JP2007183339A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーナレス方式の画像形成装置において、帯電補助部材に特定な研磨剤をトナーと遊離させ、単独で付着させることで、ドラムを摺擦し、放電生成物を除去して、画像流れやフィルミングの発生を防止する。
【解決手段】トナーの帯電極性と同極性の電圧が印加される帯電補助手段として、導電性繊維で構成されたブラシ部材を有し、該繊維の繊度は0.5デニール以上4デニール以下、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下であり、画像形成用トナーには、トナーの帯電極性とは逆の帯電極性の無機微粒子を添加し、該無機微粒子の平均一次粒径はトナー母粒子の平均一次粒径の1/20以下、トナーの凝集度は15%以上、該無機微粒子のトナー母粒子に対する添加量は0.2質量%以上、且つトナー母粒子に対する該無機微粒子の遊離率は15個数%以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フルカラー画像形成装置に関するものである。
昨今、複写機、プリンター、Faxといった出力端末をすべてかね備えた複合機が市場で広く受け入れられるようになってきている。このようなネットワーク対応の出力端末として電子写真システムが広く受け入れられてきているが、大きな問題の一つとして本体のデューティーサイクル(DutyCycle)がある。このデューティーサイクルとはサービスマンによるメンテナンスなしで本体が正常に稼動し続ける限界枚数のことであるが、デューティーサイクルの最大の律速となっている一つに感光ドラムの寿命が挙げられている。
また、エコロジーの観点から廃棄物をなくす、すなわち消耗品を減らすこと、消耗品の寿命を延ばすこと、信頼性を上げることが我々の絶対的課題となってきている。従来のアナログの装置からデジタル化が進み、本体コストはアナログと等価もしくは、それ以下にすることも我々の絶対的課題となってきている。
さらに、近年では複写機ならびにプリンターでは、従来白黒機が主流であったが、オフィスにおいても原稿もしくは出力ファイルのフルカラー化が急増している。前記アナログ等価デジタル機というばかりか、本体コストならびにランニングコスト白黒等価フルカラープリンターが我々の絶対的課題となってきている。そのためには、TCO(ユーザーからみた全体の必要費用)を画期的に下げることが可能な技術が望まれている。
このような状況の中で、近年複数の感光体と、記録材を担持搬送する転写ベルトを備え、この転写ベルトに担持された記録材にそれぞれの感光体に形成された異なる色のトナー像を順次重ねて転写することによってカラー画像を得るカラー画像形成装置、タンデム方式のカラー画像形成装置が主流となってきている。
像担持体表面に形成したトナー像を中間転写体上に多重転写し、中間転写体上のトナー像を紙を主体とする転写材に転写する工程を繰り返す画像形成装置においては、転写の際、中間転写体に転移せず像担時体に残る残留トナーをその都度充分に除去することが必須である。
このため、クリーニング手段としては、従来から幾多の提案がなされているが、ウレタンゴムなどの弾性材料からなるクリーニングブレードによって前記残留トナーを掻き落とすようなものが、その構成が簡単でコンパクトで低コストであり、しかもトナー除去機能もすぐれているのでひろく実用化されている。クリーニングブレードのゴム材料としては、高硬度でしかも弾性に富み、耐摩耗性、機械的強度、耐油性、耐オゾン性、に卓越しているウレタンゴムが一般的に使われている。
また、昨今では、感光体の削れ寿命を延ばす観点から、システムとしてクリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で感光体上から除去・回収して再利用するようにしたクリーナレスシステムが採用されている。この現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきではない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。この方法によれば、カウンターブレード等のクリーニング手段が必要ないので、感光体に対して摺擦する部材が減ることになり感光体の削れ寿命は飛躍的に良化させることが可能になった。
感光体としては、導電性支持体の表面上に順次積層された光導電層(光導電層を機能分離した場合も含む)および表面層を有するアモルファスシリコン系感光体及び、導電性支持体上に有機物質の感光層および保護層を設けて、該表面層にフッ素原子樹脂微粒子を含有するものが用いられ、削れにくく長寿命化には適した感光体として受け入れられている。しかしながら、アモルファスシリコン系感光体などはまだまだ高価であるため、それほど浸透していない。近年では、有機感光体の最外層の膜強度を高くすることによって耐摩耗性及び耐傷性を向上させることで高耐久な感光体を得、さらに、繰り返し使用時における残留電位の上昇等の感光体特性変化や劣化が非常に少なく、繰り返し使用時も安定した性能を発揮することができる電子写真感光体として、硬化性樹脂を表面層に含有した感光体を用いることが主流になってきている。
しかしながら、特に高湿環境での使用やプロセススピードが速い機械に用いた場合、これらの耐摩耗性の高い感光体は、感光体の削れが少ないために、表面に付着した帯電生成物を、感光体の表面を削ることにより除去させることが困難であり、画像流れやブレードの損傷や鳴き、捲れなどの問題がさらに顕著に発生しやすい傾向にある。
これらの問題に対して、トナー中に研磨作用を有する粒子を添加し、前記の如き感光体表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善させることが知られている。しかしながら従来用いられていた研磨粒子は粒径が大きく、粒度分布もブロードなため感光体表面を均一に研磨するには、トナーに多量に添加する必要がある。この研磨作用を有する粒子を多量に添加すると現像特性(特に飛散や反転かぶり、研磨粒子の蓄積)への問題が発生しやすかった。
この点を改良したものとして、粒径を細かくして疎粒を少なくしたチタン酸ストロンチウムを提案し、少量の添加で優れた研磨効果がある無機微粉体を提案しているものもある(特許文献1参照)。
また、同様に上記の問題に対して、クリーニングブレードを有する画像形成装置の場合、クリーニングブレード直前にファーブラシを設置して感光体上の転写残トナーやクリーニングブレードで掻き取られた廃トナーを再度クリーニングブレードと感光体の当接ニップに供給することによってクリーニングブレードの損傷やビビリ、鳴き等を改善する提案等もされている(特許文献2参照)。
しかしながら、前記のクリーナレス方式を用いた画像形成装置に於いて、削れ量が少なく長寿命である硬化性樹脂を表面層に含有した感光体を用いた場合、クリーニングブレードによる摺擦効果が発揮されないため、感光体自身としては削れ量が低下して削れ等の影響のよる寿命は大幅に増加する。しかしながら、その反面、クリーニングブレードでの摺擦が無く、放電生成物や、外添剤やトナーの微粉等が次第に蓄積してゆき、高湿環境下で画像がぼける、所謂、画像流れ現象や、低湿環境下において顕著な融着、フィルミング現象の発生が起こり易くなってきている。
従って、クリーナレス方式を用いた画像形成装置においても、研磨効果のある無機微粒子を用いて、補助部材、特にブラシ部材に付着させ、そこでドラムを摺擦することで放電生成物を研磨除去し、画像流れやフィルミングを防止するという提案がなされている(特許文献3参照)。
特開2002-162878 特開2002−318467 特開平11‐237822
先にも述べたように現像同時クリーニングは、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成し、該静電潜像の現像工程過程時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって、トナーで現像されるべきではない感光体面部分上(非画像部)に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。前記のクリーナレス方式を用いた画像形成装置に於いて、転写残トナーが再度現像部に到達する前段階で、反転した転写残トナーの極性を元のトナー帯電極性に戻すためにトナーを帯電する手段が必須となり、そこで注入、もしくは放電電流を発生させることにより反転トナーを正規極性に戻してやることが必須の技術である。しかしながら、前述の提案のようにトナー帯電手段であるブラシに研磨剤を付着させる場合は、研磨剤のみならず、反転した転写残トナーまでも付着させてしまい、クリーナレスの命綱ともいえるトナー帯電部材の抵抗を上げてしまい、注入や放電電流を発生できなくなってしまい、トナーの極性を正規の極性に戻すことが困難となる。
本発明者らは鋭意検討した結果、前記した問題点が、以下の画像形成装置を使用することで、解決でき、長寿命を維持しつつ、且つ画像流れやフィルミングなど、放電生成物の蓄積によって発生していた問題を、感光体を効果的に摺擦研磨することで防止することが可能となったことを見出した。
(1)像担持体と該像担持体の表面を帯電する帯電手段及び、前記像担持体上に形成された形成された潜像を現像する現像手段を有し、形成されたトナー画像が転写される転写手段とを備えている画像形成装置において、前記像担持体の回転方向に対して、前記転写手段の位置する転写部よりも下流で、且つ前記帯電手段の位置する帯電部よりも上流の位置にトナーの帯電極性と同極性の電圧が印加される帯電補助手段として、導電性を有す繊維で構成されたブラシ部材を有しており、ブラシを構成する繊維の繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されており、前記トナー画像を形成するトナーは、前記トナーの帯電極性とは逆の帯電極性である無機微粒子を添加したトナーであり、該無機微粒子の平均一次粒径は該添加させるトナー母体粒子の平均一次粒径の1/20以下で、トナーの凝集度は15%以上であり、該無機微粒子のトナー母体粒子に対する添加量は0.2質量%以上で、且つトナー母体粒子に対する該無機微粒子の遊離率は15個数%以上であることを満たすことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記無機微粒子の平均一次粒径は30nm以上300nm以下であることを特徴とする(1)の画像形成装置。
(3)前記トナーの帯電極性と同極性の電圧が印加される帯電補助手段は、転写された後残留したトナーをトナーの帯電極性と同極性に帯電するトナー帯電手段で、前記トナー帯電手段で帯電されたトナーは前記現像装置で再び回収するクリーナレスシステムであることを特徴とする(1)または(2)の画像形成装置。
(4)前記帯電補助手段を構成する繊維は、公定水分量が6%以下の合成繊維を用いたブラシであることを特徴とする(1)乃至(3)の画像形成装置。
(5)前記トナーに添加する無機微粒子は、疎水化処理された微粒子であることを特徴とする(1)乃至(4)の画像形成装置。
(6)前記トナーに外添する無機微粒子は、立方体もしくは、直方体の粒子形状を有していることを特徴とする(1)乃至(5)の画像形成装置。
(7)前記トナーに外添する無機微粒子は、ペロブスカイト型のチタン酸ストロンチウム結晶の微粒子であることを特徴とする(1)乃至(6)の画像形成装置。
(8)前記像担持体の表面は、温度25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であることを特徴とする(1)乃至(7)の画像形成装置。
