JPH11209624A - フッ素樹脂と無機・有機ハイブリッドの複合体およびその製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂と無機・有機ハイブリッドの複合体およびその製造方法

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JPH11209624A
JPH11209624A JP844198A JP844198A JPH11209624A JP H11209624 A JPH11209624 A JP H11209624A JP 844198 A JP844198 A JP 844198A JP 844198 A JP844198 A JP 844198A JP H11209624 A JPH11209624 A JP H11209624A
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Shingo Katayama
真吾 片山
Noriko Yamada
紀子 山田
Ikuko Shiina
郁子 椎名
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子機器に使用される絶縁材料において、フ
ッ素樹脂と無機・有機ハイブリッドが均一に複合化した
硬度の高い低誘電率材料を提供すること。 【解決手段】 M−O−M結合(ここでMは金属、また
は半金属原子)を有する無機ポリマー骨格中のMが50
〜95モル%の割合にてSi(R)n (O−)4- n
(ここでRは有機基で、nは1、2または3の整数)で
置換され、かつ有機基の水素原子がフッ素原子および/
または塩素原子で置換された無機・有機ハイブリッドと
フッ素樹脂が複合した複合体である。無機・有機ハイブ
リッドの有機基において、原子比X/(X+H)(ここ
でX=F+Cl)は0.01〜1である。無機・有機ハ
イブリッドとフッ素樹脂の体積比は10:90〜80:
20の範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI素子、電子
回路、半導体回路等の電子機器に使用される絶縁材料に
適したフッ素樹脂と無機・有機ハイブリッドの複合体お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI素子の高速化、高集積化および移
動体通信などにおける電気回路の高周波化につれて、こ
れらに使用されている絶縁材料の誘電率と配線導体の電
気抵抗による信号遅延の問題が深刻になりつつある。信
号遅延は、配線の抵抗Rと配線間の容量Cの積で表され
るものである。この遅延を最小に抑えるためには、配線
抵抗を低下させることと並んで、絶縁材料の誘電率を下
げることが有効な手段である。
【0003】例えば、LSI素子の絶縁膜においては、
テトラアルコキシシランを加水分解して作製したゾルを
スピンオングラス(SOG)法によって成膜したシリカ
材料が使用されている。しかし、このようにして作製し
た材料の分子構造は、≡Si−O−Si≡の密な三次元
網目構造であり、比誘電率は4.0と高い。比誘電率を
下げるための方法として、CVDなどによるSiOFの
成膜、有機材料の成膜、多孔質膜などが提案されてい
る。SiOFはFの含有量の増大とともに誘電率が3.
3程度まで低下するが、F量とともに吸湿性が高くなる
という問題がある。フッ素樹脂などの有機材料は、誘電
率2.2程度までの低誘電率材料が得られているが、耐
熱性および基板との密着性という課題がある。多孔質材
料は孔の量に応じて誘電率は4.7から2.3まで下げ
られる[青井、第43回応用物理学会講演予稿集、26
p−N−5(1996)]。しかし吸湿性などに問題が
あるため、通常の半導体素子や電気回路部品に使うこと
が難しい。
【0004】一方、SOGでは、これまでクラックのな
い厚膜を塗布することが最大の課題であった。シリカガ
ラスの膜は厚膜にすると溶剤の蒸発や熱収縮の際にクラ
ックが入りやすいため、Hを導入した膜や、有機成分を
導入した膜(有機SOG膜)が開発されてきている。有
機SOG膜は、分極が比較的小さく嵩高い有機基を含む
ために、無機成分のみのSOGより誘電率が低く、3.
4程度のものが市販されている。しかしながら、更なる
高速化や高周波比の要求から比誘電率3以下の絶縁膜が
必要と考えられている。
【0005】また、IC絶縁基板においては、アルミナ
などのセラミックス基板が使用されてきた。絶縁体の誘
電率による信号遅延が問題となる高周波回路などでは、
セラミックスでは低誘電率化に限界があり、フッ素樹脂
等の誘電率の低い有機材料が使用されている。フッ素樹
脂は誘電率の最も低い材料であるが、硬度が低く、傷が
つきやすい。
【0006】最近の材料研究では、無機質と有機質を分
子レベルで組み合わせた無機・有機ハイブリッドが注目
されている。その例としては、有機修飾シリケート(A.
