JPH07197186A - 耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents
耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板及びその製造方法Info
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- JPH07197186A JPH07197186A JP35539193A JP35539193A JPH07197186A JP H07197186 A JPH07197186 A JP H07197186A JP 35539193 A JP35539193 A JP 35539193A JP 35539193 A JP35539193 A JP 35539193A JP H07197186 A JPH07197186 A JP H07197186A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上
の強度を有する熱延鋼板及びその製造方法を提供する。 【構成】 C:0.10〜0.35%、Si≦1.5%、M
n:1.0〜3.5%、P≦0.03%、S≦0.02%、
Al:0.02〜0.10%、N≦0.01%を含むと共
に、更に0.04%≦Ti≦0.20%、V≦0.10%、
Nb≦0.10%のうちの1種又は2種以上を含み、必要
に応じて更にMo≦1.5%、B≦0.01%、Cr≦1.
5%の1種又は2種以上を含み、残部が鉄及び不可避的
不純物元素からなり、微細な低温変態生成物を主体とす
る組織を有していることを特徴とする耐遅れ破壊特性の
優れた980N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板であ
る。この組成の鋼について、Ar3以上の温度域で熱間圧
延を仕上げた後、10℃/s以上の冷却速度で冷却し、
450℃以下で巻取ることにより製造される。自動車の
バンパー、ドアの補強部材等に適している。
の強度を有する熱延鋼板及びその製造方法を提供する。 【構成】 C:0.10〜0.35%、Si≦1.5%、M
n:1.0〜3.5%、P≦0.03%、S≦0.02%、
Al:0.02〜0.10%、N≦0.01%を含むと共
に、更に0.04%≦Ti≦0.20%、V≦0.10%、
Nb≦0.10%のうちの1種又は2種以上を含み、必要
に応じて更にMo≦1.5%、B≦0.01%、Cr≦1.
5%の1種又は2種以上を含み、残部が鉄及び不可避的
不純物元素からなり、微細な低温変態生成物を主体とす
る組織を有していることを特徴とする耐遅れ破壊特性の
優れた980N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板であ
る。この組成の鋼について、Ar3以上の温度域で熱間圧
延を仕上げた後、10℃/s以上の冷却速度で冷却し、
450℃以下で巻取ることにより製造される。自動車の
バンパー、ドアの補強部材等に適している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のバンパー、ドア
の補強部材等に適し、980N/mm2以上の強度(特に1
180N/mm2以上)を有すると共に優れた耐遅れ破壊特
性を有する超高強度熱延鋼板とその製造方法に関するも
のである。
の補強部材等に適し、980N/mm2以上の強度(特に1
180N/mm2以上)を有すると共に優れた耐遅れ破壊特
性を有する超高強度熱延鋼板とその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】地球環
境問題等より自動車の燃費改善要求が強く、そのため車
体の軽量化を図るべくバンパー、ドアの補強部材などに
980N/mm2以上の超高強度鋼板のニーズが強くなっ
ており、特開平2−197525号、特開平5−594
93号等に見られるように、超高強度熱延鋼板の高強度
化については多数の検討がなされてきた。
境問題等より自動車の燃費改善要求が強く、そのため車
体の軽量化を図るべくバンパー、ドアの補強部材などに
980N/mm2以上の超高強度鋼板のニーズが強くなっ
ており、特開平2−197525号、特開平5−594
93号等に見られるように、超高強度熱延鋼板の高強度
化については多数の検討がなされてきた。
【0003】しかし、980N/mm2以上の強度を有す
る超高強度鋼を使用したボルトでは、水素脆化による割
れが発生することが、例えば、特開昭60−15564
4号等に知られており、同様に超高強度薄鋼板において
も、大気環境下の腐食反応で発生する水素が鋼板中に入
り使用中に突然破壊することが考えられるが、超高強度
熱延薄鋼板の耐遅れ破壊特性の改善に関する検討は未だ
殆ど見られない。
る超高強度鋼を使用したボルトでは、水素脆化による割
