JPH11181137A - 無機有機複合発泡体及びその製造法 - Google Patents

無機有機複合発泡体及びその製造法

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JPH11181137A
JPH11181137A JP36575897A JP36575897A JPH11181137A JP H11181137 A JPH11181137 A JP H11181137A JP 36575897 A JP36575897 A JP 36575897A JP 36575897 A JP36575897 A JP 36575897A JP H11181137 A JPH11181137 A JP H11181137A
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JP
Japan
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foam
phosphoric acid
inorganic
water
urethane prepolymer
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Application number
JP36575897A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Kurata
信弘 倉田
Masanori Monobe
昌徳 物部
Naoki Yazawa
直樹 矢澤
Misao Okamoto
美佐雄 岡本
Shinzo Kaida
進三 開田
Tadaaki Yamazaki
忠明 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui House Ltd
Uni Charm PetCare Corp
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sekisui House Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
Uni Heartous Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸類の発泡体が本質的には脆性材料であ
るのを、脆さを改善するとともに、柔軟性、反発弾性の
ある発泡体とし、燃焼後も一定の強度を保持させる。 【解決手段】 リン酸類(a)と発泡剤(b)とからの
リン酸類発泡体構造であって、NCO基を有するウレタ
ンプレポリマー(c)の硬化物により脆性が改善されて
なり、かつ20℃における水に対する溶解度が3.0g
/100g以上である水溶性無機金属塩化合物(d)及
び必要により他の無機充填材(e)が含有されてなる無
機有機複合発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機有機複合発泡
体及びその製造法に関する。更に詳しくは、無機質の発
泡体構造を持ち、かつ、反応性の弾性ポリマーにより脆
性が顕著に改善された無機有機複合発泡体であって、ウ
レタンフォームやスチレンフォームのような柔軟性、反
発弾性のあるフォームと比べても遜色ないものとするこ
とができ、かつ、防火性能を兼備する無機有機複合発泡
体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、常温常圧条件下でも発泡体の形成
が可能な無機質発泡体として、リン酸類の発泡体が提案
されている(例えば、特公昭56−36145号公
報)。この公報記載の発泡体は、リン酸金属塩等のリン
酸類と、多価金属炭酸塩等の発泡剤とを攪拌混合し、発
泡硬化させることにより得られるものであって、次のよ
うな特徴を有するため、パネル等の定型材はもちろん、
開口部を埋めるための不定形充填材にも適用が考えられ
る等、従来にない優れた材料として位置付けることがで
きる。 (1)得られる発泡体は、不燃性、耐火性に優れる (2)発泡体の作成においては、広範囲での比重コント
ロールを容易に行うことができる (3)自己発泡性をもつ
【0003】しかし、リン酸類の発泡体は、完全な無機
材料であるが故に脆くて、少しの力でも泡が破壊されて
元に戻らない欠点があり、特に、低密度の大型パネルを
作成した場合、触っただけで表層が崩れたり、パネル強
度が弱すぎて持ち運びができない等の問題があるため、
実用性にかなう材料ではなかった。
【0004】このようなリン酸類の発泡体の欠点を改善
する手段として、ウレタンプレポリマーを系内に添加す
る方法が提案されている(例えば、特開平9−1570
61号公報)。この方法では、リン酸類の発泡体の特徴
である優れた不燃性や耐熱性を損なわない程度のウレタ
ンプレポリマーを添加することにより、発泡体の強度を
向上し、低密度の発泡体でも実用性に優れる材料を得る
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リン酸類の発
泡体の強度は、ウレタンプレポリマー添加により、大き
く改善されたものの、火炎にさらされた場合に発泡体の
強度が弱く、火炎暴露中に発泡体が崩壊してしまう問題
があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のリ
ン酸類の発泡体の上述の問題点を解決すべく鋭意検討し
た結果、上記ウレタンプレポリマーにより補強されたリ
ン酸類の発泡体に、特定の無機金属塩を添加した発泡体
