JPH112100A - 上向きグラウンドアンカー及びその施工方法 - Google Patents

上向きグラウンドアンカー及びその施工方法

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JPH112100A
JPH112100A JP16802097A JP16802097A JPH112100A JP H112100 A JPH112100 A JP H112100A JP 16802097 A JP16802097 A JP 16802097A JP 16802097 A JP16802097 A JP 16802097A JP H112100 A JPH112100 A JP H112100A
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豊 細江
Norihide Saeki
憲英 佐伯
Yoshito Tauchi
義人 田内
Hiroshi Yamada
博 山田
Tomoyoshi Shikada
朋義 鹿田
Hiroshi Chikahisa
博志 近久
Kaoru Kobayashi
薫 小林
Hirotaka Nakahara
博隆 中原
Kazunobu Matsumoto
和伸 松元
Masayuki Tsutsui
雅行 筒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地下空洞の天端面に対して上向きに効率よく
施工でき、施工後は十分な耐久性を期待できるグラウン
ドアンカーを提供する。 【解決手段】 アンカー孔50に上向きに挿入された状
態でアンカー口元部2に位置し、内部にPCケーブル3
0を収容した口元管5の周囲で膨張し、アンカー孔壁5
1と密着してPCケーブル30をアンカー孔50内に保
持させるパッカー部20と、パッカー部20にグラウト
材を供給するために口元管5内に配管されたパッカー注
入管22と、口元管5に連結されPCケーブル30全体
を収容するシース管11内に配管され、余剰内部グラウ
ト分を孔外に排出する内部グラウト排気管32と、シー
ス管11内に配管され、余剰外部グラウト分を孔外に排
出する外部グラウト排気管33とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は上向きグラウンドア
ンカー及びその施工方法に係り、特に各種地盤内に掘削
された地下空間の天端部分等の地盤を支保するために用
いられるグラウンドアンカー及びその施工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】グラウンドアンカー工法は、土木分野や
建築分野において、その構造物の地盤に接する部分と地
盤内の安定した支持部分との間を高強度のケーブル等の
鋼材で連結し、その鋼材に大きな引張力を導入して前記
構造物の地盤に対する安定を図る支保工法である。建築
分野においては、このグラウンドアンカー工法を用いた
建物の安全性の確保を確実にするために、建築物の支保
に永久アンカーとして使用する場合には法的な制約が設
けられている。すなわち、建築物の永久支保に関して
は、(社)日本建築センターの評定を得た種類の永久ア
ンカーを、その設計施工指針に従って施工することが定
められている。
【0003】図10は日本建築センターが評定した永久
アンカーの一種(VSLアンカー)の設置時の全体構成
を示した断面図である。岩盤内に削孔されたアンカー孔
50にはあらかじめユニット化された永久アンカーケー
ブル60(以下、アンカーユニットと記す。)が挿入さ
れている。このアンカーユニット60は合成樹脂製のコ
ルゲートシース61(以下、シース管と記す。)内に収
容されたPC鋼より線(PCケーブル)の束からなる。
このアンカーユニット60を構成するPCケーブルは長
手方向に所定間隔をあけて取り付けられたスペーサ62
を介して所定の間隔をあけてシース管61内に収容され
ている。また、アンカーユニット60の長手方向に関し
てはアンカー設計から定められた自由長部分70と定着
長部分71とが設けられている。
【0004】シース管61は図示したように、表面にら
せん状をなす波状の凹凸面を有する合成樹脂製管あるい
はステンレススチール管からなり、その先端にはシース
管のアンカー孔内への挿入を容易にするための先端キャ
ップ63が取り付けられている。一方、シース管61の
口元部分はコンクリートベース64上に設置された支圧
板65、定着具66を介してくさび方式によって定着さ
れたケーブル端が位置している。このケーブル端はケー
ブルの耐久性を高めるためにヘッドキャップ67で覆わ
れている。さらにアンカーユニット60をアンカー孔5
0内に保持させるために、シース管61とアンカー孔壁