れが発生することが、例えば、特開昭60−15564
4号等に知られており、同様に超高強度薄鋼板において
も、大気環境下の腐食反応で発生する水素が鋼板中に入
り使用中に突然破壊することが考えられるが、超高強度
熱延薄鋼板の耐遅れ破壊特性の改善に関する検討は未だ
殆ど見られない。
【0004】本発明は、かゝる状況のもとで、引張強さ
980N/mm2以上の超高強度熱延鋼板における上記の
ような遅れ破壊の問題を解決し、耐遅れ破壊特性の良好
な超高強度熱延鋼板並びにその製造方法を提供すること
を目的としている。
980N/mm2以上の超高強度熱延鋼板における上記の
ような遅れ破壊の問題を解決し、耐遅れ破壊特性の良好
な超高強度熱延鋼板並びにその製造方法を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、強度と遅れ破
壊との関係は、Tiを含む冷延材と熱延材について調べ
たところ、通常400℃程度の温度で巻取られる熱延材
を熱延後水冷して常温にて巻取ったものは、表1及び図
1に示すとおり、高強度なもの程、冷延材よりも耐遅れ
破壊特性が優れる興味ある事実を知見した。これは、従
来より、疲労特性を改善するためにTiを添加すること
は知られているが、超高強度鋼板で、しかも熱延鋼板に
おいてTi添加により耐遅れ破壊特性が顕著に改善でき
るという新規な知見であり、本発明はこの知見に基づい
て更に詳細な実験研究を重ねて完成したものである。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、強度と遅れ破
壊との関係は、Tiを含む冷延材と熱延材について調べ
たところ、通常400℃程度の温度で巻取られる熱延材
を熱延後水冷して常温にて巻取ったものは、表1及び図
1に示すとおり、高強度なもの程、冷延材よりも耐遅れ
破壊特性が優れる興味ある事実を知見した。これは、従
来より、疲労特性を改善するためにTiを添加すること
は知られているが、超高強度鋼板で、しかも熱延鋼板に
おいてTi添加により耐遅れ破壊特性が顕著に改善でき
るという新規な知見であり、本発明はこの知見に基づい
て更に詳細な実験研究を重ねて完成したものである。
【0006】
【表1】
【0007】すなわち、本発明は、C:0.10〜0.3
5%、Si≦1.5%、Mn:1.0〜3.5%、P≦0.0
3%、S≦0.02%、Al:0.02〜0.10%、N≦
0.01%、を含むと共に、更に0.04%≦Ti≦0.2
0%、V≦0.10%、Nb≦0.10%のうちの1種又
は2種以上を含み、必要に応じて更にMo≦1.5%、B
≦0.01%、Cr≦1.5%の1種又は2種以上を含
み、残部が鉄及び不可避的不純物元素からなり、微細な
低温変態生成物を主体とする組織を有していることを特
徴とする耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上の
強度を有する熱延鋼板を要旨としている。
5%、Si≦1.5%、Mn:1.0〜3.5%、P≦0.0
3%、S≦0.02%、Al:0.02〜0.10%、N≦
0.01%、を含むと共に、更に0.04%≦Ti≦0.2
0%、V≦0.10%、Nb≦0.10%のうちの1種又
は2種以上を含み、必要に応じて更にMo≦1.5%、B
≦0.01%、Cr≦1.5%の1種又は2種以上を含
み、残部が鉄及び不可避的不純物元素からなり、微細な
低温変態生成物を主体とする組織を有していることを特
徴とする耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上の
強度を有する熱延鋼板を要旨としている。
【0008】また、他の本発明は、C:0.10〜0.3
5%、Si≦1.5%、Mn:1.0〜3.5%、P≦0.0
3%、S≦0.02%、Al:0.02〜0.10%、N≦
0.01%、を含むと共に、更にTi≦0.20%、V≦
0.10%、Nb≦0.10%のうちの1種又は2種以上
を含み、必要に応じて更にMo≦1.5%、B≦0.01
%、Cr≦1.5%の1種又は2種以上を含み、残部が鉄
及び不可避的不純物元素からなる化学成分を有する鋼に
ついて、Ar3以上の温度域で熱間圧延を仕上げた後、1
0℃/s以上の冷却速度で冷却し、450℃以下で巻取
ることを特徴とする耐遅れ破壊特性の優れた980N/
mm2以上の強度を有する熱延鋼板の製造方法を要旨とし
ている。
5%、Si≦1.5%、Mn:1.0〜3.5%、P≦0.0
3%、S≦0.02%、Al:0.02〜0.10%、N≦
0.01%、を含むと共に、更にTi≦0.20%、V≦
0.10%、Nb≦0.10%のうちの1種又は2種以上
を含み、必要に応じて更にMo≦1.5%、B≦0.01
%、Cr≦1.5%の1種又は2種以上を含み、残部が鉄
及び不可避的不純物元素からなる化学成分を有する鋼に
ついて、Ar3以上の温度域で熱間圧延を仕上げた後、1
