JPH11221907A - 印刷装置及び印刷物排紙収納装置 - Google Patents

印刷装置及び印刷物排紙収納装置

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JPH11221907A
JPH11221907A JP24345998A JP24345998A JPH11221907A JP H11221907 A JPH11221907 A JP H11221907A JP 24345998 A JP24345998 A JP 24345998A JP 24345998 A JP24345998 A JP 24345998A JP H11221907 A JPH11221907 A JP H11221907A
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正寿 佐藤
Yoshihiko Kudo
芳彦 工藤
Kengo Tsubaki
健悟 椿
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷物上の未乾燥のエマルジョンインキの他
の部分への転移を防止するために、印刷物上の余分なエ
マルジョンインキの除去能力を高め、さらに、小型化及
びコストダウンを図る。 【解決手段】 エマルジョンインキを顔料とそれ以外の
成分とに分離する多孔質層と、この多孔質層で分離され
た顔料以外の成分を吸収保持する保持層とを有するイン
キ除去シート21により形成された搬送ベルトで用紙搬
送部9を構成し、この用紙搬送部9で用紙pを搬送する
過程で、インキ除去シート21で印刷直後の印刷物P上
の余分なエマルジョンインキを除去し、印刷物P上の余
分なエマルジョンインキの除去能力を高めるようにす
る。さらに、用紙を搬送する用紙搬送部の搬送ベルトと
してインキ除去シート21を用いることで、別個にイン
キ除去装置を設ける必要性をなくし、小型化とコストダ
ウンとを図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置及び印刷
物排紙収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エマルジョンインキを用いて印刷
する印刷装置として、平版印刷装置、凹版印刷装置、凸
版印刷装置、孔版印刷装置等があるが、孔版印刷装置で
は殆どエマルジョンインキを使用している。このような
印刷装置に使用されているエマルジョンインキは、不乾
性油や不揮発性油に顔料を均一に分散させた油相約10
〜50%に水相を約90〜50%乳化させたもの、いわ
ゆるW/O型(油中水型)エマルジョンであり、油相中
には、必要に応じて溶剤、樹脂、乳化剤、界面活性剤等
が含まれている。水相中には、必要に応じて湿潤剤、水
溶性樹脂、電解質、防黴剤、酸化防止剤等の水溶性添加
物が含有されている。
【0003】ところで、このようなエマルジョンインキ
を用いる印刷装置において、印刷直後の印刷物の印画部
(転移されたエマルジョンインキによる像)は、通常そ
のまま放置させて自然乾燥によって乾燥している。具体
的には、印刷後は、エマルジョンインキ中の油相成分を
用紙中に自然に浸透させ、水相成分を自然に大気中に蒸
発させるという、単なる放置に任せている。
【0004】そのため、印刷装置において連続的に印刷
された印刷物を排紙トレイの上に重ねて排紙すると、先
に排紙された印刷物上の印画部を構成するエマルジョン
インキの一部が、後から排紙された印刷物の裏面に付着
するという、いわゆる「裏移り」と称せられる不具合が
発生する。また、印刷直後のエマルジョンインキに触れ
ると、乾燥していないエマルジョンインキにより指や衣
服が汚れたり、印刷物上の画像が損なわれるという不具
合が発生する。特に、孔版印刷装置によって形成された
エマルジョンインキの像は、その像の盛り上がりが他の
印刷装置により印刷されたエマルジョンインキの像に比
して大きく、上述の不具合の発生は顕著なものとなって
いる。
【0005】このような不具合を解決するために、実開
昭55−159149号公報に記載されているように、
例えば、印刷物を放熱源からの熱により非接触状態で加
熱して乾燥することが知られている。
【0006】また、特開平2−16053号公報に記載
されているように、繰り出した帯状の余剰インキ転写紙
を印刷物に押し当てることにより、印刷物上の余剰イン
キを剥ぎ取るようにした発明、特開平1−202487
号公報に記載されているように、印刷物の余剰インキを
ローラに転写させ、それをシートによりクリーニングす
る発明、特開平7−132586号公報或いは特開平8
−258244号公報に記載されているように、インキ
に相容せず且つインキよりも表面張力の低い余剰インキ
除去液を塗布したローラを印刷物に接触させ、そのロー
ラにより印刷物上のインキを剥ぎ取る発明がある。ま
た、特開平9−39362号公報に記載されているよう
に、エマルジョンインキを用いて印刷した直後に、印刷
物(画像担持体)と剛体との間で印画部のエマルジョン
インキを押圧し、エマルジョンインキを破壊させて固定
像を得ることにより、裏移りを防止する発明がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】実開昭55−1591
49号公報に記載されているように、印刷物を放熱源か
らの熱だけで乾燥するようにした技術は、エマルジョン
インキに多量の水分が含まれているため、乾燥後の印刷
物に波打ちが生じたり、エマルジョンインキ中の顔料の
凝集が発生しチョーキングの悪い画像になるという問題
がある。また、印刷物に波打ちが生ずると、排紙トレイ
上において印刷物が不揃いとなり易く、積層された印刷
物の間に隙間が生ずるため積層枚数が少なくなる不具合
もある。さらに、印刷物のインキの乾燥を加熱のみに依
存すると、加熱が連続して行われるため、加熱部でジャ
ムが発生すると印刷物が異常に加熱されるおそれがあ
り、さらに、放熱源の温度が乾燥可能状態に立ち上げる
ために長い準備時間を必要とする。
【0008】特開平2−16053号公報に記載されて
いるように、帯状の余剰インキ転写紙を印刷物に押し当
てることにより、印刷物上の余剰インキを剥ぎ取るよう
にした発明は、大量の余剰インキ転写紙を消費するため
不経済である。また、特開平1−202487号公報に
記載された発明は、ローラ上に転写させた余剰インキを
クリーニングするために大量のクリーニングシートを消
費するため不経済である。
【0009】特開平7−132586号公報或いは特開
平8−258244号公報に記載された発明は、印刷物
上のインキを剥ぎ取るための余剰インキ除去液の補充や
交換等のメンテナンスを必要とし、また、余剰インキ除
去液をこぼしてしまうことがあるので操作が煩わしい。
【0010】特開平9−39362号公報に記載された
発明は、エマルジョンインキを破壊させて固定像を得て
いるが、回収タンクに回収するエマルジョンインキが液
状であるため、廃棄及び清掃が困難である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の印刷装置
は、エマルジョンインキを用いて用紙に画像を印刷する
印刷部と、この印刷部に用紙を給紙する給紙部と、この
給紙部から前記印刷部を経て排紙部に至る用紙搬送経路
中に配設された用紙搬送部とを具備する印刷装置におい
て、前記用紙搬送部は、前記印刷部により印刷された印
刷物の印画部に接触させたときに印画部の表面に残存す
るエマルジョンインキを顔料とそれ以外の成分とに分離
して除去する多孔質層と、この多孔質層で分離した顔料
以外の成分を吸収して保持する保持層とを有するインキ
除去シートによって形成された搬送ベルトを具備する。
【0012】したがって、印刷物の印画部の余分なエマ
ルジョンインキを搬送ベルトを兼ねたインキ除去シート