Kaiser et al., J. Membrance Soc. 22, 257-268(198
5) )やセラマー(G. L. Wilkes et al., Polym. Prep.
26, 300-302(1985), H.-H. Huang et al., Polymer.Bu
ll. 14, 557-564(1985) )と呼ばれるものがある。これ
らは、Si−Oガラス網目の中に有機基を導入した構造
であり、アルキルアルコキシシラン等の加水分解・重縮
合反応によって合成されている。これらの無機・有機ハ
イブリッドは均質体であるが、無機・有機ハイブリッド
の各種の無機粒子を分散させた複合構造にすることによ
って、特性を改善したり、新規機能を付与することがで
きる。例えば、硬度と柔軟性の両立(特開平7−278
311号公報)、潤滑性の付与(特開平8−13448
5号公報)などが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】硬度の高い低誘電率材
料として、誘電率の低いフッ素樹脂とシリカ等の無機材
料との複合化が考えられるが、フッ素樹脂とシリカ粒子
の単純な混合では均一な分散が困難であったり、これら
の界面が弱く複合体の強度が不十分であったりする。ま
た、ゾル・ゲル法によるシリカや無機・有機ハイブリッ
ドの作製過程でフッ素樹脂粉末を添加する方法も考えら
れるが、フッ素樹脂粉末を均一に分散することが困難で
ある。
【0008】本発明は、これらの点に鑑みなされたもの
で、フッ素樹脂と無機・有機ハイブリッドを均一に複合
化し、誘電率が低く、かつ硬度の高い材料を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、(1)M−O−M結合(ここでMは金属
または半金属原子)を有する無機ポリマー骨格中のMを
50〜95モル%の割合でSi(R)n (O−)4-n
(ここでRは有機基で、nは1、2または3の整数)で
置換され、かつ有機基の水素原子の一部または全部がフ
ッ素原子および/または塩素原子で置換された無機・有
機ハイブリッドとフッ素樹脂を複合させた複合体であ
る。また、(2)無機・有機ハイブリッドの有機基にお
いて、原子比X/(X+H)(ここでX=F+Cl)が
0.01〜1である上記(1)記載の複合体である。ま
た、(3)無機・有機ハイブリッドとフッ素樹脂の体積
比が10:90〜80:20の範囲である上記(1)ま
たは(2)記載の複合体である。また、(4)フッ素樹
脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テト
ラフルオロエチレン−ベルフルオロビニルエーテル共重
合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロト
リフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロ
トリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)の1種あるいは2種以上で
ある上記(1)、(2)または(3)記載の複合体であ
る。
【0010】上記(1)、(2)、(3)または(4)
記載の複合体は以下のようにして製造する。金属アルコ
キシドおよびオルガノアルコキシシランとポリジメチル
シロキサンの中の1種あるいは2種をを有機溶媒に溶解
し、さらにフルオロアルキルアルコキシシランとクロロ
アルキルアルコキシシランの中の1種あるいは2種を溶
解し、次いで水を加えて加水分解した溶液にフッ素樹脂
粉末を加えて混合した後、熟成・ゲル化して製造する。
または、金属アルコキシドおよびオルガノアルコキシシ
ランとポリジメチルシロキサンの中の1種あるいは2種
を有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアルキルアルコキ
シシランとクロロアルキルアルコキシシランの中の1種
あるいは2種を溶解し、次いでフッ素樹脂粉末を加えて
混合した後、水を加えて加水分解し、熟成・ゲル化して
製造する。または、金属アルコキシドおよびオルガノア
ルコキシシランとポリジオルガノシロキサンの中の1種
あるいは2種を有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアル
キルアルコキシシランとクロロアルキルアルコキシシラ
ンの中の1種あるいは2種を溶解し、次いで水を加えて
加水分解した溶液にフッ素樹脂粉末を加えて混合した溶
液を基板にコーティングした後、乾燥、熱処理して製造
する。または、金属アルコキシドおよびオルガノアルコ
キシシランとポリジオルガノシロキサンの中の1種ある
