JPH11222089A - エアバッグドア部を有するインストルメントパネル用表皮とエアバッグドア部を有するインストルメントパネルの製造方法 - Google Patents

エアバッグドア部を有するインストルメントパネル用表皮とエアバッグドア部を有するインストルメントパネルの製造方法

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JPH11222089A
JPH11222089A JP10041172A JP4117298A JPH11222089A JP H11222089 A JPH11222089 A JP H11222089A JP 10041172 A JP10041172 A JP 10041172A JP 4117298 A JP4117298 A JP 4117298A JP H11222089 A JPH11222089 A JP H11222089A
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airbag door
instrument panel
foaming
mold
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JP10041172A
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Koichi Yamagishi
浩一 山岸
Tomokazu Kudome
智和 久留
Masayuki Takahashi
将之 高橋
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Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアバッグドア部の外観が良好で、表皮の成
形も容易かつ経済的となるエアバッグドア部を有するイ
ンストルメントパネル用表皮およびエアバッグドア部を
有するインストルメントパネルの製造方法を提供する。 【解決手段】 表皮裏面側へ窪んだ溝部15によって一
般表皮部25から区画形成されたエアバッグドア表皮部
21を有するインストルメントパネル用表皮において、
前記溝部15の対向する側壁の一方16が他方17より
も高くされて前記エアバッグドア表皮部の表面がその周
囲の一般表皮部の表面から外方へ突出あるいは内方へ下
がって位置するとともに、前記エアバッグドア表皮部と
一般表皮部との互いに対向する縁21a,25aの位置
が表皮表面と平行な方向に関し一致している

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エアバッグドア
部を有するインストルメントパネル用表皮とエアバッグ
ドア部を有するインストルメントパネルの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車内には、各種メーター類の取付等
のためにインストルメントパネルがフロントガラスの下
部に設けられている。通常、インストルメントパネル
は、基材表面に発泡体が設けられて該発泡体の表面が表
皮で覆われたものからなり、その製造は、発泡成形型内
に表皮と基材を配置し、前記表皮と基材間に発泡原料を
注入して発泡させることにより行われる。
【0003】また、近年、インストルメントパネルの助
手席側には、自動車衝突時に乗員を保護するためのエア
バッグ装置が設けられるようになった。エアバッグ装置
が設けられるインストルメントパネルは、図10および
そのA−A断面図である図11に示すように、助手席側
にエアバッグドア部Dが形成されていて、そのエアバッ
グドア部Dの裏側にエアバッグ装置60が設けられる。
【0004】エアバッグ装置60は、エアバッグ収容ケ
ース61内にインフレータ62と折り畳まれたエアバッ
グ63とが収容されたものからなる。エアバッグ収容ケ
ース61の上部はエアバッグ63が車室内に展開するた
めに開口しており、その開口部分61aが、インストル
メントパネル70に形成されたエアバッグドア部Dによ
って覆われている。そして、自動車に衝撃が加わるとイ
ンフレータ62が作動し、図11の鎖線のようにエアバ
ッグ63が膨張し、エアバッグドア部Dを裏側から車室
内側へ押し開いてエアバッグ63が車室内に展開する。
【0005】図中の符号71は表皮、76は発泡体、7
7はインストルメントパネル70の裏側に設けられた基
材である。また、78はエアバッグドアインサート、6
4はエアバッグ収容ケース61に溶接等により固定され
た取り付けブラケット、65はエアバッグ収容ケース6
