JPH11201910A - 積層材料の凹設部検査装置及びレーザ加工装置 - Google Patents

積層材料の凹設部検査装置及びレーザ加工装置

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JPH11201910A
JPH11201910A JP320298A JP320298A JPH11201910A JP H11201910 A JPH11201910 A JP H11201910A JP 320298 A JP320298 A JP 320298A JP 320298 A JP320298 A JP 320298A JP H11201910 A JPH11201910 A JP H11201910A
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祥瑞 竹野
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雅治 森安
Mitsuki Kurosawa
満樹 黒澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント基板等の積層材料に加工穴部の底部
に残留した残留材料の状況を非破壊検査で迅速かつ容易
に知ることができる凹設部検査装置を得る。 【解決手段】 プリント基板21の加工穴部6は、レー
ザビーム20にてエポキシ樹脂18を除去して形成され
るが、底部6aに残留樹脂22が残ったままめっきを施
しブラインドバイアホールを形成すると、残留樹脂のた
めにめっき層が銅箔24から剥がれ、導通不良を起す。
これを防止するためには、底部6aに残留樹脂22の有
無を知って、要すれば除去する必要がある。銅箔24に
励起光7を照射すると残留樹脂22が励起されルミネセ
ンス8を発する。このルミネセンス8中の蛍光をCCD
カメラ11で検出し、検出された画像を画像処理装置1
2にて処理して、残留樹脂22の有無などを知る。残留
樹脂22が蛍光を放射するので、CCDカメラ11によ
り、迅速に残留樹脂の有無を知ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるプリント
基板と呼称される積層配線基板等の積層材料に対してレ
ーザビームを照射してブラインドバイアホール、溝等を
形成するようにされた凹設部を検査する積層材料の凹設
部検査装置、特に凹設部の底部に除去されずに残留する
残留材料の状況を破壊検査を行うことなく知ることがで
きるととに、残留材料の厚さの検出等を行うことができ
る積層材料の凹設部検査装置、及びこのような凹設部検
査装置を備えたレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の電子機器の高性能化に伴い、配線
の高密度化が要求されており、この要求を満たすにはプ
リント基板の多層化、小形化が要求されている。そのた
めにはブラインドバイアホール(以下BVHという)と
呼称される穴径150μm程度の層間導通接続用の微細
とまり穴の形成が必須となる。しかし、現状のドリル加
工では直径0.2mm以下の穴あけは困難であることに
加え、高密度プリント基板では絶縁層厚さが100μm
以下となり、この精度で深さ制御を行うことが困難なた
め、ドリル加工では微細BVHの形成は不可能である。
【0003】このドリル加工に代わるBVH形成法とし
て炭酸ガスレーザ、YAGレーザやエキシマレーザ等の
レーザビームを応用する方法が注目され、一部実用化さ
れている。これらの加工法のうち、炭酸ガスレーザによ
る加工法は、プリント基板を構成する絶縁基材である樹
脂やガラス繊維と導体層である銅に対する炭酸ガスレー
ザの光エネルギの吸収率の差を利用したものである。
【0004】図10〜図14は、従来のプリント基板の
BVH加工法を示すもので、図10は微細な貫通孔部を
加工する工程を説明する説明図、図11はBVHを形成
する凹設部を加工する加工方法を説明する説明図であ
る。図12は光学顕微鏡を備えたレーザ加工装置の構成
図、図13は光学顕微鏡の構成図、図14は照射された
光の反射の状況を説明するための説明図である。
【0005】例えば、銅は炭酸ガスレーザをほとんど反
射するので、図10(a)に示すようにプリント基板2
1の表面の銅箔24に必要な径の孔を穿孔するように銅
箔除去部36をエッチング等により形成し、この銅箔除
去部36に炭酸ガスレーザであるレーザビーム20を照
射することによって、プリント基板21を構成するエポ
キシ樹脂やガラス繊維を選択的に分解・除去して、図1
0(b)のようにプリント基板21を貫通する微細な加
工孔部37を形成することができる。
【0006】また、図11に示すようにプリント基板2
1の内部に内層の銅箔24を予め積層しておけばレーザ
ビーム20を照射したときのプリント基板21の分解・
除去は内層の銅箔24で停止するため、内層の銅箔24
で確実に停止するとまり穴加工部6(以下単に穴加工部
6という)を形成できる。しかし、このように内層の銅
箔24で停止すると穴加工部6を炭酸ガスレーザで加工
した場合、十分にレーザビームを照射しても厚さ1μm
以下の絶縁基材である樹脂やガラス繊維が内層の銅箔2
4上、すなわち穴加工部6の底部6aに残留してしま
う。
【0007】このため、レーザ加工後、残留樹脂を過マ
ンガン酸などでエッチングして残留樹脂を完全に除去す
る必要がある。このとき、穴加工部6の穴径が100μ
m程度まで小さくなると、エッチング液が穴加工部6内
まで行き渡りにくくなる。このため、レーザ加工条件等
の不良で残留樹脂の厚さが厚くなると、エッチングによ
り残留樹脂を完全に除去できないと穴加工部6が発生し
やすい。この状態のままめっきを施しBVHを形成する
とめっき膜と内層の銅箔24の間に一部の樹脂が残留し
たままになる。
【0008】ここで、熱サイクル等により応力がかかる
と、クラックが発生し進展してめっき膜が剥がれてしま
う。めっき膜が剥がれると内層の銅箔24とめっき膜と
の間が不導通になり、製品不良となる。また、めっき膜
と内層の銅箔24の間に全面に亘って樹脂が残留してい
れば、最初から不導通で不良となる。このため、レーザ