本発明によれば、長寿命を実現するための手段である脱ブレードクリーニングを実現するクリーナレスシステムを採用する際に問題となり、且つ削れにくい感光体ドラムを使用する際にさらに問題となる画像流れやフィルミングの発生を特別な摺擦部材を用いる必要は無い。すなわち、本発明では、クリーナレスシステムにおける特有の必須技術であるトナー帯電補助部材であるブラシに静電的に付着しやすい極性及び、付着させるのに適正な粒径、遊離率の研磨剤を選択し、トナー帯電補助部材に付着させる。その結果、研磨効果を出せること、且つ該ブラシにトナー母体をなるべく付着させずに、研磨剤のみを選択的に付着させ、トナー帯電手段の機能は維持することを目的としている。
従って、硬度が高く、高耐久な感光ドラムを使用しても、画像流れや融着、フィルミングが発生しないで、長期にわたり安定した画像形成が行え、長寿命で低ランニングコストが達成できた。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、転写方式電子写真プロセス、接触帯電方式、反転現像方式を用いた、最大通紙サイズがA3サイズのカラーレーザープリンタである。この画像形成装置100は、画像形成装置本体(装置本体)と通信可能に接続された外部ホスト装置からの画像情報に応じて転写材、例えば、用紙、OHPシート、布などにフルカラーの画像を形成し、出力することができる。画像形成装置100は、複数個のプロセスカートリッジ8を有し、各プロセスカートリッジ8により、一旦、中間転写体91に連続的にトナー像を多重転写し、その後転写材Pに一括転写することによりフルカラープリント画像を得る4連ドラム方式(インライン)の画像形成装置である。プロセスカートリッジ8は、中間転写ベルト91の移動方向において直列にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に4個配置されている。
本実施例では、複数の像形成手段たるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の画像形成部PY、PM、PCは、使用する現像剤の色が異なる他は同一の構成とされるので、以下、特に区別を要しない場合は、各画像形成部の要素であることを示す符号の添え字Y、M、Cは省略し、総括的に説明する。例えば、4色フルカラー画像を形成する場合の全体動作を説明すると、画像形成装置100と通信可能に接続された外部ホスト装置からの信号に従って、色分解された画像信号が生成され、この信号に応じて、各画像形成部PY、PM、PCの各プロセスカートリッジ8Y、8M、8Cにおいて各色のトナー像の形成が行われる。黒色の画像形成部PBkにはカートリッジではない画像形成ユニット8Kがあり、画像形成が行われる。各プロセスカートリッジ8Y、8M、8Cと黒色の画像形成ユニット8Kでは、像担持体としての電子写真感光体(感光ドラム)1を帯電手段2によって帯電させ、その一様帯電面を露光手段3によって走査露光することで感光ドラム1上に静電潜像を形成する。次いで、この静電潜像に現像手段4によって現像剤であるトナーを供給することによりトナー像を形成する。各感光ドラム1に形成された各色のトナー像は、移動する中間転写体(第2の像担持体)としての中間転写ベルト91上に順次重ね合わせて転写される。そして、中間転写ベルト91上に形成されたフルカラーのトナー像は、中間転写ベルト91と2次転写手段としての2次転写ローラ10とが対向する2次転写部に搬送されてきた転写材P上に一括転写される。次いで、転写材Pは定着手段12に搬送され、ここでトナー像の定着を受けた後、機外に排出される。
以下、図2をも参照して、画像形成装置100の各構成要素について、順次より詳しく説明する。
画像形成装置100は、像担持体として回転ドラム型の電子写真感光体(感光ドラム)1を有する。本実施例では、感光ドラム1Y、1M、1Cは有機光導電体(OPC)ドラムであり、外径は30mm、中心支軸を中心に204mm/secのプロセススピード(周速度)をもって図中矢示の反時計方向に回転駆動される。
ここで感光体ドラム1Y、1M、1Cについて説明する。
本発明におけるHU(ユニバーサル硬さ値)、及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1secの保持時間で273点)測定した。
出力チャートの概略を図3に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
HU(ユニバーサル硬さ値:以下HUと呼ぶ)は、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)によって規定される。
弾性変形率は圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(2)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図3中のA-B-D-Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量Wo(nW)はC-B-D-Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率We=Wo/Wt ×100(%) (2)
前述の如く、有機電子写真感光体に求められる性能として機械的劣化に対する耐久性の向上が挙げられる。一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなく、HUと弾性変形率の値が、ある範囲の場合に感光体表面層の機械的劣化が起り難くなる。
すなわち、ビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだ時のHUが150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ、弾性変形率が45%以上65%以下である電子写真感光体を用いることによって飛躍的に向上した。また、更なる特性の向上にはHU値が160N/mm2以上200N/mm2以下であることがより好ましい。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが例えばHUが220N/mm2を超えるものであるとき、弾性変形率が45%未満であると帯電ローラ等に挟まれた紙粉やトナーが感光体の弾性力が不足し、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても弾性変形量は小さくなってしまう。その結果として局部的に大きな圧力が作用し、深い傷が発生してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm2未満で弾性変形率が65%を超えるものの場合、たとえ弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまい帯電ローラ等に挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり細かい傷が発生したりしてしまう。
本発明において用いられる感光体ドラムは、少なくとも表面層が重合または架橋して硬化された化合物を含有した電子写真感光体からなる。なお、この硬化手段としては、熱、可視光や紫外線などの光、更に放射線を用いることができる。
したがって、この実施形態において、感光体の表面層を形成する方法としては、表面層用として用いられる、重合または架橋により硬化可能な化合物を、融解または含有している塗布溶液を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティングなどにより塗布した後、この塗布された化合物を硬化手段により硬化する方法が採用される。
これらのうち、感光体を効率よく大量生産する方法としては、浸漬コーティング法がもっとも好ましく、この第1の実施形態においても浸漬コーティング法を採用することが可能である。
また、この実施形態による感光体ドラムの構成は、外径が例えば約30mmの導電性基体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する層構成の単層型か、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層を、順次または逆順に積層した構成の積層型のいずれかである。さらに、感光層上に表面保護層を形成することも可能である。
また、この発明の実施形態においては、少なくとも感光体の表面層が、熱や可視光、紫外線などの光、さらに放射線により重合または架橋し硬化させることができる化合物を含有していればよい。そして、好ましくは、感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性および耐久性の観点から、電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した機能分離型の感光体構成、または、この機能分離型の感光体構成で積層された感光層上に、さらに表面保護層を形成した構成とするのが好ましい。
この実施形態においては、表面層における、重合または架橋における化合物の硬化方法としては、感光体特性の劣化が少なく、残留電位の上昇が発生せず、十分な硬度を示すことができることから、好適には、放射線が用いられる。
放射線による重合は重合開始剤を特に必要とせず、非常に高純度な3次元マトリックスの表面層を作成することができ、良好な電子写真特性を示す感光体を得ることができることから好ましい。
この重合または架橋を発生させる際に使用する放射線としては、電子線またはガンマ線が望ましい。これらのうちの電子線を使用する場合、加速器として、スキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などのあらゆる形式を使用することが可能である。
また、電子線を照射する場合においては、この第1の実施形態による感光体における電気特性および耐久性能を発現するために、照射条件としては、加速電圧を250kV以下とするのが好ましく、150kV以下がより好ましい。また、照射線量を、10kJ/kg以上1000kJ/kg以下の範囲内にするのが好ましく、50kJ/kg以上200kJ/kg以下の範囲内とするのがより好ましい。
加速電圧が250kVより大きいと、感光体特性に対する電子線照射による損傷、いわゆるダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が10kJ/kgより少ないと、硬化が不十分となりやすい。また、線量が1000kJ/kgより多い場合には感光体特性の劣化が生じやすいため、この観点から、線量は、上述の範囲内から選択するのが望ましい。
さらに、表面層をより硬化させるために、電子線による重合反応時に加熱すると良い。加熱するタイミングとしては、ラジカルが存在する間に感光体が一定の温度になっていればよいため、電子線照射前、照射後、何れの段階で加熱しても良い。加熱温度は、感光体の温度が室温以上250℃以下となるように調節すればよく、より好ましくは50℃以上150℃以下である。加熱温度が250℃より高い場合には電子写真感光体の材料に劣化が生じてしまう。
加熱する時間は、その温度にもよるが、おおよそ数秒から数十分程度でよい。照射及び加熱時の雰囲気は、大気中、窒素及びヘリウム等の不活性ガス中、真空中の何れの場合であっても構わない。酸素によるラジカルの影響を抑制できるという点で、不活性ガス中或いは真空中が好ましい。
また、重合または架橋により硬化可能な表面層用の化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、および硬化後に達成される硬度の高さの観点から、分子内に不飽和重合性官能基を含む化合物が好ましい。
さらに、不飽和重合性官能基を分子内に有する化合物の中でも、特に、アクリル基、メタクリル基およびスチレン基を有する化合物が好ましい。
