JPH11209823A - プレス成形性の優れた高強度鋼板の製造方法 - Google Patents
プレス成形性の優れた高強度鋼板の製造方法Info
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- JPH11209823A JPH11209823A JP2650598A JP2650598A JPH11209823A JP H11209823 A JPH11209823 A JP H11209823A JP 2650598 A JP2650598 A JP 2650598A JP 2650598 A JP2650598 A JP 2650598A JP H11209823 A JPH11209823 A JP H11209823A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加工性に優れることは勿論、プレス成形用鋼
板として重要な溶接性を兼ね備え、さらに熱延加工時に
割れが生じにくい高強度鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.02〜0.14%、
Si:1.00%以下、Mn:10〜23%、Al:
0.10%以下、Cr:13%以下、Ni:6%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を熱間圧延す
る際、熱間圧延における加工温度を1250℃以下、9
50℃超として熱間圧延を終了し、あるいはさらに冷間
圧延を施す。鋼成分として、前記成分のほかさらにN
b:0.10%以下、Ti:0.10%以下の1種また
は2種を含めることができる。
板として重要な溶接性を兼ね備え、さらに熱延加工時に
割れが生じにくい高強度鋼板の製造方法を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.02〜0.14%、
Si:1.00%以下、Mn:10〜23%、Al:
0.10%以下、Cr:13%以下、Ni:6%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を熱間圧延す
る際、熱間圧延における加工温度を1250℃以下、9
50℃超として熱間圧延を終了し、あるいはさらに冷間
圧延を施す。鋼成分として、前記成分のほかさらにN
b:0.10%以下、Ti:0.10%以下の1種また
は2種を含めることができる。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は加工性に極めて優
れ、かつプレス成形用鋼板として必要な溶接性を兼ね備
えた高強度鋼板を安定的に製造する方法に関する。
れ、かつプレス成形用鋼板として必要な溶接性を兼ね備
えた高強度鋼板を安定的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車などの輸送機器において
は、その運動性能向上や燃費向上の観点から車両自体の
軽量化が大きな課題であり、車両を構成する各部品の軽
量化はもとより、車両本体を構成するボディシェルに用
いる素材鋼板の高強度化、高剛性化によるゲージダウン
(薄肉化)により解決が図られてきた。
は、その運動性能向上や燃費向上の観点から車両自体の
軽量化が大きな課題であり、車両を構成する各部品の軽
量化はもとより、車両本体を構成するボディシェルに用
いる素材鋼板の高強度化、高剛性化によるゲージダウン
(薄肉化)により解決が図られてきた。
【0003】しかし、一般的に素材は高強化によってそ
の加工性が著しく劣化するため、各素材においてさまざ
まな手法で加工性を確保したまま、高強度化を達成する
努力がなされてきた。例えば、薄鋼板の場合では、Ti
及び/又はNbを添加した加工性に優れる極低炭素IF
鋼を固溶強化したハイテン材や、フェライト母相に硬質
なマルテンサイトやベイナイトなどの低温変態生成相を
混在させることによって伸びやバーリング加工性に優れ
た鋼板が既に広く用いられている。さらに、オーステナ
イト相の加工硬化特性に着目し、常温でオーステナイト
を10%ほど残留させ、そのTRIP(加工誘起変態塑
性)効果で伸びの向上を目指した鋼板も知られている。
の加工性が著しく劣化するため、各素材においてさまざ
まな手法で加工性を確保したまま、高強度化を達成する
努力がなされてきた。例えば、薄鋼板の場合では、Ti
及び/又はNbを添加した加工性に優れる極低炭素IF
鋼を固溶強化したハイテン材や、フェライト母相に硬質
なマルテンサイトやベイナイトなどの低温変態生成相を
混在させることによって伸びやバーリング加工性に優れ
た鋼板が既に広く用いられている。さらに、オーステナ
イト相の加工硬化特性に着目し、常温でオーステナイト
を10%ほど残留させ、そのTRIP(加工誘起変態塑
性)効果で伸びの向上を目指した鋼板も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、極低炭
素IF鋼を固溶強化したハイテン材は固溶強化能そのも
のに限度があり、引張強度で440N/mm2 程度が強度
