JPH11186245A - 薄膜製造装置及び薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜製造装置及び薄膜の製造方法

Info

Publication number
JPH11186245A
JPH11186245A JP9353499A JP35349997A JPH11186245A JP H11186245 A JPH11186245 A JP H11186245A JP 9353499 A JP9353499 A JP 9353499A JP 35349997 A JP35349997 A JP 35349997A JP H11186245 A JPH11186245 A JP H11186245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
reaction vessel
temperature
manifold
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9353499A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Eguchi
和弘 江口
Tomonori Aoyama
知憲 青山
Masahiro Kiyotoshi
正弘 清利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9353499A priority Critical patent/JPH11186245A/ja
Publication of JPH11186245A publication Critical patent/JPH11186245A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】反応容器を支持するマニホールドの表面に、原
料ガスが凝集することを防止する。 【解決手段】マニホールド142には、加熱用のカート
リッジヒータ201が複数個差し込まれ、また内部に配
管202が組み込まれている。配管202内を温度制御
されたシリコンオイルが循環する構造になっている。マ
ニホールド142内壁の温度は、マニホールド142の
内壁に熱電対204が取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応容器の外部に
設けられたヒータによって基板を加熱して成膜を行う薄
膜製造装置及び薄膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体記憶装置(DRAM)の高容量化
に伴い、加工寸法が微細化しキャパシタのセル面積も減
少してきている。セル面積が小さくなるにもかかわら
ず、1セル当たりのキャパシタ容量は、ビット線容量,
ソフトエラー又はリフレッシュ特性等の制約により減少
させることができない。そのため現在では、必要なキャ
パシタ容量を得るために、トレンチ型やスタック型の立
体キャパシタ構造を有するセルを用いて、必要なキャパ
シタ容量を得ている。
【0003】ところが、1Gビット以降の世代のDRA
Mでは、立体キャパシタ構造がより複雑且つ微細にな
り、DRAMの製造が極めて困難になることが予想され
ている。
【0004】そこで、キャパシタ絶縁膜に従来の酸化シ
リコン/窒化シリコン複合膜より誘電率の高い材料を用
いることが検討されている。高誘電率材料としては、チ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3 )やチタン酸スト
ロンチウムバリウム((Ba,Sr)TiO3 )等が挙
げられる。
【0005】SrTiO3 や(Ba,Sr)TiO3
の高誘電率材料を用いても、素子動作に必要な静電容量
を平面キャパシタで実現することができず、必要なキャ
パシタ容量を得るために立体キャパシタ構造を用いたセ
ルを形成する必要がある。そのため、(Ba,Sr)T
iO3 膜等の高誘電率薄膜の成膜には、段差被覆性に優
れた化学的気相成長(CVD)法を用いる必要がある。
【0006】CVD法を用いた成膜において、優れた段
差被覆性を確保するには、反応律速条件での成膜が必須
である。反応律速条件下における成膜速度や膜特性は、
成膜温度に強く依存する。従って、均一な温度分布が比
較的容易に得られるホットウォール型のCVD装置が、
キャパシタ絶縁膜である高誘電体膜の成膜に適してい
る。なお、ホットウォール型のCVD装置は、反応容器
の外部に設けられたヒータによって被処理基板を加熱し
て成膜を行う装置である。
【0007】また、(Ba,Sr)TiO3 膜の原料で
あるBa,Sr及びTiは、常温で気体である化合物が
存在しない。従って、固体原料を有機溶媒に溶かした液
体原料を加熱して気化させ、気化したものを原料ガスと
して反応容器内に供給する液体原料供給法が用いられ
る。
【0008】ところが、従来の液体原料供給法を用いた
ホットウォール型のCVD装置には、以下の問題点があ
った。即ち、反応容器を支持し、加熱されていない金属
性のマニホールドの表面で原料ガスが凝集し、この凝集
物が薄膜の表面に付着し、形成された膜の粒子汚染の原
因となるという問題点があった。
【0009】そのため、キャパシタ誘電体膜の表面に凝
集物が付着すると清浄表面を得ることができなくなる。
その結果、誘電体膜/電極の界面に影響を与え、作成し
たキャパシタのリーク電流等の電気特性が悪くなるとい
う問題点があった。特に、リーク電流の増大は、誘電体
膜の超薄膜化を阻害し、微細化・高集積化に対応できる
十分な蓄積容量が確保できないという重大な問題にな
る。
【0010】また、液体原料を十分な蒸気圧が取れるほ
どに加熱することができないため、反応容器内に十分過
剰な原料ガスを送り込むことが困難である。そのため、
反応容器内に設けられ、原料ガスを供給するノズルが、
反応容器とほぼ等しい温度になって、その内壁に成膜が
行われていた。そのため、ノズルの内径が小さくなり、
原料ガスを安定に供給することができなかった。原料ガ
スの不安定な供給から、面内の膜厚分布が不均一になる
という問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、液体
原料供給法とホットウォール型を組み合わせたCVD装
置においては、マニホールドの表面に原料ガスが凝集
し、この凝集物が薄膜表面に付着し、形成された膜の粒
子汚染の原因となるという問題点があった。
【0012】また、ノズルの内壁に堆積が行われて、原
料ガスを安定に供給することができず、面内の膜厚分布
が不均一になるという問題点があった。本発明の目的
は、マニホールド表面に原料ガスが凝集するのを防止
し、粒子汚染の低減を図り得る薄膜製造装置及び薄膜の
製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目
的は、原料蒸気を安定に供給し、面内の膜厚分布の均一
化を図り得る薄膜製造装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】[構成]本発明は、上記
目的を達成するために以下のように構成されている。 (1) 本発明(請求項1)は、金属製のマニホールド
と、このマニホールドによって支持された反応容器と、
この反応容器の外部に設けられた外部ヒータと、前記反