51との間に外部グラウト52が充填されている。さら
に、シース管61内に内部グラウト53が充填され、地
盤54に対してのアンカー効果が得られるようになって
いる。通常はシース管内を内部グラウト53としてのグ
ラウトミルクで充填し、所定のグラウト強度が得られた
後に、外部グラウト52においてアンカー体部分を形成
し、このアンカー体部分の外部グラウト52の強度が所
定の強度に達した段階でアンカー口元において緊張ジャ
ッキ(図示せず)によって所定導入量の緊張力を導入す
る。この緊張力を導入した段階でさらにアンカー自由長
部分の追加グラウトを行うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した日
本建築センターの評定を得た永久アンカーは通常、下向
きあるいは下方への所定傾角をなして設計されている。
このため岩盤地下空間の掘削を行って地下空間の天端ア
ーチを永久支保するのに、この種のグラウンドアンカー
の施工は認められていない。すなわち、従来のグラウン
ドアンカーは下向き施工が基本的な使用態様であり、日
本建築センターの評定を受けたグラウンドアンカーも下
方に向けて施工することを念頭においているため、その
機能が適正に発揮されるかの確認がなされていないのが
実状であった。
【0006】この種の永久アンカーを上向きに施工する
ためには、まず重量のあるアンカーユニットをアンカー
孔内に挿入した状態でグラウト固化までそのままアンカ
ー孔内に保持させる必要がある。さらに上向きにアンカ
ー内グラウトを行う際に、グラウト材が完全にアンカー
孔先端(上端)まで確実に充填されるように充填作業を
行う必要がある。
【0007】これまでにも、これらの課題を解決を図っ
た上向きアンカー技術も種々開発されている。たとえば
アンカー先端がアンカー孔の奥の壁に到達した際にアン
カーユニットの先端に装着されていた爪を内蔵バネ等の
動作で広げて、この爪をアンカー孔壁に係止させてアン
カーユニットの先端を岩盤に固定する方法や、アンカー
口元に拡大部を設け、ブロッキング保持具をホールイン
アンカーやレジンモルタルで固定してアンカー後端のブ
ロッキングパイプを口元部に固定されたブロッキングパ
イプ保持具の筒内にボルト等で固定する方法等も開発さ
れている。
【0008】しかしながら、爪を孔壁に係止させる方法
では、付加的な係止機構を必要とする上、グラウトモル
タル注入時の口元からの流出を防止することができな
い。ブロッキングパイプを用いる方法ではアンカーの口
元部分に拡大部を設ける必要があり、削孔時に拡幅用の
特殊ビットと、通常径のアンカー孔用ビットとを必要と
し、削孔作業の段取りが面倒であるという問題がある。
【0009】また、従来のグラウンドアンカーでは、グ
ラウト注入は注入用ホースをアンカー孔の先端部分まで
引き延ばしておくことにより先端部分から順次、孔内の
グラウト充填を行うようになっている。しかしながら、
グラウンドアンカーを上向きに施工する場合には、グラ
ウトはアンカーの口元部分から上方に向かって序々に孔
内を満たしていく必要がある。このため、アンカー孔は
早い段階から口元が閉塞された状態になる。このため、
アンカー孔内の空気を抜きながらのグラウト注入作業が
必要となってくる。すなわち、グラウト充填とともに、
アンカー孔内の排気作業を行う必要がある。
【0010】同様に、設置されたグラウンドアンカーの
アンカーヘッド部分の耐久性を高めるために、アンカー
ヘッド部分に防錆油を充填する必要があるが、この防錆
油を確実に充填するためにもヘッドキャップ内部の排気
を行う必要もある。
【0011】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、グラウンドアンカーを上向
きに施工する場合にも、安全な施工ができ、またグラウ
ト作業等が確実に行えるようにした上向きグラウンドア
ンカー及びその施工方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明はアンカー孔に挿入された状態でアンカー口
元部に位置し、内部に引張部材を収容した口元管の周囲
で膨張し、アンカー孔壁と密着可能なパッカー部と、該
パッカー部にグラウト材を供給するために前記口元管内
に収容されたパッカー注入管と、前記口元管に連結され
前記引張部材全体を収容するシース管内に配管され、余
剰内部グラウト分を孔外に排出する内部グラウト排気管
と、前記シース管内に配管され、余剰外部グラウト分を
孔外に排出する外部グラウト排気管とを備えたことを特
徴とする。
【0013】また、その施工方法として、管周囲にパッ
カー部が装着された口元管を連結したシース管内に引張
部材が収容されたアンカーユニットを、地山に対して上
向きに削孔したアンカー孔に挿入し、前記口元管内に配
