JPH11221765A - 研削加工装置及び研削加工方法 - Google Patents

研削加工装置及び研削加工方法

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JPH11221765A
JPH11221765A JP2714898A JP2714898A JPH11221765A JP H11221765 A JPH11221765 A JP H11221765A JP 2714898 A JP2714898 A JP 2714898A JP 2714898 A JP2714898 A JP 2714898A JP H11221765 A JPH11221765 A JP H11221765A
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JP
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grindstone
grinding
electrode
grinding wheel
electric discharge
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JP2714898A
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Noriyuki Nehashi
紀之 根橋
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細砥粒砥石による研削加工において、放電
加工と弱い電解作用のみで表面性状を維持し、良好な研
削性を維持することができる研削加工装置及び研削加工
方法を提供する。 【解決手段】 ワーク3を研削加工する砥石2と、砥石
2を固定して回転駆動する主軸1と、主軸1に接続さ
れ、主軸1の回転駆動の制御を行うと共に、砥石2を主
軸1と共に上下左右に移動させる主軸駆動部5と、ワー
ク3を固定するテーブル4と、テーブル4を介してワー
ク3を前後に移動させるテーブル駆動部6と、砥石2と
ワーク3の隙間に加工液7cを噴出して供給するノズル
7aと、砥石2の表面を加工する放電加工ヘッド8と、
放電加工ヘッド8及び研削加工機20の主軸1にリード
10a及び10bを介して電気的に接続される放電加工
電源9と、放電加工ヘッド8と砥石2の対向部に加工液
7cを噴出して供給するノズル7bとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥石を用いて研削
加工を行なう研削加工装置及び研削加工方法に関し、特
に、砥石の形状を適切な形状に維持する放電ツルーイン
グと砥石の目立てを行って加工性を維持する電解ドレッ
シングを同時に行ない、形状精度の高い加工を可能とす
る研削加工装置及び研削加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、研削加工においては、一般
に、砥粒をボンド材により結合させた砥石で金属やセラ
ミックなどの被加工物を加工するとき、砥粒と砥粒の間
に加工屑が付着して目詰まりが発生するため、研削の性
能を低下させる。特に、砥石の表面粗さを向上しようと
すれば、使用される砥粒径が小さく砥石番手の大きな砥
石を使用することになり、このように番手の大きい砥石
は加工屑による目詰まりが極めて容易に起きるため、実
際には使いこなしが難しく、いわゆる鏡面研削を安定し
て行うことは困難であった。
【0003】このことを解決する手段として、特開平3
−196968号公報には、微細な砥粒を用いたメタル
ボンド砥石を、電解作用で研削加工中にドレッシング
(目立て)を行うことにより、鏡面研削を行うことが示
されている。これは、砥石の目詰まりによる研削抵抗の
増大や研削焼け、加工面のささくれなどの加工異常を解
消することによって、砥石番手の大きな砥石を使用でき
るようにしたものであるが、目立てに用いられる電解作
用が、砥石表面に付着した加工屑に作用すると同時に砥
石そのものにも作用し、特に、砥粒を保持する金属の結
合材に作用してこれを溶解あるいは変質させ、砥石を消
耗させたり砥石径を変化させたりするため、研削加工後
の被加工物の形状精度を5μm以下、特に1μm以下と
いった精密な形状精度にすることが極めて困難であっ
た。
【0004】また、一般に、研削加工を行う際には、あ
らかじめ砥石のツルーイング(整形)を行う必要があ
