JPH11217688A - 固体高分子電解質−触媒複合電極及びこれを用いた水電解装置及び燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質−触媒複合電極及びこれを用いた水電解装置及び燃料電池

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JPH11217688A
JPH11217688A JP10062221A JP6222198A JPH11217688A JP H11217688 A JPH11217688 A JP H11217688A JP 10062221 A JP10062221 A JP 10062221A JP 6222198 A JP6222198 A JP 6222198A JP H11217688 A JPH11217688 A JP H11217688A
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polymer electrolyte
solid polymer
catalyst
composite electrode
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Shuji Hitomi
人見  周二
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子伝導度の大きな固体高分子電解質−触媒複
合電極を提供し、また、エネルギー効率の改善された水
電解槽、作動電圧特性の改善された燃料電池を提供す
る。 【解決手段】固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでな
る多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極の固体高分
子電解質層中のイオン伝導領域に電子伝導性物質が担持
された構造とする。水電解槽、燃料電池においては、こ
の電極を用い、電極表面に給電体(集電体)を当接した
構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子電解質
−触媒複合電極およびこれを用いた水電解槽、燃料電池
に関するものである。
【従来の技術】水電解槽や燃料電池等に用いられる固体
高分子電解質−触媒複合電極は、固体高分子電解質と触
媒粒子とを含んでなり、触媒粒子が三次元に分布すると
ともに内部に複数の細孔が形成された多孔性の電極であ
って、例えば、水電解槽の原料である水、また燃料電池
の活物質である酸素、水素は主にこの細孔を通じて電極
内に供給され、これら供給原料または活物質と、電極内
の触媒粒子および固体高分子電解質で形成される三層界
面で反応が進むものである。そして、このような固体高
分子電解質−触媒複合電極には、例えば、図12の断面
構造図に示されるような固体高分子電解質22と触媒粒
子23のみからなるタイプのものや、図13に示される
ような、さらにこれにPTFE粒子25が加えられてな
るタイプのものがあり、通常、前者のものでは上記細孔
24は電極体積に対し約10%以上の体積を占め、後者
のものではその比率はより大きくなっている。固体高分
子電解質と触媒粒子のみからなるタイプのものは、例え
ば、触媒粒子と固体高分子電解質溶液を混錬したペース
トを作製し、高分子フイルム上に製膜(膜厚3〜30μ
m)した後、自然乾燥させて作製され、このタイプのも
のでは、固体高分子電解質は結着剤の役割も兼ねてい
る。また、PTFE粒子が加えられてなるタイプのもの
は、例えば、触媒粒子と粒子径0.23μm程度のPT
FE粒子分散溶液を混錬したペーストを作製し、高分子
フイルム上に製膜(膜厚3〜30μm)した後、PTF
E粒子が結着剤として働くように加熱乾燥させ、さらに
この膜に固体高分子電解質溶液を含浸させ、自然乾燥さ
せて作製され、結着剤としての役割をPTFE粒子が主
として担っている。尚、上記いずれの場合も、固体高分
子電解質溶液としては、後に接合されるイオン交換膜と
同じ組成からなるものをアルコ−ル等で溶解し液状にし
たもが用いられ、触媒粒子としては、金属または金属酸
化物触媒粒子、カーボン粒子、触媒担持カーボン等が用
いられ、約0.05〜10μmの粒子径を持つ粒子が用
いられることが多い。
【0002】このような固体高分子電解質−触媒複合電
極は、例えば固体高分子電解質膜であるイオン交換膜の
両面にホットプレス法にて接合されてイオン交換膜−触
媒電極接合体として構成され、さらに電極に対する給
電、集電のための給電体(燃料電池の場合には、ガス拡
散層を形成する集電体、と呼ぶことにする。以下集電体
とのみ記載。)が電極表面に当接され、水電解槽や燃料
電池ホルダーに組み込まれることによって、固体高分子
型水電解槽や固体高分子型燃料電池用の電極として用い
られている。尚、給電体(集電体)としては、水電解槽
では、電極への電力の供給と同時に原料の水や、生成さ
れた酸素や水素の流路確保の役割を持たせ、また燃料電
池では、電極との電子の授受と同時に活物質である酸
素、水素の流路確保の役割を持たせるために、チタン、
カ−ボン等の材質からなる多孔体が用いられることが多
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固体高分子電解質−触
媒複合電極が、水電解槽、および燃料電池において、良
好な特性を得るには、 1)広い電極/電解質界面を持ち、 2)電極/電解質界面の活物質の供給、および成生物の
排出がスムーズで 3)電極/電解質界面へのイオン伝導、特に、プロトン
伝導が良好で 4)電極/電解質界面への電子伝導が良好で あることが要求される。とりわけ、3)および4)項
は、水電解槽および燃料電池の内部抵抗に大きく寄与す
る非常に重要な項目である。つまり、プロトン伝導性、
および電子伝導性が悪いと、水電解槽では、電解電圧が
