JPH112084A - 縦坑の掘削機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも全高を低くすることができる縦坑
の掘削機構を提供しようとするもの。 【解決手段】 土砂の崩落を防止するためのケーシング
２内で縦坑を掘削する機構１であって、前記ケーシング
２に対して着脱自在に固定するための固定手段４と、地
中へ掘進せしめるための回転掘削手段８と、前記回転掘
削手段８を駆動せしめるための駆動手段９とを具備し、
前記駆動手段９は回転掘削手段８に近接して配設せしめ
られた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、基礎杭を打ち込
むためなどの縦坑を掘削するための掘削機構に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来より基礎杭を打ち込むためなどの縦
坑を掘削するために、縦坑の掘削機構が使用されてい
る。

【０００３】図４に示すように、縦坑を掘削する際に
は、アース・ドリル20のモータ21により回転掘削手段22
（図示のものはスクリュー）のシャフトを回転させつつ
地中へ向けて押圧して掘進させる。なお、23は縦坑の壁
面の土砂の崩落を防止するためのケーシングである。

【０００４】しかし、回転掘削手段22のシャフトを回転
させるためにアース・ドリル20を必要とするために、ア
ース・ドリルの高さ分全高が非常に高くなってしまい、
橋の下等のように高さの制限がある場所では作業ができ
ないという問題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
従来よりも全高を低くすることができる縦坑の掘削機構
を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明では次のような技術的手段を講じている。

【０００７】この発明の縦坑の掘削機構は、土砂の崩落
を防止するためのケーシング内で縦坑を掘削する機構で
あって、前記ケーシングに対して着脱自在に固定するた
めの固定手段と、地中へ掘進せしめるための回転掘削手
段と、前記回転掘削手段を駆動せしめるための駆動手段
とを具備し、前記駆動手段は回転掘削手段に近接して配
設せしめられたことを特徴とする。

【０００８】この縦坑の掘削機構を固定手段により、土
砂の崩落を防止するためのケーシングに対して固定し、
回転掘削手段に近接して配設せしめた駆動手段により、
回転掘削手段を駆動して地中へ掘進させることができる
ので、回転掘削手段を駆動するためにアース・ドリルは
必要としない。

【０００９】前記駆動手段を流体圧機器としたこととし
てもよく、前記回転掘削手段をドリリング・バケットと
したととしてもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。

【００１１】図１乃至図３に示すように、この実施形態
の縦坑の掘削機構１は、土砂の崩落を防止するための金
属製のケーシング２内で縦坑を掘削する機構である。な
お、前記ケーシング２は公知の回転捩じ込み装置３を用
いて、外周側から強制的に下向きに回転駆動せしめて地
中に捩じ込んでいくことができるようにしている。

【００１２】また、前記ケーシング２に対してこの縦坑
の掘削機構１を着脱自在に固定するための固定手段４
（四対の油圧シリンダ５とアーム６と押圧体７）と、地
中へ掘進せしめるための回転掘削手段８（ドリリング・
バケット）と、前記回転掘削手段８（ドリリング・バケ
ット）を駆動せしめるための駆動手段９（油圧モータ）
とを具備する。

【００１３】固定手段４として９０度間隔で四対の油圧
シリンダ５を設置しており、地上からクレーンを介して
耐圧ホース（図示せず）により油圧制御箱10を通して公
知の方法でオイルを供給すると、四対の油圧シリンダ５
の出力軸が伸長してこれに連結された各二列のアーム６
がそれぞれ約４５度程度外周方向に回動して変位し、押
圧体７がケーシング２の内壁11に突っ張って完全に固定
されるようにしている（二点鎖線で変位した状態を示
す）。

【００１４】また、回転掘削手段８として採用したドリ
リング・バケットにより、縦坑の掘屑を内部へ取り込ん
でいく。なおドリリング・バケットの先端には、スクリ
ュー刃12を設けている。