る。上述のメタルボンド砥石の使用に際しては、従来か
らダイヤモンドツルアを使用する方法やより硬いメタル
ボンド砥石を使用する方法など機械的な加工法が知られ
ていたが、このような方法においては、砥石に対して大
きな反力がかかるため砥石の位置ずれが生じることによ
り加工精度が悪化したり、ツルアそのものが消耗するこ
とにより所望の形状が得られなかったりする場合があっ
た。
【0005】これらを解決する方法として、特公平2−
38346号公報には、走行ワイヤを用いた放電加工に
より、加工反力を無視し得るほどに小さくして、工具の
消耗を無視できるようにしたものが示されている。ま
た、この特公平2−38346号公報においては、研削
を行う加工機械上でツルーイングができるため、砥石の
取り外しを不要とすることができ、これまでのツルーイ
ング専用機で加工していたときと比べて能率及び精度の
面で優れたものになっている。
【0006】一方、この特公平2−38346号公報に
おいては、NC工作機械の使用を前提とし、これに砥石
を取り付けて研削加工するため、放電加工を行うために
は、NC装置が制御する砥石を移動することになり、砥
石をはずす必要は無くなるが、砥石の整形が必要となる
度に加工を中断し、ワイヤ走行装置が設置してある位置
へ砥石を移動させて整形を行わなければならず、作業能
率が低下するとともに、砥石を長距離移動させることに
よる位置決めの誤差が大きくなり、加工精度が低下する
ことがあった。また、目詰まりを行うためにはドレッシ
ングの工程を別途行う必要があるために、作業時間が長
くなっていた。
【0007】特開平3−196968号公報には、砥石
近傍に設置した導電性磁石でできた電極を2軸方向に移
動させて電圧を印加し、電解でドレッシングを行いなが
ら、電極表面の砥粒によりツルーイングを行うことが示
されている。この特開平3−196968号公報におい
ては、電極と砥石を接触させているために、反力による
砥石あるいは電極の位置ずれが起こるだけでなく、ツル
ーイング時に電極が消耗していくために、機械的加工を
用いたツルーイングと同様にツルーイング精度が悪化し
た。従って、この特開平3−196968号公報におい
ては、主としてドレッシングに有効であり、砥石に形状
を付与するツルーイングの能力はあるものの、ツルーイ
ング精度には限界があり、特に高精度な加工はできなか
った。
【0008】これに対して、特開平6−210566号
公報においては、砥石に対して独立の移動テーブルを備
えたワイヤ放電加工装置によって、ワイヤ放電加工にお
ける放電ギャップを検知し、砥石によるワークの研削加
工中に砥石の作用面の形状変化に応じた砥石のツルーイ
ングを容易に行えることを示している。この特開平6−
210566号公報によれば、加工中に引き起こされる
砥石の消耗による形状変化に対応して砥石のツルーイン
グを行うことにより、極めて高い形状精度を実現でき
た。また、この砥石のツルーイングは、研削加工と同時
に行うようにしたため、研削加工を中断することなく、
高精度の研削加工を実現できた。
【0009】以上述べたように、従来の研削加工におい
ては、極めて表面粗さの小さい加工が電解インプロセス
ドレッシング技術によって、また、極めて形状精度の高
い加工が放電ツルーイング技術によってそれぞれ可能と
なっていたが、上述の研削加工においては、電解インプ
ロセスドレッシング技術と放電ツルーイング技術が両立
せず、極めて表面粗さが小さくなおかつ極めて形状精度
が高い加工を行うことは困難であった。
【0010】これに対して、出願人が最近提案した研削
加工装置においては、放電ツルーイング装置と、電解ド
レッシング装置とを備え、これらの装置で放電ツルーイ
ングと電解ドレッシングが同時に発生し得る電解質の水
溶液を使用して放電ツルーイングと電解ドレッシングの
両方を行うことを示している。この放電ツルーイング装
置は、電圧200Vの直流電源と、容量100pFのコ
ンデンサを有する放電加工電源(RC放電回路)によっ
て放電加工を行っている。
【0011】この研削加工装置においては、砥石の目詰
まりを除去する電解ドレッシングの欠点である砥石の形
状崩れを、放電ツルーイングでリアルタイムに補正でき
る利点があるため、砥石の形状崩れを気にせずに強い電
解ドレッシングを行える一方、形状の崩れに対してはツ
ルーイングによって補正することができるようになって
いる。
【0012】即ち、砥石番手が1000番手程度の粗い
砥石で研削加工を行う場合には、砥粒径が比較的大きい