いは2種を有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアルキル
アルコキシシランとクロロアルキルアルコキシシランの
中の1種あるいは2種を溶解し、次いでフッ素樹脂粉末
を加えて混合した後、水を加えて加水分解した溶液を基
板にコーティングした後、乾燥、熱処理して製造する。
【0011】また、本発明は、半導体装置用の層間絶縁
膜、電気回路基板、またはIC封止材として、前記
(1)、(2)、(3)または(4)記載の複合体を使
用することを主旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】無機・有機ハイブリッドは、金属
アルコキシドとポリジメチルシロキサンや加水分解した
オルガノアルコキシシランのシラノール基とが反応し
て、M−O−M結合(ここでMは金属または半金属原
子)から成る無機ポリマーの骨格をSi(R)m (O
−)(4-m)/2 基や−O−[−Si(R)2 −O−]n
(ここでRは有機基)で置換した構造を形成して製造さ
れる。このような構造では、炭素、水素、酸素、窒素等
からなる有機物に、金属、半金属が化学結合して重合す
ることにより、原子・分子レベルで融合している。
【0013】本発明では、無機・有機ハイブリッドに分
子レベルでフッ素基や塩素基を含むので、フッ素樹脂と
の親和性がよく、均一に分散した複合体となり、フッ素
樹脂と無機・有機ハイブリッドの比率において広い範囲
の複合体が得られる。
【0014】本発明におけるフッ素樹脂は、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン−ベルフルオロビニルエーテル共重合体(PFA)、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレ
ン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)である。より好ましいのは、PTFE、P
FA、ETFE、PCTFEである。
【0015】無機ポリマーとは、M−O−M結合を骨格
として鎖状、平面状あるいは3次元状に重合した高分子
である。M−O−M結合が無機成分を表すものである。
ここでMは、金属アルコキシドを形成することができる
ものに限定される。本発明の金属アルコキシドとは、化
学式M(OR)n で表されるものである。ここで、Mは
金属あるいは半金属であり、例えばB,Si,Al,T
i,Zr,Ta,Nb,Y,Co等である。また、Rは
有機基であり、nは金属あるいは半金属Mの価数であ
る。これらの金属アルコキシドは、1種または2種以上
使用できる。
【0016】Si(R)m (O−)(4-m)/2 基および−
O−[−Si(R)2 −O−]n 基における有機基Rと
は、例えば、−CH3 、−C2 5 、−C3 7 、−C
4 9 、−CH=CH2 、−C6 5 、−CF3 、−C
2 5 、−C3 7 、−C49 、−CH2 CH2 CF
3 、−CH2 CH2 6 13、−CH2 CH2 8 17
等であり、有機成分を表すものである。
【0017】無機・有機ハイブリッドは、M−O−M結
合を有する無機ポリマー骨格中のMが50〜95モル%
の割合でSi(R)n (O−)4-n 基で置換されている
のが好ましい。Si(R)n (O−)4-n 基が50モル
%未満では、有機成分が少なくなり、フッ素樹脂との親
和性が低下したり、フッ素樹脂と複合させても無機成分
が多いので誘電率が高くなったりして好ましくない。ま
た、Si(R)n (O−)4-n 基が95モル%を越える
と、有機成分が多く柔軟性が高くなりすぎるために硬度
が低くなる。より好ましくは、70〜90モル%の範囲
である。
【0018】無機・有機ハイブリッドの有機基におい
て、原子比X/(X+H)(ここでX=F+Cl)が
0.01〜1の範囲が好ましい。原子比X/(X+H)
が0.01未満では、フッ素基や塩素基の含有量が少な
くなり、フッ素樹脂との親和性が低くなり、均一な複合
体が得られない。より好ましくは、0.1〜1の範囲で
ある。
【0019】無機・有機ハイブリッドとフッ素樹脂の体
積比は、10:90〜80:20の範囲が好ましい。フ
ッ素樹脂の割合が少なく、80:20の比率未満では、
誘電率の低下が小さく、実用的でない。フッ素樹脂の割
合が多く、10:90の比率を越えると、硬度が低くな
り、実用的でない。より好ましくは、40:60〜6
0:40の範囲である。
【0020】本発明の複合体は、金属アルコキシドおよ
びオルガノアルコキシシランを有機溶媒に溶解し、さら
にフルオロアルキルアルコキシシランとクロロアルキル
アルコキシシランの中の1種あるいは2種を溶解し、次
いで水を加えて加水分解した溶液にフッ素樹脂粉末を加