管されたパッカー注入管を介して前記パッカー部にグラ
ウト材を供給して前記パッカー部をアンカー孔壁に密着
させ前記アンカーユニットを前記アンカー孔内に保持さ
せた状態で、内部グラウト注入管により内部グラウトを
行うとともに、前記シース管内に配管された内部グラウ
ト排気管を介して余剰内部グラウト分をアンカー孔外に
排出させ、その後、外部グラウト注入管により前記アン
カー孔壁と前記シース管との間に外部グラウトを行うと
ともに、前記シース管内に配管された外部グラウト排気
管を介して余剰外部グラウト分をアンカー孔外に排出す
るようにし、前記内部グラウトが所定強度に達した段階
でアンカー頭部の定着を行うようにしたことを特徴とす
るものである。
【0014】このとき、前記内部グラウト排気管及び前
記外部グラウト排気管は前記引張部材に沿って前記シー
ス管先端近傍まで配管させることが好ましい。
【0015】また、アンカー頭部の定着時に前記アンカ
ー頭部を覆うようにアンカー口元部に取り付けられるヘ
ッドキャップ内に、前記アンカー孔内と連通した防錆材
戻り管を設けることが好ましい。
【0016】施工方法としては、前記アンカー頭部を覆
うように取り付けられるヘッドキャップ内に、前記アン
カー孔内と連通した防錆材戻り管を設け、前記ヘッドキ
ャップ内への防錆材充填時に前記防錆材戻り管からの防
錆材の戻りを確認して前記アンカー孔内への防錆材充填
状態を確認することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の上向きグラウンド
アンカー及びその施工方法の一実施の形態について、添
付図面を参照して説明する。図1は本発明の上向きグラ
ウンドアンカーの施工完了時の状態を示した断面図であ
る。図2、図3はアンカー支持パッカー部の内部構成及
びパッカー部分の膨張状態を説明するために示した部分
断面図である。図4〜図6は図1に示した各断面線位置
でのグラウンドアンカーのアンカーユニットの断面構成
を示した横断面図である。
【0018】図1は、施工が完了した状態での上向きグ
ラウンドアンカーの内部構成を、長手方向の一部を省略
して示した全体断面図である。同図に示したように、上
向きグラウンドアンカー1はアンカー孔50内に挿入さ
れたアンカーユニット10とアンカー定着部40とから
構成されている。アンカーユニット10は外部グラウト
52が固化するまでアンカーユニット10全体をアンカ
ー孔50内に保持するアンカー支持パッカー部20と、
アンカー支持パッカー部20に連結され内部にPCケー
ブル30、グラウト注入管24、注入用ホース31、排
気用ホース32、33が収容された状態で先端が先端キ
ャップ63により閉塞されたシース管11とからなる。
一方、アンカー頭部40を覆うヘッドキャップ67内に
は後述する排気パイプ47が収容されている。
【0019】これらの構成のうち、まず外部グラウト注
入前にアンカーユニット10をアンカー孔50内に保持
させるアンカー支持パッカー部20の構成について図
2、図3を参照して説明する。本発明の上向きグラウン
ドアンカー1のシース管11のアンカー口元2の近傍に
はアンカー支持パッカー部20が形成されている。この
アンカー支持パッカー部20は口元管5の内部に形成さ
れた止水エリア21と、止水エリア21に配管されたパ
ッカー注入管22と、口元管5の外周部分に形成された
円筒形状のパッカー部Pとからなる。
【0020】これらのうち、止水エリア21は、アンカ
ー口元2部分の口元管5内において、アンカー長手方向
に所定の離れを保持して平行になるように収容された2
枚の樹脂製シールディスク23に挟まれた部分に形成さ
れている。止水エリア21内のシールディスク23には
複数個の円形開口(図示せず)が設けられ、この円形開
口をスペーサとして用いることで、複数本のアンボンド
のPCケーブル30、注入ホース、排気ホース及びパッ
カー注入管22が口元管5内で位置保持される。また、
シールディスク23は止水エリア21内にジェットセメ
ントが充填される際に端部閉塞板の役割も果たしてい
る。アンカー支持パッカー部20はあらかじめPCケー
ブル30及び各注入ホースが組み立てられた時に工場内
で口元管5の所定位置に組み込まれるようになってい
る。
【0021】止水エリア21内に配管されたパッカー注
入管22の注入出口22aは止水エリア21の中間位置
の口元管5の側面部分に位置している。このパッカー注
入管22の経路中には図示しない逆止弁バルブが取り付
けられ、グラウトの逆流を防止できるようになってい
る。シールディスク23の前方位置の口元管5の側面部
分には外部グラウト注入管24の先端出口24aが位置
している。この外部グラウト注入管24の先端位置近傍
と止水エリア21の後端部分にかけて口元管5を外周か