を得た。また、本発明者らの検討の結果、これらの無機
金属塩を用いると、得られた発泡体が火炎にさらされて
も崩壊をおこさないことが判明した。
【0007】すなわち本発明は、リン酸類(a)と炭酸
金属塩(b)とからのリン酸類発泡体構造であって、N
CO基を有するウレタンプレポリマー(c)の硬化物に
より脆性が改善されてなり、かつ、20℃における水に
対する溶解度が3.0g/100g以上である水溶性無
機金属塩化合物(d)、及び、必要により他の無機充填
材(e)が含有されてなる無機有機複合発泡体である。
本発明は、また、リン酸類(a)、炭酸金属塩(b)、
NCO基を有するウレタンプレポリマー(c)、20℃
における水に対する溶解度が3.0g/100g以上で
ある水溶性無機金属塩化合物(d)、及び、水を混合す
ることにより発泡硬化させる無機有機複合発泡体の製造
法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の無機有機複合発泡体(以
下「本発明の発泡体」という)は、リン酸類(a)と炭
酸金属塩(b)とが反応して発泡した無機質の発泡体構
造を有し、NCO基を有するウレタンプレポリマー
(c)により脆性が改善され、20℃における水に対す
る溶解度が3.0g/100g以上である水溶性無機金
属塩化合物(d)により、火炎にさらされた場合の発泡
体強度が改良されたものである。上記炭酸金属塩(b)
は、上記リン酸類(a)と反応して無機質の骨格を形成
すると同時に、二酸化炭素を発生する。この二酸化炭素
により、発泡が起こる。上記ウレタンプレポリマー
(c)は反応性の弾性ポリマーであり、水等の活性水素
を有する化合物との反応性を有するNCO基を有する。
【0009】本発明の発泡体の製造法は、上記ウレタン
プレポリマー(c)が反応硬化して形成される弾性ポリ
マーにより、発泡体の脆性を改善するものである。上記
水溶性無機金属塩化合物(d)は、火炎にさらされた場
合の発泡体強度を改良するものである。
【0010】本発明において、上記リン酸類(a)とし
ては特に限定されず、例えば、リン酸、亜リン酸、無水
リン酸、縮合リン酸、これらの多価金属塩及びこれらの
二種以上の混合物等が挙げられる。上記リン酸の多価金
属塩としては、第一リン酸多価金属塩、第二リン酸多価
金属塩、第三リン酸多価金属塩がある。上記多価金属塩
を構成する金属としては、例えば、マグネシウム、カル
シウム、アルミニウム、亜鉛、バリウム、鉄等が挙げら
れる。これら多価金属成分は、リン酸多価金属塩、亜リ
ン酸多価金属塩等の形で添加する方法の他に、リン酸、
亜リン酸と化学的に活性な金属化合物、例えば、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム等の多価金属酸化物や、水
酸化アルミニウムゲル、水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム等の多価金属水酸化物等を、リン酸、亜リン酸
等と別々に系内に添加し、系内で反応させる方法をとる
こともできる。
【0011】上記リン酸類(a)として例示したものの
うち好ましいものは、リン酸、第一リン酸マグネシウ
ム、第一リン酸アルミニウム、第一リン酸亜鉛及びこれ
らの二種以上の混合物であり、特に好ましいものは、リ
ン酸、第一リン酸マグネシウム、第一リン酸アルミニウ
ム及びこれらの2種以上の混合物である。
【0012】上記リン酸類(a)の含有量は、本発明の
発泡体を構成する全成分中、通常、3〜50重量%であ
り、又、本発明の発泡体中のリン原子の含有量に換算し
た好ましい範囲で言えば、3〜20重量%、特に4〜1
8重量%である。リン原子の含有量が3重量%未満で
は、得られる発泡体の防火性能が低下する。リン原子の
含有量が20重量%を超えると、上記ウレタンプレポリ
マー(c)の分散性が低下し、また、均一な発泡構造が
得られなくなることもある。
【0013】上記炭酸金属塩(b)としては、例えば、
炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸
亜鉛、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリ
ウム等が挙げられる。上記炭酸金属塩(b)の量は、軟
質から硬質迄の幅広い範囲の所望の発泡倍率に応じて決
めればよい。上記炭酸金属塩(b)の量は、上記リン酸
類(a)と上記炭酸金属塩(b)とを混合した際によく
混ざる範囲であれば特に制限はないが、リン酸類(a)
100重量部に対して、通常、0.1〜200重量部、
好ましくは1〜100重量部である。
【0014】また炭酸金属塩(b)と併用して、他の発
泡剤を使用してもよい。他の発泡剤としては、上記ウレ
タンプレポリマー(c)が系内の水により炭酸ガスを発
生して発泡の一部とすることもできる。また、上記ウレ
タンプレポリマー(c)中に加熱により分解する有機系
発泡剤(例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン
やN,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタ
ールアミド等のニトロソ系発泡剤;ベンゼンスルホニル
ヒドラジドアゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホ
ニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド−3−3′−ジスルホヒドラジドジフ