加工後の残留樹脂の厚さを検査し、厚さが厚い場合はさ
らにレーザ加工を行い残留樹脂を除去することが必要と
なる。
【0009】さらに、YAGレーザやエキシマレーザに
よる加工法があり、この加工法は1パルスでの除去深さ
が1μmオーダであることを利用したものである。これ
らの加工法では、1パルスの除去量が少ないため、加工
に必要なパルス数が多くなり加工中のエネルギ変動等の
外乱の影響が平均化される。このことを利用して、パル
ス数を適正に選択することで内層の銅箔24の近傍で停
止する穴加工部を均一に形成しようとするものである。
【0010】しかし、YAGレーザやエキシマレーザに
よる加工法でも長時間周期でのエネルギ変動が生じた場
合には、炭酸ガスレーザと同様に厚さ1μm以下の樹脂
が内層の銅箔24上に残留してしまう場合が生じる。
【0011】このため、従来の積層材料のレーザ加工装
置は図12に示すように光学顕微鏡を具備し、穴加工部
6の検査を行っていた。しかし、日経サイエンス199
0年10月号第45ページに示されるような従来の光学
顕微鏡では、図12に示す穴加工部6の底部6aに10
μm程度以上の残留樹脂22が残った加工不良は検出で
きるが、上記のような数μm程度の残留樹脂22を検出
することが不可能であった。なお、プリント基板21
は、エポキシ樹脂18とガラスエポキシ19を有し、間
に銅箔24が設けられている。
【0012】このため、現状では、めっき後、破壊検査
により穴加工部6を切断・研磨後、断面観察により残留
樹脂厚さの検査を行ったり、破壊検査の代りに検査用の
穴加工部6を別に設けて同様にこの穴加工部を切断・研
磨後、断面観察により残留樹脂厚さの検査を行ったりし
ていた。このため、検査に要する時間が著しく長くかか
った。この他の方法でも基板を非破壊で簡便に残留樹脂
を検出することはできなかった。
【0013】以下に従来の光学顕微鏡で残留樹脂を検出
できない理由について説明する。従来の光学顕微鏡は図
13に示すように構成されている。光源1から出た光学
顕微鏡の照明用の白色光38はビームスプリッタ25に
より対物レンズ5を経由してプリント基板21に照射さ
れる。プリント基板21からの反射光は対物レンズ5に
より拡大した倒立実像27を結像レンズ9の前方(図1
3の右方)に作り、この実像をCCD(固体撮像素子)
カメラ11で検出する。
【0014】図12に戻って、この像を画像処理装置1
2により解析し、残留樹脂の有無を判定する。この判定
結果はレーザ発振器13と加工テーブル17を制御する
制御装置13に伝達され、残留樹脂22が所定厚さより
も多くある場合には、加工テーブル17を移動させるこ
とによりレーザビーム20を位置決めし、転写マスク1
4、位置決めミラー15、転写レンズ16を経てプリン
ト基板21にもう一度その穴加工部6にレーザ照射を行
い、残留樹脂22をさらに除去する。
【0015】ここで、図14に示すように、光学顕微鏡
の照明光である白色光38が残留樹脂22の表面に照射
されると、一部は表面より反射光29として反射され、
その他は残留樹脂22を透過しての底部の銅箔24に達
し、反射光30としてほとんど反射される。従って、銅
箔24上の厚さの薄い残留樹脂22に対して、白色光3
8を照明光として照射すると、大部分の反射光は銅箔2
4から戻ってくる反射光30であるるため、残留樹脂2
2は見えない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の積層材料の凹設
部検査装置である光学顕微鏡は以上のように構成されて
いるので、残留樹脂が薄い場合に検出ができないという
問題があった。この発明は、上記のような問題点を解消
するためになされたもので、非破壊で簡便に積層材料の
凹設部の底部に除去されずに残留する材料の状況を確実
に知ることができるとともに、残留する材料の厚さの検
出を行うことができる凹設部検査装置、及びこのような
凹設部検査装置を備えたレーザ加工装置を得ることを目
的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の積層材料の凹設部検査装置においては、第
一の材料と第二の材料とを層状に形成した積層材料に加
工用レーザビーム照射装置によりレーザビームを照射し
て上記第一の材料を除去して形成される凹設部の底部に
除去されずに残留する上記第一の材料である残留材料に
照明光を照射する照明光照射装置を設けたものである。
残留材料に照明光を照射して残留材料からの光に基づい
て残留材料の状況を確実に知ることができる。
【0018】そして、照射光を照射された残留材料から
の光を検出する光検出装置を設けた。光検出装置を設け
ることにより、検出の機械化が可能となる。
【0019】さらに、照明光照射装置を残留材料を励起
してルミネセンスを放出させる励起光を照射するものと
した。残留材料に励起光を照射してルミネセンスを放射
させ、このルミネセンスの目視による観察や機器による
測定により、破壊検査を行うことなく残留材料の状況を
確実に知ることができる。
【0020】また、照明光照射装置を残留材料を励起し
てルミネセンスを放出させる励起光を照射するものと
し、光検出装置を残留材料が放出するルミネセンスを検
出するものとした。このように光検出装置によりルミネ
センスを検出することにより、残留材料の状況を知るこ
とができる。
【0021】そして、照明光照射装置を残留材料に対す
る吸収係数が所定値以上である紫外光を照射するものと
し、光検出装置を凹設部の底部から反射される反射光を
検出するものとした。紫外光が残留材料の中を通過中に
吸収されるので、残留材料の厚さ及び吸収係数が大きい
ほど減少率が大きくなる。従って、残留材料の状況を感
度良く知るためには吸収係数が所定以上の紫外光を用い
て厚さに対する感度を確保するのがよい。
【0022】さらに、紫外光照射装置を、吸収係数が5
000/cm以上の紫外光を照射するものとした。吸収
係数が5000/cm以上の紫外光を用いると、残留材
料の膜厚0.2μmの場合に対し0.6μmの場合は反
射光強度が約20%減少する、すなわち底部の明るさが
約20%変化する。この程度変化すれば反射光検出装置
で容易に検出することができる。残留材料の膜厚が0.
