JPH11209522A - 硫黄変性クロロプレンゴム組成物 - Google Patents

硫黄変性クロロプレンゴム組成物

Info

Publication number
JPH11209522A
JPH11209522A JP3399098A JP3399098A JPH11209522A JP H11209522 A JPH11209522 A JP H11209522A JP 3399098 A JP3399098 A JP 3399098A JP 3399098 A JP3399098 A JP 3399098A JP H11209522 A JPH11209522 A JP H11209522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
sulfur
chloroprene rubber
modified chloroprene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3399098A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Okuno
茂樹 奥野
Yasuo Ota
保夫 太田
Masaaki Ogino
雅章 荻野
Yoshiyuki Kitano
善之 北野
Goro Yamashita
五郎 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP3399098A priority Critical patent/JPH11209522A/ja
Publication of JPH11209522A publication Critical patent/JPH11209522A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 粘着摩耗の発生が抑制された寿命の長い製品
を得ることができ、また、スコーチ時間が長く加工性が
良好である硫黄変性クロロプレンゴム組成物を提供す
る。 【解決手段】 硫黄変性クロロプレンゴム、加硫促進
剤、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなり、上記加硫
促進剤の配合量M0は0.1〜5重量部であり、上記酸
化亜鉛の配合量M1及び上記酸化マグネシウムの配合量
M2は、それぞれの配合量とムーニースコーチ時間tと
の予め求めた関係式において、t1≦t(式中、t1
は、ASTM3190に定められた基本配合2Aのムー
ニースコーチ時間を表す。)なる関係を満たす値である
硫黄変性クロロプレンゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用、一般産
業用の伝動ベルトや、一般工業用ゴムロール等の用途に
使用される硫黄変性クロロプレンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】硫黄変性クロロプレンゴムは、その優れ
た動的特性を生かし、自動車用や一般産業用の伝動ベル
ト、一般工業用のゴムロール等の様々な用途において利
用されている。一般的に、硫黄変性クロロプレンゴム
は、他のタイプのクロロプレンゴムに比べて加硫速度が
高いため、亜鉛華及び酸化マグネシウムを用いる金属酸
化物架橋のみで加硫することが可能であり、加硫促進剤
の使用は不必要であると考えられていた。
【0003】しかしながら、近年、硫黄変性クロロプレ
ンゴムからなる伝動ベルト、ゴムロール等においては、
摺動部で接触する相手材によりゴムが摩耗し、その摩耗
粉が摺動部相手材及びゴム表面に付着することにより粘
着性を持つ現象(以下この現象を「粘着摩耗」という)
が発生することが問題になっいる。粘着摩耗が発生する
と、動力を伝達する機能そのものに悪影響をおよぼし、
更には、摺動部において相手材と異常に干渉し合うこと
により、異音が発生してしまう。
【0004】従来、このような粘着摩耗の発生を防止す
る手段としては、大きく別けて二つの手段があった。一
つは、硫黄変性クロロプレンゴムに対してナイロン繊維
やアラミド繊維等の短繊維を適量配合し、ゴム表面から
これらの繊維を露出させることにより、ゴム表面の摩擦
係数を低下させ、かつ、相手材とゴム表面との直接的な
接触を最小限にする方法である。もう一つは、ゴムの硬
度を高くすることにより、耐摩耗性を高める方法であ
る。ゴムの硬度を高くするための具体的な手段としては
種々考えられ、例えば、塩素、紫外線、コロナ等による
表面処理によりゴム表面のみを硬化させたり、ゴム中に