ら覆うように筒状のパッカーPが装着されている。この
パッカーPはシームレスの円筒形状の織布からなり、そ
の両端は熱収縮チューブ25により口元管5の外側面に
気密性を保持するように固定されている。さらに熱収縮
テープ25の外周にはスチールバンド26が巻回され、
パッカー端部が口元管5から容易に離脱しないようにな
っている。このパッカーPは厚手の合成繊維製の密な織
りの織布からなり、内部にグラウトミルク27が充填さ
れた状態でもグラウトミルク27が外部に漏れない構造
になっている。パッカー材料としては布製のほか、ポリ
ウレタン膜等のような合成樹脂製品を使用することも可
能であるが、火災等の被災時に十分な耐火性を有すると
ともに、有毒ガス等の発生がないものを選択することが
必要である。
【0022】図3はこのパッカーPにパッカー注入管2
2を介してグラウトミルク27を充填しパッカーPが膨
張した状態を示した状態説明図である。同図に示したよ
うにパッカーP内部にグラウトミルク27が充填されて
パッカー部Pが紡錘形状に膨張すると、パッカーPの膨
張部分がアンカー孔壁51に密着して孔壁51とパッカ
ーPとの間に大きな摩擦が生じる。これにより、アンカ
ーユニット10の全体重量をアンカー孔壁51に保持さ
せることができる。
【0023】図4〜図6はパッカーP及びアンカーユニ
ット10の先端部分のPCケーブル30の配置及び各注
入ホース及び排気ホースの配置を示した断面図である。
図4、図5に示したように本実施の形態においては、口
元管5内のシールディスク23に保持されるように8本
のPCケーブル30が配線されている。本実施の形態で
はPCケーブル30として所定径の7本よりアンボンド
ストランドが使用されている。さらにPCケーブル30
に囲まれるように、口元管5の断面のほぼ中央位置に内
部グラウト注入ホース31、内部グラウト排気ホース3
2、外部グラウト排気ホース33が接するように略三角
形状に配管されている。また口元管5の内側側面に接す
るようにして前記3本のホースの直径より大きい直径を
有する外部グラウト注入管24も収容されている。中心
位置に配置された3本のホースは耐圧樹脂ホースからな
るが、外部グラウト注入管24とパッカー注入管22に
は電縫管が用いられている。
【0024】図5はパッカーP内にグラウトミルク27
が注入されて完全に膨張した状態でアンカー孔壁51に
接するようになったパッカーPの中央位置を示した断面
図である。この断面には止水エリア21内に充填された
止水材3も合わせて示されている。なお、止水材3には
本実施例ではジェットセメントが用いられているが、不
燃止水材であれば、種々のものを採用することができ
る。
【0025】図6はパッカーPの先端を示した断面図で
ある。口元管(図示せず)の先端部分にはシース管11
との連結のためにジョイントカラー28が設けられてお
り、このジョイントカラー28の外側にシース管11が
装着されている。外部グラウト注入管24及びパッカー
注入管22はこの部分まで延長されていないが、PCケ
ーブル30と、内部グラウト注入ホース31、内部グラ
ウト排気ホース32、外部グラウト排気ホース33とは
図示しないスペーサによってシース管11内の所定位置
で保持され、シース管11の先端まで延長されている。
【0026】次に、図7〜図9を参照して上向きアンカ
ーの施工手順について説明する。まず、図7(a)に
は、図示しない公知の削孔装置本体に装着された削孔ロ
ッド75によってアンカー孔50が削孔されている状態
が示されている。この削孔装置にはケーシングパイプを
回転させて削孔を行う公知のロータリー式削孔装置や、
ケーシングパイプを空気圧や油圧によって打撃を加えて
削孔するロータリーパーカッションタイプが用いること
ができる。削孔装置で所定のアンカー孔深さまで削孔し
たら、アンカー孔壁51を清掃し、あらかじめ組み立て
ておいたアンカーユニット10をアンカー孔50内に挿
入する。
【0027】このアンカーユニット10内のPCケーブ
ル30の先端は、図7(b)に示したように、シース管
11内の先端キャップ63付近まで配線されている。先
端はアンカー止水材72によってシース管11内に固定
されている。複数本のPCケーブル30、各注入ホー
ス、排気ホースは前述したように図示しないスペーサに
よってシース内の所定位置にで保持されている。
【0028】次いで、アンカーユニット10を図示しな
いアンカーユニット挿入装置によってアンカー孔50内
に完全に挿入する。そしてアンカー口元2に設置された
図示しない仮受け台に支持させた状態でパッカー注入管
22にグラウトポンプを接続し、グラウトポンプを運転
してパッカーP内にグラウトミルク27を加圧注入す
る。注入圧としては0.5〜1.0kgf/cm2が好適であ
る。パッカーP内へのグラウト完了により、アンカー孔