0℃/s以上の冷却速度で冷却し、450℃以下で巻取
ることを特徴とする耐遅れ破壊特性の優れた980N/
mm2以上の強度を有する熱延鋼板の製造方法を要旨とし
ている。
【0009】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。まず、本
発明における鋼の化学成分の限定理由について説明す
る。
発明における鋼の化学成分の限定理由について説明す
る。
【0010】C:Cは低温変態生成物を生成し高強度化
には必須の元素であり、980N/mm2以上の強度を得
るためには0.10%以上が必要である。しかし、0.3
5%を超えると耐遅れ破壊特性が劣化するため、C量は
0.10〜0.35%とする。
には必須の元素であり、980N/mm2以上の強度を得
るためには0.10%以上が必要である。しかし、0.3
5%を超えると耐遅れ破壊特性が劣化するため、C量は
0.10〜0.35%とする。
【0011】Si:Siは耐遅れ破壊特性を劣化させるこ
となく高強度化に有効な元素であるが、1.5%を超え
て添加すると塗装性を劣化させるので、Si量は1.5%
以下とする。
となく高強度化に有効な元素であるが、1.5%を超え
て添加すると塗装性を劣化させるので、Si量は1.5%
以下とする。
【0012】Mn:Mnは焼入性を向上させることにより
低温変態生成物を生成し、高強度化に有効な元素であ
り、980N/mm2以上の強度を得るためには1.0%以
上が必要である。しかし、3.5%を超えると耐遅れ破
壊特性を劣化させるため、Mn量は1.0〜3.5%とす
る。
低温変態生成物を生成し、高強度化に有効な元素であ
り、980N/mm2以上の強度を得るためには1.0%以
上が必要である。しかし、3.5%を超えると耐遅れ破
壊特性を劣化させるため、Mn量は1.0〜3.5%とす
る。
【0013】P:Pは粒界に偏析して脆性を劣化させる
ため、0.03%以下に抑制する。
ため、0.03%以下に抑制する。
【0014】S:Sは介在物を形成して水素の集積場所
となり耐遅れ破壊特性を劣化させるため、0.02%以
下に抑制する。
となり耐遅れ破壊特性を劣化させるため、0.02%以
下に抑制する。
【0015】N:Nは鋼中に固溶してプレス加工性など
を劣化させるため、0.01%以下とする。
を劣化させるため、0.01%以下とする。
【0016】Al:Alは脱酸のため0.02%以上を添
加するが、表面性状を劣化させるので、その上限を0.
10%とする。
加するが、表面性状を劣化させるので、その上限を0.
10%とする。
【0017】Ti、Nb、Vの1種又は2種以上:Tiは
高強度化に有効である共に耐遅れ破壊特性の改善にも有
効な元素である。これは、熱延時に圧延された加工オー
ステナイトの再結晶及び変態を抑制することにより、組
織が微細化するため粒界が破壊しにくくなり、脆性が改
善されることが一因と考えられる。しかし、0.20%
を超えると効果が飽和するため、Ti量は0.20%以下
とする。なお、Tiは溶接時に酸化物を形成し易く溶接
性が劣化することがあるので特に溶接仕様が厳密な用途
に対しては添加量は少ない方がよいが、上記効果は0.
04%以上で顕著であるので0.04%以上が好まし
い。
高強度化に有効である共に耐遅れ破壊特性の改善にも有
効な元素である。これは、熱延時に圧延された加工オー
ステナイトの再結晶及び変態を抑制することにより、組
織が微細化するため粒界が破壊しにくくなり、脆性が改
善されることが一因と考えられる。しかし、0.20%
を超えると効果が飽和するため、Ti量は0.20%以下
とする。なお、Tiは溶接時に酸化物を形成し易く溶接
性が劣化することがあるので特に溶接仕様が厳密な用途
に対しては添加量は少ない方がよいが、上記効果は0.
04%以上で顕著であるので0.04%以上が好まし
い。
【0018】また、Nb、Vは高強度化に有効である共
に、組織の微細化にも効果があるため、耐遅れ破壊特性
の改善にも有効である。しかし、それぞれ0.10%を
超えて添加しても効果が飽和するため、これを上限とす
る。
に、組織の微細化にも効果があるため、耐遅れ破壊特性
の改善にも有効である。しかし、それぞれ0.10%を
超えて添加しても効果が飽和するため、これを上限とす
る。
【0019】なお、Ti、Nb、Vは単独添加でも効果が
あるが、併せて添加することもでき、またTi添加は他
の成分より効果が大きいのでTi添加又はTiと他の成分
との複合添加が望ましい。
あるが、併せて添加することもでき、またTi添加は他
の成分より効果が大きいのでTi添加又はTiと他の成分
との複合添加が望ましい。
【0020】Mo、B、Cr:Mo、B、Crは耐遅れ破壊
特性を劣化させることなく、焼入れ性を向上させること
により低温変態生成物を生成し、高強度化に有効な元素
であるので、必要に応じて1種又は2種以上を添加する
ことができる。添加する場合、Moは1.5%、Bは0.