ェニルスルホン等のスルホヒドラジド系発泡剤;アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスホルムアミド、ジエチ
ルアゾジカルボキシレート等のアゾ系発泡剤等)をあら
かじめ混合し、加熱により二次発泡させる方法をとるこ
ともできる。また、炭酸アンモニウム等の炭酸塩化合物
を併用してもよい。
【0015】本発明において、上記ウレタンプレポリマ
ー(c)としては、例えば、有機ポリイソシアネート化
合物(n)と活性水素含有化合物(h)とから誘導さ
れ、かつ、NCOを分子内に有するもの等が挙げられ
る。上記有機ポリイソシアネート化合物(n)として
は、例えば、下記(n1)〜(n5)等が挙げられる。
但し、(n1)〜(n5)における炭素数は、NCO基
中の炭素数を除く値である。 (n1):炭素数2〜12の脂肪族ポリイソシアネート (n2):炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート (n3):炭素数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネ
ート (n4):炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート (n5):(n1)〜(n4)のポリイソシアネートの
変成物
【0016】上記脂肪族ポリイソシアネート(n1)の
具体例としては、例えば、 ・エチレンジイソシアネート、 ・テトラメチレンジイソシアネート、 ・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、 ・ドデカメチレンジイソシアネート、 ・2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、 ・リジンジイソシアネート、 ・1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート 等が挙げられる。
【0017】上記脂環式ポリイソシアネート(n2)の
具体例としては、例えば、 ・イソホロンジイソシアネート(IPDI)、 ・ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト(水添MDI)、 ・1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、 ・メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート
(水添TDI)、 ・1,4−ビス(2イソシアネートエチル)シクロヘキ
サン 等が挙げられる。
【0018】上記芳香脂肪族ポリイソシアネート(n
3)の具体例としては、例えば、 ・p−キシリレンジイソシアネート、 ・テトラメチルキシレンジイソシアネート 等が挙げられる。 上記芳香族ポリイソシアネート(n4)の具体例として
は、例えば、 ・1,4−フェニレンジイソシアネート、 ・2,4−又は2,6−トルエンジイソシアネート(T
DI)、 ・ジフェニルメタン−2,4′又は4、4′−ジイソシ
アネート(MDI) ・ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、 ・3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジ
イソシアネート、 ・粗製TDI、 ・ポリフェニルメタンポリイソシアネート(通称、粗製
MDI。アニリン等の芳香族アミン又はその混合物とホ
ルムアルデヒドとの縮合物(ジアミノジフェニルメタン
と、少量、例えば1〜20重量%の、3個以上のアミノ
基を有するポリアミンとの混合物となる)の、フォスゲ
ン化物) 等が挙げられる。
【0019】上記(n1)〜(n4)のポリイソシアネ
ートの変性物(n5)の具体例としては、例えば、(n
1)〜(n4)として上に例示したポリイソシアネート
のイソシアネート基の代わりに、カーボンアミド基、ウ
レチジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレッ
ト基、イソシアヌレート基、ウレタン基等を導入した変
性物が等が挙げられる。
【0020】これら有機ポリイソシアネート化合物
(n)の選択には特に限定はなく、発泡体の物性及びコ
ストに合わせ、単独又は任意の組み合わせでウレタンプ
レポリマー(c)を誘導するための成分として使用する
ことができる。
【0021】上記活性水素含有化合物(h)としては、
例えば、低分子量ポリオール(h1)及び高分子量ポリ
オール(h2)が挙げられる。ここで、上記(h1)と
上記(h2)の各分子量の範囲をヒドロキシル基価で示
すと、(h1)のヒドロキシル基価は、通常、300〜
1000又はそれ以上、好ましくは350〜800であ
る。(h2)のヒドロキシル基価は、通常、300未
満、好ましくは20〜250、特に50〜200であ
る。また、上記活性水素含有化合物(h)の官能基数
は、上記(h1)、上記(h2)の何れの場合も、通
常、2〜8又はそれ以上である。
【0022】上記低分子量ポリオール(h1)として
は、例えば、下記(h1−1)〜(h1−6)等が挙げ
られる。 (h1−1):脂肪族2価アルコール類 (h1−2):環状基を有する低分子ジオール類 (h1−3):3価アルコール類 (h1−4):4官能以上の多価アルコール類 (h1−5):アルカノールアミン類 (h1−6):上記(h1−1)〜(h1−5)の化合
物の、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサ
イドの低モル付加物