高くなり、燃料電池では、その出力が低下するなどのエ
ネルギー変換効率の低下を招くことになる。良好なプロ
トン伝導には、電極内の連続した固体電解質通路(電解
質チャンネル)の形成が、良好な電子伝導には、電極内
の連続した触媒粒子通路(電子伝導チャンネル)の形成
が必須条件となる。
【0004】これに対し、上記固体高分子電解質と触媒
粒子のみからなるタイプの場合、固体高分子電解質と触
媒粒子のみで電極が構成されているために、電極内に
は、十分な量の固体電解質と十分な量の触媒粒子の充填
が可能で、良好なプロトン伝導と、良好な電子伝導が期
待される。しかしながら、実際には高いプロトン伝導性
は得られるが、電子伝導性は低い。これは、触媒粒子と
固体高分子電解質溶液を混錬してペーストを作製する際
に、触媒粒子に電子伝導を持たない固体電解質被膜が形
成され、製膜しても触媒粒子と触媒粒子の接触界面に固
体電解質が介在して残り、連続した固体電解質通路(電
解質チャンネル)が形成されるものの、連続した触媒粒
子通路(電子伝導チャンネル)の形成が阻害されるため
である。
【0005】一方、PTFE粒子が加えられてなるタイ
プの場合、触媒粒子とPTFE粒子でなるペーストを製
膜してから固体高分子電解質溶液を含浸させることによ
り、触媒粒子と触媒粒子の接触界面での固体電解質の介
在を防止でき、連続した触媒粒子通路(電子伝導チャン
ネル)の形成による高い電子伝導性が期待できる。しか
しながら、実際には、期待されるほどの電子伝導性が得
られない。これは、結着剤として機能するPTFEの粒
子径が、触媒粒子径に比べ大きくなることが多く、電極
内で大きな体積を占めるようになり、電極内に十分な触
媒粒子が充填されなくなって電子伝導チャンネルの絶対
数が不足するためである。
【0006】そこで、一般に固体高分子電解質−触媒複
合電極をイオン交換膜−触媒電極接合体とし、水電解槽
または燃料電池に用いる際には、給電体(集電体)とし
て緻密で多孔質な焼結チタンまたは焼成カーボンを用い
る。これら給電体(集電体)は、チタン繊維やカーボン
繊維で構成されており、そのため、表面にはこれら繊維
による適度な凹凸がある。そして、その繊維が一部電極
内部まで進入してマクロ的に電子伝導チャンネルを形成
し、固体高分子電解質−触媒複合電極の電子伝導性を向
上させている。
【0007】図14は、チタン繊維からなる焼結チタン
により構成された給電体が当接された固体高分子電解質
−触媒複合電極の構造を説明する断面図であり、同図
(a)は断面図、(b)は断面の部分拡大図である。同
図に示されるように、この構造は、触媒粒子23、PT
FE粒子25、固体高分子電解質22より構成され、複
数個の細孔24を有する電極表面上に、加熱圧着により
給電体27が当接された構造となっており、該給電体2
7を構成する繊維28の一部が電極内部まで進入するこ
とで、電極内部にまで給電体繊維28による電子伝導部
が形成され、電極内のマクロ的な電子伝導性が保たれて
いる。しかし、ミクロ的には、上記のように触媒粒子間
に生じた細孔(空隙)や固体高分子電解質の存在により
電子伝導性は十分ではなく、電極単体ではその比抵抗が
例えば4.5×104mΩ・cmであり、これに上述の
ように給電体によりマクロ的な電子伝導チャネルを形成
しても、その電極の全体としての実質的な比抵抗は2×
104mΩ・cmとなるに過ぎず、固体高分子膜のそれ
(10mΩ・cm)と比較してもかなり大きく、そのた
めこのような電極を水電解装置や燃料電池に用いた場
合、水電解装置や燃料電池の有する内部抵抗のうちのか
なりの部分をこの電極の抵抗が占めることになってい
る。
【0008】以上に鑑み、本発明は、電子伝導度の大き
な固体高分子電解質−触媒複合電極を提供し、また、エ
ネルギー効率の改善された水電解装置、作動電圧特性の
改善された燃料電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の固体高分子電解
質−触媒複合電極は、固体高分子電解質と触媒粒子とを
含んでなる多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極で
あって、固体高分子電解質層中のイオン伝導領域に電子
伝導性物質が担持されていることを特徴とするものであ
って、従来イオン伝導の通路(電解質チャンネル)の形
成の役割のみを担っていた固体電解質に、電子伝導の通
路(電子伝導チャンネル)の役割を同時に持たすこと
で、従来の固体高分子電解質−触媒複合電極に係る上述
の問題を解決しようとするものである。すなわち、固体
高分子電解質層中のイオン伝導領域に電子伝導性物質を
担持させることで、固体高分子電解質にイオン伝導性と
同時に電子伝導性を持たせ、固体高分子電解質−触媒複
合電極の電子伝導性を改善する。
【0010】上記固体高分子電解質は、イオン交換樹脂
からなるものが好ましく、この中でも内部抵抗の低いも
のが得やすいカチオン型のものが好ましく、特に、水電
解装置、燃料電池に用いる場合には、例えばパーフルオ
ロスルフォン酸型固体高分子電解質やスチレン−ジビニ
ルベンゼン系のスルフォン酸型固体高分子電解質等のプ
ロトン型のものがより好ましい。
【0011】また、本発明の水電解槽は、イオン伝導領
域に電子伝導性物質が担持された固体高分子電解質と触
媒粒子とを含んでなる多孔性の固体高分子電解質−触媒
複合電極と、該電極の表面に当接された給電体とを備え
てなることを特徴とする。
【0012】また、本発明の燃料電池は、イオン伝導領
域に電子伝導性物質が担持された固体高分子電解質と触
媒粒子とを含んでなる多孔性の固体高分子電解質−触媒
複合電極と、該電極の表面に当接されたガス拡散層を形
成する集電体とを備えてなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の固体高分子電解質―触媒
複合電極は、主成分として固体高分子電解質と触媒粒子
とを含んでなるものであって、固体高分子に接触した触