ため砥粒と砥粒の間隔(チップポケット)が大きく、目
詰まりの発生も起こりにくいため比較的弱い電解ドレッ
シングと放電ツルーイングで対処できるようになってい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た出願人が最近提案した研削加工装置によれば、砥粒番
手が大きい、例えば、4000番手の超微細砥粒(平均
粒径4μm)を使用した砥石を用いて、表面粗さの小さ
い鏡面加工を実施する場合には、1000番手程度の粗
い砥粒(平均粒径12μm)を使用した砥石に比べて目
詰まりが起こりやすく、電解ドレッシングを強くしなけ
ればならないため、砥石に大きな形状崩れを与えてしま
い、これをさらに放電ツルーイングで補正し続けること
になるため、砥石の径方向の減耗が過度になり、切り込
み量を一定に維持するための砥石の送り制御が難しくな
り、研削加工の精度が低下するといった問題があった。
【0014】また電解ドレッシング装置と放電ツルーイ
ング装置の両方の装置が必要になるため、研削加工装置
が全体として複雑になり、更に、電解ドレッシングによ
る形状崩れに合わせた放電ツルーイングを与えなければ
ならないため、これらの適正な制御が難しくなるといっ
た問題があった。
【0015】従って、本発明の目的は、微細砥粒砥石に
よる研削加工であっても、強い電解ドレッシングを与え
る必要がなく、放電加工と弱い電解作用のみで表面性状
を維持でき、砥石の形状崩れの問題も発生せず、研削抵
抗の増大等を防止して良好な研削性を維持することがで
きる研削加工装置及び研削加工方法を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上に述べた
目的を実現するため、主軸の回転とともに回転駆動する
導電性の砥石と、被加工物を搭載するテーブルと、砥石
とテーブルを移動して砥石と被加工物とを接触させる駆
動手段とを有する研削加工装置において、砥石に対して
近接して対向する電極と、砥石と電極の間に電解質を含
む水溶液の加工液を供給する加工液供給手段と、砥石と
電極に接続され、砥石と電極間で放電させるための電圧
を印加する放電電源と、放電電源を制御して砥石の粒径
と加工液の電気抵抗率に応じた放電エネルギ及び電解エ
ネルギを砥石と電極の間に供給して砥石と電極の間で放
電及び電解作用を生じさせることにより、砥石の粒径に
応じたドレッシングとツルーイングを同時に砥石に施す
制御部を備えたことを特徴とする研削加工装置を提供す
る。
【0017】また、上記目的を実現するため、導電性の
砥石を駆動回転させ、被加工物と砥石とを移動して砥石
と被加工物とを接触させて被加工物を研削加工する研削
加工方法において、砥石に対して近接して電極を対向さ
せ、砥石と電極の間に電解質を含む水溶液の加工液を供
給し、砥石の粒径と加工液の電気抵抗率に応じた放電エ
ネルギ及び電解エネルギを砥石と電極の間に供給して砥
石と電極の間で放電及び電解作用を生じさせることによ
り砥石の粒径に応じたドレッシングとツルーイングを同
時に砥石に施すことを特徴とする研削加工方法を提供す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の研削加工装置及び研
削加工方法を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の研削加工装置を示す。こ
の研削加工装置は、研削加工機20と放電加工部25を
備えている。研削加工機20は、ワーク3を研削加工す
る砥石2と、砥石2を固定して回転駆動する主軸1と、
主軸1に接続され、主軸1の回転駆動の制御を行うと共
に、送りB及びCのように砥石2を主軸1と共に上下及
び左右に移動させる主軸駆動部5と、ワーク3を固定す
るテーブル4と、テーブル4を介してワーク3を送りA
のように前後に移動させるテーブル駆動部6と、砥石2
とワーク3の隙間に加工液7cを噴出して供給するノズ
ル7aと、を備えている。また、放電加工部25は、砥
石2の表面を加工する放電加工ヘッド8と、放電加工ヘ
ッド8及び研削加工機20の主軸1にリード10a及び
10bを介して電気的に接続される放電加工電源9と、
放電加工ヘッド8と砥石2の対向部に加工液7cを噴出
して供給するノズル7bと、以下に述べる動作において
各部を制御する制御部100を備えている。
【0020】以上の構成により、リング状の砥石2は、
研削加工機20の主軸1に固定され、砥石2は主軸1の
