JPH11213149A - 画像処理装置および方法 - Google Patents

画像処理装置および方法

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JPH11213149A
JPH11213149A JP10011645A JP1164598A JPH11213149A JP H11213149 A JPH11213149 A JP H11213149A JP 10011645 A JP10011645 A JP 10011645A JP 1164598 A JP1164598 A JP 1164598A JP H11213149 A JPH11213149 A JP H11213149A
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三津明 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像処理装置内の表示装置に表示される画像
の視認性を向上させる。 【解決手段】 階調特性が非線形の表示装置に画像を表
示するには、まずコントラスト推定部37が、画像入力
装置から入力された画像データ51が表す画像のコント
ラストを推定する。次いで、輝度補正部38が、推定さ
れたコントラストと前記階調特性とに基づいて、画像デ
ータ51を構成する各画素データに輝度変換処理を施
す。また、前記各画素データに鮮鋭化処理をさらに施す
場合もある。画像データ51が表す画像内の1または複
数の文字領域に施される鮮鋭化の度合は、前記画像内の
前記文字領域以外の残余領域内の画素の画素データに施
されるそれよりも大きい。これら処理が施された画素デ
ータから構成される画像データ52は、前記表示装置に
与えられる。これによって、前記表示装置に表示される
画像の視認性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、階調特性に偏りが
ある表示手段に画像を表示させるための画像処理装置お
よび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、刊行物の発行手法の1つとして、
いわゆる電子出版が提案されている。前記電子出版によ
って出版される電子的な刊行物は、文章を表す文章デー
タと、挿絵等の画像を表す画像データとから構成され、
記憶媒体に記憶されている。読者は、記憶媒体の読出し
装置と表示装置とを備えた装置を予め準備し、読出し装
置に前記記憶媒体を装着する。前記記憶媒体内の前記画
像データおよび前記文章データは、前記読出し装置によ
って読出されて前記表示装置に与えられる。前記画像デ
ータが表す画像は、前記表示装置の表示画面に表示され
る。前記文章データは、まず前記表示装置内に予め備え
られる文字フォントを用いて画像データに変換され、変
換後の画像データが表す画像が表示装置の表示画面に表
示される。
【0003】前記表示装置として、たとえば、液晶表示
装置および陰極線管が挙げられる。前記表示装置の表示
画面は、複数の表示画素が行列状に配置されて構成され
る。前記画像は、複数の画素が行列状に配置されて構成
される。画像データは、画像を構成する各画素の輝度を
表す画素データから構成される。前記表示装置は、各表
示画素を各画素データに応じた輝度で発光させる。これ
によって、表示画面に、画像データが表す画像が表示さ
れる。
【0004】現在、電子的な刊行物は、既に出版された
本、すなわちコンテンツをデータ化したものが多い。ゆ
えに、前記電子的な刊行物を作成する場合、前記コンテ
ンツを用いて前記文章データおよび前記画像データを作
成することが多い。前記コンテンツを用いて前記電子的
な刊行物を作成するには、まず、前記コンテンツの各頁
が、文章が印刷された部分と絵が印刷された部分とに分
けられる。次いで、前記絵が印刷された部分がスキャナ
で読取られて、前記画像データが生成される。続いて、
前記文章が印刷された部分がスキャナで読取られて画像
データが生成され、該画像データに文字認識処理が施さ
れて前記文章データが作成される。
【0005】上述の手順で前記文章データを作成する場
合、前記文章データが表す文章に、文字認識処理の認識
誤り等に起因する誤字脱字が生じることがある。ゆえ
に、前記コンテンツを作成する段階で文章の校正が済ん
でいるにも拘わらず、前記文章データを作成する段階で
前記文章データが表す文章をもう一度校正する必要があ
る。したがって、文章の校正を二重に行うことになるの
で、前記文章データの生成に手間がかかり、前記文章デ
ータの生成コストも増加する。
【0006】また、前記文章データはたとえばいわゆる
テキスト形式のデータなので、文章を構成する各文字
は、前記文章データ内で、文字コードによって表され
る。ゆえに、前記文章データが表す文章を前記表示装置
に表示する場合、前記文章の各文字は、前記表示装置が
有するフォントを用いて表示される。このため、前記表
示装置に前記文字を表示する場合に用いるフォントと、
前記コンテンツの各頁に文字を印刷する場合に用いるフ
ォントとが、異なることがある。これによって、前記表
示装置に表示される文章と前記コンテンツの各頁に印刷
された文章との見た目の印象が異なり、読者に違和感を
感じさせることがある。
【0007】そこで、校正の手間を省き、かつ前記コン
テンツの各頁に印刷された文章の見た目の印象をそのま
ま保つために、前記コンテンツの各頁を、文章と絵との
区別を付けずにそれぞれ1枚の絵と見なすことが考えら
れる。この場合、電子的な刊行物は、前記コンテンツの
各頁全体をそれぞれ表す画像データによって構成され、
前記各画像データは前記コンテンツの各頁をスキャナで
読取って生成される。この際、以下の3つの問題が生じ
る。
【0008】第1の問題は、前記コンテンツの各頁をス
キャナで読取って前記画像データを生成する場合、前記
画像データが表す画像のコントラストが、前記画像デー
タの規格上最大のコントラストであるとは限らないこと
である。これは、前記コンテンツの各頁の地の色が真白
あるとは限らず、かつ、インクの色が真黒であるとは限
らないために生じる。また、スキャナの特性にも起因す
る。コントラストの低い画像を前記表示装置に表示した
場合、文字が読辛くなることがある。前記表示装置自身
のコントラストが低い場合、前記画像データの規格上最
大のコントラストの画像と比較して、表示画面に表示さ
れた画像内の文字の視認性は低下しやすい。前記コント
ラストの低い画像とは、たとえば、図23(A)に示す
ように、画像内の地の部分の画素の色が真白以外の色、
たとえばクリーム色であり、画像内の文字を構成する画
素の色が真黒以外の色、たとえば焦茶色である画像であ
る。前記最大のコントラストの画像とは、たとえば、図
23(B)に示すように、画像内の背景を構成する部分
の画素の色が真白であり、画像内の文字を構成する画素
の色が真黒である画像である。
【0009】特開昭63−39280号公報は、画像の
階調がいわゆる中間調、すなわち灰色に集中している場
合、すなわち画像のコントラストが低い場合に、ガンマ
補正処理を用いて画像のコントラストを高くするための
画像処理装置を提案している。本公報の画像処理装置
は、複数の画像の階調分布に個別に対応するガンマ変換
テーブルをRAMに予め記憶している。前記画像処理装
置は、処理対象の画像が与えられると、まず前記画像の
階調分布を検出し、検出した階調分布に応じたいずれか
1つの前記ガンマ変換テーブルをRAMから読出す。読
出したガンマ変換テーブルを用いて、前記画像にガンマ
補正が施される。本公報の画像処理装置では、前記ガン
マ変換テーブルは、予め本公報の画像処理装置で処理す
るべき画像の階調分布を予想し、予想した階調分布に応
じて作成されている。ゆえに、予想されていない階調分
布の画像を処理する場合には、該画像の階調分布に対応
したガンマ変換テーブルがないので、画像のコントラス
トを高くすることが困難になる。
【0010】第2の問題は、画像データの解像度と表示
装置の解像度とが一致しないことに起因して、前記表示
装置の表示画面に表示される画像の視認性が低下するこ
とである。この第2の問題を、以下に説明する。一般的
に表示装置の表示画面は、図24に示すように、複数の
表示画素が行列状に配置されて構成され、表示画素の数
によって解像度が異なる。図24(A)は、前記表示画
面1全体を示す模式図であり、図24(B)は、前記表
示画面1の一部分2を拡大して示す模式図である。以
後、図面では、画素および表示画素を正方形によってそ
れぞれ表し、画素および表示画素の輝度を正方形内の斜
線の本数で表す。画素および表示画素の輝度が大きいほ
ど、斜線の本数が少ない。
【0011】一般的に、前記表示装置の解像度は前記ス
キャナの解像度よりも低く、前記スキャナの解像度は、
前記コンテンツの印刷の解像度よりも低い。ゆえに、前
記コンテンツには、表示画素の大きさよりも小さい点や
線から構成される小さな文字が印刷されている。前記表
示画面には、前記小さな文字は、基本的には表示できな
いが、いわゆる白黒の中間調を用いた場合は、疑似的に
表示することができる。白黒の中間調を用いて前記小さ
い文字を表示するには、各表示画素の輝度を、前記コン
テンツ内の各表示画素に相当する部分内の地の部分と該
部分内にある文字の一部分との輝度の平均値にする。
【0012】白黒の中間調を用いて前記小さな文字を表
す場合、前記表示画面を見る者は、表示画素を意識せず
に前記小さな文字が滑らかに表示されていると感じる
が、前記小さい点や線がぼけた印象も受ける。これは、
以下の理由からである。図25(A)に示すように、前
記コンテンツ3内に描かれる文字4を構成する線分の幅
や前記文字4を構成する点の大きさが表示画素5以下で
ある場合、前記線分や点の少なくとも一部分が含まれる
複数の表示画素5の各輝度は、各表示画素5の面積と前
記少なくとも一部分との比率によって定められる。すな
わちこの場合、前記少なくとも一部分の輝度が表示画素
5全体に分散する。ゆえに、表示画素5の輝度は、図2
5(B)に示すように、前記少なくとも一部分の輝度よ
りも低くなる。したがって、前記小さな文字はぼけた印
象を受けるのである。
【0013】上述の理由によってぼけた印象をうける画
像は、いわゆるラプラシアンを用いた鮮鋭化処理を施す
ことによって、ぼけが除かれた見易い画像に変換するこ
とができる。鮮鋭化処理に関する従来技術として、特開
平5−167852号公報、および特開平7−2408
41号公報がある。
【0014】特開平5−167852号公報は、前記鮮
鋭化処理を画像に施す場合に、前記画像内の輝度変化が
平坦な部分のざらつきを防止するための画像鮮鋭化方法
を提案している。前記画像鮮鋭化方法を実行する場合、
まず、処理対象の画像の各画素の輝度の2次微分の値
が、各画素の鮮鋭化の評価関数として求められる。次い
で、前記各画素の鮮鋭化の評価関数に応じて、各画素の
鮮鋭化の度合を表す係数がそれぞれ決定される。前記係
数を用いた前記鮮鋭化処理が、前記各画素に施される。
【0015】特開平7−240841号公報は、前記鮮
鋭化処理を画像に施す場合に、画像データを生成したス
キャナの画像劣化特性に拘わらず、常に同じ処理結果を
得るための画像鮮鋭化処理装置を提案している。前記画
像鮮鋭化処理装置は、まず、前記スキャナのMTFに基
づいて定められるスキャナの特性パラメータを用いて、
鮮鋭化処理の鮮鋭化の度合を表す係数を算出する。次い
で、前記係数を用いた前記鮮鋭化処理が、処理対象の画
像に施される。
【0016】たとえば、図26(A)に示す画像に上述
の公報で説明された鮮鋭化処理を施したならば、図26
(B)に示す画像になる。この場合、鮮鋭化の度合が強
すぎると、前記画像の輝度分布が2値画像に近くなるの
で、前記白黒の中間調を用いて表示された文字の滑らか
さが失われる。また、前記画像の文字以外の部分も、い
わゆるエッジ部分でいわゆるジャギーが目立つようにな
ったり、平坦な部分でざらつきが生じるので、滑らかさ
が失われる。ゆえに、上述の公報で説明する前記鮮鋭化
処理を用いる場合、前記小さい文字を読みやすくするこ
とは困難である。
【0017】また、上述の公報で説明した鮮鋭化処理の
他に、画像内の文字のエッジに注目し、エッジの強い部
分の鮮鋭化の度合を強くする鮮鋭化処理がある。しかし
ながら、前記小さい文字は文字自体が潰れてエッジが強
くなりにくいので、前記画像内の前記文字の部分の鮮鋭
化の度合が弱くなりやすい。ゆえに、上述の鮮鋭化処理
を用いる場合も、小さい文字を読みやすくすることは困
難である。
【0018】さらにまた、特開平6−308924号公
報は、画像を表示装置に表示する際に、画像内の色の異
なる2つの部分の境界を明瞭にするための表示装置を提
案している。前記表示装置の表示画面は、行列状に配置
された複数のドットから構成され、各ドットの色は、画
像を表す画像データ内の複数のデータによって、それぞ
れ定められる。表示画面内の任意の1列または任意の1
行を構成する複数のドットの色を定めるデータがドット
の並びと同じ順に並べられた場合、ドットの色が等しい
複数個のデータが並ぶならば、前記複数個のデータのう
ちの最も端にあるデータを、ドットの色を黒色に定める
データに変換する。上述の処理を前記電子的な刊行物を
構成する前記画像データに施した場合、前記小さい文字
を表現する画素の色を定める画素データは、輝度の分散
のために、前記小さい文字の周囲の画素の色を定める画
素データとの輝度の差が少ないので、該画素データがド
ットの色を黒色に定めるデータに変換されることは少な
い。ゆえに、前記小さい文字を読みやすくすることは困
難である。
【0019】第3の問題は、前記表示装置の階調特性の
偏りに起因して、表示画面に表示される画像の視認性が
低下することである。以下に具体的に説明する。前記表
示装置の階調特性とは、画素データが表す輝度と表示画
素の輝度との対応関係であり、具体的には、画素データ
が表す輝度が変化するのに伴って、前記画素データに応
じて発光させた表示画素の輝度がどのように変化するか
を表す。前記表示装置は、一般的に、前記階調特性が非
線形であることが多い。
【0020】前記階調特性は、たとえば図27に示すよ
うに、画素データが表す輝度を横軸に取り表示画素の輝
度を縦軸に取ったグラフの階調特性曲線11によって表
される。原点を通り傾きが45度の基準直線12に階調
特性曲線11が近いほど、前記階調特性は良い。また、
前記画素データが表す輝度の対数を横軸に取り前記表示
画素の輝度の対数を縦軸に取ったグラフの曲線で前記階
調特性を表す場合、前記曲線の傾きがいわゆるガンマ特
性に相当する。図27の階調特性曲線11は、前記表示
装置に表示される図28の画像の仮想線分13上の複数
の表示画素の輝度と該画素の輝度をそれぞれ定める複数
の画素データとをプロットしたものである。前記各画素
データは、表示画素が左から右に並ぶ順序で予め定める
値ずつ増加順次する。
【0021】前記階調特性の補正のために、前記表示装
置を含む画像処理装置は、前記階調特性に応じた輝度補
正テーブルを備える。図29に示す輝度変換曲線14
は、図27の階調特性曲線11で表される前記階調特性
に応じた前記輝度補正テーブルの入力輝度と出力輝度と
の関係を表す。表示するべき画像に階調補正処理が施さ
れる場合、前記画像の各画素の輝度は、該各画素の輝度
と等しい前記輝度補正テーブル内の入力輝度に対応する
前記輝度補正テーブル内の出力輝度にそれぞれ置換えら
れる。図30の曲線15は、階調補正処理が施された前
記画像を前記表示装置に表示する場合、該画像の輝度と
前記表示装置の表示画素の輝度との関係を表す。図30
のグラフに示すように、前記場合には、前記曲線15
は、前記基準直線12と一致する。
【0022】また階調特性補正のために、前記画像処理
装置は、前記表示装置の階調特性に応じたガンマ補正テ
ーブルを備える。図31のグラフの輝度変換曲線16
は、図27の階調特性曲線11で表される階調特性に応
じたガンマ補正テーブルの入力輝度と出力輝度との関係
を表す。前記画像にガンマ補正処理が施された場合、前
記画像の各画素の輝度は、該各画素の輝度と等しい前記
ガンマ補正テーブル内の入力輝度に対応する前記ガンマ
補正テーブル内の出力輝度にそれぞれ置換えられる。図
32の曲線17は、ガンマ補正処理が施された前記画像
を前記表示装置に表示する場合、該画像の輝度と前記表
示装置の表示画素の輝度との関係を表す。図32のグラ
フに示すように、前記場合には、前記曲線17は、前記
基準直線12とほぼ一致する。
【0023】前記表示装置の階調特性に偏りがある場
合、すなわち非線形である場合、前記階調特性曲線11
が前記基準直線12から離れるほど、前記表示画面に表
示された画像が見にくくなる。前記階調特性の偏りに応
じた画像の見易さの変化は、前記画像がいわゆる濃淡画
像、すなわち絵である場合はあまり気にならず、前記画
像内に前記小さな文字が描かれる場合に目立つ。後者の
場合、前記階調特性の偏りが大きくなるほど、前記表示
画面に表示された前記画像内の前記小さな文字が記載さ
れた領域は、該領域内の黒い部分と白い部分との割合の
バランスが、本来のバランスから崩れたように見える。
たとえば、図33(A)に示す画像に上述した階調補正
処理を施したならば、図33(B)に示す画像になる。
これによって、前記領域内において、同じ太さの線を表
すために同じ濃度になる筈の複数の画素が、部分的に薄
くなったり濃くなったりする。ゆえに、前記領域内の文
字は、ムラのあるので見辛くなる。特に前記表示装置が
液晶表示装置である場合、一般的に白色の小さな領域が
つぶれる傾向にあり、前記画像を表示した際、前記小さ
い文字はかすれて表示されることが多い。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
前記画像処理装置には、上述の3つの問題がある。ま
た、前記各公報で提案される従来技術を、前記画像処理
装置に適用した場合でも、第1および第2の問題点を解
決することは困難である。また、第3の問題を解決する
ために前記階調特性の偏りを利用者が自由に調整できる
表示装置はほとんどないので、第3の問題を解決するこ
とはさらに困難である。
【0025】本発明の目的は、前記階調特性の偏り、前
記画像のコントラスト、および前記画像の解像度に起因
する画像の視認性の低下を防止することができる画像処
理装置および方法を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、予め定める階
調特性を有する表示手段と、複数の画素から構成される
画像を入力する画像入力手段と、前記画像のコントラス
トを推定するコントラスト推定手段と、推定された前記
コントラストに基づいて前記画像のコントラストを増大
させ、かつ、前記階調特性に基づいて前記画像を構成す
