JPH11189914A - 長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物

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JPH11189914A
JPH11189914A JP9367205A JP36720597A JPH11189914A JP H11189914 A JPH11189914 A JP H11189914A JP 9367205 A JP9367205 A JP 9367205A JP 36720597 A JP36720597 A JP 36720597A JP H11189914 A JPH11189914 A JP H11189914A
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JP
Japan
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less
resin
polypropylene resin
resin composition
nonwoven fabric
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JP9367205A
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Inventor
Ayafumi Hirota
礼文 広田
Hiroyasu Mizutani
弘康 水谷
Tadashi Sezume
忠司 瀬詰
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NIPPON POLYCHEM KK
Original Assignee
NIPPON POLYCHEM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の発煙が少なく、高速紡糸性に優れた
長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (1)メルトフローレート(MFR)が
30〜70g/10分、(2)メモリーイフェクト(M
E)が0.95以下、(3)メカニカルスペクトロメー
ターによって求めた230℃での周波数0.1rad/
secにおける溶融粘度(η0.1)と、周波数100
rad/secにおける溶融粘度(η100)との比
(η0.1/η100)が1.7以下、(4)示差熱走
査型熱量計で求めた125℃における等温結晶化時間が
50sec以下及び(5)樹脂中に含まれる炭素数70
以下の炭化水素成分の割合が0.10wt%以下である
長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維不織布用ポ
リプロピレン樹脂組成物に関し、特に高速紡糸性に優
れ、かつ紡糸時の発煙が少ない長繊維不織布用ポリプロ
ピレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】スパンボンド不織布を初めとする長繊維
不織布は、溶融紡糸して得られた長繊維群を捕集コンベ
ア上に集積して繊維ウェブを得た後、長繊維相互間を任
意の手段で接着させて得られるものである。従って連続
繊維とも言える長繊維を構成繊維とするものであるた
め、短繊維を構成繊維とする短繊維不織布に比べて引張
強度等の機械的性質に優れている。また、溶融紡糸して
得られた長繊維をそのまま開繊及び集積して不織布が得
られるため、得られた繊維をカード法や湿式法で開繊及
び集積して得られる不織布に比べて、合理的に生産しう
る利点がある。
【0003】このような長繊維不織布用の材料としてポ
リプロピレンを用いることは公知であるが、これら不織
布用ポリプロピレンにはメルトフローレートが大きく、
分子量分布が狭いものが適していることが知られてい
る。このような材料は一般的に、原料ポリプロピレンに
多量の過酸化物を加えて大きな分子から選択的に分子切
断を起こさせることにより得ているが、これら過酸化物
処理された樹脂は、ポリマーと過酸化物との反応により
発生する低分子量フラグメントを樹脂中に含むこととな
る。この低分子量フラグメントは成形時の発煙発生原因
の一つとなり、生産工程上好ましくないばかりでなく成
形機に付着して生産性を著しく低下させる。しかしなが
ら過酸化物による化学処理を受けていないポリプロピレ
ンは、遅い引取速度においてもフィラメントストランド
破壊が発生してしまうので、高速紡糸加工には不適当で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形時の発
煙が少なく高速紡糸性に優れた長繊維不織布用ポリプロ
ピレン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のメルトフロ
ーレート、メモリーイフェクト、溶融粘度、等温結晶化
時間を有し、低分子量炭化水素成分が少ない結晶性ポリ
プロピレン樹脂組成物が、成形時の発煙が少なく高速紡
糸性に優れた長繊維不織布用樹脂組成物であることを見
出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、下記(1)〜(5)