媒粒子が3次元の広がりをもって分布し、さらに電極内
に多数の細孔を有するものであって、固体高分子電解質
層中のイオン伝導領域に電子伝導性物質が担持されてい
るものであるが、例えば、上記従来の方法により固体高
分子電解質と触媒粒子とを含んでなる多孔性の固体高分
子電解質―触媒複合電極本体を膜状に作製した後、該電
極本体中の固体高分子電解質層中に存在するイオン伝導
領域に電子伝導性物質を無電解メッキ法(例えば、鳥養
栄一 ,特公 昭58-47471、Raymond Liu, J. Electroch
em. Soc., 139, 15(1992)参照)により担持させて作製
することが出来る。このように、電極本体を作製した後
電子伝導性物質を担持させる方法は、簡便であり好まし
い。また、この電子伝導性物質担持の際、同時に電極細
孔内の表面に電子伝導性物質を担持させたり、電極本体
表面に電子導電性物質からなる層を形成したりすること
も可能であり、電極細孔内の表面にも電子伝導性物質が
担持さるようにすると一層電子伝導性が良くなり好まし
く、さらに、電極本体表面に電子伝導性物質からなる層
を形成するのも給配電性が良くなるのでなお一層好まし
い。
【0014】固体高分子電解質がパーフルオロスルフォ
ン酸型の固体高分子電解質の場合、プロトン伝導は、親
水性の交換基の部分が水とともに集合して球状(直径約
40オンク゛ストローム)のクラスター(cluster)となって疎水性
のフルオロカーホ゛ンマトリックス中に分散し、それらが、10オンク゛ストロ
ーム程度のチャンネルで結ばれて3次元的に形成されたク
ラスターネットワ−クを通して行われると考えられてい
る。(例えば、このイオン伝導等に関する研究は、古く
からなされており、S.C.Yeo and A.Eisenberg.J.App
y.Polym.Sci.,21,875(1997)や、T.D.Gierk.Paper 483
presented at The Electrochemical Society Meetin
g,Atlanta,Georgia,October 9-14,1997やH.L.Yeger and
A.Steck,J.Electrochem.Soc.,128,1880(1981)や、Z.
Ogumi and T.Kuroe ,J.Electrochem.Soc.,132,2601(19
85 )等で詳しく報告されている。)このことから、固
体高分子電解質−触媒複合電極の固体高分子電解質のク
ラスターネットワ−ク内に電子伝導性物質が担持される
ことにより、電極内にミクロ的、3次元的電子伝導チャ
ンネルが形成され電極の電子伝導性が大きく向上し、良
い結果をもたらすこととなる。
【0015】電子伝導性物質としては、金属、導電性を
有する金属酸化物、導電性高分子等種々のものを利用す
ることができ、好ましくは、耐食性に優れ、触媒として
機能させることも可能なPt,Ir,Ru,Rh,Pd
等の白金族金属、IrO2,Ir23,RuO2,Ru2
3,RhO2,Rh23,PdO等の白金族金属酸化物
を用いるのが良い。また、耐食性に優れている点で金ま
たは炭素材料を用いてもよい。そして、これらの物質
は、例えば、電子伝導性物質となる金属イオンを固体高
分子電解質に吸着させた後これを還元する吸着還元法に
より担持させることが出来る。また、白金族金属の場
合、固体高分子電解質に白金族金属イオンを吸着せしめ
た後水素化硼素塩水溶液で処理しする無電解メッキ法を
用い、その水素化硼素塩水溶液濃度を濃くすることによ
って、固体高分子電解質に吸着した白金族金属イオンを
よりたくさん固体高分子電解質のクラスターネットワー
ク部に金属として残して担持させることもできる(例え
ば、P. Millet, J. Appl. Electrochem., 25, 233(199
5)参考)。この場合、特に水素化硼素塩水溶液濃度を2
×10-1mol/l以上とすることで、大半の白金族金属をク
ラスターネットワ−ク部に析出させることができ、電極
のミクロ的電子伝導性の向上により有効に働く。電極に
含まれる触媒粒子としては、カーボン粒子、パラジウ
ム、白金、ルテニウム等の白金族金属粒子、白金族金属
酸化物粒子や触媒元素の担持された炭素粒子等を用いる
事ができる。また、必要に応じてポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)粒子等の副成分が加えられても良
い。
【0016】本発明の固体高分子電解質―触媒複合電極
は、食塩電解装置、水電解槽、燃料電池等に用いること
が出来、水電解槽に用いる場合には、本発明の電極表面
に給電体が当接されて構成される。例えば、固体高分子
電解質膜であるイオン交換膜の両面に本発明の電極を接
合し、さらに電極表面に給電体を当接して構成される。
この場合、用いられる給電体としては、反応物質の供給
を妨げないように多孔性のもの、例えば従来用いられて
いる多孔性の焼結チタン、焼成カーボン等を用いること
ができるが、特には100μm以上の開口径を有するも
のが好ましく、給電体の凹凸によってピンホールが形成
されないように、電極表面に当接する面が平坦なものが
好ましく、材質としてはチタン、白金メッキまたは金メ
ッキを施したステンレス、チタン等が好ましい。
【0017】また、電極表面に電子伝導性物質からなる
層を形成する場合、電極膜の両面に電子伝導性物質層を
形成し、給電体の接触面のみならず、上記イオン交換膜
との接合面にも電子伝導性物質層が設けられるようにし
ても良い。なお、電子導伝性物質層はイオン交換膜との
接触面にのみ形成されるようにしても良い。また、水電
解槽として用いる場合には、触媒物質としては白金、イ
リジウム、白金−イリジウム合金、ルテニウム、白金―
ルテニウム合金が好ましい。
【0018】本発明の電極を燃料電池に用いる場合に
も、上記同様、本発明の電極表面にガス拡散層を形成す
る集電体が当接されて構成される。例えば、固体高分子