の上限であり、強化元素を多く添加しても、いたずらに
成分コストを上げるだけであり、また加工性の急激な低
下を招く。
素IF鋼を固溶強化したハイテン材は固溶強化能そのも
のに限度があり、引張強度で440N/mm2 程度が強度
の上限であり、強化元素を多く添加しても、いたずらに
成分コストを上げるだけであり、また加工性の急激な低
下を招く。
【0005】一方、フェライト母相に硬質な低温変態生
成相を混在させた複合組織鋼板や常温でオーステナイト
を残留させた鋼板では、TS×El値がたかだか220
00N/mm2 ・%程度であり、必ずしも十分な加工性を
備えているとは言いがたい。
成相を混在させた複合組織鋼板や常温でオーステナイト
を残留させた鋼板では、TS×El値がたかだか220
00N/mm2 ・%程度であり、必ずしも十分な加工性を
備えているとは言いがたい。
【0006】また、鋼組織の大半をオーステナイト相と
することによって、強度−延性バランスを改善する考え
方は特開昭58−126956号公報に開示されている
が、同公報に開示の技術では、オ−ステナイト鋼板にお
ける溶接性劣化の防止、および製造条件の上で熱間加工
時における割れの発生防止が考慮されておらず、プレス
加工用高強度鋼板の製造方法として十分な満足が得られ
ていない。
することによって、強度−延性バランスを改善する考え
方は特開昭58−126956号公報に開示されている
が、同公報に開示の技術では、オ−ステナイト鋼板にお
ける溶接性劣化の防止、および製造条件の上で熱間加工
時における割れの発生防止が考慮されておらず、プレス
加工用高強度鋼板の製造方法として十分な満足が得られ
ていない。
【0007】本発明は加工性に優れることは勿論、プレ
ス成形用鋼板として重要な溶接性を兼ね備え、さらに熱
延加工時に割れが生じにくく、高強度鋼板を安定的に製
造することができる方法を提供するものである。
ス成形用鋼板として重要な溶接性を兼ね備え、さらに熱
延加工時に割れが生じにくく、高強度鋼板を安定的に製
造することができる方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のプレス成形性の
優れた高強度鋼板の製造方法は、質量%で、C :0.
02〜0.14%、Si:1.00%以下、Mn:10
〜23%、Al:0.10%以下、Cr:13%以下、
Ni:6%以下残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼を熱間圧延する高強度鋼板の製造方法において、熱間
圧延における加工温度を1250℃以下、950℃超と
して熱間圧延を終了し、あるいはさらに冷間圧延を施す
ものである。なお、熱間圧延における加工温度とは、熱
間圧延中の圧延材の温度のみならず、熱間圧延前に鋼片
を加熱炉にて加熱する場合は加熱炉での加熱温度をも含
む。
優れた高強度鋼板の製造方法は、質量%で、C :0.
02〜0.14%、Si:1.00%以下、Mn:10
〜23%、Al:0.10%以下、Cr:13%以下、
Ni:6%以下残部Feおよび不可避的不純物からなる
鋼を熱間圧延する高強度鋼板の製造方法において、熱間
圧延における加工温度を1250℃以下、950℃超と
して熱間圧延を終了し、あるいはさらに冷間圧延を施す
ものである。なお、熱間圧延における加工温度とは、熱
間圧延中の圧延材の温度のみならず、熱間圧延前に鋼片
を加熱炉にて加熱する場合は加熱炉での加熱温度をも含
む。
【0009】鋼成分として、前記成分のほかさらにN
b:0.10%以下、Ti:0.10%以下の1種また
は2種を含めることができる。
b:0.10%以下、Ti:0.10%以下の1種また
は2種を含めることができる。
【0010】本発明の高強度鋼板は、鋼組織が90%以
上のオーステナイト相となるように、かつプレス成形用
鋼板として要求される溶接性を確保すべく成分調整され
たものであり、以下に成分限定理由(単位:mass%)を
説明する。
上のオーステナイト相となるように、かつプレス成形用
鋼板として要求される溶接性を確保すべく成分調整され
たものであり、以下に成分限定理由(単位:mass%)を
説明する。
【0011】C:0.02〜0.14% Cは鋼の強度に大きく寄与し、耐力向上のため少なくと
も0.02%を必要とする。しかし、過剰に添加すると
溶接性を損なうため上限を0.14%と規定する。
も0.02%を必要とする。しかし、過剰に添加すると
溶接性を損なうため上限を0.14%と規定する。
【0012】Si:1.00%以下 Siは1.00%を超えて添加されると高温延性を阻害
することから、1.00%を上限とする。もっともプレ
ス成形用鋼板としての使用を考慮し、塗装性の観点から
0.60%以下にすることが望ましい。なお、下限は特
に定めないが、Siは鋼溶製時の脱酸材として有効な元
素であるため、0.10%以上添加してその効果を発揮
させることが望ましい。
することから、1.00%を上限とする。もっともプレ
ス成形用鋼板としての使用を考慮し、塗装性の観点から
0.60%以下にすることが望ましい。なお、下限は特
