JPH11220254A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

配線基板及びその製造方法

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JPH11220254A
JPH11220254A JP10019174A JP1917498A JPH11220254A JP H11220254 A JPH11220254 A JP H11220254A JP 10019174 A JP10019174 A JP 10019174A JP 1917498 A JP1917498 A JP 1917498A JP H11220254 A JPH11220254 A JP H11220254A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂基板を粗面化せずに化学的な相互作用で、
樹脂基板と析出させる金属との密着力を高め、樹脂基板
上に微細配線を設けることが可能な配線基板及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】配線基板を、樹脂基板11と、該樹脂基板
11上に析出された金属膜14と、該金属膜14と樹脂
基板11との接触界面の樹脂基板11側表面に形成され
たアミド基を含む層12と、接触界面の金属膜14側表
面に形成された金属酸化物膜13とで構成し、金属膜1
4を導電体とする配線を樹脂基板11上に設ける。この
ように、アミド基を含む層12と金属酸化物膜13が接
して化学的な相互作用を持つことで、密着力に非常に優
れた配線基板を得ることができ、配線基板及びその製造
方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性樹脂基板上
に、金属特に銅を導体とする配線を設けた配線基板に関
し、特に、導体配線部と樹脂基板との密着性を著しく向
上させた配線基板及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、LSI技術の高速化、高密度化に伴
い、電子回路配線の細線化、多層化、電気特性の更なる
向上が要求され、この要求に対して平坦性、耐熱性、寸
法安定性や誘電特性に優れた有機絶縁材料を基板に用い
て多層配線基板を製造することが検討されている。
【0003】有機絶縁樹脂基板上に金属からなる配線を
形成する場合、一番問題になるものは、金属配線と樹脂
基板との密着性である。従来は、樹脂基板表面をソフト
エッチングやプラズマ処理、あるいは、予め基板の樹脂
の中にゴム成分を入れてそれを溶剤で溶かすなどの方法
により樹脂基板表面を粗面化することで、投錨効果ある
いは機械的なからみ合い効果により、樹脂基板表面に析
出させた金属膜との密着性を向上させるというのが常套
手段であった(特開平4−72070号公報)。また、
詳細については、K.L. Mittal 編集 Polymer Surface
Modification:Relevance to Adhesion (VSP 出版、199
6年)にまとめられている。
【0004】しかし、この方法では、十分な密着力を得
るためには数十ミクロン程度の凹凸が必要であり、数十
ミクロン以下のライン幅を持つ微細配線を作ることが困
難であった。そこで、投錨効果や機械的な絡み合いの効
果に代わる化学的な相互作用により、樹脂基板と析出さ
せる金属との密着力を高める手法の開発が望まれてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
基板を粗面化せずに化学的な相互作用で、樹脂基板と析
出させる金属との密着力を高めた配線基板及びその製造
方法を提供するものであって、樹脂基板上に数十ミクロ
ン以下のライン幅を持つ微細配線を設けることが可能な
配線基板及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、どのような化学的な相互作用が樹脂基板と析出させ
る金属との密着力を高めるかについて鋭意検討した結
果、アミド基と金属酸化膜との間に非常に強く相互作用
が働くことを見い出すに至った。本発明の配線基板は、
上記知見を基に完成されたものであって、下記、具体的
に解決手段を説明する。
【0007】本発明は、樹脂基板と、該樹脂基板上に析
出された金属膜と、該金属膜と前記樹脂基板との接触界
面の前記樹脂基板側表面に形成されたアミド基を含む層
と、前記接触界面の前記金属膜側表面に形成された金属
酸化物膜とで構成され、前記金属膜を導電体とする配線
が前記樹脂基板上に設けられていることを特徴とする配
線基板を提供する。
【0008】また、本発明は、樹脂基板と、該樹脂基板
上に析出され、かつ複数種類の金属層で形成された金属
膜と、前記樹脂基板と前記金属層の最下層との接触界面
の前記樹脂基板側表面に形成されたアミド基を含む層
と、前記接触界面の前記金属膜側表面に形成された金属
酸化物膜とで構成され、前記金属層の最上層を導電体と
する配線が前記樹脂基板上に設けられていることを特徴
とする配線基板を提供する。
【0009】また、本発明は、ヒドラジンヒドラートと
エチレンジアミンを7対3の割合で混合した混合液に対
する溶解速度が、液温30℃のもとで、1μm/分以下
である樹脂基板と、該樹脂基板上に析出され、かつ銅の