電解質膜であるイオン交換膜の両面に本発明の電極を接
合し、さらに電極表面に集電体を当接して構成される。
この場合も用いられる集電体としては、反応物質の供給
を妨げないように多孔性のもの、例えば従来用いられて
いる多孔性の焼結チタン、焼成カーボン等を用いること
ができるが、特には100μm以上の開口径を有するも
のが好ましく、集電体の凹凸によってピンホールが形成
されないように、電極表面に当接する面が平坦なものが
好ましく、材質としてはチタン、白金メッキまたは金メ
ッキを施したステンレス、チタン等が好ましい。また、
電極表面に電子伝導性物質からなる層を形成する場合、
電極膜の両面に電子伝導性物質層を形成し、集電体の接
触面のみならず、上記イオン交換膜との接合面にも電子
伝導性物質層が設けられるようにしても良い。なお、電
子導伝性物質層はイオン交換膜との接触面にのみ形成さ
れるようにしても良い。また、燃料電池として用いる場
合には、触媒物質としては白金、白金―ルテニウム合金
が好ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0020】(実施例1)下記の手順により、固体高分
子電解質−触媒複合電極とこれを用いた水電解槽を作製
した。
【0021】イリジウム粒子と固体高分子電解質溶液
(アルドリッチ社製、Nafion溶液)を混錬し、ペースト
状にした後、4弗化エチレン・6弗化プロピレン共重合
体(FEP)フイルム上で製膜し、自然乾燥した。この
状態でのイリジウム粒子と固体高分子電解質溶液の重量
比率は8:92である。
【0022】次に、FEPフイルム上に形成されたこの
触媒層を、〔Pd(NH34〕Cl2溶液に2時間浸漬
して固体高分子電解質のクラスターネットワーク部に吸
着させた後、100〜120℃、30kg/c〓の圧力
下で、水素還元し、クラスターネットワーク部にパラジ
ウム(Pd)を坦持した。パラジウム坦持量は、固体高
分子電解質溶液1g当たり約2mgであった。〔境 哲
男、竹中 啓、大阪工業技術試験所、36、10(1985)参
照〕。
【0023】以上の操作により得られた固体高分子電解
質−触媒複合電極を、パ−フルオロスルフォン酸型のイ
オン交換膜(デュポン社製、Nafion−115)の
両面に130℃のホットプレスにて接合し、イオン交換
膜−触媒電極接合体とした。このイオン交換膜−触媒電
極接合体を水電解槽ホルダーに装着した。また、比較の
為、上記クラスターネットワーク部へのパラジウム坦持
操作を行わなかった以外は本例のイオン交換膜−触媒電
極接合体と同じ構造のものを同様の水電解槽ホルダーに
装着し、両水電解槽のI−V特性を測定した。その結果
を図10に示す。
【0024】同図より、本発明で得られた固体高分子電
解質−触媒複合電極を用いた水電解槽の特性は、従来の
ものに比べて非常に優れており、その主な要因は、 I
−V曲線の傾きから、電極内部の内部抵抗の低減による
ものであることがわかる。
【0025】(実施例2) 実施例電極A イリジウム粒子と固体高分子電解質溶液(アルト゛リッチ社
製、Nafion溶液)を混錬し、ペースト状にした後、 F
EP(4弗化エチレン・6弗化プロピレン共重合体)フィ
ルム上で製膜し、自然乾燥し、これにより固体高分子電解
質−触媒複合電極本体を作製した。電極平面形状は32
mm×32mmの正方形で、厚さは10μm、この状態
でのイリジウム粒子と固体高分子電解質との重量比率は
75:25であり、単位面積当たりのイリジウム含有量
は、電極1cm2当たり1.5mgであった。 つい
で、FEPフイルム上に形成されたこの固体高分子電解
質−触媒複合電極本体を、〔Pd(NH34〕Cl2
液に2時間浸漬し、固体高分子電解質のクラスターネッ
トワーク部に〔Pd(NH342+を吸着させた後、1
00〜120℃、30kg/c〓の圧力下でこれを水素
還元し、クラスターネットワーク部にパラジウム(P
d)を担持させた。パラジウム担持量は、固体高分子電
解質1g当たり約5mgであった。
【0026】以上の工程により作製された電極を実施例
電極Aとする。
【0027】図1は、実施例電極Aの構造を説明する断
面図である。同図に示されるように、本実施例の電極
は、固体高分子電解質2とイリジウム粒子である触媒粒
子3(平均粒子径5μm )とを含んでなる細孔4(孔径
はほぼ10μm 〜20μm の範囲にある)を多数有する
多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極であって、固
体高分子電解質2内部にクラスターネットワーク内にパ
ラジウムが担持されて形成されたパラジウムの電子伝導
チャネル1(チャネル径約50オンク゛ストローム)が形成され
た構造を有している。
【0028】実施例電極B まず、イリジウム粒子と固体高分子電解質溶液(アルト゛リッ
チ社製、Nafion溶液)を混錬し、ペースト状にした後、
FEPフィルム上で製膜し、自然乾燥し、これにより固体高
分子電解質−触媒複合電極本体を作製した。電極平面形
状は32mm×32mmの正方形で、厚さは10μm 、
この状態でのイリジウム粒子と固体高分子電解質との重
量比率は75:25であり、単位面積当たりのイリジウ
ム含有量は、電極1cm2当たり1.5mgであった。
【0029】次いで、FEPフィルム上に形成されたこの固
体高分子電解質−触媒複合電極本体を、1cc当たり2
mgのPtが含まれた〔Pt(NH34〕Cl2溶液1
00ccに12時間浸漬し、高分子電解質部に〔Pt
(NH342+イオンを吸着させた後、60℃、4×1
-1mol/lのNaBH4水溶液でこれを還元した。
【0030】さらに、この固体高分子電解質−触媒複合
電極本体をパ−フルオロスルフォン酸型のイオン交換膜
(デュポン社製、Nafion−112)の両面に13
0℃のホットプレスにて接合し、イオン交換膜−触媒電
極接合体を作製し、このイオン交換膜−触媒電極本体接
合体を図15に示すホルダ−に装着後、その両面に2.