この第1の実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物とは、その構成単位の繰り返しの状態により、モノマーとオリゴマーとに大別される。モノマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的分子量の小さいものを示す。
他方、オリゴマーとは、不飽和重合性官能基を有する構造単位の繰り返し数が2から20程度の重合体である。さらに、ポリマーまたはオリゴマーの末端のみに不飽和重合性官能基が結合した、いわゆるマクロマーを、この第1の実施形態による表面層用の硬化性化合物として使用することも可能である。
また、この実施形態による不飽和重合性官能基を有する化合物は、表面層として必要とされる電荷輸送機能を満足させるために、電荷輸送化合物を採用することが、より好ましい。この電荷輸送化合物の中でも、正孔輸送機能を持った不飽和重合性化合物であることがさらに好ましい。
次に、この実施形態における電子写真感光体の感光層について説明する。
先ず、アルミ等の導電性支持体上にバリアー機能と接着機能とを有する下引き層を設け、その上に電荷発生層及び電荷輸送層を積層したものであり、この場合、感光層の厚みは、5μm以上30μm以下の範囲である。また、このときの感光層の膜厚とは、電荷発生層、電荷輸送層および表面保護層におけるそれぞれの膜厚を合計したものである。
この実施形態による不飽和重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、上述した電荷発生層上に電荷輸送層として用いることができる。または、電荷発生層上に、電荷輸送層と結着樹脂とからなる電荷輸送層を形成した後に、表面保護層として用いることもできる。
いずれの場合も、表面層の形成方法は、正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合または硬化反応させるのが一般的である。なお、あらかじめ正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させることにより硬化物を得た後、再度溶剤中に分散または溶解させたものなどを用いて、表面層を形成することも可能である。
また、上述の溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、およびスピンコーティング法などが知られている。そして、効率性/生産性の観点から、溶液を塗布する方法としては、浸漬コーティング法が望ましい。なお、蒸着やプラズマ処理などの、その他公知の製膜方法を適宜選択することが可能である。
また、表面層の比抵抗は、108Ωm以上1015Ωm以下の範囲にすることが望ましく、より望ましくは、1010Ωcm以上1013Ωcm以下である。
また、この実施形態においては、表面層中にフッ素原子含有樹脂粒子を含有している。このフッ素原子含有樹脂粒子としては、たとえば4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂および、これらの共重合体の中から少なくとも1種類以上を適宜選択するのが好ましい。
そして、上述のフッ素原子含有樹脂粒子としては、特に、4フッ化エチレン樹脂およびフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。なお、樹脂粒子の分子量や粒径は、適宜選択することが可能であり、必ずしも上述の分子量や粒径に限定されるものではない。
表面層中におけるフッ素原子含有樹脂の割合は、表面層の全質量に対して、典型的には、2質量%以上40質量%以下であり、好適には、5質量%以上30質量%以下である。これは、フッ素原子含有樹脂粒子の割合が、40質量%より多いと表面層の機械的強度が低下し易くなり、3質量%より少ないと表面層の表面の離型性、表面層の耐磨耗性や耐傷性が不十分になる可能性があるためである。
この発明の実施形態においては、上述したように表面層内にフッ素原子含有樹脂を含有させること等により、感光層表面の離型性を上げることが望ましく、この離型性を示す指標として純水に対する接触角Cを使用すると、接触角Cは、85度≦C≦130度が好ましい。接触角Cが85度未満では、感光ドラム表面の離型性が低すぎて現像工程で回収しきれず、感光ドラム表面を連れ回っているトナーや外添剤等が固着し、融着やフィルミングが発生しやすくなる。また、接触角が130度を超えるようになると、離型性が高すぎてブラシ手段等で十分な摺擦力を与えられなくなりチタン酸ストロンチウムによる研磨効果が発揮しにくくなる。
なお、接触角測定は、常温常湿(23.5℃、60%)環境条件下において、協和界面科学株式会社製接触角計CX−A型を用いて行った。
この発明の実施形態においては、分散性、結着性および耐候性をより向上させるために、表面層中に、ラジカル補足剤や酸化防止剤などの添加物を加えることも可能である。また、この第1の実施形態において表面保護層の膜厚は、好適には、0.2μm以上10μm以下の範囲であり、より好適には、0.5μm以上6μm以下の範囲である。
上記のようにして形成した感光ドラムを画像形成装置に供する場合、感光体表面の平滑性を向上させるためや、フッ素樹脂を感光体表面によりしっかりと露出させるため、表面層を粗面化することが好ましい。表面層の粗さとしてはRzjis(μm)で0.1μm以上1.5μm以下が好適である。表面層の粗さが0.1μmより小さいと、フッ素樹脂の露出が不十分になりやすい。また、表面層の粗さが1.5μmより大きくなると、表面凹部へのブラシの摺擦が不十分になる。更に好ましくは表面層の粗さは0.2μm以上0.6μm以下が望ましい。
感光ドラム表面を粗面化するには、#3000等の塗粒を有するラッピングテープで研磨する、又は、ガラスや有アルミナ等のビーズを用いたブラスト処理等によって行う。
なお、以後、本発明における表面粗さRzとは、十点平均粗さRzjisを意味し、これはJIS B0601(2001)に基づき、サーフコーダSE3400(小坂研究所)にて、測定長さ2.5mm、測定速度0.1mm/sec、カットオフ0.8mmで測定した値を示すものとする。
次に、電子写真感光体(感光体A)の製造方法について説明する。
特に本実施例においては、感光体ドラム1Y、1M、1Cとしては、以下のようにして作成したものを使用した。30φのアルミニウムシリンダーを硬度試験用と実機テスト用として用意する。導電層用の塗料を以下の手順で調整した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(質量部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調整した。この塗料をシリンダー上に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分乾燥して、膜厚23μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、中間層用塗料を調整した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラック角2θ±0.2度が9.0度、14.2度、23.9度及び27.1度に強いピ−クを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3部、ポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBM2、積水化学(株)製)3部及びシクロヘキサノン35部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60部を加えて電荷発生層用塗料を調製した。この塗料を前記の中間層の上に浸漬コーティング法で塗布して50℃で10分間乾燥し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層を形成した後、下記構造式(4)のスチリル化合物を10部
および下記構造式(5)の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂10部を
(Mv≒20000)
モノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調整した。この塗布液を前記の電荷発生層上に浸漬コーティングし、120℃で1時間乾燥することによって膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
次いで、構造式(3)の正孔輸送性化合物60部をモノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗料を調整した。この保護層用塗料には、フッ素原子含有樹脂粒子として4フッ化エチレン樹脂を保護層の全重量に対して10wt%含有させた。
この塗布液を前記の電荷輸送層上にコーティングし、酸素濃度10ppmの雰囲気下で加速電圧150KV、照射線量50KGyの条件で電子線を照射した。その後引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分加熱処理をおこない、更に硬化度を上げるため、空気中で140℃になる条件下で1時間加熱処理を行い、膜厚5μmの保護層を形成し、電子写真感光体(感光体A)を得た。
上記で作成したドラム表面の純水に対する接触角を求めると100度であった。接触角は協和界面科学社製のCA−X型を用いて測定した。
また、感光ドラム1Bkは、電子写真感光体用の導電性基体の上に、光受容層が設けられているものを使用した。光受容層は、導電性基体側から順に、a−Si系下部電荷注入阻止層と、a−Si:H(水素化a−Si)から成り、光導電性を有する光導電層とa−SiC系表面層とから構成されており、表面層は自由表面を有している。又、光導電層は導電性基体側から順に、第1の層領域と第2の層領域とから成り、機能分離がなされている。又、光導電層と表面層の界面を連続的に変化させて、界面反射を抑制するように界面制御を行うのが好ましい。更に、必要に応じて光導電層にハロゲン原子を添加したa−Si:(H,X)により形成しても良い。又、表面層は、a−SiN系、a−C系等、他の材料により形成しても良い。
本実施例では、画像形成装置100の画像形成部PY、PM、PCの各プロセスカートリッジ8Y、8M、8Cにおける帯電手段として、接触帯電器である帯電ローラ2を有する。帯電ローラ2に所定の条件の電圧を印加することで、感光ドラム1を一様に負極性に帯電させる。帯電ローラ2の長手長さは320mmであり、芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表面層2dとを下から順次に積層した3層構成とした。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、中間層2cは帯電ローラ2全体として均一な抵抗を得るための抵抗層であり、表面層2dは感光ドラム1上にピンホールなどの欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。本実施例の帯電ロ一ラ2は、芯金2aとして直径6mmのステンレス丸棒を用い、表面層としてフッ素樹脂にカーボンを分散させており、ローラとしての外径は14mm、ローラ抵抗は10Ω以上10Ω以下とした。帯電ロ一ラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材により回転自在に保持させると共に、押圧ばねによって感光ドラム1方向に付勢して、感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させている。又、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。そして、電圧印加手段としての電源20から、直流電圧に所定周波数の交流電圧を重畳した所定の振動電圧(帯電バイアス電圧Vdc+Vac)が、芯金2aを介して帯電ローラ2に印加され、回転する感光ドラム1の周面が所定の電位に帯電処理される。