供することができ、上記像担持体上への地汚れト
ナーの付着、特に、正常帯電の地汚れトナーが付着し難
くなり、最終的な画面上での地肌汚れを抑えることが可
能となり、また、トナー画像の中抜け現象を解消もしく
は低減できるという優れた効果がある。
【0118】請求項13の発明によれば、上記第2の像
担持体が、最表層に、少なくともフッ素系樹脂を含有す
る中間転写体からなるので、請求項1、2、3、及び4
の電子写真方法による画像形成が達成され、トナー画像
の中抜けの原因となるトナーの上記中間転写体への残留
が抑制され、上記被転写体へのトナー像の転写時におけ
るトナー画像の中抜け現象を解消もしくは低減できると
いう優れた効果がある。
【0119】請求項14の発明によれば、上記第2の像
担持体が、最表層に、少なくともシリコーン系樹脂を含
有する中間転写体からなるので、請求項1、2、3、及
び4の電子写真方法による画像形成が達成され、トナー
画像の中抜けの原因となるトナーの上記中間転写体への
残留が抑制され、上記被転写体へのトナー像の転写時に
おけるトナー画像の中抜け現象を解消もしくは低減でき
るという優れた効果がある。
【0120】請求項15の発明によれば、地汚れの原因
となる上記第1の像担持体への地汚れトナーの付着、特
に正常帯電トナーの上記像担持体への付着が抑制され、
上記被転写体上に転写された最終的な画像の地肌部の地
汚れを抑えることが可能となり、トナー画像の中抜けの
原因となるトナーの上記第2の像担持体への残留が抑制
され、上記被転写体へのトナー像の転写時におけるトナ
ー画像の中抜け現象が解消もしくは低減されるので、画
像品質の高い電子写真装置を提供できるという優れた効
果がある。
【0121】請求項16の発明によれば、地汚れの原因
となる上記第1の像担持体としての電子写真感光体への
地汚れトナーの付着、特に正常帯電トナーの上記像担持
体への付着が抑制され、上記被転写体上に転写された最
終的な画像の地肌部の地汚れを抑えることが可能とな
り、また、トナー画像の中抜けの原因となるトナーの上
記第2の像担持体としての中間転写体への残留が抑制さ
れ、上記被転写体へのトナー像の転写時におけるトナー
画像の中抜け現象を解消もしくは低減できるという優れ
た効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る電子写真方法および電子写真装
置におけるトナーの帯電量分布の測定方法を説明するた
めの概略図。
【図2】上記トナーの帯電量分布の測定動作を説明する
ための概略斜視図。
【図3】(a)、(b)、(c)は、上記電子写真装置
に使用される電子写真感光体の構成を示す要部拡大断面
図。
【図4】(a)及び(b)は、上記電子写真感光体表面
の動的接触角の測定方法を示す概略図。
【図5】電子写真装置で使用される現像剤の帯電量分布
を示す分布図。
【図6】上記電子写真感光体表面に付着したトナーの帯
電量分布を示す分布図。
【図7】上記電子写真装置の構成例を示す概略図。
【図8】上記電子写真装置における離型剤塗布装置の構
成例を示す概略図。
【符号の説明】
1 アルミニウム蒸着層 2 ポリエステルフィルム 3 ポリカーボネート被膜 4 アルミホイル 5 アルミ素管 6 現像剤保持台 7 被膜フィルム片 8 エアーガン 9 測定部 10 感光体ドラム 11 中間転写体 24 塗布ローラ 25 固形潤滑剤 30 平板 31 液滴 32 シリンジ針 101 支持体 102 導電層 103 電荷発生層 104 電荷輸送層 105 樹脂膜 106 保護層 θ 動的接触角

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体上にトナー像を形成し、該像担持
    体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写し、該像
    担持体上に残留したトナーを除去する電子写真方法にお
    いて、 上記像担持体の最外層に対して前進接触角から計算され
    る表面自由エネルギーγsP[前進]と後退接触角から
    計算される表面自由エネルギーγsP[後退]との差
    と、上記トナーの構成樹脂に対して前進接触角から計算
    される表面自由エネルギーγsT[前進]と後退接触角
    から計算される表面自由エネルギーγsT[後退]との
    差との関係を、 γsP[前進]−γsP[後退]<γsT[前進]−γ
    sT[後退] としたことを特徴とする電子写真方法。
  2. 【請求項2】請求項1の電子写真方法において、 上記像担持体が、電子写真プロセスで用いられる電子写
    真感光体であることを特徴とする電子写真方法。
  3. 【請求項3】請求項1の電子写真方法において、 上記像担持体が、電子写真プロセスで用いられる第1の
    像担持体としての電子写真感光体と、該電子写真感光体
    上に形成されたトナ−像をー時的に担持する第2の像担
    持体としての中間転写体と、からなることを特徴とする
    電子写真方法。
  4. 【請求項4】帯電及び露光によって第1の像担持体上に
    静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成され
    たトナー像、または、第2の像担持体上に転写されたト
    ナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留した
    トナーを除去する請求項1、2、または3の電子写真方