1やエアバッグドアインサート78の取り付けに用いら
れるボルト等の固定部品である。
【0006】なお、前記エアバッグ装置61が設けられ
るインストルメントパネルとしては、前記のインストル
メントパネル70のように、インストルメントパネルの
製造時にエアバッグドア部Dも一体に成形される一体タ
イプのものと、インストルメントパネルの製造後にエア
バッグドア部を取り付ける後付けタイプのものとが存在
するが、エアバッグドア部外周の美観等の点では一体タ
イプのものが優れている。この発明は一体タイプに関す
るものである。
【0007】前記エアバッグドア部を有するインストル
メントパネルにおいてエアバッグドア部のスムーズな開
きを実現するには、エアバッグ膨張時の押圧によってエ
アバッグドア部周縁が速やかに破断してその周囲の一般
部から分離する必要がある。そこで、従来では次の手段
が提案されている。その一つとして、前記インストルメ
ントパネル70のように、表皮71の所定部に開口72
を形成し、該開口72に別部材からなるエアバッグドア
表皮73をはめ、該エアバッグドア表皮73周縁と前記
表皮71の開口72内周縁とに形成した内方屈曲フラン
ジ74,75を互いに係合させたものがある。これにお
いては、エアバッグドア表皮73部分の速やかな分離
と、前記フランジ74,75が発泡体76内へ埋入する
ことによって形成される発泡体76の強度低下部によ
り、発泡体の速やかな分離を実現することができる。し
かし、この場合にあっては、エアバッグドア表皮73を
別成形しなければならないため、表皮の成形が煩わし
く、コストも増大する問題がある。
【0008】また、図12に示すように、表皮裏面側に
窪む断面略U字形の深溝84によってエアバッグドア表
皮部82をその周囲の一般表皮部83から区画した表皮
81を成形し、その表皮81を発泡成形型に配置して製
造した、図13に示すインストルメントパネル80も提
案されている。この場合には、前記深溝84が発泡体8
8に埋入されることによって発泡体88に破断用強度低
下部が形成される。符号89は基材である。
【0009】ところで、前記深溝84を有する表皮81
の成形は、パウダースラッシュ成形型の型面に凸条を垂
直に立設し、該凸条によって前記深溝84を形成しなけ
ればならないため、前記凸条の厚みに相当する隙間85
を深溝84内側に生じる。また、この隙間85がインス
トルメントパネル80の表面に存在すると外観を損なう
ことになるため、前記表皮81は、エアバッグドア表皮
部82の寸法jと、深溝85の外周で包囲される部分の
寸法kが等しくなるよう、エアバッグドア表皮部82を
表皮81の表面側(外方側)へ膨らんだ湾曲形状にして
成形され、それによって、表皮81を発泡成形型の型面
に配置した際、深溝84を閉じるようにされている。
【0010】しかし、前記深溝84を有する表皮81を
用いて製造されたインストルメントパネル80は、前記
エアバッグドア表皮部82の湾曲癖が少なからず残っ
て、見栄えが損なわれる問題がある。さらに、前記不具
合を極力小さくするには、前記表皮成形用のパウダース
ラッシュ成形型の凸条を、薄いナイフ状のものにする必
要があり、その場合には型強度、型寿命の点で問題があ
る。また、プラスチック表皮の成形に際して作業性が良
好で安価なことから多用されている真空成形法では、前
記のような狭い深溝を有する表皮を得ることができない
ため、パウダースラッシュ成形法に頼らねばならず、表
皮の成形が煩雑となる問題もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は前記の点に
鑑みなされたもので、エアバッグドア部の外観が良好
で、表皮の成形も容易かつ経済的となるエアバッグドア
部を有するインストルメントパネル用表皮およびエアバ
ッグドア部を有するインストルメントパネルの製造方法
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
表皮裏面側へ窪んだ溝部によって一般表皮部から区画形
成されたエアバッグドア表皮部を所定位置に有し、該エ
アバッグドア表皮部とその周囲の一般表皮部との裏面側
に発泡体が形成されるエアバッグドア部を有するインス
トルメントパネル用表皮において、前記溝部の対向する
側壁の一方が他方よりも高くされて前記エアバッグドア
表皮部の表面がその周囲の一般表皮部の表面から突出あ
るいは下がって位置するとともに、前記エアバッグドア
表皮部と一般表皮部の互いに対向する縁が表皮表面と平
行な方向の位置に関し一致していることを特徴とする。