帯電ローラ2と感光ドラムの接触部が帯電部aである。本実施例では、帯電ローラ2に印加する帯電バイアス電圧は、−500Vの直流電圧と、周波数=1985Hz、ピーク間電圧Vpp=1400V、正弦波の交流電圧とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗部電位Vd)に一様に接触帯電処理される。又、帯電ローラ2に対して、帯電ローラクリーニング部材2fが設けられている。本実施例では、帯電ローラクリーニング部材2fは、可撓性を持つクリーニングフィルムである。このクリーニングフィルム2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、且つ、同長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。支持部材2gが、画像形成装置100の駆動モーターによりギア列を介して駆動され、長手方向に一定量の往復運動をすることで、帯電ローラ2の表面層2dがクリーニングフィルム2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2の表面層2dの付着汚染物(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。感光ドラム1は、帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理された後、画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャンによる走査露光系など)による画像露光Lを受ける。これにより、目的のカラー画像の各画像形成部PY、PM、PC、PBkに対応した色成分の静電潜像が形成される。
またBkの画像形成部PBkの画像形成ユニット8Kにおける帯電手段としては、コロナ帯電手段を用いている。
本実施例では露光手段として、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナ3を用いた。レーザビームスキャナ3は、画像読み取り装置(図示せず)などのホスト装置から画像形成装置100側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、回転する感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザ走査露光(イメージ露光)する。このレーザ走査露光により、感光ドラム1面のレーザ光Lで照射されたところの電位が低下することで、回転する感光ドラム1面には、走査露光した画像情報に対応した静電潜像が形成される。本実施例では、露光部電位Vlを−150Vとした。感光ドラム1における画像露光Lの照射位置が露光部bである。次いで、その感光ドラム1に形成された静電潜像は、現像手段としての現像器4でトナーにより現像される。本実施例において、現像器4は2成分接触現像器(2成分磁気ブラシ現像器)である。現像器4は、現像容器(現像器本体)40、内部に固定配置されたマグネットローラを有する現像剤担持体としての現像スリーブ41、現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード42、現像容器40に収容した主に樹脂トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)との混合物である二成分現像剤(現像剤)46、現像容器40内の底部側に配設した現像剤攪拌部材43、44などを具備する。現像スリーブ41は、その外周面の一部を外部に露呈させて現像容器40内に回転可能に配設されている。現像スリーブ41には、所定間隙を有して現像剤規制ブレード42が対向されており、現像スリーブ41の図中矢印方向の回転に伴い、現像スリーブ41上に現像剤薄層を形成する。本実施例では、現像スリーブ41は、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保たせて感光ドラム1に近接させて対向配設した。感光ドラム1と現像スリーブ41との対向部が現像部cである。又、現像スリーブ41は現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動される。現像スリーブ41上の現像剤薄層は、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して、感光ドラム1を適度に摺擦する。現像スリーブ41には電圧印加手段としての電源(図示せず)から所定の現像バイアス電圧が印加される。本実施例では、現像スリーブ41に印加する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−350VのVdcと、1800Vpp、周波数=2300HzのVacとを重畳した振動電圧である。このようにして、回転する現像スリーブ41上に薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤46中のトナーが、現像バイアス電圧による電界によって感光ドラム1に形成された静電潜像に対応して選択的に付着することで、静電潜像がトナー像として現像される。本実施例では、感光ドラム1上の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。現像部cを通過した現像スリーブ41上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ41の回転に伴い現像容器40内の現像剤溜り部に戻される。更に、現像器4内には、現像剤攪拌部材としての撹拌スクリュー43、44が設けられている。攪拌スクリュー43、44は、現像スリーブ41の回転と同期して回転し、補給されたトナーをキャリアと攪拌・混合して、トナーに所定の帯電電荷を与える機能を有する。又、攪拌スクリュー43、44は、それぞれ長手方向において反対方向に現像剤46を搬送し、現像剤46を現像スリーブ41に供給すると共に、現像工程によりトナー濃度(現像剤中のトナーの割合)の薄くなった現像剤46をトナー補給部に搬送し、現像剤46を現像容器40内で循環させる機能を有する。現像器4のスクリュー44の上流側壁面には、現像剤46の透磁率変化を検出して現像剤46中のトナー濃度を検知するセンサー45が設けられており、現像剤46の循環方向においてセンサー45のやや下流側にトナー補給開口47が設けられている。現像動作を行った後に、現像剤46はセンサー45部に運ばれ、ここでトナー濃度が検知される。その検知結果に応じて、現像剤46中のトナー濃度を一定に維持するために、適宜、現像器4に接続された現像剤補給容器(トナー補給ユニット)5が備えるスクリュー51の回転により、トナー補給ユニット5から現像器4のトナー補給開口47を通してトナー補給が行われる。補給されたトナーは攪拌スクリュー44により搬送され、キャリアと混ざり合い、適度な帯電電荷を付与された後に、現像スリーブ41の近傍に運ばれ、現像スリーブ41上で薄層形成され現像に供される。本実施態様では、トナーとして、平均粒径5.5μmのネガ帯電トナーを用い、キャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。又、トナーとキャリアを重量比6:94で混合したものを現像剤として用いた。そして、感光ドラム1上で現像に供されたトナーの帯電量は、−25μC/gである。各画像形成部PY、PM、PC、PBkの各感光ドラム1に対向するように、転写手段としての中間転写ユニット9が設けられている。中間転写ユニット9では、中間転写体(第2の像担持体)としての無端状の中間転写ベルト91が、駆動ローラ94、テンションローラ95及び2次転写対向ローラ96に所定の張力を持って掛け渡されており、図中矢印の方向に移動する。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1と中間転写ベルト91との対向部である1次転写ニップ部(転写部)dへ進入する。転写部dでは、中間転写ベルト91の裏側に、1次転写手段としての1次転写ローラ92が当接されている。1次転写ローラ92には、各画像形成部PY、PM、PC、PBkで独立に1次転写バイアス電圧を印加可能とするため、それぞれ電圧印加手段としての1次転写バイアス電源93が接続されている。中間転写ベルト91には、先ず、1色目(イエロー)の画像形成部PYで、上述の動作により感光ドラム1に形成されたイエローのトナー像を転写し、次いで同様の工程を経た各色に対応する感光ドラム1より、順次マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像を各画像形成部PM、PC、PBkで多重転写する。本実施例においては、露光部(露光部電位Vl:−150V)に転移されたトナーに対する転写効率を考慮し、一次転写バイアス電圧として、1色目〜4色目まですべて+350Vの電圧を印加した。中間転写ベルト91上で形成された4色フルカラー画像は、次いで2次転写手段としての2次転写ローラ10により、転写材送給手段(図示せず)から供給され、所定のタイミングで搬送手段としての給紙ローラ12から送られてきた転写材Pに一括転写される。トナー像が転写された転写材Pは、次いで定着手段としてのローラ定着器13に搬送され、ここで熱、圧力によってトナー像が転写材Pに溶融定着される。その後、転写材Pは機外に排出されカラープリント画像が得られる。又、中間転写ベルト91上に残留する2次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーナ11が備えるクリーニング手段としてのクリーニングブレード11aによってクリーニングされ、次の作像工程に備える。中間転写ベルト91の材料としては、樹脂系、或いは金属芯体入りのゴムベルト、樹脂及びゴムからなるベルトが望ましいが、もちろんトナーの飛び散りや中抜けなどの発生が無い画像向上性を意識して、弾性層を有する中間転写ベルトを用いても良い。本実施例では、PI(ポリイミド)にカーボン分散し、体積抵抗率を10Ωcmオーダーに制御した樹脂ベルトを用いた。その厚さは80μm、長手方向320mm、全周は900mmである。又、一次転写ローラ92としては、導電性スポンジからなるものを用いた。その抵抗は10Ω以下、外径は16mm、長手長さは315mmとした。更に、各画像形成部PY、PM、PC、PBkには、トナー帯電量制御手段6と残留トナー像均一化手段7とが設けられており、それぞれ感光ドラム1に当接されている。
次にトナー帯電量制御手段6、残留トナー均一化手段7について説明する。
本発明において、トナー帯電量制御手段6、残留トナー均一化手段7は、両者とも導電性の繊維からなるブラシ部材を用いた。より具体的には、トナー帯電量制御手段6は、横長の電極板62にブラシ部61を具備させたものである。又、残留トナー均一化手段7についても同様に、電極板72にブラシ部71を具備させてなる。そして、ブラシ部61、71を感光ドラム1面に当接させ、感光ドラム1の長手方向(表面移動方向に略直交する方向)に対して略平行に、固定支持して配設している。トナー帯電量制御手段6、残留トナー均一化手段7のブラシ部61、71は、公定水分量が6%以下の繊維が好ましい。公定水分量が6%より高い吸湿度の大きい繊維の場合は、ブラシの密度を上げるために、ブラシの繊度を下げた場合に、高湿度環境下で繊維がへたって腰がなくなってしまい、せっかく研磨剤がブラシに付着しても、充分に研磨効果が出てくれず、特に高温高湿環境下において放電生成物を除去できず、画像流れを発生させてしまう。また、吸湿性が高いと高温高湿環境下において、繊維同士がトナーを取り込んで凝集し始め、前記研磨剤を充分に捕集できない状態となる。具体的にはナイロン、ポリエステルなどの合成繊維にカーボンや金属粉を含ませて抵抗値を制御したものが公定水分率4%以下と吸湿性も低く研磨効果を発揮でき、好ましい。