50の口元部分は確実に密閉される。また、パッカーP
内に注入されたグラウト強度の発現によりアンカーユニ
ット10は上向き状態でアンカー孔50内で自立できる
ようになる(図7(c)参照)。引き続き図8(d)に
示したように内部グラウト注入ホース31にグラウトポ
ンプを接続する。そしてグラウトポンプの運転によりシ
ース管11内にアンカー口元2から徐々に内部グラウト
53を行う。
【0029】図8(d)はシース管11内に内部グラウ
ト53が半ば充填された状態を示している。この内部グ
ラウト53の上面が内部グラウト排気ホース32の先端
に達したら、内部グラウト53の一部はこの排気ホース
32を伝わってシース管11の外部に排出される。この
ようにしてグラウトポンプの圧力計の圧力値及び排気ホ
ース32からのリターンを確認することにより、シース
管11内に内部グラウトが確実に行われたかどうかを確
認することができる。2次注入としての加圧注入を引き
続き行う。内部グラウト53の注入が完了したら、外部
グラウト注入管24から外部グラウト注入を行う。外部
グラウト52のグラウト面は注入に伴って、図8(e)
に示したように、孔壁51に沿って上昇し、孔壁51面
にある割れ目部分にもその一部が浸透する。そして完全
にアンカー孔50の上端まで注入が完了すると、先端キ
ャップ63に設けられていた連通孔63aを介してその
グラウトの一部はシース管11内に流れ込む。そしてシ
ース管11内に取り付けられていた外部グラウト排気ホ
ース33を通じてグラウトの一部はリターンとしてアン
カー孔外に排出される。この状態を確認して排気ホース
33を密栓し、所定のグラウト圧で加圧注入(2次注
入:注入圧1.0〜2.0kgf/cm2)を継続する。これ
により、岩盤の割れ目部分にもグラウトが確実に充填さ
れるようになる。
【0030】次に、アンカー頭部40の定着作業につい
て説明する。アンカー口元2のホースの整理を行った上
で、アンカー口元2に支圧板41及び定着板42を取り
付ける。この支圧板41及び定着板42は口元部分に取
り付けられた仮受け台(図示せず)によって保持されて
いる。内部グラウトが所定の強度に達した段階で緊張ジ
ャッキ45を定着板42部分の各PCケーブル30に装
着する(図9(g)参照)。そして図示しない油圧ポン
プの作動によりこのセンターホール型の緊張ジャッキ4
5を駆動させ、PCケーブル30に所定の緊張力を導入
する。所定の緊張力が導入された状態でウェッジ(くさ
び)を効かせて定着板42部分にPCケーブル30を確
実に定着させる。
【0031】PCケーブル30の緊張定着が完了した
ら、図1、図9(h)に示したように、PCケーブル3
0の定着端全体を覆うようにヘッドキャップ67を取り
付ける。このヘッドキャップ67には定着板42を貫通
し、アンカー孔に連通するように配管されたエア抜きを
兼ねた防錆材戻り管としての排気パイプ47が取り付け
られている。また、ヘッドキャップ67の側面にはグリ
ースニップル48が設けられており、グリースニップル
48にグリースポンプ49からのグリース供給ホース4
6を連結する。そして所定の圧力をかけてヘッドキャッ
プ67内に防錆材としてのグリースGを充填する。この
ヘッドキャップ67内にグリースGが十分充填される
と、定着板42に形成されている貫通孔42aを通じて
グリースGの一部がシース管11の口元部分にも浸入す
る。そしてシース管11の口元管間での間の空隙にグリ
ースGが充填される。このとき排気パイプ47から内部
エアが抜けるようになっている。その後、口元部分にグ
リースGが完全に充填されると、排気パイプ47からそ
の一部がリターンとして得られる。このリターンを確認
した段階で排気パイプ47を閉塞ボルトBで閉塞し、ヘ
ッドキャップ67及びアンカー口元2全体をグリースG
で覆う(図9(i)参照)。これにより、アンカーヘッ
ド42の錆止め防止を図ることができる。このようにし
て、本発明の上向きアンカーを用いることによりアンカ
ーユニット10をグラウト注入前に、確実にアンカー孔
50内に保持させることができ、また上向き状態に設置
された状態においてもヘッドキャップ67を利用したグ
リース注入を確実に行うことができ、アンカー頭部及び
アンカー孔口元2の密封を図ることができる。また、高
い耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による上向きグラウンドアンカーの一実
施の態様による全体断面図。
【図2】アンカー支持パッカー部を示した部分断面図
(アンカー孔挿入時)。
【図3】アンカー支持パッカー部を示した部分断面図
(パッカー膨張時)。
【図4】図3のIV-IV断面線に沿って示したグラウンド
アンカーの横断面図。
【図5】図3のV-V断面線に沿って示したグラウンドア