2μm程度なら化学処理で除去できるため不良となら
ず、これが0.6μm程度を超えると化学処理で除去で
きなくなり不良となる場合が多くなるので、この差を容
易に検出できるようにしている。
【0023】また、照明光照射装置を残留材料に対する
吸収係数が第一の所定値である第一の照射光と上記残留
材料に対する吸収係数が上記第一の所定値よりも小さい
第二の所定値である第二の照射光とを照射するものと
し、光検出装置を凹設部の底部から反射される上記第一
及び第二の照射光の各反射光に基づき上記残留材料の厚
さを検出するものとした。第一及び第二の照射光の残留
材料に対する吸収係数を異ならせ、残留材料の表面で反
射されるものが第一の反射光の過半を占め、第二の材料
の表面で反射されるものが第二の反射光の過半を占める
ようにすれば、第一及び第二の反射光から残留材料の表
面及び第二の材料の表面の位置を検出でき、この両表面
の位置の差から残留材料の厚さを知ることができる。
【0024】そして、照明光照射装置として、加工用レ
ーザビーム照射装置のレーザビームを用いるものとし
た。照明光照射装置として加工用レーザビーム照射装置
を利用して、装置が安価になるようにしている。
【0025】さらに、この発明におけるレーザ加工装置
は、上記各積層材料の凹設部検査装置の一つを備えたも
のである。このような積層材料の凹設部検査装置を備え
れば、凹設部の加工後破壊検査を行うことなく直ちに残
留材料の状況を知ることができ、必要に応じて再度残留
材料を除去する加工を行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の一形態を図により説明する。図1、図2は本発明
の実施の一形態を示すもので、図1はである凹設部検査
装置(以下、単に検査装置という場合もある)を備えた
レーザ加工装置の構成を示す構成図、図2は凹設部に残
留樹脂があるときとないときの反射光強度を説明する説
明図である。
【0027】図1において、積層材料であるプリント基
板21は層状に形成されたエポキシ樹脂18とガラスエ
ポキシ19とを有する。レーザ加工装置は、レーザ発振
器13として炭酸ガスレーザを用いている。レーザ発振
器13から出た加工用のレーザビーム20は、転写マス
ク14、位置決めミラー15、転写レンズ16を経てプ
リント基板21に照射され、エポキシ樹脂18を除去し
て所定の径を穴を穿設して穴加工部6を形成する。この
とき、上述のようにレーザビーム20を当てたにもかか
わらず穴加工部6の底部6aに除去されずに残留樹脂2
2が残留する場合がある。
【0028】なお、この実施の形態においては、照明光
として残留樹脂を励起させる紫外光を発生する光源1と
して水銀ランプを用いた。励起フィルタ3は、残留樹脂
22を励起する波長付近の紫外光である励起光7を主に
透過させるもので、330〜380nm付近に透過特性
を有するものを用いた。ダイクロイックミラー4は38
0nm以下は反射し400nm以上は透過する特性を有
するものを用いている。また、吸収フィルタ10は41
0nm以下の波長を吸収するフィルタを使用した。
【0029】光源1から出た光は、励起フィルタ3、ダ
イクロイックミラー4、対物レンズ5を経由して、加工
後の穴加工部6の底部6aに照射される。励起フィルタ
3を通過した励起光7は、穴加工部6の底部6aの残留
樹脂22を励起させ蛍光を発生させる波長域とされてい
るので、残留樹脂22が存在する場合にはルミネセンス
8が発生する。このルミネセンス8は対物レンズ5と結
像レンズ9により主として蛍光波長の近傍の波長を透過
させる吸収フィルタ10を介してCCDカメラ11上に
像を結像する。この像を画像処理装置12により解析
し、残留樹脂22の有無を判定する。
【0030】この判定結果はレーザ発振器13と加工テ
ーブル17を制御する制御装置23に伝達され、残留樹
脂22の厚さが所定厚さよりも厚い場合には、加工テー
ブル17を移動させることによりレーザビーム20を位
置決めし、もう一度その穴加工部6にレーザ照射を行い
残留樹脂22をさらに除去する。
【0031】本実施の形態では、上記のように、レーザ
発振器13として炭酸ガスレーザを、励起光7を発生す
る光源1として水銀ランプを用い、供試品として穴加工
部6の底部6aの銅箔24上に部分的に厚さ1μm以下
のエポキシ樹脂の残留樹脂22が残留した穴加工部6
と、完全にエポキシ樹脂が除去されて銅箔24上に残留
樹脂が残存しない穴加工部6と、が混在したプリント基
板21をCCDカメラ11により観察した。
【0032】上記試料を観察した結果、エポキシ樹脂2
2が残留している穴加工部6は明るく、銅箔24が露出
している穴加工部6は暗い像が得られ、残留樹脂22を
像の明暗の目視により容易に判別することができた。な
お、観察はCCDカメラ11によらなくとも、残留材料
からの蛍光を直接目視して行ってもよい。
【0033】さらに、画像処理装置12により穴加工部
の円形の像33を図2に示すように予め定められた矩形
の区域34内の反射光強度xの平均Xが、予め設定され
た所定の反射光強度35よりも明るい場合は残留樹脂が
所定厚さより多く残留した穴加工部、反射光強度yの平
均Yが反射光強度35よりも暗い場合はエポキシの残留