5%H2PtCl6水溶液1ml、0.75%N24・2
HCl水溶液1mlおよび水8mlよりなるPtのめっ
き液を入れ、40℃水溶液中で12時間放置することによっ
て、本発明に係る固体高分子電解質−触媒複合電極とイ
オン交換膜とが接合されたイオン交換膜−触媒電極接合
体を作製した。この電極を実施例電極Bとする。なお、
図15において、29はイオン交換膜触媒電極接合体
を、30はホルダータンクを、31はパッキンを示す。
以上の工程により作製された電極を実施例電極Bとす
る。
【0031】図2は、実施例電極Bの構造を説明する断
面図である。同図に示されるように、本実施例の電極
は、固体高分子電解質2とイリジウム粒子である触媒粒
子3(平均粒子径5μm )とを含んでなる細孔4(孔径
はほぼ10μm 〜20μm の範囲にある)を多数有する
多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極であって、固
体高分子電解質2内部にクラスターネットワーク内に白
金が担持されて形成された白金の電子伝導チャネル5
(チャネル径約50オンク゛ストローム)が形成され、さらに電
極内の細孔4内表面と電極表面に白金層6が形成される
ことによって電子伝導性物質である白金が担持された構
造となっている。そして、この電極がイオン交換膜7に
接合されている。尚、白金層6は、その膜厚が約0.5
μm で、微細な白金粒子が集まってなる多孔質膜であ
る。また、白金層6は、電極表面と細孔4内表面に形成
され、固体高分子電解質2表面のみならず、触媒粒子3
表面にも形成されている。
【0032】本電極では、白金層6により電極のマクロ
的電子伝導性が、従来のように給電体の電極内への進入
がなくとも確保され、さらに、電子伝導チャネル5によ
りミクロ的な電子伝導チャンネルが形成され、従来電気
的接続の弱かった触媒粒子間の電子伝導上の接続が良好
になる。
【0033】比較電極C イリジウム粒子と固体高分子電解質溶液(アルト゛リッチ社
製、Nafion溶液)を混錬し、ペースト状にした後、 F
EPフィルム上で製膜し、自然乾燥し、これにより固体高分
子電解質−触媒複合電極を作製した。この電極を比較電
極Cとする。比較電極Cの平面形状は32mm×32m
mの正方形で、厚さは10μm 、この状態でのイリジウ
ム粒子と固体高分子電解質との重量比率は75:25で
あり、単位面積当たりのイリジウム含有量は、電極1c
2当たり1.5mgであった。比較電極Cは、実施例
電極A、Bと比べて白金またはパラジウムの電子伝導チ
ャネルが形成されていない点を除いて同じ構造を有する
ものである。
【0034】実施例電極A、B、比較電極Cの膜抵抗を
測定したところ、実施例電極A:0.4×104mΩ・
cm、実施例電極B:0.2×104mΩ・cm、比較
電極C:4.5×104mΩ・cmであった。
【0035】水電解槽 上記実施例電極A、B、比較電極Cを用いて下記構造の
水電解槽を作製した。実施例電極A及び比較電極Cは、
これらをパ−フルオロスルフォン酸型のイオン交換膜
(デュポン社製、Nafion−112)の両面に13
0℃のホットプレスにて接合し、イオン交換膜−触媒電
極接合体を作製したのち、これを用いて水電解セルに組
み込んだ。実施例電極Bは、上記の実施例電極Bとイオ
ン交換膜とが接合されたイオン交換膜−触媒電極接合体
を用いて水電解槽に組み込んだ。
【0036】図3は、この水電解槽の構造を示す概略構
造図である。同図に示されるように、本水電解槽は、イ
オン交換膜7の両面に電極8が接合されてなるイオン交
換膜−触媒電極接合体の電極8上に給電体9が当接さ
れ、周囲にパッキン12を配すると共にこれらにチタン
陽極板10、チタン陰極板11を圧接してなるものであ
る。給電体9は、チタン板(図中の点線)とエキスパン
ドチタン(図中の三角波状の線)とからなり、チタン板
は厚さ0.15mmのチタンの平板に図4に示されるよ
うにφ0.7×0.95P×60°の千鳥穴加工をフォトエッチンク゛によ
り施し(開孔率49%)、両面に0.15μmの白金メッキ
をおこなったもので、その上に2枚のエキスパンドチタ
ンが積層されたものである。この構造ではイオン交換膜
7に接合された電極8の表面に平坦面を有するチタン板
が接触するように構成されているため、給電体の電極接
触面は平坦で凹凸がなく、従来構造に見られるような電
極への給電体の進入はほとんど生じていない。
【0037】図5に、これら水電解槽の電流―電圧特性
を示す。図中曲線Aは実施例電極Aを用いたもの、Bは
実施例電極Bを用いたもの、Cは比較電極Cを用いたも
の、Dは、比較電極Cを用い、給電体を多孔性の焼結チ
タンとしたものを示す。尚、チタン繊維焼結板は繊維径
約50μm 、孔径約50μm 〜100μm 、空隙率約7
0%、厚さ約1mmのものを用いた。
【0038】同図より、実施例電極Aを用いたものは、
同じ平坦なフォトエッチングの給電体を用いた比較電極
Cを用いた水電解槽の特性に比べ優れており、電解電圧
が低く、エネルギー変換効率が良い。また、チタン繊維
の焼結板を用いたものDの特性と同等である。これは、
本実施例の電極内のクラスターネットワーク部に形成さ
れたPdのミクロ的電子伝導チャンネルにより電極の比
抵抗が低減され、電極との接面が平坦な給電体を用いて
