JPH11180998A - ボルナ病ウイルス抗体検出用ポリペプチド - Google Patents
ボルナ病ウイルス抗体検出用ポリペプチドInfo
- Publication number
- JPH11180998A JPH11180998A JP35473397A JP35473397A JPH11180998A JP H11180998 A JPH11180998 A JP H11180998A JP 35473397 A JP35473397 A JP 35473397A JP 35473397 A JP35473397 A JP 35473397A JP H11180998 A JPH11180998 A JP H11180998A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polypeptide
- amino acid
- antibody
- detecting
- disease virus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】抗BDV抗体を測定するための特異性の高い抗
原ペプチド、その測定方法および測定試薬を提供する。 【解決手段】BDVの核蛋白(p40)の3-20、48-68、310-
323および338-358番目のアミノ配列を有するポリペプチ
ド、ポリメラーゼコファクター(p24)の41-55および59-7
9番目のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、抗BD
V抗体に対して特異的な免疫反応を起こし、該抗体の検
出に有用である。
原ペプチド、その測定方法および測定試薬を提供する。 【解決手段】BDVの核蛋白(p40)の3-20、48-68、310-
323および338-358番目のアミノ配列を有するポリペプチ
ド、ポリメラーゼコファクター(p24)の41-55および59-7
9番目のアミノ酸配列を有するポリペプチドは、抗BD
V抗体に対して特異的な免疫反応を起こし、該抗体の検
出に有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人および動物用の感染症
診断試薬に関する。さらに詳しくはボルナ病ウイルス抗
体を検出するためのペプチド、その検出方法および検出
に使用する試薬に関する。
診断試薬に関する。さらに詳しくはボルナ病ウイルス抗
体を検出するためのペプチド、その検出方法および検出
に使用する試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ボルナ病はドイツおよびその周辺諸国
で、四季を通じてウマに発生するウイルス性脳脊髄炎で
ある。脳性麻痺や情動障害等の症状を呈し、急性経過を
たどると致死的である。病変は脳幹神経核、特に中脳に
多く見られ、神経細胞核内にJoest-Degen小体という封
入体が形成される。ボルナ病ウイルス(Borna Disease V
irus、以下BDV)はBornaviridae科に属するウイルス
で、ゲノムは約9kbの1本鎖、マイナス鎖のRNAウイ
ルスであることが明らかになっている。BDVはウマ以
外にもヒツジやウシ、ネコ、ダチョウなどに自然感染
し、実験的にはマウスをはじめ鳥類からサルまでさらに
広範囲に感染させることができる。ヒトにおいても血清
学的検査によって、BDVに対する抗体保有者が確認さ
れており(Rott, R. et al., Science, 228, 755-756, 1
985)、特に***病やうつ病などの神経精神疾患患者で健
常人よりも高率にみられるとの報告がなされ、注目を受
けている。同ウイルスの全塩基配列はCubittら(Cubitt,
B., et al., J. Virol., 68, 1382-1396, 1994)、Brie
seら(Briese, T., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A,91, 4362-4366, 1994)によって報告されており、この
ウイルス遺伝子がコードする蛋白として、核蛋白(p4
0)、ポリメラーゼコファクター(p24)、マトリックス(gp
18)、エンベロープ(gp56)、ポリメラーゼ(p180)の各蛋
白が知られている。BDV感染の診断法としては、血中
に抗BDV抗体を検出する血清学的手法と、RT−PC
R法によりBDVゲノムRNAを直接検出する遺伝子的
手法が行われている。抗BDV抗体の検出法としては、
間接蛍光抗体法(Amsterdam, J. D., et al.,Arch. Gen.