還元電位よりも還元電位が卑である金属の金属層で形成
された金属膜と、前記樹脂基板と前記卑である金属の金
属層との接触界面の前記樹脂基板側表面に形成されたア
ミド基を含む層と、前記接触界面の前記卑である金属の
金属層側表面に形成された金属酸化膜とで構成され、前
記銅の金属層を導電体とする配線が前記樹脂基板上に設
けられていることを特徴とする配線基板を提供する。
【0010】また、本発明は、樹脂基板上に金属膜を導
電体とする配線が設けられた配線基板の製造方法におい
て、樹脂基板表面にアミド基を含む層を形成し、次に、
前記アミド基を含む層上に前記金属膜を析出させ、その
後、前記金属膜と前記アミド基を含む層との接触界面の
前記金属膜側表面に金属酸化膜を形成させることを特徴
とする配線基板の製造方法を提供する。
【0011】また、本発明は、樹脂基板上に複数種類の
金属層で形成された金属膜を導電体とする配線が設けら
れた配線基板の製造方法において、樹脂基板表面にアミ
ド基を含む層を形成し、次に、前記アミド基を含む層上
に第一種類の金属層を析出させ、次に、前記第一種類の
金属層と前記アミド基を含む層との接触界面の前記第一
種類の金属層表面に前記第一種類金属酸化膜を形成さ
せ、その後、前記第一種類の金属層の上に第二種類以降
の金属層を析出させることを特徴とする配線基板の製造
方法を提供する。
【0012】また、本発明は、樹脂基板上に銅を導電体
とする配線が設けられている配線基板の製造方法におい
て、ヒドラジンヒドラートとエチレンジアミンを7対3
の割合で混合した混合液に対する溶解速度が、液温30
℃のもとで、1μm/分以下である樹脂基板表面を、ア
ルカリ金属水酸化物を含む水溶液で親水化処理を施して
アミド基を含む層を形成し、次に、前記アミド基を含む
層上に、銅酸化物の還元電位よりも、酸化物の還元電位
が卑である金属膜を析出させ、次に、前記金属膜と前記
アミド基を含む層との接触界面の前記金属膜表面に金属
酸化膜を形成させ、その後、前記金属膜の上に無電解銅
めっきを行なって銅を析出させることを特徴とする配線
基板の製造方法を提供する。
【0013】図1は、本発明の配線基板の構成を示す。
樹脂基板11と金属膜14との界面において、樹脂基板
11側にはアミド基を含む層12があり、金属膜14側
には金属酸化物膜13が有る。
【0014】アミド基を含む層12は、樹脂基板11を
構成する高分子がその骨格中に持っているが、骨格中に
持っていない場合には、適当な表面処理、例えば、強
酸、強アルカリなどの薬品で処理やプラズマ処理あるい
はプラズマ処理と薬品処理との組み合わせなどにより、
樹脂基板11表面にアミド基を含む層12を作っても良
い。
【0015】金属酸化物膜13は、予め金属膜14を樹
脂基板11上に薄く析出させた後、酸化処理を施すこと
で形成される。あるいは、金属膜14を樹脂基板11上
に析出させた後、酸素雰囲気におくことで樹脂基板11
を通して界面に酸素を供給することで金属酸化物膜13
を形成することができる。アミド基を含む層12と金属
酸化物膜13との化学的な相互作用を引き起こすために
は両者が接していればよく、アミド基を含む層12及び
金属酸化物層13の厚みに特別の限定はない。
【0016】骨格中にアミド基を含み耐熱性の高い樹脂
としては、ポリアミド樹脂、ポリアミドーイミド樹脂な
どが挙げられる。また、薬品で表面処理することにより
表面にアミド基を導入できる耐熱性樹脂としては、酸無
水物とアミンを脱水縮合させてつくるポリイミドや、ポ
リアミドを加熱して脱水させてつくるポリベンゾオキサ
ゾール等を挙げることができる。
【0017】アミド基の基になる官能基を持たない樹
脂、例えばポリエチレンなどの場合には、まず、プラズ
マ処理で表面にカルボキシル基を導入し、それをアミン
と反応させることによりアミド基を生成することができ
る。
【0018】アミド基を表面に有する樹脂上に析出させ
る金属としては、銅、ニッケル、コバルト、チタン、ク
ロムなど酸化物が比較的安定なもので有れば用いること
ができる。銅は、電気抵抗が低いことから導電体配線材
料としてもっとも好ましいため、銅以外の金属を樹脂表
面に析出させた場合には、その上に銅を析出させて配線
基板をつくることが好ましい。
【0019】金属の析出方法としては、スパッタ、めっ
き、あるいはその組み合わせ等の方法を用いることがで
きる。配線パターンの作製には、樹脂基板全面に金属膜
を析出させた後、適当なレジストを用いてエッチングに
よって配線パターンを作る、いわゆるサブトラクト法
や、樹脂基板全面に金属膜を薄くつけてからレジストを
はり電気めっきあるいは無電解めっきにより金属を厚付
けした後不要な部分の薄付け金属膜をエッチアウトする
いわゆるセミアディティブ法や、樹脂基板にレジストを
貼ってから無電解めっきにより金属を厚付けして導体配
線を作る、いわゆるアディティブ法などを用いることが
できる。
【0020】本発明によれば、絶縁樹脂基板上に、化学
的な相互作用により密着性に極めて優れた金属導電体配
線を形成した配線基板を提供するものである。本発明者
らは、有機材料と金属とがどのような相互作用を持つと
きに密着性がよくなるのかについて鋭意検討した結果、
特定の官能基と金属の酸化物とが密着することを見い出
した。以下、ポリイミド樹脂を基板として用いた場合を
例にとり、本発明を説明する。
【0021】ポリイミド樹脂をアルカリ水溶液で処理す