一般的に、転写部dで記録材Pに転写されずに感光ドラム1上に残留した転写残トナーは、反転トナーや帯電量が適切でないトナーが混在している。そこで、補助均し手段(均一化手段)7により一度転写残トナーを除電し、次いで均し手段(トナー帯電量制御手段)6で再度転写残トナーを正規極性に帯電処理する。これにより、帯電ローラ2への転写残トナーの付着防止を効果的に成すと共に、現像装置4での転写残トナーの除去・回収を完全に行うことができる。そのため、転写残トナー像パターンのゴースト像の発生も厳密に防止される。
特に、本発明のように粒径が小さく、形状が立方体状又は直方体状のため凸部の多いチタン酸ストロンチウムを使用している場合、ドラム表面を均一かつ均等に研磨する効果があるため、これらを保持しているブラシ繊維をなるべく細く、且つ、高密度にして、多くのチタン酸ストロンチウムのみを選択的に保持して均一にドラム表面を擦ることが大切である。
均し手段及び補助均し手段で使用されるブラシとしては、基布に導電性の繊維がW織りで植え込まれ、それをバイアス電源に接続された導電性基体に取り付けられている。
導電性繊維の繊度及び、密度としては、上述したように、研磨性を有する小粒径の研磨剤の保持及び摺擦性、及びトナー母体をなるべく保持せず、研磨剤のみを選択的に保持するという観点から選択される。導電性繊維の繊度は、一般の清掃ブラシとして使用される繊維より細かい0.55×10−7kg/m以上4.4×10−7kg/m以下(0.5デニール以上4デニール以下)が好ましく、且つブラシの密度は清掃ブラシとして使用される繊維よりも密度が高いことが好ましく、300 KF/inch2以上600KF/inch2以下(30万本/inch2以上60万本/inch2以下)であることが望ましい。導電性繊維の繊度が0.55×10−7kg/m(0.5デニール)より細かい場合は、高密度にした場合には、繊維1本1本が空間に対して密に充填された状態となり、トナーのような大きな粒径のものも保持しにくくはなるが、同様に、平均一次粒径30nm以上300nm以下の研磨剤も保持できない状態となってしまい、選択的に研磨剤のみを保持するという目的は達成できない。さらにかかる場合均しブラシとしての転写残トナーの散らし、均し効果も低下しやすくなる。また逆に導電性繊維の繊度が4.4×10−7kg/m(4デニール)より太い場合は、製造上の問題から300 KF/inch以上600KF/inch以下と高密度にすることは困難であり、密に出来たとしても、繊維1本1本は空間に対して密には充填されない。従ってかかる場合、トナーの付着を促進してしまうため、研磨効果は出なくなってしまい、且つトナー帯電手段としての機能も損失してしまう。
また、ブラシ密度については、上述したように、粒径が小さい研磨剤のみをブラシに保持して摺擦するため、通常のブラシ繊維密度より高くするのが好ましく、具体的には繊維密度としては300KF/inch以上600KF/inch以下が好ましい。300KF/inchより低いブラシ密度では、繊維1本1本は空間に対して密には充填されないので、その隙間にトナー母体が侵入し、凝集を始め、粒径の大きいトナーが感光体に優先的に接触するため、ブラシに付着した研磨剤と感光体との接触を妨げ、摺擦能力を弱めてしまう。且つ、ブラシに凝集したトナーによりブラシに抵抗を上げてしまい、トナー帯電機能を妨げてしまうことになる。逆にブラシ密度が600KF/inchより高い場合では、細い繊維を使って密度を上げる必要があり、繊維1本1本は空間に対して非常に密には充填されるが、その隙間にトナー母体のみならず研磨剤も侵入することを妨げられてしまうため、繊維に研磨剤が充分に付着せず、研磨効果を出すことができなくなる。また、毛が細すぎるため、吸水性の低い、高温高湿下でも剛性の高い合成繊維を使ったとしても、毛1本1本の腰は弱くなり、研磨効果はもとより、トナー像を均一化する効果もなくなってしまう。
上述のブラシ繊維の最密状態のイメージ図を図4に示す。
また、ブラシ部61、71が感光ドラム1面に対して侵入量1mmとなるように当接させ、感光ドラム1との当接ニップ部幅は5mmとした。
図2に示すように、本実施態様では、転写部dよりも感光ドラム1の回転方向下流側且つ帯電部aよりも上流側に位置して、感光ドラム1の回転方向上流から順に、残留トナー均一化手段7、トナー帯電量制御手段6が配置され、残留トナー均一化手段7と感光ドラム1との接触部e、トナー帯電量制御手段6と感光ドラム1との接触部fが形成されている。詳しくは後述するように、残留トナー均一化手段7およびトナー帯電量制御手段6には、それぞれ電圧印加手段としての電源22、21より所定の電圧が印加される。画像形成装置100が備える電源20、21、22などの電圧印加手段は、画像形成装置本体が有する、装置動作を統括制御する制御手段としての制御回路130によって制御される。尚、本実施態様では、感光ドラム1、帯電ローラ2、帯電ローラクリーニング部材2f、現像器4、残留トナー均一化手段7、トナー帯電手段6などは、帯電ユニット枠体111、現像枠体112によって一体的にカートリッジ化されてプロセスカートリッジ8を構成する。プロセスカートリッジ8は、画像形成装置本体に設けられた装着手段110aを介して取り外し可能に装着される。又、プロセスカートリッジ8が画像形成装置本体に装着された状態で、画像形成装置本体に設けられた駆動手段(図示せず)とプロセスカートリッジ8側の駆動伝達手段が接続され、感光ドラム1、現像器4、帯電ローラ2などが駆動可能な状態となる。更に、プロセスカートリッジ8が画像形成装置本体に装着された状態で、帯電ローラ2、トナー帯電量制御手段6、残留トナー均一化手段7にバイアスを印加する電源20、21、22、現像スリーブ41にバイアスを印加する電源(図示せず)などの各種電圧印加手段は、プロセスカートリッジ8側及び画像形成装置本体側にそれぞれ設けられた接点を介して電気的に接続される。一方、トナー補給ユニット5は、現像器4及び画像形成装置本体に対して装着手段110bを介して着脱可能に装着される。
次に、残留トナー均一化手段7、トナー帯電量制御手段6の上述摺擦機能以外の従来の作用についてより詳しく説明する。
転写工程後の感光ドラム1上には転写残トナーがある。この転写残トナーには、画像部の負極性トナー、非画像部の正極性トナー、転写工程における正極性の電圧に影響されて極性が正極性に反転してしまったトナー(反転トナー)が含まれる。
本実施例では、このような正規極性、逆極性のトナーに対する、残留トナー均一化手段7のトナー回収性を高めるように残留トナー均一化手段7に印加する電圧条件を設定する。これにより、転写残トナーを残留トナー均一化手段7で回収して、基本的には帯電ローラ2と感光ドラム1との当接部(帯電部)aにトナーが送られないようにする。
本実施態様において、残留トナー均一化手段7には、画像形成時に、直流電圧が重畳された交流電圧が電源22より印加される。
残留トナー均一化手段7に、トナーの正規極性とは逆極性の直流電圧を、上記交流電圧に重畳して印加することで、感光ドラム1上の静電潜像を除電してポジゴーストを防止する。又、トナー帯電手段6には、画像形成時に、トナーの正規極性と同極性である負極性の電圧が、電源21から印加される。これは、残留トナー像均一化手段7から僅かながらすり抜けてくるトナーが帯電ローラ2を汚すのを防止するためである。これを避けるために、本実施例においては、放電開始電圧以上である−700V以上の直流電圧を印加することにより、トナー帯電手段6を通過する転写残トナーは、十分な放電により負極性(正規極性)に帯電付与される。
その後、上述した帯電部aにおける帯電工程において、転写残トナーの上から感光体ドラム1面を帯電処理するが、転写残トナーの極性はトナー帯電手段6によって負極性に一様に揃えられているため、トナーの帯電ローラ2への付着はない。又、帯電ローラ2に印加する交流バイアスによって、転写残トナーの帯電電荷は適度に除電される。しかし、前記トナー帯電手段は、像担持体と接触しているため、今回のブラシの密度と繊度を規定しても、そこを通過する転写残トナーを少なからずトラップしてしまう。トラップされたトナーはそのまま蓄積していけば、トナー帯電能力を阻害してしまうので、帯電補助手段からのトナーの吐出しが必須となる。トナーの吐出し動作について説明すると、残留現像剤均一化制御手段7及びトナー帯電量制御手段6の吐き出し動作を略同時に行なう前動作として、帯電ローラ2に交流電圧のみを印加して感光ドラム1の電位を略0Vにならす動作を行ない、吐き出し動作を行なうときに残留現像剤均一化制御手段7及びトナー帯電量制御手段6に印加する電圧は、吐き出し動作によって略0Vの感光ドラム1面の電位が変動しない程度の電圧を印加(本実施の形態では±300V)し、吐き出した感光ドラム1面に対して、帯電ローラ2は略0Vとしている。
ここで、吐き出し動作によって略0Vの感光ドラム1面の電位が変動しない程度の電圧としては、画像形成動作時の帯電開始電圧以下の電圧であると好ましい。
吐き出しトナーは、基本的に接触2成分カウンター現像を用いた現像器によって静電的及び物理的摺擦によって大部分が回収される。しかし、正規極性でも帯電量の少ないトナーや逆極性トナーに関しては完全に現像器回収が行なわれないこともある。しかし、これらは転写ニップにおいて圧接転写されることで感光ドラム上から中間転写ベルト上へ転移し、中間転写ベルトクリーナでベルト上から除去される。トナー帯電量制御手段6の吐き出し動作時には、1次転写バイアス源により転写バイアスを正規極性とは逆極性(負極性)の電圧を印加すると、正極性のトナーを転写しやすくなりさらに効果的である。
これによって、正規極性及び逆極性が混在する吐き出しトナーを帯電ローラ2に付着させずに帯電ニップ部を通過させることが可能となった。
このような条件で吐き出し動作を行なうことで、吐き出しトナーによる帯電ローラ汚染を防止でき、常に良好な画像形成を行なうことが可能となった。
続いて、露光部bにおける露光工程において転写残トナー上から露光を行うが、転写残トナーの量は少ないため、影響は現れない。そして、現像部cにおける現像工程において、現像されるべきではない感光ドラム1上の未露光部(非画像部)に付着している転写残トナーは、完全に負極性に揃い、又帯電ローラ2により適度に除電されて感光ドラム1との鏡映力を減じることができている。したがって、前述した感光ドラム1の表面電位(未露光部電位:−500V)と現像バイアスのDC成分(−350V)との関係(かぶり取り電位差Vback)で、確実に現像器4内に回収される。上述のように、本実施態様においては、現像器4の現像スリーブ41は現像部cにおいて、感光ドラム1面の進行方向とは逆方法に回転され、その上に担持した現像剤層で感光ドラム1を摺擦している(接触2成分カウンター現像方式)。これは、感光ドラム1上の転写残トナーの回収に有利となる。
続いて、固定現像装置4Bk中のBk現像器400の構成について図5に基づき説明する。
固定現像装置4Bkにあっては、現像容器400が、装置の長手方向に延在する開口部を有し、その開口部に固定現像剤担持体たる現像スリーブ401が設置される。現像スリーブ401は、例えばアルミニウム、SUS等の材料からなる。又、現像スリーブ401は、開口部の図で見て左略半周面を現像容器400内に突入し、右略半周面を現像容器400外へ露出し、感光ドラム1と対向するようにして、回転自在に配設されている。現像スリーブ401と感光ドラム1との間には徹小間隙:S−Dgapが設けられ、現像スリーブ401は、感光ドラム1の回転方向Rlに対し、矢印R4a方向に回転駆動される。
又、この微小間隙:S−Dgapは、可変手段(図示せず)によって固定現像装置4aに対しBk現像器400が矢印R4cの向きに押圧されつつ可変となっている。
現像スリーブ401内には、磁界発生手段としてマグネット402が設けられており、本実施形態では、マグネット402は永久磁石からなっている。このマグネット402は、現像スリーブ401の回転に拘らず、固定的な磁界を発生できるように、現像スリーブ401内に非回転に配置されている。