る各画素の輝度を補正する輝度補正手段とを含み、前記
表示手段は、前記輝度補正手段によって各画素の輝度が
補正された画像を表示することを特徴とする画像処理装
置である。
【0027】本発明に従えば、画像処理装置内の輝度変
換手段は、前記表示手段の階調特性だけでなく、推定さ
れた前記コントラストも考慮して、前記画像を構成する
各画素の輝度変換を行う。これによって、前記画像処理
装置は、前記画像がどのようなコントラストを有するか
に拘わらず、前記画像のコントラストを常に向上させる
ことができる。同時に、前記表示手段の階調特性の偏り
に拘わらず、前記表示手段に表示された前記画像内に描
かれる文字が見易くなる。したがって、前記表示手段に
画像を表示した場合、前記画像のコントラストおよび前
記表示手段の階調特性の両方に起因する前記画像の視認
性の低下を、防止することができる。また、前記画像入
力手段から入力された前記画像と前記表示手段に表示さ
れる画像との間に、前記表示手段の階調特性に起因する
輝度分布の変化がない。これによって、前記画像の再現
性を向上させることができる。
【0028】また本発明は、予め定める階調特性を有す
る表示手段と、複数の画素から構成される画像を入力す
る画像入力手段と、前記画像内から文字が描かれた文字
領域を抽出する文字領域抽出手段と、前記画像内の前記
文字領域以外の残余領域に予め定める度合の鮮鋭化をそ
れぞれ施し、前記文字領域に、前記残余領域に施した鮮
鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化をそれぞれ施す鮮鋭
化手段と、前記表示手段が有する前記階調特性に基づい
て、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領域をそ
れぞれ構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と
を含み、前記表示手段は、前記輝度補正手段によって各
画素の輝度が補正された画像を表示することを特徴とす
る画像処理装置である。
【0029】本発明に従えば、前記画像処理装置内で
は、前記鮮鋭化手段は、前記文字領域に施す鮮鋭化の度
合を、前記残余領域に施す鮮鋭化の度合よりも強くす
る。これによって、前記文字領域内に描かれた文字のエ
ッジ部分のぼけが改善されるので、前記画像が前記表示
手段に表示された場合に前記文字が読み易くなる。前記
エッジ部分のぼけは、前記画像の解像度と前記表示手段
の解像度との差に起因する。かつ、前記残余領域内に描
かれる絵に含まれるノイズが前記鮮鋭化処理によって強
調されることを防止して、前記絵を滑らかなものにする
ことができる。同時に、前記画像が前記表示手段に表示
された場合、前記表示手段の階調特性の偏りに拘わら
ず、前記画像内に描かれる前記文字が見易くなる。した
がって、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との
差および前記表示手段の階調特性の両方に起因する前記
画像の視認性の低下を、防止することができる。また、
請求項1の画像処理装置と同じ理由から、前記画像の再
現性を向上させることができる。
【0030】また本発明は、前記鮮鋭化手段は、前記画
像を構成する各画素の輝度f(x,y)と前記各画素の
鮮鋭化の度合の係数h(x,y)とを、式 g(x,y)=f(x,y)−h(x,y)×▽2
(x,y) に代入して、鮮鋭化された各画素の輝度g(x,y)を
個別に求め、前記各画素の鮮鋭化の度合の係数h(x,
y)は、前記各画素が前記残余領域内にある場合、予め
定める第1の定数αiであり、前記各画素が前記文字領
域内にある場合、第1の定数αiよりも大きい第2の定
数αcであることを特徴とする。
【0031】本発明に従えば、前記鮮鋭化手段は、上述
の式に基づいて、前記文字領域と前記残余領域の各画素
の鮮鋭化された輝度g(x,y)を求め、前記文字領域
および前記残余領域の各画素の輝度f(x,y)を各画
素の前記鮮鋭化された輝度g(x,y)に置換える。こ
れによって、前記文字領域および前記残余領域に鮮鋭化
が施される。この場合、前記文字領域と前記残余領域と
にそれぞれ施される鮮鋭化の違いは、上述の式の係数h
(x,y)だけである。ゆえに、各画素毎に、該各画素
が文字領域内にあるか否かに基づいて、前記係数h
(x,y)を変更するだけで、前記文字領域に前記残余
領域よりも強い鮮鋭化の度合で鮮鋭化を施す事ができ
る。したがって、各画素の鮮鋭化の度合を変更する手順
が簡単になる。
【0032】また本発明は、前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化さ
れた輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成され
る1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接す
る外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり
合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、各外接矩
形をそれぞれ輪郭とする画像内の1または複数の領域の
うちで、領域内にある複数の画素の輝度の最大値および
最小値の差が予め定める基準差分値以上である領域を、
文字領域として抽出することを特徴とする。
【0033】本発明に従えば、前記文字領域抽出手段
は、上述の手順で前記画像から前記文字領域を抽出す
る。これによって、前記画像内に少なくとも1つの文字
が描かれる場合、該文字に外接する外接矩形を、文字領
域として容易に抽出することができる。
【0034】また本発明は、前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化さ
れた輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成され
る1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接す
る外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり
合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、各外接矩
形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうち
で、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領
域としてそれぞれ抽出することを特徴とする。
【0035】本発明に従えば、前記文字領域抽出手段
は、上述の手順で前記画像から前記文字領域を抽出す
る。これによって、前記画像内に、複数の文字が直線状
に並んでいる場合、前記各文字にそれぞれ外接する外接
矩形を、文字領域として容易に抽出することができる。
前記複数の文字が直線状に並ぶのは、たとえば、前記画
像内に文章が描かれる場合である。これらのことから、
前記画像内に文章が描かれる場合、前記文字以外の連結
部分に外接する外接矩形が求められても、該外接矩形を
文字領域として抽出することを防止することができる。
前記文字以外の連結部分とは、たとえば、画像内に描か
れる絵の一部分である。
【0036】また本発明は、前記画像のコントラストを
推定するコントラスト推定手段と、推定された前記コン
トラストに基づいて、前記画像のコントラストを増大さ
せるコントラスト補正手段とをさらに含むことを特徴と
する。
【0037】本発明に従えば、前記画像処理装置内で
は、前記鮮鋭化手段による鮮鋭化処理、前記輝度補正手
段による輝度補正処理に加えて、前記コントラスト補正
手段によって、前記画像のコントラストを、該画像の元
のコントラストよりも向上させることができる。したが
って、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との差
および前記表示手段の階調特性の両方に起因する前記画
像の視認性の低下だけでなく、前記画像のコントラスト
起因する前記画像の視認性の低下をも、防止することが
できる。
【0038】また本発明は、前記コントラスト推定手段
は、前記画像を構成する各画素の輝度のヒストグラムを
作成し、予め定める基準輝度以上で前記各画素が取得る
最大の輝度以下の第1の範囲内のヒストグラムの最大値
に対応する第1の輝度を求め、前記各画素が取得る最小
の輝度以上で前記基準輝度未満の第2の範囲内のヒスト
グラムの最大値を求め、前記第2の範囲内の前記ヒスト
グラムの最大値が、予め定める基準値以上であるか否か
を判定し、第2の範囲内のヒストグラムの最大値が基準
値以上である場合、第1の輝度と第2の範囲内のヒスト
グラムの最大値に対応する輝度とに基づいて画像のコン
トラストを推定し、第2の範囲内の前記ヒストグラムの
最大値が基準値未満である場合、第1の輝度と前記画像
を構成する全ての画素の輝度のうちで最低の輝度とに基
づいて画像のコントラストを推定することを特徴とす
る。
【0039】本発明に従えば、前記コントラスト検出手
段は、上述の手順で前記画像のコントラストを検出す
る。これは以下の理由からである。前記画像がいわゆる
文書画像である場合に該画像の画素の輝度のヒストグラ
ムを作成すると、該画像の地の色に相当する輝度の画素
の数は、地の色に相当する輝度以外の他の輝度それぞれ
の画素の数に比べて常に極めて大きい。しかしながら、
文字の色に相当する輝度の画素の数は、前記他の輝度そ
れぞれの画素の数とほぼ同等であることがある。この場
合、前記ヒストグラムの前記第2の範囲内の輝度の最大
値が、前記文字の色に相当する輝度であるとは限らな
い。ゆえに、上述のように、前記第2の範囲内の輝度の
最大値と基準値との大小関係に基づいて、前記画像のコ
ントラストを求める際に基準とする輝度を変更する。こ
れによって、前記文字の色に相当する輝度の画素の数と
前記他の輝度それぞれの画素の数との関係に拘わらず、
前記画像のコントラストを常に求めることができる。
【0040】また本発明は、前記各画素の輝度が予め定
める3色の成分の和によって表される場合、前記文字領
域抽出手段は、3色の成分の和に基づいて文字領域を抽
出し、前記鮮鋭化手段は、3色の成分に個別に鮮鋭化を
施し、前記輝度補正手段は、3色の成分を個別に補正す
ることを特徴とする。
【0041】本発明に従えば、前記輝度が3色の成分の
和で表される場合、すなわち前記画像がカラー画像であ
る場合、各手段は上述のように動作する。これによっ
て、前記画像がカラー画像である場合でも、前記画像処
理装置は、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度と
の差および前記表示手段の階調特性の両方に起因する画
像の視認性の低下を防止し、かつ前記画像の再現性を向
上させることができる。
【0042】また本発明は、複数の画素から構成される
画像を入力させ、前記画像のコントラストを推定し、推
定された前記コントラストに基づいて前記画像のコント
ラストを増大させ、かつ、前記画像を表示させるための
表示手段が有する階調特性に基づいて前記画像を構成す
る各画素の輝度を補正して、前記各画素の輝度が補正さ
れた前記画像を前記表示手段に表示させることを特徴と
する画像処理方法である。
【0043】本発明に従えば、上述の画像処理方法を用
いて前記画像を処理した場合、前記表示手段の階調特性
だけでなく推定した前記コントラストも考慮して、前記
画像を構成する前記各画素の輝度変換を行うことができ
る。したがって、前記表示手段に前記画像を表示した場
合、前記画像のコントラストおよび前記表示手段の階調
特性の両方に起因する前記画像の視認性の低下を、防止
することができる。同時に、前記画像の再現性を向上さ
せることができる。
【0044】また本発明は、複数の画素から構成される
画像を入力させ、前記画像内の文字が描かれた文字領域
を抽出し、前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に
予め定める度合の鮮鋭化を施し、前記画像内の前記文字
領域に、前記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い
度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記画像を表示するため
の表示手段が有する階調特性に基づいて、鮮鋭化が施さ
れた前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成する各
画素の輝度を補正し、前記各画素の輝度が補正された前
記画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする画
像処理方法である。
【0045】本発明に従えば、上述の画像処理方法を用
いて前記画像を処理した場合、前記文字領域に施す鮮鋭
化の度合が、前記残余領域に施す鮮鋭化の度合よりも強
くなる。これによって、前記画像が表示手段に表示され
た場合に文字が読み易くなり、同時に前記残余領域内の
絵を滑らかなままにすることができる。また、前記画像
が前記表示手段に表示された場合、前記表示手段の階調
特性の偏りに拘わらず、前記画像内に描かれる文字が見
易くなる。したがって、前記画像の解像度と前記表示手
段の解像度との差および前記表示手段の階調特性の両方
に起因する前記画像の視認性の低下を、防止することが
できる。同時に、前記画像の再現性を向上させることが
できる。
【0046】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
ある画像処理装置31に含まれるデータ処理装置34の
電気的構成を表すブロック図である。図2は、前記画像
処理装置31の概略的な電気的な電気的構成を表すブロ
ック図である。図1および図2を併せて説明する。
【0047】画像処理装置31は、画像入力装置33
と、データ処理装置34と、表示装置35とを含む。デ
ータ処理装置34は、データ記憶部37と、コントラス
ト推定部38と、輝度補正部39と、操作部40とを含
む。コントラスト推定部38は、ヒストグラム作成部4
1と、コントラスト検出部42とを含む。輝度補正部3
9は、階調特性補正用ルックアップテーブル記憶手段4
4と、輝度補正用ルックアップテーブルテーブル作成手
段45と、画像輝度変換部46とを含む。以後、ルック
アップテーブルを、「LUT」(Look Up Table)と略称
することがある。
【0048】画像入力装置33は、処理対象の画像を表
すデジタル信号である画像データを、データ処理装置3
4に与える。前記画像は、いわゆる多値画像であり、複
数の画素が行列状に配置されて構成される。前記画像デ
ータは、前記画像を構成する各画素の輝度を表す画素デ
ータが、画素の配列に応じた順序で並べられて構成され
る。各画素データは、具体的には、予め定める画素輝度
範囲内のいずれか1つの輝度値に相当する。前記画素輝
度範囲は、画像データの規格上、各画素データが取り得
る輝度値の範囲である。輝度値とは、輝度を定量的に表
す数値である。画像入力装置33からからデータ処理装
置34に与えられた画像データを、以後、入力画像デー
タ51と称する。また、入力画像データ51が表す画像
を、入力画像と称する。
【0049】データ処理装置34は、入力画像データ5
1に、入力画像のコントラストおよび表示装置35の階
調特性に基づいた画像補正処理を施す。画像補正処理が
施された入力画像データ51を、以後、出力画像データ
52と称する。出力画像データ52は、表示装置35に
与えられる。表示装置35は、出力画像データ52に基
づいて、表示画面に画像を表示する。前記表示画面は、
複数の表示画素が行列状に配置されて構成される。複数
の表示画素の輝度は、出力画像データを構成する複数の
画素データと、表示装置35の階調特性とに基づいて定
められる。表示装置35の階調特性は、表示装置35の
構成に基づいて一義的に定まる。出力画像データが表す
画像は、入力画像と比較して、各画素の輝度の実際の数
値だけが異なり、他は等しい。入力画像の解像度と表示
画面の解像度とは等しい。すなわち、入力画像の各画素
は、出力画像の各画素と、1対1で対応し、出力画像デ
ータが表す画像の各画素は、表示画面の各表示画素と、
1対1で対応する。
【0050】コントラスト推定部37は、入力画像のコ
ントラストを推定する。このために、まずヒストグラム
作成部41が、入力画像の各画素の輝度に関する輝度ヒ
ストグラムを作成する。次いで、コントラスト検出部4
2が、前記輝度ヒストグラムに基づいて、入力画像のコ
ントラストを検出する。
【0051】輝度補正部38は、入力画像のコントラス
トと表示装置35の階調特性とに基づいて、入力画像を
構成する各画素の輝度をそれぞれ補正する。輝度補正部
38の基本的な構成は、以下の通りである。階調補正用
LUT記憶部44は、予め定める階調補正用ルックアッ
プテーブルRLUT を記憶する。階調補正用ルックアップ
テーブルRLUT は、表示装置用階調補正処理のために、
前記表示装置用階調補正処理の処理対象の画像を構成す
る各画素の輝度を変換する場合に、用いられる。表示装
置用階調補正処理は、表示装置35単体の階調特性を線
形にするための処理である。階調特性とは、画素データ
が表す輝度と表示画素の輝度との対応関係であり、具体
的には、画素データが表す輝度が変化するのに伴って、
前記画素データに応じて発光させた表示画素の輝度がど
のように変化するかを表す。すなわち表示装置35の階
調特性は、表示装置35の入出力特性に相当する。
【0052】階調補正用ルックアップテーブルRLUT
は、表示装置用階調補正処理の処理前の輝度値i(i=
0,1,2,…,Vmax )と表示装置用階調補正処理の
処理後の輝度値RLUT〔i〕との対応関係を表す。前記
対応関係は、表示装置35の階調特性に応じて一義的に
定められる。たとえば、表示装置35の階調特性が、前
述した図27の階調特性曲線11で表されるものである
場合、階調補正用ルックアップテーブルRLUT の前記対
応関係は、図29の輝度変換曲線14で表される。表示
装置35の階調特性曲線11は、前記基準直線12を対
称軸として、図29の輝度変換曲線14と線対称であ
る。
【0053】輝度補正LUT作成部45は、コントラス
ト検出部42で検出された入力画像のコントラストと階
調補正用LUT記憶部44に記憶されている階調補正用
ルックアップテーブルとに基づいて、輝度補正用ルック
アップテーブルCaLUT を作成する。輝度補正用ルック
アップテーブルCaLUT は、入力画像のコントラストを
向上させ、同時に、画像処理装置31全体の階調特性を