駆動とともに回転できるようになっている。また、砥石
2は回転しながら、研削加工機20の主軸駆動部5によ
り主軸1と一体に、送りB及びCのように上下及び左右
に移動することができる。砥石2は高速で回転しながら
ワーク3と接触させることによって、砥石2の表面の砥
粒がワーク3表面を擦過し、ワーク3の表面を削り取る
ことにより研削加工を行なう。ワーク3と砥石2との間
隙には、ノズル7aより加工液7cを噴出して供給し、
研削面の冷却、洗浄、及び潤滑を行なう。また、ワーク
3は、研削加工機20のテーブル4に固定されており、
テーブル駆動部6の駆動によって送りAのように前後に
移動することができる。このようにして砥石2とワーク
3の接触箇所を任意の場所へ制御することにより、ワー
ク3の表面を自由な形状に加工することができる。
【0021】一方、砥石2のワーク3との接触部とは異
なる位置に、砥石2と対向する状態で、放電加工ヘッド
8が、研削加工機20の主軸駆動部5に配置されてい
る。主軸駆動部5によって、主軸1が送りB及びC方向
に移動したとき、放電加工ヘッド8も砥石2との相対位
置を保ちながら移動することができる。この放電加工ヘ
ッド8と砥石2との間に電圧を印加させて放電加工ヘッ
ド8と砥石2との対向部で放電加工を行い、ツルーイン
グ及びドレッシングを同時に行なう。この時、放電加工
の原理により、導電性の砥石2は放電箇所において少し
ずつ除去されていき、これにより砥石2の形状が一定に
維持されるとともに、砥石2の砥粒間に詰まった加工く
ずが除去されるため、砥粒による切れ刃が維持されるよ
うになっている。放電加工ヘッド8と放電加工電源9と
はリード10aによって接続され、放電加工電源9と砥
石2とはリード10bによって主軸1に接触するブラシ
(図示せず)を経由して電気的に接続されている。放電
時の極性は放電加工ヘッド8側がマイナスで、砥石2側
がプラスとするのが適当である。また放電発生条件とし
ては、電圧は50〜200V、コンデンサ容量は100
pF〜3300pF程度、充電抵抗は1kΩ程度とし、
コンデンサ充放電式の放電発生方式(RC回路)により
放電を発生させる。この放電発生条件は、砥石2の砥粒
突き出し量の大きさや目詰まりの速度によって適宜設定
を調整するが、例えば、砥石番手が4000番手以上の
砥石2を使用している場合、電圧は100V以下で充分
である。
【0022】放電加工ヘッド8と砥石2との間隔は、1
μm〜5μmであり、この放電加工ヘッド8と砥石2と
の間に放電加工電源9によって電圧を印加させた時に、
絶縁破壊が発生する。また放電加工ヘッド8と砥石2と
の対向部にはノズル7bから加工液7cが噴出されてい
る。ここで、実際の研削時での砥石2の回転は数千rp
m以上と高速であり、ノズル7aとノズル7bから供給
する加工液を異なるものにしても直ちに混合してしまう
ので、一般的には、同じ成分の加工液7cをノズル7a
とノズル7bから噴出するようにしている。
【0023】図2は、放電加工ヘッド8の詳細を示す。
図2(a)は、放電加工ヘッド8を正面から示し、図2
(b)は、放電加工ヘッド8を側面から示す。図2
(a)において、放電加工ヘッド8は、セラミック等の
絶縁体で作られたベースプレート81と、ベースプレー
ト81の上にワイヤ走行機構とを備え、走行するワイヤ
82を放電加工の電極として使用している。この電極ワ
イヤ82は、直径が0.1mm程度で、材質は黄銅であ
る。また、ワイヤ走行機構は、電極ワイヤ82の送り出
しボビン83と、巻き取りボビン91と、ブレーキロー
ラ84と、回転ローラ85、86、87、及び90と
を、ベースプレート81上に回転可能に支持して配置
し、送り出しボビン83には予め必要な量の未使用の電
極ワイヤ82が巻き付けられている。ブレーキローラ8
4の周囲には、電極ワイヤ82を支持するための3条の
溝(図示せず)があり、送り出しボビン83からの電極
ワイヤ82と回転ローラ85及び86からの電極ワイヤ
82とを別々の溝で受けるようにして、走行中の電極ワ
イヤ82が干渉して絡まないようにしている。またブレ
ーキローラ84は回転軸の周囲に回転可能であるが、回
転軸の上部にはブレーキローラ84の周囲を押さえて摩
擦力で回転を抑制させる機構(図示せず)があり、これ
によって電極ワイヤ82に走行方向とは逆の向きにテン
ションがかかるようになっている。これによって、電極
ワイヤ82の緩みを防止し、ワイヤガイド89からの電
極ワイヤ82の脱落などのトラブルを避けている。
【0024】ブレーキローラ84から出た電極ワイヤ8
