JPH11220888A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JPH11220888A
JPH11220888A JP10019410A JP1941098A JPH11220888A JP H11220888 A JPH11220888 A JP H11220888A JP 10019410 A JP10019410 A JP 10019410A JP 1941098 A JP1941098 A JP 1941098A JP H11220888 A JPH11220888 A JP H11220888A
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秀夫 岡山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート転流型ターンオフサイリスタの持つ高
いオフ電圧上昇率耐量を有効に活用して、大容量化、小
型化、低コスト化、高信頼度化を同時に実現するインバ
ータ装置を提供する。 【解決手段】 直流電圧回路1に接続されたGCT2
a、2bの直列接続体と、各GCT2a、2bに逆並列
接続されたフリーホイールダイオード3a、3bと、直
流電圧回路1の電位Pの端子とGCT2aのアノード端
子との間に挿入されたアノードリアクトル4と、このア
ノードリアクトル4に並列接続されたリセットダイオー
ド5とリセット抵抗6との直列接続体と、リセットダイ
オード5とリセット抵抗6との接続点と直流電圧回路1
の電位Nの端子との間に接続されたクランプコンデンサ
7とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨界オフ電圧上昇
率が規定されない、あるいは極めて高い、例えば、1k
V/μsを超える臨界オフ電圧上昇率を有する自己消弧
型半導体素子、例えばゲート転流型ターンオフサイリス
タ等を適用した大容量インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の大容量インバータ装置を構成する
ために適用された自己消弧型半導体素子は例えばGTO
(ゲートターンオフサイリスタ)、IGBT(絶縁ゲー
ト型バイポーラトランジスタ)などが挙げられる。GT
Oは現在6インチシリコンウエハーの適用により6k
V、6kAの最大定格を持つ。以下このGTOを6イン
チGTOと略す。一般にGTOは臨界オフ電圧上昇率と
臨界オン電流上昇率が規定されているため、並列スナバ
回路と直列スナバ回路、即ちスナバコンデンサとアノー
ドリアクトルを必要とする。例えば6インチGTOは臨
界オフ電圧上昇率1kV/μs、臨界オン電流上昇率5
00A/μsであるため、インバータ装置の性能として
最大遮断電流6kAと直流電圧3kVが要求される場合
には、特別なスナバ回路が用いられない場合には、最低
6μFのスナバコンデンサと6μHのアノードリアクト
ルが必要である。また、GTOに印加される最大オフ電
圧を抑制するためには電圧クランプ回路が必要である。
図22に最も簡素化されたスナバ回路と電圧クランプ回
路とを有するGTOインバータの一例を示す。これ
は「"A snubber configuration for both power transi
stors and GTO PWM inverters", Conf. Rec. 1984 IEEE
Power Electron. Specialist Conf. (PESC), pp.42-5
3」に記載されている。図22のクランプコンデンサ7
はスナバコンデンサ17の数倍の静電容量を必要とす
る。これは上アームのGTO18aのオフ電圧上昇率が
スナバコンデンサ17のみで決まるのに対して、下アー
ムのGTO18bのそれはスナバコンデンサ17とクラ
ンプコンデンサ7との直列合成静電容量によって決ま
る。このため、2つのGTO18a、18bのオフ電圧
上昇率による責務を等しくするためには、クランプコン
デンサ7の静電容量をスナバコンデンサ17に比較して
大きい値を選ぶ必要があるためである。
【0003】一方、IGBTは現在4.5kV、1.5k
Aの最大定格を持つ。従って、6インチGTOをこのI
GBTによって置換するためには、複数のIGBTを直
列あるいは並列接続する必要がある。IGBTでは臨界
オフ電圧上昇率、臨界オン電流上昇率は規定されないた
め、通常スナバコンデンサやアノードリアクトルは省略
できる。ただし、ターンオフ損失を抑制するために、つ
まり最大オフ電圧を抑制するためにインバータ内の浮遊
インダクタンスの低減が必要である。この低減努力によ
り、ターンオン動作においては非常に高いオン電流上昇
率がIGBTに印加されることになる。この高いオン電
流上昇率は、相対のIGBTに逆並列接続されるフリー
ホイールダイオードの逆回復電流を増加させるため、I
GBTのターンオン損失を増加させるだけでなくフリー
ホイールダイオードのターンオフ損失をも増加させるこ
とになる。このスイッチング損失のトレードオフは、I
GBTの大容量化が進むにつれて困難さを増している。
【0004】また、最近になってゲート転流型ターンオ
フサイリスタが開発された。以下GCTと略す。現在の
最大定格は4.5kV、4.0kAであり、ウエハー口径
は4インチである。これはゲート回路からGCTに導通
しているオン電流とほぼ同じ値でかつ急峻なゲートオフ
電流を流すことにより、非常に短い時間でのターンオフ
動作が可能である。この典型的なターンオフ波形は「"
GCTサイリスタの開発",平成9年電気学会全国大会」
に示されている。これを図23示す。図23においてI
Gはゲートオフ電流、ITはGCT電流、VDはGCT
電圧、VDSPは電流下降時間に発生するスパイク電圧
の最大値、VDMは電流下降時間以降に発生するオフ電
圧の最大値である。このようにターンオフ時間が非常に
短いため製品毎のスイッチングばらつき時間を非常に小
さくできる。
【0005】また、原理上GCTは主電流を全てゲート
ドライブ回路に転流させる、ターンオフゲイン1近傍で
ターンオフ動作が可能である。従って、従来のGTOが
持つ臨界オフ電圧上昇率の規定はGCTに対しては意味
を持たなくなり、これはスナバコンデンサが原理上不要
になることを意味している。また、ターンオン時にもG
CTにハイゲートオン電流を流すことにより、オン電流
上昇率に対する耐量の大幅な向上が期待できる。さら
に、GCTとフリーホイールダイオードとを同一ウエハ
ー上に構成する、即ち逆導通型GCTが開発され、それ
によるIGBTの置換が試みられている。例えば「The
Integrated Gate-Commutated Thyristor :A New High-E
fficiency, High-Power Switch for Series or Snubber
less Operation", POWER CONVERSION. JUNE 1997 PROCE
EDINGS pp.597-604」にこの一例が示されている。これ
によれば図24に示すように、3相インバータは逆導通
GCT20aから20fによる半導体パッケージ6個
と、唯1つのアノードリアクトル4、リセットダイオー
ド5、リセット抵抗6により構成できる。この逆導通G
CTの現在の最大定格は4.5kV、3kAであり、従
って6インチGTOをこの逆導通GCTによって置換す
るためにはIGBTと同様に複数の逆導通GCTを直列
接続あるいは並列接続する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】市場からはインバータ
装置の更なる大容量化、小型化、低コスト化、高信頼度
化の要求が存在するが、例えば6インチGTOは比較的
大きなスナバコンデンサとアノードリアクトルとを必要
とし、さらには大容量のクランプコンデンサからなる電
圧クランプ回路をも必要とする。このため、更なるGT
Oの定格の増加はインバータ装置の大容量化を達成する
が同時に、装置の大型化、またコストの著しい増加を招
くという問題がある。
【0007】また、IGBTを用いたインバータ装置の
大容量化は直列接続あるいは並列接続を必要とするた
め、部品点数の増加によるコストの増加、信頼性低下な
どの問題が生じる。さらに、IGBTはターンオフ損失
とターンオン損失の適切なトレードオフ関係を見い出す
ことが非常に難しいという問題もある。
【0008】一方、逆導通GCTはフリーホイールダイ
オードをGCTと同一ウエハー上に構成しているため
に、インバータ装置の小型化、高信頼度化に対する利点
はある。しかしながら、スイッチング周波数を6インチ
GTOと同じ値と仮定すれば、同一パッケージから約2
倍の損失が発生することから、大容量化を達成するため
には冷却フィンおよびパッケージが持つ熱抵抗の大幅な
低減を必要とする。従って、素子定格の大幅な改善が達
成されない限り、スイッチング周波数を低減しなければ
ならず、その場合、インバータ装置の制御性能は低下し
てしまうという問題がある。また、逆導通GCTを用い
たインバータ装置の従来例では、アノードリアクトルを
3相共通に用いているが、例えばある相のスイッチング
動作によりリセットダイオードが導通している間に他の
相がターンオン動作を開始すると、GCTの臨界オン電
流上昇率を超えた電流がGCTあるいはフリーホイール
ダイオードに流れるため、IGBTの場合と同様に、G
CTのターンオン損失の増加とフリーホイールダイオー
ドのターンオフ損失が増加する。つまり、本来のアノー
ドリアクトルが持っている、オン電流上昇率抑制回路と
しての機能を失うという問題がある。特に、オン電流上
昇率はインバータ装置の直流電圧の増加により大きくな
るため、大容量化に際してこの問題は顕著となる。
【0009】また、GCTの大容量化、特に電流定格の
向上については電流下降時間の短縮によるターンオフ損
失の抑制が必要となる。つまり、図23に示すスパイク
電圧が増加することが考えられる。このスパイク電圧が
発生する近傍では、そのスパイク電圧とGCT電流との
積、つまり瞬時ターンオフ損失が最大値を示すため、そ
の臨界値を超えるとGCTが熱破壊を起こす問題があ
る。
【0010】従って本発明の目的は、高いオフ電圧上昇
率耐量を有する自己消弧型半導体素子を有効に活用し
て、大容量化、小型化、低コスト化、高信頼度化を同時
に実現するインバータ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るインバー
タ装置は、2つの電位P、Nを有する直流電圧回路と、
前記電位Pもしくは電位Nを出力することができる2レ
ベルインバータブリッジを有するインバータ装置におい
て、前記2レベルインバータブリッジは、前記直流電圧
回路の電位Pの端子と電位Nの端子との間に接続された
第1および第2の自己消弧型半導体素子の直列接続体
と、前記第1および第2の自己消弧型半導体素子の各々