が所定厚さより少ない穴加工部と判定することにし、穴
加工部を判別した結果、簡便にエポキシが所定厚さより
多く残留した穴加工部を判別できた。この判別は、画像
処理装置12で行った。なお、機械によらなくとも、目
視によっても判別が可能である。
【0034】なお、比較例1として、この供試品のプリ
ント基板21をめっき後、断面を研磨し、電子顕微鏡で
めっき層と銅箔の間に残留樹脂の有無を観察した。この
観察結果と本実施の形態で述べた画像処理装置12によ
り穴加工部の明暗で判定した結果とを比較したところ、
両方の結果はよく対応しており、本検査装置の妥当性が
検証された。
【0035】また、比較例2として、従来の手法と比較
するために、実施の形態1において照明光をエポキシ樹
脂の残留樹脂22を励起させることのない可視光とし
て、励起フィルタ3及びダイクロックミラー4を除き同
様の試験を行ったところ、穴加工部間で濃淡は発生せ
ず、残留樹脂量の大小あるいは残留の有無は検出できな
かった。
【0036】以上のように、本発明によれば、非破壊で
簡便に銅箔24上の残留樹脂24を検出することが可能
となる。なお、残留樹脂22はエポキシ樹脂に限らず、
ポリイミド樹脂その他の樹脂であってもよく、樹脂の種
類に応じて適切な波長の励起光を照射することにより同
様に蛍光を放射するので、容易に判別することができ
る。
【0037】また、CCDカメラ11は可視光を対象に
しており、また目視に穴加工部6の明暗を判別すときの
目の保護のために、主に蛍光波長のみを通過させる吸収
フィルタ10を用いたが、吸収フィルタ10は必須のも
のではなく、例えばフォトダイオード等を使用する場合
は紫外線を含めたルミネセンスを検出可能であるので不
要である。
【0038】実施の形態2.図3は本発明の他の実施の
形態を示す検査装置及びレーザ加工装置の構成図であ
る。図3において、レーザ発振器13として波長473
nmのYAGレーザの第二高調波を用いている。レーザ
発振器13は穴加工部6を加工するレーザビーム20
(図1参照)を発生するとともに穴加工部6の底部6a
に残留するエポキシ樹脂の残留樹脂22を励起するため
の励起光7を発生する。具体的には、レーザ発振器13
の出力を絞ることにより励起光7を発する図1の光源1
に相当するものとして用いる。
【0039】穴加工部6を形成するときは、レーザ発振
器13の出力されたレーザビームは、ダイクロイックミ
ラー4により対物レンズ5を経由して、プリント基板2
1に照射され、穴加工部6を形成する。その後、加工後
の穴加工部6の底部6aに出力を10%程度に絞り励起
光7として照射する。この励起用のレーザ光を、穴加工
部6の残留樹脂22を励起させ蛍光を発生させる波長域
とすることで、残留樹脂22が存在する場合にはルミネ
センス8が発生する。なお、ダイクロイックミラー4
は、490nm以下は反射、505nm以上は透過する
特性を有するものを、吸収フィルタ10は520nm以
下の波長を吸収するフィルタを使用している。
【0040】このルミネセンス8は対物レンズ5と結像
レンズ9により蛍光波長の近傍の波長のみを透過させる
吸収フィルタ10を介してCCDカメラ11上に像を結
像する。この像の明暗を画像処理装置12により解析
し、残留樹脂22の有無や残留の程度を判定する。この
判定結果はレーザ発振器13と加工テーブル17を制御
する制御装置23に伝達され、残留樹脂22が所定厚さ
よりも多くある場合には、レーザ強度を増加させもう一
度その穴加工部6にレーザ照射を行い残留樹脂22をさ
らに除去する。
【0041】本実施の形態では、上記のようにレーザ発
振器13として波長473nmのYAGレーザの第二高
調波を用いた。供試品として銅箔24上に部分的に厚さ
1μm以下のエポキシ樹脂が残留した穴加工部6と、完
全にエポキシ樹脂が除去されてエポキシ樹脂が残存しな
い穴加工部6と、が混在したプリント基板21を用い、
その穴加工部6の底部6aを観察した。上記供試品を観
察した結果、底部6aにエポキシ樹脂が残留している穴
加工部6は明るく、銅箔が露出している穴加工部6は暗
い像が得られ、残留樹脂22を明確に検出することがで
きた。
【0042】この穴加工部の像を図2に示すのと同様に
予め定められた区域内の反射光強度の平均が、予め設定
された反射光強度よりも明るい場合はエポキシが所定厚
さより多く残留した穴加工部、暗い場合はエポキシの残
留が所定厚さより少ない穴加工部と判定することとし、
穴加工部6の残留樹脂の有無や程度を判別した結果容易
にエポキシが所定厚さより多く残留した穴加工部を判別
できた。
【0043】なお、この供試品のプリント基板をめっき
後、断面を研磨し、電子顕微鏡で観察し、めっき層と銅
箔の間の残留樹脂の状況を観察した。この結果と本実施
の形態で述べた検査装置による判定結果との比較を行っ
たところ、両方の結果はよく対応しており、本検査装置
による判定の妥当性が検証された。
【0044】実施の形態3.図4〜図7はさらにこの発
明の他の実施の形態を示すもので、図4は検査装置及び
レーザ加工装置の構成図、図5は反射の状況を説明する
ための説明図である。図7は残留材料の残留膜圧と反射
光強度の関係を示す特性図、図8は凹設部に残留樹脂が