01%、Crは1.5%で効果が飽和するので、それぞれ
これを上限とする。なお、Moは高価な元素であるので
0.8%以下とするのが望ましい。
特性を劣化させることなく、焼入れ性を向上させること
により低温変態生成物を生成し、高強度化に有効な元素
であるので、必要に応じて1種又は2種以上を添加する
ことができる。添加する場合、Moは1.5%、Bは0.
01%、Crは1.5%で効果が飽和するので、それぞれ
これを上限とする。なお、Moは高価な元素であるので
0.8%以下とするのが望ましい。
【0021】なお、更に高強度化するためにCu、Ni等
の元素をそれぞれ1.5%以下の範囲で添加しても本発
明の効果を阻害しない。
の元素をそれぞれ1.5%以下の範囲で添加しても本発
明の効果を阻害しない。
【0022】次に本発明の製造条件について説明する。
【0023】上記化学成分を有する鋼は常法により溶
解、鋳造し、加熱後に熱間圧延を行うが、熱延仕上げ温
度は、2相域で加工フェライトが混入すると加工性が劣
化し、自動車部品等への加工が困難となるため、Ar3以
上とする。
解、鋳造し、加熱後に熱間圧延を行うが、熱延仕上げ温
度は、2相域で加工フェライトが混入すると加工性が劣
化し、自動車部品等への加工が困難となるため、Ar3以
上とする。
【0024】熱延仕上げ後の冷却速度と巻取り温度は、
980N/mm2以上の強度、特に1100N/mm2以上の
強度を得るには低温変態生成物を主体とした組織が必要
であるため、冷却速度を10℃/min以上、巻取り温度
を450℃以下(室温も含む)とする。
980N/mm2以上の強度、特に1100N/mm2以上の
強度を得るには低温変態生成物を主体とした組織が必要
であるため、冷却速度を10℃/min以上、巻取り温度
を450℃以下(室温も含む)とする。
【0025】このような製造条件により、微細な低温変
態生成物を主体とする組織が得られる。低温変態生成物
としては、フェライトを実質的に含まず、マルテンサイ
ト、ベイナイトなどである。
態生成物を主体とする組織が得られる。低温変態生成物
としては、フェライトを実質的に含まず、マルテンサイ
ト、ベイナイトなどである。
【0026】なお、巻取り後、強度や加工性の調整のた
めの450℃以下の温度での焼戻し処理或いは形状修正
のためのスキンパス処理を行っても何ら本発明の効果を
損なうものではない。
めの450℃以下の温度での焼戻し処理或いは形状修正
のためのスキンパス処理を行っても何ら本発明の効果を
損なうものではない。
【0027】次に本発明の実施例を示す。
【0028】
【実施例1】表2に示す化学成分の鋳塊を1230℃に
加熱し、表1に示す条件で、板厚2.4mmに熱間圧延
し、550℃から室温までの所定の温度までシャワー冷
却した後、巻き取った。その後、1.8mmまで表面研削
し、強度と耐遅れ破壊特性を調査した。その結果を表2
に示す。
加熱し、表1に示す条件で、板厚2.4mmに熱間圧延
し、550℃から室温までの所定の温度までシャワー冷
却した後、巻き取った。その後、1.8mmまで表面研削
し、強度と耐遅れ破壊特性を調査した。その結果を表2
に示す。
【0029】耐遅れ破壊特性については、15mm×65
mmの短冊試験片に曲げ応力980N/mm2を負荷したも
のを0.5mol/リットルの硫酸+0.01mol/リットル
のKSCN溶液中でポテンショスタットを用いて、自然
電位よりも卑である−800mVの電位を与え、割れが
発生する時間により評価した。
mmの短冊試験片に曲げ応力980N/mm2を負荷したも
のを0.5mol/リットルの硫酸+0.01mol/リットル
のKSCN溶液中でポテンショスタットを用いて、自然
電位よりも卑である−800mVの電位を与え、割れが
発生する時間により評価した。
【0030】表2より明らかなように、本発明例はいず
れも、980N/mm2以上の高強度と良好な耐遅れ破壊
特性(割れ発生時間≧10min)を示している。一方、比
較例のNo.15、17は所望の強度が得られていない。
また比較例のNo.16、18、19は割れ発生時間が1
0min以下であって本発明例に比べて耐遅れ破壊特性が
劣っている。
れも、980N/mm2以上の高強度と良好な耐遅れ破壊
特性(割れ発生時間≧10min)を示している。一方、比
較例のNo.15、17は所望の強度が得られていない。
また比較例のNo.16、18、19は割れ発生時間が1
0min以下であって本発明例に比べて耐遅れ破壊特性が
劣っている。
【0031】
【表2】
【0032】
【実施例2】表3及び表4に示す化学成分の鋳塊を12
30℃に加熱し、表3に示す条件で、板厚2.4mmに熱
間圧延し、550℃から室温までの所定の温度まで種々
の冷却速度で冷却し、巻き取った。その後、1.8mmま
で表面研削し、強度と耐遅れ破壊特性を調査した。その
結果を表3及び表4に示す。耐遅れ破壊特性の評価法は
実施例1と同様である。
30℃に加熱し、表3に示す条件で、板厚2.4mmに熱
間圧延し、550℃から室温までの所定の温度まで種々