の多孔質層により顔料とそれ以外の溶媒成分等の成分と
に分離して除去し、顔料以外の溶媒成分等の成分を保持
層で吸収して保持することができる。このため、印刷物
上の余分なエマルジョンインキの除去能力を高めること
が可能となる。
【0013】請求項2記載の印刷装置は、請求項1記載
の発明において、印刷部と排紙部との間に、インキ除去
シートによって形成された搬送ベルトを具備する用紙搬
送部が配設されている。
【0014】したがって、印刷済みの用紙を排紙部に排
紙する前に余分なエマルジョンインキを除去することが
可能となる。
【0015】請求項3記載の印刷装置は、請求項1記載
の発明において、印刷部は、用紙搬送方向における異な
る位置で用紙に画像を転写する複数の転写部を備え、こ
れらの転写部の間に、インキ除去シートによって形成さ
れた搬送ベルトを具備する。
【0016】したがって、上流側の転写部により用紙に
転写した画像の余分なエマルジョンインキを除去した状
態で次工程の転写部に用紙を搬送することが可能とな
る。
【0017】請求項4記載の印刷装置は、請求項1記載
の発明において、印刷部は、用紙搬送方向における異な
る位置で用紙に片面ずつ画像を転写する複数の転写部を
備え、下流側の前記転写部に、インキ除去シートによっ
て形成された搬送ベルトを具備する用紙搬送部が配設さ
れている。
【0018】したがって、上流側の転写部により用紙の
一方の面に転写した画像の余分なエマルジョンインキ
を、下流側の転写部により用紙の他方の面に画像を転写
するときに除去することが可能となる。
【0019】請求項5記載の印刷装置は、請求項1ない
し4の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
の多孔質層に残ったエマルジョンインキ中の顔料を除去
するクリーニング手段を具備する。
【0020】したがって、多孔質層によるエマルジョン
インキの分離除去作用を長期に亘り促進させることが可
能となり、また、インキ除去シートから印刷物への顔料
の再転写を防止することが可能となる。
【0021】請求項6記載の印刷装置は、請求項1ない
し5の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
は搬送ローラに交換自在に巻回されている。
【0022】したがって、インキ除去シートを交換する
ことにより、長期間に亘り印刷物上の余分なエマルジョ
ンインキを除去することが可能となる。
【0023】請求項7記載の印刷装置は、請求項1ない
し6の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
の多孔質層に除去されたエマルジョンインキの水分を蒸
発させる乾燥手段を具備する。
【0024】したがって、多孔質層上のエマルジョンイ
ンキは水分が乾燥手段により速やかに蒸発されて粘度が
低くなるので、多孔質層上のエマルジョンインキの浸透
性が促進され、多孔質層上のエマルジョンインキを短時
間で顔料とそれ以外の成分とに分離することが可能とな
る。
【0025】請求項8記載の印刷装置は、請求項1ない
し7の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
の保持層に保持された顔料以外の成分を転移させる転移
手段を具備する。
【0026】したがって、保持層におけるエマルジョン
インキの溶媒成分の吸収能力をさらに高めることが可能
となる。
【0027】請求項9記載の印刷物排紙収納装置は、印
刷装置によりエマルジョンインキを用いて印刷された印
刷物を搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送部により搬
送された印刷物を収納する収納部とを具備する印刷物排
紙収納装置において、前記用紙搬送部は、印刷物の印画
部に接触させたときに印画部の表面に残存するエマルジ
ョンインキを顔料とそれ以外の成分とに分離して除去す
る多孔質層と、この多孔質層で分離した顔料以外の成分
を吸収して保持する保持層とを有するインキ除去シート
によって形成された搬送ベルトを具備する。
【0028】したがって、印刷物の印画部の余分なエマ
ルジョンインキを搬送ベルトを兼ねたインキ除去シート
の多孔質層により顔料とそれ以外の溶媒成分等の成分と
に分離して除去し、顔料以外の溶媒成分等の成分を保持
層で吸収して保持することができる。このため、印刷物
上の余分なエマルジョンインキの除去能力を高めること
が可能となる。
【0029】請求項10記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9記載の発明において、インキ除去シートの多孔
質層に残ったエマルジョンインキ中の顔料を除去するク
リーニング手段を具備する。
【0030】したがって、多孔質層によるエマルジョン
インキの分離除去作用を長期に亘り促進させることが可
能となり、また、インキ除去シートから印刷物への顔料
の再転写を防止することが可能となる。
【0031】請求項11記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9又は10記載の発明において、インキ除去シー
トは搬送ローラに交換自在に巻回されている。
【0032】したがって、インキ除去シートを交換する
ことにより、長期間に亘り印刷物上の余分なエマルジョ
ンインキを除去することが可能となる。
【0033】請求項12記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9ないし11記載の発明において、インキ除去シ
ートの多孔質層に除去されたエマルジョンインキの水分
を蒸発させる乾燥手段を具備する。
【0034】したがって、多孔質層上のエマルジョンイ
ンキは水分が乾燥手段により速やかに蒸発されて粘度が
低くなるので、多孔質層上のエマルジョンインキの浸透
性が促進され、多孔質層上のエマルジョンインキを短時
間で顔料とそれ以外の成分とに分離することが可能とな
る。
【0035】請求項13記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9ないし12記載の発明において、インキ除去シ
ートの保持層に保持された顔料以外の成分を転移させる
転移手段を具備する。
【0036】したがって、保持層におけるエマルジョン
インキの溶媒成分の吸収能力をさらに高めることが可能
となる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態におけ
る印刷装置を図1に基づいて説明する。本実施の形態に
おける印刷装置Aは、原稿画像を読み取る画像読取部1
と、この画像読取部1により読み取られた画像データに
基づいてマスタ2にデータを穿孔形成する製版部3と、
この製版部3により製版されたマスタ2を巻回する版胴
4を具備する印刷部5と、使用済みのマスタ2を版胴4
から剥がして収納する排版部6とを備え、さらに、給紙
部7から印刷部5を経て排紙部8に至る用紙搬送経路中
に用紙搬送部9が設けられている。
【0038】印刷部5は、インキ供給軸10に回転自在
に支持された版胴4の内部に、インキローラ11とドク
ターローラ12とを有し、版胴4に形成されたメッシュ
状のスクリーンを間にしてインキローラ11と対向する
プレスローラ13を進退自在に設けることで転写部14
が形成されている。転写部14は、インキ供給軸10か
らインキローラ11の外周に供給されたインキを、版胴
4に巻回された製版済みのマスタ2及び版胴4のスクリ
ーンとを介して滲み出させてプレスローラ13によって
版胴4に圧接された用紙pに転写するものである。
【0039】給紙部7は、昇降台15に積載された用紙
pを最上層のものから送り出す給紙ローラ16と、この
給紙ローラ16により送り出された用紙pの重送を阻止