現像容器400内の現像スリーブ401の近傍には、現像剤規制部材として現像容器400の開口部に固定端を支持され対向する自由端を現像スリーブ401に近接させた板状の磁性ブレード403が設けられ、この磁性ブレード403に、マグネット402の磁極の1極が略対向するように位置されている。
撹拌部材404により現像スリーブ401上に担持された磁性トナー405は、その後現像スリーブ401の回転に伴い、磁性ブレード403の現像スリーブ401との対向部に搬送される。そして、磁性ブレード403と現像スリーブ401との間隙に形成された磁気的な規制:S−Bgapにより層厚を規制されて、現像スリーブ401上に薄層に形成された後、規制部:S−Bgapを抜け出して感光ドラム1と微小間隙:S−Dgapをもって対向した現像領域へと搬送される。現像領域において現像スリーブ401と感光ドラム1との間に、バイアス印加手段(図示せず)が、現像バイアス電圧として直流に交流を重畳した交番電圧を印加することにより、現像スリーブ401上のトナー405が感光ドラム1上の静電潜像に対向して転移、付着して、静電潜像をトナー像として可視化、現像する。
続いて、本実施形態でのBk現像器400による現像について説明する。
先ず、感光ドラム1の表面が、一次帯電器2によりドラム表面電位vd=+400Vに一様に帯電される。次いで、感光ドラム1の表面が、波長680μmの半導体レーザにより600dpiでPWMによる露光Lを受け、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。この時のレーザパワーは静電潜像がV1=+50Vになるように設定されている。
続いて、S−Bgap:250μm、S−Dgap:250μmとしたBk現像器400により現像を行いトナー像として可視化する。上述の従来例では正現像によるカラー画像形成について説明したが、本実施形態では反転現像を採用する場合について説明する。
本実施形態で用いる現像剤はネガ磁性一成分トナーであり、現像バイアス電圧Vdcは+200Vの直流電圧に2700Hz、1500Vpp、50%Dutyの交流電圧を重畳し、ジャンピング現像を実現している。これは、反転現像におけるBk現像コントラストVcont(=Vd−Vdc)=200V、カブリ取りバイアスVback(=Vdc−Vl)=+150Vに設定しているためである。
次に、本実施例の黒色画像形成部Pbkに用いているクリーニング装置7Bkについて図6を用いて説明する。クリーニング装置7Bkは、クリーニング容器109aと、このクリーニング容器109aに保持され、感光ドラム1の表面に当接しているクリーニングブレード109bと、このクリーニングブレード109bの上流側(感光ドラム1の回転方向に対して上流側)に感光ドラム1に対して所定の隙間をもって配設された磁気ロールとしてのマグネットローラ109cと、規制ローラ109dと、スクリュー109eとを備えたものである。なお、マグネットローラ109cよりも感光ドラム1の回転方向上流側には、クリーナ前露光装置108が配設されており、さらにクリーナ前露光装置108の上流側には、分離爪113が配設されている。
そして、クリーニングブレード109bは厚み3mmのウレタンゴムで構成されており、マグネットローラ109cは各磁束密度が1000ガウスの8極の磁極を有する直径18mmのローラで構成されている。
感光ドラム1は、図示矢印R1方向に所定速度で回転駆動され、前記前露光装置2によってその表面が除電された後、一次帯電器2Bkによって表面が一様に帯電される。そして、感光ドラム1の表面に画像露光光Lが照射されると、感光ドラム1の表面には画像に対応する静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置5によって現像されてトナー像として顕画化される。
ところで、上記感光ドラム1は、直径108mm、厚さ約5mmのアルミニウムシリンダ上にグロー放電などによって厚さ30μmのアモルファスシリコン感光層が形成されている。そして、この感光ドラム1の内部には約80Wの面状発熱体ヒータ114が一周分配置され、アルミニウムシリンダの温度が42℃になるように電力制御されている。
次に、クリーニング装置7bkの構成についてさらに説明する。
図6を用いてさらに詳しく、クリーニング装置9を説明する。クリーニングブレード109bは、ウレタンを主体とした弾性ブレードで硬度70°(Hs)、反発弾性率41(%)(40℃での反発弾性率63%)で、300%モジュラスが200(kg/cm2)(いずれもJIS規格による)のもので、当接角度24°、当接圧l0(g/cm)にてエッジ部Aが感光ドラム1に対向して配設されている。マグネットローラ109cは感光ドラム1の回転方向に対して順方向で相対速度10%の周速にて回転している。マグネットローラ9cは感光ドラム1に対して1.0mmの隙間をあけて配設されている。規制ローラ109dはマグネットローラ109cに対して1.8mmの隙間をあけて配設されており、マグネットローラ109cと相対速度l0%で順方向に回転している。
以下、本実施例で用いた現像剤および、添加した無機微粒子について説明する。
現像容器4a内の二成分現像剤(現像剤)4eは主に非磁性トナーと磁性キャリアとの混合物であり、現像剤攪拌部材4fにより攪拌される。
この実施形態による画像形成装置に用いられる現像剤は、重合法や粉砕法により生成される非磁性トナーと、磁性キャリアとの混合物である2成分現像剤である。
また、この現像剤のT/D比(重量Wt%)は8%である。また、磁性キャリアとしては、(4π)-1×106A/m(1kOe)の磁気中における磁化の強さが、4π×10-2Wb/m2(100emu/cm3)であり、磁性キャリアの抵抗は約1013Ωcm、粒径(体積平均粒径:レーザ回折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用いて、0.5μm以上350μm以下の範囲を32対数分割して測定し、体積50%メジアン径をもって体積平均粒径とする)は約40μmである。
また、この実施形態による画像形成装置に用いたトナーは、平均1次粒径が4μm以上9μm以下の範囲にあることが好ましい。平均1次粒径が4μmより小さいトナーであれば、100nm程度の研磨剤との粒径のブラシへの付着レベルの差別化が難しくなり、ブラシに対して選択的に研磨剤のみを付着させるということが困難である。また、平均1次粒径が9μmより大きいトナーであれば、高画質を実現するための高解像なドットを形成するのが困難となる。
トナーの重量平均粒径は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い測定した。コールターマルチサイザーIIに個数分布,体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100ml以上150ml以下中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1ml以上5ml以下加え、更に測定試料を2mg以上20mg以下加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間から3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の重量平均粒径を求めた。
本発明の画像形成装置に用いたトナーは、粉砕法等によって製造された後球形化されたトナーであり、その円形度は0.96である。
<トナー平均円形度の測定>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度CAVE.は、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4以上1.0以下を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26℃以上27℃以下になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000個/μl以上1万個/μl以下となる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
本実施例においてトナーは磁性キャリアとの摺擦により負極性に摩擦帯電される。
なお、本発明の実施形態においては、高弾性高硬度な表面保護層を有する感光体を安定的に使用するために、チタン酸ストロンチウムを使用している。本発明のように、トナー帯電手段を用いて、高弾性有機材料で形成された表面層を有し、クリーナレスシステムで使用する場合、トナー帯電手段自身がある程度摺擦性を有し、トナーや外添剤を捕捉して感光ドラム表面を擦るため、外添剤としては適度な硬度を有するものが好ましく、モース硬度的にもチタン酸ストロンチウムが好適であり、更には以下のようなものが好ましい。
一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下で、ペロブスカイト型結晶で、粒子形状が概略立方体又は直方体であるものが50個数%以上含有している無機微粉体であるチタン酸ストロンチウムが好適で、トナー樹脂100質量部に対して0.2質量%以上、更に好ましくは、0.5質量%から1.0質量%外添されている。
また、トナー母体粒子に対する該無機微粒子の遊離率は15個数%以上であることが望ましく、遊離率が15個数%以下であると、含まれるチタン酸ストロンチウムほとんどがトナー母体の表面に付着し、ドラム上を移動し、ブラシと付着することになり、充分な摺擦効果が出なくなってしまう。研磨効果を充分に出すには、ブラシに対して、チタン酸ストロンチウム単独で付着することが重要である。
しかし、遊離率が15個数%以上であっても、外添量が0.2質量%より少ないと、上記チタン酸ストロンチウムを外添した目的である感光ドラム表面に対する研磨性が十分に発揮されず、また逆に、外添量が1.0質量%より多いとトナー表面での被覆率が上がりすぎて、現像性や定着性に影響を及ぼすためである。
なお、該チタン酸ストロンチウムのトナー全質量に対する含有率T(Wt%)の測定方法は、蛍光X線測定で行った。具体的には、理学電機工業(株)製 RIX3000を使用し、トナーの未外添品と、トナー樹脂100質量部に対してチタン酸ストロンチウムを1質量部外添したトナーの2つのストロンチウムのネット強度を測定して、この両者から検量線を作成して各測定サンプルの強度比をもって含有率T(Wt%)とした。
外添剤の遊離率は、トナー粒子に含まれる炭素原子と潤滑性化合物に含まれる原子(例えば、フッ素樹脂ならフッ素原子、ステアリン酸亜鉛なら亜鉛原子)との個数の和に対する、トナー粒子に含まれない潤滑性化合物に含まれる原子の個数の比によって表される。上記遊離率は、「Japan Hardcopy97」論文集の65乃至68ページに記載の原理で測定することができる。具体的には、トナー粒子を一個ずつプラズマへ導入し、得られる発光スペクトルからトナー粒子中の元素、トナー粒子数及びトナー粒子の粒径を知ることができ、この発光スペクトルから上記遊離率を測定することができる。
上記の測定方法によれば、潤滑性化合物の遊離率は、トナー粒子に含まれる結着樹脂の構成元素である炭素原子の発光と、潤滑性化合物の原子の発光から下記式(iii)により求められる。
(iii)外添剤の遊離率(個数%)=(外添剤に含まれる原子のみの発光回数)×100/((炭素原子と同時に発光した外添剤に含まれる原子の発光回数)+(外添剤に含まれる原子の発光回数))
上記式において「同時に発光した」とは、潤滑性を有する化合物に含まれる原子の発光であって炭素原子の発光から2.6msec以内の発光をいい、それ以降の潤滑性を有する化合物に含まれる原子の発光は潤滑性を有する化合物に含まれる原子のみの発光とする。又、炭素原子と外添剤に含まれる原子が同時発光するということはトナー粒子と同期していることを意味し、外添剤に含まれる原子のみの発光は、外添剤がトナー粒子から遊離していることを意味する。遊離率の測定方法は発光スペクトルを利用した、パーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)を使用し測定を行った。