も電極内部にまで電子の授受がなされ、水電解槽全体の
抵抗が小さく保たれていることによる。
【0039】さらに、実施例電極Bを用いたものは、チ
タン繊維の焼結板を用いたものDの特性に比べても優れ
ており、電解電圧が低く、エネルギー変換効率が良い。
これは、上述の電極のミクロ的電子伝導の向上(この場
合Ptのミクロ的電子伝導チャネルによる)のみなら
ず、電極表層およびに細孔内表面に形成された白金層に
より電極のマクロ的電子伝導およびミクロ適電子伝導が
向上したことによる相乗効果によるものである。
【0040】(実施例3)下記の手順により、固体高分
子電解質−触媒複合電極、およびこれを用いた燃料電池
を作製した。
【0041】白金を30wt%担持したカーボン粉体と
PTFE分散溶液を混錬し、ペースト状にした後、FE
Pフィルム上で製膜した後、120℃で2時間加熱乾燥
した。
【0042】自然冷却後、パーフルオロスルフォン酸型
の高分子電解質(アルドリッチ社製、Nafion溶液)を散
布、含浸させ、自然乾燥させた。この状態での白金担持
カーボン、PTFE,固体高分子電解質の重量比率は、
60:22:18である。
【0043】FEPフイルム上に形成されたこの触媒層
を、〔Pd(NH34〕Cl2 溶液に2時間浸漬して固
体高分子電解質のクラスターネットワーク部に吸着させ
た後、100〜120℃、30kg/c〓の圧力下で、
水素還元し、クラスターネットワーク部にパラジウム
(Pd)を坦持した。パラジウム坦持量は、固体高分子
電解質溶液1g当たり約2mgであった。
【0044】以上の操作により得られた固体高分子電解
質−触媒複合電極を、パ−フルオロスルフォン酸型のイ
オン交換膜(デュポン社製、Nafion−115)の
両面に130℃のホットプレスにて接合し、イオン交換
膜−触媒電極接合体とした。このイオン交換膜−触媒電
極接合体の外側両面にガス拡散層となる撥水処理を施し
た多孔性カーボンペーパーを同じくホットプレスにて接
合し、燃料電池ホルダーに装着した。また、比較の為、
上記クラスターネットワーク部へのパラジウム坦持操作
を行わなかった以外は本例のイオン交換膜−触媒電極接
合体と同じ構造のものを同様の燃料電池ホルダーに装着
し、両燃料電池のI−V特性を測定した。その結果を図
11に示す。
【0045】同図より、本発明で得られた固体高分子電
解質−触媒複合電極を用いた燃料電池の特性は、従来の
ものに比べて非常に優れており、その主な要因は、 I
−V曲線の傾きから、電極内部の内部抵抗の低減による
ものであることがわかる。
【0046】(実施例4) 実施例電極E まず、白金を30wt%担持したカーボン粉体とPTF
E粒子分散溶液を混錬し、ペースト状にした後、4弗化
エチレン・6弗化フ゜ロヒ゜レン共重合体(FEP)フィルム上で製膜
した後、120℃で2時間加熱乾燥した。次いで、自然冷却
後、ハ゜ーフルオロスルフォン酸型の高分子電解質(アルト゛リッチ社製、N
afion溶液)を散布、含浸させ、自然乾燥させ、これに
より固体高分子電解質−触媒複合電極本体を作製した。
電極平面形状は32mm×32mmの正方形で、厚さは
10μm 、この状態での白金担持カーボン、PTFE,
固体高分子電解質の重量比率は、60:22:18であ
り、単位面積当たりの白金含有量は、電極1cm2当た
り0.1mgであった。
【0047】次いで、FEPフイルム上に形成されたこ
の固体高分子電解質−触媒複合電極本体を、〔Pd(N
34〕Cl2 溶液に2時間浸漬し、固体高分子電解質
のクラスターネットワーク部に〔Pd(NH342+
吸着させた後、100〜120℃、30kg/c〓の圧
力下でこれを水素還元し、クラスターネットワーク部に
パラジウム(Pd)を担持させた。パラジウム担持量
は、固体高分子電解質1g当たり約5mgであった。
【0048】以上の工程により作製された電極を実施例
電極Eとする。
【0049】図6は、実施例電極Eの構造を説明する断
面図である。同図に示されるように、本実施例の電極
は、固体高分子電解質2と白金担持カーボン粉体からな
る触媒粒子13(粒子径0.21μm 以下)とPTFE
粒子14(平均粒子径0.5μm )を含んでなる細孔4
(孔径はほぼ5μm 〜20μm の範囲にある)を多数有
する多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極であっ
て、固体高分子電解質2内部にクラスターネットワーク
内にパラジウムが担持されて形成されたパラジウムの電
子伝導チャネル1(チャネル径約50オンク゛ストローム)が形
成された構造を有している。
【0050】実施例電極F 実施例電極Eを電極母体とし、これをパ−フルオロスル
フォン酸型のイオン交換膜(デュポン社製、Nafio
n−112)の両面に130℃のホットプレスにて接合
し、イオン交換膜−触媒電極母体接合体を作製し、この
イオン交換膜−触媒電極母体接合体を図15に示すホル
ダ−に装着後、その両面に2.5%H2PtCl6水溶液
1ml、0.75%N24・2HCl水溶液1mlおよ
び水8mlよりなるPtのめっき液を入れ、40℃水溶液
中で12時間放置することによって、本発明に係る固体高
分子電解質−触媒複合電極とイオン交換膜とが接合され
たイオン交換膜−触媒電極接合体を作製した。この電極
を実施例電極Fとする。