ると表面近傍のイミド環が開環し、アミド基ができるこ
とを、全反射赤外吸収スペクトル測定から確かめた。
【0022】ポリイミドフィルムとしてデュポン社製カ
プトン200Hを使った場合のアルカリ水溶液処理前後
の全反射赤外吸収スペクトルを図2に示し、また、その
差スペクトルを図3に示す。
【0023】図2、図3に示すように、アルカリ水溶液
での表面処理により1650、1550cm-1付近に新た
な吸収帯が現れているが、それぞれアミドI 及びアミド
II吸収帯に帰属される。このスペクトル変化から、イミ
ド環が開環しアミド基ができていることが分かる。この
表面に、めっき用触媒(日立化成社製HS-101B)を付与
し、無電解銅めっき液(日立化成社製CUST-2000)を用
いて銅めっきをおこなった。
【0024】めっき液の温度は40度、めっき時間は3
秒であり、めっき後真空乾燥により十分乾燥した後一日
空気中に放置した。めっき前後の前記差スペクトルの変
化を図4に示す。アミドI 及びアミドII 吸収帯にめっ
き前後で明瞭な変化が見られた。この変化は、明らか
に、アミド基とめっき銅めっき膜との相互作用の存在を
示している。
【0025】そこで、アルカリ水溶液で表面処理したポ
リイミドフィルムに上記無電解銅めっきで銅膜を約30
nmほど付け、それを電気銅めっきで銅を約20μmほど
厚付けし、ピールテストで密着性を評価した。
【0026】電気銅めっき直後はピール強度がほとんど
ないが、それを空気中に放置しておいたところ、時間と
共に密着性が著しく向上した。特に、電気銅めっき後真
空乾燥した後で、酸素雰囲気下に放置した場合に、ピー
ル強度の増加が著しかった。ピール強度の経時変化を図
5に示す。この結果は、明らかに、ポリイミドフィルム
表面に形成されたアミド基を含む層とめっき銅膜との界
面に銅の酸化膜ができると、アミド基を含む層と銅の酸
化膜の密着性が著しく向上することを示している。
【0027】したがって、アミド基と銅の酸化物との間
には非常に強い相互作用が働き、密着力が発現すること
が分かる。このような結果は、他の種類のポリイミドや
銅以外の金属、たとえばニッケル、コバルト、チタンな
どとの組み合わせの場合についても同様であった。
【0028】また、この結果は、単にポリイミド樹脂だ
けに限られたものではなく、他の樹脂、例えば、ポリベ
ンゾオキサゾール樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂等
でも観測された。つまり、加水分解により樹脂表面にア
ミド基を導入すれば、上記と同じ結果が得られることが
分かった。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態例を詳
細に説明する。 〈実施の形態例1〉ポリイミドフィルムとしてデュポン
社製カプトン200Hを用いた。10cm×10cmの
試料片を作り、これを液温25℃の表面改質処理水溶液
で2分間処理した。用いた表面改質処理水溶液の組成
は、以下の通りである。
【0030】 [表面改質処理水溶液組成] ・水酸化ナトリウム 100g/l ・エチレンジアミン 70g/l ・エタノール 100g/l
【0031】処理後、試料片をガラスエポキシ樹脂基板
に貼り付け、日本鉱業社製サーキットプレップー304
0、3340及び4041を用いて所定の方法でめっき
用触媒処理を行った。
【0032】次に、日立化成社製無電解銅めっき液CUST
-2000で液温40度のもとで2分間めっきした。めっき
膜の厚みは約30nmであった。
【0033】試料をガラスエポキシ樹脂基板からはが
し、40度に加熱しながら3時間真空乾燥した後、酸素
気流下に1時間置いた。
【0034】その後、電気銅めっきで銅を膜厚約20μ
mほど厚づけした。用いた電気銅めっき液の組成は以下
の通りである。電流密度は15mA/cm2とした。
【0035】 [電気銅めっき液組成] ・硫酸銅5水和物 0.80モル/l ・硫酸 0.54モル/l ・塩化ナトリウム 0.0014モル/l
【0036】ポリイミドフィルム側を両面テープにてシ
リコンウエハーに固定し、銅膜を引き剥がすピールテス
トを行った。その結果、ピール強度は約1.6kN/mと非常
に高い密着力が得られた。
【0037】〈実施の形態例2〉ポリイミドフィルムと
してデュポン社製カプトン200Hを用いた。10cm
×10cmの試料片を作り、これを実施例1で用いたも
のと同じ表面改質処理水溶液で液温25℃のもと2分間
処理した。
【0038】処理後、試料片をガラスエポキシ樹脂基板
に貼り付け、日本鉱業社製サーキットプレップー304
0、3340及び4041を用いて所定の方法でめっき
用触媒処理を行った。
【0039】次に、無電解ニッケルめっき液(奥野製薬
社製B−1)でニッケルを膜厚約0.1μmほどつけた。
【0040】めっき後、試料をガラスエポキシ樹脂基板
からはがし、40度に加熱しながら3時間真空乾燥した
後、酸素気流下に1時間置いた。
【0041】その後、電気銅めっきでニッケル膜の上に
銅を膜厚約20μmほど厚づけした。用いた電気銅めっ
き液及びめっき条件は実施の形態例1と同じである。
【0042】電気めっき後、試料を40度に加熱しなが
ら3時間真空乾燥した後、酸素気流下に1時間置いた。
【0043】その後、実施の形態例1と同様な方法によ
りピールテストを行った。その結果、ピール強度は約1.