する分離ローラ17とを有する。また、プレスローラ1
3と用紙搬送部9との間には、印刷済みの用紙(以下、
印刷物Pと称する)の版胴4への巻き付きを防止する剥
離爪18が版胴4に対して接離自在に設けられている。
【0040】用紙搬送部9はプレスローラ13の近傍か
ら排紙部8に向かう用紙ガイド19の上面に対向配置さ
れ、この用紙搬送部9は、所定の間隔を開けて配置され
た複数の搬送ローラ20と、これらの搬送ローラ20に
交換自在に巻回された搬送ベルトを兼ねたエンドレスの
インキ除去シート21と、用紙ガイド19とは反対側で
インキ除去シート21に対向する吸引ファン22とによ
り形成されている。この吸引ファン22は用紙ガイド1
9の上面に送り出された印刷物Pを負圧によりインキ除
去シート21に引きつけるもので、インキ除去シート2
1には用紙ガイド19から吸引ファン22への通気を許
容する複数の通孔(図示せず)が形成されている。ま
た、搬送ローラ20の一方はモータ(図示せず)に連結
されている。
【0041】ところで、インキ除去シート21は、印刷
物Pに転写された余分なエマルジョンインキを除去する
ことにより、印刷物Pの乾燥を促進するためのものであ
る。本実施の形態におけるインキ除去シート21は、印
刷物P上の余分なエマルジョンインキを効率よく除去す
るために次のように構成されている。
【0042】すなわち、インキ除去シート21は、印刷
物P上の印画部を構成するエマルジョンインキを顔料と
それ以外の成分(エマルジョンインキの溶媒成分等)と
に分離して除去する多孔質層(図示せず)と、この多孔
質層で分離した顔料以外の溶媒成分等の成分を吸収保持
する保持層(図示せず)とを有する。保持層はシート基
材(図示せず)の一面に形成され、その表面に多孔質層
が形成されている。
【0043】この場合、多孔質層は、シリカ、アルミナ
等の無機顔料粒子とバインダとからなるもの、特に擬ベ
ーマイトを含むものが好適で、細孔構造としては細孔半
径が実質的にインキの顔料粒子の半径よりも小さいこと
が好ましく、本実施の形態では1〜30nmである。多
孔質層が擬ベーマイトを含む場合、ベーマイト結晶がシ
ート基材に対してb軸が垂直に配向していると高い吸収
作用が得られるので好ましい。
【0044】多孔質層は、例えば、擬ベーマイトゾルと
有機バインダとの混合液を塗工液としてシート基材に塗
布し、乾燥することにより形成される。具体的には、擬
ベーマイトゾルに有機バインダを加えてスラリ状とし、
ロールコータ、エアナイフコータ、ブレードコータ、ロ
ッドコータ、バーコータ、コンマコータ等を用いてシー
ト基材に塗布した後に乾燥する。
【0045】この場合、擬ベーマイトゾルに混合する有
機バインダとしては、澱粉やその変性物、ポリビニルア
ルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合
ゴム(SBR)ラテックス、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴム(NBR)ラテックス、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン等の使用が可能で
ある。このような有機バインダの使用量は、塗工液中に
含まれる擬ベーマイトゾルの3〜50重量%程度が好ま
しい。3重量%未満の場合には多孔質層の強度が不十分
となるおそれがあり、50重量%を超える場合には、イ
ンキの吸収性が損なわれるおそれがある。
【0046】さらに、擬ベーマイトを含む多孔質層に
は、インキの吸収性の向上等を目的として、シリカゲ
ル、アルミナゲル等の複数の顔料を併用することもでき
る。特に、多孔質層の表面の耐擦傷性を高めるために、
多孔質層の上にシリカゲル層を設けることもできる。シ
リカゲル層の平均粒径を10〜90nmとし、固形分濃
度を1〜20重量%のシリカゾルにバインダを加えて塗
布すると、塗工膜の耐擦傷性が高くなるので好ましい。
【0047】シリカゾルに加えるバインダとしては、多
孔質層の形成に使用するものと同様のバインダが使用さ
れるが、特に、珪素含有ポリマーを使用することが好ま
しい。この場合のバインダの使用量は、シリカゾルの固
形分(SiO2 換算)に対して1〜30重量%が好まし
い。すなわち、バインダの使用量が1重量%未満の場合
はシリカゲル層の機械的強度が不足し、擬ベーマイトの
保護効果が不十分になるおそれがあり、バインダの使用
量が30重量%を超えるとインキの吸収性が不足するお
それがある。
【0048】このように、上記の塗工液を擬ベーマイト
を含む多孔質層の上に塗布し乾燥することによりシリカ
ゲル層を形成するが、その厚さは0.1〜30μm程度
が好ましい。0.1μm未満の場合には、擬ベーマイト
を含む多孔質層の保護効果が充分に得られず耐擦傷性が
不足するおそれがあり、30μmを超えると塗工膜にお
けるインキ培養成分の吸収性が損なわれる。シリカゲル
層の厚さは0.2〜2μmであるとさらに好ましい。
【0049】さらに、多孔質層の表面は、印刷物Pから
吸収し表面に残った顔料を効率よく除去するために平滑
であることが好ましい。この場合、キャスト法により塗
工したり、その他の方法で塗工した後にカレンダリング
等の方法により多孔質層の表面を平滑にすることができ
る。
【0050】一方、保持層は、多孔質層が吸収したエマ
ルジョンインキの顔料以外の成分(溶媒成分等)を吸収
して保持するものであれば任意の材料を使用することが
できる。材料によってはシート基材そのものを保持層と
することもでき、或いはシート基材と多孔質層との間に
別の層として設けてもよい。具体的には、パルプを原料
とする紙や合成紙を用いた多孔質材が基材兼保持層とし
て使用できる。この場合、多孔質層の表面を平滑にする
観点から、ある程度平滑な材料を用いることが好まし
い。なかでも、エマルジョンインキの保持量が大きく、
且つ、エマルジョンインキ吸収時の変形が小さく繰り返
しの使用が可能な材料が好ましい。その一例としてはシ
リカとポリオレフィン樹脂との混合物からなる多孔質材
が挙げられる。
【0051】さらに、用紙搬送部9の周囲には、インキ
除去シート21の多孔質層に残ったエマルジョンインキ
中の顔料を除去するクリーニング手段23と、インキ除
去シート21の多孔質層に除去されたエマルジョンイン
キの水分を蒸発させる乾燥手段24と、インキ除去シー
ト21の保持層に保持された顔料以外の成分を転移させ
る転移手段25とが配設されている。
【0052】クリーニング手段23は、クリーニングロ
ーラ26と、このクリーニングローラ26によりインキ
除去シート21から除去した顔料を溜めるガードボック
ス27とよりなる。クリーニングローラ26は回転する
ことによりインキ除去シート21から顔料を払拭するこ
とを目的とするもので、インキ除去シート21に対して
線速差が得られる状態で駆動すればよく、回転方向は問
わないが、この例ではインキ除去シート21に対する払
拭力を高めるために回転方向が時計方向に定められてい
る。また、クリーニングローラ26には、表面がブラシ
状のローラ、スポンジローラ、発砲ゴムローラ等が用い
られている。さらに、クリーニングローラ26は交換自
在である。
【0053】乾燥手段24は、ヒータ28とこのヒータ
28の熱をインキ除去シート21に向けて送る送風ファ
ン29とよりなる。ヒータ28は、赤外線ヒータ、セラ
ミックヒータ、ハロゲンランプ等を熱源とするランプヒ
ータ、温風ヒータ等のうちの一つが用いられ、発熱量が
制御できるものである。
【0054】転移手段25は、インキ除去シート21の
保持層に接触する転移部材である回転自在のローラが用
いられている。このローラによる転移手段25は、ゴム
やスポンジ等のようにエマルジョンインキを吸収し易い
材料により形成され、交換自在に支持されている。
【0055】図1に示す印刷装置Aにおいて、製版部3