を満足する長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物で
ある。 (1)メルトフローレート(MFR)が30〜70g/
10分。 (2)メモリーイフェクト(ME)が0.95以下。 (3)メカニカルスペクトロメーターによって求めた2
30℃での周波数0.1rad/secにおける溶融粘
度(η0.1)と、周波数100rad/secにおけ
る溶融粘度(η100)との比(η0.1/η100)
が1.7以下。 (4)示差熱走査型熱量計で求めた125℃における等
温結晶化時間が50sec以下。 (5)樹脂中に含まれる炭素数70以下の炭化水素成分
の割合が0.10wt%以下。
【0007】
【発明の実施の形態】1.長繊維不織布用ポリプロピレ
ン樹脂組成物 本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、
以下に示す物性値を有する。 (1)該樹脂組成物のMFRは、30〜70g/10
分、好ましくは40〜60g/10分、更に好ましくは
45〜55g/10分の範囲である。スパンボンド不織
布成形においては、紡糸ノズルより吐出されるポリプロ
ピレンの溶融粘度が適度に小さいことが必要であるが、
MFRが30未満の樹脂は、この溶融粘度が大きすぎる
ことから延伸時に糸切れが発生し好ましくない。逆にM
FRが70以上である場合は、溶融粘度が小さすぎるた
め、紡糸ノズルとエアサッカー間を走行するフィラメン
トにテンションが掛からずいわゆる腰のない状態とな
り、走行フィラメント群が大きくゆれ、フィラメント同
士の接着による糸切れが発生するため好ましくない。
【0008】(2)該樹脂組成物のメモリーイフェクト
は、0.95以下である。メモリーイフェクトが0.9
5を超えると、樹脂中に高分子量成分を多量に含んでい
ることにより高倍率の延伸に耐えきれず糸切れが発生す
るため好ましくない。
【0009】(3)メカニカルスペクトロメーターによ
って求めた230℃での周波数0.1rad/secに
おける溶融粘度(η0.1)と、周波数100rad/
secにおける溶融粘度(η100)との比(η0.1
/η100)の値は、1.7以下である。η0.1/η
100の値が1.7を超える、樹脂中に高分子量成分を
多量に含んでいることにより高倍率の延伸に耐えきれず
糸切れが発生するため好ましくない。
【0010】(4)該樹脂組成物は、示差熱走査型熱量
計で求めた125℃における等温結晶化時間が50se
c以下である。この値が50secを超えると、紡糸行
程での樹脂の溶融状態が長く続くことより、紡糸ノズル
とエアサッカー間を走行するフィラメント群が互いに接
触、接着し糸切れを起こしやすくなる。等温結晶化時間
を短くする手段としては様々な方法があるが、例えば結
晶性ポリプロピレン樹脂に結晶核剤を1〜100ppm
程度添加する方法等がよく用いられる。
【0011】(5)該樹脂組成物中に含まれる炭素数7
0以下、特に20〜70の炭化水素成分の割合は、0.
10wt%以下である。この値が0.10wt%を超え
ると成形時の発煙が多くなり生産工程上好ましくない。
【0012】2.長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組
成物の製造方法 本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、
下記のベース樹脂である結晶性ポリプロピレン樹脂に過
酸化物を添加して200〜260℃で溶融混練する減成
により得られる。
【0013】(1)ベース樹脂 過酸化物を添加する前のベース樹脂は、MFRが2〜1
3g/10分、MEが1.6以下、樹脂中の炭素数70
以下、特に20〜70の炭化水素成分の割合が0.02
wt%以下のものが好ましい。ベース樹脂のMFRが2
未満の場合、上記長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組
成物のMFRにまで減成するのに多量の過酸化物を必要
とする結果、生産費の増大及び低分子量フラグメントの
増大による発煙量の増大等の弊害が起こるため好ましく
ない。ベース樹脂のMFRが13を超える場合もしくは
MEが1.6を超える場合は、上記長繊維不織布用ポリ
プロピレン樹脂組成物のMFRにまで減成してもストラ
ンド破壊の原因となる樹脂中の高分子量成分を十分分解
することができない。
【0014】また、このベース樹脂中の炭素数70以下
の炭化水素成分の割合が0.02wt%を超えた場合、
フィラメントストランド破壊の原因となる高分子量成分
を分解しうる量の過酸化物を添加すると、溶融混練後の
樹脂中の炭化水素成分の割合が0.10wt%を超えて
しまい発煙が増大するため好ましくない。ベース樹脂中
の炭素数70以下の炭化水素成分の割合を0.02wt
%以下にするためには様々な方法があるが、例えばベー
ス樹脂の重合後、溶媒等による樹脂の洗浄を行うなどと
いった方法がよく用いられる。
【0015】(2)過酸化物 本発明において用いられる過酸化物としては、特に指定
はしないが、取り扱いのしやすさ、安全性等の問題から
2,5ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル−ペルオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チル−ペルオキシ)ヘキシン−3,1,3−ビス(t−