【0013】請求項2に係る発明は、請求項1における
溝部に破断用強度低下部が形成されていることを特徴と
する。
【0014】また、請求項3に係る発明は、エアバッグ
ドア部を有するインストルメントパネル用表皮と基材を
発泡成形型内に配置し、前記表皮と基材間に発泡原料を
注入し発泡体の発泡成形を行うことにより、エアバッグ
ドア部を有するインストルメントパネルを製造するに際
し、請求項1または2に記載されたエアバッグドア部を
有するインストルメントパネル用表皮をエアバッグドア
表皮部とその周囲の一般表皮部が面一に隣接すように発
泡成形型内の型面に配置した後、前記表皮と基材間に発
泡原料を注入し発泡させることを特徴とする。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項3と同様に
してエアバッグドア部を有するインストルメントパネル
を製造するに際し、請求項1または2に記載されたエア
バッグドア部を有するインストルメントパネル用表皮を
溝部で切断してエアバッグドア表皮部と該エアバッグド
ア表皮部の存在した部分で開口した一般表皮部とに分離
し、前記エアバッグドア表皮部を一般表皮部の開口部分
にはめて当該両表皮部を発泡成形型内の型面に配置した
後、前記表皮と基材間に発泡原料を注入し発泡させるこ
とを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に基づきこの発明
を詳細に説明する。図1はこの発明に係るエアバッグド
ア部を有するインストルメントパネル用表皮の一実施例
の要部斜視図、図2は図1の表皮におけるエアバッグド
ア表皮部と一般表皮部の面一状態を示す斜視図、図3は
図1の表皮のためのパウダースラッシュ成形型の要部を
示す断面図、図4はこの発明の製造方法における表皮配
置時を示す発泡成形型の要部断面図、図5は発泡原料注
入後を示す発泡成形型の要部断面図、図6は発泡状態を
示す発泡成形型の要部断面図、図7は得られたエアバッ
グドア部を有するインストルメントパネルの要部斜視
図、図8は他の製造実施例における製造工程を示す断面
図、図9はこの発明の他の実施例に係る表皮の要部を示
す斜視図である。
【0017】図1に示す、この発明の一実施例に係るエ
アバッグドア部を有するインストルメントパネル用表皮
(以下単に表皮とも記す)11は、従来技術の欄の図1
0で示したエアバッグドア部を有するインストルメント
パネル70とほぼ同様の形状からなるインストルメント
パネルの製造に用いられるものである。
【0018】この表皮11は、塩化ビニル樹脂等のプラ
スチックからなり、真空成形あるいはパウダースラッシ
ュ成形等によって所望のインストルメントパネル形状と
されている。この表皮11の助手席側の所要位置には、
溝部15によってエアバッグドア表皮部21がその周囲
の一般表皮部25から区画形成されている。
【0019】溝部15は、表皮裏面12側へ窪んだもの
で、断面形状がほぼ釣り針状に屈曲した形状からなり、
対向する側壁16,17における一方の側壁16の高さ
a1が他方の側壁の高さa2よりも高くされている。こ
の例においては、内側の側壁16を外側の側壁17より
も高くして、内側の側壁16端部16aを一般表皮部2
5の表面よりも外側へ突出させている。また、この溝部
15は内側の側壁16がその端部16a側で外側の側壁
17側へ曲がって、両側壁16,17の端部16a,1
7aが、表皮表面13と平行な方向Hにおいて位置が一
致している。すなわち、図1においては内側の側壁の端
部16aが外側の側壁の端部17aの真上に所定距離離
れて位置し、表皮表面と平行な方向に関して両端部16
a,17aの位置が一致している。なお、前記両側壁端
部16a,17a間の開口距離bは、特に狭くする必要
はなく、適宜とされる。一般的には、数mm〜10mm
程度とされる。
【0020】さらに、前記溝部15には、破断用強度低
下部18が形成されている。この破断用低下部18は、
エアバッグ膨張時にエアバッグドア表皮部21の周縁で
表皮11を破断し易くしてエアバッグドア部のスムーズ
な開きを実現したり、あるいは、後記するように、あら
かじめエアバッグドア表皮部21を一般表皮部25から
分離させてインストルメントパネル発泡成形型に配置す
る場合には、その分離を容易にするのものである。
【0021】エアバッグドア表皮部21は、インストル
メントパネルのエアバッグドア部の表面を構成するもの
で、前記溝部15の内側側壁端部16aで包囲された部
分で構成される。このエアバッグドア表皮部21の寸法
cは、溝部15の外側側壁端部17aで包囲される部分