6kN/mと非常に高い密着力が得られた。
【0044】〈実施の形態例3〉ポリイミドフィルムと
して宇部興産社製ユーピレックス50Sを用いた。10
cm×10cmの試料片を作り、これを実施例1に記載
した表面改質処理水溶液で液温70℃、5分間処理し
た。
【0045】処理後、試料片をガラスエポキシ樹脂基板
に貼り付け、実施の形態例1に記載したと同様な処理方
法でめっき用触媒処理を行った。
【0046】次に、無電解ニッケルめっき液(奥野製薬
社製B−1)でニッケルを膜厚約0.1μmほどつけた。
【0047】めっき後、試料をガラスエポキシ樹脂基板
からはがし、40度に加熱しながら3時間真空乾燥した
後、酸素気流下に1時間置いた。
【0048】その後、電気銅めっきで銅をニッケル膜の
上に膜厚約20μmほど厚づけした。用いた電気銅めっ
き液及びめっき条件は実施の形態例1と同じである。
【0049】電気めっき後、試料を40度に加熱しなが
ら3時間真空乾燥した後、酸素気流下に1時間置いた。
【0050】その後、ポリイミドフィルム側を両面テー
プにてシリコンウエハーに固定し、銅膜を引き剥がすピ
ールテストを行った。その結果、ピール強度は約1.4kN/
mと非常に高い密着力が得られた。
【0051】〈実施の形態例4〉9.1重量部の4、
4’ージヒドロキシーm−ベンジジンを50重量部のジ
メチルアセトアミド/ピリジン混合溶媒(重量比1:1)
に溶かし、10重量部の塩化イソフタロイルを50重量
部のシクロヘキサノンに溶かした。後者の溶液を前者の
溶液に非常にゆっくりと滴下した。
【0052】生成した固形分を分離し、これをNーメチ
ルピロリドンに溶解させ、このワニスの粘度を50ポイ
ズ程度に調整し、10μmのメンブランフィルタを用い
て加圧濾過を行い微小な不溶成分を除去した。このワニ
スをガラス板にスピンコート法により塗布し、100℃
で1時間加熱した後ガラス基板から剥がしてフィルムを
得た。
【0053】フィルムの膜厚は40μmであった。次
に、このフィルムを鉄枠で固定した後窒素ガス雰囲気下
で100℃から400℃まで90分で連続昇温し、脱水
縮合反応を行わせてポリベンゾオキサゾールフィルムを
得た。
【0054】このフィルムから10cm×10cmの試
料片を作り、これを実施例1に記載した表面改質処理水
溶液で液温70℃、5分間処理した。処理後、試料片表
面に台形型ゲルマニウムプリズムを押しつけ多重反射AT
R法により表面の赤外吸収スペクトルをFT-IR測定装置
(パーキンエルマー社製システム2000))により測定
し、表面にアミド基が生成していることを確かめた。
【0055】その後、試料片をガラスエポキシ樹脂基板
に貼り付け、実施の形態例1に記載したと同様な処理方
法でめっき用触媒処理を行った。
【0056】次に、実施の形態例1と同様に日立化成社
製無電解銅めっき液CUST-2000で液温40度のもとで2
分間めっきした。めっき膜の厚みは約30nmであった。
【0057】めっき後、試料をガラスエポキシ樹脂基板
からはがし、40度に加熱しながら3時間真空乾燥した
後、酸素気流下に1時間置いた。
【0058】その後、電気銅めっきで銅を膜厚約20μ
mほど厚づけした。用いた電気銅めっき液の組成及びめ
っき条件は実施の形態例1と同じである。
【0059】樹脂フィルム側を両面テープにてシリコン
ウエハーに固定し、銅膜を引き剥がすピールテストを行
った。その結果、ピール強度は約1.1kN/mと非常に高い
密着力が得られた。
【0060】〈比較例1〉ポリイミドフィルムとして実
施の形態例1と同じデュポン社製カプトン200Hを用
いて10cm×10cmの試料片を作り、表面改質処理工
程、めっき触媒付与工程、無電解銅めっき工程までを実
施の形態例1と同様に行った。
【0061】めっき膜の厚みは約30nmであった。めっ
き後、直ちに試料をガラスエポキシ樹脂基板からはが
し、実施の形態例1と同様な条件で銅を電気銅めっきで
膜厚約20μmほど厚づけした。銅のめっき膜の一部
が、電気めっき中に端から剥離した。
【0062】めっき後に、剥離していない部分のピール
強度を実施の形態例1と同様に測定したところ、約30N/
m程度と非常に弱い密着力しか得られなかった。強い密
着力が得られないのは、40度に加熱しながらの3時間
真空乾燥と酸素気流下の1時間放置とを行なわなかった
ので、銅の酸化物膜が形成されなかったためである。
【0063】〈比較例2〉ポリイミドフィルムとして実
施の形態例1と同じデュポン社製カプトン200Hを用
いて10cm×10cmの試料片を作り、試料片をガラスエ
ポキシ樹脂基板に貼り付け、実施例1に記載したと同様
な処理方法でめっき用触媒処理を行った。
【0064】次に、無電解ニッケルめっき液(奥野製薬
社製B−1)でニッケルを膜厚約0.1μmほどつけた。め
っき後、試料をガラスエポキシ樹脂基板からはがし、4