【0051】図7は、実施例電極Fとイオン交換膜とが
接合された本例イオン交換膜−触媒電極接合体の構造を
説明する断面図である。同図に示されるように、本実施
例の電極は、固体高分子電解質2と白金担持カーボン粉
体からなる触媒粒子13(粒子径0.21μm 以下)と
PTFE粒子14(平均粒子径0.5μm )とを含ん
でなり、孔径がほぼ5μm 〜20μm の範囲にある細孔
を多数有する多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極
であって、固体高分子電解質2内部にクラスターネット
ワーク内に白金が担持されて形成された白金の電子伝導
チャネル1(チャネル径約50オンク゛ストローム)が形成さ
れ、さらに電極内の細孔4内表面と電極表面に白金層1
5が形成されることによって電子伝導性物質である白金
が担持された構造となっている。尚、白金層15は、そ
の膜厚が約1μmで、微細な白金粒子が集まってなる多
孔質膜である。また、白金層15は、電極表面と細孔4
内表面に形成され、固体高分子電解質2表面のみなら
ず、触媒粒子13表面にも形成されている。そしてこの
電極がイオン交換膜7に接合されている。
【0052】比較電極G 白金を30wt%担持したカーボン粉体とPTFE分散
溶液を混錬し、ペースト状にした後、4弗化エチレン・6弗
化フ゜ロヒ゜レン共重合体(FEP)フィルム上で製膜した後、120
℃で2時間加熱乾燥した。次いで、自然冷却後、ハ゜ーフルオロ
スルフォン酸型の高分子電解質(アルト゛リッチ社製、Nafion溶液)
を散布、含浸させ、自然乾燥させ、これにより固体高分
子電解質−触媒複合電極本体を作製した。電極平面形状
は32mm×32mmの正方形で、厚さは10μm 、こ
の状態での白金担持カーボン、PTFE,固体高分子電
解質の重量比率は、60:22:18であり、単位面積
当たりの白金含有量は、電極1cm2当たり0.1mg
であった。比較電極Gは、実施例電極E、Fと比べて白
金またはパラジウムの電子伝導チャンネルが形成されて
いない点を除いて同じ構造を有するものである。
【0053】実施例電極E、F、比較電極Gの膜抵抗を
測定したところ、実施例電極E:2.5×104mΩ・
cm、実施例電極F:2.0×104mΩ・cm、比較
電極G:7.5×104mΩ・cmであった。
【0054】燃料電池 実施例電極E、F、比較電極Gを用いて下記構造の燃料
電池を作製した。実施例電極E及び比較電極Gは、これ
らをパ−フルオロスルフォン酸型のイオン交換膜(デュ
ポン社製、Nafion−112)の両面に130℃の
ホットプレスにて接合し、イオン交換膜−触媒電極接合
体を作製したのち、これを用いて燃料電池に組み込ん
だ。実施例電極Fは、上記の実施例電極Fとイオン交換
膜とが接合されたイオン交換膜−触媒電極接合体を用い
て燃料電池に組み込んだ。
【0055】図8は、この燃料電池の構造を示す概略構
造図である。同図に示されるように、本燃料電池は、イ
オン交換膜16の両面に電極17が接合されてなるイオ
ン交換膜−触媒電極接合体の電極17上にガス拡散層を
形成する集電体18が当接され、周囲にパッキン21を
配すると共にこれらにグラファイト正極板19、グラフ
ァイト負極板20を圧接してなるものである。集電体1
8は、チタン板(図中の点線)とエキスパンドチタン
(図中の三角波状の線)とからなり、チタン板は厚さ
0.15mmのチタンの平板に図4に示されるようにφ
0.7×0.95P×60°の千鳥穴加工をフォトエッチンク゛により施し
(開孔率49%)、両面に0.15μmの白金メッキをおこ
なったもので、その上に2枚のエキスパンドチタンが積
層されたものである。この構造ではイオン交換膜16に
接合された電極17の表面に平坦面を有するチタン板が
接触するように構成されているため、集電体の電極接触
面は平坦で凹凸がなく、従来構造に見られるような電極
への集電体の進入はほとんど生じていない。
【0056】図9に、これら燃料電池の電流―電圧特性
を示す。図中曲線Eは実施例電極Eを用いたもの、Fは
実施例電極Fを用いたもの、Gは比較電極Gを用いたも
の、Hは、比較電極Gを用い、集電体を撥水処理を施し
た焼成カーボンペーパーとし、これをホットプレスにて
接合したものを示す。尚、焼成カーボンペーパーは繊維
径約10μm 、孔径約50μm〜100μm 、空隙率約
70%、厚さ約1mmのものを用いた。
【0057】同図より、実施例電極Eを用いたものは、
同じ平坦なフォトエッチングの集電体を用いた比較電極
Gを用いた燃料電池の特性に比べ優れており、作動電圧
の低下が少なく、焼成カーボンペーパーを用いたものH
の特性と同等である。これは、本実施例の電極内のクラ
スターネットワーク部に形成されたパラジウム(Pd)
のミクロ的電子伝導チャンネルにより電極の比抵抗が低
減され、電極との接面が平坦な集電体を用いても電極内
部にまで電子の授受がなされ、水電解槽全体の抵抗が小
さく保たれていることによる。
【0058】さらに、実施例電極Fを用いたものは、焼
成カーボンペーパーを用いたものHの特性に比べても優
れており、作動電圧の低下が少ない。これは、上述の電
極のミクロ的電子伝導の向上のみならず、電極表層およ
びに細孔内表面に形成された白金層により電極のマクロ
的電子伝導およびミクロ適電子伝導が向上したことによ
る相乗効果によるものである。