の冷却速度で冷却し、巻き取った。その後、1.8mmま
で表面研削し、強度と耐遅れ破壊特性を調査した。その
結果を表3及び表4に示す。耐遅れ破壊特性の評価法は
実施例1と同様である。
【0033】表3及び表4より明らかなように、本発明
例はいずれも、980N/mm2以上の高強度と良好な耐
遅れ破壊特性(割れ発生時間≧10min)を示している。
一方、比較例のNo.4、7、12、14、17、19、
23、24、26は所望の強度が得られていない。また
比較例のNo.25、27、28は割れ発生時間が10mi
n以下であって本発明例に比べて耐遅れ破壊特性が劣っ
ている。
例はいずれも、980N/mm2以上の高強度と良好な耐
遅れ破壊特性(割れ発生時間≧10min)を示している。
一方、比較例のNo.4、7、12、14、17、19、
23、24、26は所望の強度が得られていない。また
比較例のNo.25、27、28は割れ発生時間が10mi
n以下であって本発明例に比べて耐遅れ破壊特性が劣っ
ている。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
耐遅れ破壊特性が良好で引張強さ980N/mm2以上の
超高強度熱延鋼板が容易に得られ、特に自動車のバンパ
ー、ドアの補強部材等に適している。
耐遅れ破壊特性が良好で引張強さ980N/mm2以上の
超高強度熱延鋼板が容易に得られ、特に自動車のバンパ
ー、ドアの補強部材等に適している。
【図1】耐遅れ破壊特性(陰極チャージ割れ発生時間)と
強度(TS)の関係を熱延材と冷延材について比較して示
す図である。
強度(TS)の関係を熱延材と冷延材について比較して示
す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.10〜0.35%、 Si≦1.5%、 Mn:1.0〜3.5%、 P≦0.03%、 S≦0.02%、 Al:0.02〜0.10%、 N≦0.01%、を含むと共に、更に0.04%≦Ti≦
0.20%、V≦0.10%、Nb≦0.10%のうちの1
種又は2種以上を含み、残部が鉄及び不可避的不純物元
素からなり、微細な低温変態生成物を主体とする組織を
有していることを特徴とする耐遅れ破壊特性の優れた9
80N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板。 - 【請求項2】 更にMo≦1.5%、B≦0.01%、Cr
≦1.5%の1種又は2種以上を含む請求項1に記載の
熱延鋼板。 - 【請求項3】 重量%で、 C:0.10〜0.35%、 Si≦1.5%、 Mn:1.0〜3.5%、 P≦0.03%、 S≦0.02%、 Al:0.02〜0.10%、 N≦0.01%、を含むと共に、更にTi≦0.20%、
V≦0.10%、Nb≦0.10%のうちの1種又は2種
以上を含み、必要に応じて更にMo≦1.5%、B≦0.
01%、Cr≦1.5%の1種又は2種以上を含み、残部
が鉄及び不可避的不純物元素からなる化学成分を有する
鋼について、Ar3以上の温度域で熱間圧延を仕上げた
後、10℃/s以上の冷却速度で冷却し、450℃以下
で巻取ることを特徴とする耐遅れ破壊特性の優れた98
0N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35539193A JPH07197186A (ja) | 1993-12-30 | 1993-12-30 | 耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35539193A JPH07197186A (ja) | 1993-12-30 | 1993-12-30 | 耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07197186A true JPH07197186A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18443671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35539193A Pending JPH07197186A (ja) | 1993-12-30 | 1993-12-30 | 耐遅れ破壊特性の優れた980N/mm2以上の強度を有する熱延鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07197186A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP0994198A1 (de) * | 1998-10-13 | 2000-04-19 | Benteler Ag | Stahllegierung zur Herstellung von Stossfängern für Kraftfahrzeuge |
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