あるときとないときの反射光強度を説明する説明図であ
る。
【0045】これらの図において、光源1から照明用の
紫外光2を送出し、ビームスプリッタ25から対物レン
ズ5を経由してプリント基板21に照射する。プリント
基板21の穴加工部の底部(図4においては、図示を省
略)からの反射光32は対物レンズ5と結像レンズ9に
より照明用の紫外光2の近傍の波長のみを透過させるバ
ンドパスフィルタ31を介してCCDカメラ11に装着
されたイメージインテンシファイア26上に像27を結
像する。
【0046】この像27が画像処理装置12で解析さ
れ、解析結果がCRT28に表示されるとともに、制御
装置23に解析結果が送られる。ここで、イメージイン
テンシファイア26は入射光強度を数万倍にも増強でき
るデバイスで、イメージインテンシファイア26に印加
する電圧を調整することで、ゲインを調整でき、入射光
強度の増強程度を変化させることが可能である。
【0047】ところで、図5に示すように、照明用の紫
外光2がプリント基板21の穴加工部の底部に残留する
残留樹脂22の表面に照射されると、一部は表面より樹
脂表面反射光29として反射され対物レンズ5(図4)
に達し、その他は残留樹脂22に吸収されつつ残留樹脂
22を透過して穴加工部の底部の銅箔24に達する。
【0048】銅箔24に到達した紫外光2は、一部は吸
収され、残りは銅箔表面反射光30として反射され、再
び残留樹脂22中を吸収されながら通過して残留樹脂2
2から出て対物レンズ5に達する。銅箔表面反射光30
が樹脂表面反射光29に比較して著しく大きい場合に
は、樹脂表面反射光29を検知することが困難となり、
樹脂表面は検出できない。すなわち、残留樹脂22は検
出できず、銅箔24を検知できるだけである。
【0049】従って、残留樹脂22を検知するために
は、残留樹脂22の表面での残留樹脂反射光29が、銅
箔24の表面での銅箔反射光30よりも大きい光を使用
する必要がある。そこで、この実施の形態では、銅箔2
4に対する反射率が低い紫外光(反射率:約30%)を
照明光として用いた。なお、可視光は銅箔24に対する
反射率が70〜95%程度であり、上記紫外光の30%
よりもかなり高い。
【0050】今、残留樹脂に対する吸収係数がα/cm
で強度Kの紫外光2が残留樹脂22に入射すると仮定す
る。紫外光2に対する残留樹脂22の吸収係数がα/c
mであるから、残留樹脂22の表面から深さzの地点で
の紫外光の強度J(z)は J(z)=K・exp(−α・z) (1) で表される。
【0051】紫外光2に対する残留樹脂22の表面での
反射率を約10%とすると、樹脂表面反射光29の強度
Aは、次のようになる。 A=0.1K (2) また、残留樹脂22中に入射する入射光の強度Bは、 B=0.9K (3) となる。従って、厚さd(cm)の残留樹脂22中を減
衰しながら通過し銅箔24の表面に到達した紫外光2の
強度Cは、 C=0.9K・exp(−α・d) (4) となる。
【0052】そして、銅箔24の表面での銅箔表面反射
光30の強度Dは、銅箔24の表面での反射率は30%
程度であるため、次のようになる。 D=0.9K・{exp(−α・d)}・0.3 (5) この反射された光が、さらに残留樹脂22中を減衰しな
がら通過して残留樹脂22の表面から銅箔表面反射光3
0と出ていく。この銅箔表面反射光30の強度Eは、厚
さdの残留樹脂22中でさらに上記(5)式の値よりも
exp(−α・d)だけ減衰し、 E=0.9K・{exp(−2α・d)}・0.3 (6) となる。
【0053】穴加工部の底部からの反射光強度Rは、銅
箔24から銅箔表面反射光30と樹脂表面反射光29の
和であるから R=A+E (7) となる。図6に残留樹脂の残留膜厚tと反射光強度Rの
関係をいくつかの吸収係数αについて示す。この曲線の
傾きが大きいものほど残留膜厚の変化に伴い穴加工部の
底部の明るさが大きく変化することになる。
【0054】残留膜厚が0.2μm程度なら化学処理で
除去できるため不良とならない。これが0.6μm程度
を超えると化学処理で除去できなくなり不良となる場合
が多くなる。この膜厚の差による反射光強度の変化を機
械で検知するには、例えばCCDカメラ11、画像処理
装置12にて検知するには20%程度以上の反射光強度
Rの変化が必要である。すなわち、残留膜厚0.2μm
のときの反射光強度と残留膜厚0.6μmのときの反射
光強度との差が0.2(20%)生ずるためには、図6
より吸収係数α≧5000/cm程度が必要条件とな
る。図6によれば、吸収係数α=5000/cmのと
き、残留膜厚0.2μmでの反射光強度は約0.32、
残留膜厚0.6μmのときの反射光強度は約0.25で
あり、0.25/0.32=0.78となり20%強の
変化があることになる。
【0055】上記検討を基に、本実施の形態において、
照明光を発生する光源1として波長337nmの紫外光
2を発生する窒素レーザを用い、供試品のプリント基板
21として銅箔24上に厚さ約1μmと約0.4μmの
ポリイミド樹脂が残留した穴加工部が混在したプリント
基板を用いた。なお、本実施の形態で用いた波長337
nmの紫外光のポリイミド樹脂に対する吸収係数は約8
000/cmである。また、バンドパスフィルタ31と