配合するカーボンブラック等の補強材の種類や量を最適
化したりする手法がある。
【0005】しかしながら、ゴムの硬度を高くするため
の最も有力な具体的手段は、加硫促進剤を使用すること
により、ゴムの架橋密度を高くし、弾性率を高めること
である。一般に、クロロプレンゴムの加硫促進剤として
は、エチレンチオウレア(ETU)、トリメチルチオウ
レア(TMU)等のチオウレア系のものや、チウラム
系、チアゾール系、スルフェンアミド系、鉛丹(Pb3
4 )等が使用されている。これらのうち、最も一般的
に用いられているものは、下記一般式(I);
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、そ
れぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水
素基を表し、かつ、R1 、R2 、R3 及びR4 からなる
群より選択される少なくとも3種は、炭素数1〜12の
炭化水素基を表す。)で表されるチオウレア化合物であ
る。
【0008】しかしながら、上記のような加硫促進剤を
硫黄変性クロロプレンゴムに対して多量に使用すると、
製品の弾性率が高くなりすぎ、耐屈曲性等の動的特性が
悪化して製品寿命が短くなってしまう。また、上記のよ
うな加硫促進剤を適量使用することにより粘着摩耗の発
生を抑制することは可能であるが、上述のように、硫黄
変性クロロプレンゴムは加硫促進剤なしでも加硫速度が
充分高いものであるため、加硫促進剤の使用によりスコ
ーチ時間が短くなり、ゴムの練りや成型時に発熱してゴ
ム焼けが発生しやすいという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、粘着摩耗の発生が抑制された寿命の長い製品を得る
ことができ、また、スコーチ時間が長く加工性が良好で
ある硫黄変性クロロプレンゴム組成物を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、硫黄変性クロ
ロプレンゴム、加硫促進剤、酸化亜鉛、及び、酸化マグ
ネシウムからなる硫黄変性クロロプレンゴム組成物であ
って、上記加硫促進剤の上記硫黄変性クロロプレンゴム
100重量部に対する配合量M0(重量部)は、0.1
〜5重量部であり、上記酸化亜鉛の上記硫黄変性クロロ
プレンゴム100重量部に対する配合量M1(重量
部)、及び、上記酸化マグネシウムの上記硫黄変性クロ
ロプレンゴム100重量部に対する配合量M2(重量
部)は、上記硫黄変性クロロプレンゴム100重量部、
上記加硫促進剤M0重量部、並びに、上記酸化亜鉛、及
び、上記酸化マグネシウムからなる組成物を複数種類調
製し、上記複数種類の組成物のそれぞれの上記酸化亜鉛
の上記硫黄変性クロロプレンゴム100重量部に対する
配合量m1(重量部)、上記酸化マグネシウムの上記硫
黄変性クロロプレンゴム100重量部に対する配合量m
2(重量部)、及び、ムーニースコーチ時間(t35)t
(分)の値を用いることにより、上記複数種類の組成物
中にそれぞれ含有される上記加硫促進剤の種類と配合量
M0(重量部)とに応じて、下記式(1); t=A(m1)2 +B(m2)2 +C(m1)(m2)+D(m1)+E(m2 )+F (1) によって表される係数A、B、C、D、E及びFを、実
験的に決定し、その後、下記式(2); t1≦A(M1)2 +B(M2)2 +C(M1)(M2)+D(M1)+E(M 2)+F (2) (式中、t1は、上記硫黄変性クロロプレンゴム100
重量部、上記酸化亜鉛5重量部、上記酸化マグネシウム
4重量部、ステアリン酸0.5重量部、及び、SRFブ
ラック30重量部からなる硫黄変性クロロプレンゴム標
準配合組成物(ASTM3190に定められた基本配合
2A)のムーニースコーチ時間(t35)を表す。A、
B、C、D、E及びFは上記方法により決定した数値を
表す。)によりt1とM1及びM2との関係式を作成し
た場合に、この関係を満たす値である硫黄変性クロロプ
レンゴム組成物である。以下に本発明を詳述する。
【0011】本発明の硫黄変性クロロプレンゴム組成物
は、硫黄変性クロロプレンゴム、加硫促進剤、酸化亜
鉛、及び、酸化マグネシウムからなる。上記硫黄変性ク
ロロプレンゴムとしては特に限定されず、例えば、下記
一般式(II);
【0012】
【化3】
【0013】(式中、xは、2〜6の整数を表す。n
は、80x〜110xを表す。)で表されるもの等を挙
げることができる。
【0014】上記硫黄変性クロロプレンゴムは、一般に
G系ネオプレンゴムと称呼されているものを含む概念で
ある。上記G系ネオプレンゴムとしては特に限定され