の寸法dと等しくされている。また、このエアバッグド
ア表皮部21の表面は、前記溝部15の内側側壁16の
端部16aの高さに応じて、その周囲の一般表皮部25
の表面から突出あるいは下がって位置し、かつエアバッ
グドア表皮部21と一般表皮部25との互いに対向する
縁21a,25a(前記溝部15の対向する側壁端部1
6a,17aと同じ部分)が、表皮表面13と平行な方
向Hに関して位置が一致している。
【0022】前記のような位置関係としたため、エアバ
ッグドア表皮部21の寸法cと溝部15の外側側壁端部
17aで囲まれる部分の寸法dを一致させる目的で、エ
アバッグドア表皮部21を余分に外方へ湾曲させて成形
しておく必要がなくなり、エアバッグドア部の本来の表
面形状と等しい形状に成形しておけばよくなる。その結
果、インストルメントパネル製造の際に、溝部15の外
側側壁17で囲まれる部分19にエアバッグドア表皮部
21を押し込んで、図2のようにエアバッグドア表皮部
21の表面と一般表皮部25の表面を面一にしたとき、
エアバッグドア表皮部21に、前記余分に湾曲成形した
場合の変形癖が残らず、良好なエアバッグドア部外観が
得られる。
【0023】また、前記エアバッグドア表皮部21およ
び溝部15の成形は、図3に示すように、表皮成形に用
いられるパウダースラッシュ成形型35の型面36の所
定位置に、前記エアバッグドア表皮部21と対応する凹
面または凸面(この例では凹面37)を形成し、その周
縁に前記溝部15を成形する突部38を、その先端38
aが凹面37側へ膨らんで入り込むように立設してお
き、その成形型35を用いて常法通りのパウダースラッ
シュ成形を行えばよい。その場合、前記突部38で囲ま
れた凹面37がエアバッグドア表皮部21の成形面とな
り、前記突部38の外側が一般表皮部25の成形面とな
る。また、前記突部38の内側基部38bと外側基部3
8cは、型面36と垂直方向において一致させておき、
それによって形成されるエアバッグドア表皮部21と一
般表皮部25の対向する縁21a,25aの位置関係を
前記の如く一致させる。従って、前記型面の突部38の
厚みは、エアバッグドア表皮部21と一般表皮部25の
対向する縁21a,25aを一致させるのに影響を与え
ず、専ら型の耐久性や製造し易さから突部38の厚みを
定めればよくなるので、表皮成形型を安価かつ耐久性に
優れたものにでき、経済的に表皮11を製造できるよう
になる。なお、表皮11を真空成形する場合にも、前記
パウダースラッシュ成形型35と同様の型面構造とすれ
ばよい。
【0024】一般表皮部25は、エアバッグドア部以外
の表皮部分を構成するもので、求められるインストルメ
ントパネルの形状に応じたものとなっている。
【0025】次に、前記表皮11を用いて行うエアバッ
グドア部を有するインストルメントパネルの製造方法に
ついて、その一実施例を示す。まず、図4に示すよう
に、前記表皮11を、発泡成形型40の下型41の型面
43に配置するとともに、硬質プラスチック等からなる
基材30を発泡成形型の上型42の型面44に配置す
る。
【0026】発泡成形型40は、公知の表皮一発泡体成
形に用いられる上下分割型構造からなり、下型41の型
面43と上型42の型面44がインストルメントパネル
形状とされており、その両型面間が成形キャビティとさ
れている。この例の下型41は、表皮11を正しく型面
43に保持できるように、真空吸引孔45が形成され、
型外部の真空吸引装置(図示せず)と接続されて型面4
3の表皮11を吸引固定するようになっている。また、
上型42の型面44には、図示しない公知の基材保持手
段が設けられている。例えば、基材30に設けられる製
品取付用のクリップと係合する孔を設ける等である。
【0027】前記表皮11は、その裏面12を上向きに
して下型41の型面43に載置される。その際、エアバ
ッグドア表皮部21が下型41の型面43に鎖線で示す
ように押し付けられて、溝部15の外側側壁17で囲ま
れる部分19にはめられ、一般表皮部25と面一にされ
る。そして、その状態で表皮11が下型の型面43に真
空吸引されて位置固定される。このとき、互いに対向す
るエアバッグドア表皮部21の縁21aと一般表皮部の
縁25aは、前記表皮11の溝部15における位置関係
から、互いに隙間なく密着する。
【0028】一方、基材30は、前記エアバッグドア表
皮部21と対応する位置にエアバッグ開口部33が形成
されていて、そのエアバッグ開口部33に金属板等から
なるエアバッグドアインサート32が一辺側で固定され
ている。符号34は、エアバッグドアインサート32固
定用のボルト類であって、インストルメントパネル製造
