JPH11208105A - インクジェット記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体およびその製造方法

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JPH11208105A
JPH11208105A JP10016801A JP1680198A JPH11208105A JP H11208105 A JPH11208105 A JP H11208105A JP 10016801 A JP10016801 A JP 10016801A JP 1680198 A JP1680198 A JP 1680198A JP H11208105 A JPH11208105 A JP H11208105A
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ink
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JP10016801A
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English (en)
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Yuichi Matsumoto
雄一 松本
Kenji Kawamoto
憲治 河本
Yukako Tada
有歌子 多田
Jiro Watanabe
二郎 渡辺
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクのぬれ性や染着性と共に、耐水性の特性
の同時に満足させることが出来、さらに、OHPシート
に代表される場合のように、特に透明性を求められる用
途に対しても充分に高い透明性を兼ね備えたインクジェ
ット記録媒体とその製造方法を提供する。 【解決手段】特定のアクリル共重合体とポリビニルアセ
タール樹脂をエポキシ化合物で熱硬化させた樹脂、およ
び疎水性の微小樹脂粒子からなるインク受容層を有する
インクジェット記録媒体で、特にはアクリル共重合体の
モノマー成分を、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル第四級アンモニウム塩とし、また
ポリビニルアセタール樹脂はケン化度70〜90%のポ
リビニルアルコールを5〜40mol%アセタール化し
たものを用い、また疎水性で平均粒径0.1〜50μm
の微小樹脂粒子を用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタ用の記録媒体に関し、特に、ぬれ性や吸収性と、
耐水性を両立させた記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ出力用に各種方式の
プリンタが普及している。なかでもインクジェットプリ
ンタは、静粛性、コスト、画像品質が優れ、特にフルカ
ラー画像を高品位で再現でき、他方式にはない優れた性
能を有し、さらなる普及が期待できる。一方、プリンタ
用紙には紙が多用されるが、プラスチックフィルムや合
成紙等もその平滑な表面を生かした滑らかな画像や、透
明性が要求される用途で使われている。
【0003】ところで、インクジェット用インクには、
インクノズルの目詰まり防止の為に、水溶性染料等を水
性溶媒に溶解した乾燥が遅いインクを用いる。従って、
記録用紙が紙等の吸水性の場合は良いが、プラスチック
フィルムの如き非吸水性の場合は印字後のインクの乾燥
性が悪いので、通常は支持体であるフィルム上にインク
吸収性のあるインク受容層を設ける。
【0004】しかしながら、プラスチックフィルム等の
支持体上にインク受容層を設けた構成でも十分な性能の
ものは得られていない。すなわち、遅乾性のインクのぬ
れ性や染着性、あるいは吸収性の向上のために、インク
受容層を水溶性樹脂や親水性樹脂等から構成する方法も
提案されているが、いずれも吸収した水性溶媒により、
あるいは高湿下の環境でインク受容層が湿潤して粘着性
を帯びて、記録媒体を重ねた時にブロッキングしたり、
また、乾燥が悪く印字後に手で触れると汚れ易い等とい
う問題がある。ぬれ性、染着性、及び吸収性などの特性
と、耐水性、乾燥性及び耐ブロッキング性などの特性と
は互いに相反する特性であって、これらを同時に満足す
る性能のものは未だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、この
ように非吸水性の支持体を用いたインクジェット記録媒
体では、インク受容層等の層に工夫を加えても、満足す
べき性能のものは得られていなかった。本発明はこのよ
うな従来の技術が持つ問題点に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、インクのぬれ性や染着性と共に、耐
水性の特性の同時に満足させることが出来ること、さら
には、OHPシートに代表される場合のように、特に透
明性を求められる用途に対しても充分に高い透明性を兼
ね備えたインクジェット記録媒体とその製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に示す発明
は、少なくとも、エポキシ基と反応する基を有する特定