ンカーの横断面図。
【図6】図3のVI-VI断面線に沿って示したグラウンド
アンカーの横断面図。
【図7】上向きグラウンドアンカーの施工順序を示した
施工状態図(その1)。
【図8】上向きグラウンドアンカーの施工順序を示した
施工状態図(その2)。
【図9】上向きグラウンドアンカーの施工順序を示した
施工状態図(その3)。
【図10】従来の永久アンカーの構成の一例を示した全
体断面図。
【符号の説明】
1 上向きグラウンドアンカー 5 口元管 10 アンカーユニット 11 シース管 20 アンカー支持パッカー部 22 パッカー注入管 24 外部グラウト注入管 30 PCケーブル 31 内部グラウト注入ホース 32 内部グラウト排気ホース 33 外部グラウト排気ホース 40 アンカー頭部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 博 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 鹿田 朋義 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 近久 博志 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 小林 薫 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 中原 博隆 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 松元 和伸 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 筒井 雅行 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンカー孔に挿入された状態でアンカー口
    元部に位置し、内部に引張部材を収容した口元管の周囲
    で膨張し、アンカー孔壁と密着可能なパッカー部と、該
    パッカー部にグラウト材を供給するために前記口元管内
    に配管されたパッカー注入管と、前記口元管に連結され
    前記引張部材全体を収容するシース管内に配管され、余
    剰内部グラウト分を孔外に排出する内部グラウト排気管
    と、前記シース管内に配管され、余剰外部グラウト分を
    孔外に排出する外部グラウト排気管とを備えたことを特
    徴とする上向きグラウンドアンカー。
  2. 【請求項2】管周囲にパッカー部が装着された口元管を
    連結したシース管内に引張部材が収容されたアンカーユ
    ニットを、地山に対して上向きに削孔したアンカー孔に
    挿入し、前記口元管内に配管されたパッカー注入管を介
    して前記パッカー部にグラウト材を供給して前記パッカ
    ー部をアンカー孔壁に密着させ前記アンカーユニットを
    前記アンカー孔内に保持させた状態で、内部グラウト注
    入管により内部グラウトを行うとともに、前記シース管
    内に配管された内部グラウト排気管を介して余剰内部グ
    ラウト分をアンカー孔外に排出させ、その後、外部グラ
    ウト注入管により前記アンカー孔壁と前記シース管との
    間に外部グラウトを行うとともに、前記シース管内に配
    管された外部グラウト排気管を介して余剰外部グラウト
    分をアンカー孔外に排出するようにし、前記内部グラウ
    トが所定強度に達した段階でアンカー頭部の定着を行う
    ようにしたことを特徴とする上向きグラウンドアンカー
    の施工方法。
  3. 【請求項3】前記内部グラウト排気管及び前記外部グラ
    ウト排気管は前記引張部材に沿って前記シース管先端近
    傍まで配管されたことを特徴とする請求項1記載の上向
    きグラウンドアンカー。
  4. 【請求項4】前記アンカー頭部を覆うようにアンカー口
    元部に取り付けられるヘッドキャップ内に、前記アンカ
    ー孔内と連通した防錆材戻り管を設けるようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の上向きグラウンドアンカ
    ー。
  5. 【請求項5】前記アンカー頭部を覆うように取り付けら
    れるヘッドキャップ内に、前記アンカー孔内と連通した
    防錆材戻り管を設け、前記ヘッドキャップ内への防錆材
    充填時に前記防錆材戻り管からの防錆材の戻りを確認し
    て前記アンカー孔内への防錆材充填状態を確認するよう
    にしたことを特徴とする請求項2記載の上向きグラウン
    ドアンカーの施工方法。
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