2は、続いて回転ローラ87により方向を変え、ワイヤ
ガイド89に送られる。ガイドアーム88は、ベースプ
レート81から突き出す様に取り付けられており、ガイ
ドアーム88の先端にワイヤガイド89がネジ止めされ
て固定されているため、ワイヤガイド89は回転しな
い。ワイヤガイド89の周囲には、電極ワイヤ82の直
径とほぼ同じ幅(約0.1mm)の微小なガイド溝(図
示せず)が刻まれており、このガイド溝に沿って電極ワ
イヤ82が滑動し走行する。またこのガイド溝は、深さ
が電極ワイヤ82の直径の半分程度で、断面が半月状に
なっており、ガイドされる電極ワイヤ82の片半分はワ
イヤガイド89の外側にはみ出した状態で把持される。
そしてこの外側に露出した部分の電極ワイヤ82におい
て、砥石2との間で放電を発生させて放電加工を行う。
【0025】ワイヤガイド89を過ぎた電極ワイヤ82
は回転ローラ90で方向を変えて、巻取りボビン91へ
送られる。巻取りボビン91は、ベースプレート8の裏
にあるモータ(図示せず)によって回転し、ワイヤガイ
ド89及び回転ローラ90を通過した電極ワイヤ82を
巻取る。
【0026】以上のようなワイヤ走行機構により、電極
ワイヤ82は、走行しながらワイヤガイド89の先端
で、砥石2に放電加工を行なう。したがって放電時に消
耗した電極ワイヤ82は、走行することによって常に新
しい部分に置き換わり、砥石2とのギャップが一定に保
たれる。尚、電極ワイヤ82の走行速度は、毎分数mm
から数十mm程度の速度がよい。
【0027】図2(b)において、放電加工ヘッド8
は、取付軸92によって垂直移動テーブル93に固定さ
れ、垂直移動テーブル93は、水平移動テーブル94と
直角に接続固定されている。これら2つのテーブル93
及び94を制御することにより、放電加工ヘッド8は、
砥石2の回転軸1に対して送りDと送りEのように垂直
あるいは水平の2軸で位置決め制御がされる。これによ
り、砥石2と放電加工ヘッド8の間を放電加工可能な距
離に制御するとともに、放電加工ヘッド8を砥石2の幅
全体に移動することができ、砥石2の形状を砥石幅にわ
たって任意の形状に整形させる事が出来る。
【0028】次に、使用される加工液7cについて説明
する。加工液7cは、図1に示すノズル7a、7bから
噴流させて供給される。ノズル7aは砥石2とワーク3
が擦過する研削加工部へ加工液7cを供給し、ノズル7
bは放電加工ヘッド8と砥石2が対向する放電加工部に
加工液7cを供給している。研削加工部への加工液7c
の供給は、研削部の潤滑、冷却、及び洗浄のために行う
が、放電加工部へ加工液7c供給は、砥石2と電極ワイ
ヤ82の間を適度に絶縁させて放電を発生させ、同時に
目詰まりした加工屑を除去するために行なう。ここで、
この2ヶ所での加工液7cを各々の用途に適したものに
区別して供給することが理想的であるが、実際には砥石
2の回転数は、数千から数万rpmと非常に高速である
ため、ノズル7aとノズル7bからの各々の加工液が混
合してしまうため、別々の加工液にして、それぞれ独立
した機能を発揮させることは非常に困難である。そこ
で、ここでは同一の加工液7cを供給することにし、研
削加工部及び放電加工部の両機能を満足するようにして
いる。
【0029】使用した加工液7cは、電解ドレッシング
用に市販されている電解液を一般に使用される濃度より
もさらに希釈させて用いている。これは、一般に使用さ
れる電解ドレス液の濃度では、放電加工に必要な絶縁性
が得られないからである。実際には、加工液7cの抵抗
率が、0.1kΩm以上で放電が発生可能になり、1k
Ωm程度以上で安定して放電加工が出来るようになる。
加工液を一般の放電加工で使われるような油や純水のよ
うな絶縁液でなく、弱い電解液とする理由は、放電が発
生している周囲で電解ドレッシングの効果を重畳させる
ためである。
【0030】図3は、放電加工の様子を示したものであ
る。図3に示すように、砥石2と電極ワイヤ82との距
離が近い(幅が狭い)ところでは放電11が発生してい
るが、その周囲は砥石2と電極ワイヤ82の間隔が広い
ため放電11が発生しない。しかしこのとき、加工液7
cが電解質を含むので、電解電流12が砥石2と電極ワ
イヤ82の間に流れる。これにより電解ドレッシングに
よる目詰まり解消の効果を与えることができる。即ち、
本発明の放電加工においては、放電11によって放電ツ
ルーイングの効果を発生し、同時に、電解電流12によ
って電解ドレッシングの効果を発生している。ここで、