【００１５】駆動手段９として採用した流体圧機器（油
圧モータ）は、回転掘削手段８（ドリリング・バケッ
ト）に近接して配設せしめ、地上からオイルをクレーン
を介して耐圧ホースにより公知の方法で油圧制御箱10を
通して供給するようにしている。そして、この油圧モー
タの駆動によりドリリング・バケットを回転駆動する。
また回転駆動中のドリリング・バケットを地中へ掘進さ
せるために掘進用油圧シリンダ13を設けており、同様に
油圧を供給して駆動することにより、ドリリング・バケ
ットの部分をケーシング２等に対して相対的に下方に向
けて進行させ得るようにしている。

【００１６】次に、この実施形態の縦坑の掘削機構１の
使用状態を説明する。回転捩じ込み装置３によりケーシ
ング２を地中へ捩じ込む工程と、縦坑の掘削機構１を固
定手段４によりケーシング２に一体的に固定して掘削す
る掘削工程とを交互に行うようにしている。

【００１７】ケーシング２を地中へ捩じ込む工程では、
回転捩じ込み装置３を用いて、外周側から強制的に下向
きに回転駆動せしめて地中に捩じ込んでいく。この工程
では、縦坑の掘削機構１はケーシング２への固定を解除
しており、縦坑の掘削機構１はクレーンにより空中に吊
持せしめている。したがって、この捩じ込み工程中は、
ケーシング２と縦坑の掘削機構１とは離脱している。

【００１８】地中への掘削工程では、クレーンにより縦
坑の掘削機構１をケーシング２内に移動させ、オイルを
地上からクレーンを介して耐圧ホースにより油圧制御箱
10を通して油圧シリンダ５に供給する。すると、油圧シ
リンダ５の出力軸が伸長してこれに連結された四対のア
ーム６がそれぞれ外周方向に変位し、ケーシング２の内
壁11に突っ張って完全に固定される。すなわち、縦坑の
掘削機構１はケーシング２に対して固定状態となる。

【００１９】そして、クレーンから回転掘削手段８（ド
リリング・バケット）に近接して配設せしめた駆動手段
９（油圧モータ）に油圧制御箱10を介してオイルを供給
することにより、回転掘削手段８（ドリリング・バケッ
ト）を回転駆動すると共に、掘進用油圧シリンダ13によ
り下方に向けて進行させて地中へ掘進させる。

【００２０】この縦坑の掘削機構１によると、回転掘削
手段８（ドリリング・バケット）を駆動するためにアー
ス・ドリルは必要としない。したがって、縦坑の掘削機
構１を吊持するクレーンがあれば足り、従来よりも全高
を低くすることができるという利点がある。

【００２１】なお図４に示すように、従来はアース・ド
リル20により、縦坑の壁面の土砂の崩落を防止するため
のケーシング23を地中に捩じ込んでいた。

【００２２】

【発明の効果】この発明は上述のような構成であり、次
の効果を有する。

【００２３】回転掘削手段を駆動するためにアース・ド
リルは必要としないので、従来よりも全高を低くするこ
とができる回転式掘削機構を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の縦坑の掘削機構の実施形態の平面
図。

【図２】図１の縦坑の掘削機構のＡ−Ａ線断面の構造の
説明図。

【図３】図１の縦坑の掘削機構のＢ−Ｂ線断面の構造の
説明図。

【図４】従来の縦坑の掘削機構の説明図。

【符号の説明】

１ 縦坑の掘削機構 ２ ケーシング ４ 固定手段 ８ 回転掘削手段 ９ 駆動手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 土砂の崩落を防止するためのケーシング
   内で縦坑を掘削する機構であって、前記ケーシングに対
   して着脱自在に固定するための固定手段と、地中へ掘進
   せしめるための回転掘削手段と、前記回転掘削手段を駆
   動せしめるための駆動手段とを具備し、前記駆動手段は
   回転掘削手段に近接して配設せしめられたことを特徴と
   する縦坑の掘削機構。
2. 【請求項２】 前記駆動手段を流体圧機器とした請求項
   １記載の縦坑の掘削機構。
3. 【請求項３】 前記回転掘削手段をドリリング・バケッ
   トとした請求項１又は２記載の縦坑の掘削機構。