して337nm付近のバンドパス幅10nmのフィルタ
を用いた。
【0056】本実施の形態の検査装置を用いて上記プリ
ント基板21を検査した結果、イメージインテンシファ
イア26のゲインを調節することにより、ポリイミドが
約1μm残留している穴加工部は暗く、約0.4μm残
留した穴加工部は明るい像が得られた。
【0057】この穴加工部の像33を図7に示すように
予め定めた区域34の反射光uの強度の平均Uが、予め
定められた所定の反射光の強度レベル35よりも明るい
場合はポリイミドが約0.4μm残留した穴加工部と判
定し、反射光vの強度の平均Vが、反射光の強度レベル
35よりも暗い場合はポリイミドが約1μm残留した穴
加工部と判定することとし、穴加工部を判別した結果、
ポリイミドが1μm残留した穴加工部を容易に判別でき
た。この判別は、インテンシィファイア26の像を解析
する画像処理装置12で行った。
【0058】なお、このプリント基板をめっき後、断面
を研磨し、電子顕微鏡で観察したところ、めっき層と銅
箔の間に残留樹脂部分が観察された。この観察結果と本
実施の形態で述べた検査装置での結果との比較を行った
ところ、両方の結果は100%対応しており、本検査装
置による検出の妥当性が検証された。
【0059】また、比較例1として、従来の手法と比較
するために、図4の光源1を可視光として、バンドパス
フィルタ31を除いて同様の試験を行ったところ、イメ
ージインテンシファイア26のゲインを調整しても残留
樹脂22の厚い薄いで穴加工部の底部の明るさに変化は
なく、残留樹脂厚さの大小を検出できなかった。
【0060】さらに、比較例2として、この実施の形態
において、窒素レーザを用いず、ポリイミドに対する吸
収係数が約4000/cmである波長442nmの光を
発生するHe−Cdレーザを用い、バンドパスフィルタ
もこの波長用に交換して同様の試験を行ったところ、判
別はできたものの、断面観察での結果との一致率は80
%まで低下していた。すなわち、吸収係数が約4000
/cmでは判別の精度が低くなる。
【0061】なお、ポリイミド以外の樹脂の場合も、そ
の樹脂に応じて吸収係数が5000/cm以上になるよ
うな波長の光を選べばよい。以上のように、本発明によ
れば、非破壊で簡便に銅箔24上の残留樹脂22の残留
厚さを検出することが可能となる。
【0062】実施の形態4.図8、図9は、さらにこの
発明の他の実施の形態を示すもので、図8は検査装置及
びレーザ加工装置の動作を説明するための説明図、図9
は焦点位置がずれた場合の光の通路を説明する説明図で
ある。図8において、光源1は照明用の光として紫外光
2(図8(a))と白色光38(図8(b))とを切換
えて発生しうるようにされている。まず、紫外光2の場
合、図8(a)のように、光源1の前におかれたピンホ
ール板39aから出射した紫外光2はビームスプリッタ
25により対物レンズ5を経由して、残留樹脂22の表
面に照射される。このとき、残留樹脂22上で焦点が結
ぶようにプリント基板21が設置された場合、残留樹脂
22の表面からの反射光32aは対物レンズ5により、
光検出器40の前に設置されたピンホール板39bの位
置に焦点を結び、ピンホール板39bを通過して光電検
出器40で検知される。
【0063】この紫外光2による光学系では光源1側の
ピンホール板39aにより生じた点光源と光電検出器4
0側のピンホール板39bが対物レンズ5に対して共役
の位置関係にある。このような光学系を共焦点光学系と
呼ぶ。共焦点光学系の場合、図9に示すように試料であ
る残留樹脂22上で焦点がずれると、反射光32aは光
電検出器40側のピンホール板39bの手前で大きくぼ
けてしまい、ピンホール板39bを通過できない。
【0064】このように、光電検出器40は残留樹脂2
2上に焦点が合った場合のみ反射光32aを検出できる
ため、焦点位置を正確に検出できる。なお、焦点位置の
調節は、プリント基板21を載せた加工テーブル17
(図1参照)を図8の左右方向に動かすことにより行
う。
【0065】ここで、紫外光2の反射光32aは、図5
に示すように樹脂表面反射光29と銅箔表面反射光30
の2種類がある。紫外光で少なくとも樹脂表面を検出す
るためには、樹脂表面反射光29の強度Aが入射強度の
10%しかないため、銅箔表面反射光30の強度Eを樹
脂表面反射光29の強度A以下としなければならない。
従って、実施の形態3に述べた(2)式、(6)式にお
いて、A≧Eとなるようにするためには、残留樹脂厚さ
dを1μmとして吸収係数α≧5000/cmが必要条
件となる。
【0066】次に、銅箔24の位置を探すために、照明
光を白色光38に切換えて焦点位置を検出する。この
時、白色光38は紫外光2よりも残留樹脂22に対する
吸収係数が著しく小さく、銅箔24に対する反射率が高
いため、銅箔24の銅箔表面反射光30の強度が高い。
従って、銅箔24の表面の位置を図9の原理に従って焦
点位置を検出することによって、銅箔24の位置を正確
に検出できる。なお、焦点位置の調節は、紫外光2の場
合と同様にプリント基板21を載せた加工テーブル17
(図1参照)を図8の左右方向に動かすことにより行
う。
【0067】これにより、紫外光2と白色光38での焦