ブチル−ペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン等が一般
的に用いられる。
【0016】過酸化物の添加量としては、ベース樹脂の
MFR、減成処理の程度により若干の違いがあるが、
0.03wt%〜0.10wt%の範囲がよい。過酸化
物の添加量が0.03wt%未満であるとストランド破
壊の原因となる樹脂中の高分子量成分を十分に分解する
ことができない。逆に添加量が0.10wt%を超える
とポリマーと過酸化物との反応による低分子量フィラメ
ントが多量に発生し、その結果成形時の発煙が増大する
ため好ましくない。
【0017】(3)減成方法 減成処理の方法としては上記ベース樹脂に、上記過酸化
物を上記配合割合で混合してミキサー等でブレンドさせ
た後、一軸押出機、二軸押出機等の通常の混練機を用い
てポリプロピレン樹脂を溶融混練し、更に造粒すること
によって本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組
成物を得ることができる。上記樹脂を溶融混練するため
の温度としては、一般に200〜260℃、好ましくは
230〜260℃である。
【0018】3.不織布用繊維 本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、
主にスパンボンド不織布に用いられるが、該不織布に用
いられる繊維としては、前述のポリプロピレン樹脂組成
物を溶融し細孔より押し出して糸状にしたもの、また
は、その樹脂が繊維表面の全部もしくは一部に露出して
いる複合繊維、例えば、芯鞘構造、サイドバイサイド構
造のようなものを挙げることができる。
【0019】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定
されるものではない。なお、実施例及び比較例において
なされた材料評価法は次の通りである。 (1)メルトフローレート(MFR):JIS K67
58ポリプロピレン試験方法のメルトフローレート(条
件:230℃、荷重2.16kgf)に従って測定し
た。
【0020】(2)メモリーイフェクト(ME):測定
温度190℃において内径1.0mm、外径9.5m
m、長さ8.0mmのオリフィスから押出速度0.1g
/分の速度で樹脂を押し出した後ストランドを採取、こ
のストランドの直径をマイクロメーターを用いて小数点
2桁まで求め、これをメモリーイフェクト(ME)とす
る。
【0021】(3)周波数0.1及び100rad/s
ecにおける溶融粘度(η0.1、η100):以下の
測定機、測定条件を用いてη0.1、η100を測定し
た。 装置;メカニカルスペクトロメーターRSM800 Gap;1.5mm 歪み;10% 周波数;0.1、100rad/sec 測定温度;230℃
【0022】(4)樹脂中の炭素数20〜70の炭化水
素の割合:n−ヘキサンを溶媒とした高温ソックスレー
抽出法により得られた抽出成分をキャピラリカラムを用
いたGC装置(ヒューレットパッカード製HP589
0)により分析した。樹脂中に共存する酸化防止剤、中
和剤等の添加剤のピークがある場合には、それらを除い
て測定する。
【0023】(5)紡糸性能:24個の紡糸孔を有する
丸形紡口より樹脂温230℃、押出量0.8g/分・孔
にて各種のサンプルを紡糸し、高速気流を用いて280
0m/分の引き取り速度にて延伸を行い、30分間の糸
切れ回数を測定することにより評価した。
【0024】(6)発煙量:各種のサンプルを押出機に
て押出し、T型ダイスから出てくる溶融樹脂の発する煙
粒子の質量濃度(mg/cm3)を柴田化学器械工業社
製デジタル粉塵計P−5H2型を用いて測定し、この値
を発煙量とした。
【0025】実施例1 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後溶
媒により洗浄を行うことにより得られた、MFRが4.
7g/10分、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量
が0.012wt%の結晶性ポリプロピレン樹脂に過酸
化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチル−ペ
ルオキシ)ヘキサン0.07wt%、核剤として3−メ
チル−1−ブテン重合体を5ppm、及び各種の酸化防
止剤を添加した後、単軸スクリュー押出機を用いて押出
機温度250℃で混合し、MFRが51.5g/10
分、MEが0.91であるポリプロピレンを得た。この
ポリマーの分析を行った結果、η0.1/η100=
1.55、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量=
0.07wt%、示差熱走査型熱量計で求めた125℃
における等温結晶化時間=41secであった。得られ
たポリマーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記に示し
た方法により行った。結果を表1に示す。
【0026】実施例2 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後溶
媒により洗浄を行うことにより得られた、MFRが9.