後にエアバッグ収容ケースの取付にも利用される。
【0029】次いで、図5に示すように、前記表皮11
と基材26間にポリウレタン原料等の発泡原料Pを注入
し、発泡させる。この注入は、インストルメントパネル
の形状等に応じて、公知のオープン注入法あるいはクロ
ーズド注入法が採用される。オープン注入法は、発泡成
形型40を開けて発泡原料Pを注入し、その後閉型する
ものであるのに対し、クローズド注入法は、閉型状態で
発泡原料Pを注入するものである。クローズド注入法に
よる場合には、上型42および基材26の一部に発泡原
料注入口が設けられる。
【0030】前記発泡原料Pは発泡し、図6に示すよう
に、表皮11と基材30間に充満し、発泡時の接着性に
よって表皮11および基材30と接着一体化した発泡体
33を形成する。その際、前記溝部15は、表皮11と
基材30間に充満した発泡体33によって挟まれ、密着
する。発泡終了後、成形品を脱型すれば、図7に示すよ
うな、エアバッグドア部Dを有するインストルメントパ
ネル10が得られる。なおその全体形状は、図10に示
したインストルメントパネル70と同様であり、その後
エアバッグ装置60が取り付けられる。
【0031】前記のようにして得られたインストルメン
トパネル10は、エアバッグドア表皮部21の周縁に隙
間がなく、しかもエアバッグドア表皮部の表面に見苦し
い変形部分が存在せず、外観が良好である。また、前記
表皮11の溝部15には破断用強度低下部18が形成さ
れており、さらに前記溝部15が発泡体33内に楔状に
入り込んで一種の割線の役割をするため、エアバッグ膨
張時にエアバッグドア表皮部21の周縁位置で表皮11
および発泡体33が速やかに破断し、エアバッグドア部
Dがスムーズに開くことができる。
【0032】なお、前記実施例においては、エアバッグ
ドア表皮部21と一般表皮部25とを分離させることな
く表皮11を発泡成形型40に配置しているが、図8
(A),(B)に示すように、発泡成形型の下型41に
配置する際に、あらかじめ溝部15Aの位置で切断し
て、エアバッグドア表皮部21Aと、そのエアバッグド
ア表皮部21Aの存在した部分が開口27Aとなった一
般表皮部25Aとに分離し、その後エアバッグドア表皮
部21Aと一般表皮部25Aを下型の型面43に配置し
てもよい。その際、前記エアバッグドア表皮部21を一
般表皮部25Aの開口27A部分にはめ、図8(C)の
ように、両表皮部21A,25Aの表面を面一に型面に
保持して発泡原料Pを表皮11Aと基材26間に注入し
てもよい。この例においては、溝部15Aに破断用低下
部を形成していないが、図1に示した前記実施例の表皮
11を用いて、その表皮11の溝部15に形成されてい
る破断用強度低下部18を利用してエアバッグドア表皮
部と一般表皮部を分離させれば作業が容易である。勿
論、その場合の破断用低下部は溝部15Aの最適位置に
形成される。
【0033】図9に示す他の実施例の表皮11Bは、エ
アバッグドア表皮部21Bが一般表皮部25Bの表面か
ら内側へ下がった位置に形成されている。この例におい
ても、エアバッグドア表皮部21Bと一般表皮部25B
の対向する縁22B,26Bは、表皮11Bの表面13
Bと平行方向の位置が一致しており、またエアバッグド
ア表皮部21Bの寸法eと、溝部15bの外側側壁によ
り囲まれる部分の寸法fが等しくされている。この表皮
11Bも前記実施例と同様にしてエアバッグドア部を有
するインストルメントパネルの製造に使用される。
【0034】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
エアバッグドア部を有するインストルメントパネル用表
皮およびその表皮を用いるエアバッグドア部を有するイ
ンストルメントパネルの製造方法にあっては、エアバッ
グドア表皮部を本来の形状に成形しておくことができる
ため、製造後のインストルメントパネルにおいてエアバ
ッグドア部の表面に見苦しい形状癖が残らず、外観が良
好となる。さらに、表皮のエアバッグドア表皮部周囲の
溝部を極端に狭く成形する必要がないため、その溝部成
形のために表皮成形型に設ける突部を極端に薄くする必
要がなくなる。従って、表皮成形型の耐久性を向上させ
ることができ、表皮およびインストルメントパネルを安
価に得られるようになる。さらに、表皮成形型に設ける
溝部成形用の突部を極端に薄くする必要がないため、簡
単安価な成形法である真空成形法によっても表皮を成形
することができるようになる。
【0035】また、この発明によれば、表皮は、エアバ
ッグドア表皮部とその周囲の一般表皮部とを一体に成形