のカチオン変性アクリル共重合体、ポリビニルアセター
ル樹脂、多官能エポキシ化合物、および疎水性の微小樹
脂粒子からなる組成であって、且つ熱硬化されてなるイ
ンク受容層を、支持体の少なくとも片面に有することを
特徴とするインクジェット記録媒体である。これにより
インク吸収性、耐水性共に優れた性能を得ることが出来
る。また、疎水性の微小樹脂粒子を含有すると、インク
吸収性、耐水性をさらに向上し得ることから好ましい。
透明性も高いインク受容層を得られる点で好ましい。
【0007】請求項2の発明は、請求項1のインクジェ
ット記録媒体の構成を基本として、疎水性の微小樹脂粒
子は、疎水性のアクリル系ポリマーであって、該アクリ
ル系ポリマーのモノマー成分には少なくともアルキル
(メタ)アクリレートが含まれていることを特徴とす
る。これによると、疎水性はもとより、樹脂との屈折率
が合致するという点で好ましい。特にOHPシート向け
の場合等のように透明原稿用とした場合には、インクジ
ェット記録媒体全体として、原稿の像を損ない難く、ま
た透明性も高く、一層好ましい。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は2のいず
れかのインクジェット記録媒体の構成を基本として、特
に、疎水性の微小樹脂粒子が球状をなす微粒子であっ
て、且つその平均粒径が0.1〜50μmであることを
特徴とする。これによると、インク吸収性と耐水性とは
共に向上し得ることから好ましい。ここで、もし平均粒
径が0.1μmを下回った場合は、インク吸収性に寄与
する効果が著しく低下し、また逆に平均粒径が50μm
を越えた場合には、インク受容層の表面の光沢度が著し
く低下し、形成画像の精彩さも低下することから好まし
くない。
【0009】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかのインクジェット記録媒体の構成を基本として、特
に、カチオン変性アクリル共重合体のモノマー成分が、
少なくともメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、お
よびメタクリル酸ジアルキルアミノエチル第四級アンモ
ニウム塩からなることを特徴とする。これによると、メ
タクリル酸メチルは耐水性に、アクリル酸エチルは柔軟
性に、そしてメタクリル酸ジアルキルアミノエチル第四
級アンモニウム塩は染料の定着性にそれぞれ寄与し、そ
の結果、先に述べた諸特性(インクの濡れ性や定着性
と、耐水性、及び透明性)をさらに好ましいものとする
ことが出来ることで優れる。
【0010】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れかのインクジェット記録媒体の構成を基本として、特
に、カチオン変性アクリル共重合体が、エポキシ基と反
応する置換基を有するモノマーを含んでいることを特徴
とする。これによると、エポキシ基と反応する置換基を
有することから、熱硬化性が高まり、よい耐水性を付与
することが出来ることから好ましい。
【0011】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れかのインクジェット記録媒体の構成を基本として、特
にポリビニルアセタール樹脂は、ケン化度70〜90%
のポリビニルアルコールを5〜40mol%アセタール
化したものであることを特徴とする。これによると、イ
ンク吸収性と耐水性とをバランス良く達成することが出
来ることから好ましい。
【0012】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れかのインクジェット記録媒体の構成を基本として、特
に、エポキシ化合物の構造が、脂肪族系であり、水溶性
であり、且つ二官能以上であることを特徴とする。これ
によると、硬化時の樹脂の架橋密度が高くなり、耐水性
化が多大になるという点から好ましい。
【0013】請求項8の発明は、請求項1乃至7のいず
れかのインクジェット記録媒体の構成を基本として、特
に、カチオン変性アクリル共重合体、並びにポリビニル
アセタール樹脂が、水とアルコールとの混合溶剤に溶解
することを特徴とする。これによると、この混合溶剤へ
の溶解性がインク吸収性と耐水性を両立させることに一
層効果が高いことからで好ましい。
【0014】尚、本発明に係るインクジェット記録媒体
は、その支持体としては特に限定するものはない。適度
の機械的剛性があり、インク受容層を形成する際の塗工
適性などを備えていれば基本的には色々な材料の支持体
を適宜選定できる。但し、OHPシート向けの場合に
は、要件としてさらに支持体自体も高い透明性を備えた
ものが好適である。支持体の材料としては例えば、紙、
合成紙、あるいはプラスチックフィルム等が挙げられ
る。これらの中でも、入手の容易さ、低コスト、扱い易
さ、機械的剛性や耐熱性などの面からは、例えば、プラ
スチックフィルムのうち、白色PETフィルムや透明P
ETフィルムが好ましい。特に透明PETフィルムはそ
の透明性にも優れているために、透明性を求められる用
途(例えば前記のOHPシート向け)にも好適といえ
る。
【0015】また請求項9の発明は、少なくとも、エポ
キシ基と反応する基を有する特定のカチオン変性アクリ