応容器内に,金属有機錯体の蒸気を含むガスを原料ガス
として導入する手段とを具備し、前記反応容器内に載置
された被処理基板を前記外部ヒータによって加熱して化
学的気相成長法による成膜を行う薄膜製造装置であっ
て、前記マニホールドに対して加熱又は冷却を行い、該
マニホールドの温度を調節する温度調節部を具備してな
ることを特徴とする。 (2) 本発明(請求項2)は、金属製のマニホールド
と、このマニホールドによって支持された反応容器と、
この反応容器の外部に設けられた外部ヒータと、前記反
応容器内に,金属有機錯体の蒸気を含むガスを原料ガス
として導入する手段とを具備し、前記反応容器内に載置
された被処理基板を前記外部ヒータによって加熱して化
学的気相成長法による成膜を行う薄膜製造装置であっ
て、前記反応容器を冷却する冷却手段を具備してなるこ
とを特徴とする。 (3) 本発明(請求項3)は、金属製のマニホールド
と、このマニホールドによって支持された反応容器と、
この反応容器の外部に設けられた外部ヒータと、前記反
応容器内に設けられ,金属有機錯体の蒸気を含むガスを
原料ガスとして導入するためのノズルとを具備し、前記
反応容器内に載置された被処理基板を前記外部ヒータに
よって加熱して化学的気相成長法による成膜を行う薄膜
製造装置であって、前記ノズルを冷却する手段を具備し
てなることを特徴とする。 (4) 本発明(請求項4)は、金属製のマニホールド
に支持された反応容器の外部に設けられた外部ヒータに
よって被処理基板を加熱しつつ、該反応容器内に金属有
機錯体の蒸気を含むガスを原料ガスとして導入して化学
的気相成長法により薄膜の堆積を行う薄膜製造装置を用
いた薄膜の製造方法であって、薄膜の堆積の際に、前記
マニホールドの温度を、前記金属有機錯体の気化温度以
上、且つ前記原料ガスの分解温度以下に制御することを
特徴とする。 (5) 本発明(請求項5)は、金属製のマニホールド
によって支持された反応容器の外部に設けられた外部ヒ
ータによって被処理基板を加熱しつつ、該反応容器内に
少なくとも1種は金属有機錯体の蒸気を含む複数の原料
ガスを時間的に分離して導入し、化学的気相成長法によ
り連続的に成膜を行って積層膜を形成する薄膜の製造方
法であって、前記反応容器に導入される原料ガスに応じ
て、前記マニホールドの温度を、前記金属有機錯体の気
化温度以上、且つ原料ガスの分解温度以下に制御して順
次成膜を行うことを特徴とする。 (6) 本発明(請求項6)は、金属製のマニホールド
によって支持された反応容器の外部に設けられた外部ヒ
ータによって被処理基板を加熱しつつ、該反応容器内に
少なくとも1種は金属有機錯体の蒸気を含む複数の原料
ガスを時間的に分離して導入し、化学的気相成長法によ
り連続的に成膜を行って積層膜を形成する薄膜の製造方
法であって、第1の薄膜と、第1の薄膜より堆積温度が
低い第2の薄膜とを順次成膜を行って前記積層膜の少な
くとも一部を形成する場合、第1の薄膜の成膜後、前記
反応容器を強制的に冷却し、該反応容器を第2の薄膜の
堆積温度にする。
【0014】ルテニウム又は酸化ルテニウムの薄膜と、
(Ba,Sr)TiO3 膜,SrTiO3 ,ストロンチ
ウムビスマスタンタル酸化物,或いはチタン酸ジルコン
酸鉛の薄膜を連続的に成膜し、半導体メモリのキャパシ
タを形成することが好ましい。
【0015】積層膜を形成した後クリーニングガスを導
入して装置を分解せずにクリーニングを行うに際し、反
応容器内側の表面に露出する付着物に応じて、クリーニ
ングガスを順次導入する。
【0016】[作用]本発明は、上記構成によって以下
の作用・効果を有する。マニホールドの温度を、反応ガ
スの凝集しない温度に設定することで、堆積中の薄膜に
凝集物が混入せず、良質な薄膜を形成することができ
る。マニホールドに対して加熱及び冷却を行って温度を
調節し、熱変更が困難なマニホールドの温度を迅速に変
更可能とすることで、清浄な界面を維持して積層膜を形
成することができる。従って、下部電極上に誘電体膜と
導電膜の連続成膜を行えば、良質な金属酸化物薄膜キャ
パシタをCVD法で製造することができる。
【0017】例えば、キャパシタの誘電体膜と導電性電
極膜を連続的に形成すると、誘電体膜と電極膜との界面
が清浄に保てるので、界面の清浄度に支配されるキャパ
シタの電気特性が改善される。その結果、誘電体膜を超
薄膜化しても電気特性が損なわれないキャパシタを形成
することができる。特に、半導体記憶装置の電荷蓄積キ
ャパシタとして用いると高集積度・高微細化半導体記憶
装置が実現できる。
【0018】また、第1の膜と第2の膜とを連続的に薄
膜を堆積して積層膜を形成する場合、成膜時間の間隔が
短いほど、界面を良好にすることができる。ところが、
第1の膜と第2の膜との成膜温度が大きく異なる場合、
第2の膜の成膜温度まで反応容器が下がるのに時間がか
かり、成膜の時間間隔があいてしまう。そこで、反応炉
体を冷却する手段を設けることで、第1の膜と第2の膜
との間の時間間隔を短くすることができ、清浄表面を有
する第1の膜を形成することができる。
【0019】ノズルについては、原料の分解温度以下ま
で十分下げることができなくても、ノズルの温度を反応
容器内の温度より5℃低く維持するだけで6分の1にな
る。その結果、膜剥がれによる発塵等を抑制でき、また
原料ガスの反応容器の前段での分解を抑制し、常に一定
量の原料ガスを供給できるようになるので、良質な薄膜
を化学的気相成長法で安定して長期的に成膜することが
できるようになる。
【0020】連続成膜でRu膜/(Ba,Sr)TiO
3 膜/Ru膜,Ru/Pb(Zr,Ti)O3 膜/R
u,Ru/SrBi2 Ta29 膜/Ru膜からなるキ
ャパシタが連続成膜で形成可能になり、電気特性を支配
する界面清浄度が高くできるので、電気特性に優れた極
薄膜キャパシタが実現でき、超高集積・超微細化の半導
体記憶装置、不揮発性強誘電体記憶装置が実現できる。
なお、導電性電極材料はRuOx でもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を参照して説明する。以下の実施形態では、(Ba,S
r)TiO3 膜とRu膜とを連続的に成膜して積層膜を
形成するホットウォール型のCVD装置について説明す
る。
【0022】[第1実施形態]図1は、本発明の第1実
施形態に係わるCVD装置の概略構成を示す図である。
【0023】石英ガラス製からなる反応容器141が、
(Ba,Sr)TiO3 膜の成膜時で200〜250
℃、Ru膜の成膜時で100〜250℃に温度制御され
るステンレス製のマニホールド142上に、シール材の
カルレッツ(デュポン製)からなるOリング143を介
して支持されている。反応容器141内において、マニ
ホールド142中央の張り出した部分上に、均熱性の向
上とガスの整流を目的として石英製の内管144が載置
されている。
【0024】反応容器141の周囲には、スーパーカン
タル製の加熱ヒータ(外部ヒータ)150が外部熱源と
して取り付けられており、反応容器141の外部から全
体を加熱する。
【0025】本実施形態のマニホールド142の構造
は、図2に示すように、加熱用のカートリッジヒータ2
01が複数個差し込まれ、また内部に配管202が組み
込まれている。配管202内を温度制御されたシリコン
オイルが循環する構造になっている。マニホールド14
2内壁の温度は、マニホールド142の内壁に取り付け