に逆並列接続された第1および第2のフリーホイールダ
イオードと、前記直流電圧回路の電位Pの端子と前記第
1の自己消弧型半導体素子のアノード端子との間もしく
は前記直流電圧回路の電位Nの端子と前記第2の自己消
弧型半導体素子のカソード端子との間のいずれか一方に
挿入されたアノードリアクトルと、前記アノードリアク
トルに並列接続されたリセットダイオードとリセット抵
抗とから構成された直列接続体と、前記リセットダイオ
ードと前記リセット抵抗との接続点と前記直流電圧回路
の電位Nの端子もしくは電位Pの端子との間のいずれか
一方に接続され前記リセット抵抗を介して前記直流電圧
回路へ放電できるクランプコンデンサと、前記第1の自
己消弧型半導体素子と第2の自己消弧型半導体素子との
接続点に設けられた出力端子とを備え、前記第1および
第2の自己消弧型半導体素子を当該素子の主電極間に存
在する寄生静電容量によって抑制されるオフ電圧上昇率
が当該素子の臨界オフ電圧上昇率以下となる自己消弧型
半導体素子としたものである。
【0012】また、請求項2に係るインバータ装置は、
請求項1において、そのアノードリアクトルをヒューズ
としたものである。
【0013】また、請求項3に係るインバータ装置は、
請求項1または2において、その第1および第2の自己
消弧型半導体素子のターンオフ時の電流下降時間に前記
第1および第2の自己消弧型半導体素子に印加される電
圧の最大値が前記電流下降時間以降に印加される電圧の
最大値を超える条件を満足する場合、前記第1および第
2の自己消弧型半導体素子の各々に並列に電圧クランプ
要素を接続したものである。
【0014】また、請求項4に係るインバータ装置は、
請求項1ないし3のいずれかにおいて、その第1および
第2の自己消弧型半導体素子と第1および第2のフリー
ホイールダイオードとは第1の圧接構造体により非導電
体を介することなくその通電方向に圧接して共締めされ
ており、リセットダイオードとリセット抵抗とは第2の
圧接構造体により通電方向に圧接して共締めされてお
り、前記第1および第2の自己消弧型半導体素子と第1
および第2のフリーホイールダイオードとは互いに同一
の口径とし、前記リセットダイオードは前記第1および
第2のフリーホイールダイオードより小さい口径とした
ものである。
【0015】また、請求項5に係るインバータ装置は、
請求項4において、その第1の圧接構造体に共締めされ
る素子は、第1のフリーホイールダイオード、第1の自
己消弧型半導体素子、第2の自己消弧型半導体素子、第
2のフリーホイールダイオードの順序で、かつ、前記各
素子のアノード端子の向きが全て同一となるように配列
されているものである。
【0016】請求項6に係るインバータ装置は、2つの
電位P、Nおよびその中間の電位Cを有する直流電圧回
路と、前記電位P、電位Cもしくは電位Nを出力するこ
とができる3レベルインバータブリッジを有するインバ
ータ装置において、前記3レベルインバータブリッジ
は、前記直流電圧回路の電位Pの端子と電位Nの端子と
の間に接続された第1から第4の自己消弧型半導体素子
の直列接続体と、前記第1から第4の自己消弧型半導体
素子の各々に逆並列接続された第1から第4のフリーホ
イールダイオードと、前記直流電圧回路の電位Cの端子
と前記第2の自己消弧型半導体素子のアノード端子との
間に接続された第1のクランプダイオードと、前記第3
の自己消弧型半導体素子のカソード端子と前記直流電圧
回路の電位Cの端子との間に接続された第2のクランプ
ダイオードと、前記直流電圧回路の電位Pの端子と前記
第1の自己消弧型半導体素子のアノード端子との間に挿
入された第1のアノードリアクトルと、前記第1のアノ
ードリアクトルに並列接続された第1のリセットダイオ
ードと第1のリセット抵抗とから構成された直列接続体
と、前記第1のリセットダイオードと第1のリセット抵
抗との接続点と前記直流電圧回路の電位Cの端子との間
に接続され前記第1のリセット抵抗を介して前記直流電
圧回路へ放電できる第1のクランプコンデンサと、前記
第4の自己消弧型半導体素子のカソード端子と前記直流
電圧回路の電位Nの端子との間に挿入された第2のアノ
ードリアクトルと、前記第2のアノードリアクトルに並
列接続された第2のリセットダイオードと第2のリセッ
ト抵抗とから構成された直列接続体と、前記第2のリセ
ットダイオードと第2のリセット抵抗との接続点と前記
直流電圧回路の電位Cの端子との間に接続され前記第2
のリセット抵抗を介して前記直流電圧回路へ放電できる
第2のクランプコンデンサと、前記第2の自己消弧型半
導体素子と第3の自己消弧型半導体素子との接続点に設
けられた出力端子とを備え、前記第1から第4の自己消
弧型半導体素子を当該素子の主電極間に存在する寄生容
量によって抑制されるオフ電圧上昇率が、当該素子の臨
界オフ電圧上昇率以下となる自己消弧型半導体素子とし
たものである。
【0017】また、請求項7に係るインバータ装置は、
請求項6において、その第1と第2のアノードリアクト
ルの各々をヒューズとしたものである。
【0018】また、請求項8に係るインバータ装置は、
請求項6または7において、そのターンオフ時の電流下
降時間に印加される電圧の最大値が前記電流下降時間以
降に印加される電圧の最大値を超える条件を満足する第
1から第4の自己消弧型半導体素子に並列に電圧クラン
プ要素を接続したものである。
【0019】また、請求項9に係るインバータ装置は、
請求項6ないし8のいずれかにおいて、その第1から第
4の自己消弧型半導体素子と第1から第4のフリーホイ
ールダイオードと第1および第2のクランプダイオード
とは第1の圧接構造体により非導電体を介することなく
その通電方向に圧接して共締めされており、第1および
第2のリセットダイオードと第1および第2のリセット
抵抗とは第2の圧接構造体により通電方向に圧接して共
締めされており、前記第1から第4の自己消弧型半導体
素子と第1から第4のフリーホイールダイオードと第1
および第2のクランプダイオードとは互いに同一の口径
とし、前記第1および第2のリセットダイオードは互い
に同一の口径でかつ前記第1から第4のフリーホイール
ダイオードより小さい口径としたものである。
【0020】また、請求項10に係るインバータ装置
は、請求項9において、その第1の圧接構造体に共締め
される素子は、第1の自己消弧型半導体素子、第1のフ
リーホイールダイオード、第2のフリーホイールダイオ
ード、第2の自己消弧型半導体素子、第1のクランプダ
イオード、第2のクランプダイオード、第3の自己消弧
型半導体素子、第3のフリーホイールダイオード、第4
のフリーホイールダイオード、第4の自己消弧型半導体
素子の順序で、かつ、前記各素子のアノード端子の向き
が全て同一となるように配列されているものである。
【0021】また、請求項11に係るインバータ装置
は、請求項9または10において、その第1のクランプ
コンデンサと第2のクランプコンデンサは1つのパッケ
ージに収納されたものである。
【0022】請求項12に係るインバータ装置は、2つ
の電位P、Nおよびその中間の電位Cを有する直流電圧
回路と、前記電位P、電位Cもしくは電位Nを出力する
ことができる3レベルインバータブリッジを有するイン
バータ装置において、前記3レベルインバータブリッジ
は、前記直流電圧回路の電位Pの端子と電位Nの端子と
の間に接続された第1から第4の自己消弧型半導体素子
の直列接続体と、前記第1から第4の自己消弧型半導体
素子の各々に逆並列接続された第1から第4のフリーホ
イールダイオードと、前記直流電圧回路の電位Cの端子
と前記第2の自己消弧型半導体素子のアノード端子との
間に接続された第1のクランプダイオードと、前記第3
の自己消弧型半導体素子のカソード端子と前記直流電圧
回路の電位Cの端子との間に接続された第2のクランプ
ダイオードと、前記直流電圧回路の電位Pの端子と前記
第1の自己消弧型半導体素子のアノード端子との間に挿
入された第1のアノードリアクトルと、前記第1のアノ
ードリアクトルに並列接続された第1のリセットダイオ
ードと第1のリセット抵抗とから構成された直列接続体
と、前記第1のリセットダイオードと第1のリセット抵
抗との接続点と前記直流電圧回路の電位Cの端子との間
に接続され前記第1のリセット抵抗を介して前記直流電
圧回路へ放電できる第1のクランプコンデンサと、前記
第4の自己消弧型半導体素子のカソード端子と前記直流
電圧回路の電位Nの端子との間に挿入された第2のアノ
ードリアクトルと、前記第2のアノードリアクトルに並
列接続された第2のリセットダイオードと第2のリセッ
ト抵抗とから構成された直列接続体と、前記第2のリセ
ットダイオードと第2のリセット抵抗との接続点と前記
直流電圧回路の電位Cの端子との間に接続され前記第2
のリセット抵抗を介して前記直流電圧回路へ放電できる
第2のクランプコンデンサと、前記第1のリセットダイ
オードと第1のリセット抵抗との接続点と前記第3の自
己消弧型半導体素子のアノード端子との間に接続された
第1のバイパスダイオードと、前記第2のリセットダイ
オードと第2のリセット抵抗との接続点と前記第2の自
己消弧型半導体素子のカソード端子との間に接続された
第2のバイパスダイオードと、前記第2の自己消弧型半
導体素子と第3の自己消弧型半導体素子との接続点に設
けられた出力端子とを備え、前記第1から第4の自己消
弧型半導体素子を当該素子の主電極間に存在する寄生容
量によって抑制されるオフ電圧上昇率が、当該素子の臨
界オフ電圧上昇率以下となる自己消弧型半導体素子とし
たものである。
【0023】また、請求項13に係るインバータ装置
は、請求項12において、その第1と第2のアノードリ
アクトルの各々をヒューズとしたものである。
【0024】また、請求項14に係るインバータ装置
は、請求項12または13において、そのターンオフ時
の電流下降時間に印加される電圧の最大値が前記電流下
降時間以降に印加される電圧の最大値を超える条件を満
足する第1から第4の自己消弧型半導体素子に並列に電
圧クランプ要素を接続したものである。
【0025】また、請求項15に係るインバータ装置
は、請求項12ないし14のいずれかにおいて、その第
1から第4の自己消弧型半導体素子と第1から第4のフ
リーホイールダイオードと第1および第2のクランプダ
イオードとは第1の圧接構造体により非導電体を介する
ことなくその通電方向に圧接して共締めされており、第
1および第2のリセットダイオードと第1および第2の
バイパスダイオードと第1および第2のリセット抵抗と
は第2の圧接構造体により通電方向に圧接して共締めさ
れており、前記第1から第4の自己消弧型半導体素子と
第1から第4のフリーホイールダイオードと第1および
第2のクランプダイオードとは互いに同一の口径とし、
前記第1および第2のリセットダイオードと第1および
第2のバイパスダイオードとは互いに同一の口径でかつ
