JPH11197998A - Nc工作機械の熱変位補正装置 - Google Patents

Nc工作機械の熱変位補正装置

Info

Publication number
JPH11197998A
JPH11197998A JP2041098A JP2041098A JPH11197998A JP H11197998 A JPH11197998 A JP H11197998A JP 2041098 A JP2041098 A JP 2041098A JP 2041098 A JP2041098 A JP 2041098A JP H11197998 A JPH11197998 A JP H11197998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal displacement
correction
amount
displacement amount
correction amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2041098A
Other languages
English (en)
Inventor
Muneo Wakizaka
宗生 脇坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DMG Mori Co Ltd
Original Assignee
Mori Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mori Seiki Co Ltd filed Critical Mori Seiki Co Ltd
Priority to JP2041098A priority Critical patent/JPH11197998A/ja
Publication of JPH11197998A publication Critical patent/JPH11197998A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automatic Control Of Machine Tools (AREA)
  • Numerical Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】主軸の熱変位量が正しく測定できなかった場合
でも、補正により加工精度を大きく低下させることがな
いNC工作機械の熱変位補正装置を提供する。 【解決手段】主軸の回転数が変化した後所定時間経過後
から、単位時間内に熱変位した主軸の熱変位量を単位時
間毎に測定する熱変位量測定手段10と、測定された単
位時間内の熱変位量を記憶する熱変位量記憶手段20
と、測定された主軸の熱変位量に基づいて、機械座標系
をシフトさせるための補正量を決定する補正量決定手段
30と、決定された補正量に基づいて、NC装置aに機
械座標系をシフトさせる補正指令を出力する補正指令手
段40とを備えており、補正量決定手段30は、記憶さ
れた前回の熱変位量と測定された今回の熱変位量とを比
較し、前回の熱変位量が今回の熱変位量より大きい場合
は、今回の熱変位量に基づいて補正量を決定し、今回の
熱変位量が前回の熱変位量より大きい場合は、前回の熱
変位量に基づいて補正量を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、温度上昇により
NC工作機械の主軸に熱変位が生じた場合に、NC工作
機械の機械座標系をシフトさせる熱変位補正装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】NC工作機械は、主軸ヘッドにベアリン
グを介して軸支された主軸を電動機によって高速回転さ
せるものであるため、電動機自身の発熱、電動機の回転
駆動力を主軸に伝達するための動力伝達機構やベアリン
グの摩擦熱等によって、主軸自体が加熱されて軸方向に
膨張し、その先端部が熱変位して加工精度が低下すると
いった問題があった。
【0003】このため、従来から、NC工作機械には、
主軸の熱変位量を実測する熱変位測定センサと、この熱
変位測定センサによって実測した熱変位量に基づいてN
C工作機械の機械座標系をシフトさせるための補正量を
決定する補正量決定手段と、かかる補正量に基づいて機
械座標系をシフトさせるためにNC装置に補正指令を出
力する補正指令手段とを備えた熱変位補正装置が設けら
れており、NC工作機械の運転中においては、熱変位測
定センサによって単位時間毎に主軸の熱変位量を実測
し、実測した熱変位量をそのまま機械座標系をシフトさ
せるための補正量とし、この補正量に基づいて機械座標
系を単位時間毎にシフトさせていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た熱変位補正装置では、熱変位センサによってその都度
実測した熱変位量に基づいて補正量を算出しているた
め、ノイズ等の何らかの要因によって熱変位測定センサ