ず、例えば、ネオプレンGS、ネオプレンGNA、ネオ
プレンGW、ネオプレンGRT等の昭和電工・デュポン
社製のもの等を挙げることができる。
【0015】上記加硫促進剤としては特に限定されず、
例えば、チオウレア系のもの、チウラム系のもの、チア
ゾール系のもの、スルフェンアミド系のもの、鉛丹(P
34 )等を挙げることができる。
【0016】本発明においては、上記加硫促進剤の上記
硫黄変性クロロプレンゴム100重量部に対する配合量
M0(重量部)は、0.1〜5重量部である。0.1重
量部未満であると、製品の使用時に異音が発生し、5重
量部を超えると、製品のモジュラスが高くなりすぎるた
め、耐屈曲性等の動的特性が悪くなり、製品寿命が短く
なるので、上記範囲に限定される。好ましくは、0.1
5〜3重量部である。
【0017】本発明においては、上記加硫促進剤とし
て、下記一般式(I);
【0018】
【化4】
【0019】で表されるチオウレア化合物が好適に用い
られる。上記一般式(I)において、R1 、R2 、R3
及びR4 は、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜12の
炭化水素基である。これらは同一であってもよく、異な
っていてもよい。また、R1 、R2 、R3 及びR4 から
なる群より選択される少なくとも3種は、炭素数1〜1
2の炭化水素基である。3種以上が炭素数1〜12の炭
化水素基ではない場合は、製品の粘着摩耗防止効果が小
さくなる。
【0020】上記チオウレア化合物の具体例としては特
に限定されず、例えば、トリメチルチオウレア、トリエ
チルチオウレア、トリプロピルチオウレア、トリブチル
チオウレア、テトラメチルチオウレア、テトラエチルチ
オウレア、テトラプロピルチオウレア、テトラブチルチ
オウレア等の炭素数1〜12のアルキル基を有するチオ
ウレア化合物;フェニルジメチルチオウレア、フェニル
トリメチルチオウレア、フェニルジエチルチオウレア等
の炭素数1〜12のアリール基を有するチオウレア化合
物等を挙げることができる。これらは単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、トリ
メチルチオウレア、トリエチルチオウレア、及び、テト
ラメチルチオウレアが好適に用いられ、トリメチルチオ
ウレア、及び、テトラメチルチオウレアが特に好適に用
いられる。
【0021】本発明の硫黄変性クロロプレンゴム組成物
は、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが配合されてなるも
のである。本発明においては、上記酸化亜鉛の上記硫黄
変性クロロプレンゴム100重量部に対する配合量M1
(重量部)、及び、上記酸化マグネシウムの上記硫黄変
性クロロプレンゴム100重量部に対する配合量M2
(重量部)は、以下のようにして決定される値である。
【0022】まず、上記硫黄変性クロロプレンゴム10
0重量部、上記加硫促進剤M0重量部、並びに、上記酸
化亜鉛、及び、上記酸化マグネシウムからなる組成物を
複数種類調製する。すなわち、上記酸化亜鉛及び上記酸
化マグネシウムの配合量を各種の値としたこと以外は本
発明の硫黄変性クロロプレンゴム組成物と同じ配合から
なる組成物を複数種類調製する。
【0023】次に、上記複数種類の組成物のそれぞれの
上記酸化亜鉛の上記硫黄変性クロロプレンゴム100重
量部に対する配合量m1(重量部)、上記酸化マグネシ
ウムの上記硫黄変性クロロプレンゴム100重量部に対
する配合量m2(重量部)、及び、ムーニースコーチ時
間(t35)t(分)の値を用いることにより、上記複数
種類の組成物中に含有される上記加硫促進剤の種類と配
合量M0(重量部)とに応じて、下記式(1); t=A(m1)2 +B(m2)2 +C(m1)(m2)+D(m1)+E(m2 )+F (1) によって表される係数A、B、C、D、E及びFを、実
験的に決定する。
【0024】次に、下記式(2); t1≦A(M1)2 +B(M2)2 +C(M1)(M2)+D(M1)+E(M 2)+F (2) によりt1とM1及びM2との関係式を作成する。
【0025】上記式(2)において、t1は、上記硫黄
変性クロロプレンゴム100重量部、上記酸化亜鉛5重
量部、上記酸化マグネシウム4重量部、ステアリン酸
0.5重量部、及び、SRFブラック30重量部からな
る硫黄変性クロロプレンゴム標準配合組成物(ASTM
3190に定められた基本配合2A)のムーニースコー
チ時間(t35)である。また、A、B、C、D、E及び
Fは上記方法により決定した数値である。