前記第1から第4のフリーホイールダイオードより小さ
い口径としたものである。
【0026】また、請求項16に係るインバータ装置
は、請求項15おいて、その第1の圧接構造体に共締め
される素子は、第1の自己消弧型半導体素子、第1のフ
リーホイールダイオード、第2のフリーホイールダイオ
ード、第2の自己消弧型半導体素子、第1のクランプダ
イオード、第2のクランプダイオード、第3の自己消弧
型半導体素子、第3のフリーホイールダイオード、第4
のフリーホイールダイオード、第4の自己消弧型半導体
素子の順序で、かつ、前記各素子のアノード端子の向き
が全て同一となるように配列されているものである。
【0027】また、請求項17に係るインバータ装置
は、請求項15または16において、その第1のバイパ
スダイオードおよび第2のバイパスダイオードは、それ
ぞれ第1および第2のリセットダイオードに適用されて
いるものと同一のダイオードを2個直列接続してなるも
のである。
【0028】また、請求項18に係るインバータ装置
は、請求項15ないし17のいずれかにおいて、その第
1のクランプコンデンサと第2のクランプコンデンサと
は1つのパッケージに収納されたものである。
【0029】また、請求項19に係るインバータ装置
は、請求項1ないし18のいずれかにおいて、その自己
消弧型半導体素子を、主電流を全てゲート回路へ転流さ
せてターンオフするゲート転流型ターンオフサイリスタ
としたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるインバータ
装置を複数の図を用いて説明する。
【0031】実施の形態1.この発明によるインバータ
装置の実施の形態1を図を用いて説明する。図1はこの
発明によるインバータ装置の実施の形態1における2レ
ベルインバータブリッジを示す回路構成図、図2はその
具体的な簡易構造図である。まず、図1の回路構成図に
おいて、1は電位Pと電位N(電位差E(V))を持つ
直流電圧回路、2a、2bは自己消弧型半導体素子とし
てのGCT、3a、3bはフリーホイールダイオード、
4はアノードリアクトル、5はリセットダイオード、6
はリセット抵抗、7はクランプコンデンサ、OUTは図
示されていない負荷に接続される出力端子である。図2
の簡易構造図において、GCT2a、2bとフリーホイ
ールダイオード3a、3bは分離され、かつ互いに口径
の等しい半導体パッケージである。また、リセットダイ
オード5はフリーホイールダイオード3a、3bの口径
より小さい口径の半導体パッケージ、リセット抵抗6は
水冷抵抗器、8aから8gは導電体である冷却フィン、
9はGCT2a、2bとフリーホイールダイオード3
a、3bの半導体パッケージと冷却フィン8aから8e
とをその通電方向に圧接して共締めするための第1の圧
接構造体、10はリセットダイオード5とリセット抵抗
6と冷却フィン8f、8gとをその通電方向に圧接して
共締めするための第2の圧接構造体である。11aから
11hは電気的接続手段であり、例えば幅広な銅ブスバ
ーなどである。なお、図1、図2に記載した12a、1
2bはツェナーダイオードなどの電圧クランプ要素であ
るが、これについての説明は後述する。
【0032】4個の半導体パッケージを図2に示すよう
に配列すると、第1の圧接構造体9により、絶縁物(非
導電体)を介することなく冷却フィン8aから8eとの
共締めが可能となる。また近年、薄膜抵抗体を冷却フィ
ンで挟み込んだ被圧接構造を持つ水冷抵抗器が開発され
ている。このような抵抗器をリセット抵抗6に適用する
ことにより、第2の圧接構造体10によりリセットダイ
オード5とリセット抵抗6と冷却フィン8f、8gとの
共締めが可能となる。
【0033】次に回路動作について図3から図5および
図7を用いて説明する。まず、GCT2aのスイッチン
グ動作について図3、図4を用いて説明する。GCT2
aがスイッチングする場合は電流値I(A)を持つ負荷
電流について、GCT2aとフリーホイールダイオード
3bとの転流動作を考慮すれば良い。なお、これら動作
を説明するための回路図では、見易いよう各図(a)に
のみ回路要素の符号を付し、他の図ではこの付記を省略
している。
【0034】図3(a)に示すGCT2aのオン状態か
らターンオフ動作を開始した直後の負荷電流は、図3
(b)に示すようにリセットダイオード5→クランプコ
ンデンサ7→フリーホイールダイオード3bにバイパス
される。この時のGCT2aの電流変化率、即ちバイパ
ス経路への転流速度をdi1/dt(A/s)、クラン
プコンデンサ7の静電容量をC(F)、GCT2aのア
ノード端子からカソード端子までのバイパス経路内に存
在する浮遊インダクタンスをL1(H)、フリーホイー
ルダイオード3b、リセットダイオード5の電流変化率
di1/dtに対する順回復電圧(過渡オン電圧)を各
々VF(V)、VR(V)とすれば、GCT2aに印加
されるスパイク電圧の最大値VDSP1(V)は式1で
表現できる。
【0035】
【数1】
【0036】この後、図3(c)に示すようにGCT2
aの電流がゼロ(A)になると、負荷電流はすべてフリ
ーホイールダイオード3bに転流する。また、アノード
リアクトル4の蓄積エネルギーはクランプコンデンサ7
に回収される。リセット抵抗6の抵抗値とクランプコン
デンサ7の静電容量で決まる時定数が、クランプコンデ
ンサ7の静電容量とアノードリアクトル4のインダクタ
ンスとで決まる共振周期に比べて長い場合は、アノード
リアクトル4の蓄積エネルギーを回収した後のクランプ
コンデンサ7の最大充電電圧(最大オフ電圧)VDM1
は近似的に式2で表現できる。なお、アノードリアクト
ル4のインダクタンスはL(H)とする。
【0037】
【数2】
【0038】なお、式2ではGCT2aの電流がI
(A)からゼロ(A)に変化する時間において、クラン
プコンデンサ7に充電された電圧をVc(V)とした。
アノードリアクトル4の電流がゼロ(A)になればGC
T2aのターンオフ動作は終了する。クランプコンデン
サ7は図3(d)に示すように、直流電圧回路1に対し
てリセット抵抗6を介して電圧がE(V)になるまで放
電される。
【0039】ここで注目すべき点は、フリーホイールダ
イオード3bとリセットダイオード5の順回復電圧VF
とVRである。ターンオフ損失を抑制し、高信頼度なタ
ーンオフ動作を保証するためには、スパイク電圧の低減
は必要不可欠である。スパイク電圧を低減するために
は、前述したバイパス経路内に存在する浮遊インダクタ
ンスを低減することも然ることながら、これら2つのダ
イオードの順回復電圧を低減する必要がある。この順回
復電圧は、一般に電流変化率の増加により大きくなる。
また、素子の口径が大きい程大きくなる。現在、6イン
チのダイオードの順回復電圧は電流変化率1kA/μs
に対して約70V程度である。また、4インチのダイオ
ードの順回復電圧は同条件で約40V程度である。ま
た、現有素子で最も大きいものを想定すれば、フリーホ
イールダイオード3bの口径はGCT2aと同じ6イン
チがある。一方、同一圧接構造体内の半導体パッケージ
の口径を揃えることは、均一な圧接力の伝達を保証、即
ち素子表面の均一な温度分布を保証するために必要不可
欠な条件である。従って、GCT2aと共締めされるフ
リーホイールダイオード3bについては、GCT2aの
口径にあわせる必要があるが、ターンオフ損失を低減す
る観点からリセットダイオード5に適用するダイオード
の口径は、フリーホイールダイオード3bに適用するダ
イオードの口径とは異なる小さいものを選定する。
【0040】次に、図4(a)に示すGCT2aのオフ
状態からターンオン動作を開始した直後は、図4(b)
に示すように、まずフリーホイールダイオード3bを導
通している負荷電流の値まで直流電圧回路1から電流が
供給される。また、その電流には図4(c)に示すよう
に、フリーホイールダイオード3bの逆回復電流の最大
値が重畳される。この期間、アノードリアクトル4には
電圧E(V)が印加され続け、GCT2aのオン電流上
昇率は、直流電圧回路1の電圧E(V)とアノードリア
クトル4のインダクタンスL(H)で決まるオン電流上
昇率di2/dt=E/L(A/s)に常に抑制され
る。ダイオードの逆回復電流の最大値は、一般に導通電
流(ここでは負荷電流)の大きさと電流変化率(ここで
はdi2/dt)に大きく依存する。図1に示す回路に
おいては、電流変化率di2/dtの大きさは他相の影
響を全く受けずに一定の値に抑制可能であるため、GC
T2aで発生するターンオン損失やフリーホイールダイ
オード3bで発生するターンオフ損失が予想以上に増加
することはない。フリーホイールダイオード3bのオフ
状態が確立すれば、図4(d)に示すように、アノード
リアクトル4に過剰に蓄積されたフリーホイールダイオ
ード3bの逆回復電流によるエネルギーは、クランプコ
ンデンサ7に回収される。アノードリアクトル4の電流
が負荷電流Iに等しくなれば、GCT2aのターンオン
動作は終了する。そして、図4(e)に示すように、ク
ランプコンデンサ7は直流電圧回路1に対してリセット
抵抗6を介して電圧Eになるまで放電される。
【0041】次に、GCT2bのスイッチング動作につ
いて図5、図7を用いて説明する。GCT2bがスイッ
チングする場合は電流値Iを持つ負荷電流についてGC
T2bとフリーホイールダイオード3aとの転流動作を
考慮すれば良い。
【0042】図5(a)に示すGCT2bのオン状態か
らターンオフ動作を開始した直後の負荷電流は、図5
(b)に示すように、フリーホイールダイオード3a→
リセットダイオード5→クランプコンデンサ7にバイパ
スされる。この時のGCT2bの電流変化率、即ちバイ
パス経路への転流速度をdi1/dt、クランプコンデ
ンサ7の静電容量をC(F)、GCT2bのアノード端
子からカソード端子までのバイパス経路内に存在する浮
遊インダクタンスをL2(H)、フリーホイールダイオ
ード3a、リセットダイオード5の電流変化率di1/
dtに対する順回復電圧(過渡オン電圧)を各々VF
(V)、VR(V)とすれば、GCT2aに印加される
スパイク電圧VDSP2の最大値は式3で表現できる。
【0043】
【数3】
【0044】ここで注目すべき点は、GCT2aとGC
T2bのターンオフ動作開始直後のバイパス経路内に存
在する浮遊インダクタンスの大きさである。図6(a)
にはGCT2aの、図6(b)にはGCT2bのターン
オフ直後のバイパス経路を太線で示している。図から、
両バイパス経路が占める空間が同一ないし対称となる。
このように半導体パッケージの配列が唯一図2に示す場
合にのみ、GCT2aとGCT2bのターンオフ動作開
始直後のバイパス経路内の浮遊インダクタンスL1とL
2とが等しくなる。この配列により、スパイク電圧によ
ってGCT2aとGCT2bに生じるターンオフ損失を
等しくできる、つまり熱的責務を等しくできることにな
る。