が主軸の熱変位量を正しく測定できなかった場合であっ
ても、その熱変位量に対応する補正がそのまま行われる
ので、かかる補正を行うことにより逆に加工精度の低下
を招く恐れがあった。
【0005】そこで、この発明の課題は、何らかの要因
によって主軸の熱変位量が正しく測定できなかった場合
でも、補正により加工精度を大きく低下させることがな
いように、補正量を修正することのできるNC工作機械
の熱変位補正装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、NC工作機械の主軸の回転数が変化し
た後所定時間経過後から、単位時間内に熱変位した主軸
の熱変位量を単位時間毎に順次測定する熱変位量測定手
段と、前記熱変位量測定手段によって測定された単位時
間内の熱変位量を記憶する熱変位量記憶手段と、前記熱
変位量測定手段によって測定された主軸の熱変位量に基
づいて、NC工作機械の機械座標系をシフトさせるため
の補正量を決定する補正量決定手段と、前記補正量決定
手段によって決定された補正量に基づいて、NC装置に
機械座標系をシフトさせる補正指令を出力する補正指令
手段とを備え、前記補正量決定手段が、前記熱変位量記
憶手段に記憶された前回の熱変位量と前記熱変位量測定
手段によって測定された今回の熱変位量とを比較し、前
回の熱変位量が今回の熱変位量より大きい場合は、今回
の熱変位量に基づいて補正量を決定し、今回の熱変位量
が前回の熱変位量より大きい場合は、前回の熱変位量に
基づいて補正量を決定するようにしたNC工作機械の熱
変位補正装置を提供するものである。
【0007】以上のように、前回の熱変位量が今回の熱
変位量より大きい場合は、今回の熱変位量に基づいて補
正量を決定し、今回の熱変位量が前回の熱変位量より大
きい場合は、前回の熱変位量に基づいて補正量を決定す
るようにしたのは、NC工作機械が、図7に示すよう
に、主軸回転開始後や主軸の回転数の変更後(主軸回転
停止を含む)は、主軸回転開始直後や主軸の回転数の変
更直後の初期時間(T0までの時間)を除けば、必ず、
時間経過(T1、T2、…)に伴って主軸の熱変位量の増
減率が小さくなるという熱変位特性を有していることを
見いだしたからであり、このようにして補正量を決定す
ることにより、何らかの要因によって主軸の熱変位量が
正しく測定できなかった場合でも、不適正な熱変位補正
を加えることによる加工精度の低下を有効に防止するこ
とができる。
【0008】また、前記補正指令手段が、前記補正量決
定手段によって決定された補正量を分割し、次回の熱変
位量の測定時点までの間に、その分割補正量に基づく補
正指令を複数回にわたって順次出力するようにしておく
と、単位時間内に主軸に大きな熱変位が発生した場合で
も、加工面に段差を生じさせないように、機械座標系を
徐々にシフトさせることができる。特に、NC工作機械
がねじ穴加工等の特定の加工を行っている場合や自動工
具交換中である場合は、前記補正指令手段が補正指令を
出力しないようにしておくことが望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態について図面を
参照して説明する。図1に示すように、この熱変位補正
装置1は、NC工作機械Aの主軸の熱変位量を測定する
熱変位量測定手段10と、この熱変位量測定手段10に
よって測定された主軸の熱変位量を記憶する熱変位量記
憶手段20と、熱変位量測定手段10によって測定され
た主軸の熱変位量に基づいてNC工作機械Aの機械座標
系をシフトさせるための補正量を決定する補正量決定手
段30と、この補正量決定手段30によって決定された
補正量に基づき、NC工作機械AのNC装置aに補正指
令を出力する補正指令手段40と、前記熱変位量測定手
段10、熱変位量記憶手段20、補正量決定手段30及
び補正指令手段40をそれぞれ制御する制御手段50と
から構成されている。
【0010】前記熱変位量測定手段10は、図2に示す
ように、工作機械Aの主軸頭に軸支された主軸の後端部
に近接して主軸頭に取り付けられた、基準位置からの主
軸の熱変位量(L)を単位時間(ΔT)毎に順次測定す
るギャップセンサ等の熱変位量測定センサ11と、この
熱変位量測定センサ11によって測定された熱変位量
(L)を記憶する記憶部12と、この記憶部12に記憶
された前測定時点(Tn-1)における熱変位量(Ln-1
と熱変位量測定センサ11によって測定された現測定時
点(Tn)における熱変位量(Ln)との差を求めること
により、前測定時点(Tn-1)から現測定時点(Tn)ま
での時間、即ち、現測定時点における単位時間(Δ
n)内に熱変位した主軸の熱変位量(ΔLn)を算出す
る算出部13とから構成されており、この算出部13に
よって算出された単位時間内の熱変位量(ΔLn)は、
測定時点毎に制御手段50に順次出力される。
【0011】前記熱変位量記憶手段20は、RAMやP
ROM等のメモリから構成されており、前記制御手段5
0から出力される、熱変位量測定手段10によって算出