【0026】上記式(2)は、具体的には、例えば、上
記加硫促進剤としてトリメチルチオウレアを用い、その
配合量を、上記硫黄変性クロロプレンゴム100重量部
に対して、0.5重量部とする場合は、下記式(3)の
ようになる。 12≦0.0166(M1)2 −0.0471(M2)2 −0.3604(M1 )(M2)−0.5000(M1)+3.3823(M2)+4.4582 (3)
【0027】そして、上記酸化亜鉛の上記硫黄変性クロ
ロプレンゴム100重量部に対する配合量M1(重量
部)、及び、上記酸化マグネシウムの上記硫黄変性クロ
ロプレンゴム100重量部に対する配合量M2(重量
部)は、上記式(2)の関係を満たす値として決定され
る。
【0028】本発明の硫黄変性クロロプレンゴム組成物
は、上記酸化亜鉛の配合量M1(重量部)及び上記酸化
マグネシウムの配合量M2(重量部)が、上述のように
して決定されたものであるので、加硫促進剤が配合され
たものであるにもかかわらず、加硫促進剤が配合されて
いないものに比べても、同等又はより長いスコーチ時間
を有するものとなり、加工性に優れたものとなる。
【0029】なお、スコーチ時間が長すぎると、加硫速
度が遅くなり、加工に要する時間が長くなりすぎるの
で、上記酸化亜鉛の配合量M1(重量部)及び上記酸化
マグネシウムのM2(重量部)は、下記式(4); t1≦A(M1)2 +B(M2)2 +C(M1)(M2)+D(M1)+E(M 2)+F≦t1+20 (4) により表される関係を満たす値であることがより好まし
い。
【0030】本発明の硫黄変性クロロプレンゴム組成物
には、必要に応じて、各種添加剤を配合することができ
る。上記添加剤としては特に限定されず、例えば、カー
ボンブラック等の補助剤;ステアリン酸等の滑剤;硫
黄、有機硫黄化合物、金属過酸化物等の架橋剤;チアゾ
ール類、ジチオカルバメート類、グアニジン類、チウラ
ム類等の加硫促進剤;アミン類、フェノール類等の老化
防止剤;炭酸カルシウム、塩基性炭化マグネシウム、珪
藻土、クレー等の充填剤;ジメチルフタレート、ジエチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート等の可塑剤等を挙
げることができる。これらは単独で使用してもよく、2
種以上を併用してもよい。上記添加剤の配合量としては
特に限定されるものではなく、用いられる添加剤の種類
等に応じて適宜決定される。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0032】実施例1〜5、比較例1〜3 硫黄変性クロロプレンゴムとしてネオプレンGS(昭和
電工・デュポン社製)100重量部、カーボンHAF4
0重量部、可塑剤としてセバシン酸ジオクチル(DO
S)8重量部、ステアリン酸1重量部、加硫促進剤とし
てトリメチルチオウレア0.5重量部、並びに、表1に
示した配合量で酸化亜鉛及び酸化マグネシウムを配合し
て、硫黄変性クロロプレンゴム組成物を調製した。
【0033】比較例4 加硫促進剤を配合せず、酸化亜鉛の配合量を5重量部、
酸化マグネシウムの配合量を4重量部としたこと以外
は、実施例1と同様にして硫黄変性クロロプレンゴム組
成物を調製した。
【0034】比較例5 加硫促進剤の配合量を5.5重量部としたこと以外は、
実施例1と同様にして硫黄変性クロロプレンゴム組成物
を調製した。
【0035】実施例1〜5及び比較例1〜5で調製した
硫黄変性クロロプレンゴム組成物のムーニースコーチ時
間(ML125℃、t35)、150℃、60分で架橋反
応を起こした後の加硫ゴムのゴム硬度(JIS A)、
テーバー摩耗試験(相手材;H−18、荷重500g、
予備ずりなし、本ずり2000回)での摩耗量(g)、
デマッチャ屈曲試験(JIS K 6260の屈曲亀裂
成長試験で亀裂長さが10mmに達するまでに要する屈
曲回数)を、それぞれ、表1に示した。
【0036】なお、テーバー摩耗試験での摩耗量は、粘
着摩耗の起こりにくさの指標として用いた。すなわち、
粘着摩耗が起こると、摩耗粉や相手材がゴム試料表面に
付着するため、みかけ上、摩耗量が0に近づく(時には
マイナスの値となる)。粘着摩耗が起こりにくい試料ほ
ど、この摩耗量が多くなる。また、デマッチャ屈曲試験
は、製品寿命の代用特性として用いた。
【0037】表2に示した組成からなる計8サンプルの
ムーニースコーチ時間(t35)のデータより、加硫促進
剤であるトリメチルチオウレアを0.5重量部用いたと
きのムーニースコーチ時間(ML125℃、t35)の値
の酸化亜鉛及び酸化マグネシウムの配合量に対する依存