点位置の差d(図8(b))が残留膜厚となり、残留膜
厚を非破壊で簡便に測定することができる。そして、残
留膜厚が所定値、例えば0.15μm以上なら、加工用
レーザ光線を穴加工部6に再度照射して、残留樹脂の除
去を行う。
【0068】上記検討を基に、本実施の形態では、紫外
光2として波長337nmの窒素レーザを、白色光38
としてハロゲンランプ光を用い、プリント基板21とし
て銅箔24上に厚さ約1μmのポリイミド樹脂が残留樹
脂22として残留した穴加工部6が形成されたプリント
基板を用いた。なお、本実施の形態で用いた波長337
nmの光のポリイミド樹脂に対する吸収係数は約800
0/cmである。
【0069】本実施の形態で述べた検査装置を用いて上
記プリント基板21の残留樹脂22の残留膜厚を測定し
た結果、残留ポリイミド厚dが約1μmであることが確
認された。なお、上記実施の形態では紫外光2と白色光
38を用いたが、これに限られるものではなく、白色光
38の代わりに例えば紫外光2の吸収係数よりも吸収係
数が小さい紫外光を用いることもできる。
【0070】また、上記各実施の形態では、銅箔24で
ある場合について述べたが、アルミニウム箔等のレーザ
ビームに対する反射率が所定値以上のものであれば同様
の効果を奏する。また、紫外光2や励起光7の波長は、
残留樹脂の材料に合わせて適宜選定すればよい。
【0071】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、次のような効果を奏する。すなわち、第一の
材料と第二の材料とを層状に形成した積層材料に加工用
レーザビーム照射装置によりレーザビームを照射して上
記第一の材料を除去して形成される凹設部の底部に除去
されずに残留する上記第一の材料である残留材料に照明
光を照射する照明光照射装置を設けたので、残留材料に
照明光を照射して残留材料からの光に基づいて、この光
の目視による観察や、機器による測定により破壊検査を
行うことなく迅速かつ的確に残留材料の状況を知ること
ができる。
【0072】そして、照射光を照射された残留材料から
の光を検出する光検出装置を設けたので、光検出装置を
設けることにより検出の機械化が可能となり、破壊検査
を行うことなく迅速かつ的確に残留材料の状況を知るこ
とができる。
【0073】さらに、照明光照射装置を残留材料を励起
してルミネセンスを放出させる励起光を照射するものと
したので、残留材料が放出するルミネセンスの目視によ
る観察や機器による測定により、破壊検査を行うことな
く残留材料の状況を確実に知ることができる。
【0074】また、照明光照射装置を残留材料を励起し
てルミネセンスを放出させる励起光を照射するものと
し、光検出装置を残留材料が放出するルミネセンスを検
出するものとしたので、ルミネセンスを検出することに
より、残留材料の状況を知ることができる。
【0075】そして、照明光照射装置を残留材料に対す
る吸収係数が所定値以上である紫外光を照射するものと
し、光検出装置を凹設部の底部から反射される反射光を
検出するものとしたので、吸収係数が所定以上の紫外光
を用いて、紫外光が残留材料の中を通過中に吸収され、
残留材料の厚さ及び吸収係数が大きいほど減少率が大き
くなるようにして、残留材料の状況を感度良く知ること
ができる。
【0076】さらに、紫外光照射装置を、吸収係数が5
000/cm以上の紫外光を照射するものとしたので、
吸収係数が5000/cm以上の紫外光を用いることに
より、残留材料の膜厚0.2μmの場合に対し0.6μ
mの場合は反射光強度が約20%減少する、すなわち底
部の明るさが約20%変化する。この程度変化すれば反
射光検出装置で容易に検出することができる。残留材料
の膜厚が0.2μm程度なら化学処理で除去できるため
不良とならず、これが0.6μm程度を超えると化学処
理で除去できなくなり不良となる場合が多くなるので、
不良となるような残留膜厚を容易に検出でき不良を防止
できる。
【0077】また、照明光照射装置を残留材料に対する
吸収係数が第一の所定値である第一の照射光と上記残留
材料に対する吸収係数が上記第一の所定値よりも小さい
第二の所定値である第二の照射光とを照射するものと
し、光検出装置を凹設部の底部から反射される上記第一
及び第二の照射光の各反射光に基づき上記残留材料の厚
さを検出するものとしたので、第一及び第二の照射光の
残留材料に対する吸収係数を異なり、残留材料の表面で
反射されるものが第一の反射光の過半を占め、第二の材
料の表面で反射されるものが第二の反射光の過半を占め
るので、第一及び第二の反射光から残留材料の表面及び
第二の材料の表面の位置を検出でき、この両表面の位置
の差から残留材料の厚さを知り、必要に応じて適切な処
置を講じることができる。
【0078】そして、照明光照射装置として、加工用レ
ーザビーム照射装置のレーザビームを用いるものとした
ので、照明光照射装置として加工用レーザビーム照射装
置を利用でき、装置が安価になる。
【0079】さらに、この発明におけるレーザ加工装置
は、上記各積層材料の凹設部検査装置の一つを備えたも
のであるので、凹設部の加工後破壊検査を行うことなく
直ちに残留材料の有無を知ることができ、必要に応じて