    法において、 上記トナーとして、アースされた導電性支持体上に形成
    したポリカーボネート膜上に、帯電および露光を行わず
    に現像バイアスを印加して帯電したトナーを付着させた
    とき、該ポリカーボネート膜上に付着したトナーの帯電
    量分布が、正常帯電トナー(A)と弱帯電あるいは/お
    よび逆帯電トナー(B)とを含み、該正常帯電トナー
    (A)が、全トナー量の50%〜100%を占めるよう
    な帯電量分布を示すトナーを用いることを特徴とする電
    子写真方法。
  5. 【請求項5】帯電及び露光によって第1の像担持体上に
    静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成され
    たトナー像、または、第2の像担持体上に転写されたト
    ナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留した
    トナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子写
    真方法において、 上記第1の像担持体が、少なくとも、導電性基体上に直
    接または下引き層を介して設けられた電荷発生物質を含
    有する電荷発生層と、該電荷発生層の上に設けられた電
    荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する電子写真感
    光体からなり、該電荷輸送層の結着剤が、少なくともポ
    リビニルブチラールを含有することを特徴とする電子写
    真方法。
  6. 【請求項6】帯電及び露光によって第1の像担持体上に
    静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成され
    たトナー像、または、第2の像担持体上に転写されたト
    ナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留した
    トナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子写
    真方法において、 上記第1の像担持体が、少なくとも、導電性基体上に直
    接または下引き層を介して設けられた電荷発生物質を含
    有する電荷発生層と、該電荷発生層の上に設けられた電
    荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する電子写真感
    光体からなり、該電荷輸送層の結着剤が、少なくともホ゜
    リメタクリルメチルを含有することを特徴とする電子写真方
    法。
  7. 【請求項7】帯電及び露光によって第1の像担持体上に
    静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成され
    たトナー像、または、第2の像担持体上に転写されたト
    ナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留した
    トナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子写
    真方法において、 上記第1の像担持体が、少なくとも、導電性基体上に直
    接または下引き層を介して設けられた電荷発生物質を含
    有する電荷発生層と、該電荷発生層の上に設けられた電
    荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する電子写真感
    光体からなり、該電荷輸送層の結着剤が、少なくともポ
    リアミド樹脂を含有することを特徴とする電子写真方
    法。
  8. 【請求項8】帯電及び露光によって第1の像担持体上に
    静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成され
    たトナー像、または、第2の像担持体上に転写されたト
    ナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留した
    トナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子写
    真方法において、 上記第1の像担持体が、少なくとも、導電性基体上に直
    接または下引き層を介して設けられた電荷発生物質を含
    有する電荷発生層と、該電荷発生層の上に設けられた電
    荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する電子写真感
    光体からなり、該電荷輸送層の結着剤が、少なくとも酢
    酸セルロースを含有することを特徴とする電子写真方
    法。
  9. 【請求項9】帯電及び露光によって第1の像担持体上に
    静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成され
    たトナー像、または、第2の像担持体上に転写されたト
    ナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留した
    トナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子写