性を、最小二乗法で下記式(1)に回帰させた。 t=A(m1)2 +B(m2)2 +C(m1)(m2)
+D(m1)+E(m2)+F (1)
【0038】上記式(1)において、tは、ムーニース
コーチ時間(ML125℃、t35、単位:分)、m1は
酸化亜鉛の配合量(重量部)、m2は酸化マグネシウム
の配合量(重量部)である。
【0039】回帰の結果、トリメチルチオウレア0.5
重量部に対する係数A〜Fは以下の通りであった。 A=0.0166、B=−0.0471、C=−3.6
04、D=−0.5000、E=3.3823、F=
4.4582 上記式(1)及び上記係数A〜Fの値より、酸化亜鉛の
配合量と酸化マグネシウムの配合量とによるムーニース
コーチ時間(t35)の変化を等高線で図1に示した。
【0040】硫黄変性クロロプレンゴムとしてネオプレ
ンGS(昭和電工・デュポン社製)100重量部に対し
て、酸化亜鉛5重量部、酸化マグネシウム4重量部、ス
テアリン酸0.5重量部、及び、SRFブチック30重
量部を計量し、ASTM3190に定められた方法で、
硫黄変性クロロプレンゴム標準配合組成物を調製した。
得られた硫黄変性クロロプレンゴム標準配合組成物のム
ーニースコーチ時間(t35)を測定したところ、12分
であった。
【0041】上記係数A〜Fの値、及び、上記硫黄変性
クロロプレンゴム標準配合組成物のムーニースコーチ時
間(t35)より、下記式(3)が求められた。 12≦0.0166(M1)2 −0.0471(M2)2 −0.3604(M1 )(M2)−0.5000(M1)+3.3823(M2)+4.4582 (3)
【0042】実施例1〜5及び比較例1〜5の硫黄変性
クロロプレンゴム組成物について、酸化亜鉛の配合量M
1(重量部)及び酸化マグネシウムの配合量M2(重量
部)の値が、上記式(3)の関係を満たすか否かを確認
した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】実施例1〜5の硫黄変性クロロプレンゴム
組成物は、いずれも上記式(3)の関係を満たしてお
り、ムーニースコーチ時間(t35)は12分以上であっ
た。このため、硫黄変性クロロプレンゴム標準配合組成
物と比べても加工性が劣るものではなかった。更に、実
施例1〜5の硫黄変性クロロプレンゴム組成物において
は、比較例4の硫黄変性クロロプレンゴム組成物で起こ
っているような粘着摩耗が起こらなかった。また、デマ
ッチャ屈曲試験で表される動的特性も良好なものであっ
た。
【0046】一方、比較例1〜3の硫黄変性クロロプレ
ンゴム組成物は、加硫促進剤としてトリメチルチオウレ
ア0.5重量部を用いているため、ゴム硬度が比較例4
の硫黄変性クロロプレンゴム組成物に比べて高く、粘着
摩耗も起こっていなかったが、上記式(3)の関係を満
たしていないため、ムーニースコーチ時間(t35)が短
く、加工性に乏しいものであった。また、比較例4の硫
黄変性クロロプレンゴム組成物は、ムーニースコーチ時
間(t35)は12分と充分なものであるが、加硫促進剤
を用いていないため、架橋密度が低く、粘着摩耗を起こ
していた。また、比較例5の硫黄変性クロロプレンゴム
組成物は、ムーニースコーチ時間(t35)は15分であ
り、加工性もよく、粘着摩耗を起こしていなかったが、
トリメチルチオウレアを5.5重量部と多量に使用して
いるため、架橋密度及びゴム硬度が高くなりすぎ、結果
的にデマッチャ屈曲試験で示される耐久性が極端に悪い
ものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明の硫黄変性クロロプレンゴム組成
物は、上述の構成からなるものであるので、耐屈曲性等
の動的特性に優れ、製品寿命が長く、かつ、粘着摩耗の
発生が抑制された製品を得ることができ、また、スコー
チ時間が長く加工性が良好なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ムーニースコーチ時間(ML125℃、t35
の酸化亜鉛及び酸化マグネシウムの配合量依存性を表す
グラフ。縦軸は酸化マグネシウムの配合量(重量部)を
示す。横軸は酸化亜鉛の配合量(重量部)を示す。ま
た、グラフ上に付された数字はムーニースコーチ時間
(ML125℃、t35、単位:分)を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北野 善之 神戸市兵庫区明和通3−2−15 バンドー 化学株式会社内 (72)発明者 山下 五郎 神戸市兵庫区明和通3−2−15 バンドー 化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫黄変性クロロプレンゴム、加硫促進