具体的な測定方法は以下の通りである。先ず、0.1%酸素含有のヘリウムガスを用い、温度23℃で湿度60%の環境で測定を行い、トナーサンプルを同環境下で1晩放置して、調湿する。測定に際しては、チャンネル1で炭素原子(測定波長247.860nm、Kファクターは推奨値を使用)、チャンネル2で外添剤に含まれる原子を測定し、一回のスキャンで炭素原子の発光回数が1,000回以上1,400回以下となるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光回数が総数で10,000回以上となるまでスキャンを繰り返し、発光回数を積算する。この時、炭素原子の発光回数を縦軸に、炭素原子の三乗根電圧を横軸にとった分布において、該分布が極大を一つ有し、更に、谷が存在しない分布となるようにサンプリングして測定を行う。そしてこのデータを元に全原子のノイズカットレベルを1.50Vとし、上記計算式(iii)を用い、外添剤の遊離率を算出する。
本例における外添剤の遊離率とは、トナー母体以外に含まれる外添剤すべての遊離率の積算値と定義する。本例では外添剤としてチタン酸ストロンチウム(一次粒子の平均粒径100nm)このときには、Sr元素について遊離率を算出し、これらを積算した値が外添剤トータルの遊離率である。
また、トナー凝集度は、15以上が望ましい。トナーの凝集度が低すぎると、トナー粒子が単独で存在し、凝集塊をつくる確率が減り、ブラシに研磨剤のみならず、トナー母体粒子も付着しやすくなる。トナーの凝集度の測定法はホソカワミクロン株式会社製のパウダーテスタとデジタル振動計(デジバイブロMODEL 1332)を用いる。
測定法としては、振動台に目開き38μmの篩い、目開き75μmの篩い、目開き150μmの篩いを重ねてセットする。このセットした一番上の目開き150μmの篩いの上に正確に秤量した試料5gを加え、振動台のデジタル振動計の変位値を0.500±0.015mmに調整し、約15秒間振動を加える。その後、目開き150μmの篩いの残試料の質量をag、目開き75μmの篩いの残試料の質量をbg、目開き38μmの篩いの残試料の質量をcgとして、下式に基づき、凝集度を得る。
凝集度(%)=((a+b)×0.6+c×0.2)/5
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下でなければならず、100nm以上180nm以下であるものが更に好ましい。
平均粒径が30nm未満では当該粒子の研磨効果が不十分であり、一方、300nm以上では、研磨効果が強すぎるためにドラムに傷が発生したりする問題が生じる。
なお、本発明における無機微粉体の粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して求めた。
また、本発明に記載した研磨剤は疎水化処理されたものが好ましく、ナイロンなどの吸湿性の低い繊維のブラシを使用する際には、疎水化処理された無機微粒子の方が、多く、強く繊維に付着することが知られている。したがって、トナー母体を付着させずに、研磨剤のみを付着させるという本発明の効果をより助長することになる。
なお、概略立方体、直方体である無機微粉体の粒径は、微粉体の形状の中で最も長い長辺の長さ(T1)と最も短い短辺の長さ(S1)としたとき、以下の式を持って無機微粉体の粒径とした。
無機微粉体の粒径=(T1+S1)/2
また本発明の無機微粉体中の、粒子形状が概略立方体または直方体であるものの含有率を50個数%以上含有することで更に効率的に帯電生成物の除去が行えるため好ましい。
該無機微粉体の概略立方体、直方体(サイコロ、キュービック状の形状)形状は、図7に電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真を示すような形状を示す。
また現像性を良好なものにし、バイアス印加されたブラシ部材への応答性を良好するには、本発明の表面処理をしたペロブスカイト型結晶の無機微粉体の帯電極性がトナーと逆極性であることが好ましい。
トナーの帯電極性と反対であれば、無機微粉体はトナーと同極性に帯電しているトナー帯電量制御手段6に付着しやすく、反転していない通常の転写残トナーは付着しづらいので、トナー帯電量制御手段であるブラシに無機微粉体のみを選択的に付着させることが可能となり、感光体の研磨能力を発揮できる。また、1次転写手段にかけられるバイアスはトナーの帯電極性とは逆の極性なので、トナーは転写されやすいが、添加した無機微粉体がトナーと逆極性であれば、1次転写部では転写されにくく、無機微粉体をリッチに含んだ転写残トナーを生成し、ブラシに多くの無機微粉体を付着させることが可能になる。
なお帯電量の測定方法については以下の通りである。
温度23℃,相対湿度50%環境下、キャリアとしてDSP138(同和鉄粉工業社製)を用い、キャリア9.9gに測定する試料0.1gを加えた混合物を50ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ100回震盪する。次いで図8に示すような、底に目開き32μmの金属メッシュのスクリーン173のある金属製の測定容器172に前記混合物を約0.5gを入れ、金属製のフタ174をする。この時の測定容器172全体の質量を秤りW1gとする。次に吸引機171(測定容器172と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口177から吸引し風量調節弁176を調節して真空計175の圧力を250mmAqとする。この状態で2分間吸引を行ない現像剤を吸引除去する。この時の電位計179の電位をV(ボルト)とする。ここで178はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。また吸引後の測定機全体の質量を秤りW2(g)とする。この現像剤の摩擦帯電量(mC/kg)は、下式の如く計算される。
摩擦帯電量=CV/(W1−W2)
さらに、以下に、研磨剤であるチタン酸ストロンチウムのブラシへの付着量とトナー母体のブラシへの付着量と画像流れの関係について説明する。
前述してきたように、フィルミングや画像流れなどを防止するために、感光体表面を効果的に摺擦するためには、トナーをなるべくトナー帯電手段であるブラシには付着させないで、且つ研磨剤であるチタン酸ストロンチウムを付着させることが重要である。したがって、研磨剤であるチタン酸ストロンチウムをなるべくトナー母体から遊離させ、単独で挙動させ、且つなるべく多く添加する必要がある。また、トナー母体と、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤との1次平均粒径を差別化し、且つブラシの繊度と密度を最適化することで、トナー母体をなるべく付着させずにチタン酸ストロンチウムなどの研磨剤のみを選択的にブラシに付着させ、研磨効果を出すことが可能となる。
また、図7に示すように今回使用するペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウムは形状が立方体、もしくは直方体の形状をしており、クリーニングブレードを有さないクリーニングレスシステムにおいても、ブラシなどに効果的に付着させれば従来の不定形のものに比べて非常に高い研磨能力が得られる。ブラシへのトナー付着個数と研磨剤の付着個数の比を、ブラシ密度を横軸にとり、それぞれトナーと研磨剤の平均粒径を振った場合、トナー母体粒子に対する研磨剤の遊離率を振った場合、トナー母体に対する研磨剤の添加量を振った場合、トナーの凝集度を振った場合について、それぞれ図9、図10、図11および図12に示した。
実施例中には選択的に研磨剤がブラシへ付着しているかどうかを示すバロメータとして、トナー母体粒子と研磨剤粒子の付着個数の比を付着量比Fとして示している。付着量比Fは次式で示され、Fは大きければ大きいほど研磨効果が高いことになる。F=(研磨剤のブラシへの付着個数)/(トナー母体粒子の付着個数)
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は40個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表1−1に示す。
トナー母体粒径と研磨剤の粒径が差別化され、且つ充分な量の研磨剤が添加され且つ、研磨剤が遊離して存在したため、ブラシへは研磨剤を選択的に付着させることができ、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えたので、摺擦効果が出て、画像流れを抑止することができた。
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が250nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は35個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表2−1に示す。
トナー母体粒径と研磨剤の粒径が差別化され、且つ充分な量の研磨剤が添加され且つ、研磨剤が遊離して存在したため、ブラシへは研磨剤を選択的に付着させることができ、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えたので、充分な摺擦効果が出て、画像流れを抑止することができた。
[比較例1]
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が600nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は30個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表1−2に示す。
研磨剤の粒子が大きくなり過ぎたことにより、高密度なブラシにはトナー母体粒子とともに研磨剤が付着できなくなり、研磨剤が遊離して存在していても、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えなかったので、充分な研磨効果が出せず、画像流れが発生してしまった。
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.2質量%添加したものであり、その遊離率は40個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表3−1に示す。
トナー母体粒径と研磨剤の粒径が差別化され、且つやや少なくはあったが、充分な量の研磨剤が添加され且つ、研磨剤が遊離して存在したため、ブラシへは研磨剤を選択的に付着させることができ、付着比Fは画像流れに充分効果が300を越えたので、充分な摺擦効果が出て、画像流れを抑止することができた。
[比較例2]
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.1質量%添加したものであり、その遊離率は50個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表2−2に示す。
トナー粒子に対する研磨剤の添加量が極端に少なかったことにより、ブラシには充分な研磨剤が供給されず、トナー母体粒子とともに研磨剤が付着できなくなり、研磨剤が遊離して存在していても、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えなかったので、充分な研磨効果が出せず、画像流れが発生してしまった。