0度に加熱しながら3時間真空乾燥した後、酸素気流下
に1時間置いた。
【0065】その後、電気銅めっきでニッケル膜の上に
銅を膜厚約20μmほど厚づけした。用いた電気銅めっ
き液、およびめっき条件は実施の形態例1と同じであ
る。電気めっき後、試料を40度に加熱しながら3時間
真空乾燥した後、酸素気流下に1時間置いた。
【0066】その後、実施の形態例1と同様な方法によ
りピールテストを行った結果、ピール強度は約50N/m程
度と非常に低い密着力しか得られなかった。強い密着力
が得られないのは、試料片の表面改質処理をやらなかっ
たので、試料片表面にアミド基が形成されなかったため
である。
【0067】〈実施の形態例5〉ポリイミドの原料とな
るアミンとしてp−フェニレンジアミン(PDA)、4、
4’ージアミノジフェニルエーテル(DDE)を選び、酸
無水物としてピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,
3’,4,4’ーベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物(BTDA)、3,3’,4,4’ービフェニルテトラカル
ボン酸二無水物(BPDA)を選び、両者を等モルずつN-メ
チルピロリドンに溶かし室温付近で約5時間反応させて
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を合成した。
【0068】その後、10μmのメンブランフィルタを
用いて加圧濾過を行い、微小な不溶成分を除去した。こ
のポリアミック酸ワニスをガラス基板上にスピンコート
法により塗布し、100℃で1時間加熱した後ガラス基
板から剥がしてフィルムを得た。
【0069】次に、このフィルムを鉄枠で固定した後窒
素ガス雰囲気下で100℃から400℃まで90分で連
続昇温し、イミド化反応を行わせてポリイミドフィルム
を得た。このフィルムを10mm角にきり、試料とし
た。
【0070】エッチング速度は、この試料片を30℃に
調節したヒドラジンヒドラート/エチレンジアミン(重
量比7:3)の混合液約10cc入った試験管に所定の
時間浸漬後、ポリイミドの膜厚減少をタリステップ(RA
NK TAILOR HOBSON社製)で測定して求めた。ただし、エ
ッチングによりポリイミドは膨潤するため、水洗後20
0℃で乾燥した後膜厚を測定した。結果を(表1)に示
す。
【0071】
【表1】
【0072】また、10cm×10cmの試料片を作
り、これを液温70℃の表面改質処理水溶液で5分間処
理した。表面改質処理水溶液の組成は、以下の通りであ
る。
【0073】 [表面改質処理水溶液組成] ・水酸化ナトリウム 100g/l ・エチレンジアミン 70g/l ・エタノール 100g/l
【0074】処理後、試料片をガラスエポキシ樹脂基板
に貼り付け、日本鉱業社製サーキットプレップー304
0、3340及び4041を用いて所定の方法でめっき
用触媒処理を行った。つぎに、無電解ニッケルめっき液
(奥野製薬社製B−1)でニッケルを膜厚約1μmほど
つけた。
【0075】めっき後、試料を酸素気流下に1時間ほど
置き、更に塩化パラジウム水溶液(1g/l)に1分ほ
どつけた後、厚付け用無電解銅めっき浴に入れ銅めっき
を行った。厚付け用無電解銅めっき液の組成は以下の通
りである。液温は70℃に保持した。
【0076】 [厚付け用無電解銅めっき液組成] ・硫酸銅5水和物 0.04モル/l ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.1モル/l ・ホルムアルデヒド 0.03モル/l ・水酸化ナトリウム 0.1モル/l ・2、2’ービピリジル 0.0002モル/l ・ポリエチレングリコール(平均分子量6000) 0.03モル/l
【0077】めっき中めっき膜の剥離が起きたかどうか
を観察した。その結果を(表1)に示す。エッチング速
度の遅いポリイミドフィルムを基板に用いたときには剥
離が観測されなかったが、エッチングされやすいポリイ
ミドの場合には、めっき開始30分ほどでポリイミドと
ニッケル膜との間で剥離が起きた。(表1)の結果は、
基板のポリイミドの耐アルカリ性の強弱が無電解銅めっ
き中の剥離の有無に大きく影響していることを示してい
る。
【0078】〈実施の形態例6〉実施の形態例5に記載
した方法で作製したポリイミドフィルムを5cm×5c
m角とし、それぞれの種類のポリイミドごと2枚ずつ用
意した。各種類1枚ずつを実施の形態例5に記載の表面
改質処理水溶液で70℃で5分間処理し、乾燥後試料片
をガラスエポキシ樹脂基板に貼り付け、処理面に銅をス
パッタリングで膜厚約1μmほどつけた。また、表面改
質未処理のフィルムについても銅をスパッタリングで膜
厚約1μmほどつけた。
【0079】その後、すべての試料について電気銅めっ