えて混合した後、熟成・ゲル化して製造する。あるい
は、金属アルコキシドおよびオルガノアルコキシシラン
を有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアルキルアルコキ
シシランとクロロアルキルアルコキシシランの中の1種
あるいは2種を溶解し、次いでフッ素樹脂粉末を加えて
混合した後、水を加えて加水分解し、熟成・ゲル化して
製造する。
【0021】本発明の複合体薄膜は、金属アルコキシド
およびオルガノアルコキシシランを有機溶媒に溶解し、
さらにフルオロアルキルアルコキシシランとクロロアル
キルアルコキシシランの中の1種あるいは2種を溶解
し、次いで水を加えて加水分解した溶液にフッ素樹脂粉
末を加えて混合した溶液を基板にコーティングした後、
乾燥、熱処理して製造する。あるいは、金属アルコキシ
ドおよびオルガノアルコキシシランを有機溶媒に溶解
し、さらにフルオロアルキルアルコキシシランとクロロ
アルキルアルコキシシランの中の1種あるいは2種を溶
解し、次いでフッ素樹脂粉末を加えて混合した後、水を
加えて加水分解した溶液を基板にコーティングした後、
乾燥、熱処理して製造する。
【0022】本発明で使用する金属アルコキシドは特に
限定しないが、例えば、メトキシド、エトキシド、プロ
ポキシド、ブトキシド等が挙げられる。また、金属アル
コキシドは、そのアルコキシ基の一部をβ−ジケトン、
β−ケトエステル、アルカノールアミン、アルキルアル
カノールアミン、有機酸等で置換して使用してもよい。
【0023】本発明で使用するオルガノアルコキシシラ
ンとは、化学式Si(R)m (OR″)(4-m)/2 で表さ
れ、有機基Rが−CH3 、−C2 5 、−C3 7 、−
49 、−CH=CH2 、−C6 5 、−CF3 、−
2 5 、−C3 7 、−C4 9 、−CH2 CH2
3 、−CH2 CH2 6 13、−CH2 CH2 8
17等であり、アルコキシ基−OR″がメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等で構成されるもの
である。オルガノアルコキシシランはアルコキシ基に対
して等モル以下の水で予め加水分解(部分加水分解)し
て使用しても良い。
【0024】本発明で使用するポリジオルガノシロキサ
ンとは、化学式HO−[−Si(R)2 −O−]n −H
で表される直鎖状重合体であり、有機基Rが−CH3
−C2 5 、−C3 7 、−C4 9 、−CH=C
2 、−C6 5 等で構成されるものである。例えば、
ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポ
リジプロピルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、
ポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられる。ただ
し、nが500を越えると溶媒に溶解しなかったり、反
応点である水酸基の占める割合が少なくなって無機・有
機ハイブリッドが合成できないために好ましくない。
【0025】本発明の加水分解では、アルコキシ基に対
して0.5〜10モル倍の水を添加する。この際、無機
酸、有機酸あるはそれらの両方を触媒として使用する。
添加する水は、アルコール等の有機溶媒で希釈してもよ
い。
【0026】本発明による複合体は、半導体装置用の層
間絶縁膜、電気回路基板、IC封止材などの絶縁材料と
して各種電子部品に応用することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではな
い。表1に示した原料をエタノール溶媒で混合し、塩酸
触媒下で水を加えて加水分解した。この加水分解溶液に
フッ素樹脂粒子を加え、分散溶液を調製した。分散溶液
を70℃でゲル化させた後、300℃で熱処理して、無
機・有機ハイブリッドとPTFEの複合体を作製した。
硬度はJIS K 7202に従ってロックウェル硬度
で測定した。比誘電率は、板状試料の両面にAl電極を
つけ、インピーダンスアナライザで測定した。実施例1
〜6は、フルオロアルキルアルコキシシラン、クロロア
ルキルアルコキシシランを用いて無機・有機ハイブリッ
ド構造中にフッ素基、塩素基を導入してフッ素樹脂粒子
と複合させた。すべての場合において均一な複合体が得
られ、添加したフッ素樹脂(PCTFE:R110、P
TFE:D65(ショワー硬さ。柔軟であるためにロッ
クウェル硬度では測定できない))より高い硬度であ
り、かつ比誘電率が2.2〜2.5と低い。これらの比
誘電率の値は、比較例9に示しているようにフッ素樹脂
と複合していない無機・有機ハイブリッドの値(3.