られた熱電対204によって測定される。そして、測定
された温度に応じて、配管202内を流れるオイルの温
度と、カートリソジヒータ201を制御することによっ
て、マニホールド142内壁の温度調節を行う。
【0026】マニホールド142下方の開口端は、シー
ル材のカルレッツからなるOリング145を介して取り
付けられたマニホールド142とほぼ等しい温度に加熱
されたステンレス製のキャップ146によって蓋をされ
た構造をとり、気密が保たれた構造になっている。
【0027】キャップ146には、被処理基板が載置さ
れる基板ボートを回転させる基板ボート回転機構147
が取り付けられている。回転機構147に石英ガラス製
の保温筒148とやはり石英ガラス製の基板ボート14
9が載置されている。なお、基板ボート149上には、
8インチシリコン基板を最大120枚積載することが可
能である。
【0028】薄膜が形成される被処理基板は、反応容器
141の外でキャップ146上の基板ボート149上に
積載され、基板ボート149と共に反応容器141内に
搬送される。
【0029】反応容器141内に原料ガスを供給する原
料ガス供給系の構成について説明する。有機金属液体原
料としてBa(C111922 (Ba(THD)
2 ),Sr(C111922 (Sr(THD)2 ),
Ti(C111922 (i-OC372 (Ti(T
HD)2 (i-OPr)2 )が溶剤のテトラヒドロフラン
(THF:C48 O)に溶解された液体原料が、それ
ぞれステンレス製のBa液体原料容器101,Sr液体
原料容器102,及びTi液体原料容器103の中に格
納されている。また、Ru(C552 が、Ru原料
容器104の中に格納されている。
【0030】原料容器101,102,103内の有機
金属液体原料は、液体原料混合マニホールド111にA
rガスによって圧送されて所定の原料比に混合される。
そして、所定の原料比に混合された液体原料は、液体原
料秤量用マイクロポンプ112で秤量された後、高温の
原料気化器113で一気に気化されて原料ガスが生成さ
れる。そして、原料ガスは、原料気化器113から、配
管加熱用オーブン131によって250℃に加熱された
配管を通して反応容器141内に導入される。なお、オ
ーブン131内に収納できない一部の配管はリボンヒー
タ(不図示)によって加熱される。
【0031】また、Ru原料容器104内のRu(C5
52 は、80〜200℃にRu原料容器加熱オーブ
ン132により加熱制御され、マスフローコントローラ
124により流量制御されて反応容器141内に導入さ
れる。
【0032】前記原料供給系から供給された原料ガス
は、マニホールド142の側面から内管144の内側に
挿入された分散ノズル151,152を通して反応容器
141内に導入される。なお、Ba,Sr及びTiを含
む原料ガスは分散ノズル151、Ruを含む原料ガスは
分散ノズル152にから反応容器141内に導入され
る。
【0033】そして、反応容器141内に導入された原
料ガスは、内管144の外側と反応容器141との間を
通って、内管144の横のマニホールド142に設けら
れた排気ポート153から排気機構154によって反応
容器141の外部に排出される。なお、反応容器141
の圧力制御は、排気口153と排気用ポンプ154との
間に設けられた圧力制御器155を用いて行われる。
【0034】また、ClF3 ガス,O2 ガス及びArガ
スの反応容器への流量を制限するマスフローコントロー
ラ121,122,123が各ガスのパイプの途中に設
けられている。
【0035】このホットウォール型のCVD装置を用い
て、表面に電極が形成された被処理基板上に、(Ba,
Sr)TiO3 膜とRu膜との連続的な成膜を行って、
キャパシタを形成した。
【0036】キャパシタの製造工程を図3の工程断面図
を用いて説明する。先ず、図3(a)に示す被処理基板
10を基板ボート149を反応容器141内に設置す
る。なお、被処理基板300は、8インチシリコン基板
301を熱酸化で形成されたシリコン酸化膜302上
に、電極としてスパッタリング法を用いて50nmの厚
さのRu膜303が形成されたものである。
【0037】次いで、排気用ポンプ154を用いて反応
容器141の内部を排気して真空にした後、Arガスを
100cc/min,O2 ガスを500sccmの流量
で反応容器141内に導入するとともに、加熱ヒータ1
50で反応容器141の温度を、(Ba,Sr)TiO
3 膜の成膜温度である420℃に設定する。反応容器1
41内の圧力は圧力制御器155を用いて0.5Tor
rにした。そして、マニホールド142,及びマニホー
ルド142に接続する加熱配管の温度は240℃に設定
する。なお、マニホールド142の温度は、堆積条件下
で原料ガスに含まれる金属有機錯体が気化せず且つ原料
ガスが分解しない温度である。
【0038】反応容器141及び被処理基板300に熱
電対を取り付けて成膜時の温度を直に測定した結果、内
管144,基板ボート149及び被処理基板10は全体
で±2℃以下の温度分布に留まっていることが確認され
た。
【0039】圧力及び温度が安定した後、原料容器10
1,102,103からBa、Sr、Tiの液体原料を
液体混合マニホールド111に導入した。液体原料混合
マニホールド111では、各液体原料を形成される膜の
Ba/Sr組成比が1/1,且つ(Ba+Sr)/Ti
の組成比が1/1となるように混合する。そして、混合
比を適宜あわせた液体原料を液体原料混合マニホールド
111から液体原料秤量用マイクロポンプ112に供給
する。そして、液体原料秤量用マイクロポンプ112で
は、液体原料の流量を0.6cc/minとして、原料
気化器113に供給する。原料気化器113では、温度
を230℃にして、液体原料を一気に気化させて原料ガ
スを生成する。そして、原料ガスを、配管加熱用オーブ
ン131によって加熱された配管,及び分散ノズル15
1を介して反応容器141内に導入する。
【0040】この条件で30分間、Ba,Sr,Tiを
含む原料ガスを反応容器141内に導入し、図3(b)
に示すように、Ru膜303上に(Ba,Sr)TiO
3 膜304を成膜する。成膜の終了は、反応容器141
へのBa,Sr、Tiを含む原料ガスの導入を停止する
ことにより行った。
【0041】次に、堆積された(Ba,Sr)TiO3
膜を結晶化するため、反応容器141内にArとO2
スのみを流した状態で、反応容器141の温度を100
℃/minの昇温速度で650℃に加熱し、20分間熱
処理を行った。
【0042】熱処理終了後、反応容器141の温度を5
0℃/minの降温速度でRu膜の成膜温度である25
0℃に、且つマニホールド142を180℃にし、反応
容器141内へのAr及びO2 ガスの供給を停止した。
【0043】反応容器141及びマニホールド142の
温度が安定した後、Ru原料容器104から原料ガスを
5cc/min,O2 ガスを10sccmの流量で反応
容器141内に導入してRu膜の成膜を30分行い、図
3(c)に示すように、(Ba,Sr)TiO3 膜30
4上にRu膜305を形成する。そして、反応容器14
1内へのRuの原料ガスの供給を停止することにより成
膜を終了し、被処理基板300を装置内から取り出し
た。
【0044】被処理基板300の分析を行った結果、断
面の電子顕微鏡写真から、(Ba,Sr)TiO3 膜3
04及びRu膜305の膜厚は、それぞれ20nm,5