【0045】図5(c)に示すようにGCT2bの電流
がゼロ(A)になれば、負荷電流はすべてフリーホイー
ルダイオード3aに転流する。また、アノードリアクト
ル4の蓄積エネルギーはクランプコンデンサ7に回収さ
れる。この動作は図3(c)と同様である。アノードリ
アクトル4の電流がゼロ(A)になると、GCT2bの
ターンオフ動作は終了する。クランプコンデンサ7は、
図5(d)に示すように、直流電圧回路1に対してリセ
ット抵抗6を介して電圧E(V)になるまで放電され
る。
【0046】次に、図7(a)に示すGCT2bのオフ
状態からターンオン動作を開始した直後は、図7(b)
に示すように、フリーホイールダイオード3aを導通し
ている負荷電流の値まで直流電圧回路1から電流が供給
される。また、その電流には図7(c)に示すように、
フリーホイールダイオード3aの逆回復電流の最大値が
重畳される。この期間はアノードリアクトル4には電圧
E(V)が印加され続け、GCT2bのオン電流上昇率
は直流電圧回路1の電圧E(V)とアノードリアクトル
4のインダクタンスL(H)で決まるオン電流上昇率d
i2/dt=E/L(A/s)に常に抑制される。前述
したように、図1に示す回路においては、電流変化率d
i2/dtの大きさは他相の影響を全く受けずに一定の
値に抑制可能であるため、GCT2bで発生するターン
オン損失やフリーホイールダイオード3aで発生するタ
ーンオフ損失が予想以上に増加することはない。フリー
ホイールダイオード3aのオフ状態が確立すれば、図7
(d)に示すように、アノードリアクトル4に過剰に蓄
積されたフリーホイールダイオード3aの逆回復電流に
よるエネルギーはクランプコンデンサ7に回収される。
アノードリアクトル4の電流が負荷電流I(A)に等し
くなれば、GCT2bのターンオン動作は終了する。ク
ランプコンデンサ7は、図7(e)に示すように、直流
電圧回路1に対してリセット抵抗6を介して電圧E
(V)になるまで放電される。
【0047】実施の形態2.2レベルインバータブリッ
ジを構成するGCT2a、2bの大容量化、特に電流定
格の改善が進むと、例えばGCT2aがターンオフ動作
を開始した後、バイパス経路にバイパスされる際の電流
上昇率di1/dtが大きくなることが予想される。な
ぜならば、GCT2aの大容量化はスイッチング損失、
特にターンオフ損失の抑制を達成することが課題とな
り、それには電流上昇率di1/dtを大きくすること
により可能なかぎり理想的なスイッチング動作に近付け
る必要があるからである。しかし、その場合には、電流
上昇率di1/dtによって発生するスパイク電圧VD
SP1が増加することが考えられる。このスパイク電圧
VDSP1は、当然のことながら前述したバイパス経路
の浮遊インダクタンスL1の軽減、あるいはフリーホイ
ールダイオード3b、リセットダイオード5の順回復電
圧(過渡オン電圧)特性の改善により低減されるべきで
はあるが、物理的制約によりその低減度合には限界があ
る。
【0048】ただし、VDSP1は非常に短い時間、具
体的には1μs程度であることを鑑みれば、図1、図2
に示すように、GCT2aと並列に電圧クランプ要素を
接続することにより、VDSP1は抑制することができ
る。ここでは、一般的な電圧クランプ要素であるツェナ
ーダイオード12aを、GCT2aと並列に接続した場
合を想定する。一般にツェナーダイオード12aは通常
熱容量が小さいので、比較的短い時間に発生するスイッ
チング損失しか許容できない。従って、GCT2aの高
信頼度なスイッチング動作を保証するためには、ツェナ
ーダイオード12aが電圧を抑制する際に発生する損失
を可能な限り低減する必要がある。前述したGCT2a
に印加される最大オフ電圧VDM1は、式2に示すよう
にアノードリアクトル4のインダクタンスL(H)と、
クランプコンデンサ7の静電容量C(F)と、遮断電
流、即ち負荷電流の大きさI(A)に殆ど支配される。
この最大オフ電圧VDM1は、リセット抵抗6の抵抗値
とクランプコンデンサ7の静電容量によって決まる時定
数に従って減少するために、VDSP1よりはるかに長
い時間、最大オフ電圧VDM1近傍の電圧がGCT2a
に印加される。この電圧をもツェナーダイオード12a
で抑制することは、無意味な損失を増加させるだけでな
く、ツェナーダイオード12aの信頼性、即ちGCT2
aのターンオフ動作の信頼性を下げることになる。従っ
て、VDSP1がVDM1よりも大きくなるような条件
の場合に限ってツェナーダイオード12aをGCT2a
と並列接続することが、インバータ装置の高信頼度化を
考慮した場合の最適な解決策となる。当然のことなが
ら、ツェナーダイオード12aの降伏電圧は最大オフ電
圧VDM1以上に設定すべきである。以上、GCT2a
について説明したが、図2に示す構造を採用することに
よりGCT2aとGCT2bの印加電圧は等しくなるた
め、前述した説明はGCT2bとツェナーダイオード1
2bについても全てあてはまる。
【0049】実施の形態3.図1におけるGCT2a、
2bの臨界電流上昇率が約2kA/μs程度、もしくは
それ以上許容できる場合には、直流電圧回路1の電圧E
が4kV程度であればアノードリアクトル4のインダク
タンスを2μH以下に低減できることになる。また、大
容量インバータ用のヒューズの内部インダクタンスが約
1.5μH程度であるため、巻線型コイルによるアノー
ドリアクトルは不要となり、ヒューズの内部インダクタ
ンスと必要であればその接続ブスバーの浮遊インダクタ
ンスとの合成インダクタンスにより代替可能となる。
【0050】実施の形態4.この発明によるインバータ
装置の実施の形態4を図を用いて説明する。図8はこの
発明によるインバータ装置の実施の形態4における3レ
ベルインバータブリッジを示す回路構成図、図9はその
具体的な簡易構造図である。まず、図8の回路構成図に
おいて、13は電位P、電位Cおよび電位N(電位Pと
電位C、電位Cと電位Nの電位差E(V))を持つ直流
電圧回路、2aから2dは自己消弧型半導体素子として
のGCT、3aから3dはフリーホイールダイオード、
14a、14bはクランプダイオード、4a、4bはア
ノードリアクトル、5a、5bはリセットダイオード、
6a、6bはリセット抵抗、7a、7bはクランプコン
デンサ、OUTは図示されていない負荷に接続される出
力端子である。図9の簡易構造図において、GCT2a
から2dとフリーホイールダイオード3aから3dとク
ランプダイオード14a、14bは分離され、かつ互い
に口径の等しい半導体パッケージである。また、リセッ
トダイオード5a、5bはフリーホイールダイオード3
aから3d、あるいはクランプダイオード14a、14
bの口径より小さい口径の半導体パッケージ、リセット
抵抗6a、6bは水冷抵抗器、8aから8oは導電体で
ある冷却フィン、9はGCT2aから2dとフリーホイ
ールダイオード3aから3dとクランプダイオード14
a、14bとの10個の半導体パッケージと冷却フィン
8aから8kとをその通電方向に圧接して共締めするた
めの第1の圧接構造体、10はリセットダイオード5
a、5bとリセット抵抗6a、6bと冷却フィン8lか
ら8oと絶縁物15a、15bをその通電方向に圧接し
て共締めするための第2の圧接構造体である。11aか
ら11oは電気的接続手段であり、例えば幅広な銅ブス
バーなどである。なお図8、図9に記載した12aから
12dは例えばツェナーダイオードなどの電圧クランプ
要素であるが、これについての説明は後述する。
【0051】10個の半導体パッケージを図9に示すよ
うに配列することにより、第1の圧接構造体9により絶
縁物(非導電体)を介することなく冷却フィン8aから
8kとの共締めが可能となる。また近年、薄膜抵抗体を
冷却フィンで挟み込んだ被圧接構造を持つ水冷抵抗器が
開発されている。このような抵抗器をリセット抵抗6
a、6bに適用することにより、第2の圧接構造体10
によりリセットダイオード5a、5bとリセット抵抗6
a、6bと冷却フィン8lから8oと絶縁物15a、1
5bとの共締めが可能となる。
【0052】次に、回路動作について図10から図13
を用いて説明する。3レベルインバータの回路動作につ
いては、GCT2aとGCT2cに関する動作と、GC
T2bとGCT2dに関する動作とは全く対称となる。
そこで、ここではGCT2aとGCT2cに関する回路
動作を説明し、GCT2bとGCT2dに関する回路動
作の説明は省略する。まず、GCT2aのスイッチング
動作について図10、図11を用いて説明する。GCT
2aがスイッチングする場合は電流値I(A)を持つ負
荷電流についてGCT2a、2bとクランプダイオード
14a、GCT2bとの転流動作を考慮すれば良い。
【0053】図10(a)に示すGCT2a、2bのオ
ン状態からGCT2aがターンオフ動作を開始した直後
の負荷電流は、図10(b)に示すように、リセットダ
イオード5a→クランプコンデンサ7a→クランプダイ
オード14aにバイパスされる。この時のGCT2aの
電流変化率、即ちバイパス経路への転流速度をdi1/
dt(A/s)、クランプコンデンサ7aの静電容量を
C(F)、GCT2aのアノード端子からカソード端子
までのバイパス経路内に存在する浮遊インダクタンスを
L3(H)、クランプダイオード14a、リセットダイ
オード5aの電流変化率di1/dtに対する順回復電
圧(過渡オン電圧)を各々VC(V)、VR(V)とす
れば、GCT2aに印加されるスパイク電圧の最大値V
DSP3(V)は式4で表現できる。
【0054】
【数4】
【0055】その後、図10(c)に示すようにGCT
2aの電流がゼロになれば、負荷電流はすべてクランプ
ダイオード14aに転流する。また、アノードリアクト
ル4aの蓄積エネルギーは、クランプコンデンサ7aに
回収される。リセット抵抗6aの抵抗値とクランプコン
デンサ7aの静電容量で決まる時定数が、クランプコン
デンサ7aの静電容量Cとアノードリアクトル4aのイ
ンダクタンスLとで決まる共振周期に比べて長い場合
は、アノードリアクトル4aの蓄積エネルギーを回収し
た後のクランプコンデンサ7aの最大充電電圧(最大オ
フ電圧)VDM2(V)は近似的に式5で表現できる。
【0056】
【数5】
【0057】なお、この式では、GCT2aの電流がI
(A)からゼロ(A)に変化する期間に、クランプコン
デンサ7aに充電された電圧をVc(V)とした。アノ
ードリアクトル4aの電流がゼロ(A)になると、GC
T2aのターンオフ動作は終了する。その後、クランプ
コンデンサ7aは、図10(d)に示すように、直流電
圧回路13に対してリセット抵抗6aを介して電圧E
(V)になるまで放電される。
【0058】ここで注目すべき点は、クランプダイオー
ド14aとリセットダイオード5aの順回復電圧VCと
VRである。ターンオフ損失を抑制し高信頼度なターン
オフ動作を保証するためには、スパイク電圧の低減は必