された単位時間内の熱変位量(ΔLn)を一時的に記憶
するためのものであり、この熱変位量記憶手段20に記
憶された単位時間内の熱変位量(ΔLn)は、後述する
ように、補正量決定手段30が補正量を決定する際に使
用される。
【0012】前記補正量決定手段30は、図3に示すよ
うに、熱変位量測定手段10によって測定された現測定
時点における単位時間(ΔTn)内に熱変位した主軸の
熱変位量(ΔLn)及び熱変位量記憶手段20に記憶さ
れている前測定時点における単位時間(ΔTn-1)内の
熱変位量(ΔLn-1)を取り込むデータ取込部31と、
このデータ取込部31に取り込まれた両データを比較し
ていずれの熱変位量が大きいかを判断するデータ判断部
32と、このデータ判断部32によって、前測定時点に
おける熱変位量(ΔLn-1)が現測定時点における熱変
位量(ΔLn)より大きい場合には現測定時点における
熱変位量(ΔLn)に基づいて現測定時点(Tn)におけ
る補正量を決定し、現測定時点における熱変位量(ΔL
n)が前測定時点における熱変位量(ΔLn-1)より大き
い場合には前測定時点における熱変位量(ΔLn-1)に
基づいて現測定時点(Tn)における補正量を決定する
補正量決定部33とから構成されている。
【0013】なお、現測定時点における熱変位量(ΔL
n)が前測定時点における熱変位量(ΔLn-1)より大き
い場合には、前測定時点における熱変位量(ΔLn-1
が現測定時点における熱変位量(ΔLn)として熱変位
量記憶手段20に記憶されると共に、前測定時点におけ
る熱変位量(Ln-1)と前測定時点における熱変位量
(ΔLn-1)との和(Ln-1+ΔLn-1)が現測定時点に
おける熱変位量(Ln)として熱変位測定手段10の記
憶部12に記憶される。
【0014】前記補正指令手段40は、図1及び図4に
示すように、NC装置aから出力された工作機械Aの加
工状態信号が制御手段50を介して入力される状態信号
入力部41と、補正量決定手段30によって決定された
補正量が制御手段50を介して入力される補正量入力部
42と、状態信号入力部41及び補正量入力部42から
それぞれ出力された加工状態信号及び補正量に基づいて
所定の判断及びその判断に基づく処理を行う判断・処理
部43と、この判断・処理部43によって処理された補
正量をNC装置aに出力する出力部44とから構成され
ている。
【0015】前記判断・処理部43は、状態信号入力部
41から出力された加工状態信号によって、工作機械A
がねじ穴加工や自動工具交換といった特定の加工等を行
っている場合には、補正を行わないように補正量を出力
部44に出力しない。
【0016】また、この判断・処理部43は、補正量決
定手段30によって決定された補正量が所定の単位補正
量(例えば、工作機械の機械座標系をシフト可能な最小
シフト量に所定の係数を乗じた量)より大きい場合に
は、その補正量を複数の単位補正量に分割して、現測定
時点(Tn)から次測定時点(Tn+1)までの間に、その
分割された単位補正量を複数回にわたって出力部44に
順次出力するようになっている。
【0017】以上のように構成された熱変位補正装置1
による補正処理について、図5及び図6に示すフローチ
ャートに基づいて、以下に詳細に説明する。
【0018】NC工作機械Aの電源が投入されると、こ
の熱変位補正装置1も同時に起動し、まず加工が開始さ
れたか否か、即ち、主軸が回転を始めたか否かが判断さ
れ(ステップS1)、加工が開始されたと判断された場
合は、ステップS2においてタイマをリセットした後に
スタートさせ、ステップS3に移行する。なお、ステッ
プS1において加工が開始されていない場合は、再度ス
テップS1に戻り、加工が開始されるまで待機する。
【0019】ステップS3においては、加工開始から初
期時間が経過したか否かが判断され、初期時間が経過し
たと判断された場合は、ステップS4に移行してタイマ
をリセットした後にスタートさせる。なお、ステップS
3において初期時間が経過していない場合は、再度ステ
ップS3に戻り、初期時間が経過するまで待機する。
【0020】なお、ここにいう「初期時間」とは、図7
に示すように、NC工作機械の加工開始直後や主軸の回
転数の変更直後における主軸の熱変位量の増減率が小さ
い時間帯を意味しており、この初期時間(T0)を経過
した後は、同図に示すように、主軸の熱変位量の増減率
が一旦大きくなった後、時間経過に伴って主軸の熱変位
量の増減率が小さくなるという熱変位特性を示す。ま
た、この初期時間(T0)については、各NC工作機械
の熱変位特性に応じて適宜設定しておく必要がある。
【0021】次に、ステップS5において、前記熱変位
量測定手段10の熱変位量測定センサ11によって初期
時間経過時点(T0)における主軸の熱変位量(L0)が
測定され、この熱変位量(L0)を、加工開始時点から
初期時間経過時点(T0)までの間に主軸が熱変位した
熱変位量(ΔL0)として算出部13が制御手段50に
出力すると共に今回測定した熱変位量(L0)を記憶部