0nmであることが分かった。また、蛍光X線分析から
(Ba,Sr)TiO3 膜304の組成はBa0.5 Sr
0.5 TiO3 であることがわかった。また、膜厚・組成
の基板面内の均一性は±4%、基板間のばらつきは±6
%であった。
【0045】成膜終了後のCVD装置内を調べた結果、
被処理基板300上に堆積した(Ba,Sr)TiO3
膜304及びRu膜305の膜厚と、内管144の内面
に堆積した(Ba,Sr)TiO3 及びRuの膜厚と
は、ほぼ等しかった。また、マニホールド142の表面
への堆積や原料の凝集はほとんど見られなかった。
【0046】本実施形態のように、膜厚・組成の高い均
一性が得られたのは、外部加熱のホットウォール方式を
用いたため、上記した成膜温度では被処理基板,内管1
44,基板ボート149,反応容器141の内壁及び分
散ノズル151,152を全く同じ温度に制御できたこ
ためである。
【0047】また、マニホールド142を温度制御を行
ったことにより、マニホールド142の表面への原料ガ
スの凝集,或いは熱分解が抑制され、被処理基板10上
の粒子汚染は基板1枚当たり100個以下にすることが
できた。粒子汚染の低減は、素子を微細化したときの不
良セルを低減させることに繋がり、半導体記憶装置を歩
留まり高く形成することができる。さらに、原料ガスの
凝集、熱分解を抑えることは、堆積する膜の膜厚・組成
の制御性を高くすることに繋がり、ひいては超薄膜化が
可能になり高集積・高微細化の半導体装置が実現でき
た。
【0048】例えば、(Ba,Sr)TiO3 膜の堆積
時間を変化させて(Ba,Sr)TiO3 膜の膜厚を種
々変化させた結果、膜厚を15nmまで薄くしてもリー
ク電流の増加はなく、比誘電率は膜厚によらず300で
一定であった。このことは、SiO2 膜に換算すると膜
厚0.2nmのキャパシタ絶縁膜が得られることを意味
し、さらなる高集積・高微細化の半導体記憶装置が制作
可能になることを意味している。
【0049】このようなキャパシタが得られるのは、
(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜を連続的に成膜する
ことにより、(Ba,Sr)TiO3 膜の清浄表面上に
Ru膜を形成したためである。比較のため、(Ba,S
r)TiO3 膜の成膜後、一旦被処理基板を装置の外部
に取り出して大気に晒した後、CVD法,或いはスパッ
タリング法によるRu膜の成膜を行った場合、(Ba,
Sr)TiO3 膜の膜厚を20nm以下にするとリーク
電流が急増し、半導体記憶装置に用いるためのキャパシ
タ特性が得られなかった。
【0050】さらに、(Ba,Sr)TiO3 膜及びR
u膜を、CVD法で堆積速度が温度に対して指数関数的
に増大する反応律速条件下で成膜することにより、段差
被覆性は極めて良く、立体キャパシタの作製が可能にな
りさらなる高集積化が可能になった。
【0051】[第2実施形態]本実施形態では、(B
a,Sr)TiO3 膜とRu膜の成膜温度が大きく異な
る場合について説明する。具体的には、(Ba,Sr)
TiO3 膜の成膜温度を600℃とし、Ru膜の成膜温
度を200℃にしてキャパシタを形成した。なお、(B
a,Sr)TiO3 膜成膜後の熱処理は省略した。これ
は、(Ba,Sr)TiO3 膜の成膜温度が高く成膜直
後に既に結晶化しているため、結晶化の為の加熱処理が
必要ないためである。
【0052】(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜との成
膜温度が大きく異なると、反応容器の温度がRu膜の成
膜温度に下がるまでに時間がかかる。また同時に、(B
a,Sr)TiO3 膜の成膜後、マニホールドの温度
が、Ru膜の原料ガスであるRu(C552 が、凝
集を起こさず、且つ熱分解を起こさない温度に温度に下
がるまでに時間がかかる。
【0053】(Ba,Sr)TiO3 膜の成膜とRu膜
の成膜の間隔があくと、(Ba,Sr)TiO3 膜の表
面が荒れ、(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜の界面が
良好でなくなるという問題を引き起こす。そこで、本実
施形態では、(Ba,Sr)TiO3 膜の表面を荒らさ
ずに、(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜の連続成膜を
行うホットウォール型CVD装置について説明する。
【0054】図4は、本発明の第2実施形態に係わるホ
ットウォール型CVD装置の概略構成を示す図である。
図4において、図1と同一部分には同一符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0055】本実施形態の特徴は、CVD装置の上部に
反応容器141の強制空冷手段であるシャッター461
と冷却ガス送風口462を設けた事である。反応容器1
41の上部のシャッター461は機械的に開閉するよう
になっており、冷却ガス送風口462から冷却ガスを送
出することで、外部ヒーター150と反応容器141を
100℃/min以上の速度で冷却することができる。
【0056】本装置を用いると(Ba,Sr)TiO3
膜の成膜からRuの成膜開始までの時間を短縮すること
ができる。(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜との成膜
の間の時間の短縮は、先に成膜した(Ba,Sr)Ti
3 表面の変質を抑制することになり、良好なRu膜と
(Ba,Sr)TiO3 との界面の形成に寄与する。
【0057】また、(Ba,Sr)TiO3 膜の成膜後
に結晶化のための熱処理の温度と、その後の成膜温度が
大きく異なる場合に対しても、本装置が有効である。同
一装置内で連続成膜を行うに際し、成膜温度が大きく異
なる場合、装置を強制的に空冷することは界面の変質の
防止の観点から有効である。特に、酸化物と金属のよう
な全く性質の異なる膜を連続成膜する場合には、先に形
成された膜の表面が変質しやすい。そのため、各成膜の
時間間隔を短くすることは、良好な界面特性を実現する
ために極めて有効である。
【0058】本装置は、第1実施形態と異なるマニホー
ルド142の温度制御機構を有している。つまり、冷媒
(例えば難揮発性油)とその循環液体温度制御器471
を用いてマニホールド142の温度を制御する。この装
置を用いるとマニホールド142の温度を室温〜250
℃の範囲で任意に制御することができ、プロセスの途中
でマニホールド142の温度を急速に変化させることが
できる。
【0059】また、別のマニホールドの温度制御機構を
図5に示す。本装置では、マニホールド142と可動ヒ
ータ511との接触,非接触を機械的に選択できるよう
になっている。マニホールド142を加熱する場合、ヒ
ータ511をマニホールド142に機械的に密着させる
ことにより加熱する。また、マニホールド142の温度
を下げる場合、ヒータ511を一旦マニホールド142
から離し、マニホールド142の冷却速度を速める。そ
して、希望温度付近までマニホールド142の温度が下
がったとき、再びヒータ511をマニホールド142に
密着させて温度制御を行う。本装置を用いると、マニホ
ールド142の温度を急速に変化させることができる。
【0060】本装置を用いて、実際に(Ba,Sr)T