【0023】上記高分子量ポリオール(h2)として
は、例えば、下記(h2−1)〜(h2−6)等が挙げ
られる。 (h2−1):ポリオキシアルキレンポリオール (h2−2):ポリエステルポリオール (h2−3):ポリオレフィンポリオール (h2−4):アクリルポリオール (h2−5):ヒマシ油系ポリオール (h2−6):重合体ポリオール
【0024】上記低分子量ポリオール(h1)のうち、
脂肪族2価アルコール類(h1ー1)の具体例として
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングルコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジ
オール等が挙げられる。上記環状基を有する低分子ジオ
ール類(h1−2)の具体例としては、例えば、1,4
−ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等
が挙げられる。上記3価アルコール類(h1−3)の具
体例としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ヘキサントリオール等が挙げられる。
【0025】上記4官能以上の多価アルコール類(h1
−4)の具体例としては、例えば、ソルビトール、シュ
ークローズ等が挙げられる。上記アルカノールアミン類
(h1−5)の具体例としては、例えば、トリエタノー
ルアミン、メチルジエタノールアミン等が挙げられる。
上記低モル付加物(h1−6)の具体例としては、例え
ば、これら(h1−1)〜(h1−5)の具体例として
挙げたものに、エチレンオキサイド及び/又はプロピレ
ンオキサイドを、ヒドロキシル基価が300以上となる
範囲内の低モル付加させたもの等が挙げられる。
【0026】上記高分子量ポリオール(h2)のうち、
上記ポリオキシアルキレンポリオール(h2−1)とし
ては、例えば、低分子量ポリオール(h1)の項で説明
した上記(h1−1)〜(h1−5)の化合物や、低分
子アミン類、多価フェノール類等にアルキレンオキサイ
ドを付加したもの等が挙げられる。上記低分子アミン類
としては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の低分子ポリアミ
ンや、nブチルアミン、ステアリルアミン等の低分子モ
ノアミン等が挙げられる。上記多価フェノール類として
は、例えば、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。これ
らに付加するアルキレンオキサイドとしては、例えば、
炭素数2から4のアルキレンオキサイド、例えば、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド及びこれらの併用(併用の場合、ブロックでもラ
ンダム付加でもよい)等が挙げられる。
【0027】上記ポリオキシアルキレンポリオール(h
2−1)の具体例としては、例えば、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール、ポ
リオキシプロピレンテトラオール、ポリオキシテトラメ
チレングリコール等が挙げられる。
【0028】上記ポリエステルポリオール(h2−2)
としては、例えば、下記(h2−21)〜(h2−2
3)等が挙げられる。 (h2−21):2官能以上の多価アルコール類とジカ
ルボン酸類とを反応させて得られる縮合ポリエステルポ
リオール (h2−22):ラクトンの開環重合により得られるポ
リラクトンポリオール (h2−23):エチレンカーボネートと1,6−ヘキ
サンジオールとの反応により得られるポリカーボネート
ポリオール
【0029】上記縮合ポリエステルポリオール(h2−
21)を構成するジカルボン酸類としては、例えば、 ・脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル
酸等)、 ・芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸
等)、 ・これらジカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数
1〜4)エステル又は酸ハライド(酸クロライド等) ・これらの2種以上の混合物 等が挙げられる。上記ポリラクトンポリオール(h2−
22)に用いるラクトンとしては、例えば、εカプロラ
クトン等が挙げられる。
【0030】上記ポリエステルポリオール(h2−2)
の具体例としては、例えば、ポリエチレンアジペート、
ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペー
ト、ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンポリプ
ロピレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペー
ト、ポリブチレンヘキサメチレンアジペート、ポリジエ
チレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテ
ル)アジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレ
ンセバケート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレン
セバケート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロ
ラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げ
られる。
【0031】上記ポリオレフィンポリオール(h2−
3)の具体例としては、例えば、ポリブタジエンポリオ
ール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレン
ポリオール等が挙げられる。上記アクリルポリオール
(h2−4)の具体例としては、例えば、ヒドロキシエ
チルアクリレートとエチルアクリレートとの共重合物、
ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアクリレートと
スチレンとの共重合物等が挙げられる。
【0032】上記ヒマシ油系ポリオール(h2−5)と
しては、例えば、 (h2−51):ヒマシ油 (h2−52):ヒマシ油脂肪酸と多価アルコールやポ
リオキシアルキレンポリオールとのポリエステルポリオ
ール及びこれらの2種以上の混合物 等が挙げられる。上記(h2−52)の具体例として
は、例えば、ヒマシ油脂肪酸とトリメチロールプロパン
とのモノ、ジ又はトリエステル;ヒマシ油脂肪酸とポリ
オキシプロピレングリコールとのモノ又はジエステル等
が挙げられる。
【0033】上記重合体ポリオール(h2−6)として
は、例えば、上記(h2−1)〜(h2−5)として例
示した高分子量ポリオール中で、アクリロニトリル、ス
チレン等のエチレン性不飽和単量体を重合して得られる
もの等が挙げられる(米国特許第3383351号明細
書等に記載)。上記重合体ポリオール(h2−6)を構
成するエチレン性不飽和単量体単位の含量は、通常、
0.1〜90重量%、好ましくは5.0〜80重量%で
ある。重合体ポリオール(h2−6)の製造法として
は、例えば、ポリオール中でエチレン性不飽和単量体を
重合開始剤(ラジカル発生剤等)の存在下に重合させる
方法(例えば、米国特許第3383351号明細書記載
の方法)が挙げられる。
【0034】活性水素含有化合物(h)として上に詳細
に例示したもののうち特に好ましいものは、ポリオキシ
アルキレンポリオール(h2−1)のうちのエチレンオ
キサイド付加物であり、エチレンオキサイド付加物を単
独又は活性水素含有化合物(h)の一部として使用する
ことが好ましい。この場合、活性水素含有化合物(h)
中のオキシエチレン単位の含有量で言うと、10〜95
重量%、特に50〜90重量%とするのが好ましい。エ
チレンオキサイド付加物を使用することにより、水性混
合物とする際の上記ウレタンプレポリマー(c)の分散
性が向上する。
【0035】上記低分子量ポリオール(h1)と上記高
分子量ポリオール(h2)は、それぞれ単独で用いても
よく併用してもよい。上記(h1)と上記(h2)との
使用比率は特に制限はなく、例えば、発泡体の脆性の改
善効果をより高度とするためや、可とう性の付与効果を
より高くするためには、重量比で、(h1):(h2)
=(0〜50):(50〜100)となるよう、(h
2)の使用比率を多くするとよい。他方、発泡体の剛性
をより高くするためには、重量比で、(h1):(h
2)=(50〜100):(0〜50)となるよう、
(h1)の使用比率を多くするとよい。
【0036】また、上記ウレタンプレポリマー(c)の
分子量、粘度の調整等のため、(h)成分として、必要
により、モノオール(h3)を併用してもよい。モノオ
ール(h3)としては、例えば、 ・メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、ペンタノール、2−エチルヘキサノール、ドデカ
ノール等の脂肪族1価アルコール類、 ・アルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、ドデシルフェノール等)のアルキレンオキサ
イド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)
付加物 等が挙げられる。モノオール(h3)の分子量は、通
常、上記(h1)又は上記(h2)と同じ範囲である。
活性水素化合物(h)中の上記モノオール(h3)の割
合は、活性水素化合物(h)の平均官能基数が、通常、
2以上、好ましくは2.5以上となる範囲内である。
【0037】上記ウレタンプレポリマー(c)中のNC
O含量は、好ましくは、0.5〜30重量%である。上
記ウレタンプレポリマー(c)の性状については特に限
定はないが、常温で液状であり、かつ、ある程度の分子
量、分子組成であることが好ましく、上記ウレタンプレ
ポリマー(c)の分子量は、好ましくは1,000〜5
0,000である。上記ウレタンプレポリマー(c)の
製法を例示すると、例えば、反応缶に有機ポリイソシア
ネート(n)と活性水素含有化合物(h)とを仕込み、
反応温度50〜120℃で反応すれば製造できる。本発
明の発泡体中の上記ウレタンプレポリマー(c)単位の
含有量、即ち、発泡体製造時における全固形分に対する
上記ウレタンプレポリマー(c)の含有量は、5〜30
重量%、特に10〜25重量%であることが好ましい。
【0038】上記水溶性無機金属塩化合物(d)として
は、例えば、メタ硼酸ナトリウム、4硼酸ナトリウム、
5硼酸ナトリウム、6硼酸ナトリウム、8硼酸ナトリウ
ム、2硼酸ナトリウム等の硼酸ナトリウム化合物;メタ
硼酸カリウム、4硼酸カリウム、5硼酸カリウム、6硼
酸カリウム、8硼酸カリウム等の硼酸カリウム化合物等
が挙げられる。これらの中で、好ましくは硼酸ナトリウ
ム化合物であり、更に好ましくは8硼酸ナトリウムであ
る。
【0039】上記水溶性無機金属塩化合物(d)の使用