再度残留材料を除去する加工を行うことができ、信頼
性、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の一形態を示す検査装置を備
えたレーザ加工装置の構成を示す構成図である。
【図2】 図1の検査装置における凹設部に残留樹脂が
あるときとないときの反射光強度を説明する説明図であ
る。
【図3】 この発明の他の実施の形態を示す検査装置及
びレーザ加工装置の構成図である。
【図4】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す検
査装置及びレーザ加工装置の構成図である。
【図5】 図4の検査装置における反射の状況を説明す
るための説明図である。
【図6】 図4の検査装置における残留材料の残留膜圧
と反射光強度の関係を示す特性図である。
【図7】 図4の検査装置における凹設部に残留樹脂が
あるときとないときの反射光強度を説明する説明図であ
る。
【図8】 さらに、この発明の他の実施の形態を示す検
査装置及びレーザ加工装置の動作を説明するための説明
図である。
【図9】 図8の検出装置において焦点位置がずれた場
合の光の通路を説明する説明図である。
【図10】 従来のプリント基板のBVH加工法を示す
もので、微細な貫通孔部を加工する工程を説明する説明
図である。
【図11】 従来のプリント基板のBVH加工法を示す
もので、BVHを形成する凹設部を加工する加工方法を
説明する説明図である。
【図12】 光学顕微鏡を備えた従来のレーザ加工装置
の構成図である。
【図13】 図12の光学顕微鏡の構成図である。
【図14】 プリント基板における照射された光の反射
の状況を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 光源、2 紫外光、6 穴加工部、6a 底部、7
励起光、8 蛍光、11 CCDカメラ、12 画像
処理装置、13 レーザ発振器、18 エポキシ樹脂、
19 ガラスエポキシ、20 レーザビーム、21 プ
リント基板、22 残留樹脂、24 銅箔、27 像、
29 樹脂表面反射光、30 銅箔表面反射光、32
a,32b 穴加工部の底部からの反射光、33 穴加
工部の像、38 白色光、39a,39b ピンホール
板。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の材料と第二の材料とを層状に形成
    した積層材料に加工用レーザビーム照射装置によりレー
    ザビームを照射して上記第一の材料を除去して形成され
    る凹設部の底部に除去されずに残留する上記第一の材料
    である残留材料に照明光を照射する照明光照射装置を備
    えた積層材料の凹設部検査装置。
  2. 【請求項2】 照射光を照射された残留材料からの光を
    検出する光検出装置を設けたことを特徴とする請求項1
    に記載の積層材料の凹設部検査装置。
  3. 【請求項3】 照明光照射装置を、残留材料を励起して
    ルミネセンスを放出させる励起光を照射するものとした
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層材料の凹設部検
    査装置。
  4. 【請求項4】 照明光照射装置を残留材料を励起してル
    ミネセンスを放出させる励起光を照射するものとし、光
    検出装置を残留材料が放出するルミネセンスを検出する
    ものとしたことを特徴とする請求項2に記載の積層材料
    の凹設部検査装置。
  5. 【請求項5】 照明光照射装置を残留材料に対する吸収
    係数が所定値以上である紫外光を照射するものとし、光
    検出装置を凹設部の底部から反射される反射光を検出す
    るものとしたことを特徴とする請求項2に記載の積層材
    料の凹設部検査装置。
  6. 【請求項6】 照明光照射装置を、吸収係数が5000
    /cm以上の紫外光を照射するものとしたことを特徴と
    する請求項5に記載の積層材料の凹設部検査装置。
  7. 【請求項7】 照明光照射装置を残留材料に対する吸収
    係数が第一の所定値である第一の照射光と上記残留材料
    に対する吸収係数が上記第一の所定値よりも小さい第二
    の所定値である第二の照射光とを照射するものとし、光
    検出装置を凹設部の底部から反射される上記第一及び第
    二の照射光の各反射光に基づき上記残留材料の厚さを検
    出するものとしたことを特徴とする請求項2に記載の積
    層材料の凹設部検査装置。
  8. 【請求項8】 照明光照射装置として、加工用レーザビ
    ーム照射装置のレーザビームを用いるものとしたことを
    特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の
    積層材料の凹設部検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれか1項
    に記載の積層材料の凹設部検査装置を備えたレーザ加工
    装置。
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