iO3 膜の成膜温度を600℃に、且つRu膜の成膜温
度を200℃にして連続成膜を行い、第1実施形態と同
様にキャパシタの形成を行った。成膜の手順は、第1実
施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。ただ
し、(Ba,Sr)TiO3 成膜後の熱処理は、堆積時
に結晶化されているため省いている。(Ba,Sr)T
iO3 膜の成膜時のマニホールド142の温度は240
℃に制御した。
【0061】(Ba,Sr)TiO3 膜の成膜終了後、
反応容器141の温度を200℃に設定した。その際、
シャッター461を開けて,冷却ガス送風口462から
冷却ガスを装置に吹き付け、冷却速度を速くした。反応
容器141の冷却と同時に、図4或いは図5に示した機
構を用いてマニホールド142の温度を180℃に設定
した。反応容器141及びマニホールド142の温度
が、設定温度までに安定するのに要した時間は5分程度
であった。反応容器141及びマニホールド142の温
度が安定した後、Ru膜の成膜を行った。
【0062】キャパシタの形成後に、被処理基板上の膜
厚及び組成の分析を行った結果、面内の不均一性は±5
%程度であった。これは、マニホールド142に(B
a,Sr)TiO3 膜、Ru膜や原料ガスの凝集物が付
着しないため、被処理基板上に安定に原料ガスの供給が
行われたためである。また、マニホールド142への付
着物、原料ガスの凝集がないことから、被処理基板上の
粒子汚染も100個以下に抑えることができた。
【0063】このようにして形成されたRu膜/(B
a,Sr)TiO3 膜/Ru膜からなるキャパシタは、
(Ba,Sr)TiO3 膜の膜厚を15nmまで薄くし
ても顕著なリーク電流の増加は認められず、比誘電率も
膜厚によらず300で一定であった。
【0064】これは、(Ba,Sr)TiO3 膜とRu
膜との成膜の間に、反応容器141及びマニホールド1
42の温度を急速に変化させたため、(Ba,Sr)T
iO3 膜とRu膜との成膜の間隔を5分程度に短く抑え
ることができたため、Ru膜と(Ba,Sr)TiO3
膜との界面の劣化を起こさずにキャパシタを形成できた
ためである。
【0065】[第3実施形態]本実施形態では、原料ガ
スの供給ノズルに温度制御機構を設けた実施形態につい
て説明する。
【0066】(Ba,Sr)TiO3 膜やRu膜を成膜
する際、被処理基板と分散ノズルがほぼ同じ温度になる
ため、被処理基板に堆積する膜厚とほぼ同じ膜厚の膜が
分散ノズルに堆積する。分散ノズルへの膜の堆積は、成
膜温度が高いほど、また原料ガス供給量が多いほど顕著
になる。分散ノズルヘの膜の堆積が顕著になると、被処
理基板へのガスの供給を安定に行うことができず、堆積
された膜の不均一性を招く。そのため、本実施形態で
は、この問題を回避する構成について説明する。
【0067】図6は、本発明の第3実施形態に係わる分
散ノズルの概略構成を示す図である。分散ノズル601
の内部に流体が流れる流路を形成し、その中に循環液体
温度制御器602で温度が制御された液体冷媒を循環さ
せて分散ノズルを冷却するものである。なお、液体冷媒
以外にも、流路に気体冷媒を流すことも可能である。
【0068】また、図6に示した分散ノズルと異なる構
成の分散ノズルを図7に示す。分散ノズル701の周囲
を覆うようにカバー702を設け、分散ノズルとカバー
の間に冷却用ガスを流して分散ノズルの温度を下げるも
のである。分散ノズルとカバーとの間を通過した冷却用
ガスは、反応容器内に排出される。そのため、冷却用ガ
スとしては、例えば不活性ガス等の、(Ba,Sr)T
iO3 膜及びRu膜の成膜に影響を与えないガスを用い
る必要がある。
【0069】図6或いは図7に示した分散ノズルを用い
ると、分散ノズルの温度を被処理基板の温度より低くす
ることが可能になる。反応律速条件で成膜を行った場
合、堆積速度は温度に対して指数関数的に増大する。従
って、分散ノズルの温度を被処理基板の温度よりわずか
に低くするだけで、ノズル内壁への膜の堆積を抑制する
ことができる。例えば、分散ノズルの温度を5〜10℃
程度低くするだけで、分散ノズルに堆積する量を被処理
基板に堆積する量に対して無視できるほどに抑えること
ができる。
【0070】本実施形態によれば、分散ノズルの温度を
低くすることにより、被処理基板上へのガスの供給を安
定して行うことが可能になり、成膜温度が高い場合や、
原料ガス濃度を多くした場合でも膜の均一性を良好に保
つことができ、被処理基板へのガスの供給量が不足する
こともない。
【0071】実際に、この分散ノズルを用いて(Ba,
Sr)TiO3 及びRu膜の成膜を試みた。なお、(B
a,Sr)TiO3 の成膜温度は600℃、Ru膜の成
膜温度は300℃である。また、原料ガスの供給量を、
先の実施形態よりも1桁多くした。その他の条件、手順
は前述した実施形態と同じである。
【0072】先ず、分散ノズルの温度制御をせずに成膜
を行った。この場合、分散ノズルの温度は被処理基板の
温度と同じであることを熱電対による温度測定で確認し
ている。この場合、分散ノズルに多量の膜の堆積が見ら
れた。また、被処理基板に堆積した膜は、基板中央の膜
厚が周辺部の約半分であった。これは、原料ガスが多量
に分散ノズルに堆積したため、被処理基板への原料ガス
の供給が不足し、特に基板中央でガス濃度が不足したた
めである。
【0073】次に、先の成膜温度を同一にし、分散ノズ
ルの温度を被処理基板の温度より10℃低くして成膜を
行った。すなわち、ノズルの温度を(Ba,Sr)Ti
3膜の成膜時には590℃に、Ru膜の成膜時には2
90℃にした。この場合、被処理基板上に堆積した膜に
は不均一性は見られず、面内で±5%の均一性が得られ
た。また、分散ノズルヘの膜の堆積はほとんど見られな
かった。なお、分散ノズルの温度を被処理基板温度より
5℃低い条件で同様な成膜を試みたが、この場合も均一
性は±5%程度であった。
【0074】このように、分散ノズルの温度制御を行っ
て被処理基板の温度より低い温度にすることにより、分
散ノズルヘの堆積を無視することができ、被処理基板へ
のガスの安定供給が可能になり、均一性のよいRu膜及
び(Ba,Sr)TiO3 膜を形成することができた。
また、キャパシタの電気特性のばらつきも±4%と良好
であった。分散ノズルの温度制御は、異なる温度で異な
る薄膜を堆積する場合、被処理基板の温度を変えても、
分散ノズルを独立に温度制御できるため、極めて有効な
手段てある。
【0075】[第4実施形態]本実施形態では、下地R
u膜の表面の表面処理を含めた連続プロセスを説明す
る。熱酸化したシリコン基板を用い、その上にRu膜を
20nm堆積したものを被処理基板として用いた。Ru
膜はスパッタリング法,又はRu(Cp)2 とO2 ガス
を用いたCVD法を用いて形成した。なお、Ru膜をC
VDで形成する方法、条件は、第1実施形態のRu膜の
堆積と同じ条件である。
【0076】先ず、前述した被処理基板を基板ボート1
49に積載し、反応容器141内に導入する。マニホー
ルド142の温度は240℃にした。次に反応容器14
1内を排気装置154を用いて排気し真空にした。次に
2 ガスを100cc/minの流量で反応容器141
内に導入し、反応容器内141の圧力を圧力制御器15
5を用いて0.1Torrにするとともに、反応容器1
41の温度を400℃に昇温し、30分間熱処理した。