要不可欠である。スパイク電圧を低減するためには、バ
イパス経路内に存在する浮遊インダクタンスを低減する
ことも然ることながら、これら2つのダイオードの順回
復電圧を低減する必要がある。この順回復電圧は一般に
電流変化率の増加により大きくなり、また口径が大きい
程大きくなる。現在6インチのダイオードの順回復電圧
は1kA/μsに対して約70V程度である。また、4
インチのダイオードの順回復電圧は同条件で約40V程
度である。また、現有素子で最も大きいものを想定すれ
ば、クランプダイオード14aの口径は、フリーホイー
ルダイオード3aやGCT2aと同じ6インチがある。
一方、同一圧接構造体内の半導体パッケージの口径を揃
えることは、均一な圧接力の伝達を保証する、即ち素子
表面の均一な温度分布を保証するために必要不可欠な条
件である。従って、GCT2a、フリーホイールダイオ
ード3aと共締めされるクランプダイオード14aにつ
いては、GCT2aの口径にあわせる必要があるが、タ
ーンオフ損失を低減する観点からリセットダイオード5
aに適用するダイオードは、クランプダイオード14a
に適用するダイオードとは異なる小さいものを選定す
る。
【0059】次に、図11(a)に示すGCT2aのオ
フ状態からターンオン動作を開始した直後は、図11
(b)に示すように、クランプダイオード14aを導通
している負荷電流の値まで直流電圧回路13から電流が
供給される。また、その電流には図11(c)に示すよ
うに、クランプダイオード14aの逆回復電流の最大値
が重畳される。なお、この期間は、アノードリアクトル
4aには電圧E(V)が印加され続け、GCT2aのオ
ン電流上昇率di2/dtは、直流電圧回路13の電圧
E(V)とアノードリアクトル4aのインダクタンスL
(H)で決まるオン電流上昇率di2/dt=E/L
(A/s)に常に抑制される。ダイオードの逆回復電流
の最大値は、一般に導通電流(ここでは負荷電流)の大
きさと電流変化率(ここではdi2/dt)に大きく依
存する。図8に示す回路においては、電流変化率の大き
さは他相の影響を全く受けずに一定の値に抑制可能であ
るため、GCT2aで発生するターンオン損失やクラン
プダイオード14aで発生するターンオフ損失が予想以
上に増加することはない。クランプダイオード14aの
オフ状態が確立すると、図11(d)に示すように、ア
ノードリアクトル4aに過剰に蓄積されたクランプダイ
オード14aの逆回復電流によるエネルギーはクランプ
コンデンサ7aに回収される。アノードリアクトル4a
の電流が負荷電流I(A)に等しくなれば、GCT2a
のターンオン動作は終了する。クランプコンデンサ7a
は、図11(e)に示すように、直流電圧回路13に対
してリセット抵抗6aを介して電圧E(V)になるまで
放電される。
【0060】次に、GCT2cのスイッチング動作につ
いて図12、図13を用いて説明する。GCT2cがス
イッチングする場合は、電流値I(A)の負荷電流につ
いてGCT2c、クランプダイオード14bとフリーホ
イールダイオード3a、3bとの転流動作を考慮すれば
良い。
【0061】図12(a)に示すGCT2c、クランプ
ダイオード14bのオン状態からGCT2cがターンオ
フ動作を開始した直後の負荷電流は、図12(b)に示
すように、フリーホイールダイオード3b→フリーホイ
ールダイオード3a→リセットダイオード5a→クラン
プコンデンサ7aにバイパスされる。この時のGCT2
cの電流変化率、即ちバイパス経路への転流速度をdi
1/dt(A/s)、クランプコンデンサ7aの静電容
量をC(F)、GCT2cのアノード端子からクランプ
ダイオード14bのカソード端子までのバイパス経路内
に存在する浮遊インダクタンスをL4(H)、フリーホ
イールダイオード3a、3b、クランプダイオード14
b、リセットダイオード5aの、電流変化率di1/d
tに対する順回復電圧(過渡オン電圧)を各々VF
(V)、VC(V)、VR(V)とすれば、GCT2c
に印加されるスパイク電圧の最大値VDSP4は式6で
表現できる。
【0062】
【数6】
【0063】ここで注目すべき点は、半導体パッケージ
の配列において、フリーホイールダイオード3a、3b
が直列に接続され、GCT2cとクランプダイオード1
4bが直列に接続されている図9に示す場合には、GC
T2cのターンオフ動作開始直後のバイパス経路内の浮
遊インダクタンスL4が極めて小さくなることである。
この配列により、スパイク電圧によってGCT2cに生
じるターンオフ損失を低減できる、つまり熱的責務を軽
減できることになる。しかしながら、負荷電流の大きさ
が同じであると仮定すれば、GCT2aのスパイク電圧
VDSP3に比較してGCT2cのスパイク電圧VDS
P4は、少なくともフリーホイールダイオード3a、3
bの順回復電圧の和以上は大きくなる。
【0064】この後、図12(c)に示すようにGCT
2cの電流がゼロ(A)になると、負荷電流はリセット
ダイオード5aからアノードリアクトル4aへ転流す
る。この転流は、クランプコンデンサ7aの充電電圧と
直流電圧回路13の電圧E(V)との差電圧により行な
われるため、アノードリアクトル4aに蓄積された負荷
電流によるエネルギーと同じエネルギーがクランプコン
デンサ7aに蓄積される。従って、クランプコンデンサ
7aの最大充電電圧(最大オフ電圧)はVDM2
(V)、つまりGCT2aのそれと等しくなる。アノー
ドリアクトル4aの電流が、負荷電流I(A)に等しく
なればターンオフ動作は終了する。クランプコンデンサ
7aは、図12(d)に示すように直流電圧回路13に
対してリセット抵抗6aを介して電圧E(V)になるま
で放電される。
【0065】次に、図13(a)に示すGCT2cのオ
フ状態からターンオン動作を開始した直後は、図13
(b)に示すように、フリーホイールダイオード3a、
3bを導通している負荷電流の値まで直流電圧回路13
から電流が供給される。また、その電流には図13
(c)に示すように、フリーホイールダイオード3a、
3bの逆回復電流の最大値が重畳される。この期間は、
アノードリアクトル4aには電圧Eが印加され続け、G
CT2cのオン電流上昇率di2/dtはオン直流電圧
回路13の電圧E(V)とアノードリアクトル4aのイ
ンダクタンスL(H)で決まるオン電流上昇率di2/
dt=E/L(A/s)に常に抑制される。前述したよ
うに、図8に示す回路においては、電流変化率の大きさ
は他相の影響を全く受けずに一定の値に抑制可能である
ため、GCT2cで発生するターンオン損失やフリーホ
イールダイオード3a、3bで発生するターンオフ損失
が予想以上に増加することはない。フリーホイールダイ
オード3a、3bのオフ状態が確立すれば、図13
(d)に示すように、アノードリアクトル4aに過剰に
蓄積されたフリーホイールダイオード3a、3bの逆回
復電流によるエネルギーはクランプコンデンサ7aに回
収される。アノードリアクトル4aの電流がゼロ(A)
になれば、GCT2cのターンオン動作は終了する。ク
ランプコンデンサ7aは、図13(e)に示すように直
流電圧回路13に対してリセット抵抗6aを介して電圧
E(V)になるまで放電される。
【0066】実施の形態5.この発明によるインバータ
装置の実施の形態5を図を用いて説明する。図14は、
この発明によるインバータ装置の実施の形態5における
3レベルインバータブリッジを示す回路構成図、図15
はその具体的な簡易構造図である。まず、図14の回路
構成図において、図8と異る箇所のみ説明する。16a
から16dはバイパスダイオードであり、それぞれ出力
端子とクランプコンデンサ7aの高電位側、出力端子と
クランプコンデンサ7bの低電位側との間に接続されて
いる。また、図15の簡易構造図において、図9と異る
個所のみ説明する。8pから8uは導電体である冷却フ
ィン、15c、15dは絶縁物、10はリセットダイオ
ード5a、5bとバイパスダイオード16aから16d
とリセット抵抗6a、6bと冷却フィン8lから8uと
絶縁物15aから15dとを通電方向に圧接して共締め
するための第2の圧接構造体である。また11p、11
qは電気的接続手段である。
【0067】次に、バイパスダイオード16a、16b
あるいは16c、16dについてそれぞれ直列接続して
いる必要性について説明する。例えばGCT2a、2b
が共にオン状態の時、出力端子の電位は電位Pに等し
い。この時、バイパスダイオード16a、16bには殆
ど逆阻止電圧は印加されない。一方、バイパスダイオー
ド16dのカソード端子とバイパスダイオード16cの
アノード端子との間には、直流電圧回路13の電位Pと
電位Nとの電位差2E(V)が逆阻止電圧として印加さ
れる。従って、バイパスダイオード16c、16dは、
2E(V)以上の耐圧を持つダイオード1つに置換でき
ることは言うまでもない。
【0068】ところで、本発明の課題のひとつは、最大
定格の臨界オフ電圧上昇率が規定されない自己消弧型半
導体素子を適用したインバータ装置を、極力低コストで
実現することである。現在、6インチGCTに見合う電
圧定格を持ち、かつ口径の小さいダイオードはリセット
ダイオード5a、5bとして適用できるものが最大であ
り、その耐圧は直流電圧E(V)に対して適当である。
今後、GCTがさらに高耐圧化された場合には、同時に
リセットダイオード5a、5bの耐圧をもGCTのそれ
にあわせて改善することが必要である。しかしながら、
電圧2E(V)の耐圧を有するダイオードの実現は、常
に追加的な開発コストを要求することを意味する。従っ
て、実用的な見地から判断すると、バイパスダイオード
16a、16bもしくは16c、16dは、それぞれリ
セットダイオード5aもしくは5bと同じ定格のダイオ
ードを直列接続して用いることがコスト的に有利であ
る。また、必然的にそれらは同一パッケージとなるた
め、図15に示すように第2の圧接構造体10による共
締めを容易に実現でき、それにより均一な圧接力の伝達
を可能とする。
【0069】次に、バイパスダイオード16aから16
dを用いた場合の回路動作について、実施の形態4との
相違点に着目して説明する。それはGCT2bあるいは
GCT2cのターンオフ動作にのみ現れるため、以下G
CT2cのターンオフ動作を図16を用いて詳細に説明
する。
【0070】図16(a)に示すGCT2c、クランプ
ダイオード14bのオン状態からGCT2cがターンオ
フした直後の負荷電流は、図16(b)に示すように、
フリーホイールダイオード3b→フリーホイールダイオ
ード3a→リセットダイオード5a→クランプコンデン
サ7aにバイパスされると同時に、バイパスダイオード
16a→バイパスダイオード16b→クランプコンデン
サ7aにバイパスされる。このように、GCT2cによ
ってターンオフされる電流は2つのバイパス経路のイン
ピーダンス比に従って分流するのであるが、バイパスダ