に定めないが、Siは鋼溶製時の脱酸材として有効な元
素であるため、0.10%以上添加してその効果を発揮
させることが望ましい。
【0013】Mn:10〜23% Mnは強度を得るために必要な元素であり、含有量が1
0%未満では十分な強度が得られない。一方、23%を
超えて過剰に含有されると、加工性、溶接性が劣化す
る。従ってMn含有量の下限を10%、上限を23%と
する。
0%未満では十分な強度が得られない。一方、23%を
超えて過剰に含有されると、加工性、溶接性が劣化す
る。従ってMn含有量の下限を10%、上限を23%と
する。
【0014】Al:0.10%以下 Alは含有量が0.10%を超えて添加されると加工性
が劣化し、かつ溶接熱影響部の靱性の低下を招くため
0.10%を上限とする。
が劣化し、かつ溶接熱影響部の靱性の低下を招くため
0.10%を上限とする。
【0015】Cr:13%以下 Crはオーステナイトを強化するのに有効な元素であ
り、好ましくは1%以上添加するのがよいが、過剰に添
加されると、熱間加工性を阻害し製造が困難になるた
め、上限を13%とする。好ましくは1〜13%であ
る。
り、好ましくは1%以上添加するのがよいが、過剰に添
加されると、熱間加工性を阻害し製造が困難になるた
め、上限を13%とする。好ましくは1〜13%であ
る。
【0016】Ni:6%以下 Niは強度を得るため、またオーステナイト相を得るた
めに有効であり、好ましくは1%以上添加するのがよい
が、コスト的に高いこと、強度の観点からは6%を越え
て含まれても効果が飽和することから、上限を6%とす
る。好ましくは1〜6%である。
めに有効であり、好ましくは1%以上添加するのがよい
が、コスト的に高いこと、強度の観点からは6%を越え
て含まれても効果が飽和することから、上限を6%とす
る。好ましくは1〜6%である。
【0017】以上の基本成分のほか、必要によりTi:
0.10%以下、Nb:0.10%以下の1種又は2種
を含有することができる。TiやNbは鋼中に析出物と
して存在し、強化に寄与するが、過剰に析出物として存
在すると逆に延性に悪影響を及ぼすため、それぞれ上限
を0.10%とする。
0.10%以下、Nb:0.10%以下の1種又は2種
を含有することができる。TiやNbは鋼中に析出物と
して存在し、強化に寄与するが、過剰に析出物として存
在すると逆に延性に悪影響を及ぼすため、それぞれ上限
を0.10%とする。
【0018】上記した成分組成の鋼を用いて高強度熱延
鋼板あるいは冷延鋼板を製造するに際し、特に注意すべ
きはその熱間圧延である。以下に本発明鋼板の製造条件
について説明する。
鋼板あるいは冷延鋼板を製造するに際し、特に注意すべ
きはその熱間圧延である。以下に本発明鋼板の製造条件
について説明する。
【0019】まず本発明鋼を転炉や電気炉などの通常用
いられる溶解炉にて溶製した後、連続鋳造あるいは造
塊、分塊によって鋼スラブとする。その後、熱間圧延に
よって薄鋼板とするのであるが、鋼片加熱を含む熱間圧
延の際の加工温度を1250℃以下、950℃超とす
る。好ましくは1200℃以下、960℃以上とするの
がよい。本発明のような多量にMnを含む鋼では変形抵
抗が大きいことに加え、硫化物などの粒界への微細析出
などに起因してスラブ割れが生じやすい。本発明鋼では
Cを低くするなどにより変形抵抗の改善を図っている
が、高温での絞り値は1250℃超あるいは950℃以
下では25%以下となり、加熱炉内においてスラブ割れ
が、また圧延工程において板割れが生じやすくなるから
である。なお、製造後の鋼片の温度が十分高く、前記温
度にて熱間圧延を行うことができる場合には、加熱炉で
の加熱は不要であり、製造後の鋼片を直接熱間圧延に供
してもよい。
いられる溶解炉にて溶製した後、連続鋳造あるいは造
塊、分塊によって鋼スラブとする。その後、熱間圧延に
よって薄鋼板とするのであるが、鋼片加熱を含む熱間圧
延の際の加工温度を1250℃以下、950℃超とす
る。好ましくは1200℃以下、960℃以上とするの
がよい。本発明のような多量にMnを含む鋼では変形抵
抗が大きいことに加え、硫化物などの粒界への微細析出
などに起因してスラブ割れが生じやすい。本発明鋼では
Cを低くするなどにより変形抵抗の改善を図っている
が、高温での絞り値は1250℃超あるいは950℃以
下では25%以下となり、加熱炉内においてスラブ割れ
が、また圧延工程において板割れが生じやすくなるから
である。なお、製造後の鋼片の温度が十分高く、前記温
度にて熱間圧延を行うことができる場合には、加熱炉で
の加熱は不要であり、製造後の鋼片を直接熱間圧延に供
してもよい。
【0020】熱間圧延後は、20℃/s以上の極力速い
速度で冷却し、500℃以下で巻取るのが望ましい。こ
れは800〜500℃で析出するCrの炭化物が加工性
を劣化させるので、この析出を防止するためである。
速度で冷却し、500℃以下で巻取るのが望ましい。こ
れは800〜500℃で析出するCrの炭化物が加工性
を劣化させるので、この析出を防止するためである。
【0021】冷延鋼板を製造する場合、熱間圧延後に機
械的あるいは化学的な手法で表面のスケールを除去した