では、画像読取部1により読み取られた画像データに基
づいてマスタ2にデータを穿孔形成しながら版胴4に供
給する。製版済みのマスタ2は版胴4の外周に巻き付け
られる。印刷のためのスタート釦(図示せず)を押すと
版胴4とインクローラ11とが時計方向に回転し始め
る。一方、プレスローラ13は版胴4から離れている
が、昇降台15上の用紙pが給紙され、その先端が版胴
4の下部外周を越えるとプレスローラ13が用紙pを版
胴4に圧接する。これにより、インキローラ11に付着
するエマルジョンインキが版胴4の内部からマスタ2の
画像部を通って滲み出され用紙pに転写される。これに
より、印刷物Pが得られる。この印刷の過程では、搬送
ローラ20がインキ除去シート21とともに時計方向に
駆動されているため、印刷物Pはインキ除去シート21
により排紙部8に排紙される。
【0056】この排紙過程で、印刷物P上の印画部の表
面の未乾燥のエマルジョンインキはインキ除去シート2
1の外層の多孔質層に付着する。多孔質層のシリカゲル
層下の擬ベーマイトの細孔半径は、実質的にエマルジョ
ンインキの顔料粒子の半径よりも小さい1〜30nmで
あるので、エマルジョンインキは顔料と溶媒成分とに分
離され、顔料は多孔質層の表面に残り、溶媒成分は吸収
性の高い保持層に吸収されて保持される。これにより、
インキ除去シート21の表面(多孔質層)は液分で飽和
しにくくなり、その分インキ吸収能力が高くなるので、
印刷物P上の余分なエマルジョンインキの除去効率を高
めることが可能となる。
【0057】また、時計方向に回転するインキ除去シー
ト21に接触するクリーニングローラ26が時計方向に
回転するので、インキ除去シート21の多孔質層に付着
した顔料はクリーニングローラ26により払拭されガー
ドボックス27に回収されるので、多孔質層によるエマ
ルジョンインキの分離除去作用を長期にわたり促進させ
ることができる。しかも、インキ除去シート21から印
刷物Pへの顔料の再転写を防止することができる。ガー
ドボックス27に回収された顔料は、ガードボックス2
7を取り外すことにより所望の場所に捨てることができ
る。
【0058】この場合、インキ除去シート21の多孔質
層に吸収されたエマルジョンインキの顔料が多孔質層の
表面に析出するまでにはある程度の時間が必要であるの
で、印刷物P上のエマルジョンインキを吸収する位置か
らクリーニングローラ26の位置までは必要に応じた距
離が定められている。
【0059】一般に、エマルジョンインキは、空気中に
放置すると表面から徐々に水分が蒸発し油相比が高くな
り低粘度になるが、本実施の形態では乾燥手段24を具
備するので、インキ除去シート21の多孔質層上のエマ
ルジョンインキは水分が乾燥手段24により速やかに蒸
発されて粘度が低くなる。エマルジョンインキの粘度が
低くなると、多孔質層におけるエマルジョンインキの浸
透速度が速くなり、多孔質層の表面における顔料が析出
される迄の時間が短くなる。これにより、多孔質層上の
エマルジョンインキを短時間で顔料とそれ以外の成分と
に分離することができ、クリーニングローラ26による
顔料の払拭も容易となる。さらに、乾燥手段24により
インキ除去シート21を乾燥すると、多孔質層でのエマ
ルジョンインキの顔料が析出するまでの時間が速くなる
ことに伴い、インキ除去シート21を短くし、装置の小
型化及びコストダウンを図ることができる。
【0060】さらに、本実施の形態では、印刷物P上の
余分なエマルジョンインキはインキ除去シート21の多
孔質層により顔料とそれ以外の成分とに分離して除去さ
れるが、保持層で吸収した顔料以外の溶媒等の成分を転
移手段25に転移させることができるので、保持層にお
けるエマルジョンインキの溶媒成分の吸収能力を高める
ことができる。
【0061】以上のように、インキ除去シート21は、
多孔質層上のエマルジョンインキに含む水分が乾燥手段
24により乾燥され、多孔質層上で析出された顔料がク
リーニングローラ26により除去され、保持層に保持さ
れた顔料以外の溶媒等の成分が転移手段25に転移され
るため、インキ除去シート21の寿命を延長することが
できる。もちろん、インキ除去シート21を新しいもの
に交換することもできる。したがって、排紙部8に印刷
物Pを積層する場合にエマルジョンインキの裏移りを防
止することができる。
【0062】このように、印刷物P上の余分なエマルジ
ョンインキを除去するインキ除去シート21は、印刷物
Pを排紙部8に搬送する搬送ベルトの機能を兼ねるた
め、印刷装置Aの小型化及びコストダウンを図ることが
できる。
【0063】次に、本発明の実施の第二の形態を図2に
基づいて説明する。本実施の形態及びこれに続く他の実
施の形態において、前実施の形態と同一部分は同一符号
を用い説明も省略する。本実施の形態における印刷装置
Bの印刷部30は、上下方向に対向配置された二つの版
胴4を有する。これらの版胴4は、それぞれインキロー
ラ11とドクターローラ12とを有し、版胴4に形成さ
れたメッシュ状のスクリーンを間にしてインキローラ1
1を対向配置することで転写部31が形成されている。
【0064】また、版胴4の数に応じて、それぞれの版
胴4に巻き付けるマスタ2を製版する複数の製版部3
と、それぞれの版胴4上の使用済みのマスタ2を剥がし
て収納する複数の排版部6が設けられている。
【0065】そして、版胴4と排紙部8との間における
用紙搬送経路中に、上下で対をなす用紙搬送部9が配置
されている。これらの用紙搬送部9は吸引ファン22を
省略した点以外前実施の形態で説明した用紙搬送部9の
構成と同様であり、搬送ベルトを兼ねたエンドレスのイ
ンキ除去シート21を備えている。また、これらの用紙
搬送部9のインキ除去シート21の多孔質層をクリーニ
ングするクリーニング手段23、インキ除去シート21
を乾燥させる乾燥手段24、インキ除去シート21の保
持層に吸収された成分を転移させる転移手段25も備え
ている。
【0066】このような印刷装置Bでは、複数の版胴4
のそれぞれに、異なるデータに基づいて製版部3により
製版されたマスタ2を巻き付け、上方の版胴4を時計方
向に回転させ、下方の版胴4を反時計方向に回転させ、
上下方向に対向する版胴4の間に用紙pを供給する。こ
れにより、用紙pの上下両面に一度に画像を印刷する。
両面印刷された印刷物は相対向するインキ除去シート2
1に挾持されて排紙部8に向けて搬送され、この搬送過
程で印刷物の印画部に付着する余分なエマルジョンイン
キがインキ除去シート21により除去される。その除去
作用は前実施の形態と同様である。なお、この例では相
対向する用紙搬送部9のインキ除去シート21で印刷物
Pを挾持して搬送するため、印刷物Pをインキ除去シー
ト21に吸引する吸引ファンは不要である。したがっ
て、インキ除去シート21には吸引ファン側に吸気する
ための通孔は開けなくてもよい。
【0067】次に、本発明の実施の第三の形態を図3に
基づいて説明する。本実施の形態は多色印刷に適した印
刷装置Cの例である。すなわち、印刷部32は、用紙p
の搬送経路中に配列した複数の版胴4と、これらの版胴
4のそれぞれに接離自在に支持された複数のプレスロー
ラ13とを備え、個々の版胴4内のインキローラ11
と、プレスローラ13とを版胴4のスクリーンを間に対
向配置することで、用紙搬送方向における異なる位置で
用紙pに画像を転写する複数の転写部33,34が形成
されている。なお、上流側の版胴4のインキローラ11
と下流側の版胴4のインキローラ11に供給するエマル
ジョンインキの色は異なる。そして、転写部33,34
の間に、インキ除去シート21によって形成された搬送
ベルトを具備する用紙搬送部9が配設されている。
【0068】この用紙搬送部9は図1で説明した用紙搬
送部9の構成と同様であり、搬送ベルトを兼ねたエンド
レスのインキ除去シート21を備えている。また、この