線形にするために用いられる。画像処理装置31の全体
の階調特性は、入力画像データ51の各画素データの輝
度値と、該各画素データに対応する表示画素の輝度との
対応関係を表す。すなわち画像処理装置31全体の階調
特性は、画像処理装置31の入出力特性に相当する。画
像輝度変換部46は、入力画像データの各画素データ
に、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT に基づい
た輝度変換処理をそれぞれ施す。前記輝度変換処理が施
された画素データの集合が、出力画像データ52であ
る。
【0054】データ記憶部39は、コントラスト推定部
41および輝度変換部42がそれぞれ上述の処理を行う
際に、処理に用いる各種のデータを一時的に記憶する。
このために、データ記憶部39内には、前記各種のデー
タをそれぞれ記憶するための複数の記憶領域が設定され
ている。前記各記憶領域のアドレスは、予め定められて
いるものとする。データ記憶部39は、たとえばランダ
ムアクセスメモリによって実現される。操作部40は、
たとえば キーボードや複数のボタンによって構成さ
れ、画像処理装置31の操作者がデータ処理装置34を
操作する際に用いられる。
【0055】ヒストグラム作成部41、コントラスト検
出部42、輝度補正用LUT作成部45、および画像輝
度変換部46は、それぞれ個別の回路によって実現され
る。また、前記部41,42,45,46のうちの少な
くとも2つの部は、単一の中央演算処理回路の演算処理
によって実現される仮想回路とされてもよい。
【0056】入力画像データ51は、画像入力装置33
自身によって生成されてもよく、画像処理装置31とは
別の装置によって生成されて画像入力装置33に与えら
れても良い。画像入力装置33自身が入力画像データ5
1を生成する場合、画像入力装置33は、たとえば、光
学的読取り装置またはデジタルカメラで実現される。光
学的読取り装置としては、たとえばスキャナが挙げられ
る。また、前記別の装置が入力画像データ51を生成す
る場合、画像入力装置33は、たとえば、記憶媒体の読
取り装置、または前記別の装置とデータ処理装置34と
を画像データが授受可能に接続する接続装置で実現され
る。本実施形態では、画像入力装置33はスキャナで実
現され、紙面にいわゆる2値画像が印刷されて構成され
た原稿を読取って、入力画像データを生成すると仮定す
る。また、以後の説明では、入力画像の階調はモノクロ
の3段階以上の階調、いわゆるハーフトーンであると仮
定する。
【0057】上述のように仮定した条件では、前記スキ
ャナは、表示画面の解像度よりも高い解像度で原稿を光
学的に読取って画像データを生成し、生成した画像デー
タを表示画面の解像度に併せて縮小して、入力画像デー
タ51を作成することが好ましい。これは、以下の理由
からである。紙面に画像を印刷して原稿を作成する印刷
装置の解像度は前記スキャナよりも大きく、前記スキャ
ナの解像度は表示画面の解像度よりも大きい。ゆえに、
入力画像内の1つの画素に対応する原稿内の部分には、
複数の印刷ドットが印刷されている。したがって、前記
1つの画素の輝度に前記部分内の輝度分布を正確に反映
させるために、上述するように入力画像データ51を作
成することが好ましいのである。
【0058】前記原稿の地の色は、クリーム色や薄い黄
土色など、真白に近いが完全な真白ではない色である仮
定し、また前記原稿の印刷ドットの色は、焦茶など、真
黒に近いが完全な真黒ではない色であると仮定する。真
白とは、画素データが前記画素輝度範囲の上限値Vmax
である画素の色であり、真黒とは、画素データが前記画
素輝度範囲の下限値Vmin 、すなわち0である画素の色
である。また、画素データが前記画素輝度範囲内の最小
値よりも大きく最大値未満の輝度値である画素の色は灰
色であり、前記輝度値が大きくなるほど白に近くなる。
前記地の色はたとえば原稿の紙質に応じて定まり、か
つ、前記印刷ドットの色は原稿の印刷に用いられた印刷
インキの色と等しい。すなわち、入力画像の地の色およ
び入力画像の文字の色は、原稿の紙質および印刷インキ
の色の影響を受けている。
【0059】図3は、画像処理装置31が実行する前記
画像補正処理を説明するためのフローチャートである。
図3のフローチャートを用いて、前記画像補正処理を説
明する。たとえば、画像処理装置31の操作者が、操作
部40から画像補正処理の実行を指示すると、ステップ
a1からステップa2に進む。
【0060】まず、画像入力装置33が、ステップa2
で、入力画像データ51を、データ記憶部39の予め定
める第1の記憶領域に記憶させる。入力画像データ51
は、画像補正処理が始まってから作成してもよく、また
画像補正処理を開始する前に予め作成しておいてもよ
い。
【0061】次いでステップa3で、ステップa3以後
の画像補正処理に、データ記憶部39の予め定める第2
の記憶領域に既に記憶されている輝度補正用ルックアッ
プテーブルCaLUT を用いるか否かが判定される。輝度
補正用ルックアップテーブルCaLUT を新たに作成する
場合、ステップa3からステップa4に進む。前記記憶
領域に既に記憶されている輝度補正ルックアップテーブ
ルCaLUT を用いる場合、ステップa3からステップa
16に進む。ステップa3の判定の詳細については後述
する。ステップa4〜a15の処理は、輝度補正ルック
アップテーブルCaLUT を作成するテーブル作成処理で
ある。
【0062】テーブル作成処理が行われる場合、まずヒ
ストグラム作成部41が、ステップa4で、データ記憶
部39の前記第1の記憶領域から入力画像データ51を
読出し、読出した入力画像データ51の各画素データを
順次調べて、輝度ヒストグラムを作成する。輝度ヒスト
グラムは、データ記憶部39の予め定める第3の記憶領
域に記憶される。輝度ヒストグラムは、入力画像データ
における前記画素輝度範囲内の各輝度値の出現分布を表
す。
【0063】図4および図5は入力画像データがいわゆ
る文書画像を表す場合の輝度ヒストグラムである。横軸
は輝度値iであり、縦軸は輝度値の出現頻度H〔i〕で
ある。iは、下限値Vmin 以上上限値Vmax 以下の正の
整数である。任意の輝度値iの出現頻度H〔i〕は、該
輝度値iに相当する画素データの数、すなわち入力画像
内の該輝度値に相当する色の画素の数に相当する。入力
画像データ51が、スキャナが前述の原稿を読込んで作
成したものである場合、輝度値の出現分布を表す曲線6
1には、2つの極大点PH,PLが現れる。
【0064】2つの極大点PH,PLのうちで、輝度が
高いほうの極大点に対応する輝度値は、入力画像の地の
色または前記地の色に極めて近い色に相当する。また、
2つの極大点のうちで輝度が低いほうの極大点に対応す
る輝度値は、入力画像内の線および点の色または前記線
および点の色に極めて近い色に相当する。前記線および
点の色は、原稿の印刷ドットの色とほぼ等しい。本実施
形態では、原稿の印刷ドットの色は真黒に近いと仮定し
ているので、前記線および点の色に相当する輝度値は、
前記下限値Vmin 以上で前記画素輝度範囲の中心の輝度
値Vcenter未満の低域部分W1内にあると予想される。
また、入力画像の地の色は真白に近いと仮定しているの
で、前記地の色に相当する輝度値は、前記中心の輝度値
Vcenter以上で上限値Vmax 以下の高域範囲W2内にあ
ると予想される。ゆえに、本実施形態では、入力画像の
コントラストを、入力画像の地の色に相当する上限輝度
値Hvと、入力画像に描かれる線および点の色に相当す
る下限輝度値Lvとの組合わせによって定義し、〔H
v,Lv〕と記載する。
【0065】再び図3を参照する。ステップa5〜ステ
ップa13は、入力画像のコントラストを検出するコン
トラスト検出処理であり、コントラスト検出部42で実
行される。まず、ステップa5で、コントラスト検出部
42は、前記輝度ヒストグラムをデータ記憶部39の前
記第3記憶領域から読出す。次いでコントラスト検出部
42は、入力画像の地の色または該地の色に近い色に相
当する輝度値を求める。前記輝度値は、すなわち、前記
輝度ヒストグラムの2つの極大値PH,PLにそれぞれ
対応する輝度値のうちで大きいほうの輝度値Hmax であ
る。具体的には、前記画素輝度範囲の高域範囲W2内の
全ての輝度値のうちで出現頻度が最大の輝度値Hmax を
求める。
【0066】続いてコントラスト検出部42は、ステッ
プa6で、入力画像内の線および点の色または該線およ
び点の色に近い色に相当する輝度値を求める。前記輝度
値は、輝度ヒストグラムの2つの極大値PH,PLにそ
れぞれ対応する輝度値のうちで小さいほうの輝度値Lma
x である。具体的には、前記画素輝度範囲の低域範囲W
1内の全ての輝度値のうちで出現頻度が最大の輝度値L
max を求める。
【0067】次いで、コントラスト検出部42は、ステ
ップa7で、前記低域範囲W1内の出現頻度の最大値、
すなわち前記小さいほうの輝度値Lmax の出現頻度H
〔Lmax〕が、予め定める閾値Th以上であるか否かを判
定する。ステップa7の判定は、曲線61に、明瞭な2
つの盛上がりがあるか否かを判定するために行われる。
前記低域範囲W1内の出現頻度の最大値が閾値Th以上
である場合、曲線61に明瞭な2つの盛上がりがあると
見なしている。2つの明瞭な盛上がりの有無に応じて、
コントラストの下限輝度値Lvの推定手法が変更され
る。ステップa7の判定の詳細な理由は後述する。
【0068】図4,5に示すように曲線61に2つの明
瞭な盛上がりがある場合、前記小さい方の輝度値Lmax
の出現頻度H〔Lmax〕は閾値Th未満である。この場
合、ステップa7からステップa8に進み、下限輝度値
Lvの第1の推定処理を行う。図6に示すように、曲線
61に2つの明瞭な盛上がりがない場合、前記出現頻度
H〔Lmax〕は閾値Th未満である。この場合、ステップ
a7からステップa10に進み、下限輝度値Lvの第2
の推定処理を行う。
【0069】まず、下限輝度値Lvの第1の推定処理を
説明する。コントラスト検出部42は、ステップa8
で、式1に基づいて、前記2つの極大値にそれぞれ対応
する輝度値Hmax,Lmaxの中間の輝度値を、分割基準輝
度値Vmid として求める。続いてステップa9で、コン
トラスト検出部42は、式2および3に基づいて低輝度
側範囲W3の輝度値の平均値Lmeanを求め、さらに、式
4に基づいて低輝度側範囲W3の輝度値の標準偏差σL
を求める。低輝度側範囲W3は、画素輝度範囲の下限値
Vmin 以上で前記分割基準輝度値Vmid 未満の範囲であ
る。また、式3で定義される「NL」は、入力画像デー
タ内全ての画素データのうちで、前記低輝度範囲W3内
の輝度値に相当する画素データの数である。続いてコン
トラスト検出部42は、低輝度側範囲W3の輝度値の平
均値Lmeanと、低輝度側範囲W3の輝度値の標準偏差σ
Lとの和を、下限輝度値Lvとして求める。以上で第1
の推定処理を終了する。
【0070】
【数1】
【0071】次いで、下限輝度値Lvの第2の推定処理
を説明する。コントラスト検出部42は、まずステップ
a10で、入力画像データ内の全ての画素データのうち
で最小の輝度値を求め、前記最小の輝度値を下限輝度値
Lvとして設定する。前記最小の輝度値は、図6に示す
ように、入力画像の輝度ヒストグラムにおいて出現頻度
が0ではない輝度値のうちの最小の輝度値である。ゆえ
に、前記最小の輝度値を見付けるには、たとえば、入力
画像の輝度ヒストグラムにおいて、各輝度値の画素の出
現頻度が0であるか否かを輝度値の最小値Vmin から輝
度値が増加する方向に順次判定して、初めて出現頻度が
0ではないと判定された輝度値を前記最小の輝度値であ
ると見なせば良い。また、前記最小の輝度値を下限輝度
値Lvであると設定する代わりに、下限輝度値Lvを常
に最小値Vmin 、すなわち0であると定義してもよい。
次いでコントラスト検出部42は、ステップa11で、
下限輝度値Lvと輝度ヒストグラムの2つの極大値P
H,PLにそれぞれ対応する輝度値のうちで大きいほう
の輝度値Hmax との中間の輝度を、前記分割基準輝度値
Vmid として求める。以上で第2の推定処理を終了す
る。 Vmid = (Lv+Hmax )÷2 …(6)
【0072】上述の第1および第2の推定処理のいずれ
か一方で、下限輝度値Lvが推定されると、ステップa
9,a11からステップa12に進む。続いてステップ
a12で、コントラスト検出部42は、式7に基づいて
高輝度側範囲W4の輝度値の平均値Hmeanを求め、さら
に式9に基づいて高輝度側範囲W4の輝度値の標準偏差
σHを求める。高輝度側範囲W4は、前記分割基準輝度
値Vmid 以上で画素輝度範囲の上限値Vmax 以下の範囲
である。また、式8で定義される「NH」は、入力画像
データ51内の全ての画素データのうちで、前記高輝度
範囲W4内の輝度値に相当する画素データの数である。
さらにコントラスト検出部42は、式10に基づいて、
高輝度側範囲W3の輝度値の平均値Hmeanから、高輝度
側範囲W3の輝度値の標準偏差σHを減算した差を、上
限輝度値Hvとして求める。
【0073】
【数2】
【0074】以上、ステップa9またはステップa11
で求められた下限輝度値Lvと、ステップa12で求め
られた上限輝度値Hvとによって、入力画像のコントラ
スト〔Lv,Hv〕が定義される。いわゆるコントラス
ト比は、下限輝度値Lvと上限輝度値Hvとの比であ
る。コントラスト検出手段42は、推定した入力画像の
コントラスト〔Lv,Hv〕を、輝度補正LUT作成部
45に与える。以上、ステップa4〜a12の処理が、
コントラスト推定部37が入力画像のコントラスト〔L
v,Hv〕を推定するためのコントラスト推定処理であ
る。
【0075】コントラスト推定部37が、下限輝度値L
vおよび上限輝度値Hvを、輝度ヒストグラムの2つの
極大値に対応する輝度値Lmax ,Hmax にそれぞれ一致
させずに標準偏差σL,σHを考慮してそれぞれ定めた
のは、以下の2つの理由からである。1つ目の理由は、
入力画像データの全ての画素データに基づいて輝度ヒス
トグラムを作成する際の統計誤差に起因して、推定され
た入力画像のコントラストが実際の入力画像のコントラ
ストからずれることを防止するためである。2つ目の理
由は、入力画像の地の色はスキャナが読取った原稿の紙
質に応じて真白以外の色になっていることがあるので、
前記地の色を分散(σH2,σL2)を用いて真白に近付
けるためである。
【0076】続いて、輝度補正LUT作成部45は、ス
テップa13で、コントラスト検出部42から与えられ
た入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕に基づいて、
コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成
する。コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT
は、入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕を入力画像
データのデータ規格上の最大のコントラスト〔Vmin ,
Vmax 〕まで向上させるためのコントラスト補正処理に
用いられる。データ規格上の最大のコントラストは、前
記画素輝度範囲の下限値Vmin と前記画素輝度範囲の上
限値Vmax とによって、定義される。
【0077】表1は、コントラスト補正用ルックアップ
テーブルCLUT の具体的な構成を表す。図7は、コント
ラスト補正用ルックアップテーブルCLUT の輝度変換曲
線71を表すグラフである。輝度変換曲線71は、処理
前の輝度値j(j=0,1,2,…,Vmax )と、処理
後の輝度値CLUT〔j〕(j=0,1,2,…,Vmax)
との関係を表す。
【0078】
【表1】
【0079】コントラスト補正用ルックアップテーブル
CLUT 内の処理前の輝度値jと処理後の輝度値CLUT
〔j〕との関係は、以下の通りである。処理前の輝度値
jが、画素輝度範囲の下限値Vmin 以上で下限輝度値L
v以下である場合、処理後の輝度値CLUT〔j〕は、下限
値Vmin である。処理前の輝度値jが、下限輝度値Lv
よりも大きく上限輝度値Hv以下である場合、処理後の
輝度値CLUT〔j〕は、処理前の輝度値jに比例して線形
に増加する。処理前の輝度値jが、上限輝度値Hvより
も大きく画素輝度範囲の上限値Vmax 以下である場合、
処理後の輝度値CLUT〔j〕は、上限値Vmax である。
【0080】再び図3を参照する。続いて、輝度補正L
UT作成部45は、ステップa14で、コントラスト補
正用ルックアップテーブルCLUT と、階調補正用ルック
アップテーブルRLUT とに基づいて、輝度補正用ルック
アップテーブルCaLUT を作成する。輝度補正用ルック
アップテーブルCaLUT は、処理前の輝度値k(k=
0,1,2,…,Vmax )と、処理後の輝度値CaLUT
〔k〕(k=0,1,2,…,Vmax )とが、それぞれ
1対1で対応づけられたものである。輝度補正LUT作
成部45は、ステップa14で作成した輝度補正用ルッ
クアップテーブルCaLUT を、ステップa15でデータ
記憶部39の前記第2の記憶領域に記憶させる。具体的
には、前記第2の記憶領域内には処理前の各輝度値kに
個別に対応する複数の小領域が予め設定されており、各
処理後の輝度値CaLUT〔k〕は、各小領域にそれぞれ記
憶される。
【0081】以下に、輝度補正用ルックアップテーブル
CaLUT について、詳細に説明する。輝度補正用ルック
アップテーブルCaLUT の各処理後の輝度値CaLUT
〔k〕は、式11で定義される。 CaLUT〔k〕= RLUT〔CLUT〔k〕〕 k=0,1,2,…,Vmax …(11)
【0082】任意の処理前の輝度値kに対応する処理後
の輝度値CaLUT〔k〕は、以下の手順で決定される。ま
ず、任意の処理前の輝度値kに対応するコントラスト補
正用ルックアップテーブル内の処理後の輝度値CLUT
〔k〕が求められる。次いで、階調補正用ルックアップ
テーブルRLUT 内で、求められた処理後の輝度値CLUT
〔k〕と等しい処理前の輝度値iに対応する処理後の輝
度値RLUT〔CLUT〔k〕〕 が求められる。最後に、求め
られた処理後の輝度値RLUT〔CLUT〔k〕〕が、処理後
の輝度値CaLUT〔k〕として定義されて、前記第2の記
憶領域内の前記任意の処理前の輝度値kに対応する小領
域に、記憶される。
【0083】すなわち、輝度補正用LUT内の処理前の
輝度値kと処理後の輝度値CaLUT〔k〕との関係は、以
下の通りである。処理前の輝度値kが、画素輝度範囲の
下限値Vmin 以上で下限輝度値Lv以下である場合、処
理後の輝度値CaLUT〔k〕は、下限値Vmin 、すなわち
0である。処理前の輝度値kが、下限輝度値Lvよりも