きで銅を膜厚約20μmほど厚づけした。用いた電気銅
めっき液の組成は以下の通りである。電流密度は0.0
15A/cm2とした。
【0080】 [電気銅めっき液組成] ・硫酸銅5水和物 0.80モル/l ・硫酸 0.54モル/l ・塩化ナトリウム 0.0014モル/l
【0081】ポリイミドフィルム側を両面テープにてシ
リコンウエハーに固定し、銅膜を引き剥がすピールテス
トを行った。その結果を(表2)に示す。
【0082】
【表2】
【0083】いずれのポリイミドの場合にも、実施の形
態例5に記載の表面改質処理を施すと未処理の場合に比
べ密着力が著しく向上していることが分かる。
【0084】〈実施の形態例7〉p−フェニレンジアミ
ン(PDA)と3,3’,4,4’ービフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(BPDA)の組み合わせからなるポリイミド
のフィルムを実施の形態例5に記載した方法により得
た。試料フィルムは5cm×5cm角とし、4枚用意し
た。このフィルムを実施の形態例5に記載した表面改質
処理水溶液で液温70℃のもとで5分間処理をした。
【0085】その後、試料片をガラスエポキシ樹脂基板
に貼り付け、実施の形態例5に記載したものと同様な方
法でめっき用の触媒処理を行った。これらの試料フィル
ムにそれぞれ無電解ニッケルめっき(奥野製薬社製トッ
プケミアロイB−1使用、膜厚約1.0μm)、無電解コ
バルトめっき(奥野製薬社製ディスクラッド601使
用、膜厚約0.8μm)、無電解錫めっき(奥野製薬社製
サブスターSN-2使用、膜厚約0.7μm)及び薄付け用無
電解銅めっき(日立化成社製CUST2000使用、膜
厚約0.3μm)を行った。
【0086】その後、薄付け用銅めっきをした試料はそ
のままで、銅以外の金属をめっきした試料の場合には塩
化パラジウム水溶液(1g/l)に30秒ほどつけた
後、厚付け用無電解銅めっき浴に入れ銅めっきを行っ
た。
【0087】厚付け用無電解銅めっき液の組成は実施の
形態例5と同様で、液温は70℃に保持した。めっき開
始後凡そ20秒ほどで薄付け用銅めっきをした試料で
は、めっき膜の剥離が観測された。それに対し、銅以外
の金属をめっきした試料では3時間ほど経過しても剥離
は観測されなかった。
【0088】薄付け用銅めっきをした試料では、ポリイ
ミドとの界面でできている酸化銅膜が、厚付け用無電解
銅めっき中に還元されるため、剥離が起きたものと推測
される。
【0089】銅酸化物の還元電位よりも酸化物の還元電
位が卑である金属で、表面処理を施した樹脂基板表面を
覆ってから、厚付け用無電解銅めっきを行うと、酸化物
の還元反応がおきず、ポリイミドと金属の界面が破壊さ
れずにすむために剥離が起きなくなるものと考えられ
る。
【0090】したがって、厚付け用無電解銅めっきを行
う前に、酸化物の還元電位が卑である金属で樹脂基板表
面を覆うことは、不可欠であるといえる。
【0091】〈実施の形態例8〉p−フェニレンジアミ
ン(PDA)と3,3’,4,4’ービフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物(BPDA)の組み合わせからなるポリイミド
のフィルムを実施の形態例5に記載した方法により得
た。試料フィルムは5cm×5cm角とし、2枚用意し
た。これらのフィルムを実施の形態例5に記載した表面
改質処理水溶液で液温70℃のもとで5分間処理をし
た。
【0092】その後、試料フィルムをガラスエポキシ樹
脂基板に貼り付け、実施の形態例5に記載したものと同
様な方法でめっき用の触媒処理を行い、無電解ニッケル
めっ.き(奥野製薬社製トップケミアロイB−1使用、
膜厚約15μm)を行った。
【0093】めっき後水洗し、真空乾燥を3時間室温で
行ってから速やかにポリイミド側をシリコンウエハーに
両面テープで貼り付け、一つは空気中に、もうひとつは
酸素を流し続けたボックスにいれ、所定の時間後にピー
ルテストを行った。その結果を図6に示す。
【0094】図6に示すように、酸素気流下においた試
料はピール強度が時間と共に著しく増加していることが
分かる。このことは、空気中に放置したものに比べ対照
的である。この結果は、ニッケルをめっきした場合に限
らず、銅、コバルトや錫の場合にも同様であった。した
がって、表面改質処理を行なったポリイミドフィルム面
とめっき金属膜との間に酸化膜ができると密着力が著し
く増加することは明らかであり、酸化膜作製処理の効果
は大きいことが分かる。
【0095】〈実施の形態例9〉ポリイミドからなる樹
脂基板として宇部興産社製ユーピレックス50Sを用い
た。10cm×10cmの試料片を作り、これを実施の
形態例5に記載した表面改質処理水溶液で液温70℃、
5分間処理した。
【0096】処理後、試料片をガラスエポキシ樹脂基板
に貼り付け、実施の形態例5に記載したと同様な処理方