用紙搬送部9のインキ除去シート21の多孔質層をクリ
ーニングするクリーニング手段23、インキ除去シート
21を乾燥させる乾燥手段24、インキ除去シート21
の保持層に吸収された成分を転移させる転移手段25も
備えている。
【0069】本実施の形態における印刷装置Cも、版胴
4の数に応じて、それぞれの版胴4に巻き付けるマスタ
2を製版する複数の製版部3と、それぞれの版胴4上の
使用済みのマスタ2を剥がして収納する複数の排版部6
が設けられている。また、下流側に配設された版胴4と
排紙部8との間には用紙搬送部35が設けられている。
この用紙搬送部35は、対をなす搬送ローラ20と、こ
れらの搬送ローラ20に巻回された搬送ベルト36と、
この搬送ベルト36に印刷物Pを吸引する吸引ファン2
2とにより形成されている。
【0070】このような印刷装置Cでは、複数の版胴4
のそれぞれに、異なるデータに基づいて製版部3により
製版されたマスタ2を巻き付け、版胴4を時計方向に回
転させ、昇降台15上の用紙pを供給する。これによ
り、用紙pは上流側の版胴4とプレスローラ13とによ
り挾持搬送される過程で上面に画像が転写された後に、
用紙搬送部9により下流側の版胴4に向けて搬送され
る。この搬送過程で印刷物の印画部に付着する余分なエ
マルジョンインキがインキ除去シート21により除去さ
れる。その除去作用は前実施の形態と同様である。続い
て、下流側の版胴4とプレスローラ13とにより挾持搬
送される過程で上面に画像が転写される。
【0071】この例では、用紙pが上流側の転写部33
から下流側の転写部34に向かう迄の時間が短いため、
上流側の転写部33で転写した余分なエマルジョンイン
キをインキ除去シート21で除去して下流側の転写部3
4に受け渡すことにより、上流側で転写した余分なエマ
ルジョンインキが下流側の版胴4のインキに混ざらない
ようにしている。また、上流側で転写した余分なエマル
ジョンインキが下流側の版胴4の表面に移り、さらにそ
のエマルジョンインキが次の印刷物に再転写される、い
わゆるダブリ印刷を防止している。下流側の転写部34
で転写された印刷物Pは、搬送ベルト36により搬送さ
れて排紙部8に収納される。この場合、次の印刷物Pが
排紙部8に搬送されるまでの間には、その前に印刷され
た印刷物P上のエマルジョンインキが自然乾燥されるの
で、裏移りの心配はない。もちろん、前述の第一の形態
のように搬送ベルト36をインキ除去シート21によっ
て形成し、そのインキ除去シート21に印刷物Pを吸引
ファン22で引きつけて余分なエマルジョンインキを直
ちに除去するようにしてもよい。
【0072】次に、本発明の実施の第四の形態を図4に
基づいて説明する。本実施の形態は、一回の用紙送りで
一つの版胴4により両面印刷を行う印刷装置Dの例であ
る。印刷部37は、対をなすインキローラ11とドクタ
ーローラ12とを二組備えた一つの版胴4と、個々のイ
ンキローラ11と対向する位置で版胴4の外周に対して
接離自在に設けられた二つのプレスローラ13とにより
形成されている。そして、用紙pの搬送経路中において
上流側(給紙部7側)に位置するインキローラ11とプ
レスローラ13とで転写部38が形成され、下流側(排
紙部8側)に位置するインキローラ11とプレスローラ
13とで転写部39が形成されている。これらの転写部
38,39は版胴4のエマルジョンインキを版胴4のス
クリーン及びマスタ2を介して滲み出させた用紙pに転
写するものである。
【0073】また、給紙部7から排紙部8に至る用紙搬
送経路の一部には、版胴4の真下においてV字形に屈曲
されたV字型搬送路40が形成され、このV字型搬送路
40の上流側の一側には用紙搬送部35が配置され、V
字型搬送路40の下流側の他側に用紙搬送部9が配置さ
れ、下流側のプレスローラ13と排紙部8との間には用
紙搬送部9が配置されている。
【0074】さらに、V字型搬送路40の中央の下方に
は用紙pを垂直方向に案内する用紙案内板41と、用紙
pを上方に戻すスプリング42とが設けられている。V
字形搬送路40の中央の上部には用紙pの搬送方向に応
じて回動する切替爪43が版胴4の軸心と平行な軸心を
もって回動自在に設けられている。
【0075】このような印刷装置Dでは、マスタ2を版
胴4に巻き付けたときに、用紙pの表面に印刷すべき第
一のデータが上流側(給紙部7側)のインキローラ11
側に位置し、用紙pの裏面に印刷すべき第二のデータが
下流側(排紙部8側)のインキローラ11側に位置する
ようにマスタ2を製版部3で製版し、第一のデータと第
二のデータとを間隔を開けて製版されたマスタ2を版胴
4に巻き付ける。印刷に際しては、版胴4を時計方向に
させるとともに給紙部7により用紙pを給紙するが、用
紙pは上流側のインキローラ11とプレスローラ13と
により挾持搬送される過程で、第一のデータが用紙pの
表面に転写される。この用紙pは用紙搬送部35の吸引
ファン22の負圧により搬送ベルト36に吸引され、搬
送ベルト36の回転によりスプリング42を圧縮しなが
ら用紙案内板41の間に送り込まれる。一定距離送り込
まれると搬送ベルト36が停止し、吸引ファン22の駆
動が停止するため、用紙案内板41内の用紙pはスプリ
ング42の付勢力により上昇する。このときに、仮想線
で示す方向に回動する切替爪43により用紙pが用紙搬
送部35と対向する用紙搬送部9に沿わされ、この用紙
搬送部9の吸引ファン22によりインキ除去シート21
に吸引される。
【0076】すなわち、V字形搬送路40に配置された
用紙搬送部9のインキ除去シート21は、上流側の転写
部38で転写された画像の余分なエマルジョンインキを
除去し、回転によりその用紙pを下流側の転写部39に
搬送する。したがって、用紙pの表面に印刷した画像の
余分なエマルジョンインキが下流側の転写部39に付着
することはない。転写部39では、第二のデータを用紙
pの裏面に印刷する。この転写部39で画像が転写され
た印刷物Pは、本実施の形態では第二のデータが印刷さ
れた面である用紙pの裏面を上に向けてさらに用紙搬送
部9のインキ除去シート21により排紙部8に排紙され
る過程で、余分なエマルジョンインキがインキ除去シー
ト21により除去される。
【0077】なお、前述した製版過程において、第一の
データが下流側(排紙部8側)のインキローラ11側に
位置し、第二のデータが上流側(印字部7側)のインキ
ローラ11側に位置するようにマスタ2を製版部3で製
版すれば、印刷物Pは第一のデータが印刷された面を上
に向けて排紙部8に排紙される。
【0078】次に、本発明の実施の第五の形態を図5に
基づいて説明する。本実施の形態も両面印刷に適した印
刷装置Eの例である。この印刷装置Eの印刷部44は、
用紙pの搬送経路中に配列した複数の版胴4と、これら
の版胴4のそれぞれに接離自在に支持された複数のプレ
スローラ13とを備え、個々の版胴4内のインキローラ
11と、プレスローラ13とを版胴4のスクリーンを間
に対向配置することで、用紙搬送方向における異なる位
置で用紙pに画像を転写する複数の転写部45,46が
形成されている。そして、転写部45,46の間に、イ
ンキ除去シート21によって形成された搬送ベルトを具
備する用紙搬送部9が配設されている。この例では、給
紙部7側の版胴4は下方に位置し、排紙部8側の版胴4
は上方に位置しているため、用紙搬送経路は下方から上
方に向けてU字形に湾曲されている。
【0079】用紙搬送部9は図1で説明した用紙搬送部
9と基本的には同様の構成で、転写部46を形成するプ
レスローラ13と搬送ローラ20と転写手段(転写ロー
ラ)25に搬送ベルトを兼ねたエンドレスのインキ除去
シート21を巻回することにより形成されている。複数
の搬送ローラ20のうちの一つはプレスローラ13より
も上流側に配置され、下流側の転写部46の手前で用紙
pにインキ除去シート21を接触させるように構成され