Psychiatry, 42, 1093-1096, 1985)やウェスタンブロ
ット法(Fu, Z. F., et al., J. Affect. Disord., 27,
61-68, 1993)、免疫沈降法(Bode, L.et al., J. Med. V
irol., 36, 309-315, 1992)、ELISA法(Weisman,
Y., etal., Lancet, 344, 1232-1233, 1994)、患者末梢
血中の単球を検体とするフローサイトメトリー法(Bode,
L. et al., Nature Medicine, 1, 232-236, 1995)など
が用いられている。抗体の検出方法としては上記のよう
な各種方法があるが、ヒトにおける抗BDV抗体価は概
して非常に低く、特異的反応と非特異的反応の識別が困
難なこと、また、使用する抗原によって結果が異なって
くることから、信頼度の高い標準的な抗体測定法は未だ
確立されていない。BDVのゲノムRNAを直接検出す
る方法としては、ヒトの末梢血液中の単核細胞からRT
−PCR法によってウイルス遺伝子の断片を検出する方
法が報告されている(Kishi, M., et al., FEBS Lett.,
364, 293-297, 1995)。ゲノムを直接検出する方法は確
度の高い方法ではあるが、本来BDVは向神経性のウイ
ルスであることから、必ずしも全ての感染者の末梢血単
核細胞中にBDVゲノムRNAが検出されるわけではな
い。また、非常に高感度であるRT−PCR法には、常
に相互汚染によって偽陽性反応を示す危険性がつきまと
っており、信頼性と普遍性のあるデータの蓄積は成され
ていない。
で、四季を通じてウマに発生するウイルス性脳脊髄炎で
ある。脳性麻痺や情動障害等の症状を呈し、急性経過を
たどると致死的である。病変は脳幹神経核、特に中脳に
多く見られ、神経細胞核内にJoest-Degen小体という封
入体が形成される。ボルナ病ウイルス(Borna Disease V
irus、以下BDV)はBornaviridae科に属するウイルス
で、ゲノムは約9kbの1本鎖、マイナス鎖のRNAウイ
ルスであることが明らかになっている。BDVはウマ以
外にもヒツジやウシ、ネコ、ダチョウなどに自然感染
し、実験的にはマウスをはじめ鳥類からサルまでさらに
広範囲に感染させることができる。ヒトにおいても血清
学的検査によって、BDVに対する抗体保有者が確認さ
れており(Rott, R. et al., Science, 228, 755-756, 1
985)、特に***病やうつ病などの神経精神疾患患者で健
常人よりも高率にみられるとの報告がなされ、注目を受
けている。同ウイルスの全塩基配列はCubittら(Cubitt,
B., et al., J. Virol., 68, 1382-1396, 1994)、Brie
seら(Briese, T., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. US
A,91, 4362-4366, 1994)によって報告されており、この
ウイルス遺伝子がコードする蛋白として、核蛋白(p4
0)、ポリメラーゼコファクター(p24)、マトリックス(gp
18)、エンベロープ(gp56)、ポリメラーゼ(p180)の各蛋
白が知られている。BDV感染の診断法としては、血中
に抗BDV抗体を検出する血清学的手法と、RT−PC
R法によりBDVゲノムRNAを直接検出する遺伝子的
手法が行われている。抗BDV抗体の検出法としては、
間接蛍光抗体法(Amsterdam, J. D., et al.,Arch. Gen.
Psychiatry, 42, 1093-1096, 1985)やウェスタンブロ
ット法(Fu, Z. F., et al., J. Affect. Disord., 27,
61-68, 1993)、免疫沈降法(Bode, L.et al., J. Med. V
irol., 36, 309-315, 1992)、ELISA法(Weisman,
Y., etal., Lancet, 344, 1232-1233, 1994)、患者末梢
血中の単球を検体とするフローサイトメトリー法(Bode,
L. et al., Nature Medicine, 1, 232-236, 1995)など
が用いられている。抗体の検出方法としては上記のよう
な各種方法があるが、ヒトにおける抗BDV抗体価は概
して非常に低く、特異的反応と非特異的反応の識別が困
難なこと、また、使用する抗原によって結果が異なって
くることから、信頼度の高い標準的な抗体測定法は未だ
確立されていない。BDVのゲノムRNAを直接検出す
る方法としては、ヒトの末梢血液中の単核細胞からRT
−PCR法によってウイルス遺伝子の断片を検出する方
法が報告されている(Kishi, M., et al., FEBS Lett.,
364, 293-297, 1995)。ゲノムを直接検出する方法は確
度の高い方法ではあるが、本来BDVは向神経性のウイ
ルスであることから、必ずしも全ての感染者の末梢血単
核細胞中にBDVゲノムRNAが検出されるわけではな
い。また、非常に高感度であるRT−PCR法には、常
に相互汚染によって偽陽性反応を示す危険性がつきまと
っており、信頼性と普遍性のあるデータの蓄積は成され
ていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗B
DV抗体の検出にあたり、抗体に対して高い特異性を有
する抗原ペプチドを提供し、また、その測定方法および
測定試薬を提供することにある。
DV抗体の検出にあたり、抗体に対して高い特異性を有
する抗原ペプチドを提供し、また、その測定方法および
測定試薬を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、BDVの