ル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、多官能エポキ
シ化合物、および疎水性の微小樹脂粒子からなる塗液
を、支持体の片面に塗布して塗布層を形成し、しかる後
に、該塗布層を熱硬化させることによりインク受容層を
形成することを特徴とするインクジェット記録媒体の製
造方法である。これによると、インク吸収性、耐水性共
に優れた性能を得ることが出来る。また、疎水性の微小
樹脂粒子を含有すると、インク吸収性、耐水性をさらに
向上し得ることから好ましい。透明性も高いインク受容
層を得られる点で好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】そこで本発明のインクジェット記
録媒体は、前記課題を解決するために、支持体の少なく
とも片面に、エポキシ基と反応する基を有する特定のカ
チオン変性アクリル共重合体、ポリビニルアセタール樹
脂、多官能エポキシ化合物、および疎水性の微小樹脂粒
子からなる塗液を塗布し、熱硬化させたインク受容層を
有することを基本構成とする。上記インクジェット記録
媒体において、インク吸収性は優れるものの、耐水性が
劣るカチオン変性アクリル共重合体、ポリビニルアセタ
ール樹脂をエポキシ化合物で熱硬化した樹脂と、さら
に、インク吸収速度、および耐水性を向上させるため、
疎水性であり且つ平均粒径0.1〜50μmの微小樹脂
粒子からなるインク受容層を支持体上に設けることで、
インク吸収性、耐水性共に優れた性能のインクジェット
記録媒体が得られることを見いだし本発明を完成させる
に至った。
【0017】本発明におけるインク受容層は、インクを
受容する層であり、本発明では当該層に特定の樹脂と微
小樹脂粒子を使用して、インクの染着性やぬれ性と、耐
水性を両立させる。このようなインク受容層としては、
エポキシ基と反応する基を有する特定のカチオン変性ア
クリル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、多官能エ
ポキシ化合物、および平均粒径0.1〜50μmの疎水
性の微小樹脂粒子から構成する。
【0018】本発明における微小樹脂粒子として、例え
ば、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、フッ素樹
脂系のビニル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹
脂、ポリベンゾグアナミン樹脂、あるいは尿素樹脂等の
熱硬化性樹脂からなる微粒子であって、平均粒径が0.
1〜50μm、好ましくは0.1〜20μmのものが挙
げられる。そして好ましくは、インク受容層中に通常
0.1〜20wt%程度を含有させる。もし含有割合が
少なすぎると搬送性、耐ブロッキング性が十分に得られ
ない。尚、OHP等のように特に透明性画像が求められ
る用途の場合には、含有割合が多すぎると透明性が損な
われるので、10wt%未満が良い。
【0019】また、微小樹脂粒子に代わり、例えば、シ
リカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミ
ナホワイト、水酸化アルミニウム、タルク、ベントナイ
ト、酸化チタン等、コロイダルシリカ等で知られる無水
ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ
酸アルミニウム等のホワイトカーボン、アルミナゾル等
の粒径が通常10〜300nm程度の無機微粒子を使用
してもよい。これら無機微粒子を使用すれば、インク受
容層に印字されたインキを適度に拡散させ良質の画像形
成に効果がある。このような無機微粒子は、インク受容
層中に5〜90wt%程度含有させる。OHP等の透明
性画像の場合には少なめに、不透明の場合は、白さを出
す意味もあり、多めに含有させる。
【0020】上記のアクリル共重合体としては、該共重
合体を構成するモノマーが、カチオン変性部分には特に
第四級アンモニウム塩基を有するアクリルモノマーが望
ましい。また、エポキシ基と反応する基を有する部分に
はヒドロキシ基等の官能基を有するアクリルモノマーが
よく、さらに、疎水性を受け持つ部分として、(メタ)
アクリル酸エステル等からなる疎水性モノマーを用いる
ことが望ましい。
【0021】上記第四級アンモニウム塩基を有するアク
リルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリ
レート、ジエタノールアミノ(メタ)アクリレート、ジ
プロピルアミノ(メタ)アクリレート、ジプロパノール
アミノ(メタ)アクリレート、ジブチルアミノ(メタ)
アクリレート等の如き第三級アミノ基を有する(メタ)
アクリル酸エステルモノマーの第四級化モノマー等があ
る。
【0022】さらに上記第四級アンモニウム塩基を有す
るアクリルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、あるいはこれらの酸とエチレングリコール等のグリ
コールのモノ(メタ)アクリレート等の如くカルボキシ
ル基や水酸基等の官能基を有するモノマーに、グリシジ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリエタノー
ルアンモニウムクロライド、グリシジルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、グリシジルジメチルブチル
アンモニウムクロライド等の反応性第四級アンモニウム
塩を反応させたモノマー等が挙げられる。
【0023】一方、エポキシ基と反応する基を有するア
クリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基を有
するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、或
いはこれらのモノマーとエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の
多価アルコールとのエステル化物、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン等の多価アミンとのアミド化物、ア
クリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
【0024】また、(メタ)アクリル酸エステル等から
なる疎水性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル、あるいは、アクリルアミド、
アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン
等のモノマーが挙げられる。
【0025】本発明におけるポリビニルアセタール樹脂
としては、ケン化度70〜90%のポリビニルアルコー
ルを5〜40mol%アセタール化したものが好まし
い。もしポリビニルアルコールのケン化度が70%未満
か又は90%を越えるときはインク吸収性が著しく低下
し、さらに、ポリビニルアルコールのアセタール化度が
もし5mol%未満であると耐水性が著しく低下し、ま
たもし40mol%を越えるとインク吸収性が著しく低
下する。
【0026】本発明では、上記ポリビニルアセタール樹
脂のアセタール部分は特に限定するものではないが、イ
ンクジェット記録媒体としての性能面のうえからは、ホ
ルマール、メチラール、エチタール、プロパール、ある
いはブチラールのいずれかであるとより一層好ましい。
【0027】上記のようなカチオン変性アクリル共重合
体と、ポリビニルアセタール樹脂を、硬化させるエポキ
シ化合物としてはエポキシ基を2以上有する2官能以上
のエポキシ化合物が使用される。このようなエポキシ化
合物としては、例えば、ポリグリセロールポリグリシジ
ルエーテル、ペンタエチリトールポリグリシジルエーテ
ル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル等の脂肪族系で、且つ、水溶性のエポキシ化合物で
ある。
【0028】以上のようなカチオン変性アクリル共重合
体、ポリビニルアセタール樹脂(主剤)、エポキシ化合
物(硬化剤)は、いずれも、水、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トルエ
ン、キシレン等の一種または二種以上の混合溶剤を用い
た10〜50重量%溶液の塗工液として使用する。使用
に際しては、主剤/硬化剤の当量比は、約1/0〜1/
2で混合し、必要に応じ適宜希釈する。
【0029】また、インク受容層には、目的に応じて、
前記した以外のその他の樹脂、あるいは、界面活性剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、PH調整剤、消泡剤その他
添加剤を性能を逸脱しない範囲で適宜混合しても良い。
【0030】インク受容層の厚みは、通常、1〜50μ
m程度、好ましくは3〜20μm程度である。厚みが薄
すぎると染着性が不足し、乾燥性、耐ブロッキング性等
も低下し、逆に厚すぎるとコスト高となり、カールも大
きくなる。
【0031】インク受容層の形成は、上記主剤及び硬化
剤を適宜な当量比で混合した塗工液を、支持体の少なく
とも片面に、グラビアコート、ロールコート、ワイヤー
バーコート等の公知の塗工手段によって塗工すれば良
い。
【0032】インクジェット記録媒体の支持体として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネー
ト、セロハン、酢酸セルロース、ポリアリレート、ポリ
エーテルスルホン等の樹脂からなるフィルムまたは板状
のものが使用できる。インクジェット記録媒体をOHP
用途とするならば透明なもの、中でも、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、
ポリプロピレンフィルム、トリアセテートフィルム等を
使用する。また、硝子板等も使用できる。一方、OHP
等の透明性画像用途でなければ、白色等の不透明な支持
体でもよく、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、キ
ャストコート紙、板紙等の各種紙類も使用できる。
【0033】支持体2の厚みは用途に応じて強度を考慮
して適宜選択され特に制限されないが、例えば通常5〜
200μm程度とする。また、支持体2の表面には、該
表面に設ける、インク受容層の接着性向上を目的に、コ
ロナ放電処理やポリウレタン樹脂等によるアンカー層等