ている。また、この用紙搬送部9のインキ除去シート2
1の多孔質層をクリーニングするクリーニング手段2
3、インキ除去シート21を乾燥させる乾燥手段24も
備えている。さらに、上流側の版胴4と下流側の版胴4
との間には複数の用紙搬送ベルト47が配列され、下流
側に配設された版胴4と排紙部8との間には用紙搬送部
35が設けられている。
【0080】本実施の形態における印刷装置Eも、版胴
4の数に応じて、それぞれの版胴4に巻き付けるマスタ
2を製版する複数の製版部3と、それぞれの版胴4上の
使用済みのマスタ2を剥がして収納する複数の排版部6
が設けられている。
【0081】このような印刷装置Eでは、複数の版胴4
のそれぞれに、異なるデータに基づいて製版部3により
製版されたマスタ2を巻き付け、上流側の版胴4を反時
計方向に回転させ、下流側の版胴4を時計方向に回転さ
せ、昇降台15上の用紙pを供給する。これにより、用
紙pは上流側の転写部45において版胴4とプレスロー
ラ13とにより挾持搬送される過程で上面に画像が転写
された後に、用紙搬送ベルト47と用紙搬送部9とによ
り下流側の版胴4に向けて搬送される。この搬送過程で
印刷物Pに付着する余分なエマルジョンインキがインキ
除去シート21により除去される。さらに、下流側の版
胴4とプレスローラ13とにより挾持搬送される過程で
転写部46において画像が転写される。この転写後も転
写部45で転写されて印刷物Pの下面に付着する余分な
エマルジョンインキは、印刷物Pがインキ除去シート2
1から離れるまでこのインキ除去シート21により除去
される。
【0082】さらに、本発明の実施の第六の形態を図6
に基づいて説明する。本実施の形態における印刷装置F
は、基本的に図5に示す印刷装置Eと同様である。異な
る点は、上流側の版胴4から下流側の版胴4に至る用紙
搬送経路が略水平になるように、給紙部7、この給紙部
7に近い上流側の版胴4及びプレスローラ13、並びに
上流側の版胴4のための製版部3、排版部6の配置を変
更したことである。したがって、図5に示す印刷装置E
の構成によって得られる効果と同様の効果を得ることが
できる。
【0083】なお、版胴4はインキローラ11とドクタ
ーローラ12とを内蔵しているが、版胴4のスクリーン
の内周面に対してインキローラ11を進出位置と退避位
置とに進退自在に支持し、用紙pにエマルジョンインキ
を転写するときには、版胴4内のインキローラ11を外
方に進出させてスクリーンを押し出し、そのスクリーン
をこの版胴と対向するプレスローラ或いは他の版胴に圧
接させることにより、内部のエマルジョンインキの滲み
出し作用を促進するようにしてもよい。
【0084】さらに、本発明の実施の第七の形態を図7
に基づいて説明する。図5及び図6において説明した部
分と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。図5及
び図6における印刷部44は、用紙搬送方向における異
なる位置で用紙pに片面ずつ画像を転写する複数の転写
部45,46を備えている。本実施の形態では、下流側
の転写部46に、インキ除去シート21によって形成さ
れた搬送ベルトを具備する用紙搬送部9が配設されてい
る。具体的には、下流側の版胴4とプレスローラ13と
で下流側の転写部46が形成されているが、用紙搬送部
9はプレスローラ13とローラ20とロール状の転移手
段25とにインキ除去シート21がその多孔質層を内側
に向けて巻回することにより形成されている。
【0085】図7では、用紙搬送部9のインキ除去シー
ト21と、用紙搬送ベルト47とはラップしていないの
で、用紙搬送ベルト47は一端が転写部46における版
胴4とプレスローラ13とのニップにできるだけ近付け
るように配置することが用紙pを受け渡す上で好まし
い。
【0086】このような構成では、上流側の転写部45
により用紙pの一方の面に転写した画像の余分なエマル
ジョンインキを、下流側の転写部46により用紙pの他
方の面に画像を転写するときに除去することができる。
この場合、用紙pは版胴4によりインキ除去シート21
に圧接されるため、インキ除去作用をより一層促進させ
ることができる。
【0087】さらに、本発明の実施の第八の形態におけ
る印刷物排紙収納装置Gを図8に基づいて説明する。こ
の印刷物排紙収納装置Gは、前実施の形態における印刷
装置AないしFの何れかに選択的に装着されて使用され
る。この場合、排紙部8は印刷装置AないしFから取り
外される。
【0088】印刷物排紙収納装置Gは、印刷装置Aない
しFの何れかによりエマルジョンインキを用いて印刷さ
れた印刷物Pを搬送する用紙搬送部48と、この用紙搬
送部48により搬送された印刷物Pを収納する収納部4
9とを主要な構成としている。収納部49は、いわゆる
ソータと称せられる構成をもち、複数のビンユニット5
0と、このビンユニット50を昇降させる昇降手段51
とよりなる。
【0089】ビンユニット50は、複数のビン52と、
これらのビン52の先端部の両側を上下方向に揺動可能
に支持する筐体53と、ビン52の後端側の両側に設け
られた軸54を上下方向に移動自在に支持するガイドレ
ール(図示せず)とにより形成されている。
【0090】昇降手段51は、各ビン52両側に配置さ
れて正逆回転可能なモータ55に駆動される一対の駆動
軸56と、これらの駆動軸56の中間部に固定的に設け
られたリードカム57とにより形成されている。これら
のリードカム57には、ビン52の軸54が緩めに嵌合
される螺旋溝58が形成されている。すなわち、リード
カム57が駆動軸56とともに回転すると、軸54がリ
ードカム57の螺旋溝58に沿って移動するためビン5
2が上方又は下方に移動するように構成されている。そ
の移動方向は駆動軸56の回転方向により決まる。ま
た、駆動軸56の上端には駆動軸56の回転角を検知し
てモータ55の動作を制御するためのエンコーダ59が
設けられている。
【0091】用紙搬送部48は、印刷装置AないしFで
用いた用紙搬送部9と同様の構成で、所定の間隔を開け
て配置された複数の搬送ローラ20と、これらの搬送ロ
ーラ20に交換自在に巻回された搬送ベルトを兼ねたエ
ンドレスのインキ除去シート21と、印刷物Pを吸引す
る吸引ファン22とにより形成されている。この用紙搬
送部48のビン52側の上部には印刷物Pの通過を光学
的に検知してモータ55を駆動させるための信号を出力
するセンサ60が設けられている。
【0092】このような構成において、通常、ビン52
及び筐体53は所定の下降位置に位置する状態に維持さ
れるが、印刷装置A〜Fからの駆動信号を受けると、駆
動軸56がモータ55により一方向に駆動される。この
動作に連動して筐体53が上昇するとともに、ビン52
が所定位置まで上昇する。このときのビン52の所定位
置とは、一番上のビン52が用紙搬送部48から搬送さ
れる印刷物Pを受け入れる位置である。この状態で最初
の印刷物Pが用紙搬送部48により一番上のビン52の
上に搬送されると、その状態をセンサ60が検知するた
め、その検知信号をトリガとしてモータ55が正転方向
に駆動され、駆動軸56がリードカム57とともに一回
転する。これにより、次段のビン52が次に搬送される
印刷物Pを受け入れる位置まで上昇する動作が繰り返さ
れ、印刷物Pの丁合いが行われる。
【0093】このように、印刷物排紙収納装置Gに収納
する過程では、印刷物Pがインキ除去シート21に接触
するため、前述したように印刷物P上の余分なエマルジ
ョンインキの除去効率を高めることができる。
【0094】次に、本発明の実施の第九の形態における
印刷物排紙収納装置Hを図9及び図10に示す。第八の
実施の形態において説明した部分と同一部分は同一符号
を用い説明も省略する。この印刷物排紙収納装置Hは、
前実施の形態における印刷装置AないしFの何れかに選