加工液7cの抵抗率が、10kΩm以上になると、放電
加工は良好であるが、電解ドレッシングの作用がほとん
どなくなってしまうため、電解液7cの抵抗率範囲とし
ては0.1kΩm以上10kΩm以下がよい。
【0031】図4(a)及び(b)は、砥石2の砥粒径
と放電加工で生じる砥石2のボンド材の表面粗さとの関
係を示したものである。本発明においては、放電加工の
放電11(図3)によって砥石2のボンド材22の表面
を加工するため、放電加工条件に応じて表面粗さが変化
する。図4(a)においては、放電加工で生じるボンド
材22の表面粗さ22aが砥粒21の大きさよりも小さ
いので、砥粒21の突き出しの切れ刃21aによって、
ワーク3を研削することができるが、図4(b)のよう
に、ボンド材22の表面粗さ22bが砥粒21より大き
くなると、砥粒21の突き出しの切れ刃21aによるワ
ーク3の研削性が失われてしまう。このため、放電加工
のエネルギレベルは、放電加工によって砥石2のボンド
材22の表面粗さが砥粒21の径以下になるように設定
することが望ましい。
【0032】次に、砥石番手が大きく微細砥粒21を使
用した砥石2の放電加工について説明する。研削加工装
置が始動されると、主軸駆動部5により砥石2がワーク
3に対して相対的に移動制御され、砥石2の表面の砥粒
21がワーク3の表面を擦過しながらその表面を削り取
り、ワーク3が所望の形状及び寸法に研削加工される。
そして、研削加工により砥石2の目詰まりが進行する前
に、放電加工ヘッド8により放電ツルーイングおよび電
解ドレッシングが行われ、砥石2は常に適正な表面状態
と断面形状(図4(a))が維持される。このとき、砥
石2の表面の砥粒21間に詰まった研削屑が導電性を帯
びていれば、放電加工の電解電流12によって直接除去
され、研削屑が非導電性であれば、放電11による砥石
2のボンド材22の除去とともに除去される。これによ
り、研削加工を中断することなく、目詰まりした研削屑
を除去することができ、砥石2の研削抵抗の増大等を防
止して良好な研削性を維持することができる。
【0033】ここで、従来の研削加工装置によれば、使
用する砥石2の砥粒21の径が大きく粗い(番手の小さ
い)砥石の時は、砥粒21と砥粒21の間の間隔(チッ
プポケット)が大きいため加工屑が詰まりにくく、電解
ドレッシングをインプロセスで与える方法で対処でき、
形状崩れへの影響も少ない。しかし、砥粒21の径が4
μm以下で砥石番手が4000番手以上の微細砥粒砥石
2を使用する場合には、すぐに目詰まりするため、電解
ドレッシングを強くする必要があり、このため、砥石2
の側面のだれ等の形状崩れが大きくなり、更に、この砥
石2の形状崩れを補正するために放電ツルーイングを併
用して行なうため、砥石2の減耗が著しくなり、コスト
がかかるだけでなく、ワーク3への切り込み量の変化も
生じてしまう。
【0034】これに対して、本発明の研削加工装置によ
れば、砥粒21の径が4μm以下で砥石番手が4000
番手以上の微細砥粒砥石2による目詰まりの生じやすい
研削加工でも、強い電解ドレッシングをする必要が無
く、放電加工による放電ツルーイングと放電加工部の周
囲に発生する弱い電解ドレッシングにより、砥石2の形
状崩れを起こさずに、砥粒21間に目詰まりした加工屑
を除去することができる。したがって、本発明の研削加
工装置においては、砥粒番手が4000番手以上で砥粒
21の径が4μm以下の微細砥粒砥石を使用することが
でき、研削加工の体積加工速度が1mm3/ h程度以下
の精密研削に適している。また砥石2は、砥粒21にC
BN(立方晶窒化ほう素)又はダイヤモンドが、ボンド
材22には鋳鉄などの導電性金属が適している。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による研削
加工装置および研削加工方法によれば、電解質の加工液
によって砥石表面に対して放電加工をすることとしたの
で、微細砥粒砥石による研削加工であっても、強い電解
ドレッシングを与える必要がなく、放電加工と弱い電解
作用のみで表面性状を維持でき、砥石の形状崩れの問題
も発生せず、研削抵抗の増大等を防止して良好な研削性
を維持することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研削加工装置を示す概略図である。
【図2】本発明の研削加工装置で使用する放電加工部を
示す概略図である。
【図3】本発明の放電ツルーイングと電解ドレッシング