【0077】次にO2 ガス及びArガスの流量をそれぞ
れ500cc/min,100cc/minにして反応
容器内に導入し、反応容器141の温度を460℃に昇
温した。温度が安定した後、Ba(THD)2 ,Sr
(THD)2 ,Ti(THD)2 −(I-Opr)2 をそ
れぞれTHFに溶解せしめた原料をそれぞれ0.1cc
/min,0.1cc/min,0.4cc/minの
流量となるようにマイクロポンプ112と混合マニホー
ルド111で制御して230℃に保持した気化器113
で気化させ反応容器内に導入して(Ba,Sr)TiO
3 膜を成膜した。
【0078】Ba,Sr,Ti原料の供給を停止し、反
応容器温度を650℃に昇温して15分間結晶化のため
の熱処理を行った。次に反応容器141の温度を250
℃に降温するとともに、O2 ガスの供給を停止した。降
温の際には、強制冷却機構461,462を用いて強制
冷却した。反応容器141の温度が250℃に安定する
までに要した時間は5分であった。
【0079】マニホールド142の温度が安定した後、
Ru(Cp)2 を5cc/min,O2 ガスを10cc
/minの流量で導入してRu膜を20nm堆積した。
Ru(Cp)2 及びO2 ガスの導入を停止し、反応容器
141内の残留ガスをArで置換した後、被処理基板を
反応容器141から取り出した。
【0080】上述した一連の連続プロセス形成を用い
て、Ru膜/(Ba,Sr)TiO3膜/Ru膜からな
るキャパシタの(Ba,Sr)TiO3 の膜厚を種々に
変化させて形成した。なお、(Ba,Sr)TiO3
膜厚は、成膜時間を変えることにより制御した。(B
a,Sr)TiO3 膜の膜を変化させた場合、(Ba,
Sr)TiO3 の膜厚を10nmまで薄くしても顕著な
リーク電流の増大はなく、比誘電率も300で膜厚によ
らず一定であった。
【0081】この結果(Ba,Sr)TiO3 膜の膜厚
を10nmにした場合、SiO2 膜に換算して膜厚0.
13nmのキャパシタが得られた。このように(Ba,
Sr)TiO3 膜の膜厚を10nmまで薄膜化しても電
気特性が損なわれなかったのは、(Ba,Sr)TiO
3 膜の成膜前に下部電極であるRu膜をO2 ガで表面処
理することにより、清浄表面を得ることができたためで
ある。
【0082】(Ba,Sr)TiO3 と上部Ru膜の界
面は、本実施形態に前述した実施形態に示したように、
(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜の形成をCVD装置
から出すことなく連続的に処理したため、界面の清浄度
が良好に保たれているのは前述したとおりである。ま
た、電気特性の基板面内、基板間のばらつきも±5%程
度であった。これは、膜厚、組成の均一性が極めて良か
ったことを反映しており、その理由は第1実施形態で説
明したとおりである。
【0083】また、キャパシタの初期特性が電気的に短
絡状態である不良キャパシタは1個もなかった。これ
は、マニホールド142の温度制御、連続プロセスによ
り反応容器内の発塵が低レベルに抑えられ、特に界面
に、電気的に短絡する原因となる粒子の堆積が起こらな
かったからである。実際、被処理基板の汚染粒子数を計
測した結果100個以下であった。このように(Ba,
Sr)TiO3 膜とRu膜との界面は連続成膜で清浄に
保つことができ、下部電極はO2 ガスによる表面処理に
より清浄にでき、極めて良好な電気特性を有するキャパ
シタが形成できることがわかった。
【0084】なお、下部電極のクリーニングは、O2
スだけでなく、例えばO3 ガスや、放電でイオン化した
Oを用いるとさらに効率よく表面処理できることを本発
明者らは確認している。
【0085】[第5実施形態]本実施形態では、例えば
第4実施形態で行った連続成膜後の装置内のガスクリー
ニングの方法について説明する。
【0086】これまでの実施形態で説明したように、異
なる材料を同一CVD装置内で連続プロセスを行うと、
装置内部の部材表面にも異なる材料が積層して付着する
ことになる、これら付着物は発塵の原因になり、作製す
る素子の特性に支障をきたす。具体的には、キャパシタ
の電気的短絡の原因となり、キャパシタとして作用しな
くなるため、記憶装置としての機能が完全に損なわれ
る。そこで、CVD装置内部の付着物をクリーニングす
る必要がある。クリーニングの方法としては、装置を分
解して洗浄する方法もあるが、装置を分解せずに装置内
部にガスを導入してクリーニングする方法が、スループ
ットを上昇させるという点で望ましい。
【0087】本実施形態では、連続成膜を行った後のC
VD装置内部のクリーニングを行った実施形態について
説明する。第4実施形態に説明した手順を用いて(B
a,Sr)TiO3 膜とRu膜を連続成膜した後、被処
理基板を取り出した。
【0088】その後、反応容器温度をを900℃まで昇
温し、O2 ガスを500cc/minslm流して、1
0分間クリーニングを行った。このクリーニングで最表
面に付着しているRuが除去される。Ruが高温のO2
雰囲気で除去される理由は、RuとO2 とが反応して揮
発性の高いRuO4 を形成するためである。そして、R
uが完全に除去された後O2 ガスの導入を停止する。
【0089】そして、引き続きClF3 ガスを500c
c/min,15分間導入する。この操作により付着し
ている(Ba,Sr)TiO3 がクリーニングされる。
高温のClF3 で(Ba,Sr)TiO3 が除去される
のは、ClF3 が高温で反応性の高いラジカルになり、
このラジカルが(Ba,Sr)TiO3 と反応し、揮発
性の高いBa,Sr,Tiのハロゲン化物を形成するか
らである。クリーニングの後、CVD装置内部を調べた
結果、付着物が完全に除去されていることが確認され
た。
【0090】また、(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜
の連続成膜を複数回繰り返した場合のクリーニングに関
しても調べた。具体的には第4実施形態で説明した(B
a,Sr)TiO3 膜とRu膜の連続成膜を10回繰り
返した。
【0091】その後、900℃でO2 ガスとClF3
スとを交互に導入する工程を10回繰り返した。この操
作により、(Ba,Sr)TiO3 とRuの連続成膜を
複数回繰り返した場合も、CVD装置内部の付着物を完
全に除去することができた。
【0092】このように、(Ba,Sr)TiO3 とR
uの連続成膜プロセスにおいて、O2 ガスとClF3
スを交互に用いたクリーニングにより、CVD装置内部
のクリーニングが可能であることを見出した。
【0093】また、Ruクリーニング時のO2 ガスは、
下に付着している(Ba,Sr)TiO3 が酸化物であ
るので、(Ba,Sr)TiO3 を変質させることが無
いことが、複数層の付着物を相互作用無しに除去でき
る。
【0094】また、ステンレス製のマニホールドをクリ
ーニング作用の起こる温度まで加熱することはできない
が、マニホールドの温度を制御してその表面に付着物が
形成されないようにしているので、マニホールドの表面
をクリーニングする必要がない。
【0095】[第6実施形態]本実施形態では、(B
a,Sr)TiO3 が高温のClF3 でクリーニングが
困難である場合についてのクリーニング方法を説明す
る。
【0096】第5実施形態で述べたように、基本的にC
VD装置内部に付着した(Ba,Sr)TiO3 は高温