したものであるため、表皮の成形型が一面で済み、しか
も表皮に無駄となる部分が少ない利点がある。さらに、
インストルメントパネルの製造時にエアバッグドア部を
一体に成形できるため、作業効率が良く、成形コストを
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアバッグドア部を有するインストルメントパ
ネル用表皮の一実施例の要部斜視図である。
【図2】図1の表皮のエアバッグドア表皮部と一般表皮
部の面一状態を示す斜視図である。
【図3】図1の表皮のためのパウダースラッシュ成形型
の要部を示す断面図である。
【図4】この発明の製造方法の表皮配置時を示す発泡成
形型の要部断面図である。
【図5】発泡原料注入後を示す発泡成形型の要部断面図
である。
【図6】発泡状態を示す発泡成形型の要部断面図であ
る。
【図7】得られたエアバッグドア部を有するインストル
メントパネルの要部斜視図である。
【図8】他の製造実施例における製造工程を示す断面図
である。
【図9】他の実施例におけるる表皮の要部を示す斜視図
である。
【図10】エアバッグドア部を有する従来のインストル
メントパネルの斜視図である。
【図11】図10のA−A断面図である。
【図12】従来の表皮の要部断面図である。
【図13】図12の表皮を用いたインストルメントパネ
ルの断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 11,11A,11B 表皮 15,15A,15B 溝部 16,17 溝部の側壁 18 破断用強度低下部 21 エアバッグドア表皮部 25 一般表皮部 27A 一般表皮部の開口 30 基材 33 発泡体 40 発泡成形型 P 発泡原料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮裏面側へ窪んだ溝部によって一般表
    皮部から区画形成されたエアバッグドア表皮部を所定位
    置に有し、該エアバッグドア表皮部とその周囲の一般表
    皮部との裏面側に発泡体が形成されるエアバッグドア部
    を有するインストルメントパネル用表皮において、 前記溝部の対向する側壁の一方が他方よりも高くされて
    前記エアバッグドア表皮部の表面がその周囲の一般表皮
    部の表面から突出あるいは下がって位置するとともに、
    前記エアバッグドア表皮部と一般表皮部の互いに対向す
    る縁が表皮表面と平行な方向の位置に関し一致している
    ことを特徴とするエアバッグドア部を有するインストル
    メントパネル用表皮。
  2. 【請求項2】 請求項1において、溝部に破断用強度低
    下部が形成されていることを特徴とするエアバッグドア
    部を有するインストルメントパネル用表皮。
  3. 【請求項3】 エアバッグドア部を有するインストルメ
    ントパネル用表皮と基材を発泡成形型内に配置し、前記
    表皮と基材間に発泡原料を注入し発泡体の発泡成形を行
    うことにより、エアバッグドア部を有するインストルメ
    ントパネルを製造するに際し、 請求項1または2に記載されたエアバッグドア部を有す
    るインストルメントパネル用表皮をエアバッグドア表皮
    部とその周囲の一般表皮部が面一に隣接すように発泡成
    形型内の型面に配置した後、 前記表皮と基材間に発泡原料を注入し発泡させることを
    特徴とするエアバッグドア部を有するインストルメント
    パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 エアバッグドア部を有するインストルメ
    ントパネル用表皮と基材を発泡成形型内に配置し、前記
    表皮と基材間に発泡原料を注入して前記表皮および基材
    と一体となった発泡体を発泡成形することにより、エア
    バッグドア部を有するインストルメントパネルを製造す
    るに際し、 請求項1または2に記載されたエアバッグドア部を有す
    るインストルメントパネル用表皮を溝部で切断してエア
    バッグドア表皮部と該エアバッグドア表皮部の存在した
    部分で開口した一般表皮部とに分離し、 前記エアバッグドア表皮部を一般表皮部の開口部分には
    めて当該両表皮部を発泡成形型内の型面に配置した後、 前記表皮と基材間に発泡原料を注入し発泡させることを
    特徴とするエアバッグドア部を有するインストルメント
    パネルの製造方法。
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