後、常法にて冷間圧延、再結晶焼鈍を実施すればよい
が、冷間圧延の影響を完全に除くためには750℃以
上、望ましくは900℃以上、1100℃以下で焼鈍す
るのがよい。
械的あるいは化学的な手法で表面のスケールを除去した
後、常法にて冷間圧延、再結晶焼鈍を実施すればよい
が、冷間圧延の影響を完全に除くためには750℃以
上、望ましくは900℃以上、1100℃以下で焼鈍す
るのがよい。
【0022】以上のようにして製造した熱延鋼板あるい
は冷延鋼板は、必要に応して溶融亜鉛めっき、電気めっ
き、化成処理などの種々の表面処理を施して表面処理鋼
板として使用しても何ら差し支えない。
は冷延鋼板は、必要に応して溶融亜鉛めっき、電気めっ
き、化成処理などの種々の表面処理を施して表面処理鋼
板として使用しても何ら差し支えない。
【0023】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼を溶製し、鋼スラブ
とした後、加熱炉にて1150℃に加熱した。その後、
板厚2.8mmまで熱間圧延を施し、圧延後は冷却水によ
り平均60℃/sで冷却し、450℃で巻取った。その
後、一部の熱延鋼板については、酸洗後、板厚1.2mm
まで冷間圧延した後、再結晶焼鈍(1050℃に加熱
後、900℃まで徐冷し、900℃より25℃/sで冷
却)を実施し、圧下率1.0%のスキンパス圧延を施し
た。熱延加工時の割れの発生状況、得られた熱延鋼板お
よび冷延鋼板の機械的性質、組織中のオーステナイト相
体積率の調査結果を表2に示す。なお、熱延鋼板は、巻
き取り後の鋼板を酸洗して表面スケールを除去し、圧下
率1.0%のスキンパス圧延を施したものを調査対象と
した。
とした後、加熱炉にて1150℃に加熱した。その後、
板厚2.8mmまで熱間圧延を施し、圧延後は冷却水によ
り平均60℃/sで冷却し、450℃で巻取った。その
後、一部の熱延鋼板については、酸洗後、板厚1.2mm
まで冷間圧延した後、再結晶焼鈍(1050℃に加熱
後、900℃まで徐冷し、900℃より25℃/sで冷
却)を実施し、圧下率1.0%のスキンパス圧延を施し
た。熱延加工時の割れの発生状況、得られた熱延鋼板お
よび冷延鋼板の機械的性質、組織中のオーステナイト相
体積率の調査結果を表2に示す。なお、熱延鋼板は、巻
き取り後の鋼板を酸洗して表面スケールを除去し、圧下
率1.0%のスキンパス圧延を施したものを調査対象と
した。
【0024】さらに、これらの熱延鋼板、冷延鋼板を用
いて、溶接性を調査した。溶接性については、加圧力4
00kgf 、先端径19φの電極を用い、通電22サイク
ル、(チリ発生限界電流値−0.5kA)の電流値でス
ポット溶接後、せん断引張試験(n=10)を行い、そ
の破断形態によりナゲット内破断の確率が50%未満の
ものを良好(○)、50%以上のものを不良(×)と評
価した。溶接性の調査結果を表2に併せて示す。
いて、溶接性を調査した。溶接性については、加圧力4
00kgf 、先端径19φの電極を用い、通電22サイク
ル、(チリ発生限界電流値−0.5kA)の電流値でス
ポット溶接後、せん断引張試験(n=10)を行い、そ
の破断形態によりナゲット内破断の確率が50%未満の
ものを良好(○)、50%以上のものを不良(×)と評
価した。溶接性の調査結果を表2に併せて示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2から明らかなように、本発明の鋼組成
を有し、仕上温度を950℃超として熱間圧延したもの
は、TS(引張強さ)×El(伸び%)値が25000
N/mm2 ・%以上と強度−延性バランスに優れ、しかも
溶接性も良好であることがわかる。
を有し、仕上温度を950℃超として熱間圧延したもの
は、TS(引張強さ)×El(伸び%)値が25000
N/mm2 ・%以上と強度−延性バランスに優れ、しかも
溶接性も良好であることがわかる。
【0028】一方、化学成分範囲が本発明範囲と異なる
比較鋼種を用いたもの(試料No. 9〜14)では、仕上
温度が950℃超の場合、強度−延性バランスないしは
溶接性が発明例と比べて著しく劣っていたり、熱間圧延
時の変形抵抗が高く、エッジ部に加工割れが生じている
ものもある。また、No. 8、15、16から明らかなよ
うに、熱延仕上温度が本発明範囲に比して低いもので
は、鋼成分が発明範囲内であり、オーステナイト相体積
率が95%以上のものでも、割れが発生しており、満足
な結果が得られていない。
比較鋼種を用いたもの(試料No. 9〜14)では、仕上
温度が950℃超の場合、強度−延性バランスないしは
溶接性が発明例と比べて著しく劣っていたり、熱間圧延
時の変形抵抗が高く、エッジ部に加工割れが生じている
ものもある。また、No. 8、15、16から明らかなよ
うに、熱延仕上温度が本発明範囲に比して低いもので
は、鋼成分が発明範囲内であり、オーステナイト相体積
率が95%以上のものでも、割れが発生しており、満足
な結果が得られていない。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、特にC:
0.02〜0.14%、Mn:10〜23%を含有する
鋼成分とし、熱間加工温度を1250以下、950℃超
としたので、鋼組織中のオーステナイト相が90体積%
以上の加工性に優れた、かつ溶接性も良好な高強度鋼板
が得られ、しかも熱間加工工程での割れの発生を防止す
ることができ、熱延鋼板あるいは冷延鋼板を安定的に製
造することができる。
0.02〜0.14%、Mn:10〜23%を含有する
鋼成分とし、熱間加工温度を1250以下、950℃超
としたので、鋼組織中のオーステナイト相が90体積%
以上の加工性に優れた、かつ溶接性も良好な高強度鋼板
が得られ、しかも熱間加工工程での割れの発生を防止す
ることができ、熱延鋼板あるいは冷延鋼板を安定的に製
造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 質量%で、C :0.02〜0.14
%、Si:1.00%以下、Mn:10〜23%、A
l:0.10%以下、Cr:13%以下、Ni:6%以
下残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を熱間圧延
する高強度鋼板の製造方法において、熱間圧延における
加工温度を1250℃以下、950℃超として熱間圧延
を終了し、あるいはさらに冷間圧延を施すプレス成形性
の優れた高強度鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 成分としてさらにNb:0.10%以
下、Ti:0.10%以下の1種または2種を含む請求
項1に記載したプレス成形性の優れた高強度鋼板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2650598A JPH11209823A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | プレス成形性の優れた高強度鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2650598A JPH11209823A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | プレス成形性の優れた高強度鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209823A true JPH11209823A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12195351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2650598A Pending JPH11209823A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | プレス成形性の優れた高強度鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11209823A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126715A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高Mn鋼材及びその製造方法 |
KR20160078664A (ko) * | 2014-12-24 | 2016-07-05 | 주식회사 포스코 | 표면 가공 품질이 우수한 저온용 강판 및 그 제조 방법 |
JP2017512906A (ja) * | 2014-03-28 | 2017-05-25 | オウトクンプ オサケイティオ ユルキネンOutokumpu Oyj | オーステナイト系ステンレス鋼 |
EP2383353B1 (de) | 2010-04-30 | 2019-11-06 | ThyssenKrupp Steel Europe AG | Höherfester, Mn-haltiger Stahl, Stahlflachprodukt aus einem solchen Stahl und Verfahren zu dessen Herstellung |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP2650598A patent/JPH11209823A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126715A (ja) * | 2005-11-04 | 2007-05-24 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高Mn鋼材及びその製造方法 |
JP4529872B2 (ja) * | 2005-11-04 | 2010-08-25 | 住友金属工業株式会社 | 高Mn鋼材及びその製造方法 |
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