大きく上限輝度値Hv以下である場合、処理後の輝度値
CLUT〔k〕は、階調補正用ルックアップテーブルRLUT
の輝度変換曲線14に応じて変化する。処理前の輝度値
kが、上限輝度値Hvよりも大きく前記画素輝度範囲の
上限値Vmax以下である場合、処理後の輝度値CaLUT
〔k〕は、上限値Vmax である。図7の曲線72は、輝
度補正用ルックアップテーブルCaLUT 内の処理前の輝
度値kと処理後の輝度値CaLUT〔k〕との関係を表す輝
度変換曲線である。輝度変換曲線72内の前記下限輝度
値Lvよりも大きく前記上限輝度値Hv以下の範囲の部
分の形状は、輝度変換曲線14内の下限値Vmim 以上で
上限値Vmax 以下の範囲の部分をグラフの横軸に平行に
縮小した形状と等しい。
【0084】再び図3を参照する。ステップa16で、
画像輝度変換部46は、入力画像データ51に、輝度補
正用ルックアップテーブルCaLUT に基づいて、輝度変
換処理を施す。具体的には、画像輝度変換部46は、ま
ず、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUTを、デー
タ記憶部39の前記第2の記憶領域から読出す。次い
で、同じくデータ記憶部39の前記第1の記憶領域に記
憶された入力画像データ51を読出す。入力画像データ
51の各画素データf(x,y) を、以下の式12と輝度補
正用ルックアップテーブルCaLUT とに基づいてそれぞ
れ変換して、出力画像データ51の各画素データg(x,
y) を得る。データ記憶部39内の予め定める第4の記
憶領域には、出力画像データ52の各画素データをそれ
ぞれ記憶するための複数の小領域が、予め設定されてい
る。得られた各画素データg(x,y)は、前記各小領
域にそれぞれ記憶される。f(x,y) およびg(x,y) の
「(x,y)」は、各画素データに対応する画素の入力
画像および出力画像内の位置座標を表し、x,yは、そ
れぞれ任意の整数である。 g(x,y) = CaLUT〔f(x,y)〕 …(12)
【0085】すなわち、入力画像データ51の任意の画
素データf(x,y) は、以下の手順で出力画像データの画
素データg(x,y) に変換される。まず、輝度補正用ルッ
クアップテーブルCaLUT 内から、入力画像データ51
の任意の画素データf(x,y)と等しい処理前の輝度値k
が検索され、次いで、検索された処理前の輝度値kに対
応する処理後の輝度値CaLUT〔f(x,y)〕 が求められ
る。最後に、求められた処理後の輝度値CaLUT〔f(x,
y)〕 が、入力画像データ51の前記任意の画素データ
f(x,y) に対応する出力画像データ51の画素データg
(x,y) として定められ、定められた画素データg(x,y)
が、前記小領域に記憶される。入力画像データ内の全て
の画素データf(x,y) に対して、上述の手順の処理をそ
れぞれ施すと、第4の記憶領域に、出力画像データ52
を構成する全ての画素データg(x,y)が記憶される。こ
れによって、出力画像データ52が得られる。最後に、
ステップa17で、生成された出力画像データ52が表
示装置35に与えられて、ステップa18で画像補正処
理が終了する。
【0086】ステップa3の判定を行う理由は、以下の
とおりである。電子出版のためのいわゆるオーサリング
システムでコンテンツをデータ化する際に、コンテンツ
の各頁全体を1枚の絵と見なし、各頁全体をそれぞれ表
す画像データから電子的な刊行物を構成することがあ
る。本実施形態の画像処理装置31が前記オーサリング
システムとして用いられる場合、コンテンツの各頁がそ
れぞれスキャナによって読取られて複数の入力画像デー
タが生成され、各入力画像データに図3の画像補正処理
がそれぞれ施される。したがって、前記画像補正処理
が、複数回繰返される。コンテンツの各頁は、どの頁で
も、紙質および印刷インキの色は等しいことが多い。ゆ
えに、画像補正処理を複数回繰返す場合、1回目の画像
補正処理では、ステップa3の判定を否定してステップ
a3〜a15で輝度補正用ルックアップテーブルCaLU
T を作成し、2回目以後の画像補正処理では、ステップ
a3の判定を肯定して1頁目の入力画像データに画像補
正処理を施した際に作成した輝度補正ルックアップテー
ブルCaLUT を用いてステップa16の処理を行えば良
い。これによって、画像補正処理を複数回繰返す場合
に、2回目以後の画像補正処理を簡略化して、処理に要
する時間を短縮することができる。ステップa3の判定
を肯定するか否かは、操作者による操作部40の操作の
結果に応じて決定されてもよく、データ処理装置34自
体が自動的に判定してもよい。
【0087】また、画像補正処理を複数回繰返す場合、
1回目の画像補正処理では、コンテンツの各頁のうちで
文字だけが印刷された頁をスキャナで読取って作成され
た入力画像データを、処理対象とすることが好ましい。
これは、前記画像データの輝度ヒストグラムの輝度値の
出現頻度の分布を表す曲線に明瞭な盛上がりが確実に2
つ含まれるので、推定される入力画像のコントラスト
〔Hv,Lv〕に誤りが生じにくいためである。ゆえ
に、輝度補正ルックアップテーブルCaLUT が、コンテ
ンツの各頁の紙質および印刷インキの色に、確実に適合
することができる。
【0088】また、前記場合には、1回目の画像補正処
理では、予め準備したテスト用画像データを処理対象と
し、2回目以後の画像補正処理では、コンテンツの各頁
を読取って作成された画像データを処理対象としてもよ
い。テスト用画像データは、コンテンツの各頁と同じ紙
質の紙に、コンテンツの各頁と同じ色の印刷インキを用
いて、地の部分と印刷インキが印刷される部分との面積
の比率が等しいパターンを印刷し、前記パターンが印刷
された紙面を、スキャナで読取って生成される。これに
よっても、生成される輝度補正ルックアップテーブルC
aLUT が、コンテンツの各頁の紙質および印刷インキの
色に、確実に適合することができる。
【0089】さらにまた、2回目以後の画像補正処理で
も、処理対象の入力画像データと輝度補正用ルックアッ
プテーブルCaLUT が適合しなくなる場合、ステップa
3の判定を否定して、輝度補正用ルックアップテーブル
CaLUT を作成しなおしてもよい。前記場合の例とし
て、たとえば、処理対象の入力画像データの生成時に読
取った頁の紙質が他の頁の紙質と異なる場合、前記読取
った頁の印刷インキの色が他の頁の印刷インキの色と異
なる場合、および前記読取った頁に絵が入っている場合
が挙げられる。
【0090】ステップa7の判定を行う理由は、以下の
通りである。たとえば、画像処理装置31が前記電子的
な刊行物の作成に用いられる場合、前記スキャナが読取
る原稿に印刷された画像が、いわゆる文書画像であるこ
とがある。文書画像とは、画像内に文字だけがあるもの
である。この場合に、文字の数が少なかったり文字を構
成する線が細かったりすると、入力画像データ51内の
文字の色に相当する輝度値の画素データの数が、文字の
色に相当する輝度値以外の他の輝度値の画素データの数
とほぼ等しくなることがある。この場合、輝度ヒストグ
ラムの曲線61の低域範囲W1内の部分に明瞭な盛上が
りが現れないことがあり、この場合、低域範囲W2内の
輝度値のうちで出現頻度が最大の輝度値が、文字の色ま
たは文字の色に類似する色に相当するとは限らない。こ
のために、前記場合に、前記曲線61の前記小さいほう
の極大値に対応する輝度値Lmax に基づいてコントラス
トの下限輝度値Lvをを推定すると、下限輝度値Lvが
実際の前記文字の色に相当する輝度値と一致しないこと
がある。ゆえに、下限輝度値Lvの誤りを防止するため
に、ステップa7の判定によって、下限輝度値Lvの推
定手法を変えているのである。
【0091】また、ステップa7の判定で前記高域範囲
W2内の出現頻度の最大値が閾値Th以上か否かを判定
していないのは、以下の理由からである。曲線61の高
域範囲W2内の盛上がりに相当する輝度値は、入力画像
の地の色、または入力画像の地の色に極めて近い色に相
当すると予想される。画素データが前記盛上がりに相当
する輝度値である画素は、入力画像の地の部分を構成す
る。入力画像内の地の部分を構成する画素の数は、入力
画像内の地の部分以外の残余の部分を構成する画素の
数、すなわち入力画像に描かれた線および点を構成する
画素の数と比較して極めて多いと予想される。ゆえに、
入力画像データ51内の前記輝度値の出現頻度は、他の
輝度値の出現頻度と比較して、極めて多いと予想され
る。したがって、曲線61の高域範囲W2内の部分には
明瞭な盛上がりが必ずあると考えられるので、盛上がり
の有無を判定していないのである。
【0092】また、図3の画像補正処理では、ステップ
a14,a15のLUT作成処理に代わって、式13〜
15に基づいて輝度補正用ルックアップテーブルCaLU
T を作成してもよい。
【0093】
【数3】
【0094】任意の処理前の輝度値kに対応する処理後
の輝度値CaLUT〔k〕は、以下の手順で決定される。ま
ず、任意の処理前の輝度値kが下限輝度値Lv以上であ
るか否か、および上限輝度値Hv未満であるか否かが、
判定される。任意の処理前の輝度値が下限輝度値Lv未
満であれば、式13に基づいて、処理後の輝度値CaLU
T〔k〕が0に定められる。任意の処理前の輝度値が下限
輝度値Lv以上上限輝度値Hv以下であれば、式14の
右辺が計算されて、処理後の輝度値CaLUT〔k〕が計算
された数値に定められる。任意の処理前の輝度値が上限
輝度値Hvをこえていれば、式15に基づいて、処理後
の輝度値CaLUT〔k〕が上限値Vmax に定められる。最
後に、定められた各処理後の輝度値CaLUT〔k〕が、前
記第2の記憶領域内の前記任意の処理前の輝度値kに対
応する小領域に、記憶される。これによって、コントラ
スト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成すること
なく、階調補正用ルックアップテーブルRLUT と入力画
像のコントラスト〔Lv,Hv〕とを用いて、輝度補正
用ルックアップテーブルCaLUT を直接作成することが
できる。したがって、コントラスト補正用ルックアップ
テーブルCLUT を作成する手間を省き、テーブル作成処
理を簡略化することができる。
【0095】また、階調補正用ルックアップテーブル
は、表示装置35に応じて予め作成されて、前記階調補
正用LUT記憶部44に記憶される。画像処理装置31
内の表示装置35を階調特性が異なる別の表示装置に取
換える場合、該記憶部44の記憶内容を前記別の表示装
置の階調特性に併せて変更するだけであり、図3の画像
補正処理の各ステップの処理を変更する必要はない。こ
れによって、表示装置35を交換する場合、データ処理
装置34の変更箇所が少ないので、表示装置35の交換
に伴う作業を簡略化することができる。
【0096】図3の画像補正処理では、輝度補正部38
は、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成せ
ずに、階調補正用ルックアップテーブルRLUT に基づく
輝度変換処理と、コントラスト補正用ルックアップテー
ブルCLUT に基づく輝度変換処理とを、入力画像データ
51に順次施しても良い。上述するように輝度補正用ル
ックアップテーブルCaLUT を作成する場合、画像輝度
変換部46は、入力画像データ51に輝度変換処理を1
回だけ施すことになるので、1回の輝度変換処理によっ
て、コントラスト補正と階調補正とが同時に行われるこ
とになり、処理が簡略化される。また、ステップa7,
a10,a11を省略して、ステップa6とステップa
8とを直結し、処理を簡略化してもよい。
【0097】上述の画像補正処理によって得られた出力
画像データを表示装置35に表示する場合、表示される
画像のコントラストは、データ規格上の最大のコントラ
スト〔Vmin ,Vmax 〕に拡大される。これによって、
表示装置に表示される画像のコントラストから、入力画
像データ前記原稿の紙質や印刷インクの色等の影響を除
いて、コントラストを向上させることができる。また、
出力画像データの各画素データと入力画像の各画素との
対応関係によって表示装置35の階調特性が補正される
ので、画像処理装置31全体の階調特性は線形になる。
前記対応関係は、画像入力装置33とデータ処理装置と
から構成される系の入出力特性に相当する。すなわち、
出力画像データによって、表示装置35の階調特性の偏
りが吸収される。このように、入力画像データに上記画
像補正処理を施すことによって、表示装置35の階調特
性を補正することができる。これらのことから、第1実
施形態の画像処理装置31は、入力画像のコントラスト
と表示装置35の表示特性とを同時に補正して、表示装
置35に表示される画像の視認性を向上させることがで
きる。
【0098】以下に、本発明の第2実施形態である画像
処理装置について説明する。第2実施形態の画像処理装
置は、第1実施形態の画像処理装置と比較して、データ
処理装置34が図8に示すデータ処理装置81に置換え
られる点が異なり、他は等しいので、同じ構成の装置、
データ、およびテーブルには、同じ符号を付し、説明は
省略する。
【0099】図8は、第2実施形態の画像処理装置内の
データ処理装置81の電気的な構成を表すブロック図で
ある。データ処理装置81は、文字領域抽出部83と、
画像鮮鋭化部84と、輝度補正部85と、データ記憶部
86と、操作部40とを含む。輝度補正部85は、階調
補正用LUT記憶部44と、画像輝度変換部87とを含
む。文字領域抽出部83は、入力画像51内から1また
は複数の文字領域を抽出する。文字領域とは、入力画像
51内の文字がある部分である。画像鮮鋭化部84は、
文字領域抽出部83の文字領域の抽出結果に基づいて、
入力画像データ51にいわゆる選択的鮮鋭化処理を施
す。この場合、入力画像内の文字領域に施す鮮鋭化処理
は、入力画像内の文字領域以外の残余領域に施す鮮鋭化
処理よりも、鮮鋭化の度合が強い。鮮鋭化が施された入
力画像データ51を、鮮鋭化画像データと称する。
【0100】輝度補正部85は、階調補正用ルックアッ
プテーブルRLUT に基づいて、鮮鋭化画像データに輝度
補正処理を施す。このためにデータ記憶部39は、画像
輝度変換部46は、鮮鋭化画像データの各画素データ
に、階調補正用ルックアップテーブルRLUT に基づいた
輝度変換処理をそれぞれ施す。前記輝度変換処理が施さ
れた画素データの集合が、出力画像データ89である。
データ記憶部86は、文字領域抽出部83、画像鮮鋭化
部84、および輝度補正部85がそれぞれ上述の処理を
行う際に、処理に用いる各種のデータを一時的に記憶す
る。このために、データ記憶部86内には、前記各種の
データをそれぞれ記憶するための複数の記憶領域が、そ
れぞれ設定されている。前記各記憶領域のアドレスは、
予め定められているものとする。データ記憶部86は、た
とえばランダムアクセスメモリによって実現される。
【0101】文字領域抽出部83、画像鮮鋭化部84、
および画像輝度変換部87は、それぞれ個別の回路によ
って実現される。また、前記部83,84,87のうち
の少なくとも2つの部は、単一の中央演算処理回路の演
算処理によって実現される仮想回路とされてもよい。
【0102】まず、鮮鋭化処理について、概略的に説明
する。鮮鋭化処理は、一般的に、式16によって表現さ
れる。式16〜18は、「画像解析ハンドブック」(東
京大学出版社、高木幹男下田陽久監修)の549頁に開
示されている。以下の式で、「F(x,y)」は入力画
像データ51を関数表現したものである。「∇2
(x,y)」はいわゆるラプラシアン画像を関数表現し
たものである。「G(x,y)」は鮮鋭化画像データを
関数表現したものである。「h(x,y)」は、鮮鋭化
の度合である。 G(x,y)=F(x,y)−h(x,y)×∇2F(x,y) …(16) h(x,y)=定数:均一な鮮鋭化処理 …(17) h(x,y)≠定数:選択的鮮鋭化処理 …(18)
【0103】式17に示すように、鮮鋭化の度合h
(x,y)が常に予め定める定数であるならば、式16
に基づいて、入力画像全体に均一に鮮鋭化処理が施され
る。また式18に示すように、鮮鋭化の度合が予め定め
る条件に基づいて変化する値であるならば、式16に基
づいて、入力画像にいわゆる選択的画像鮮鋭化処理が施
される。たとえば、鮮鋭化の度合h(x,y)がいわゆ
る線検出オペレータによって決定される場合、入力画像
内の線状構造の部分付近だけが鮮鋭化される。
【0104】入力画像データ51は、紙面に絵と文字と
が印刷されて構成される原稿をスキャナで読込んで作成
されると仮定する。入力画像内で文字が描かれる部分を
文字領域と称する。この場合、入力画像データに鮮鋭化
処理を施すと、一般に、文字はエッジ周辺でのコントラ
ストが高くなるので読みやすくなる。しかしながら、こ
の場合、鮮鋭化の度合が強過ぎると、画像内の文字のエ
ッジ周辺にある画素の輝度は真白または真黒に偏るの
で、見た目が2値化画像に類似することがある。これに
よって、文字が潰れたりかすれたりするので、逆に文字
が見辛くなる。上述したことは、特に、表示装置の構造
上1文字を明瞭に表示するために必要な画素の数より
も、1文字を構成する画素の数が少ない文字に顕著に起
こる。たとえば、ハーフトーンで文字を表示する場合、
一般的な漢字を含めた文字を、判別可能な大きさで表示
するには、20ドット×20ドット以上必要であり、こ
れより少ない構成画素で文字を表示しようとした場合
に、前述の問題が発生する。
【0105】また、絵は、いわゆる濃淡画像と同じ手
法、またはいわゆる網点画像と同じ手法で描かれてい
る。濃淡画像と同じ手法の絵に鮮鋭化処理が施される場
合、入力画像データに含まれる雑音が強調されので、見
た目がザラザラした感じになったり、エッジ部分のがた
つきが目立つことがある。また網点画像と同じ手法の絵
に鮮鋭化処理が施される場合、空間周波数の高域周波数
成分が強調されて、モアレが発生することがある。これ
らの問題を回避するために、本実施形態の画像処理装置
では、入力画像データ51内の文字領域と残余領域との
鮮鋭化の度合h(x,y)を変えている。
【0106】図9は、第2実施形態の画像処理装置が実
行する画像補正処理を説明するためのフローチャートで
ある。図9のフローチャートを用いて、画像補正処理を
説明する。たとえば、画像処理装置の操作者が、操作部
40を用いて画像補正処理の実行を指示すると、ステッ
プb1からステップb2に進む。
【0107】まず、画像入力装置33が、ステップb2
で、入力画像データ51を、データ記憶部86の予め定
める第1の記憶領域に記憶させる。入力画像データ51
は、画像補正処理が始まってから作成してもよく、また
画像補正処理を開始する前に予め作成しておいてもよ
い。入力画像データ51が表す入力画像91を、図10