12に記憶した後、ステップS6に移行する。
【0022】ステップS6では、制御手段50に出力さ
れた熱変位量(ΔL0)が、補正量決定手段30に出力
され、この熱変位量(ΔL0)に基づいて補正量が決定
された後、その補正量が制御手段50を介して補正指令
手段40に出力され、補正指令手段40がその補正量に
基づく補正指令をNC装置aに出力する。
【0023】次に、ステップS7においては、初期時間
経過時点(T0)から単位時間(ΔT)が経過したか否
かが判断され、未だ単位時間(ΔT)が経過していなけ
れば、再びステップS7に戻って、単位時間(ΔT)が
経過するまで待機する。なお、この実施形態において
は、単位時間(ΔT)を、10〜20分程度に設定して
ある。
【0024】一方、ステップS7において、単位時間
(ΔT)が経過したと判断された場合は、ステップS8
において、タイマをリセットした後にスタートさせ、ス
テップS9に移行し、以下の処理が行われる。
【0025】ステップS9では、まず、前記熱変位量測
定センサ11によって単位時間経過時点(T1)におけ
る主軸の熱変位量(L1)が測定され、既に記憶部12
に記憶されている前回測定した熱変位量(L0)と今回
測定された熱変位量(L1)との差を求めることで、前
測定時点(T0)から現測定時点(T1)までの間に主軸
が熱変位した熱変位量(ΔL1)を算出部13が算出
し、制御手段50に出力すると共に、今回測定した熱変
位量(L1)を記憶部12に記憶する。一方、制御手段
50に出力された熱変位量(ΔL1)は、制御手段50
から熱変位量記憶手段20に出力され、熱変位量記憶手
段20に記憶される。
【0026】次のステップS10では、制御手段50に
出力された熱変位量(ΔL1)が、補正量決定手段30
に出力され、この熱変位量(ΔL1)に基づいて補正量
が決定された後、その補正量が制御手段50を介して補
正指令手段40に出力され、補正指令手段40がその補
正量に基づく補正指令をNC装置aに出力した後、所定
の熱変位補正処理ルーチンS11に移行する。
【0027】ステップS11における熱変位補正処理ル
ーチンは、図6に示すように、まず、ステップS21に
おいて、前測定時点(T1)から単位時間(ΔT)が経
過したか否かが判断され、未だ単位時間(ΔT)が経過
していなければ、再びステップS21に戻って、単位時
間(ΔT)が経過するまで待機する。
【0028】一方、ステップS21において、前測定時
点(T1)から単位時間(ΔT)が経過したと判断され
た場合は、ステップS22において、タイマをリセット
した後にスタートさせる。
【0029】次のステップS23では、NC工作機械A
がねじ穴加工や自動工具交換といった特定の加工等を行
っているか否かが判断・処理部43において判断され、
特定の加工等を行っていると判断された場合は、以下に
示すような熱変位量の測定からNC装置aに対する補正
指令の出力に至るまでの一連の処理を行うことなく、即
ち、熱変位補正を行うことなく熱変位補正処理ルーチン
を終了するが、特定の加工等を行っていない場合は、ス
テップS24に移行し、以下の処理が行われる。
【0030】ステップS24では、まず、熱変位量測定
センサ11によって前測定時点(T1)から単位時間
(ΔT)が経過した現測定時点(T2)における主軸の
熱変位量(L2)が測定され、既に記憶部12に記憶さ
れている前回測定した熱変位量(L1)と今回測定され
た熱変位量(L2)との差を求めることで、前測定時点
(T1)から現測定時点(T2)までの間に主軸が熱変位
した熱変位量(ΔL2)を算出部13が算出し、その熱
変位量(ΔL2)を制御手段50に出力すると共に、今
回測定した熱変位量(L2)を記憶部12に記憶する。
【0031】次のステップS25では、前ステップS2
4において算出された現測定時点(T2)における熱変
位量(ΔL2)と既に熱変位量記憶手段20に記憶され
ている前測定時点(T1)における熱変位量(ΔL1)が
制御手段50を介して補正量決定手段30のデータ取込
部31に出力され、このデータ取込部31に取り込まれ
た熱変位量(ΔL2)と熱変位量(ΔL1)のいずれが大
きいかがデータ判断部32によって判断され、前測定時
点における熱変位量(ΔL1)が現測定時点における熱
変位量(ΔL2)より大きい場合は、熱変位測定センサ
11によってNC工作機械Aの主軸の熱変位特性に応じ
た正しい熱変位量が測定されていると考えられるので、
ステップS26において、補正量決定部33が現測定時
点における熱変位量(ΔL2)に基づいて補正量を決定
し、その補正量を制御手段50に出力した後、ステップ
S28に移行する。
【0032】一方、ステップS25において、現測定時
点における熱変位量(ΔL2)が前測定時点における熱
変位量(ΔL1)より大きい場合は、ノイズ等、何らか
の要因によって工作機械の主軸の熱変位特性に応じた正
しい熱変位量が測定されていないと考えられるので、ス
テップS27において、補正量決定部33が前測定時点
における熱変位量(ΔL1)に基づいて補正量を決定