5g/10分、樹脂中の炭素数20〜70までの炭化水
素成分の割合が0.011wt%の結晶性ポリプロピレ
ン樹脂に過酸化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t
−ブチル−ペルオキシ)ヘキサン0.05wt%、核剤
として3−メチル−1−ブテン重合体を5ppm、及び
各種の酸化防止剤を添加した後、単軸スクリュー押出機
を用いて押出機温度250℃で混合し、MFRが52.
5g/10分、MEが0.93であるポリプロピレンを
得た。このポリマーの分析を行った結果、η0.1/η
100=1.61、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水
素量=0.05wt%、示差熱走査型熱量計で求めた1
25℃における等温結晶化時間=38secであった。
得られたポリマーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記
に示した方法により行った。結果を表1に示す。
【0027】実施例3 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後溶
媒により洗浄を行うことにより得られた、MFRが2.
2g/10分、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素成
分の割合が0.015wt%の結晶性ポリプロピレン樹
脂に過酸化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブ
チル−ペルオキシ)ヘキサン0.09wt%、核剤とし
て3−メチル−1−ブテン重合体を5ppm、及び各種
の酸化防止剤を添加した後、単軸スクリュー押出機を用
いて押出機温度250℃で混合し、MFRが49.5g
/10分、MEが0.89であるポリプロピレンを得
た。このポリマーの分析を行った結果、η0.1/η1
00=1.52、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素
量=0.09wt%、示差熱走査型熱量計で求めた12
5℃における等温結晶化時間=40secであった。得
られたポリマーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記に
示した方法により行った。結果を表1に示す。
【0028】実施例4 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後溶
媒により洗浄を行うことにより得られた、MFRが1
1.7g/10分、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水
素成分の割合が0.013wt%の結晶性ポリプロピレ
ン樹脂に過酸化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t
−ブチル−ペルオキシ)ヘキサン0.04wt%、核剤
として3−メチル−1−ブテン重合体を5ppm、及び
各種の酸化防止剤を添加した後、単軸スクリュー押出機
を用いて押出機温度250℃で混合し、MFRが51.
5g/10分、MEが0.95であるポリプロピレンを
得た。このポリマーの分析を行った結果、η0.1/η
100=1.68、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水
素量=0.04wt%、示差熱走査型熱量計で求めた1
25℃における等温結晶化時間=39secであった。
得られたポリマーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記
に示した方法により行った。結果を表1に示す。
【0029】比較例1 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後、
溶媒にて洗浄することなく取り出した、MFRが5.5
g/10分、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量が
0.028wt%の結晶性ポリプロピレン樹脂に、過酸
化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチル−ペ
ルオキシ)ヘキサン0.07wt%、核剤として3−メ
チル−1−ブテン重合体を5ppm、及び各種の酸化防
止剤を添加した後単軸スクリュー押出機を用いて押出機
温度250℃で混合し、MFRが50.1g/10分、
MEが0.90であるポリプロピレンを得た。このポリ
マーの分析を行った結果、η0.1/η100=1.5
6、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量=0.15
wt%、示差熱走査型熱量計で求めた125℃における
等温結晶化時間=35secであった。得られたポリマ
ーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記に示した方法に
より行った。結果を表1に示す。
【0030】比較例2 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後溶
媒により洗浄することにより得られた、MFRが1.5
g/10分、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量が
0.015wt%の結晶性ポリプロピレン樹脂に、過酸
化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチル−ペ
ルオキシ)ヘキサン0.11wt%、核剤として3−メ
チル−1−ブテン重合体を5ppm、及び各種の酸化防
止剤を添加した後単軸スクリュー押出機を用いて押出機
温度250℃で混合し、MFRが48.5g/10分、
MEが0.88であるポリプロピレンを得た。このポリ
マーの分析を行った結果、η0.1/η100=1.5
0、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量=0.13
wt%、示差熱走査型熱量計で求めた125℃における
等温結晶化時間=45secであった。得られたポリマ
ーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記に示した方法に
より行った。結果を表1に示す。
【0031】比較例3 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後溶
媒により洗浄することにより得られた、MFRが20.