イオード16a、16bの効果をより明確にするため
に、ここではGCT2cによってターンオフされる電流
は全て後者のバイパス経路に流れるものと仮定する。こ
の時のGCT2cの電流変化率、即ち後者のバイパス経
路への転流速度をdi1/dt(A/s)、クランプコ
ンデンサ7aの静電容量をC(F)、GCT2cのアノ
ード端子からクランプダイオード14bのカソード端子
までのバイパス経路内に存在する浮遊インダクタンスを
L5(H)、バイパスダイオード16a、16bの電流
変化率di1/dtに対する順回復電圧(過渡オン電
圧)を各々VB(=VR)(V)とすれば、GCT2c
に印加されるスパイク電圧の最大値VDSP5(V)は
式7で表現できる。
【0071】
【数7】
【0072】ここで注目すべき点は、実施の形態5にお
いてGCT2cに印加されるスパイク電圧VDSP5
は、実施の形態4において印加されるスパイク電圧VD
SP4に比べて低減できることである。また、GCT2
aのバイパス経路の浮遊インダクタンスL3と、GCT
2cのバイパス経路の浮遊インダクタンスL5が等しい
と仮定すれば、両者のスパイク電圧の差は、もはやバイ
パスダイオード16aまたは16bの順回復電圧まで縮
小される。実際には、GCT2cによってターンオフさ
れる電流は前述した2つのバイパス経路に分流するた
め、各バイパス経路にかかる電流上昇率はdi1/dt
より低減されることから、GCT2cに印加されるスパ
イク電圧はさらに低減される。また、一般に電流が流れ
る空間の拡大により、その空間によって生じる浮遊イン
ダクタンスが増加することは明らかである。例えば図1
5のように第1と第2の圧接構造体9、10を配置すれ
ば、図17に示すGCT2cのターンオフ動作における
バイパスダイオード16a、16bを介したバイパス経
路の空間は、図18に示すGCT2aのターンオフ動作
におけるバイパス経路の空間より小さく構成できる。従
って、GCT2cのバイパス経路の浮遊インダクタンス
L5は、GCT2aのバイパス経路の浮遊インダクタン
スL3に比較して小さくなる。これらの条件により、G
CT2aとGCT2cのスパイク電圧の差を極力無くす
ることができる、つまりターンオフ責務を同等にするこ
とができる。
【0073】実施の形態6.3レベルインバータブリッ
ジを構成するGCT2aからGCT2dの大容量化、特
に電流定格の改善が進むと、例えばGCT2aがターン
オフした電流が、バイパス経路にバイパスされる際のオ
ン電流上昇率di1/dtが大きくなる。従って、オン
電流上昇率di1/dtにより発生するスパイク電圧V
DSP3が増加することが考えられる。図9、図15に
示すように、実施の形態2で述べたごとく電圧クランプ
要素である、例えばツェナーダイオード12aをGCT
2aに並列接続することにより、効果的にVDSP3を
抑制することができる。また、VDSP3がクランプコ
ンデンサ7aの最大充電電圧(最大オフ電圧)VDM2
よりも大きくなる場合に限り、ツェナーダイオード2a
をGCT2aに並列接続することがインバータ装置の高
信頼度化を考慮した場合には最適な解決策となる。当然
のことながら、ツェナーダイオード12aの降伏電圧は
最大オフ電圧VDM2以上に設定すべきである。
【0074】さらに、図9、図15に示した3レベルイ
ンバータブリッジにおいては、GCT2aとGCT2
d、もしくはGCT2cとGCT2bの組合せについて
は印加電圧波形は等しくなる。また、GCT2aとGC
T2cに印加されるクランプコンデンサ7aの最大充電
電圧(最大オフ電圧)は同じ値になるが、スパイク電圧
は異る場合があり得る。またスパイク電圧と最大充電電
圧(最大オフ電圧)との大小関係は図9と図15の構造
の違いによって逆転する可能性がある。従って、3レベ
ルインバータブリッジを構成するGCT2aからGCT
2dに、電圧クランプ要素であるツェナーダイオード1
2aから12dを接続する場合には、例えばGCT2a
とGCT2dに限りツェナーダイオード12a、12b
を接続すれば良い場合、あるいはGCT2bとGCT2
cに限りツェナーダイオード12b、12cを接続すれ
ば良い場合が考えられる。このような構成要素の限定
は、インバータ装置の低コスト化を考慮した場合には最
適な解決策となる。
【0075】実施の形態7.図8、14におけるGCT
2a、2b、2c、2dの臨界オン電流上昇率が、約2
kA/μs程度もしくはそれ以上許容できる場合には、
直流電圧回路13の電位Pと電位Cあるいは電位Cと電
位Nとの電位差Eが4kV程度であれば、アノードリア
クトル4a、4bのインダクタンスを2μH以下に低減
できる。また、大容量インバータ用のヒューズの内部イ
ンダクタンスが約1.5μH程度であるため巻線型コイ
ルによるアノードリアクトルは不要となり、ヒューズの
内部インダクタンスと、必要であればその接続ブスバー
の浮遊インダクタンスとの合成インダクタンスにより代
替可能となる。
【0076】実施の形態8.図9および図15の簡易構
造図において、第1と第2の圧接構造体9、10を図示
するごとく配置すれば、クランプコンデンサ7a、7b
は非常に接近した位置となる。従って、第1と第2の圧
接構造体9、10を図示するごとく配置した場合に限っ
て、クランプコンデンサ7a、7bを一体構造化でき
る。この一体化されたクランプコンデンサ7cを、図9
に示す簡易構造体において適用した実施例を図19に示
す。
【0077】実施の形態9.図20に示す2レベルイン
バータブリッジの回路構成図は、、先の実施の形態1の
図1で説明したものと等価の回路であり、また、図21
は図20の回路の具体的な簡易構造図である。この図2
0、21の回路動作は先の図1、2のそれと全く同一で
あるので、説明は省略する。図1の回路と図20の回路
とのいずれを選択するかは、例えば、回路部品や周辺機
器の具体的諸元など本発明の主題とは関係のない要素に
よりなされるものである。
【0078】実施の形態10.簡易構造体を示す図2、
図9、図15、図21においては、あくまで本発明の主
旨を明確にするための一例を挙げたに過ぎず、他の図示
しない付属部品により本発明の詳細が補われることは明
かである。例えば、冷却フィンにつながる水管などはそ
の一例である。その水冷系統が2つの主たる第1と第2
の圧接構造体9、10の採用により集中化、簡素化でき
ることは明らかである。このような付属部品に対し、本
発明を説明するために幾つかの実施の形態に示した構造
図が、前述したような効果をもたらすことはあっても、
本発明の主旨とは離れているために省略している。
【0079】また、明らかに本発明に対して数多くの変
形および変更が、前述した内容に基づいて可能である。
例えば、バイパスダイオードを構成する、直列接続され
た2つのダイオードに対して電圧バランス回路、具体的
にはRC回路などを追加的に接続することなどがその変
形例である。
【0080】実施の形態11.以上、臨界オフ電圧上昇
率が規定されない自己消弧型半導体素子、換言すれば、
当該素子の主電極間に存在する寄生静電容量によって抑
制されるオフ電圧上昇率が当該素子の実質的な臨界オフ
電圧上昇率以下となる自己消弧型半導体素子としてGC
Tを例に挙げて説明したが、前述した考え方は、その他
のオフ臨界電圧上昇率が規定されない自己消弧型半導体
素子、例えばIGBTなどへの適用は十分に可能であ
る。但し、本発明の課題は、6インチGTOインバータ
の小型化、低コスト化、高信頼度化あるいは更なる大容
量化について、実現可能な代替方法の提供にある。具体
的には、6インチGTOと同等以上の定格を持つ6イン
チGCTを適用したインバータ装置の提供にある。従っ
て、IGBTへの適用は可能であるが、むしろシリコン
半導体素子ではなくシリコンカーバイド半導体素子がG
CTなどに取って代わって実用化される場合において、
ここで示した考え方が有効となる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による請求
項1に記載のインバータ装置によれば、所定のアノード
リアクトルとその電圧クランプ回路が2レベルインバー
タブリッジに接続される構成であることから、自己消弧
型半導体素子のターンオン動作により生じるオン電流上
昇率が常に所望の値に抑制され、またアノードリアクト
ルに誘起される電圧が所望の値に抑制されるため、イン
バータ装置を高信頼度化できる。また、スイッチング損
失の低減をも図ることができるため、インバータ装置を
高効率化できる。
【0082】また、本発明による請求項2に記載のイン
バータ装置によれば、2レベルインバータブリッジに接
続されたヒューズによりアノードリアクトルが代替さ
れ、コイルによるアノードリアクトルを省略できること
から、構成部品を低減でき、インバータ装置を低コスト
化できる。
【0083】また、本発明による請求項3に記載のイン
バータ装置によれば、2レベルインバータブリッジを構
成する自己消弧型半導体素子と並列に電圧クランプ要素
を接続することにより、大電流を遮断する場合に発生す
る過大なスパイク電圧を抑制するため、自己消弧型半導
体素子のターンオフ損失が軽減されるとともに、接合温
度の過大な上昇からの熱破壊を未然に防止することがで
きることから、インバータ装置を高信頼度化できる。
【0084】また、本発明による請求項4に記載のイン
バータ装置によれば、2レベルインバータブリッジを唯
2つの圧接構造体により共締めする構成としたので、イ
ンバータ装置を小型化できる。
【0085】また、本発明による請求項5に記載のイン
バータ装置によれば、2レベルインバータブリッジを構
成する各素子を所定の順序により配列し、その構成の対
称性から自己消弧型半導体素子のターンオフ動作により
生じるスパイク電圧を等しくするため、自己消弧型半導
体素子の電圧定格に対する利用率を向上できインバータ
装置を大容量化できる。
【0086】また、本発明による請求項6に記載のイン
バータ装置によれば、所定のアノードリアクトルとその
電圧クランプ回路が、3レベルインバータブリッジに接
続される構成であることから、自己消弧型半導体素子の
ターンオン動作により生じるオン電流上昇率が常に所望
の値に抑制され、またアノードリアクトルに誘起される
電圧が所望の値に抑制されるため、インバータ装置を高
信頼度化できる。また、スイッチング損失の低減をも図
ることができるため、インバータ装置を高効率化でき
る。
【0087】また、本発明による請求項7に記載のイン
バータ装置によれば、3レベルインバータブリッジに接
続されたヒューズによりアノードリアクトルが代替さ
れ、コイルによるアノードリアクトルを省略できること
から、構成部品を低減でき、インバータ装置を低コスト
化できる。
【0088】また、本発明による請求項8に記載のイン
バータ装置によれば、3レベルインバータブリッジを構
成する自己消弧型半導体素子と並列に電圧クランプ要素
を接続することにより、大電流を遮断する場合に発生す