し、その補正量を制御手段50に出力した後、ステップ
S28に移行する。このように、熱変位量(ΔL)が実
際よりかなり大きな値として測定されたと考えられる場
合には、前回適正に測定された熱変位量(ΔL)に基づ
いて補正量を決定することで、NC工作機械の機械座標
系を必要以上に大きくシフトさせることがなく、不適正
な熱変位補正を加えることによって生じる加工精度の低
下を最小限に止めることができる。
【0033】ステップS28では、通常、ステップS2
4において、制御手段50に出力された熱変位量(ΔL
2)が、制御手段50から熱変位量記憶手段20に出力
され、熱変位量記憶手段20に記憶されるが、現測定時
点における熱変位量(ΔL2)が前測定時点における熱
変位量(ΔL1)より大きい場合、即ち、前測定時点に
おける熱変位量(ΔL1)に基づいて補正量を決定した
場合は、前測定時点における熱変位量(ΔL1)が現測
定時点における熱変位量(ΔL2)として熱変位量記憶
手段20に記憶されると共に、前測定時点における熱変
位量(L1)と前測定時点における熱変位量(ΔL1)と
の和(L1+ΔL1)が現測定時点における熱変位量(L
2)として熱変位測定手段10の記憶部12に記憶され
る。
【0034】そして、次のステップS29において、判
断・処理部43が補正量入力部42に入力された補正量
に対して所定の処理を行った後、出力部44からNC装
置aに補正指令を出力して熱変位補正処理ルーチンを終
了する。このとき、判断・処理部43は、まず、ステッ
プS26またはステップS27において決定された補正
量が、所定の単位補正量(工作機械の機械座標系をシフ
ト可能な最小シフト量に所定の係数を乗じた量)より大
きいか否かを判断し、決定された補正量が単位補正量よ
り大きい場合には、その補正量を複数の単位補正量に分
割して、現測定時点(T2)から次測定時点(T3)まで
の間に、その分割された単位補正量を複数回にわたって
出力部44に順次出力する。従って、決定された補正量
に基づく補正が一度に行われるのではなく、単位補正量
毎に複数回にわたって補正されることになり、加工面に
段差を生じさせないように、機械座標系を徐々にシフト
させることができる。
【0035】なお、上述したように、ねじ加工等の特定
の加工中の場合は、熱変位量(L、ΔL)の測定、記憶
及び熱変位補正が行われないが、ねじ穴加工や自動工具
交換といった特定の加工等に要する時間は一般的に短
く、しかも、このような特定の加工等は必ず主軸の回転
数の変更を伴うため、次のステップS12において、必
ず、ステップS1に戻って以上の処理を最初から繰り返
すことになるので、特定の加工中であるが故に行われな
い熱変位補正処理が繰り返し累積されることがなく、ま
た、後述するように、その後のステップS5において測
定される熱変位量(ΔL0)は、特定加工に入る前に測
定、記憶された熱変位量(L)とステップS5において
測定された熱変位量(L0)との差を求めることによっ
て算出され、特定の加工中でなければ本来補正されるべ
き補正量がこの時点で加味されることになるので、特に
問題となることはない。
【0036】以上のようにしてステップS11における
熱変位補正処理が終了すると、ステップS12におい
て、主軸の回転数が変更されたか否かが判断され、主軸
の回転数が変更されない場合は、ステップS13に移行
する。ここで、主軸の回転数が変更された場合は、ステ
ップS1に戻って以上の処理を最初から繰り返すことに
なる。
【0037】但し、加工開始時には、上述したように、
ステップS5において、測定された熱変位量(L0
を、そのまま加工開始時点から初期時間経過時点
(T0)までの間に主軸が熱変位した熱変位量(ΔL0
としているが、主軸の回転数の変更直後においては、算
出部13が既に記憶部12に記憶されている前測定時点
に対応する熱変位量(Ln)と主軸の回転数変更時点か
ら初期時間が経過した時点(T0)に測定された主軸の
熱変位量(L0)との差を求めることで、回転数変更時
点から初期時間経過時点(T0)までの間に主軸が熱変
位した熱変位量(ΔL0)が算出される。
【0038】最終ステップS13では、NC工作機械A
の加工が停止されたか否かが判断され、加工が停止され
ない場合は、再びステップS11の熱変位補正処理ルー
チンに戻って次測定時点以降(T3、T4…)の熱変位補
正処理を繰り返して行う。一方、ステップS13におい
て、NC工作機械Aの加工が停止された場合は、熱変位
補正装置1による補正処理が終了する。
【0039】なお、この実施形態では、NC工作機械A
の主軸後端の熱変位量を測定し、この熱変位量を主軸先
端の熱変位量としてそのまま採用しているが、厳密に
は、主軸後端の熱変位量と主軸先端の熱変位量とは異な
るため、主軸後端の熱変位量と主軸先端の熱変位量との
相関関係を予め求めておき、この相関関係に基づいて、
測定した主軸後端の熱変位量を補正することにより主軸
先端の熱変位量を算出し、この算出された主軸先端の熱
変位量を採用することが望ましい。