に表す。
【0108】次いで、文字領域抽出部83が、ステップ
b3〜b10の文字領域の抽出処理を行う。具体的に
は、まず文字領域抽出部83は、ステップb3で、入力
画像データに2値化処理を施す。これによって、入力画
像の全ての画素データのうちで、入力画像91の地の部
分を構成する画素に対応する画素データは「0」に変換
され、前記地の部分を構成する画素に対応する画素デー
タ以外の残余の画素データは「1」に変換される。前記
残余の画素データは、文字を構成する線および点を構成
する画素、ならびに絵や写真の暗い部分を構成する画素
にそれぞれ対応する。2値化処理が施された入力画像デ
ータを、2値画像データと称し、2値画像データが表す
画像を、2値画像と称する。2値画像データの各画素デ
ータは、輝度値を意味するものではない。2値画像デー
タは、データ記憶部86の予め定める第2の記憶領域に
記憶される。2値化処理は、具体的には、たとえば、判
別分析法、モード法、または徴分ヒストグラム法を用
い、各手法のパラメータは、入力画像データの画素デー
タが上述のように変換されるように調整されている。2
値画像92を、図11に表す。図11では、画素データ
が「1」である画素は黒画素で記し、画素データが
「0」である画素は白画素で記している。
【0109】次いで、文字領域抽出部83は、ステップ
b4で、2値画像92内で、画素データが1の画素の連
結部分を、全て求める。連結部分とは、2値画像92内
で、画素データが1の複数の画素が順次隣接して連なっ
ている部分である。すなわち、連結部分を構成する画素
の画素データは全て1であり、かつ、連結部分を構成す
る任意の1つの画素は、該連結部分を構成する少なくと
も1つの他の画素に隣接する。このために、文字領域抽
出部83は、2値画像データにいわゆるラベリング処理
を施し、単一の連結部分を構成する各画素に対応する画
素データに、同じラベル、すなわち番号をつける。ラベ
リング処理の詳細は、公知の技術と等しいので、詳細な
説明は省略する。
【0110】図11の2値画像92を表す2値画像デー
タにラベリング処理を施した場合、複数の連結部分が得
られる。ステップb4の処理が終了した時点では、たと
えば「い」であるような、文字を構成する線が複数ある
文字は、各線がそれぞれ独立した連結部分であると見な
され、各線にそれぞれ異なるラベルが付される。また、
絵がいわゆる濃淡画像として描かれている場合、絵の暗
い部分が1つの連結部分として見なされる。さらにま
た、絵がいわゆる網点画像として描かれる場合、2つ以
上の画素から構成される複数の網点がそれぞれ独立した
連結部分であると見なされる。
【0111】次いで、文字領域抽出部83は、ステップ
b4で求められた各連結部分の外接矩形をそれぞれ求め
る。前記連結部分は文字であると予想されるので、求め
られる外接矩形は、文字領域の候補となる。続いて、文
字領域抽出部83は、ラベリングテーブルを作成する。
ラベリングテーブルは、各外接矩形毎に、各連結部分を
構成する画素に付されたラベルと、各連結部分の外接矩
形を定義するためのパラメータと、各外接矩形の除外フ
ラグと、各外接矩形の文字フラグとを、対応付けたもの
である。i番目の外接矩形を規定するためのパラメータ
は、たとえば、該外接矩形の左上の頂点の座標(si,
ti),該外接矩形の左下の頂点座標(ui,vi)、
ならびに、該外接矩形の高さhiおよび幅wiである。
iは、任意の整数である。前記頂点の座標は、2値画像
92内の画素の位置を特定するために2値画像92に設
定されている2次元座標系の座標である。各外接矩形の
除外フラグは、ステップb5の初期状態では、全てリセ
ット状態であって各外接矩形が文字領域の候補であるこ
とを表している。後述する除外処理によって文字領域で
はないと判定された外接矩形の除外フラグは、セットさ
れる。各外接矩形の文字フラグは、後述の第3の除外処
理に用いられる。ラベリングテーブルは、データ記憶部
86の予め定める第3の記憶領域に記憶される。
【0112】
【表2】
【0113】表2は、図11の2値化画像92に基づい
て外接矩形を求めた場合に作成されるラベリングテーブ
ルを表す。またこの場合に求められた各連結部分の外接
矩形N1 〜Nn+2 を、図12に示す。以後、座標(x,
y)のx座標値xおよびy座標値yは、2値画像92内
の予め定める基準点からx座標軸およびy座標軸に平行
に座標(x,y)の画素がある列および行までの画素の
数に相当すると仮定する。また、外接矩形の幅および高
さの単位は、ドット、すなわち画素の数であると仮定す
る。ステップb5の処理が終了した時点では、たとえば
「ろ」であるような、1本の線から構成される文字は単
一の外接矩形内に入っている。逆に、たとえば「い」で
あるような、文字を構成する線が複数ある文字は、各線
がそれぞれ独立した外接矩形内に入っており、文字全体
が1つの外接矩形に入っていない。
【0114】すなわち、ステップb3,b4の処理は、
入力画像91の中に、輝度が相互に類似する複数の画素
が連結して構成される連結部分に外接する外接矩形を設
定する外接矩形設定処理である。前記連結部分は文字で
あると予想されるので、設定される外接矩形は、文字領
域の候補となる。しかしながら、前記外接矩形設定処理
だけを行った場合、上述の「い」のように、文字の形状
に起因して、単一の文字が単一の外接矩形に入っていな
いことがある。また前記場合、文字の外接矩形の他に、
絵の暗い部分の外接矩形も同時に求められている。さら
にまた、前記場合、入力画像91に罫線が描かれている
ならば、罫線の外接矩形も同時に求められてしまう。こ
のために、文字領域抽出部83は、ステップb6〜b1
0の文字判定処理によって、外接矩形設定処理で求めた
全ての外接矩形のうちで、文字の外接矩形だけを選択す
る。
【0115】まず、ステップb6で、文字領域抽出部8
3は、各外接矩形のサイズに基づいて全ての外接矩形の
うちから文字以外の連結部分に外接する外接矩形を除外
する第1の除外処理を行う。このために、文字領域抽出
部83は、ラベリングテーブルに記憶された各外接矩形
の高さおよび幅が、予め定める鮮鋭化を施すべき文字の
高さおよび幅に関する第1の除外条件に適合するか否か
を、それぞれ判定する。前記第1の除外条件は、式19
で表される。任意のラベル番号iの外接矩形の高さhi
および幅wiの少なくとも一方が式19の各項の条件の
少なくとも1つを満たす場合、前記第1の除外条件が満
たされると判定する。Smin は、鮮鋭化を施すべき文字
の高さおよび幅の最小値である。Smax は、鮮鋭化を施
すべき文字の高さおよび幅の最大値である。たとえば、
前記最小値Smin は2ドットであり、前記最大値Smax
は、30ドットである。文字が判読できるかどうかは、
文字の構成ドット数で決まる。最小値Smin および最大
値Smax の上記の具体的な値は、表示解像度のデータを
扱う場合のものである。2ドット以下の連結成分は、網
点や2値化時の雑音である可能性があるので除去する。
30ドット以上の連結成分は、文字であっても、それだ
けのドットがあれば判読できるので、鮮鋭化をかける必
要がそれほどないため、除去する。またこの最小値Smi
n および最大値Smax は表示解像度より高い解像度の画
像、たとえばスキャナで読み込んだ時点での画像に対し
ては、(入力解像度/表示解像度)倍した値になる。一
般的な日本語フォントでは、文字の外接矩形は正方形に
なることが多いので、高さと幅の最大値を等しくし、か
つ高さと幅の最小値も等しくしてある。
【0116】文字領域抽出部83は、第1の除外条件に
適合する外接矩形を、ラベリングテーブルから除外す
る。具体的には、第1の除外条件に適合する外接矩形の
除外フラグをセットする。除外フラグがセットされてい
る場合、その除外フラグに対応する外接矩形は文字領域
の候補から除外され、セットされていない場合に、その
除外フラグに対応する外接矩形は文字領域の候補である
と見なされる。 (hi>Smax)or(hi<Smin)or(wi>Smax)or(wi<Smin) …(19)
【0117】一般的に、濃淡画像と同じ手法の絵の暗い
部分は鮮鋭化を施すべき文字よりも大きい。また、網点
画像と同じ手法の絵の網点は、鮮鋭化を施すべき文字よ
りも小さい。さらにまた、罫線は、高さおよび幅のいず
れか一方が鮮鋭化を施すべき文字よりも大きい。ゆえ
に、第1の除外処理によって、絵の暗い部分や罫線の外
接矩形を文字領域の候補から除くことができる。
【0118】
【表3】
【0119】表3は、図10の入力画像91を処理対象
とした場合の、ステップb6の処理が終了した時点のラ
ベリングテーブルを表す。また前記時点でラベリングテ
ーブルに残っている各外接矩形N2 〜Nn+2 を、図13
に示す。前記時点では、ラベル番号が1の外接矩形N1
は、絵の暗い部分に相当する連結部分に外接していたの
で、文字領域の候補から除かれているが、ラベル番号が
2の外接矩形N2 は、絵の暗い部分に相当する連結部分
に外接していたが、該連結部分の高さおよび幅が文字の
高さおよび幅にそれぞれ近いので、文字領域の候補から
除かれていない。また、ラベル番号が3〜n+1の外接
矩形N3 〜Nn+1 は、それぞれ文字または文字の一部分
に外接しているので、文字領域の候補から除かれていな
い。
【0120】再び図9を参照する。次いで、文字領域抽
出部83は、ステップb7で、第1の統合処理を行う。
第1の統合処理では、除外フラグがセットされていない
外接矩形のうちでお互い重なりあっているもの同士が統
合されて、1つの外接矩形になる。このために、文字領
域抽出部83は、ラベリングテーブル内で除外フラグが
セットされていない外接矩形のうちのいずれか1つの外
接矩形が、該いずれか1つの外接矩形以外の他の外接矩
形の少なくとも一部分に重なっていないか否かをそれぞ
れ判定する。前記いずれか1つの外接矩形が少なくとも
一部分に重なっている他の外接矩形がある場合、まず、
前記いずれか1つの外接矩形の連結部分と前記他の外接
矩形内の連結部分とが同時に入る最小の外接矩形を求め
る。次いで、ラベリングテーブル内の、前記いずれか1
つの外接矩形と前記他の外接矩形とのうちのいずれか一
方の外接矩形の左上および右下の頂点の座標、幅ならび
に高さを、求めた外接矩形の左上および右下の頂点の座
標、幅ならびに高さにそれぞれ置換えて更新し、前記い
ずれか1つの外接矩形と前記他の外接矩形とのうちのい
ずれか他方に除外フラグをセットする。この処理を、前
記いずれか1つの外接矩形をたとえばラベルの順に変更
して繰返し行い、他の外接矩形と重なり合う外接矩形が
なくなるまで、続ける。
【0121】
【表4】
【0122】表4は、図10の入力画像91を処理対象
とした場合に、ステップb7の処理が終了した時点のラ
ベリングテーブルを表す。前記時点では、ラベル番号が
1〜n−1の外接矩形N1 〜Nn-1 の状態は、表3の状
態と等しい。また、ラベル番号がnである外接矩形Nn
のパラメータが、「た」全体に外接する外接矩形のパラ
メータに書換えられ、ラベル番号がn+1,n+2の外
接矩形Nn+1,Nn+2は、文字領域の候補から除かれてい
る。これによって、単一の文字が複数の連結部分に分割
されている場合、各連結部分に外接する外接矩形が相互
に重なっていれば、これら外接矩形を統合して、前記文
字全体に外接する単一の外接矩形を得ることができる。
【0123】再び図9を参照する。次いで、文字領域抽
出部83は、ステップb8で、第2の統合処理を行う。
第2の統合処理では、除外フラグがセットされていない
外接矩形のうちで、高さと幅の比が予め定める基準の比
と大きく異なる外接矩形が、前記異なる外接矩形の周辺
の外接矩形と統合されて、1つの外接矩形になる。第2
の統合処理は、たとえば、「い」のように、単一の文字
が複数の連結部分に分割されていて、かつ、各連結部分
に外接する外接矩形が相互に重なっていない場合に、前
記文字全体に外接する単一の外接矩形を得るために行わ
れる。第2の統合処理の詳細は後述する。ステップb
7,b8の処理を行うことで、「た」,「い」のように
複数の連結部分に分割された文字全体に外接する外接矩
形を得ることができる。
【0124】続いて、文字領域抽出部83は、ステップ
b9で、第2の除外処理を行う。第2の除外処理では、
除外フラグがセットされていない各外接矩形が、入力画
像91内の各外接矩形に相当する部分を構成する複数の
画素の輝度値のうちの最大値および最小値の差に基づい
て、文字領域であるか否かを判定される。入力画像91
の各画素と2値化画像92の各画素とは、それぞれ1対
1で対応するので、入力画像91内の前記各外接矩形に
相当する部分とは、前記各外接矩形のパラーメータと同
じ値のパラメータによって、入力画像91内に定義され
る矩形を外周とする部分である。表5は、図10の入力
画像91を処理対象とした場合に、ステップb9の処理
が終了した時点のラベリングテーブルを表す。
【0125】
【表5】
【0126】第2の除外処理によって、除外フラグがセ
ットされていない外接矩形のうちから、文字領域以外の
外接矩形を除外することができる理由を、図14を用い
て説明する。図14内の各矩形は、ステップb9の処理
が終了した時点でラベリングテーブルに残されている各
外接矩形に相当する入力画像91内の部分M2 〜Mnを
表す。入力画像91内の部分Mn は、文字に外接する外
接矩形Nn に相当する部分であり、入力画像91内の部
分M2 は、絵の暗い部分に外接する外接矩形N2 に相当
する部分である。前記部分Mn 内の文字の線を構成する
画素の輝度値は真黒または真黒に近い色に相当し、か
つ、前記部分Mn 内の地の部分を構成する画素の輝度値
は真白または真白に近い色に相当する。ゆえに、前記部
分Mn を構成する画素の輝度値の最大値および最小値の
差が、画素輝度範囲の最大値Vmaxおよび最小値Vmin
の差とほぼ等しいと考えられる。
【0127】逆に、前記部分M2 内の絵の暗い部分に隣
接する部分を構成する画素の輝度値は、真白または真白
に近い色に相当するとは限らない。ゆえに、前記部分M
2 を構成する画素の輝度値の最大値および最小値の差
は、画素輝度範囲の最大値Vmax および最小値Vmin の
差と比べて小さくなり易い。このために、前記各外接部
分に相当する入力画像91内の部分を構成する複数の画
素の輝度値の最大値および最小値の差に基づいて、前記
各部分が文字領域であるか否かを判定することができる
のである。
【0128】このために、文字領域抽出部83は、ま
ず、入力画像91内の前記各外接矩形に相当する部分
を、それぞれ求める。次いで、求めた前記各相当する部
分毎に、該各部分を構成する複数の画素の画素データの
うちの最大値および最小値、すなわち該各部分を構成す
る複数の画素の輝度値のうちの最大値および最小値を、
それぞれ求める。続いて、前記各相当する部分毎に、前
記輝度値の最大値と前記輝度値の最小値との差分が予め
定める閾値を越えるか否かをそれぞれ判定し、判定結果
に応じて前記各外接矩形の除外フラグを設定する。すな
わち、前記差分が前記閾値を越える前記部分は、文字領
域である可能性が高いと見なされ、該部分に相当する外
接矩形の除外フラグがリセットしたままの状態に保たれ
る。前記差分が前記閾値以下である前記部分は、絵の一
部分であるとみなされ、該部分に相当する外接矩形の除
外フラグがセットされる。
【0129】次いで、文字領域抽出部83は、ステップ
b10で、第3の除外処理を行う。第3の除外処理で
は、除外フラグがセットされていない外接矩形の相互の
位置関係および前記外接矩形のサイズの類似の有無に基
づいて、前記各外接矩形が文字領域であるか否かを判定
する。第3の除外処理は、以下の理由で行われる。入力
画像91内の文字が文章を構成する場合、文章が縦書き
ならば複数の文字の外接矩形は上下方向に並び、文章が
横書きならば複数の文字の外接矩形は左右方向に並ぶ。
またこの場合、各外接矩形の大きさはほぼ等しい。しか
しながら、絵の暗い部分の外接矩形は、前記暗い部分が
単一であれば文字の外接矩形から孤立しており、前記暗
い部分が複数あっても各暗い部分の外接矩形は無秩序に
並び、サイズもまちまちであると考えられる。このた
め、前記外接矩形の相互の位置関係およびサイズの類似
性に基づいて、前記各外接矩形が文字に外接するか否か
を判定することができるのである。第3の除外処理の詳
細な説明は省略する。
【0130】以上の処理により、ラベリングテーブル内
では、文字の外接矩形の除外フラグだけがリセットされ
たまま残り、文字以外の連結部分の外接矩形の除外フラ
グはセットされる。文字領域抽出部83は、ラベリング
テーブル内で、除外フラグがリセットされたまま残され
た外接矩形のパラメータと該外接矩形のラベルとを対応
付けて、データ記憶部86の前記第3の記憶領域に書込
む。前記記憶領域に書き込まれたデータから、最終的な
ラベリングテーブルが構成される。以上で、文字領域抽
出処理は終了する。
【0131】続いて、画像鮮鋭化部84は、ステップb
11で、領域別画像鮮鋭化処理のために、入力画像91
の各画素(x,y)の鮮鋭化の度合h(x,y) を設定す
る。x,yは、それぞれ任意の整数であり、各画素の入
力画像91内の座標に基づいて一義的に定まる。各画素
(x,y)の鮮鋭化の度合h(x,y) は、式20によって
定義される。予め定める第1および第2の定数αc,α
iは、表示装置の特性、文字と画素の大きさの関係、お
よび使用者が表示装置35を目視した際の感じ方によっ
て定められ、第2実施形態の画像処理装置の操作者が予
めデータ処理装置81に入力しておく。たとえば、第1
の定数αcは0.5であり、第2の定数αiは0.2で
ある。 (x,y)∈ 残った外接矩形:h(x,y) = αc それ以外:h(x,y) = αi 0≦αi<αc≦1.0 …(20)
【0132】具体的には、画像鮮鋭化部84は、まず、
データ記憶部86から前記最終的なラべリングテーブル
を読込む。次いで、各画素(x,y)が、最終的なラベ
リングテーブルテーブル内の外接矩形のパラメータによ
って定義される外接矩形、すなわち文字領域内にあるか
否かを、それぞれ判定する。文字領域内にある画素の鮮
鋭化の度合h(x,y) は、予め定める第1の定数αcに設
定され、文字領域外にある画素の鮮鋭化の度合h(x,y)
は、予め定める第2の定数αiに設定される。これによ
って、図15に示すように、文字領域内の画素の鮮鋭化
の度合h(x,y)だけが、第1の定数αcに設定さ
れ、文字領域外の画素の鮮鋭化の度合h(x,y)は、
第2の定数αiに設定される。
【0133】続いて、画像鮮鋭化部84は、ステップb
12で、ステップb11で定義した各画素の鮮鋭化の度
合h(x,y) を用いて、データ記憶部86に記憶されてい
る入力画像データ51に、選択的画像鮮鋭化処理を施
す。具体的には、入力画像データの各画素データf(x,