2)や比較例8に示しているようなフッ素樹脂の複合割
合が少なすぎる場合の値(3.0)に比べて顕著に低
い。また、比較例7に示しているように、無機・有機ハ
イブリッド構造中にフッ素基を導入しなかった場合は、
フッ素樹脂粒子を均一に分散することが困難であり、複
合体が得られなかった。
【0028】実施例1〜6の分散液を用いて、スピンコ
ーターで厚さ1000Åの白金をスパッタしたSi基板
上に塗布し、150℃のホットプレートで5分、300
℃のホットプレートで30分熱処理して、複合体の薄膜
を作製した。薄膜上に厚さ1000ÅのAlを直径1mm
の円形状につけ、インピーダンスアナライザで誘電率を
測定したところ、これら薄膜についても表1に示した値
と同じ比誘電率が得られた。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。無
機・有機ハイブリッドの構造中に製造過程からフッ素基
が導入されているためにフッ素樹脂と均一な複合化が可
能になる。その結果、誘電率が低く、かつ硬度の高い材
料が提供でき、これはLSI素子、電子回路、半導体回
路等の電子機器における絶縁材料として有用である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M−O−M結合(ここでMは金属または
    半金属原子)を有する無機ポリマー骨格中のMが50〜
    95モル%の割合にてSi(R)n (O−)4-n 基(こ
    こでRは有機基で、nは1、2または3の整数)で置換
    され、かつ有機基の水素原子の一部または全部がフッ素
    原子および/または塩素原子で置換された無機・有機ハ
    イブリッドとフッ素樹脂が複合していることを特徴とす
    る複合体。
  2. 【請求項2】 無機・有機ハイブリッドの有機基におい
    て、原子比X/(X+H)(ここでX=F+Cl)が
    0.01〜1であることを特徴とする請求項1記載の複
    合体。
  3. 【請求項3】 無機・有機ハイブリッドとフッ素樹脂の
    体積比が10:90〜80:20の範囲であることを特
    徴とする請求項1または2記載の複合体。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチ
    レン、テトラフルオロエチレン−ベルフルオロビニルエ
    ーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
    オロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエ
    チレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エ
    チレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフ
    ッ化ビニリデンの1種または2種以上であることを特徴
    とする請求項1、2または3記載の複合体。
  5. 【請求項5】 金属アルコキシドおよびオルガノアルコ
    キシシランとポリジメチルシロキサンの中の1種あるい
    は2種をを有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアルキル
    アルコキシシランとクロロアルキルアルコキシシランの
    中の1種あるいは2種を溶解し、次いで水を加えて加水
    分解した溶液にフッ素樹脂粉末を加えて混合した後、熟
    成・ゲル化することを特徴とする請求項1、2、3また
    は4記載の複合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属アルコキシドおよびオルガノアルコ
    キシシランとポリジメチルシロキサンの中の1種あるい
    は2種を有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアルキルア
    ルコキシシランとクロロアルキルアルコキシシランの中
    の1種あるいは2種を溶解し、次いでフッ素樹脂粉末を
    加えて混合した後、水を加えて加水分解し、熟成・ゲル
    化することを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の複合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属アルコキシドおよびオルガノアルコ
    キシシランとポリジオルガノシロキサンの中の1種ある
    いは2種を有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアルキル
    アルコキシシランとクロロアルキルアルコキシシランの
    中の1種あるいは2種を溶解し、次いで水を加えて加水
    分解した溶液にフッ素樹脂粉末を加えて混合した溶液を
    基板にコーティングした後、乾燥、熱処理することを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の複合体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 金属アルコキシドおよびオルガノアルコ
    キシシランとポリジオルガノシロキサンの中の1種ある
    いは2種を有機溶媒に溶解し、さらにフルオロアルキル
    アルコキシシランとクロロアルキルアルコキシシランの
    中の1種あるいは2種を溶解し、次いでフッ素樹脂粉末
    を加えて混合した後、水を加えて加水分解した溶液を基
    板にコーティングした後、乾燥、熱処理することを特徴
    とする請求項1、2、3または4記載の複合体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3または4記載の複合体
    からなる半導体装置用の層間絶縁膜。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3または4記載の複合
    体からなる電気回路基板。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3または4記載の複合
    体からなるIC封止材。
JP844198A 1998-01-20 1998-01-20 フッ素樹脂と無機・有機ハイブリッドの複合体およびその製造方法 Withdrawn JPH11209624A (ja)

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