【0040】また、この実施形態では、単位時間(Δ
T)内に主軸が熱変位した熱変位量(ΔL)に基づいて
補正量を決定しているが、各測定時点(T0、T1…)に
測定された熱変位量(L)やその熱変位量(L)に上述
した所定の処理を施すことによって修正された熱変位量
(L)を、そのまま補正量としてNC装置aに出力する
ことで熱変位補正を行うことも可能である。
【0041】
【発明の効果】以上のように、この発明のNC工作機械
の熱変位補正装置は、主軸の熱変位特性を考慮して、N
C工作機械の主軸の回転数が変化した時点から所定時間
経過後において、測定された熱変位量が前回測定された
熱変位量より大きい場合は、前回の熱変位量に基づいて
補正量を決定するようにしたため、何らかの要因によっ
て主軸の熱変位量が正しく測定できなかった場合でも、
NC工作機械の機械座標系を必要以上に大きくシフトさ
せることがなく、不適正な熱変位補正を加えることによ
り発生する加工精度の低下を防止することができ、熱変
位補正の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる熱変位補正装置の一実施形態
を示すブロック図である。
【図2】同上の熱変位補正装置における熱変位量測定手
段を示すブロック図である。
【図3】同上の熱変位補正装置における補正量決定手段
を示すブロック図である。
【図4】同上の熱変位補正装置における補正指令手段を
示すブロック図である。
【図5】同上の熱変位補正装置全体の処理の内容を示す
フローチャートである。
【図6】同上の熱変位補正装置の熱変位補正処理の内容
を示すフローチャートである。
【図7】工作機械の主軸の熱変位特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 熱変位補正装置 10 熱変位量測定手段 20 熱変位量記憶手段 30 補正量決定手段 40 補正指令手段 50 制御手段 A NC工作機械 a NC装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NC工作機械の主軸の回転数が変化した
    後所定時間経過後から、単位時間内に熱変位した主軸の
    熱変位量を単位時間毎に順次測定する熱変位量測定手段
    と、 前記熱変位量測定手段によって測定された単位時間内の
    熱変位量を記憶する熱変位量記憶手段と、 前記熱変位量測定手段によって測定された主軸の熱変位
    量に基づいて、NC工作機械の機械座標系をシフトさせ
    るための補正量を決定する補正量決定手段と、 前記補正量決定手段によって決定された補正量に基づい
    て、NC装置に機械座標系をシフトさせる補正指令を出
    力する補正指令手段とを備え、 前記補正量決定手段が、前記熱変位量記憶手段に記憶さ
    れた前回の熱変位量と前記熱変位量測定手段によって測
    定された今回の熱変位量とを比較し、前回の熱変位量が
    今回の熱変位量より大きい場合は、今回の熱変位量に基
    づいて補正量を決定し、今回の熱変位量が前回の熱変位
    量より大きい場合は、前回の熱変位量に基づいて補正量
    を決定するようにしたNC工作機械の熱変位補正装置。
  2. 【請求項2】 前記補正指令手段が、前記補正量決定手
    段によって決定された補正量を分割し、次回の熱変位量
    の測定時点までの間に、その分割補正量に基づく補正指
    令を複数回にわたって順次出力するようにした請求項1
    に記載のNC工作機械の熱変位補正装置。
  3. 【請求項3】 NC工作機械が特定の加工を行っている
    場合または自動工具交換中である場合は、前記補正指令
    手段が補正指令を出力しないようにした請求項1または
    2に記載のNC工作機械の熱変位補正装置。
JP2041098A 1998-01-16 1998-01-16 Nc工作機械の熱変位補正装置 Withdrawn JPH11197998A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2041098A JPH11197998A (ja) 1998-01-16 1998-01-16 Nc工作機械の熱変位補正装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2041098A JPH11197998A (ja) 1998-01-16 1998-01-16 Nc工作機械の熱変位補正装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11197998A true JPH11197998A (ja) 1999-07-27

Family