    剤、酸化亜鉛、及び、酸化マグネシウムからなる硫黄変
    性クロロプレンゴム組成物であって、前記加硫促進剤の
    前記硫黄変性クロロプレンゴム100重量部に対する配
    合量M0(重量部)は、0.1〜5重量部であり、前記
    酸化亜鉛の前記硫黄変性クロロプレンゴム100重量部
    に対する配合量M1(重量部)、及び、前記酸化マグネ
    シウムの前記硫黄変性クロロプレンゴム100重量部に
    対する配合量M2(重量部)は、前記硫黄変性クロロプ
    レンゴム100重量部、前記加硫促進剤M0重量部、並
    びに、前記酸化亜鉛、及び、前記酸化マグネシウムから
    なる組成物を複数種類調製し、前記複数種類の組成物の
    それぞれの前記酸化亜鉛の前記硫黄変性クロロプレンゴ
    ム100重量部に対する配合量m1(重量部)、前記酸
    化マグネシウムの前記硫黄変性クロロプレンゴム100
    重量部に対する配合量m2(重量部)、及び、ムーニー
    スコーチ時間(t35)t(分)の値を用いることによ
    り、前記複数種類の組成物中にそれぞれ含有される前記
    加硫促進剤の種類と配合量M0(重量部)とに応じて、
    下記式(1); t=A(m1)2 +B(m2)2 +C(m1)(m2)+D(m1)+E(m2 )+F (1) によって表される係数A、B、C、D、E及びFを、実
    験的に決定し、その後、下記式(2); t1≦A(M1)2 +B(M2)2 +C(M1)(M2)+D(M1)+E(M 2)+F (2) (式中、t1は、前記硫黄変性クロロプレンゴム100
    重量部、前記酸化亜鉛5重量部、前記酸化マグネシウム
    4重量部、ステアリン酸0.5重量部、及び、SRFブ
    ラック30重量部からなる硫黄変性クロロプレンゴム標
    準配合組成物(ASTM3190に定められた基本配合
    2A)のムーニースコーチ時間(t35)を表す。A、
    B、C、D、E及びFは前記方法により決定した数値を
    表す。)によりt1とM1及びM2との関係式を作成し
    た場合に、この関係を満たす値であることを特徴とする
    硫黄変性クロロプレンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 加硫促進剤は、下記一般式(I); 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立し
    て、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、
    かつ、R1 、R2 、R3 及びR4 からなる群より選択さ
    れる少なくとも3種は、炭素数1〜12の炭化水素基を
    表す。)で表されるチオウレア化合物である請求項1記
    載の硫黄変性クロロプレンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 式(2)は、下記式(3); 12≦0.0166(M1)2 −0.0471(M2)2 −0.3604(M1 )(M2)−0.5000(M1)+3.3823(M2)+4.4582 (3) である請求項1又は2記載の硫黄変性クロロプレンゴム
    組成物。
JP3399098A 1998-01-29 1998-01-29 硫黄変性クロロプレンゴム組成物 Pending JPH11209522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3399098A JPH11209522A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 硫黄変性クロロプレンゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3399098A JPH11209522A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 硫黄変性クロロプレンゴム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11209522A true JPH11209522A (ja) 1999-08-03

Family