y) を、該各画素データがそれぞれ対応する画素の鮮鋭
化の度合h(x,y) を用い式21に基づいて変換して、鮮
鋭化画像の画素データg(x,y) を得る。f(x+1,y),f
(x-1,y),f(x,y+1),f(x,y-1)は、それぞれ画素デー
タf(x,y) が対応する画素の4隣接の画素の画素データ
である。得られた鮮鋭化画像の画素データg(x,y) の集
合が、鮮鋭化画像データGである。鮮鋭化画像データ
は、入力画像データと比較して、各画素データの実際の
輝度値が異なるだけで、他は等しい。鮮鋭化画像データ
Gは、データ記憶部86の予め定める第4の記憶領域に
記憶される。以上で、画像鮮鋭化処理が終了する。 g(x,y) =f(x,y)−h(x,y) ×▽2 f(x,y) =f(x,y)−h(x,y) ×[f(x+1,y)+f(x-1,y)+f(x,y+1) +f(x,y-1)−4×f(x,y)] …(21)
【0134】次に、画像輝度変換部87は、ステップb
13で、鮮鋭化画像データGに、階調補正用ルックアッ
プテーブルRLUT に基づいた輝度補正処理を施す。具体
的には、まず階調補正用LUT記憶部44から階調特性
補正用ルックアップテーブルRLUT を読出し、さらに鮮
鋭化画像データGをデータ記憶部86の前記記憶領域か
ら読出す。続いて、式22と階調特性補正用ルックアッ
プテーブルRLUT とに基づいて、鮮鋭化画像データGの
各画素データg(x,y) をそれぞれ輝度変換して、出力画
像データ89の各画素データga(x,y) をそれぞれ得
る。得られた各画素データga(x,y) は、データ記憶部
86の予め定める第5の記憶領域内のアドレスに記憶さ
れる。前記アドレスは、得られた各画素データga(x,
y) が対応する画素の出力画像内の位置座標に基づい
て、それぞれ予め定められている。 ga(x,y) = RLUT〔g(x,y)〕 …(22)
【0135】ステップb13の輝度変換処理は、第1実
施形態の画像処理装置のステップa16の輝度変換処理
と比較して、入力画像データ51に代わって鮮鋭化画像
データGを処理対象とし、かつ輝度補正用ルックアップ
テーブルCaLUT に代わって階調補正用ルックアップテ
ーブルRLUT を用いる点が異なり、他は等しい。これに
よって、出力画像データ89が得られる。最後に、ステ
ップb14で、得られた出力画像データ89が表示装置
35に与えられて、ステップb15で画像補正処理が終
了する。
【0136】図9の画像補正処理では、第1〜第3の除
外処理を順次行い、また、第1および第2の統合処理を
順次行っている。上記画像補正処理では、3つの除外処
理のうちの少なくとも1つを行えばよい。また、3つの
除外処理のうちのいずれか2つを実行する場合、実行す
る除外処理の組合わせおよび順番はどのように定めても
良い。さらに、3つの除外処理を行う場合の順番は、上
述の順に限らない。実際には、2つ以上の除外処理を行
う場合、第3の除外処理を最後に行うと、処理対象とな
る複数の外接矩形の数が第3の除外処理を1番目または
2番目に行う場合よりも減少するので、処理が簡単にな
り、好ましい。さらに、ステップb3〜b5の処理で文
字の外接矩形だけが得られる場合、これら除外処理を省
略して処理を簡略化してもよい。さらにまた、上記画像
補正処理では、2つの統合処理のうちのいずれか一方だ
け行ってもよい。また、2つの統合処理を行う場合の順
番は、上述の順に限らない。さらに、ステップb3〜b
5の処理で単一の文字が必ず1つの外接矩形に含まれる
場合、これら統合処理を省略して処理を簡略化してもよ
い。
【0137】図16は、前記第2の統合処理を詳細に説
明するためのフローチャートである。図9の画像補正処
理において、ステップb7からステップb8に進むと、
ステップc1からステップc2に進む。文字領域抽出部
83は、まずステップc2で、カウンタnを初期化し
て、1を記憶させる。ラベリングテーブル内で、カウン
タnが記憶する値と等しいラベルに対応するパラメータ
によって定義される外接矩形が、処理対象の外接矩形と
なる。続いて、ステップc2で、文字領域抽出部83
は、処理対象の外接矩形に対応する除外フラグがセット
されているか否かを判定する。セットされている場合、
ステッc3からステップc18に進む。セットされてい
ない場合、ステップc3からステップc4に進む。
【0138】ステップc4では、文字領域抽出部83
は、式23に基づいて、処理対象の外接矩形のサイズに
関する第1の値L(n) を設定する。第1の値L(n) は、
処理対象の外接矩形の高さhnおよび幅wnのうちで、
大きいほうの値である。またステップc4では、文字領
域抽出部83は、ステップc5で、式24に基づいて、
処理対象の外接矩形のサイズに関する第2の値R(n) を
設定する。第2の値R(n) は、処理対象の外接矩形の高
さhnに対する処理対象の外接矩形の幅のwnの比、お
よび処理対象の外接矩形の幅wnに対する処理対象の外
接矩形の高さhnの比のうちで、大きいほうの値であ
る。 L(n) = max(hn,wn) …(23) R(n) = max(hn/wn,wn/hn) …(24)
【0139】次いで文字領域抽出部83は、ステップc
6で、処理対象の外接矩形の高さと処理対象の外接矩形
の幅とが大きく異なるか否か、すなわち処理対象の外接
矩形が正方形ではないか否かを判定する。このために文
字領域抽出部83は、式25に基づいて、第2の値R
(n) が予め定める定数cを越えるか否かを判定する。 R(n) > c …(25)
【0140】処理対象の外接矩形が単一の文字全体に外
接している場合、処理対象の外接矩形はほぼ正方形にな
り、第2の値R(n) は1に近くなる。これは、フォント
の違いや、「り」、「つ」のように外接矩形が正方形に
ならない文字が存在することに、起因する。実際の処理
では、文字の種類によるずれや誤差を考慮して、定数c
はたとえば1.5に設定される。第2の値R(n) が定数
c以下である場合、処理対象の外接矩形はほぼ正方形で
あると考えられる。この場合、処理対象の外接矩形は単
一の文字全体に外接しているので、第2の統合処理を行
う必要がないと考えられる。ゆえに、この場合、ステッ
プc6からステップc18に進む。また、第2の値R
(n) が定数cを越える場合、処理対象の外接矩形nは縦
長または横長の長方形であると見なされる。この場合、
処理対象の外接矩形は、単一の文字を構成する複数の連
結部分のうちの一部分だけに外接していると考えられる
ので、近隣矩形の統合処理を行う必要がある。ゆえにこ
の場合、ステップc6からステップc7に進む。
【0141】ステップc7では、文字領域抽出部83
は、処理対象の外接矩形と統合可能な他の外接矩形の有
無を調べるための探索領域S(n) を設定する。探索領域
S(n)を構成する複数の画素の座標(x,y)は、たと
えば、以下の式26によってそれぞれ定義される。C
(n)xおよびC(n)yは、処理対象の外接矩形の中心の座標
のx座標およびy座標である。 {C(n)x−L(n)≦x≦C(n)x+L(n)}∩{C(n)y−L(n)≦y≦C(n)y+L(n)} …(26)
【0142】続いて、ステップc8〜c10で、文字領
域抽出部83は、2値化画像92内に設定された外接矩
形のうちで処理対象の外接矩形以外の残余の外接矩形、
すなわちラベルがnではない全ての外接矩形の中から、
探索領域S(n) と重なる外接矩形を探索する。具体的に
は、文字領域抽出部83は、まずステップc8で、カウ
ンタmを初期化して1を記憶させる。カウンタmが記憶
する値と等しいラベルに対応するパラメータによって定
義される外接矩形が、比較対象の外接矩形となる。次い
で、ステップc9で、カウンタmに記憶された値がカウ
ンタnに記憶された値と異なり、かつ、比較対象の外接
矩形に対応する除外フラグがセットされていないか否か
を判定する。カウンタn,mに記憶された値が等しい場
合、または前記除外フラグがセットされている場合、ス
テップc9からステップc16に進む。カウンタn,m
に記憶された値が異なりかつ前記除外フラグがリセット
されている場合、ステップc9からステップc11に進
む。
【0143】文字領域抽出部83は、ステップc11
で、処理対象の外接矩形と比較対象の外接矩形とを統合
した外接矩形を、仮の外接矩形vとして考える。前記仮
の外接矩形vは、処理対象の外接矩形内の連結部分と比
較対象の外接矩形内の連結部分とを含む最小の矩形であ
る。次いで、前記仮の外接矩形vの第1の値L(v) およ
び第2の値R(v) を計算する。続いて、文字領域抽出部
83は、ステップc12で、仮の外接矩形の第1の値L
(v) が式27に示す第1の統合条件を満たすか否かを判
定する。第1の統合条件は、外接矩形の大きさの変動を
制限するものである。仮の外接矩形の第1の値L(v) が
第1の統合条件を満たさない場合、ステップc12から
ステップc16に進む。仮の外接矩形の第1の値L(v)
が第1の統合条件を満たす場合、ステップc12からス
テップc13に進む。文字領域抽出部83は、ステップ
c13で、仮の外接矩形の第2の値R(v) が式28に示
す第2の統合条件を満たすか否かを判定する。第2の統
合条件は、仮の外接矩形の高さと仮の外接矩形の幅との
比が、1に近付いたか否かを確認するためのものであ
る。仮の外接矩形の第2の値R(v) が第2の統合条件を
満たさない場合、ステップc13からステップc16に
進む。仮の外接矩形の第2の値R(v) が第2の統合条件
を満たす場合、ステップc13からステップc14に進
む。すなわち、仮の外接矩形の第1および第2の値L
(v) ,R(v)が第1および第2の統合条件をそれぞれ満
たす場合、処理対象の外接矩形内の連結部分と比較対象
の外接矩形内の連結部分とは、どちらも同じ1つの文字
を構成する複数の連結部分の1つであると見なされる。
ここで、aは0.2とする。 |L(v)−L(n)|÷L(n)<a and …(27) |R(v)−1.0|<|R(n)−1.0| …(28)
【0144】文字領域抽出部83は、ステップc14
で、処理対象の外接矩形と比較対象の外接矩形とを統合
した新たな外接矩形を設定し、ラベリングテーブル内の
処理対象の外接矩形のパラメータを、新たな外接矩形の
パラメータに書換える。前記新たな外接矩形のパラメー
タは、たとえば、前述の仮の外接矩形のパラメータと等
しい。続いて、文字領域抽出部83は、ステップc15
で、ラベリングテーブル内の比較対象の外接矩形のパラ
メータに対応する除外フラグをセットする。
【0145】続いて、文字領域抽出部83は、ステップ
c16でカウンタmの記憶する値に1を加算して更新
し、ステップc17でカウンタmの更新された値が2値
化画像92内に設定された外接矩形の総数を越えたか否
かを判定する。カウンタmの更新された値が前記総数以
下である場合、ステップc17からステップc9に戻
り、カウンタmの更新された値と等しいラベルに対応す
るパラメータによって定義される外接矩形を、新たな比
較対象の外接矩形として、ステップc9〜c16の処理
を繰返す。カウンタmの更新された値が前記総数を越え
た場合、ステップc17からステップc18に進む。
【0146】続いて文字領域抽出部83は、ステップc
18でカウンタnの記憶する値に1を加算して更新し、
ステップc19でカウンタnの更新された値が前記総数
を越えたか否かを判定する。カウンタnの更新された値
が前記総数以下である場合、ステップc19からステッ
プc3に戻り、カウンタnの更新された値と等しいラベ
ルに対応するパラメータによって定義される外接矩形
を、新たな処理対象の外接矩形として、ステップc4〜
c19の処理を繰返す。カウンタnの更新された値が前
記総数を越えた場合、ステップc20で前記第2の統合
処理が終了する。
【0147】図17を用い、ステップc9〜c16の処
理を、具体的に説明する。図17において、外接矩形N
3 ,N4 は、入力画像91の下部の文章のうちの左端の
文の最上部の文字「い」の2つの連結部分にそれぞれ外
接し、外接矩形N5 は、前記文の上から2番目の文字
「ろ」に外接する。処理対象の矩形領域を外接矩形N3
と仮定する。また図17(A)では、処理対象の外接矩
形N3 の探索領域S3 に、斜線を付して示す。この場
合、外接矩形N4 ,N5 は、その一部分が探索領域S
(3) にそれぞれ重なるので、比較対象の外接矩形として
選ばれる。図17(B)に示すように、外接矩形N3 ,
N4 を統合すると仮想する場合、仮の外接矩形N3+5 の
第1および第2の値L(3+4) ,R(3+4) は、式29,3
1に示すように、第1および第2の統合条件をそれぞれ
満たす。図17(C)に示すように、外接矩形N3 ,N
5 を統合すると仮想する場合、仮の外接矩形N3+5 の第
1の値L(3+5) は、式31に示すように、第1の統合条
件を満たさない。 |L(3+4)−L(3)|÷L(3)=0.1<a …(29) |R(3+4)−1.0|=0.05<|R(3)−1.0|=1.0 …(30) |L(3+5)−L(3)|÷L(3)=1.3>a …(31)
【0148】
【表6】
【0149】式29〜31の演算は、仮の外接矩形Ni
(i=3,4,5,3+4,3+5)について、上記表
のような結果が得られるので、これに基づいている。a
を0.2としているのは、2割以上大きさが変わるなら
ば、同一文字として統合するには不向きだからである。
【0150】このように、仮の外接矩形N3+4 は、単一
の文字「い」を構成する複数の連結部分にそれぞれ外接
する外接矩形を統合したものなので、第1および第2の
統合条件を満たす。逆に、仮の外接矩形N3+5 は、単一
の文字「い」を構成する複数の連結部分のうちの1つに
外接する外接矩形と、単一の文字「ろ」に外接する外接
矩形とを統合したものなので、第1および第2の統合条
件の少なくとも一方を満たさない。したがって、文字領
域抽出部83は、式27,28で示すの第1および第2
の統合条件に基づいて、単一の文字を構成する複数の連
結部分にそれぞれ外接する外接矩形同士だけを統合する
ことができる。
【0151】図18は、第3の除外処理を詳細に説明す
るためのフローチャートである。図9の画像補正処理に
おいて、ステップb9からステップb10に進むと、ス
テップd1からステップd2に進む。文字領域抽出部8
3は、まずステップd2で、ラベリングテーブル内の全
ての文字フラグを、「未定」に設定する。次いで文字領
域抽出部83は、ステップd3で、カウンタnを初期化
して、1を記憶させる。ラベリングテーブル内で、カウ
ンタnが記憶する値と等しいラベルに対応するパラメー
タによって定義される外接矩形が、処理対象の外接矩形
となる。続いて、ステップd4で、文字領域抽出部83
は、処理対象の外接矩形に対応する除外フラグがセット
されているか否かを判定する。セットされている場合、
ステップd4からステップd16に進む。セットされて
いない場合、ステップd4からステップd5に進む。ス
テップd5〜d15は、文字フラグを選択的にセットす
る処理である。
【0152】文字領域抽出部83は、まずステップd5
で、カウンタnの記憶する値が2値化画像92内に設定
された外接矩形の総数を越えたか否かを判定する。カウ
ンタnの記憶する値が前記総数を越えた場合、ステップ
d5からステップd17に進む。カウンタnの記憶する
値が前記総数以下である場合、ステップd5からステッ
プd6に進む。
【0153】文字領域抽出部83は、ステップd6で、
処理対象の外接矩形が文字であるか否かを調べるための
探索領域Sa(n) を設定する。探索領域Sa(n) を構成
する複数の画素の座標(x,y)は、たとえば、式32
によって定義される。この結果、探索領域Sa(n) は、
図19に示すように、処理対象の外接矩形を中心とし
て、入力画像91内の上下方向および左右方向ににそれ
ぞれ平行に長さkL(n)ずつ伸びる十字型の領域にな
る。上下方向は、入力画像91に設定される座標系のx
座標軸に平行な方向である。左右方向は、入力画像91
に設定される座標系のy座標軸に平行な方向である。C
(n)xおよびC(n)yは、処理対象の外接矩形nの中心の座
標のx座標およびy座標である。L(n) は、処理対象の
外接矩形の高さhnおよび幅wnのうちで、大きいほう
の値である。kは、探索範囲Sa(n)の広さを限定する
ための定数であり、たとえば2.0とする。 (((C(n)x−L(n) ÷2)≦x≦(C(n)x+L(n) ÷2)) ∩ ((C(n)y−k×L(n) )≦y≦(C(n)y+k×L(n) )))∪ (((C(n)x−k×L(n) )≦x≦(C(n)x+k×L(n) )) ∩ ((C(n)y−L(n) ÷2)≦y≦(C(n)y+L(n) ÷2))) …(32)
【0154】文字領域抽出部83は、ステップd7で、
ラベリングテーブル内の除外フラグが設定されていない
外接矩形のうちで探索領域Sa(n) と重なる外接矩形の
中から、処理対象の外接矩形に最も近い外接矩形を、比
較対象の外接矩形として探索する。次いで、ステップd
8で、文字領域抽出部83は、比較対象の外接矩形が探
索されたか否か、すなわち比較対象の外接矩形が存在す
るか否かを判定する。比較対象の外接矩形が存在しない
場合、ステップd8からステップd16に進む。比較対
象の外接矩形が存在する場合、ステップd8からステッ
プd9に進む。
【0155】文字領域抽出部83は、ステップd9で、
処理対象の外接矩形の大きさと比較対象の外接矩形の大
きさとに基づいて、処理対象の外接矩形内の連結部分と
比較対象の外接矩形内の連結部分とが、どちらも文字で
ある可能性があるか否かを、判定する。このために、文
字領域抽出部83は、処理対象の外接矩形の第1の値L
(n) と、比較対象の外接矩形の第1の値L(m) とが、式
33の判定条件を満たすか否かを判定する。βは、定数
であり、たとえば0.2である。第1の値L(n) ,L
(m) が式33の判定条件を満たさない場合、処理対象お
よび比較対象の外接矩形の少なくとも一方は文字に外接
していないと見なされる。この場合、ステップd9から
ステップd16に進む。第1の値L(n) ,L(m) が式3
3の判定条件を満たす場合、処理対象および比較対象の
外接矩形がどちらも文字に外接していると見なされる。
この場合、ステップd9からステップd10に進む。 |L(n)−L(m)|÷L(n)<β …(33)
【0156】次いで、ステップd10〜d14で、文字
領域抽出部83は、比較対象の外接矩形と探索領域Sa
(n) とのずれが予め定める大きさ未満であるか否かを判
定する。具体的には、まずステップd10で、比較対象
の外接矩形と処理対象の外接矩形とが、縦方向に並んで
いるか否かが判定される。縦方向に並んでいる場合、ス
テップd10からステップd11に進む。縦方向に並ん
でいない場合、比較対象の外接矩形と処理対象の外接矩