ID=12026278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2041098A Withdrawn JPH11197998A (ja) 1998-01-16 1998-01-16 Nc工作機械の熱変位補正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11197998A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6471451B2 (en) * 2000-07-06 2002-10-29 Fanuc Ltd. Method of correcting thermal displacement of machine tool
JP2015196199A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 ファナック株式会社 工作機械の熱変位補正装置
JP6641543B1 (ja) * 2019-04-12 2020-02-05 三菱電機株式会社 数値制御装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6471451B2 (en) * 2000-07-06 2002-10-29 Fanuc Ltd. Method of correcting thermal displacement of machine tool
JP2015196199A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 ファナック株式会社 工作機械の熱変位補正装置
US9945799B2 (en) 2014-03-31 2018-04-17 Fanuc Corporation Thermal displacement correction device for machine tool
JP6641543B1 (ja) * 2019-04-12 2020-02-05 三菱電機株式会社 数値制御装置
WO2020208827A1 (ja) * 2019-04-12 2020-10-15 三菱電機株式会社 数値制御装置
CN113678073A (zh) * 2019-04-12 2021-11-19 三菱电机株式会社 数控装置
CN113678073B (zh) * 2019-04-12 2022-07-29 三菱电机株式会社 数控装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5795112A (en) Method for compensating a component of a machine tool for displacement caused by heat
JP4565034B2 (ja) イナーシャ推定を行う制御装置及び制御システム
JP3644129B2 (ja) 切削加工装置およびその異常検出方法
EP1083024A1 (en) Method and device for controlling machine tool numerically
JP5015816B2 (ja) 心押台制御装置
US20150115514A1 (en) Control device for machine tool including rotary indexing device
US7366576B2 (en) Position control device and position control method for machine tools
US5602347A (en) Tool life control method based on disturbance load torque of motor
JP3413068B2 (ja) 工作機械の熱変位推定方法
JP2002086329A (ja) 工作機械の熱変位補正量算出方法及び熱変位補正量算出装置
EP1868289A1 (en) Motor control device
JP4720774B2 (ja) 加工装置
JPH11197998A (ja) Nc工作機械の熱変位補正装置
JP2788360B2 (ja) 電動機の速度制御装置
JP6656945B2 (ja) 工作機械の熱変位の補正方法
JP2003039278A (ja) 工作機械の熱変位補正装置
JP3292454B2 (ja) 工作機械の熱変位量算出装置及び記憶媒体
JP3648858B2 (ja) 主軸同期制御方法及びその装置
JP3292455B2 (ja) 工作機械の熱変位量算出装置及び記憶媒体
JP2004148443A (ja) 工具の熱変位補正方法
JPH0839399A (ja) 工作機械の熱変位補正装置
KR102573466B1 (ko) 토크가 펄스로 전달되는 조임 공정을 수행하도록 구성된 전기 공구
JPH08118204A (ja) 工作機械における位置決め誤差補正方法および位置決め誤差補正装置
JPH0751976A (ja) 主軸異常負荷時停止制御方式
JPH05228792A (ja) 工作機械の温度補償装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405