のClF3 でクリーニングすることが可能であるが、
(BH,Sr)TiO3 の成膜条件によっては、ClF
3 によるクリーニング速度が低下するため、長時間のク
リーニング時間が必要となる場合がある。高温のClF
3 はSiO2 も腐食するので、高温でClF3 によるク
リーニングを長時間行うと反応容器、内管、基板ボー
ト、分散ノズル等石英製の部材を腐食してしまう。
【0097】クリーニングに時間がかかる場合、(B
a,Sr)TiO3 とRuの連続成膜を行う前に、Ru
の単独成膜を行って、石英ガラス製の反応容器、内管、
基板ボート、分散ノズルの表面をRu膜でコーティング
する。そして、(Ba,Sr)TiO3 膜とRu膜の連
続成膜を行った。このようなプロセスを行うことによ
り、CVD装置内部の付着物は、下層からRu/(B
a,Sr)TiO3 /Ruの順に付着している。
【0098】従って、(Ba,Sr)TiO3 をClF
3 を用いてクリーニングする際、石英材はRuで被膜さ
れていることになり、ClF3 ガスから保護されるの
で、石英ガラス製の製部材が腐食されることはない。そ
の後、高温のO2 ガスで最下面に付着しているRuをク
リーニングすれば良い。実際に、Ruの単独成膜、(B
a,Sr)TiO2 とRuの連続成膜を行った後、90
0℃でO2 ガス、ClF3 ガス、O2 ガスを順に500
cc/minの流量で流すことにより、CVD装置内部
の付着物を完全に除去できることを、本発明者らは確認
した。
【0099】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、キャパシタ絶縁膜として、
(Ba,Sr)TiO3 膜以外に、(Ba,Sr)Ti
3 膜,SrTiO3 ,ストロンチウムビスマスタンタ
ル酸化物,或いはチタン酸ジルコン酸鉛を形成しても良
い。
【0100】また、2種類の膜を連続的に形成した場合
について説明したが、1種類の薄膜を単独で形成しても
良い。その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施することが可能である。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、マ
ニホールドの温度制御を行うことによって、マニホール
ドの表面に原料ガスの凝集,及び薄膜の堆積が起こらな
いので、形成された膜の粒子汚染の低減を図ることがで
きる。また、ノズルの温度を下げることによって、原料
蒸気を安定に供給し、面内の膜厚分布を均一することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わるCVD装置の概略構成を
示す図。
【図2】図1のマニホールドの構成を示す図。
【図3】第1実施形態に係わる(Ba,Sr)TiO3
膜とRu膜との連続成膜の製造工程を示す工程断面図。
【図4】第2実施形態に係わるCVD装置の概略構成を
示す図。
【図5】第2実施形態に係わるCVD装置の概略構成を
示す図。
【図6】第4実施形態に係わる分散ノズルの概略構成を
示す図。
【図7】第4実施形態に係わる分散ノズルの概略構成を
示す図。
【符号の説明】
101…Ba液体原料容器 102…Sr液体原料容器 103…Ti液体原料容器 104…Ru原料容器 111…液体原料混合マニホールド 112…液体原料秤量用マイクロポンプ 113…原料気化器 121,122,123,124…マスフローコントロ
ーラ 131…配管加熱用オーブン 132…Ru原料容器加熱オーブン 141…反応容器 142…マニホールド 143…Oリング 144…内管 145…Oリング 146…キャップ 147…基板ボート回転機構 148…保温筒 149…基板ボート 150…加熱ヒータ 151…分散ノズル 152…分散ノズル 153…排気ポート 154…排気用ポンプ 155…圧力調整器 201…ヒータ 202…配管 204…熱電対 300…被処理基板 301…シリコン基板 302…シリコン酸化膜 303…Ru膜 304…(Ba,Sr)TiO3 膜 305…Ru膜 461…シャッター 462…冷却ガス送風口 471…循環液体温度制御器 511…可動ヒータ 601…分散ノズル 602…循環液体温度制御器 701…分散ノズル 702…カバー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製のマニホールドと、このマニホール
    ドによって支持された反応容器と、この反応容器の外部
    に設けられた外部ヒータと、前記反応容器内に,金属有
    機錯体の蒸気を含むガスを原料ガスとして導入する手段
    とを具備し、前記反応容器内に載置された被処理基板を
    前記外部ヒータによって加熱して化学的気相成長法によ
    る成膜を行う薄膜製造装置であって、 前記マニホールドに対して加熱又は冷却を行い、該マニ
    ホールドの温度を調節する温度調節部を具備してなるこ
    とを特徴とする薄膜製造装置。
  2. 【請求項2】金属製のマニホールドと、このマニホール
    ドによって支持された反応容器と、この反応容器の外部
    に設けられた外部ヒータと、前記反応容器内に,金属有
    機錯体の蒸気を含むガスを原料ガスとして導入する手段
    とを具備し、前記反応容器内に載置された被処理基板を
    前記外部ヒータによって加熱して化学的気相成長法によ
    る成膜を行う薄膜製造装置であって、 前記反応容器を冷却する冷却手段を具備してなることを
    特徴とする薄膜製造装置。
  3. 【請求項3】金属製のマニホールドと、このマニホール
    ドによって支持された反応容器と、この反応容器の外部
    に設けられた外部ヒータと、前記反応容器内に設けら
    れ,金属有機錯体の蒸気を含むガスを原料ガスとして導
    入するためのノズルとを具備し、前記反応容器内に載置
    された被処理基板を前記外部ヒータによって加熱して化
    学的気相成長法による成膜を行う薄膜製造装置であっ
    て、 前記ノズルを冷却する手段を具備してなることを特徴と
    する薄膜製造装置。
  4. 【請求項4】金属製のマニホールドに支持された反応容
    器の外部に設けられた外部ヒータによって被処理基板を
    加熱しつつ、該反応容器内に金属有機錯体の蒸気を含む
    ガスを原料ガスとして導入して化学的気相成長法により
    薄膜の堆積を行う薄膜の製造方法であって、 薄膜を堆積する際に、前記マニホールドの温度を、前記
    金属有機錯体の気化温度以上、且つ前記原料ガスの分解
    温度以下に制御することを特徴とする薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】金属製のマニホールドによって支持された
    反応容器の外部に設けられた外部ヒータによって被処理
    基板を加熱しつつ、該反応容器内に少なくとも1種は金
    属有機錯体の蒸気を含む複数の原料ガスを時間的に分離
    して導入し、化学的気相成長法により連続的に成膜を行
    って積層膜を形成する薄膜の製造方法であって、 前記反応容器に導入される原料ガスに応じて、前記マニ
    ホールドの温度を、前記金属有機錯体の気化温度以上、
    且つ原料ガスの分解温度以下に制御して順次成膜を行う