の公知の易接着処理をしてもよい。
【0034】なお、本発明のインクジェット記録媒体に
使用され得る水性インクは、公知のインクジェット用の
インクであり、通常、水溶性染料、湿潤剤、染料可溶化
剤、防腐剤、水、水混和性有機溶剤等からなる。
【0035】作用 以上説明したように,本発明のインクジェット記録媒体
では、支持体上にエポキシ基と反応する基を有する特定
のカチオン変性アクリル共重合体、ポリビニルアセター
ル樹脂、多官能エポキシ化合物、および疎水性の微小樹
脂粒子(特に好ましくは平均粒径0.1〜50μmの微
小樹脂粒子)からなる層を、熱硬化させたインク受容層
を形成することにより、ぬれ性および染着性と共に、耐
水性もが同時に達成される。硬化させるアクリル共重合
体の主としてカチオン変性部分とポリビニルアセタール
樹脂のヒドロキシ基がインク吸収性を持ち、一方、ポリ
エポキシ化合物により硬化させるので耐水性が得られ、
また、充填された疎水性の微小樹脂粒子によりインク吸
収速度と耐水性が付与され、インクが吸収してもインク
受容層の溶けだしや、べとつきが発生しない。
【0036】特に、上記アクリル共重合体のモノマー成
分を、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル第四級アンモニウム塩とすること、およびポ
リビニルアセタール樹脂としてケン化度70〜90%の
ポリビニルアルコールを、5〜40mol%アセタール
化したものを用いることで染着性を付与し、また、疎水
性の微小樹脂粒子を用いることで、化学的な染着だけで
なく、物理的な毛管現象を利用して吸収速度、および耐
水性を付与することで、ぬれ性や染着性と耐水性がバラ
ンスよく両立する。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明する。文中、「部」は特に断りのない
限り重量基準であり、また、固形分基準である。
【0038】支持体として、厚さが100μmで、表面
を易接着処理したポリエチレンテレフタレートフィルム
(商品名;ルミラーE63S、東レ(株)製)を用い、
この上に、下記の(表1)に示した各配合の水−アルコ
ール系塗布組成物を、バーコーティングにより乾燥後膜
厚が15μmとなるようにそれぞれ塗布し、150℃で
3分間乾燥することによって、本発明のインクジェット
記録媒体に関わる実施例(<実施例1>〜<実施例12
>)と、比較例(<比較例1>〜<比較例4>)との各
サンプルを得た。
【0039】
【表1】
【0040】尚、ここで、触媒としては10%2−メチ
ルイミダゾール水溶液(3部)、また溶剤としては、水
/イソプロピルアルコール=6/4(重量比)として、
表中の各組成の20%混合液として調製した。また、表
中のA、B、C、X、L、Mとは,それぞれ次に示すも
のである。 A: カチオン変性アクリル共重合樹脂(商品名;ジュ
リマーSP−50TF、日本純薬(株)製) B: ポリビニルアセタール樹脂(商品名;エスレック
KX−1、積水化学工業(株)製) C: ポリビニルアセタール樹脂(商品名;エスレック
KX−5、積水化学工業(株)製) X: グリセロールポリグリシジルエーテル(商品名;
デナコールEX−314、ナガセ化成工業(株)製) L: ポリメチルメタクリレート微粒子(商品名;MP
−1000、綜研化学(株)製) M: ポリメチルメタクリレート微粒子(商品名;ジュ
リマーMB−1P、日本純薬(株)製)
【0041】以上のようにして得られた各インクジェッ
ト記録媒体のサンプルについて、諸項目の評価を行った
結果を(表2)にまとめて示す。
【0042】
【表2】
【0043】尚、印字はキャノン製インクジェットプリ
ンタ(BJC−420J)を使用し、イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの4色のインクにより記録画像を
形成させた。また、評価した諸項目は次に示すとおりで
ある。
【0044】<評価項目> [ インク吸収性 ]印字直後、記録物の記録部を指で擦っ
た時のインクの流出具合を評価した。 ◎; 完全に乾燥し、全く流出しない。 ○; 流出はしないものの、記録部がやや湿る。 △; 少量の流出が認められる。 ×; 多量の流出が認められる。
【0045】[ インク乾燥性]記録部上の乾燥具合(樹
脂の膨潤)を目視で確認した。 ◎; 記録直後でも樹脂の膨潤はない。 ○; 記録後、数分で樹脂の膨潤がなくなる。 △; 記録後、1時間以内に樹脂の膨潤がなくなる。 ×; 記録後、1時間経過しても樹脂は膨潤したままで
ある。
【0046】[ 耐水性(記録部)]記録部上にスポイト
で水を垂らし、直ちにガーゼで軽く拭き取った。 ◎; インキはほとんど流出しない。 ○; インキが僅かに流出するが、色調に大きな変化は
ない。 △; インキが流出し、色調に変化が認められる。 ×; 塗膜が溶解し、インキも共に剥がれる。
【0047】[ 耐水性(未記録部)]塗膜上にスポイト
で水を垂らし、直ちにガーゼで軽く拭き取った。 ◎; 塗膜にほとんど損傷はない。 ○; 塗膜に僅かに損傷あるが、実用上問題ないレベ
ル。 △; 塗膜の一部で溶解する。 ×; 塗膜のほとんどが溶解する。
【0048】<評価結果の総評>表2の結果から明らか
なように、本発明に関わる実施例1〜12により得られ
たインクジェット記録媒体は、いずれもインク吸収性、