法でめっき用触媒処理を行った。
【0097】次に、無電解ニッケルめっき液(奥野製薬
社製B−1)でニッケルを膜厚約1μmほどつけた。試
料を酸素気流下に1時間ほどおいた後、塩化パラジウム
水溶液(1g/l)に30秒ほどつけ、その後、実施の
形態例5に記載した厚付け用無電解銅めっき浴に入れ銅
めっきを行った。液温は70℃に保持した。
【0098】めっきを10時間ほど行っても剥離は観測
されず、膜厚約20μmほど銅をめっきすることでき
た。めっき後にピールテストで銅膜の密着力を評価した
ところ、ピール強度は約800N/mであり、無電解銅
めっきにより十分な密着力を持った銅の厚膜をポリイミ
ドフィルム上に形成できることが分かった。
【0099】〈実施の形態例10〉ポリイミドからなる
樹脂基板として宇部興産社製ユーピレックス50Sを用
いた。10cm×10cmの試料片を作り、これをステ
ンレス板に貼り付け固定し、実施の形態例5に記載した
表面改質処理水溶液で液温70℃、5分間処理した。
【0100】処理後、実施の形態例5に記載した方法に
よりめっき用触媒を付与した。次に、試料片表面に感光
性ドライフィルムをラミネートし、露光現像して導体回
路形成部分以外のドライフィルムを除去してめっきレジ
ストを形成した。
【0101】試料片をステンレス板から剥がし、無電解
ニッケルめっき液(奥野製薬社製B−1)でニッケルを
膜厚約1μmほどつけた。試料を酸素気流下に1時間ほ
どおいた後、塩化パラジウム水溶液(1g/l)に30
秒ほどつけ、その後実施の形態例5に記載した厚付け用
無電解銅めっき浴に入れ銅めっきを行った。液温は70
℃に保持した。
【0102】めっきを5時間ほど行ってもレジスト、め
っき銅膜とも剥離はおきず、膜厚約10μmほど銅をめ
っきできた。その後、めっきレジストを剥離し、銅配線
基板を完成した。銅配線部分とポリイミド基板との間で
剥離などはなく、良好な密着性を示した。
【0103】〈実施の形態例11〉9.1重量部の4、
4’ージヒドロキシーm−ベンジジンを50重量部のジ
メチルアセトアミド/ピリジン混合溶媒(重量比1:1)
に溶かし、10重量部の塩化イソフタロイルを50重量
部のシクロヘキサノンに溶かした。後者の溶液を前者の
溶液に非常にゆっくりと滴下した。
【0104】生成した固形分を分離し、これをNーメチ
ルピロリドンに溶解させ、このワニスの粘度を50ポイ
ズ程度に調整し、10μmのメンブランフィルタを用い
て加圧濾過を行い微小な不溶成分を除去した。このワニ
スをガラス板にスピンコート法により塗布し、100℃
で1時間加熱した後ガラス基板から剥がしてフィルムを
得た。
【0105】フィルムの膜厚は40μmであった。次
に、このフィルムを鉄枠で固定した後窒素ガス雰囲気下
で100℃から400℃まで90分で連続昇温し、脱水
縮合反応を行わせてポリベンゾオキサゾールフィルムを
得た。
【0106】このフィルムを10mm角にきり、試料と
した。実施の形態例5に記載した方法と同じ方法でエッ
チング速度を測定したところ、エッチング速度は、約
0.6μm/分であった。
【0107】次に、10cm×10cmの試料片を作
り、これを実施の形態例5に記載した表面改質処理水溶
液で液温70℃、5分間処理した。処理後、試料片をガ
ラスエポキシ樹脂基板に貼り付け、実施の形態例5に記
載したと同様な処理方法でめっき用触媒処理を行った。
【0108】次に、無電解ニッケルめっき液(奥野製薬
社製B−1)でニッケルを膜厚約1μmほどつけた。試
料を酸素気流下に1時間ほど置き、更に塩化パラジウム
水溶液(1g/l)に30秒ほどつけた後、実施の形態
例5に記載した厚付け用無電解銅めっき浴に入れ銅めっ
きを行った。液温は70℃に保持した。
【0109】めっきを10時間ほど行っても剥離は観測
されず、膜厚約20μmほど銅をめっきできた。めっき
後にピールテストで銅膜の密着力を評価したところ、ピ
ール強度は約700N/mであり、十分な密着性が得ら
れた。
【0110】以上のことから、樹脂と金属との界面で高
い密着力を得るには、樹脂表面にアミド基が存在するこ
とと金属側では界面部分に酸化膜が存在することが必要
であることが分かった。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂基板表面を粗面化
することなく化学的な相互作用により密着性良く金属を
析出させることができるので、配線基板の信頼性を向上
させることができる。また、非常に平滑な面に導体配線
を形成できるので、ライン幅数十ミクロン以下の微細配
線を基板上に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の構成を示す図である。
【図2】ポリイミドフィルム(カプトン200H)の表
面改質処理前後の全反射赤外吸収スペクトルを示す図で
ある。
【図3】ポリイミドフィルム(カプトン200H)の表