量は、発泡体を構成する全成分中、通常、1〜50重量
%、好ましくは5〜40重量%である。
【0040】本発明の発泡体には、物性やコストを考慮
して、必要により、無機充填材(e)を含有させてもよ
い。上記無機充填材(e)としては、例えば、下記(e
1)〜(e4)等が挙げられる。 (e1)セメント:ポルトランドセメント、シリカセメ
ント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシ
ュセメント、白色セメント等 (e2)粘土鉱物:モンモリロナイト、ベントナイト、
雲母、セリサイト、カオリン、タルク、フィライト、ゼ
オライト等 (e3)無機質軽量骨材:パーライト、シラスバルーン
等 (e4)その他の非水溶性の無機粉末材料:フライアッ
シュ、シリカフューム、珪石粉、セラミック粉、水酸化
アルミニウム、アルミナ、硫酸カルシウム等
【0041】上記無機充填材(e)として上に詳細に例
示したものの選択には特に限定はなく、発泡体の物性、
コスト等の要求に合わせて、単独又は任意の組み合わせ
で添加すればよい。無機充填材(e)の添加量は特に制
限はなく、通常、リン酸類(a)100重量部に対し
て、1800重量部以下、好ましくは500重量部以下
である。
【0042】本発明において、水の量は、リン酸類
(a)、炭酸金属塩(b)、上記ウレタンプレポリマー
(c)、上記水溶性無機金属塩化合物(d)及び水から
なる成分を混合する際に、水スラリー化が可能な範囲で
あれば、必要以上には水を加える必要はない。水が多い
程、発泡硬化したものの乾燥に時間や手間がかかる。水
の量は特に制限はないが、通常、混合物の濃度が50〜
90重量%程度となる量である。
【0043】本発明の製造法において、上記ウレタンプ
レポリマー(c)の硬化速度をコントロールするために
は、例えば、触媒を添加すればよい。上記触媒として
は、例えば、 ・ジブチルチンジラウレート、アルキルチタン酸塩、有
機珪素チタン酸塩、スタナスオクトエート、オクチル酸
鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス、ジブチル錫
ジオルソフェニルフェノキサイト、錫オキサイドとエス
テル化合物(ジオクチルフタレート等)との反応生成物
等の金属系触媒; ・モノアミン類(トリエチルアミン等)、ジアミン類
(N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン
等)、トリアミン類(N,N,N′,N′′,N′′−
ペンタメチルジエチレントリアミン等)、環状アミン類
(トリエチレンジアミン等)等のアミン系触媒 等が挙げられる。上記触媒は、金属系若しくはアミン系
単独、又は、金属系及びアミン系を併用して使用しても
よい。上記触媒の配合量は、通常、上記ウレタンプレポ
リマー(c)100重量部に対して10重量部以下、好
ましくは0.001〜5重量部である。
【0044】本発明の製造法において、発泡体のセル構
造をコントロールするためには、整泡剤を添加すればよ
い。上記整泡剤としては、従来公知のシリコン系活性剤
等が挙げられ、例えば、 ・トーレ・シリコーン社製のSH−192、SH−19
3、SH−194等; ・東芝シリコーン社製のTFA−4200等; ・日本ユニカー社製のL−5320、L−5340、L
−5350等; ・信越化学社製のF−121、F−122等 等が挙げられる。上記整泡剤の添加量は、上記ウレタン
プレポリマー(c)100重量部に対して、通常、3重
量部以下、好ましくは0.001〜1重量部である。
【0045】本発明の製造法において、各成分を混合す
ることにより発泡硬化させる方法としては、下記の
[1]から[6]に例示するような種々の方法がある。 [1]リン酸類(a)、炭酸金属塩(b)、上記ウレタ
ンプレポリマー(c)、上記水溶性無機金属塩(d)及
び水を一括投入後、混合し、発泡硬化させる方法。 [2]リン酸類(a)、上記ウレタンプレポリマー
(c)及び水を混合した後、炭酸金属塩(b)及び上記
水溶性無機金属塩(d)を併せて投入し混合、発泡硬化
させる方法。 [3]リン酸類(a)と上記ウレタンプレポリマー
(c)とを混合した後、あらかじめ、炭酸金属塩
(b)、上記水溶性無機金属塩(d)及び水を混合して
スラリー化したものを投入混合し、発泡硬化させる方
法。 [4]リン酸類(a)、上記ウレタンプレポリマー
(c)と水の一部を混合した後、あらかじめ炭酸金属塩
(b)及び上記水溶性無機金属塩(d)と水の残りとを
混合してスラリー化したものを投入混合し、発泡硬化さ
せる方法。 [5]リン酸類(a)、上記水溶性無機金属塩(d)と
水を混合した後、炭酸金属塩(b)と上記ウレタンプレ
ポリマー(c)を投入、混合し発泡硬化させる方法。 [6]リン酸類(a)、上記ウレタンプレポリマー
(c)、上記水溶性無機金属塩(d)及び水を混合した
後、炭酸金属塩(b)を混合し発泡硬化させる方法。 これらのうち、好ましいのは、[1]、[2]、
[4]、[6]である。
【0046】本発明の製造法により、常温常圧条件下、
上記方法に基づき各成分を混合後、静置することにより
本発明の発泡体が得られる。混合溶液(スラリー)は、
静置後、数分〜数十分の内に発泡し、次いで硬化が終了
し、発泡体を形成する。但し、冬期、気温が低い場合
や、工程上、発泡硬化時間を短縮したい場合について
は、静置中、50℃程度に加熱してもよい。
【0047】本発明の製造法により、型枠中に混合物を
流し込んで成形した本発明の発泡体とすることもでき、
壁面等の任意の基材へ塗布したり、任意の空隙へ充填し