    真方法において、 上記第1の像担持体が、最外層に保護層を有する電子写
    真感光体からなり、該保護層として、少なくともポリビ
    ニルブチラールを用いることを特徴とする電子写真方
    法。
  10. 【請求項10】帯電及び露光によって第1の像担持体上
    に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像し
    てトナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成さ
    れたトナー像、または、第2の像担持体上に転写された
    トナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留し
    たトナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子
    写真方法において、 上記第1の像担持体が、最外層に保護層を有する電子写
    真感光体からなり、該保護層として、少なくともホ゜リメタク
    リルメチルを用いることを特徴とする電子写真方法。
  11. 【請求項11】帯電及び露光によって第1の像担持体上
    に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像し
    てトナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成さ
    れたトナー像、または、第2の像担持体上に転写された
    トナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留し
    たトナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子
    写真方法において、 上記第1の像担持体が、最外層に保護層を有する電子写
    真感光体からなり、該保護層として、少なくともポリア
    ミド樹脂を用いることを特徴とする電子写真方法。
  12. 【請求項12】帯電及び露光によって第1の像担持体上
    に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像し
    てトナー像を形成した後、該第1の像担持体上に形成さ
    れたトナー像、または、第2の像担持体上に転写された
    トナー像を被転写体上に転写し、該像担持体上に残留し
    たトナーを除去する請求項1、2、3、または4の電子
    写真方法において、 上記第1の像担持体が、最外層に保護層を有する電子写
    真感光体からなり、該保護層として、少なくとも酢酸セ
    ルロースを用いることを特徴とする電子写真方法。
  13. 【請求項13】帯電及び露光によって第1の像担持体上
    に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像し
    てトナー像を形成した後、該第1の像担持体から第2の
    像担持体上に転写されたトナー像を被転写体上に転写
    し、該像担持体上に残留したトナーを除去する請求項
    1、2、3、または4の電子写真方法において、 上記第2の像担持体が、最表層に、少なくともフッ素系
    樹脂を含有する中間転写体からなることを特徴とする電
    子写真方法。
  14. 【請求項14】帯電及び露光によって上記第1の像担持
    体上に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現
    像してトナー像を形成した後、該第1の像担持体から第
    2の像担持体上に転写されたトナー像を被転写体上に転
    写し、該像担持体上に残留したトナーを除去する請求項
    1、2、3、または4の電子写真方法において、 上記第2の像担持体が、最表層に、少なくともシリコー
    ン系樹脂を含有する中間転写体からなることを特徴とす
    る電子写真方法。
  15. 【請求項15】少なくとも、帯電および露光によって像
    担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像して
    トナー像を形成する現像手段と、トナー像を転写体上に
    転写する転写手段と、転写後に該像担持体上に残留する
    トナーを除去するクリーニング手段とを有する電子写真
    装置において、 上記像担持体の最外層に対して前進接触角から計算され
    る表面自由エネルギーγsP[前進]と後退接触角から
    計算される表面自由エネルギーγsP[後退]との差
    と、上記トナーの構成樹脂に対して前進接触角から計算
    される表面自由エネルギーγsT[前進]と後退接触角
    から計算される表面自由エネルギーγsT[後退]との
    差との関係が、 γsP[前進]−γsP[後退]<γsT[前進]−γ
    sT[後退] であることを特徴とする電子写真装置。
  16. 【請求項16】請求項15の電子写真装置において、 上記像担持体が、電子写真プロセスで用いられる第1の
    像担持体としての電子写真感光体と、該電子写真感光体
    上に形成されたトナ−像をー時的に担持する第2の像担
    持体としての中間転写体とからなることを特徴とする電
    子写真装置。
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