ID=12401932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3399098A Pending JPH11209522A (ja) 1998-01-29 1998-01-29 硫黄変性クロロプレンゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11209522A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010095591A1 (ja) * 2009-02-23 2010-08-26 電気化学工業株式会社 硫黄変性クロロプレンエラストマー組成物、その配合物及び加硫物
CN102268151A (zh) * 2011-05-14 2011-12-07 宁波捷豹集团有限公司 氯丁混炼橡胶的逆向加料一步法混炼制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010095591A1 (ja) * 2009-02-23 2010-08-26 電気化学工業株式会社 硫黄変性クロロプレンエラストマー組成物、その配合物及び加硫物
CN102325838A (zh) * 2009-02-23 2012-01-18 电气化学工业株式会社 硫改性氯丁二烯弹性体组合物、其配混物及硫化物
JP5551679B2 (ja) * 2009-02-23 2014-07-16 電気化学工業株式会社 硫黄変性クロロプレンエラストマー組成物、その配合物及び加硫物
CN102268151A (zh) * 2011-05-14 2011-12-07 宁波捷豹集团有限公司 氯丁混炼橡胶的逆向加料一步法混炼制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5283353B2 (ja) 空気バネ用ゴム組成物及び空気バネ
EP2399953B1 (en) Polychloroprene elastomer composition, process for producing same, and vulcanizate and molded object
EP0945488A2 (en) Rubber composition
EP1541627B1 (en) Vibration damping rubber composition
JP2016023191A (ja) ゴム組成物
US8063155B2 (en) Curing agent which is suitable for EPDM-type rubbers
JP3069337B2 (ja) 伝動ベルト及びエラストマー組成物
US4012332A (en) Rubber vulcanization accelerator composition
JPH11209522A (ja) 硫黄変性クロロプレンゴム組成物
KR101693637B1 (ko) 고내열 이음 방지 스태빌라이저 바 부시 조성물
JP2007224085A (ja) 架橋用ゴム組成物
EP2540771B1 (en) Vibration-isolating rubber composition and rubber vibration isolator using same
CA1257035A (en) Cushion stock for power transmission belts
EP0750010B1 (en) Power transmission belt
JP2002012704A (ja) ベルトおよびベルト用水素化ニトリルゴム組成物
JP3340825B2 (ja) インナーチューブ用ゴム組成物
JP3887895B2 (ja) 耐熱老化性及び圧縮永久歪に優れるクロロプレンゴム組成物
EP0864604A2 (en) Rubber composition
KR102113074B1 (ko) 보트 소재용 고무 조성물 및 이 고무 조성물로 이루어지는 보트용 고무 시트
JPH11209521A (ja) エラストマー組成物
JPH08269242A (ja) ガスケット用ニトリルゴム配合物
JP3325371B2 (ja) ゴム組成物
JPH02169641A (ja) クロロプレンゴム組成物
JPS5811532A (ja) ゴム組成物
KR20180003871A (ko) 니트로사민 프리 가황촉진제를 이용한 고무 조성물 및 이를 이용한 자동차용 친환경 글라스 런 웨더스트립 제품

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Effective date: 20040310

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424