【0059】
【発明の効果】本発明の固体高分子電解質−触媒複合電
極によれば、電子伝導度が大きく抵抗の小さい固体高分
子電解質−触媒複合電極が得られ、例えば、水電解槽に
用いることで、電解電圧を小さくし、エネルギー効率の
向上が可能となり、また、燃料電池に用いることにより
作動電圧の低下を抑制しながら取り出し電流を大きくす
ることが可能となる。さらに、焼結チタンや焼成カーボ
ン等の給電体(集電体)を用いて電極内に給電体(集電
体)を浸入させなくとも十分な給電ができるため、平坦
面を有する給電体(集電体)を用いることが可能とな
り、これによりイオン交換膜を薄くした場合のピンホー
ルの発生を防ぐことが可能となり、エネルギー変換効率
を向上でき、安全性も大幅に向上出来る。さらに、緻密
な構造の給電体(集電体)を用いることなく十分な給電
が可能となる。
【0060】本発明の水電解槽によれば、電解電圧を小
さくしエネルギー変換効率を向上できる。また、例えば
緻密な構造を有する多孔焼結チタン等を給電体として用
いた場合、電極に水を供給する為に高い水圧が必要とな
り、高圧ポンプ等水を供給する為の装置が大掛かりとな
るという問題が有ったが、本発明の水電解槽において、
給電体として、粗なエキスパンドTiやフォトエッチン
グTi等の粗い給電体を用いることにより、水電解槽内
の電極への供給水圧を低く出来、高圧ポンプを用いる必
要のない全体として小さなシステムを構築できる。
【0061】本発明の燃料電池によれば、作動電圧の低
下を抑制しながら電流を大きくでき、出力を大きくする
ことができる。また、例えば緻密な構造を有する多孔焼
成カーボンを集電体として用いた場合、通常その厚さが
0.5mm〜1.0mmもあるため、供給燃料の酸素や
水素等の電極への拡散が円滑でなく、さらに集電体中に
生成物の水が滞留し、より一層供給燃料の電極への拡散
が阻害されるという問題が有ったが、 本発明の燃料電
池において、集電体として粗なエキスパンドTiやフォ
トエッチングTi等の粗い集電体を用いることにより、
燃料電池内でのガスの拡散をスムーズにできるととも
に、生成物の水の滞留を防止でき、エネルギー変換効率
を大きく出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例電極Aの構造を説明する断面図であ
る。
【図2】 実施例電極Bとイオン交換膜とが接合された
本例イオン交換膜−触媒電極接合体の構造を説明する断
面図である。
【図3】 水電解槽の構造を示す概略構造図である。
【図4】 チタン板4の千鳥穴加工図である。
【図5】 水電解槽の電流―電圧特性を示す図である。
【図6】 実施例電極Eの構造を説明する断面図であ
る。
【図7】 実施例電極Fとイオン交換膜とが接合された
本例イオン交換膜−触媒電極接合体の構造を説明する断
面図である。
【図8】 燃料電池の構造を示す概略構造図である。
【図9】 燃料電池の電流―電圧特性を示す図である。
【図10】 水電解槽の電流―電圧特性を示す図であ
る。
【図11】 燃料電池の電流―電圧特性を示す図であ
る。
【図12】 従来の電極の断面構造図である。
【図13】 従来の電極の断面構造図である。
【図14】 焼結チタンにより構成された給電体が当接
された固体高分子電解質−触媒複合電極の構造を説明す
る断面図である。
【図15】メッキのためのホルダ−の構造図である。
【符号の説明】
1、5 電子伝導チャネル 2、22 固体高分子電解質 3、13、23 触媒粒子 4、24 細孔 6、15 白金層 7、16 イオン交換膜 8、17、26 電極 9 給電体 18 集電体 10 陽極板 11 陰極板 11 白金担持カーボン粒子 14、25 PTFE粒子 19 正極板 20 負極板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでな
    る多孔性の固体高分子電解質−触媒複合電極であって、
    固体高分子電解質層中のイオン伝導領域に電子伝導性物
    質が担持されていることを特徴とする固体高分子電解質
    −触媒複合電極。
  2. 【請求項2】固体高分子電解質がハ゜ーフルオロスルフォン酸型の固
    体高分子電解質であって、該固体高分子電解質層内のク
    ラスターネットワーク部に、電子伝導性物質が担持され
    ていることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質−
    触媒複合電極。
  3. 【請求項3】イオン伝導領域に電子伝導性物質が担持さ
    れた固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでなる多孔性
    の固体高分子電解質−触媒複合電極と、該電極の表面に
    当接された給電体とを備えてなることを特徴とする水電
    解槽。
  4. 【請求項4】イオン伝導領域に電子伝導性物質が担持さ
    れた固体高分子電解質と触媒粒子とを含んでなる多孔性
    の固体高分子電解質−触媒複合電極と、該電極の表面に
    当接されたガス拡散層を形成する集電体とを備えてなる
    ことを特徴とする燃料電池。
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