乾燥性と耐水性共に優れていた。いっぽう比較例はいず
れも、実施例よりも性能が劣り、前記課題を解決できる
ものではなかった。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明に関わるインクジェ
ット記録媒体およびその製造方法によると、インクのぬ
れ性や染着性と共に、耐水性の特性の同時に満足させる
ことが出来、さらには、インク受容層の透明性も高いこ
とからインクジェット記録媒体全体の透明性を損ない難
く、特にOHPシート向けに代表されるように高い透明
性を求められる用途に対しても充分に高い透明性を兼ね
備えたインクジェット記録媒体とその製造方法を提供す
ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録媒体に関わる一実
施例について、その断面図を用いて示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・インクジェット記録媒体 2・・・支持体 3・・・インク受容層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 二郎 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、エポキシ基と反応する基を有
    する特定のカチオン変性アクリル共重合体、ポリビニル
    アセタール樹脂、多官能エポキシ化合物、および疎水性
    の微小樹脂粒子からなる組成であって、且つ熱硬化され
    てなるインク受容層を、支持体の少なくとも片面に有す
    ることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】前記疎水性の微小樹脂粒子は、疎水性のア
    クリル系ポリマーであって、該アクリル系ポリマーのモ
    ノマー成分には少なくともアルキル(メタ)アクリレー
    トが含まれていることを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】前記疎水性の微小樹脂粒子が球状をなす微
    粒子であって、且つその平均粒径が0.1〜50μmで
    あることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載
    のインクジェット記録媒体。
  4. 【請求項4】前記カチオン変性アクリル共重合体のモノ
    マー成分が少なくとも、メタクリル酸メチル、アクリル
    酸エチル、およびメタクリル酸ジアルキルアミノエチル
    第四級アンモニウム塩からなることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体。
  5. 【請求項5】前記カチオン変性アクリル共重合体が、エ
    ポキシ基と反応する置換基を有するモノマーを含んでい
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    インクジェット記録媒体。
  6. 【請求項6】前記ポリビニルアセタール樹脂は、ケン化
    度70〜90%のポリビニルアルコールを、5〜40m
    ol%アセタール化したものであることを特徴とする請
    求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録媒
    体。
  7. 【請求項7】前記エポキシ化合物の構造が、脂肪族系で
    あり、水溶性であり、且つ二官能以上であることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録媒体。
  8. 【請求項8】前記カチオン変性アクリル共重合体、並び
    にポリビニルアセタール樹脂が、水とアルコールとの混
    合溶剤に溶解することを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載のインクジェット記録媒体。
  9. 【請求項9】少なくとも、エポキシ基と反応する基を有
    する特定のカチオン変性アクリル共重合体、ポリビニル
    アセタール樹脂、多官能エポキシ化合物、および疎水性
    の微小樹脂粒子からなる塗液を、支持体の片面に塗布し
    て塗布層を形成し、しかる後に、該塗布層を熱硬化させ
    ることによりインク受容層を形成することを特徴とする
    インクジェット記録媒体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007269022A (ja) * 2006-03-10 2007-10-18 Yasuhiko Tokuchi レンチキュラーレンズベースコーティング用受理材及びそれを用いた3dプリント用シート
US20170102619A1 (en) * 2015-10-12 2017-04-13 SK Hynix Inc. Composition for coating photoresist pattern and method for forming fine pattern using the same

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