た本発明の発泡体とすることもできる。成型体の場合
は、任意の形状の型枠等(例えば、大型パネルの型枠
等)を用いて上記に例示した方法で発泡体とすればよ
い。塗布する場合は、上記の方法で混合したものを、吹
き付けやこて塗等で塗布し、発泡体とすればよい。
【0048】本発明の製造法において、炭酸金属塩
(b)の使用量を加減することにより、得られる発泡体
の比重を広範囲に調整できる。また、得られる発泡体
は、比重0.1以下の低比重時においても、発泡表面に
脆さはなく、組成及び配合上の調整により、硬質から軟
質ものまで、幅広い材質の発泡体を得ることができる。
また、発泡体の断熱性能も、比重のコントロールによ
り、例えば、0.03kcal/m・hr・℃以下の低
い熱伝導率を付与することが可能な上、防火性も、不燃
材から準不燃材相当のレベルを確保することができ、グ
ラスウール、硬質ウレタンフォーム等の既存の断熱材と
比較しても、優れた特性を持つ材料と位置づけられる。
従って、本発明の発泡体は、大型外壁パネルや内壁パネ
ルの断熱材、防音材、防耐火材、耐火被覆材、軽量骨
材、耐火金庫用の断熱材等として用いることができる。
【0049】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。製造例、実施
例及び比較例中の部は、重量部である。
【0050】製造例1 ウレタンプレポリマー(c)の
製造 4口セパラブルコルベンに必要な原材料成分を仕込み、
90℃で5時間反応させる方法により、下記の、NCO
基を有するウレタンプレポリマーc−1〜c−2を得
た。 c−1:TDI(日本ポリウレタン(株)製、商品名コ
ロネートT−80)100重量部に対して、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレングリコール(分子量21
88、エチレンオキサイド20重量%とプロピレンオキ
サイド80重量%とのブロックコポリマー、三洋化成工
業(株)製、商品名ニュ−ポールPE−62)420重
量部を反応させプレポリマーとしたもの。プレポリマー
のNCO含量は6.2%、数平均分子量は1355で、
常温で粘調な樹脂溶液。 c−2:粗製MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品
名ミリオネートMR−100)100重量部に対して、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオール
(分子量3000、グリセリンプロピレンオキサイド付
加物にエチレンオキサイドを付加したもの。三洋化成工
業(株)製、商品名サンニックスGL−3000)15
0重量部を反応させプレポリマーとしたもの。プレポリ
マーのNCO含量は10.0%、数平均分子量は127
6で、常温で粘調な樹脂溶液。
【0051】実施例1〜4、比較例1〜2 実施例1〜4、比較例1〜2各々について、下記表1、
2の組成に基づき、リン酸類(a)、上記ウレタンプレ
ポリマー(c)及び水道水をホモミキサーで均一に撹拌
した。得られた撹拌混合物に、更に、実施例1、3は炭
酸金属塩(b)及び水溶性無機金属化合物(d)を、実
施例2、4は炭酸金属塩(b)、水溶性無機金属化合物
(d)及び無機充填材(e)を、それぞれ添加し、比較
例1は炭酸金属塩(b)を、比較例2は炭酸金属塩
(b)及び無機充填材(e)を、それぞれ添加して、各
々撹拌混合した後、型枠(50×30×3cm)に流し込
み、自由発泡させて実施例1〜4、比較例1〜2の成形
した発泡体を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表中、略記号で示す化合物は次のとおりで
ある。 (a)リン酸類 a−1:第一リン酸アルミニウム a−2:リン酸 a−3:第一リン酸マグネシウム (b)炭酸金属塩 b−1:塩基性炭酸マグネシウム (c)ウレタンプレポリマー c−1、c−2:製造例1で得られたウレタンプレポリ
マー (d)水溶性無機金属塩化合物 d−1:8硼酸ナトリウム d−2:メタ硼酸ナトリウム d−3:8硼酸カリウム d−4:メタ硼酸カリウム (e)無機充填材 e−1:水酸化アルミニウム
【0055】試験例1 実施例1〜4、比較例1〜2の
発泡体の評価 実施例1〜4及び比較例1〜2の発泡体を、通気のよい
室内に1カ月放置し、次いで40℃の乾燥機中で120
時間乾燥させた後、デシケータ中に24時間放置したも
のを、下記試験方法による試験に供した。 [発泡体の物性等の試験方法] (1)熱伝導率 JIS A−1412(保温板の熱伝導率測定方法)に
準拠した。 (2)発泡体の柔軟性 JIS Z1536(ポリスチレンフォーム包装用緩衝
材)に規定される柔軟性試験に準拠。試験片を40mm
円筒の円周に沿って巻き付けた時の状態観察から判定し
た。 (3)不燃・準不燃・難燃性(以下防火性と総称する) 建設省公示第1231号(準不燃材料及び難燃材料の試
験方法)、建設省公示第1828号(不燃性材料の試験
方法)にそれぞれ規定される表面試験方法に準拠して測
定した。 (4)圧縮強度 燃焼試験後の発泡体について、30mm角に切り取り、
JIS K−7220(硬質発泡プラスチックの圧縮試
験方法)に準拠して、圧縮強度を測定した。
【0056】[試験結果]各発泡体の物性試験及び外観
観察の結果を表3にまとめた。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明の発泡体及びその製造法は、以下
の効果を奏する。 (1)本発明の発泡体は、従来のリン酸類の発泡体の問
題点であった脆性及び火炎にさらされた場合の発泡体の