る過大なスパイク電圧を抑制するため、自己消弧型半導
体素子のターンオフ損失が軽減されるとともに、接合温
度の過大な上昇からの熱破壊を未然に防止することがで
きることから、インバータ装置を高信頼度化できる。
【0089】また、本発明による請求項9に記載のイン
バータ装置によれば、3レベルインバータブリッジを唯
2つの圧接構造体により共締めする構成としたので、イ
ンバータ装置を小型化できる。
【0090】また、本発明による請求項10に記載のイ
ンバータ装置によれば、3レベルインバータブリッジを
構成する各素子を所定の順序により配列し、その構成の
対称性から自己消弧型半導体素子のターンオフ動作によ
り生じるスパイク電圧を等しくするため、自己消弧型半
導体素子の電圧定格に対する利用率を向上できインバー
タ装置を大容量化できる。
【0091】また、本発明による請求項11に記載のイ
ンバータ装置によれば、3レベルインバータブリッジの
2つのクランプコンデンサを、1つのパッケージに収納
して構成部品点数を低減するため、製造の際の作業工程
を簡素化できると同時に、インバータ装置を小型化でき
る。
【0092】また、本発明による請求項12に記載のイ
ンバータ装置によれば、所定のバイパスダイオードを用
い、自己消弧型半導体素子のターンオフ動作により生じ
るスパイク電圧が抑制するため、スイッチング損失を低
減でき、自己消弧型半導体素子の遮断性能を向上できる
ため、インバータ装置を大容量化かつ高効率化できる。
【0093】また、本発明による請求項13に記載のイ
ンバータ装置によれば、3レベルインバータブリッジに
接続されたヒューズによりアノードリアクトルが代替さ
れ、コイルによるアノードリアクトルを省略できること
から、構成部品を低減でき、インバータ装置を低コスト
化できる。
【0094】また、本発明による請求項14に記載のイ
ンバータ装置によれば、3レベルインバータブリッジを
構成する自己消弧型半導体素子と並列に電圧クランプ要
素を接続することにより、大電流を遮断する場合に発生
する過大なスパイク電圧を抑制するため、自己消弧型半
導体素子のターンオフ損失が軽減されるとともに、接合
温度の過大な上昇からの熱破壊を未然に防止することが
できることから、インバータ装置を高信頼度化できる。
【0095】また、本発明による請求項15に記載のイ
ンバータ装置によれば、3レベルインバータブリッジを
バイパスダイオードを含めて唯2つの圧接構造体により
共締めする構成としたので、インバータ装置を小型化で
きる。
【0096】また、本発明による請求項16に記載のイ
ンバータ装置によれば、3レベルインバータブリッジを
構成する各素子を所定の順序により配列し、その構成の
対称性から自己消弧型半導体素子のターンオフ動作によ
り生じるスパイク電圧を等しくするため、自己消弧型半
導体素子の電圧定格に対する利用率を向上できインバー
タ装置を大容量化できる。
【0097】また、本発明による請求項17に記載のイ
ンバータ装置によれば、バイパスダイオードをリセット
ダイオードと同じダイオードの直列接続により構成し、
特別な定格を持つ高耐圧ダイオードを製造する必要性を
無くするため、ダイオードをフリーホイールダイオード
とその他のダイオードの2仕様に統一でき、インバータ
装置を低コスト化できる。
【0098】また、本発明による請求項18に記載のイ
ンバータ装置によれば、3レベルインバータブリッジの
2つのクランプコンデンサを、1つのパッケージに収納
して構成部品点数を低減するため、製造の際の作業工程
を簡素化できると同時にインバータ装置を小型化でき
る。
【0099】また、本発明による請求項19に記載のイ
ンバータ装置によれば、自己消弧型半導体素子をゲート
転流型ターンオフサイリスタとしたので、当該ゲート転
流型ターンオフサイリスタの持つ高いオフ電圧上昇率耐
量を最大限に活用した小型で信頼性の高いインバータ装
置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるインバータ装
置における2レベルインバータブリッジの回路構成を示
す図である。
【図2】 図1の2レベルインバータブリッジの簡易構
造を示す図である。
【図3】 図1の2レベルインバータブリッジの回路動
作を示す図である。
【図4】 図1の2レベルインバータブリッジの回路動
作を示す図である。
【図5】 図1の2レベルインバータブリッジの回路動
作を示す図である。
【図6】 図1の2レベルインバータブリッジのバイパ
ス経路を示す図である。
【図7】 図1の2レベルインバータブリッジの回路動
作を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態4におけるインバータ装
置における3レベルインバータブリッジの回路構成を示
す図である。
【図9】 図8の3レベルインバータブリッジの簡易構
造を示す図である。
【図10】 図8の3レベルインバータブリッジの回路
動作を示す図である。
【図11】 図8の3レベルインバータブリッジの回路
動作を示す図である。
【図12】 図8の3レベルインバータブリッジの回路
動作を示す図である。
【図13】 図8の3レベルインバータブリッジの回路
動作を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態5におけるインバータ
装置における3レベルインバータブリッジの回路構成を
示す図である。
【図15】 図14の3レベルインバータブリッジの簡
易構造を示す図である。
【図16】 図14の3レベルインバータブリッジの回
路動作を示す図である。
【図17】 図14の3レベルインバータブリッジのバ
イパス経路を示す図である。
【図18】 図14の3レベルインバータブリッジのバ
イパス経路を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態8における3レベルイ
ンバータブリッジの簡易構造を示す図である。
【図20】 本発明の実施の形態9における2レベルイ
ンバータブリッジの回路構成を示す図である。
【図21】 図20の2レベルインバータブリッジの簡
易構造を示す図である。
【図22】 従来のGTOインバータの回路構成を示す
図である。
【図23】 GCTのターンオフ波形を示す図である。
【図24】 逆導通GCTによる3相インバータの回路
構成を示す図である。
【符号の説明】
1 直流電圧回路、2 GCT、3 フリーホイールダ
イオード、4 アノードリアクトル、5 リセットダイ
オード、6 リセット抵抗、7 クランプコンデンサ、
9 第1の圧接構造体、10 第2の圧接構造体、11
電気的接続手段、12 ツェナーダイオード、13
直流電圧回路、14 クランプダイオード、16 バイ
パスダイオード、P、N、C 直流電圧回路の各端子電
位、OUT 出力端子。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの電位P、Nを有する直流電圧回路
    と、前記電位Pもしくは電位Nを出力することができる
    2レベルインバータブリッジを有するインバータ装置に
    おいて、前記2レベルインバータブリッジは、前記直流
    電圧回路の電位Pの端子と電位Nの端子との間に接続さ
    れた第1および第2の自己消弧型半導体素子の直列接続
    体と、前記第1および第2の自己消弧型半導体素子の各
    々に逆並列接続された第1および第2のフリーホイール
    ダイオードと、前記直流電圧回路の電位Pの端子と前記
    第1の自己消弧型半導体素子のアノード端子との間もし
    くは前記直流電圧回路の電位Nの端子と前記第2の自己
    消弧型半導体素子のカソード端子との間のいずれか一方
    に挿入されたアノードリアクトルと、前記アノードリア
    クトルに並列接続されたリセットダイオードとリセット
    抵抗とから構成された直列接続体と、前記リセットダイ
    オードと前記リセット抵抗との接続点と前記直流電圧回
    路の電位Nの端子もしくは電位Pの端子との間のいずれ
    か一方に接続され前記リセット抵抗を介して前記直流電
    圧回路へ放電できるクランプコンデンサと、前記第1の
    自己消弧型半導体素子と第2の自己消弧型半導体素子と
    の接続点に設けられた出力端子とを備え、前記第1およ
    び第2の自己消弧型半導体素子を当該素子の主電極間に
    存在する寄生静電容量によって抑制されるオフ電圧上昇
    率が当該素子の臨界オフ電圧上昇率以下となる自己消弧
    型半導体素子としたことを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 アノードリアクトルをヒューズとしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 第1および第2の自己消弧型半導体素子
    のターンオフ時の電流下降時間に前記第1および第2の
    自己消弧型半導体素子に印加される電圧の最大値が前記
    電流下降時間以降に印加される電圧の最大値を超える条
    件を満足する場合、前記第1および第2の自己消弧型半
    導体素子の各々に並列に電圧クランプ要素を接続したこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ装
    置。
  4. 【請求項4】 第1および第2の自己消弧型半導体素子
    と第1および第2のフリーホイールダイオードとは第1
    の圧接構造体により非導電体を介することなくその通電
    方向に圧接して共締めされており、リセットダイオード
    とリセット抵抗とは第2の圧接構造体により通電方向に
    圧接して共締めされており、前記第1および第2の自己
    消弧型半導体素子と第1および第2のフリーホイールダ
    イオードとは互いに同一の口径とし、前記リセットダイ
    オードは前記第1および第2のフリーホイールダイオー
    ドより小さい口径としたことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載のインバータ装置。
  5. 【請求項5】 第1の圧接構造体に共締めされる素子
    は、第1のフリーホイールダイオード、第1の自己消弧
    型半導体素子、第2の自己消弧型半導体素子、第2のフ
    リーホイールダイオードの順序で、かつ、前記各素子の
    アノード端子の向きが全て同一となるように配列されて
    いることを特徴とする請求項4に記載のインバータ装
    置。
  6. 【請求項6】 2つの電位P、Nおよびその中間の電位
    Cを有する直流電圧回路と、前記電位P、電位Cもしく
    は電位Nを出力することができる3レベルインバータブ
    リッジを有するインバータ装置において、前記3レベル