3g/10分、樹脂中の炭素数20〜70までの炭化水
素量が0.012wt%の結晶性ポリプロピレン樹脂
に、過酸化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブ
チル−ペルオキシ)ヘキサン0.02wt%、核剤とし
て3−メチル−1−ブテン重合体を5ppm及び各種の
酸化防止剤を添加した後単軸スクリュー押出機を用いて
押出機温度250℃で混合し、MFRが53.5g/1
0分、MEが1.05であるポリプロピレンを得た。こ
のポリマーの分析を行った結果、η0.1/η100=
1.73、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量=
0.03wt%、示差熱走査型熱量計で求めた125℃
における等温結晶化時間=35secであった。得られ
たポリマーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記に示し
た方法により行った。結果を表1に示す。
【0032】比較例4 チーグラー系触媒の存在下でプロピレンを重合した後溶
媒により洗浄することにより得られた、MFRが4.5
g/10分、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量が
0.010wt%の結晶性ポリプロピレン樹脂に、過酸
化物として2,5ジメチル−2,5ジ(t−ブチル−ペ
ルオキシ)ヘキサン0.07wt%、及び各種の酸化防
止剤を添加した後単軸スクリュー押出機を用いて押出機
温度250℃で混合し、MFRが49.5g/10分、
MEが0.91であるポリプロピレンを得た。このポリ
マーの分析を行った結果、η0.1/η100=1.5
5、樹脂中の炭素数20〜70の炭化水素量=0.07
wt%、示差熱走査型熱量計で求めた125℃における
等温結晶化時間=67secであった。得られたポリマ
ーの紡糸性能評価、発煙量の測定を上記に示した方法に
より行った。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、本発明
の組成物は高速紡糸性に優れるため、よりいっそうの生
産性向上が期待できる。また、成形時の発煙量も少ない
ことから成形機に付着する低分子量フラグメントの量を
減らすことができるため、機械のクリーニング期間を長
くすることが可能となる結果、クリーニング費用の節約
や、長期的な生産性向上が期待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(5)を満足する長繊維不
    織布用ポリプロピレン樹脂組成物。 (1)メルトフローレート(MFR)が30〜70g/
    10分。 (2)メモリーイフェクト(ME)が0.95以下。 (3)メカニカルスペクトロメーターによって求めた2
    30℃での周波数0.1rad/secにおける溶融粘
    度(η0.1)と、周波数100rad/secにおけ
    る溶融粘度(η100)との比(η0.1/η100)
    が1.7以下。 (4)示差熱走査型熱量計で求めた125℃における等
    温結晶化時間が50sec以下。 (5)樹脂中に含まれる炭素数70以下の炭化水素成分
    の割合が0.10wt%以下。
  2. 【請求項2】 樹脂中に含まれる炭素数20〜70の炭
    化水素成分の割合が0.10wt%以下である請求項1
    に記載の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 メルトフローレート(MFR)が2〜1
    3g/10分、メモリーイフェクト(ME)が1.6以
    下、樹脂中に含まれる炭素数70以下の炭化水素成分の
    割合が0.02wt%以下である結晶性ポリプロピレン
    樹脂に、過酸化物を添加して200〜260℃で溶融混
    練することにより得られるポリプロピレン樹脂組成物で
    ある、請求項1および請求項2に記載の長繊維不織布用
    ポリプロピレン樹脂組成物。
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JP (1) JPH11189914A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8545980B2 (en) 2004-11-11 2013-10-01 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Polypropylene resin, fiber, and nonwoven fabric
WO2017111335A1 (ko) * 2015-12-23 2017-06-29 주식회사 엘지화학 장섬유 강화용 올레핀 중합체의 제조 방법 및 장섬유
US10633467B2 (en) 2015-12-23 2020-04-28 Lg Chem, Ltd. Method for preparing long fiber-reinforcing olefin polymer and long fiber

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