択的に装着されて使用される。この場合、排紙部8は印
刷装置AないしFから取り外される。
【0095】図9は印刷物Pを搬送方向上流側から見た
印刷物排紙収納装置Hの概略構成を示す側面図、図10
は印刷物排紙収納装置Hの内部の概略構造を示す平面図
である。印刷物排紙収納装置Hは、印刷装置AないしF
の何れかから排紙される印刷物Pを搬送する用紙搬送部
48と、この用紙搬送部48により搬送された印刷物P
を積層状態で収納する収納部61(図9参照)とを備
え、さらに本実施の形態では、用紙搬送部48から搬送
された印刷物Pの両側縁を一時的に支持するとともに順
次収納部61に搬送する複数の螺旋軸62〜65を備え
ている。収納部61は図9に示すように筐体66の上部
に形成され、螺旋軸62〜65は収納部61の下部空間
の両側に二本ずつ分かれて配列されている。螺旋軸62
〜65は螺旋の山で印刷物Pの両側縁を支えるもので、
印刷物Pの一側縁を支える螺旋軸62,63と、印刷物
Pの他側縁を支える螺旋軸64,65とは、螺旋の向き
が対称であるとともに、印刷物Pを収納部61に向けて
搬送するときの回転方向が対称である。
【0096】このような構成において、印刷装置A〜F
の何れかから排紙された印刷物Pは用紙搬送部48によ
り螺旋軸62,63と螺旋軸64,65との間に搬送さ
れ、両側縁が螺旋軸62,63と螺旋軸64,65とに
より支えられる。印刷物Pが螺旋軸62,63と螺旋軸
64,65との間に搬送されると、その状態を図示しな
いセンサが検知するため、その検知信号をトリガとして
螺旋軸62〜65が図示しないモータにより例えば一回
転分の角度だけ間欠的に駆動される。このような制御は
後続する印刷物Pが用紙搬送部48により搬送される度
に行われる。
【0097】したがって、印刷物Pは螺旋軸62〜65
により搬送される過程では、上下方向に隣接する印刷物
Pに対して所定の間隔を開けて支えられる。さらに、用
紙搬送部48により搬送される過程では印刷物Pがイン
キ除去シート21に接触して余分なエマルジョンインキ
が除去されるため、多数枚の印刷物Pを収納部61内に
重ねて収納しても、印画部のエマルジョンインキが重な
る印刷物Pに付着することがない。
【0098】このような印刷物排紙収納装置Hでは、一
側に配列された螺旋軸62,63と他側に配列された螺
旋軸64,65との間隔を、印刷物Pの幅サイズに応じ
て調節するようにしてもよい。
【0099】なお、図8に示す印刷物排紙収納装置G、
図9及び図10に示す印刷物排紙収納装置Hの用紙搬送
部48に、印刷装置A〜Fで用いたクリーニング手段2
3、乾燥手段24、転移手段25を具備することも可能
である。これらによる効果は前述した通りである。
【0100】
【発明の効果】請求項1記載の印刷装置は、エマルジョ
ンインキを用いて用紙に画像を印刷する印刷部と、この
印刷部に用紙を給紙する給紙部と、この給紙部から前記
印刷部を経て排紙部に至る用紙搬送経路中に配設された
用紙搬送部とを具備する印刷装置において、前記用紙搬
送部は、前記印刷部により印刷された印刷物の印画部に
接触させたときに印画部の表面に残存するエマルジョン
インキを顔料とそれ以外の成分とに分離して除去する多
孔質層と、この多孔質層で分離した顔料以外の成分を吸
収して保持する保持層とを有するインキ除去シートによ
って形成された搬送ベルトを具備するので、印刷物の印
画部の余分なエマルジョンインキを搬送ベルトを兼ねた
インキ除去シートの多孔質層により顔料とそれ以外の溶
媒成分等の成分とに分離して除去し、顔料以外の溶媒成
分等の成分を保持層で吸収して保持することができる。
このため、印刷物上の余分なエマルジョンインキの除去
能力を高めることができる。さらに、用紙搬送部の搬送
ベルトをインキ除去シートで形成することにより、印刷
物の余分なエマルジョンインキを除去する装置を別個に
設ける必要性をなくすことができ、これにより、小型化
及びコストダウンを図ることができる。
【0101】請求項2記載の印刷装置は、請求項1記載
の発明において、印刷部と排紙部との間に、インキ除去
シートによって形成された搬送ベルトを具備する用紙搬
送部が配設されているので、印刷済みの用紙を排紙部に
排紙する前に余分なエマルジョンインキを除去すること
ができる。
【0102】請求項3記載の印刷装置は、請求項1記載
の発明において、印刷部は、用紙搬送方向における異な
る位置で用紙に画像を転写する複数の転写部を備え、こ
れらの転写部の間に、インキ除去シートによって形成さ
れた搬送ベルトを具備するので、上流側の転写部により
用紙に転写した画像の余分なエマルジョンインキを除去
した状態で次工程の転写部に用紙を搬送することができ
る。
【0103】請求項4記載の印刷装置は、請求項1記載
の発明において、印刷部は、用紙搬送方向における異な
る位置で用紙に片面ずつ画像を転写する複数の転写部を
備え、下流側の前記転写部に、インキ除去シートによっ
て形成された搬送ベルトを具備する用紙搬送部が配設さ
れているので、上流側の転写部により用紙の一方の面に
転写した画像の余分なエマルジョンインキを、下流側の
転写部により用紙の他方の面に画像を転写するときに除
去することができる。この場合、用紙とインキ除去シー
トとは転写部において挾持されるため、インキ除去作用
をより一層促進させることができる。
【0104】請求項5記載の印刷装置は、請求項1ない
し4の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
の多孔質層に残ったエマルジョンインキ中の顔料を除去
するクリーニング手段を具備するので、多孔質層による
エマルジョンインキの分離除去作用を長期にわたり促進
させることができる。また、インキ除去シートから印刷
物への顔料の再転写を防止することができる。
【0105】請求項6記載の印刷装置は、請求項1ない
し5の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
は搬送ローラに交換自在に巻回されているので、インキ
除去シートを交換することにより、長期間にわたり印刷
物上の余分なエマルジョンインキを除去することができ
る。
【0106】請求項7記載の印刷装置は、請求項1ない
し6の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
の多孔質層に除去されたエマルジョンインキの水分を蒸
発させる乾燥手段を具備するので、多孔質層上のエマル
ジョンインキは水分が乾燥手段により速やかに蒸発され
て粘度が低くなるので、多孔質層上のエマルジョンイン
キの浸透性を促進することができ、これにより、多孔質
層上のエマルジョンインキを短時間で顔料とそれ以外の
成分とに分離することができる。
【0107】請求項8記載の印刷装置は、請求項1ない
し7の何れか一記載の発明において、インキ除去シート
の保持層に保持された顔料以外の成分を転移させる転移
手段を具備するので、保持層におけるエマルジョンイン
キの溶媒成分の吸収能力をさらに高めることができる。
【0108】請求項9記載の印刷物排紙収納装置は、印
刷装置によりエマルジョンインキを用いて印刷された印
刷物を搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送部により搬
送された印刷物を収納する収納部とを具備する印刷物排
紙収納装置において、前記用紙搬送部は、印刷物の印画
部に接触させたときに印画部の表面に残存するエマルジ
ョンインキを顔料とそれ以外の成分とに分離して除去す
る多孔質層と、この多孔質層で分離した顔料以外の成分
を吸収して保持する保持層とを有するインキ除去シート
によって形成された搬送ベルトを具備するので、印刷物
の印画部の余分なエマルジョンインキを搬送ベルトを兼
ねたインキ除去シートの多孔質層により顔料とそれ以外
の溶媒成分等の成分とに分離して除去し、顔料以外の溶