形とは横方向に並んでいると見なされ、ステップd10
からステップd13に進む。
【0157】文字領域抽出部83は、ステップd11で
は、比較対象の外接矩形の左端の辺の座標Pos(m)lef
t 、すなわち比較対象の外接矩形の左上隅の頂点の座標
のx座標値smが、以下の式34に示す判定条件を満た
すか否かを判定する。比較対象の外接矩形の左端の辺の
座標Pos(m)left が式34の判定条件を満たさない場
合、ステップd11からステップd16に進む。比較対
象の外接矩形の左端の辺の座標Pos(m)left が式34
の判定条件を満たす場合、ステップd11からステップ
d12に進む。続いて文字領域抽出部83は、ステップ
d12で、比較対象の外接矩形の右端の辺の座標Pos
(m)right、すなわち比較対象の外接矩形の右下隅の頂点
の座標のx座標値umが、以下の式35に示す判定条件
を満たすか否かを判定する。比較対象の外接矩形の右端
の辺の座標Pos(m)rightが式35の判定条件を満たさ
ない場合、ステップd12からステップd16に進む。
比較対象の外接矩形の右端の辺の座標Pos(m)rightが
式35の判定条件を満たす場合、ステップd12からス
テップd15に進む。 (Pos(m)left >(C(n)x−L(n) ×δ))and …(34) (Pos(m)right<(C(n)x+L(n) ×δ)) …(35)
【0158】また文字領域抽出部83は、ステップd1
3で、比較対象の外接矩形の上端の辺の座標Pos(m)t
op 、すなわち比較対象の外接矩形の左上隅の頂点の座
標のy座標値tmが、式36に示す判定条件を満たすか
否かを判定する。比較対象の外接矩形の上端の辺の座標
Pos(m)top が式36の判定条件を満たさない場合、
ステップd13からステップd16に進む。比較対象の
外接矩形の左端の辺の座標Pos(m)top が式36の判
定条件を満たす場合、ステップd13からステップd1
4に進む。続いて文字領域抽出部83は、ステップd1
4で、比較対象の外接矩形の下端の辺の座標Pos(m)b
ottom 、すなわち比較対象の外接矩形の右下隅の頂点の
座標のy座標値vmが、式37に示す判定条件を満たす
か否かを判定する。比較対象の外接矩形の下端の辺の座
標Pos(m)bottom が式37の判定条件を満たさない場
合、ステップd14からステップd16に進む。比較対
象の外接矩形の下端の辺の座標Pos(m)bottom が式3
7の判定条件を満たす場合、ステップd14からステッ
プd15に進む。 (Pos(m)top >(C(n)y−L(n) ×δ))and …(36) (Pos(m)bottom<(C(n)y+L(n) ×δ)) …(37)
【0159】すなわち、ステップd10〜d11では、
比較対象の外接矩形と処理対象の外接矩形とが縦方向に
ほぼ平行に並んでいる場合、処理対象の外接矩形の中心
を通り縦方向に平行な仮想直線から比較対象の外接矩形
の左端および右端の辺までのそれぞれの距離が、どちら
も予め定める距離L(n) ×δ未満である場合だけ、比較
対象の外接矩形と探索領域Sa(n) とのずれが、基準の
ずれ未満であると見なされる。また、比較対象の外接矩
形と処理対象の外接矩形とが横方向にほぼ平行に並んで
いる場合、処理対象の外接矩形の中心を通り横方向に平
行な仮想直線から比較対象の外接矩形の上端および下端
の辺までのそれぞれの距離が、どちらも予め定める距離
L(n) ×δ未満である場合だけ、比較対象の外接矩形と
探索領域Sa(n) とのずれが、基準のずれ未満であると
見なされる。予め定める距離は基本的には第1の値L
(n) の半分の値である。しかしながら、文字の違いや誤
差を考慮して、定数δはたとえば8分の5(5/8)に
設定される。
【0160】ステップd19〜d14の処理によって、
処理対象の外接矩形と比較対象の外接矩形の大きさがほ
ぼ等しく、かつ、処理対象の外接矩形と比較対象の外接
矩形とが縦方向または横方向にほぼ平行に並んでいる場
合だけ、ステップd15の処理が行われる。文字領域抽
出部83は、ステップd15で、処理対象の外接矩形の
文字フラグと比較対象の外接矩形の文字フラグとに、そ
れぞれ1をセットする。
【0161】続いて、文字領域抽出部83は、ステップ
d16で、カウンタnに記憶された値に1を加算して更
新し、ステップd4に戻る。これによって、カウンタn
に更新された値と等しいラベルに対応するパラメータに
よって定義される外接矩形を処理対象の外接矩形とし
て、ステップd4〜d16の処理が繰返される。
【0162】また、ステップd5で、カウンタnが記憶
する値が、定義された外接矩形の総数を越えた場合、文
字領域抽出部83は、ステップd5からステップd17
に進み、第3の除外処理を終了する。
【0163】以後、文字領域抽出部83は、文字フラグ
がセットされていない外接矩形の除外フラグを1にセッ
トする。これによって、入力画像内の全ての外接矩形の
うちで、予め定める文字の並ぶ方向にほぼ平行に並ぶ複
数の外接矩形だけが、文字領域の候補としてラベリング
テーブル内に残される。図18のフローチャートの説明
では、入力画像内では、文字は縦方向または横方向に平
行に並んでいると仮定して説明したが、文字が縦方向で
も横方向でもない斜め方向に平行に並んでいる場合、探
索領域Sa(n) やステップd10〜d14の判定を、文
字が並ぶ方向に併せて変更してもよい。
【0164】以上のように説明した第2実施形態の画像
処理装置が行う選択的鮮鋭化処理では、文字領域の鮮鋭
化の度合が、文字領域以外の残余の領域の鮮鋭化の度合
よりも強い。さらに、鮮鋭化画像に階調補正LUTを用
いた輝度変換処理が施されている。これによって、文字
領域内にある鮮鋭化を施すべき文字は、コントラストが
輝度変換処理によって補正されかつエッジのぼけが鮮鋭
化処理によって改善される。同時に、前記残余の領域
は、コントラストが輝度変換処理によって補正され、か
つ鮮鋭化処理に起因したノイズの強調が防止される。こ
れによって、出力画像を表示装置に表示した場合に、文
字領域内の文字が読み易くなり、同時に前記残余部分が
ノイズ少ない滑らかな見易い画像になる。
【0165】以下に、本発明の第3実施形態である画像
処理装置について説明する。第3実施形態の画像処理装
置は、第1実施形態の画像処理装置と比較して、データ
処理装置34が図20に示すデータ処理装置101に置
換えられる点が異なり、他は等しいので、同じ構成の装
置、データ、およびテーブルには、同じ符号を付し、説
明は省略する。
【0166】図20は、第3実施形態の画像処理装置内
のデータ処理装置101の電気的な構成を表すブロック
図である。データ処理装置101のうちで、第1および
第2実施形態の実施形態のデータ処理装置34,81内
の装置と同じ動作を行う部には、同じ符号を付し、詳細
な説明は省略する。
【0167】データ処理装置101は、コントラスト推
定部37、コントラスト補正用LUT作成部104、文
字領域抽出部83、画像鮮鋭化部84、画像輝度変換部
107、階調補正用LUT記憶部44、データ記憶部1
08、および操作部40を含む。コントラスト補正用L
UT作成部103は、コントラスト推定部37によって
推定されたコントラスト〔Lv,Hv〕に基づいて、コ
ントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成す
る。画像輝度変換部107は、コントラスト補正のため
の輝度補正処理と、階調補正のための輝度補正処理とを
行う。データ記憶部108は、コントラスト推定部3
7、コントラスト補正用LUT作成部104、文字領域
抽出部83、画像鮮鋭化部84、および画像輝度変換部
107がそれぞれ処理を行う際に、処理に用いる各種の
データを一時的に記憶する。このためにデータ記憶部1
08内には、各種のデータをそれぞれ記憶するための複
数の記憶領域が予め設定されており、各記憶領域のアド
レスは予め定められている。 ヒストグラム作成部41、コントラスト検出部42、コ
ントラスト補正用LUT作成部104,文字領域抽出部
83,画像鮮鋭化部84,および画像輝度変換部107
は、それぞれ個別の回路によって実現される。また、前
記部41,42,104,83,84,107のうちの
少なくとも2つの部は、単一の中央演算処理回路の演算
処理によって実現される仮想回路とされてもよい。
【0168】図21は、第1の実施形態の画像処理装置
のデータ処理装置81が実行する画像補正処理を説明す
るためのフローチャートである。図21のフローチャー
トを用いて、画像補正処理を説明する。図21のフロー
チャートは、図2および図9のフローチャートと類似の
動作を行うステップを含み、類似の動作を行うステップ
の詳細な説明は省略する。
【0169】たとえば、画像処理装置の操作者が、たと
えば操作部40を用いて画像補正処理の実行を指示する
と、ステップe1からステップe2に進む。ステップe
2の画像データの入力処理、およびステップe3〜e1
2の入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕の推定処理
は、図2のフローチャートのステップa2の処理、およ
びステップa3〜a12の処理とそれぞれ等しい。
【0170】コントラスト補正用LUT作成部104
は、ステップe13で、ステップa13と同じ処理によ
って、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT
を作成する。次いで、コントラスト補正LUT作成部1
04は、ステップe14で作成したコントラスト補正用
ルックアップテーブルCLUT を、データ記憶部108の
予め定める第2の記憶領域に記憶させる。
【0171】次いで、画像輝度変換部107は、ステッ
プe15でコントラスト補正を行うためのコントラスト
補正手段として動作する。この場合、画像輝度変換部1
07は、入力画像データ51に、コントラスト補正用ル
ックアップテーブルCLUT に基づいて、輝度補正処理を
施す。具体的には、まずデータ記憶部108からコント
ラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を読出し、さ
らに入力画像データ51をデータ記憶部108から読出
す。続いて、以下の式38とコントラスト特性補正用ル
ックアップテーブルCLUT とに基づいて、入力画像デー
タ51の各画素データf(x,y) をそれぞれ輝度変換し
て、補正画像データの各画素データfa(x,y) をそれぞ
れ得る。得られた各画素データfa(x,y) は、データ記
憶部86の予め定める第3の記憶領域内のアドレスに記
憶される。前記アドレスは、得られた各画素データfa
(x,y) が対応する画素の補正画像内の位置座標に基づい
て、それぞれ予め定められている。補正画像とは補正画
像データが表す画像である。 fa(x,y) =CLUT〔f(x,y)〕 …(38)
【0172】ステップe15の輝度変換処理は、第1実
施形態の画像処理装置のステップa16の輝度変換処理
と比較して、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT
に代わってコントラスト補正用ルックアップテーブルC
LUT を用いる点が異なり、他は等しい。これによって、
入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕が、画素データ
の規格上最大のコントラスト〔Vmin ,Vmax〕まで拡
大される。
【0173】ステップe16〜e23の文字領域の抽出
処理は、図9のフローチャートのステップb3〜b10
と比較して、入力画像データ51に代わって前記補正画
像データを処理対象とする点が異なり、他は等しい。ま
た、ステップe24,e25の画像鮮鋭化処理は、図9
のフローチャートのステップb11,b12の処理と等
しい。これによって、前記補正画像データに、第2実施
形態で説明した選択的鮮鋭化処理が施される。次いで、
画像輝度変換部107は、ステップe26で、階調補正
を行うための階調補正手段として動作する。この場合、
画像輝度変換部107は、入力画像データ51に、階調
補正用ルックアップテーブルRLUT に基づいて、輝度補
正処理を施す。ステップe24の階調補正用の輝度補正
処理は、図9のフローチャートのステップb13の処理
と等しい。これによって得られた出力画像データが、ス
テップe28で表示装置35に与えられ、ステップa2
9で画像補正処理を終了する。
【0174】図21で説明した画像補正処理のうちで、
ステップe13のコントラスト補正用ルックアップテー
ブルCLUT に代わって、第1実施形態において式13〜
式15を用いて説明した手法で輝度補正用CaLUT を作
成し、ステップe15で輝度補正用ルックアップテーブ
ルを用いた輝度補正処理を行っていも良い。この場合、
ステップa27の階調特性の補正のための輝度補正処理
を省略することができるので、処理が簡略化される。
【0175】以上の処理によって、表示装置に表示され
る画像は、コントラストが入力画像よりも拡大される。
また、入力画像内の文字領域に施された鮮鋭化処理の鮮
鋭化の度合は、文字領域以外の残余の領域に施された鮮
鋭化処理の鮮鋭化の度合よりも強くなっている。さら
に、表示装置に応じた階調補正が施されている。これら
3つの理由のために、表示装置に表示される画像内に記
載される文字が読み易くなり、また、視認性が高くな
る。
【0176】図22は、本発明の第4実施形態である画
像処理装置121の電気的構成を表すブロック図であ
る。第4実施形態の画像処理装置内で、第1実施形態の
画像処理装置と同じ構成の装置、データ、およびテーブ
ルには、同じ符号を付し、説明は省略する。画像処理装
置121は、データ作成装置123とデータ閲覧装置1
24とから構成される。データ作成装置123は、画像
入力装置33と、データ処理装置34と、記憶媒体書込
み装置126とから構成される。データ閲覧装置124
は、記憶媒体読取り装置127と表示装置35とから構
成される。
【0177】データ処理装置34は、画像入力装置33
から入力された画像データに予め定める画像補正処理を
施して出力画像データを作成し、出力画像データを記憶
媒体書込み装置126に与える。この際、前記画像補正
処理は、データ閲覧装置の表示装置35の表示特性に基
づいて行われる。記憶媒体書込み装置126は、出力画
像データを記憶媒体128に書込む。記憶媒体は、たと
えば、フロッピーディスクまたはCD−ROMで実現さ
れる。記憶媒体128は、記憶媒体書込み装置126お
よび記憶媒体読取り装置127に、それぞれ着脱自在に
装着可能である。出力画像データが書込まれた記憶媒体
は、記憶媒体書込み装置126から取外されて、記憶媒
体読取り装置124に装着される。記憶媒体読取り装置
127は、記憶媒体128から出力画像データを読取
り、表示装置35に与える。表示装置35は、与えられ
た画像に基づいて、表示画面に画像を表示させる。
【0178】このような構成の画像処理装置121は、
たとえば、データ作成装置123をいわゆる電子出版の
オーサリングシステムとして用い、データ閲覧装置12
4をいわゆる電子出版の電子的な刊行物を閲覧するため
の装置として用いることができる。この場合、記憶媒体
128には、電子的な刊行物として、コンテンツの各頁
全体をそれぞれ1枚の画像として表す複数の画像データ
が記憶される。これら各画像データには、上述した画像
処補正処理が施されているので表示装置35の表示画面
に表示される画像は、階調特性の偏り、前記画像のコン
トラスト、および前記画像の解像度に起因する画像の視
認性の低下が防止されている。したがって、データ閲覧
装置124の表示装置35の表示画面の解像度を、従来
技術の解像度に保ったまま、表示画面に表示される画像
の記載される文字が読み易くすることができる。これに
よって、電子的な刊行物の作成の際に校正の手間を省い
て作成処理を簡略化することができ、同時に、コンテン
ツの各頁に印刷された文章の見た目の印象をそのまま保
ちかつ読み易くすることができる。
【0179】このように、画像処理装置121では、デ
ータ作成装置123とデータ閲覧装置124とを、分離
することができる。このため、画像処理装置123は、
単一のデータ作成装置123と単一のデータ作成装置1
23とから構成されるだけに限らず、複数のデータ作成
装置123と単一のデータ作成装置123とから構成さ
れてもよく、単一のデータ作成装置123と複数のデー
タ作成装置123とから構成されてもよく、複数のデー
タ作成装置123と複数のデータ作成装置123とから
構成されてもよい。また、データ処理装置34に代わっ
て、第2実施形態の画像処理装置のデータ処理装置81
および第3実施形態の画像処理装置のデータ処理装置1
01のいずれか一方を用いても良い。
【0180】第1〜第4実施形態の画像処理装置の説明
では、入力画像データは白黒画像であると仮定した。こ
れら画像処理装置は、入力画像データに、カラー画像を
用いることもできる。入力画像データがいわゆるRGB
信号の形態のデータ、すなわち赤の輝度信号成分と緑の
輝度信号成分と青の輝度信号成分とから構成されるデー
タである場合の上記画像処理装置の処理手順を、簡略に
説明する。前記場合、入力画像データにコントラスト補
正および階調補正のための輝度変換処理を施すには、画
像処理装置は、まず入力画像データから、輝度信号成分
のみ(明度信号成分)を抽出する。次いで、前記明度信
号成分を用いて、階調補正用およびコントラスト補正用
のルックアップテーブルを作成する。さらに、元の画
像、すなわちRGB信号の形態の入力画像データの前記
各色信号成分に、ルックアップテーブルをそれぞれ作用
させ、出力画像データを得る。前記明度成分データは、
いわゆるYUV信号の形態のデータのうちのY信号であ
る。
【0181】また、前記場合に入力画像データに鮮鋭化
処理を施すには、画像処理装置は、まず、入力画像デー
タから、輝度信号成分(Y信号)を抽出し、前記輝度信
号成分だけを用いて文字領域抽出処理を行う。続いて、
元の画像、すなわちRGB信号の形態の入力画像データ
の前記各色信号成分に、前記文字抽出処理で得られた文
字領域に基づいた選択的鮮鋭化処理をそれぞれ施して、
出力画像データを得る。
【0182】第1〜第4の実施形態の画像処理装置は、
コンピュータによって実現されてもよい。このために、
図2,8,20でそれぞれ説明した画像補正処理をコン
ピュータの中央演算処理装置に行わせるためのプログラ
ムおよびデータを含むソフトウエアを、コンピュータに
よって読出し可能な記憶媒体に記憶させておく。この記
憶媒体には、たとえば、CD−ROMおよびフロッピー
ディスクが挙げられる。画像入力装置と表示装置とを備
えたコンピュータを前記データ処理装置として動作させ
るには、まず、前記記憶媒体をコンピュータに装着し