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は15個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表4−1に示す。
トナー母体粒径と研磨剤の粒径が差別化され、且つ充分な量の研磨剤が添加され且つ、研磨剤が15%以上遊離して存在したため、ブラシへは研磨剤を選択的に付着させることができ、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えたので、充分な摺擦効果が出て、画像流れを抑止することができた。
[比較例3]
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は8個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表3−2に示す。
トナー粒子に対する研磨剤の遊離率が8%と極端に少なかったことにより、ブラシには充分な研磨剤が供給されず、トナー母体粒子とともに研磨剤が付着できなくなり、研磨剤が遊離して存在していても、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えなかったので、充分な研磨効果が出せず、画像流れが発生してしまった。
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は40個数%で、トナーの凝集度は20%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表5−1に示す。
トナー母体粒径と研磨剤の粒径が差別化され、且つ充分な量の研磨剤が添加され且つ、研磨剤が充分遊離して存在したため、ブラシへは研磨剤を選択的に付着させることができ、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えたので、充分な摺擦効果が出て、画像流れを抑止することができた。
[比較例4]
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は40個数%で、トナーの凝集度は10%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表4−2に示す。
トナー粒子に対する研磨剤の遊離率も多く、ブラシには充分な研磨剤が供給されたが、研磨剤とともにトナー粒子も凝集せず流動性がかなり高い状態で存在していたため、トナー粒子で邪魔されて、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えなかったので、充分な研磨効果が出せず、画像流れが発生してしまった。
[比較例5]
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は40個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率11%のレーヨンであり、ブラシの繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表5−2に示す。
トナー粒子に対する研磨剤の遊離率も多く、ブラシには充分な研磨剤が供給されたが、研磨剤も保持されたが、ブラシを構成する繊維が吸湿性の高いレーヨンであったため、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えていたが、H/H環境下のような高温高湿な場所においては、繊維がへたってしまい、充分な研磨効果が出せず、画像流れが発生してしまった。
[比較例6]
図1に示した画像形成装置を使用して、感光体ドラムとしては、前述に記載の感光体Aを使用し、トナーとしては、トナーの平均1次粒径が5.5μm、平均円形度が0.96の二成分非磁性トナーに対して、研磨剤として平均1次粒径が110nmの立方体形状の疎水化処理されたチタン酸ストロンチウムをトナー質量に対して、0.5質量%添加したものであり、その遊離率は40個数%で、トナーの凝集度は45%のものを使用した。
トナー帯電手段に使用するブラシの材質は導電処理した公定水分率4%のナイロンであり、ブラシの繊度は1d(デニール)以上6d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は50KF/inch2以上200KF/inch2以下で構成されているものを使用した。
上記画像形成装置において、HH環境(30℃/80%)で、A4サイズ、5%Dutyの画像を連続10000枚流した後に、3晩放置して画像流れの評価をした。画像流れが発生しなかったものは〇、多少発生したものを△、はっきりと発生したものは×として評価した結果を表6−2に示す。
トナー粒子に対する研磨剤の遊離率も多く、ブラシには充分な研磨剤が供給されたが、研磨剤も保持されたが、ブラシを構成する繊維の密度が低かったため、研磨剤のみならずトナー粒子もブラシに保持してしまい、付着比Fは画像流れに充分効果がある300を越えなかったので、充分な研磨効果が出せず、画像流れが発生してしまった。
本実施例1乃至6に記載の4連ドラム方式のカラー電子写真複写装置の概略図である。 本実施例1乃至6に記載のクリ−ニングレスシステムを有する画像形成部の感光ドラム周りの構成を示す断面概略図である。 フィッシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を示す図である。 トナー帯電手段ブラシ繊維の疎密状態の断面を示すイメージ図である。 Bk現像器の構成を示す概略図である。 本実施例1乃至6に記載のクリーニング装置を有する画像形成部の感光ドラム周りの構成を示す断面概略図である。 本発明で研磨剤として用いた立方体、もしくは直方体の形状を有するペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウムのSEM写真である。 本発明におけるトナー粒子の帯電量の測定に用いた装置の概略図である。 トナー帯電手段のブラシの密度を振った場合のブラシへのトナーの付着個数と研磨剤の付着個数の比と平均粒トナー母体粒子の粒径と研磨剤の粒径の比との関係を示した図である。 トナー帯電手段のブラシの密度を振った場合のブラシへのトナーの付着個数と研磨剤の付着個数の比とトナー粒子からの研磨剤の遊離率との関係を示した図である。 トナー帯電手段のブラシの密度を振った場合のブラシへのトナーの付着個数と研磨剤の付着個数の比とトナー粒子への研磨剤の添加量との関係を示した図である。 トナー帯電手段のブラシの密度を振った場合のブラシへのトナーの付着個数と研磨剤の付着個数の比とトナーの凝集度との関係を示した図である。
符号の説明
100 画像形成装置
1 電子写真感光体(感光ドラム)
2 帯電手段(帯電ローラ)
2a 芯金(支持部材)
2b 下層(発泡スポンジ層)
2c 中間層(抵抗層)
2d 表面層(保護層)
2f 帯電ローラクリーニング部材
2g 支持部材
3 露光手段(レーザービームスキャナ)
4 現像手段
4a 現像容器
4e 二成分現像剤
4f 現像剤撹拌部材
4Bk 固定現像装置
5 現像剤補給容器(トナー補給ユニット)
6 トナー帯電手段(トナー帯電量制御手段)
7 残留トナー均一化手段
8 プロセスカートリッジ
9a、9b、9c、9d 1次転写バイアス源
10 2次転写ローラ
12 給紙ローラ
11 中間転写ベルトクリーナ
11a クリーニングブレード
13 定着手段(ローラ定着器)
20、21、22 電源(電圧印加手段)
40 現像容器
41 現像スリーブ
42 現像剤規制ブレード
43,44 現像剤撹拌部材(撹拌スクリュー)
45 センサー
46 二成分現像剤
47 トナー補給開口
51 スクリュー
61、71 ブラシ部
62、72 電極板
91 中間転写体
92 1次転写ローラ
93 1次転写バイアス電源
94 駆動ローラ
95 テンションローラ
96 2次転写対向ローラ
108 クリーナ前露光装置
109a クリーニング容器
109b クリーニングブレード
109c マグネットローラ
109d 規制ローラ
110a、110b 装着手段
111 帯電ユニット枠体
112 現像枠体
113 分離爪
114 面状発熱体ヒータ
130 制御回路
171 吸引機
172 帯電量測定容器
173 スクリーン
174 金属製フタ
175 真空計
176 風量調節弁
177 吸引口
178 コンデンサー
179 電位計
400 Bk現像器
401 現像スリーブ(固定現像剤担持体)
402 マグネット
403 磁性ブレード
404 撹拌部材
405 磁性トナー
a 帯電部(当接部)
b 露光部
d 転写部
e 接触部
P 転写材
PY、PM、PC、PBk 画像形成部

Claims (8)

  1. 像担持体と該像担持体の表面を帯電する帯電手段及び、前記像担持体上に形成された潜像を現像する現像手段を有し、形成されたトナー画像が転写される転写手段とを備えている画像形成装置において、
    前記像担持体の回転方向に対して、前記転写手段の位置する転写部よりも下流で、且つ前記帯電手段の位置する帯電部よりも上流の位置にトナーの帯電極性と同極性の電圧が印加される帯電補助手段として、導電性を有する繊維で構成されたブラシ部材を有しており、ブラシを構成する繊維の繊度は0.5d(デニール)以上4d(デニール)以下であり、且つブラシの密度は300KF/inch2以上600KF/inch2以下で構成されており、
    前記トナー画像を形成するトナーは、前記トナーの帯電極性とは逆の帯電極性である無機微粒子を添加したトナーであり、
    該無機微粒子の平均一次粒径は該添加させるトナー母体粒子の平均一次粒径の1/20以下で、トナーの凝集度が15%以上であり、該無機微粒子のトナー母体粒子に対する添加量は0.2質量%以上で、且つトナー母体粒子に対する該無機微粒子の遊離率は15個数%以上であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記無機微粒子の平均一次粒径は30nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナーの帯電極性と同極性の電圧が印加される帯電補助手段は、転写された後残留したトナーをトナーの帯電極性と同極性に帯電するトナー帯電手段であり、前記トナー帯電手段で帯電されたトナーは前記現像装置で再び回収されるクリーナレスシステムであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記帯電補助手段を構成する繊維は、公定水分量(温度20℃湿度65%環境下での吸湿率)が6%以下の合成繊維を用いたブラシであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記トナーに添加する無機微粒子は、疎水化処理された微粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記トナーに外添する無機微粒子は、立方体もしくは、直方体の粒子形状を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記トナーに外添する無機微粒子は、ペロブスカイト型のチタン酸ストロンチウム結晶の微粒子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記像担持体の表面は、温度25℃湿度50%の環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い,最大荷重6mNで押し込んだときのHU(ユニバーサル硬さ値)が150N/mm以上220N/mm以下であり、且つ弾性変形率Weが45%以上65%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
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