    ことを特徴とする薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】金属製のマニホールドによって支持された
    反応容器の外部に設けられた外部ヒータによって被処理
    基板を加熱しつつ、該反応容器内に少なくとも1種は金
    属有機錯体の蒸気を含む複数の原料ガスを時間的に分離
    して導入し、化学的気相成長法により連続的に成膜を行
    って積層膜を形成する薄膜の製造方法であって、 第1の薄膜と、第1の薄膜より堆積温度が低い第2の薄
    膜とを順次成膜を行って前記積層膜の少なくとも一部を
    形成する場合、 第1の薄膜の成膜後、前記反応容器を強制的に冷却し、
    該反応容器を第2の薄膜の堆積温度にすることを特徴と
    する薄膜の製造方法。
JP9353499A 1997-12-22 1997-12-22 薄膜製造装置及び薄膜の製造方法 Pending JPH11186245A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9353499A JPH11186245A (ja) 1997-12-22 1997-12-22 薄膜製造装置及び薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9353499A JPH11186245A (ja) 1997-12-22 1997-12-22 薄膜製造装置及び薄膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11186245A true JPH11186245A (ja) 1999-07-09

Family

ID=18431263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9353499A Pending JPH11186245A (ja) 1997-12-22 1997-12-22 薄膜製造装置及び薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11186245A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070802A1 (ja) * 2003-02-04 2004-08-19 Tokyo Electron Limited 処理システム及び処理システムの稼働方法
US20120167824A1 (en) * 2011-01-04 2012-07-05 Jong Sun Maeng Cvd apparatus
JP2020047911A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 株式会社Kokusai Electric 基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070802A1 (ja) * 2003-02-04 2004-08-19 Tokyo Electron Limited 処理システム及び処理システムの稼働方法
US20120167824A1 (en) * 2011-01-04 2012-07-05 Jong Sun Maeng Cvd apparatus
JP2020047911A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 株式会社Kokusai Electric 基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3390517B2 (ja) 液体原料用cvd装置
JP3670628B2 (ja) 成膜方法、成膜装置、および半導体装置の製造方法
US7481882B2 (en) Method for forming a thin film
US6787481B2 (en) Method for manufacturing semiconductor device
TWI383449B (zh) 半導體裝置之製造方法、基板處理裝置及基板處理方法
JP3611392B2 (ja) キャパシタおよび高容量キャパシタの製造方法
US6470144B1 (en) Vaporizer for chemical vapor deposition apparatus, chemical vapor deposition apparatus, and semiconductor device manufactured thereby
US20090283038A1 (en) Film forming method and apparatus
US8580671B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device and substrate processing apparatus
TW201139721A (en) Thin film manufacturing apparatus, thin film manufacturing method, and method for manufacturing semiconductor device
JP2000349078A (ja) 化学気相成長装置および半導体装置の製造方法
US9502239B2 (en) Substrate processing method, substrate processing apparatus, method of manufacturing semiconductor device and non-transitory computer-readable recording medium
JP2010177675A (ja) 半導体装置の製造方法
JP4717179B2 (ja) ガス供給装置及び処理装置
US7041546B2 (en) Film forming method for depositing a plurality of high-k dielectric films
US7217669B2 (en) Method of forming a metal oxide film
JP2000058529A (ja) 化学気相成長装置及び半導体デバイスの製造方法
JP2000104172A (ja) 成膜方法,成膜装置及び固形原料
JPH11186245A (ja) 薄膜製造装置及び薄膜の製造方法
JP3111994B2 (ja) 金属酸化物誘電体材料の気相成長装置
JP4348835B2 (ja) クリーニング方法
JPH11236675A (ja) 薄膜形成装置および薄膜形成方法
JP3353835B2 (ja) 金属酸化物誘電体膜の気相成長方法
JP4212013B2 (ja) 誘電体膜の作製方法
JPH06145992A (ja) 半導体装置用誘電体の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051228

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070425

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070605

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071016