強度を大幅に改善するものであり、低密度の発泡体とし
た場合は、有機無機複合体であるにも拘らず、軟質ウレ
タンフォームと同程度の柔軟性と反発弾性を有する発泡
体であり、この発泡体は軟質から硬質まで調整でき、か
つ、軟質・硬質の何れの場合も脆性、火炎にさらされた
場合の発泡体の強度が改善されている。 (2)低密度の発泡体でも、使用上全く問題ない程度の
強度を有するため、断熱性に優れる軽量のパネル等が作
製できる。 (3)常温常圧下での条件でも製造することができるた
め、オートクレーブ養生等の特殊な反応装置を必要とし
ない。 (4)所望の形状の型枠中で容易に発泡でき、硬化させ
ることができる。また、壁面にこて塗りや吹き付け等を
行い、硬化させることも可能である。 (5)外観及び性能上は、既存のウレタンフォーム、ス
チレンフォームとほぼ同等のレベルにあるものの、材料
の防火性は、これら既存の有機系断熱材以上の不燃材〜
準不燃材に相当するレベルであり、防災上、安全性の高
い材料を市場に供給することができる。
【0059】以上の効果を奏することから、本発明の発
泡体は、その防火性能、断熱性、弾性、柔軟性、強度、
低密度等を兼備する特性を生かし、例えば、以下のよう
な用途に使用するのに好適である。列車、自動車、住
宅、ビル等防火性能が要求される用途において、従来A
LC、珪酸カルシウム板、無機繊維板等の無機質発泡体
が用いられていたものの代替用途;例えば、鉄骨被覆
材、耐火レンガ、台所や厨房を含めた内壁パネル、防火
性を有する外装パネル、ボイラー等の燃焼機械の熱遮蔽
材、自動車等のシートクッション材や排気ラインの熱遮
蔽材、船舶等の内装パネルや空隙充填材、耐火金庫の充
填剤。住宅、ビル、列車、航空機、船舶等の断熱性能が
要求される用途において、従来ウレタンフォーム、スチ
レンフォーム等の有機質発泡体が用いられていたものの
代替用途;例えば、天井、壁、床、屋根等の住宅・ビル
等の内外装断熱ボードやパネル、畳心材、ドア等の空隙
充填材、屋根瓦や屋根材の断熱裏材、自動車や列車・航
空機・船舶等の屋根内張り材、エンジン周囲の内装材、
ハニカム使用部分の代替材、冷蔵庫・エアコン・冷凍庫
・空調設備や空調ラインの断熱材、LNG等の天然ガス
のタンクやパイプラインの断熱被覆材、工場でのユーテ
イリテイラインの断熱材、冷凍品等の輸送用断熱パッキ
ング材。
【0060】低密度が要求される用途;例えば、合成木
材及びその心材、軽量骨材、包装用のパッキング材。 連通気泡である発泡体より、表面積が大であることを要
求される用途;例えば、サンドドレン工法用サンドの代
替用途、排ガス燃焼触媒の担体、消臭剤や芳香剤用の担
体。 吸音を要求する用途;住宅用の吸音パネル、トンネル内
の防音内壁材、列車軌道の防音高欄被覆材、エンジンや
機械類の防音内張り材やハウジング内張り材。 難生分解性や有機系に比べて低い環境汚染性が要求され
る発泡体用途;軽量盛土の代替用途、トンネルの裏込め
材、植生用ブロック、生け花用剣山、園芸用バーミキュ
ライト等の代替用途。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 物部 昌徳 香川県三豊郡豊浜町和田浜高須賀1531−7 ユニ・チャーム株式会社開発本部内 (72)発明者 矢澤 直樹 静岡県掛川市篠場5−6 ユニ・チャーム 株式会社開発本部内 (72)発明者 岡本 美佐雄 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 開田 進三 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内 (72)発明者 山崎 忠明 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸類(a)と炭酸金属塩(b)とか
    らのリン酸類発泡体構造であって、NCO基を有するウ
    レタンプレポリマー(c)の硬化物により脆性が改善さ
    れてなり、かつ、20℃における水に対する溶解度が
    3.0g/100g以上である水溶性無機金属塩化合物
    (d)及び必要により他の無機充填材(e)が含有され
    てなることを特徴とする無機有機複合発泡体。
  2. 【請求項2】 リン酸類(a)が、(無水)リン酸、亜
    リン酸、縮合リン酸及びこれらの多価金属塩からなる群
    より選ばれる1種以上の化合物である請求項1記載の無
    機有機複合発泡体。
  3. 【請求項3】 水溶性無機金属塩化合物(d)の含有量
    が、1〜50重量%である請求項1〜2いずれか記載の
    無機有機複合発泡体。
  4. 【請求項4】 水溶性無機金属塩化合物(d)が、硼酸
    金属塩である請求項1〜3いずれか記載の無機有機複合
    発泡体。
  5. 【請求項5】 硼酸金属塩が、硼酸ナトリウム化合物で
    ある請求項4記載の無機有機複合発泡体。
  6. 【請求項6】 硼酸ナトリウム化合物が、8硼酸ナトリ
    ウムである請求項5記載の無機有機複合発泡体。
  7. 【請求項7】 リン酸類(a)、炭酸金属塩(b)、N
    CO基を有するウレタンプレポリマー(c)、20℃に
    おける水に対する溶解度が3.0g/100g以上であ
    る水溶性無機金属塩化合物(d)、水及び必要により他
    の無機充填材(e)からなる成分を混合することにより
    発泡硬化させることを特徴とする無機有機複合発泡体の
    製造法。
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