面改質処理前後の全反射赤外吸収の差スペクトルを示す
図である。
【図4】表面改質処理を施したカプトン200Hの、め
っき前後の全反射赤外吸収の差スペクトルの変化を示す
図である。
【図5】表面改質処理を施したカプトン200Hに、銅
を電気めっきした後のピール強度の経時変化を示す図で
ある。
【図6】ポリイミドと無電解ニッケルめっき膜とのピー
ル強度の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
11…樹脂基板、12…アミド基を含む層、13…金属
酸化物膜、14…金属膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂基板と、該樹脂基板上に析出された金
    属膜と、該金属膜と前記樹脂基板との接触界面の前記樹
    脂基板側表面に形成されたアミド基を含む層と、前記接
    触界面の前記金属膜側表面に形成された金属酸化物膜と
    で構成され、前記金属膜を導電体とする配線が前記樹脂
    基板上に設けられていることを特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】樹脂基板と、該樹脂基板上に析出され、か
    つ複数種類の金属層で形成された金属膜と、前記樹脂基
    板と前記金属層の最下層との接触界面の前記樹脂基板側
    表面に形成されたアミド基を含む層と、前記接触界面の
    前記金属膜側表面に形成された金属酸化物膜とで構成さ
    れ、前記金属層の最上層を導電体とする配線が前記樹脂
    基板上に設けられていることを特徴とする配線基板。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記導
    電体は、銅であることを特徴とする配線基板。
  4. 【請求項4】ヒドラジンヒドラートとエチレンジアミン
    を7対3の割合で混合した混合液に対する溶解速度が、
    液温30℃のもとで、1μm/分以下である樹脂基板
    と、該樹脂基板上に析出され、かつ銅の還元電位よりも
    還元電位が卑である金属の金属層で形成された金属膜
    と、前記樹脂基板と前記卑である金属の金属層との接触
    界面の前記樹脂基板側表面に形成されたアミド基を含む
    層と、前記接触界面の前記卑である金属の金属層側表面
    に形成された金属酸化膜とで構成され、前記銅の金属層
    を導電体とする配線が前記樹脂基板上に設けられている
    ことを特徴とする配線基板。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2または請求項4に
    おいて、前記樹脂基板は、ポリイミド樹脂、或いはポリ
    ベンゾオキサゾール樹脂を含むことを特徴とする配線基
    板。
  6. 【請求項6】樹脂基板上に金属膜を導電体とする配線が
    設けられた配線基板の製造方法において、 樹脂基板表面にアミド基を含む層を形成し、次に、前記
    アミド基を含む層上に前記金属膜を析出させ、その後、
    前記金属膜と前記アミド基を含む層との接触界面の前記
    金属膜側表面に金属酸化膜を形成させることを特徴とす
    る配線基板の製造方法。
  7. 【請求項7】樹脂基板上に複数種類の金属層で形成され
    た金属膜を導電体とする配線が設けられた配線基板の製
    造方法において、 樹脂基板表面にアミド基を含む層を形成し、次に、前記
    アミド基を含む層上に第一種類の金属層を析出させ、次
    に、前記第一種類の金属層と前記アミド基を含む層との
    接触界面の前記第一種類の金属層表面に前記第一種類金
    属酸化膜を形成させ、その後、前記第一種類の金属層の
    上に第二種類以降の金属層を析出させることを特徴とす
    る配線基板の製造方法。
  8. 【請求項8】樹脂基板上に銅を導電体とする配線が設け
    られている配線基板の製造方法において、 ヒドラジンヒドラートとエチレンジアミンを7対3の割
    合で混合した混合液に対する溶解速度が、液温30℃の
    もとで、1μm/分以下である樹脂基板表面を、アルカ
    リ金属水酸化物を含む水溶液で親水化処理を施してアミ
    ド基を含む層を形成し、次に、前記アミド基を含む層上
    に、銅酸化物の還元電位よりも、酸化物の還元電位が卑
    である金属膜を析出させ、次に、前記金属膜と前記アミ
    ド基を含む層との接触界面の前記金属膜表面に金属酸化
    膜を形成させ、その後、前記金属膜の上に無電解銅めっ
    きを行なって銅を析出させることを特徴とする配線基板
    の製造方法。
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