て、記憶媒体内のソフトウエアをコンピュータにインス
トールし、次いで、インストールしたソフトウエア内の
プログラムを中央演算処理装置に実行させる。これによ
って、コンピュータ内の中央演算処理装置およびメモリ
が、データ処理装置として動作するので、コンピュータ
全体が画像処理装置として動作する。これによって、汎
用的なコンピュータを用いて、容易に第1〜第4の実施
形態の画像処理装置を実現することができる。
【0183】第1〜第4実施形態の画像処理装置は本発
明の画像処理装置の例示であり、主要な動作が等しけれ
ば、他の様々な形で実施することができる。特に各装置
および部の詳細な動作は、同じ処理結果が得られれば、
これに限らず他の動作によって実現されてもよい。
【0184】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像処理
装置は、表示手段の階調特性と処理対象の画像のコント
ラストとを同時に考慮して、前記画像を構成する各画素
の輝度変換を行う。これによって、表示手段に画像を表
示した場合、前記画像のコントラストおよび前記表示手
段の階調特性の両方に起因する画像の視認性の低下を、
防止することができる。
【0185】また本発明によれば、画像処理装置の鮮鋭
化手段は、処理対象の画像内の文字領域に施す鮮鋭化の
度合を、処理対象の画像内の文字領域以外の残余領域に
施す鮮鋭化の度合よりも強くする。同時に、前記画像処
理装置の輝度変換手段は、表示装置の階調特性に基づい
て、鮮鋭化された画像の各画素の輝度変換を行う。これ
によって、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度と
の差および前記表示手段の階調特性の両方に起因する画
像の視認性の低下を、防止することができる。
【0186】さらにまた本発明によれば、前記鮮鋭化手
段は、いわゆる選択的鮮鋭化処理を用いて、前記処理対
象の画像に鮮鋭化処理を施す。これによって、選択的鮮
鋭化処理の処理対象の画素が文字領域および残余領域の
いずれにあるかに応じて鮮鋭化の度合を変更する手順
が、簡単になる。
【0187】また本発明によれば、文字領域を求めるに
は、まず前記画像を構成する各画素のうちで輝度が相互
に類似する複数の画素が連結して構成される1または複
数の連結部分にそれぞれ外接する外接矩形をそれぞれ求
め、全ての外接矩形のうちで、少なくとも一部分が重な
り合う外接矩形を統合する。次いで、前記画像内の各外
接矩形をそれぞれ輪郭とする1または複数の領域のうち
で、該領域内にある複数の画素の輝度の最大値および最
小値の差が、予め定める基準差分値以上である領域を、
文字領域として抽出する。これによって、前記画像内に
少なくとも1つの文字が描かれる場合、該文字に外接す
る外接矩形を、文字領域として容易に抽出することがで
きる。
【0188】さらにまた本発明によれば、文字領域を求
めるには、まず前記画像を構成する各画素のうちで輝度
が相互に類似する複数の画素が連結して構成される複数
の連結部分にそれぞれ外接する外接矩形をそれぞれ求
め、全ての外接矩形のうちで、少なくとも一部分が重な
り合う外接矩形を統合する。次いで、前記画像内の各外
接矩形をそれぞれ輪郭とする複数の領域のうちで、直線
上に並ぶ複数の外接矩形を、文字領域として容易に抽出
する。これによって、画像内に文章が描かれる場合、文
章を構成する文字に外接する外接矩形だけを文字領域と
して抽出することができる。
【0189】また本発明によれば、画像処理装置内で
は、鮮鋭化手段による鮮鋭化処理、輝度補正手段による
輝度補正処理に加えて、コントラスト補正手段によっ
て、処理対象の前記画像のコントラストを、該画像の元
のコントラストよりも向上させることができる。したが
って、前記画像のコントラスト起因する画像の視認性の
低下を、さらに防止することができる。
【0190】さらにまた本発明に従えば、前記コントラ
スト検出手段は、前記画像を構成する画素の輝度のヒス
トグラムにおいて、輝度の出現頻度を表す曲線に、2つ
の明瞭な盛上がりがあるか否かに基づいて、コントラス
トの推定手法を変更する。これによって、文字の色に相
当する輝度の画素数と該輝度以外の他の輝度それぞれの
画素の数との関係に拘わらず、前記画像のコントラスト
を常に確実に求めることができる。
【0191】また、本発明によれば、処理対象の前記画
像の各画素の輝度が3色の成分の和で表される場合、前
記文字領域は3色の成分の和に基づいて抽出され、前記
鮮鋭化処理は、3色の成分に個別に施され、かつ、表示
装置の階調特性に基づく輝度補正も、3色の成分に個別
に行われる。これによって、前記画像がカラー画像であ
る場合でも、前記画像処理装置は、前記画像の解像度と
前記表示手段の解像度との差および前記表示手段の階調
特性の両方に起因する画像の視認性の低下を防止するこ
とができる。
【0192】さらにまた本発明によれば、本発明の画像
処理方法では、表示手段の階調特性と推定された処理対
象の画像のコントラストを同時に考慮して、前記画像を
構成する各画素の輝度変換を行う。したがって、表示手
段に画像を表示した場合、前記画像のコントラストおよ
び前記表示手段の階調特性の両方に起因する画像の視認
性の低下を、防止することができる。
【0193】また本発明によれば、本発明の画像処理方
法では、前記文字領域に施す鮮鋭化の度合を前記残余領
域に施す鮮鋭化の度合よりも強くした選択的鮮鋭化処理
が処理対象の画像に施され、かつ前記画像に前記表示手
段の階調特性に基づく輝度変換処理が施される、したが
って、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との差
および前記表示手段の階調特性の両方に起因する画像の
視認性の低下を、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である画像処理装置31
に含まれるデータ処理装置34の電気的構成を表すブロ
ック図である。
【図2】前記画像処理装置31の概略的な電気的構成を
表すブロック図である。
【図3】前記画像処理装置31が実行する画像補正処理
を説明するためのフローチャートである。
【図4】入力画像データ51がいわゆる文書画像を表す
場合の輝度ヒストグラムである。
【図5】入力画像データがいわゆる文書画像を表す場合
の輝度ヒストグラムである。
【図6】入力画像データがいわゆる文書画像を表す場合
の輝度ヒストグラムである。
【図7】輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT 内の
処理前の輝度値kと処理後の輝度値CaLUT〔k〕との関
係を表すグラフである。
【図8】第2実施形態の画像処理装置内のデータ処理装
置81の電気的な構成を表すブロック図である。
【図9】第2実施形態の画像処理装置が実行する画像補
正処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】入力画像データ51が表す入力画像91を表
す図である。
【図11】2値化処理が施された入力画像データである
ラベル画像データが表すラベル画像92を表す図であ
る。
【図12】図9の画像補正処理内の外接矩形抽出処理終
了後に得られる前記ラベル画像92内の連結部分の外接
矩形N1〜Nn+2を表す図である。
【図13】図9の画像補正処理内の第1の除外処理終了
後に得られる前記ラベル画像92内の連結部分の外接矩
形N2〜Nn+2を表す図である。
【図14】図9の画像補正処理内の第2の除外処理終了
後に得られる前記ラベル画像92内の連結部分の外接矩
形N2〜Nn+2に対応する前記入力画像91内の部分M2
〜Mnを表す図である。
【図15】図9の画像補正処理のステップb11におい
て設定された各画素の鮮鋭化の度合h(x,y) を表す図で
ある。
【図16】図9の画像補正処理内の第2の統合処理を詳
細に説明するためのフローチャートである。
【図17】前記第2の統合処理を説明するための図であ
る。
【図18】図9の画像補正処理内の第3の除外処理を詳
細に説明するためのフローチャートである。
【図19】前記第3の除外処理で用いられる探索領域S
a(n)を説明するための図である。
【図20】第3実施形態の画像処理装置内のデータ処理
装置101の電気的な構成を表すブロック図である。
【図21】第3の実施形態の画像処理装置が実行する画
像補正処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】本発明の第4実施形態である画像処理装置1
21の電気的構成を表すブロック図である。
【図23】従来技術において、画像データの規格上最大
のコントラストよりも小さいコントラストの画像と、前
記最大のコントラストの画像とを表す図である。
【図24】従来技術において、表示装置の表示画面の構
造を説明するための図である。
【図25】従来技術において、印刷ドットが前記表示画
面の表示画素よりも小さい原稿と、該原稿を表示した表
示画面とを表す図である。
【図26】従来技術において、鮮鋭化処理が施されてい
ない画像と、鮮鋭化処理が施された画像とを表す図であ
る。
【図27】従来技術において、表示装置の階調特性を表
すグラフである。
【図28】図27のグラフの階調特性の表示装置の表示
例である。
【図29】図27のグラフの階調特性に応じた階調補正
テーブルの入力濃度と出力輝度との関係を表すグラフで
ある。
【図30】図27のグラフの階調特性の表示装置を有
し、かつ、図29の階調補正テーブルの補正処理を行う
画像処理装置全体の階調特性を表すグラフである。
【図31】図27のグラフの階調特性に応じたガンマ補
正テーブルの入力濃度と出力輝度との関係を表すグラフ
である。
【図32】図27のグラフの階調特性の表示装置を有
し、かつ、図31のガンマ補正テーブルの補正処理を行
う画像処理装置全体の階調特性を表すグラフである。
【図33】従来技術において、階調補正処理が施されて
いない画像と、階調補正処理が施された画像とを表す図
である。
【符号の説明】
33 画像入力装置 34 データ処理装置 35 表示装置 37 コントラスト推定部 38,85 輝度補正部 46,87,107 画像輝度変換部 51 入力画像データ 52,89,109 出力画像データ 83 文字領域抽出部 84 画像鮮鋭化部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定める階調特性を有する表示手段
    と、 複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段
    と、 前記画像のコントラストを推定するコントラスト推定手
    段と、 推定された前記コントラストに基づいて前記画像のコン
    トラストを増大させ、かつ、前記階調特性に基づいて前
    記画像を構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段
    とを含み、 前記表示手段は、前記輝度補正手段によって各画素の輝
    度が補正された画像を表示することを特徴とする画像処
    理装置。
  2. 【請求項2】 予め定める階調特性を有する表示手段
    と、 複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段
    と、 前記画像内から文字が描かれた文字領域を抽出する文字
    領域抽出手段と、 前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める
    度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記文字領域に、前記残
    余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化を
    それぞれ施す鮮鋭化手段と、 前記表示手段が有する前記階調特性に基づいて、鮮鋭化
    が施された前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成
    する各画素の輝度を補正する輝度補正手段とを含み、 前記表示手段は、前記輝度補正手段によって各画素の輝
    度が補正された画像を表示することを特徴とする画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】 前記鮮鋭化手段は、前記画像を構成する
    各画素の輝度f(x,y)と前記各画素の鮮鋭化の度合
    の係数h(x,y)とを、式 g(x,y)=f(x,y)−h(x,y)×▽2
    (x,y) に代入して、鮮鋭化された各画素の輝度g(x,y)を
    個別に求め、前記各画素の鮮鋭化の度合の係数h(x,
    y)は、前記各画素が前記残余領域内にある場合、予め
    定める第1の定数αiであり、前記各画素が前記文字領
    域内にある場合、第1の定数αiよりも大きい第2の定
    数αcであることを特徴とする請求項2記載の画像処理
    装置。
  4. 【請求項4】 前記文字領域抽出手段は、 前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化さ
    れた輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成され
    る1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接す
    る外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり
    合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、 各外接矩形をそれぞれ輪郭とする画像内の1または複数
    の領域のうちで、領域内にある複数の画素の輝度の最大
    値および最小値の差が予め定める基準差分値以上である
    領域を、文字領域として抽出することを特徴とする請求
    項2記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記文字領域抽出手段は、 前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化さ
    れた輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成され
    る1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接す
    る外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり
    合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、 各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領
    域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域
    を、文字領域としてそれぞれ抽出することを特徴とする
    請求項2記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記画像のコントラストを推定するコン
    トラスト推定手段と、推定された前記コントラストに基
    づいて、前記画像のコントラストを増大させるコントラ
    スト補正手段とをさらに含むことを特徴とする請求項2
    記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記コントラスト推定手段は、 前記画像を構成する各画素の輝度のヒストグラムを作成
    し、 予め定める基準輝度以上で前記各画素が取得る最大の輝
    度以下の第1の範囲内のヒストグラムの最大値に対応す
    る第1の輝度を求め、 前記各画素が取得る最小の輝度以上で前記基準輝度未満
    の第2の範囲内のヒストグラムの最大値を求め、 前記第2の範囲内の前記ヒストグラムの最大値が、予め
    定める基準値以上であるか否かを判定し、 第2の範囲内のヒストグラムの最大値が基準値以上であ
    る場合、第1の輝度と第2の範囲内のヒストグラムの最
    大値に対応する輝度とに基づいて画像のコントラストを
    推定し、第2の範囲内の前記ヒストグラムの最大値が基
    準値未満である場合、第1の輝度と前記画像を構成する
    全ての画素の輝度のうちで最低の輝度とに基づいて画像
    のコントラストを推定することを特徴とする請求項6記
    載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記各画素の輝度が予め定める3色の成
    分の和によって表される場合、前記文字領域抽出手段
    は、3色の成分の和に基づいて文字領域を抽出し、前記
    鮮鋭化手段は、3色の成分に個別に鮮鋭化を施し、前記
    輝度補正手段は、3色の成分を個別に補正することを特
    徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 複数の画素から構成される画像を入力さ
    せ、 前記画像のコントラストを推定し、 推定された前記コントラストに基づいて前記画像のコン
    トラストを増大させ、かつ、前記画像を表示させるため
    の表示手段が有する階調特性に基づいて前記画像を構成
    する各画素の輝度を補正して、 前記各画素の輝度が補正された前記画像を前記表示手段
    に表示させることを特徴とする画像処理方法。
  10. 【請求項10】 複数の画素から構成される画像を入力
    させ、 前記画像内の文字が描かれた文字領域を抽出し、 前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める
    度合の鮮鋭化を施し、前記画像内の前記文字領域に、前
    記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭
    化をそれぞれ施し、 前記画像を表示するための表示手段が有する階調特性に
    基づいて、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領
    域をそれぞれ構成する各画素の輝度を補正し、前記各画
    素の輝度が補正された前記画像を前記表示手段に表示さ
    せることを特徴とする画像処理方法。
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