の重畳作用を示す図である。
【図4】本発明での放電加工による砥石表面の適正な表
面粗さを示す図である。
【符号の説明】
1 主軸 2 砥石 3 ワーク 4 テーブル 5 主軸駆動部 6 テーブル駆動部 7a、7b ノズル 7c 加工液 8 放電加工ヘッド 9 放電加工電源 10 リード 11 放電 12 電解電流 20 研削加工機 21 砥粒 21a 突き出しの切れ刃 22 ボンド材 22a、22b 表面粗さ 25 放電加工部 81 ベースプレート 82 電極ワイヤ 83 送り出しボビン 84 ブレーキローラ 85、86、87、90 回転ローラ 88 ガイドアーム 89 ワイヤガイド 91 巻取りボビン 92 取付軸 93 垂直移動テーブル 94 水平移動テーブル 100 制御部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主軸の回転とともに回転駆動する導電性の
    砥石と、被加工物を搭載するテーブルと、前記砥石と前
    記テーブルを移動して前記砥石と前記被加工物とを接触
    させる駆動手段とを有する研削加工装置において、 前記砥石に対して近接して対向する電極と、 前記砥石と前記電極の間に電解質を含む水溶液の加工液
    を供給する加工液供給手段と、 前記砥石と前記電極に
    接続され、前記砥石と前記電極間で放電させるための電
    圧を印加する放電電源と、 前記放電電源を制御して前記砥石の粒径と前記加工液の
    電気抵抗率に応じた放電エネルギ及び電解エネルギを前
    記砥石と前記電極の間に供給して前記砥石と前記電極の
    間で放電及び電解作用を生じさせることにより、前記砥
    石の粒径に応じたドレッシングとツルーイングを同時に
    前記砥石に施す制御部を備えたことを特徴とする研削加
    工装置。
  2. 【請求項2】前記電極は、前記砥石と対向して支持され
    たワイヤガイドに沿って走行するワイヤ電極であること
    を特徴とする請求項1記載の研削加工装置。
  3. 【請求項3】前記加工液は、0.1kΩm以上10kΩ
    m以下の電気抵抗率を有する加工液であることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の研削加工装置。
  4. 【請求項4】前記砥石は、砥粒番手が4000番手以上
    の微細砥粒砥石であることを特徴とする請求項1乃至3
    記載の研削加工装置。
  5. 【請求項5】前記砥石の前記砥粒は、前記放電を行なっ
    た直後の前記砥石の作用面の表面粗さより大きい砥粒径
    を有することを特徴とする請求項4記載の研削加工装
    置。
  6. 【請求項6】導電性の砥石を駆動回転させ、被加工物と
    前記砥石とを移動して前記砥石と前記被加工物とを接触
    させて前記被加工物を研削加工する研削加工方法におい
    て、 前記砥石に対して近接して電極を対向させ、 前記砥石と前記電極の間に電解質を含む水溶液の加工液
    を供給し、 前記砥石の粒径と前記加工液の電気抵抗率に応じた放電
    エネルギ及び電解エネルギを前記砥石と前記電極の間に
    供給して前記砥石と前記電極の間で放電及び電解作用を
    生じさせることにより前記砥石の粒径に応じたドレッシ
    ングとツルーイングを同時に前記砥石に施すことを特徴
    とする研削加工方法。
  7. 【請求項7】前記電極を対向させる段階は、ワイヤガイ
    ドを前記砥石に対向させる段階と、前記ワイヤガイドに
    沿ってワイヤ電極を走行させる段階を含むことを特徴と
    する請求項6記載の研削加工方法。
  8. 【請求項8】前記加工液を供給する段階は、前記砥石と
    前記電極の間に0.1kΩm以上10kΩm以下の電気
    抵抗率を有する加工液を供給する段階であることを特徴
    とする請求項6または請求項7記載の研削加工方法。
  9. 【請求項9】前記砥石は、砥粒番手が4000番手以上
    の微細砥粒砥石であることを特徴とする請求項6乃至8
    記載の研削加工方法。
  10. 【請求項10】前記砥石の前記砥粒は、前記放電を行な
    った直後の前記砥石の作用面の表面粗さより大きい砥粒
    径を有することを特徴とする請求項9記載の研削加工方
    法。
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