    インバータブリッジは、前記直流電圧回路の電位Pの端
    子と電位Nの端子との間に接続された第1から第4の自
    己消弧型半導体素子の直列接続体と、前記第1から第4
    の自己消弧型半導体素子の各々に逆並列接続された第1
    から第4のフリーホイールダイオードと、前記直流電圧
    回路の電位Cの端子と前記第2の自己消弧型半導体素子
    のアノード端子との間に接続された第1のクランプダイ
    オードと、前記第3の自己消弧型半導体素子のカソード
    端子と前記直流電圧回路の電位Cの端子との間に接続さ
    れた第2のクランプダイオードと、前記直流電圧回路の
    電位Pの端子と前記第1の自己消弧型半導体素子のアノ
    ード端子との間に挿入された第1のアノードリアクトル
    と、前記第1のアノードリアクトルに並列接続された第
    1のリセットダイオードと第1のリセット抵抗とから構
    成された直列接続体と、前記第1のリセットダイオード
    と第1のリセット抵抗との接続点と前記直流電圧回路の
    電位Cの端子との間に接続され前記第1のリセット抵抗
    を介して前記直流電圧回路へ放電できる第1のクランプ
    コンデンサと、前記第4の自己消弧型半導体素子のカソ
    ード端子と前記直流電圧回路の電位Nの端子との間に挿
    入された第2のアノードリアクトルと、前記第2のアノ
    ードリアクトルに並列接続された第2のリセットダイオ
    ードと第2のリセット抵抗とから構成された直列接続体
    と、前記第2のリセットダイオードと第2のリセット抵
    抗との接続点と前記直流電圧回路の電位Cの端子との間
    に接続され前記第2のリセット抵抗を介して前記直流電
    圧回路へ放電できる第2のクランプコンデンサと、前記
    第2の自己消弧型半導体素子と第3の自己消弧型半導体
    素子との接続点に設けられた出力端子とを備え、前記第
    1から第4の自己消弧型半導体素子を当該素子の主電極
    間に存在する寄生容量によって抑制されるオフ電圧上昇
    率が、当該素子の臨界オフ電圧上昇率以下となる自己消
    弧型半導体素子としたことを特徴とするインバータ装
    置。
  7. 【請求項7】 第1と第2のアノードリアクトルの各々
    をヒューズとしたことを特徴とする請求項6に記載のイ
    ンバータ装置。
  8. 【請求項8】 ターンオフ時の電流下降時間に印加され
    る電圧の最大値が前記電流下降時間以降に印加される電
    圧の最大値を超える条件を満足する第1から第4の自己
    消弧型半導体素子に並列に電圧クランプ要素を接続した
    ことを特徴とする請求項6または7に記載のインバータ
    装置。
  9. 【請求項9】 第1から第4の自己消弧型半導体素子と
    第1から第4のフリーホイールダイオードと第1および
    第2のクランプダイオードとは第1の圧接構造体により
    非導電体を介することなくその通電方向に圧接して共締
    めされており、第1および第2のリセットダイオードと
    第1および第2のリセット抵抗とは第2の圧接構造体に
    より通電方向に圧接して共締めされており、前記第1か
    ら第4の自己消弧型半導体素子と第1から第4のフリー
    ホイールダイオードと第1および第2のクランプダイオ
    ードとは互いに同一の口径とし、前記第1および第2の
    リセットダイオードは互いに同一の口径でかつ前記第1
    から第4のフリーホイールダイオードより小さい口径と
    したことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記
    載のインバータ装置。
  10. 【請求項10】 第1の圧接構造体に共締めされる素子
    は、第1の自己消弧型半導体素子、第1のフリーホイー
    ルダイオード、第2のフリーホイールダイオード、第2
    の自己消弧型半導体素子、第1のクランプダイオード、
    第2のクランプダイオード、第3の自己消弧型半導体素
    子、第3のフリーホイールダイオード、第4のフリーホ
    イールダイオード、第4の自己消弧型半導体素子の順序
    で、かつ、前記各素子のアノード端子の向きが全て同一
    となるように配列されていることを特徴とする請求項9
    に記載のインバータ装置。
  11. 【請求項11】 第1のクランプコンデンサと第2のク
    ランプコンデンサは1つのパッケージに収納されたこと
    を特徴とする請求項9または10に記載のインバータ装
    置。
  12. 【請求項12】 2つの電位P、Nおよびその中間の電
    位Cを有する直流電圧回路と、前記電位P、電位Cもし
    くは電位Nを出力することができる3レベルインバータ
    ブリッジを有するインバータ装置において、前記3レベ
    ルインバータブリッジは、前記直流電圧回路の電位Pの
    端子と電位Nの端子との間に接続された第1から第4の
    自己消弧型半導体素子の直列接続体と、前記第1から第
    4の自己消弧型半導体素子の各々に逆並列接続された第
    1から第4のフリーホイールダイオードと、前記直流電
    圧回路の電位Cの端子と前記第2の自己消弧型半導体素
    子のアノード端子との間に接続された第1のクランプダ
    イオードと、前記第3の自己消弧型半導体素子のカソー
    ド端子と前記直流電圧回路の電位Cの端子との間に接続
    された第2のクランプダイオードと、前記直流電圧回路
    の電位Pの端子と前記第1の自己消弧型半導体素子のア
    ノード端子との間に挿入された第1のアノードリアクト
    ルと、前記第1のアノードリアクトルに並列接続された
    第1のリセットダイオードと第1のリセット抵抗とから
    構成された直列接続体と、前記第1のリセットダイオー
    ドと第1のリセット抵抗との接続点と前記直流電圧回路
    の電位Cの端子との間に接続され前記第1のリセット抵
    抗を介して前記直流電圧回路へ放電できる第1のクラン
    プコンデンサと、前記第4の自己消弧型半導体素子のカ
    ソード端子と前記直流電圧回路の電位Nの端子との間に
    挿入された第2のアノードリアクトルと、前記第2のア
    ノードリアクトルに並列接続された第2のリセットダイ
    オードと第2のリセット抵抗とから構成された直列接続
    体と、前記第2のリセットダイオードと第2のリセット
    抵抗との接続点と前記直流電圧回路の電位Cの端子との
    間に接続され前記第2のリセット抵抗を介して前記直流
    電圧回路へ放電できる第2のクランプコンデンサと、前
    記第1のリセットダイオードと第1のリセット抵抗との
    接続点と前記第3の自己消弧型半導体素子のアノード端
    子との間に接続された第1のバイパスダイオードと、前
    記第2のリセットダイオードと第2のリセット抵抗との
    接続点と前記第2の自己消弧型半導体素子のカソード端
    子との間に接続された第2のバイパスダイオードと、前
    記第2の自己消弧型半導体素子と第3の自己消弧型半導
    体素子との接続点に設けられた出力端子とを備え、前記
    第1から第4の自己消弧型半導体素子を当該素子の主電
    極間に存在する寄生容量によって抑制されるオフ電圧上
    昇率が、当該素子の臨界オフ電圧上昇率以下となる自己
    消弧型半導体素子としたことを特徴とするインバータ装
    置。
  13. 【請求項13】 第1と第2のアノードリアクトルの各
    々をヒューズとしたことを特徴とする請求項12に記載
    のインバータ装置。
  14. 【請求項14】 ターンオフ時の電流下降時間に印加さ
    れる電圧の最大値が前記電流下降時間以降に印加される
    電圧の最大値を超える条件を満足する第1から第4の自
    己消弧型半導体素子に並列に電圧クランプ要素を接続し
    たことを特徴とする請求項12または13に記載のイン
    バータ装置。
  15. 【請求項15】 第1から第4の自己消弧型半導体素子
    と第1から第4のフリーホイールダイオードと第1およ
    び第2のクランプダイオードとは第1の圧接構造体によ
    り非導電体を介することなくその通電方向に圧接して共
    締めされており、第1および第2のリセットダイオード
    と第1および第2のバイパスダイオードと第1および第
    2のリセット抵抗とは第2の圧接構造体により通電方向
    に圧接して共締めされており、前記第1から第4の自己
    消弧型半導体素子と第1から第4のフリーホイールダイ
    オードと第1および第2のクランプダイオードとは互い
    に同一の口径とし、前記第1および第2のリセットダイ
    オードと第1および第2のバイパスダイオードとは互い
    に同一の口径でかつ前記第1から第4のフリーホイール
    ダイオードより小さい口径としたことを特徴とする請求
    項12ないし14のいずれかに記載のインバータ装置。
  16. 【請求項16】 第1の圧接構造体に共締めされる素子
    は、第1の自己消弧型半導体素子、第1のフリーホイー
    ルダイオード、第2のフリーホイールダイオード、第2
    の自己消弧型半導体素子、第1のクランプダイオード、
    第2のクランプダイオード、第3の自己消弧型半導体素
    子、第3のフリーホイールダイオード、第4のフリーホ
    イールダイオード、第4の自己消弧型半導体素子の順序
    で、かつ、前記各素子のアノード端子の向きが全て同一
    となるように配列されていることを特徴とする請求項1
    5に記載のインバータ装置。
  17. 【請求項17】 第1のバイパスダイオードおよび第2
    のバイパスダイオードは、それぞれ第1および第2のリ
    セットダイオードに適用されているものと同一のダイオ
    ードを2個直列接続してなるものであることを特徴とす
    る請求項15または16に記載のインバータ装置。
  18. 【請求項18】 第1のクランプコンデンサと第2のク
    ランプコンデンサとは1つのパッケージに収納されたこ
    とを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載
    のインバータ装置。
  19. 【請求項19】 自己消弧型半導体素子を、主電流を全
    てゲート回路へ転流させてターンオフするゲート転流型
    ターンオフサイリスタとしたことを特徴とする請求項1
    ないし18のいずれかに記載のインバータ装置。
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