媒成分等の成分を保持層で吸収して保持することができ
る。このため、印刷物上の余分なエマルジョンインキの
除去能力を高めることができる。さらに、用紙搬送部の
搬送ベルトをインキ除去シートで形成することにより、
印刷物の余分なエマルジョンインキを除去する装置を別
個に設ける必要性をなくすことができ、これにより、小
型化及びコストダウンを図ることができる。
【0109】請求項10記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9記載の発明において、インキ除去シートの多孔
質層に残ったエマルジョンインキ中の顔料を除去するク
リーニング手段を具備するので、多孔質層によるエマル
ジョンインキの分離除去作用を長期に亘り促進させるこ
とが可能となり、また、インキ除去シートから印刷物へ
の顔料の再転写を防止することができる。
【0110】請求項11記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9又は10記載の発明において、インキ除去シー
トは搬送ローラに交換自在に巻回されているので、イン
キ除去シートを交換することにより、長期間に亘り印刷
物上の余分なエマルジョンインキを除去することができ
る。
【0111】請求項12記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9ないし11記載の発明において、インキ除去シ
ートの多孔質層に除去されたエマルジョンインキの水分
を蒸発させる乾燥手段を具備するので、多孔質層上のエ
マルジョンインキは水分が乾燥手段により速やかに蒸発
されて粘度が低くなるので、多孔質層上のエマルジョン
インキの浸透性が促進され、多孔質層上のエマルジョン
インキを短時間で顔料とそれ以外の成分とに分離するこ
とができる。
【0112】請求項13記載の印刷物排紙収納装置は、
請求項9ないし12記載の発明において、インキ除去シ
ートの保持層に保持された顔料以外の成分を転移させる
転移手段を具備するので、保持層におけるエマルジョン
インキの溶媒成分の吸収能力をさらに高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態における印刷装置の
概略構成を示す縦断正面図である。
【図2】本発明の実施の第二の形態における印刷装置の
概略構成を示す縦断正面図である。
【図3】本発明の実施の第三の形態における印刷装置の
概略構成を示す縦断正面図である。
【図4】本発明の実施の第四の形態における印刷装置の
概略構成を示す縦断正面図である。
【図5】本発明の実施の第五の形態における印刷装置の
概略構成を示す縦断正面図である。
【図6】本発明の実施の第六の形態における印刷装置の
概略構成を示す縦断正面図である。
【図7】本発明の実施の第七の形態における印刷装置の
要部の概略構成を示す縦断正面図である。
【図8】本発明の実施の第八の形態における印刷物排紙
収納装置の概略構成を示す縦断正面図である。
【図9】本発明の実施の第九の形態における印刷物排紙
収納装置の概略構成を示す側面図である
【図10】印刷物排紙収納装置の内部の概略構造を示す
平面図である。
【符号の説明】
A〜F 印刷装置 G,H 印刷物排紙収納装置 P 印刷物 p 用紙 5 印刷部 7 給紙部 8 排紙部 9 用紙搬送部 21 インキ除去シート、搬送ベルト 23 クリーニング手段 24 乾燥手段 25 転移手段 30,32 印刷部 33,34 転写部 37 印刷部 38,39 転写部 44 印刷部 45,46 転写部 48 用紙搬送部 49,61 収納部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エマルジョンインキを用いて用紙に画像
    を印刷する印刷部と、この印刷部に用紙を給紙する給紙
    部と、この給紙部から前記印刷部を経て排紙部に至る用
    紙搬送経路中に配設された用紙搬送部とを具備する印刷
    装置において、前記用紙搬送部は、前記印刷部により印
    刷された印刷物の印画部に接触させたときに印画部の表
    面に残存するエマルジョンインキを顔料とそれ以外の成
    分とに分離して除去する多孔質層と、この多孔質層で分
    離した顔料以外の成分を吸収して保持する保持層とを有
    するインキ除去シートによって形成された搬送ベルトを
    具備することを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 印刷部と前記排紙部との間に、インキ除
    去シートによって形成された搬送ベルトを具備する用紙
    搬送部が配設されている請求項1記載の印刷装置。
  3. 【請求項3】 印刷部は、用紙搬送方向における異なる
    位置で用紙に画像を転写する複数の転写部を備え、これ
    らの転写部の間に、インキ除去シートによって形成され
    た搬送ベルトを具備する用紙搬送部が配設されている請
    求項1記載の印刷装置。
  4. 【請求項4】 印刷部は、用紙搬送方向における異なる
    位置で用紙に片面ずつ画像を転写する複数の転写部を備
    え、下流側の前記転写部に、インキ除去シートによって
    形成された搬送ベルトを具備する用紙搬送部が配設され
    ている請求項1記載の印刷装置。
  5. 【請求項5】 インキ除去シートの多孔質層に残ったエ
    マルジョンインキ中の顔料を除去するクリーニング手段
    を具備する請求項1ないし4の何れか一記載の印刷装
    置。
  6. 【請求項6】 インキ除去シートは搬送ローラに交換自
    在に巻回されている請求項1ないし5の何れか一記載の
    印刷装置。
  7. 【請求項7】 インキ除去シートの多孔質層に除去され
    たエマルジョンインキの水分を蒸発させる乾燥手段を具
    備する請求項1ないし6の何れか一記載の印刷装置。
  8. 【請求項8】 インキ除去シートの保持層に保持された
    顔料以外の成分を転移させる転移手段を具備する請求項
    1ないし7の何れか一記載の印刷装置。
  9. 【請求項9】 印刷装置によりエマルジョンインキを用
    いて印刷された印刷物を搬送する用紙搬送部と、前記用
    紙搬送部により搬送された印刷物を収納する収納部とを
    具備する印刷物排紙収納装置において、前記用紙搬送部
    は、印刷物の印画部に接触させたときに印画部の表面に
    残存するエマルジョンインキを顔料とそれ以外の成分と
    に分離して除去する多孔質層と、この多孔質層で分離し
    た顔料以外の成分を吸収して保持する保持層とを有する
    インキ除去シートによって形成された搬送ベルトを具備
    することを特徴とする印刷物排紙収納装置。
  10. 【請求項10】 インキ除去シートの多孔質層に残った
    エマルジョンインキ中の顔料を除去するクリーニング手
    段を具備する請求項9記載の印刷物排紙収納装置。
  11. 【請求項11】 インキ除去シートは搬送ローラに交換
    自在に巻回されている請求項9又は10記載の印刷物排
    紙収納装置。
  12. 【請求項12】 インキ除去シートの多孔質層に除去さ
    れたエマルジョンインキの水分を蒸発させる乾燥手段を
    具備する請求項9ないし11の何れか一記載の印刷物排
    紙収納装置。
  13. 【請求項13】 インキ除去シートの保持層に保持され
    た顔料以外の成分を転移させる転移手段を具備する請求
    項9ないし12の何れか一記載の印刷物排紙収納装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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