核蛋白(p40)およびポリメラーゼコファクター(p24)を構
成するペプチドに着目し、p40の3-20、48-68、310-323
および338-358番目のアミノ配列を有するポリペプチ
ド、p24の41-55および59-79番目のアミノ酸配列を有す
るポリペプチドが、BDVに対する抗血清と特異的な免
疫反応を起こすことを見出し本発明を完成した。すなわ
ち本発明は、(1)ボルナ病ウイルスの核蛋白(p40)または
ポリメラーゼコファクター(p24)を構成するポリペプチ
ドをコードする核酸配列であって、配列番号1〜6に記
載した配列を含むものからなるポリペプチドまたはそれ
らと実質的に同等なポリペプチド、(2)該ポリペプチド
を抗原として使用するボルナ病ウイルス抗体の検出方
法、(3)該ポリペプチドを構成成分とするボルナ病ウイ
ルス抗体の検出試薬である。なお、配列番号1〜6に記
載した本発明ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチ
ドも本発明に含まれる。実質的に同等とはボルナ病ウイ
ルス抗体と結合活性を有することを意味し、アミノ酸の
欠失、置換、付加体が含まれる。
核蛋白(p40)およびポリメラーゼコファクター(p24)を構
成するペプチドに着目し、p40の3-20、48-68、310-323
および338-358番目のアミノ配列を有するポリペプチ
ド、p24の41-55および59-79番目のアミノ酸配列を有す
るポリペプチドが、BDVに対する抗血清と特異的な免
疫反応を起こすことを見出し本発明を完成した。すなわ
ち本発明は、(1)ボルナ病ウイルスの核蛋白(p40)または
ポリメラーゼコファクター(p24)を構成するポリペプチ
ドをコードする核酸配列であって、配列番号1〜6に記
載した配列を含むものからなるポリペプチドまたはそれ
らと実質的に同等なポリペプチド、(2)該ポリペプチド
を抗原として使用するボルナ病ウイルス抗体の検出方
法、(3)該ポリペプチドを構成成分とするボルナ病ウイ
ルス抗体の検出試薬である。なお、配列番号1〜6に記
載した本発明ポリペプチドと実質的に同等なポリペプチ
ドも本発明に含まれる。実質的に同等とはボルナ病ウイ
ルス抗体と結合活性を有することを意味し、アミノ酸の
欠失、置換、付加体が含まれる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に係るペプチドを用いて、生体試料中の抗BDV
p40抗体および/または抗BDVp24抗体の有無を免疫学
的手法により検定することができ、該ウイルスの感染診
断が可能である。生体試料としては、例えばヒトや動物
の血清、血漿、脊髄液、リンパ液、唾液、漿液および細
胞等が挙げられる。免疫学的手法としては公知の方法を
適用すればよく、例えば電気化学発光免疫測定法、酵素
免疫測定法、放射免疫測定法、ウェスタンブロット法、
受け身粒子凝集法、受け身血球凝集法、ラテックス凝集
法、化学発光免疫測定法などが挙げられる。以下に1例
として電気化学発光免疫測定法による測定方法を記す。
測定系の構成要素は、抗原ペプチドを固相化する担体、
被験試料、標識用抗体、標識物質としての電気化学発光
物質等である。抗原ペプチドの作製方法は特に限定され
ず、通常の化学合成、BDV感染細胞からの抽出、遺伝
子組み替えした大腸菌等に発現させる等の方法がある
が、特異性の高いペプチドを得ることができる合成法に
よることが好ましい。合成法としては例えば固相合成法
等が挙げられる。また、担体へのペプチドの吸着を容易
にするために、ペプチドの末端にシステインやリジン等
のアミノ酸残基を付加しても差し支えない。ペプチドの
固相化用担体としては、磁気感応性粒子、マイクロタイ
タープレート、プラスチックビーズ、赤血球、ゼラチン
粒子、ポリアミノ酸粒子、ラテックス粒子、ナイロン
膜、ニトロセルロース膜などいずれの担体も使用するこ
とができ、測定法に応じて適宜選択すればよい。電気化
学発光法の場合には磁気粒子、ラテックス粒子等が好ま
しい。標識用抗体としては、ヒトIgG抗体、ヒトIgM抗
体、ヒトIgA抗体などが用いられる。標識物質としての
電気化学発光物質としては、ルテニウム−トリス−ビ−
ピリジル、オスミウム−トリス−ビ−ピリジル、カドミ
ウム−トリス−ビ−ピリジル、レニウム−トリス−ビ−
ピリジル等が挙げられる。測定の手順は以下の通りであ
る。抗原ペプチドを磁気感応性粒子に固相化し、検体試
料とを反応させる。これを洗浄後、電気化学発光物質で
標識した抗ヒトIgG抗体と反応させる。さらに洗浄後、
磁気感応性粒子に電気エネルギーを加えて、電気化学発
光物質からの発光量を測定する。本発明に係る測定試薬
は、配列番号1〜6に記載したポリペプチドの少なくと
も1つを必須構成成分とし、標識用抗体、標準抗原、酵
素および基質等からなる。該ペプチドと電気化学発光物
質が同時に含まれる場合には両者が結合した状態であっ
てもよい。また、測定の都合により、適切な抗原希釈
液、反応希釈液、洗浄液、発光補助液等が含まれていて
もよい。
本発明に係るペプチドを用いて、生体試料中の抗BDV
p40抗体および/または抗BDVp24抗体の有無を免疫学
的手法により検定することができ、該ウイルスの感染診
断が可能である。生体試料としては、例えばヒトや動物
の血清、血漿、脊髄液、リンパ液、唾液、漿液および細
胞等が挙げられる。免疫学的手法としては公知の方法を
適用すればよく、例えば電気化学発光免疫測定法、酵素
免疫測定法、放射免疫測定法、ウェスタンブロット法、
受け身粒子凝集法、受け身血球凝集法、ラテックス凝集
法、化学発光免疫測定法などが挙げられる。以下に1例
として電気化学発光免疫測定法による測定方法を記す。
測定系の構成要素は、抗原ペプチドを固相化する担体、
被験試料、標識用抗体、標識物質としての電気化学発光
物質等である。抗原ペプチドの作製方法は特に限定され
ず、通常の化学合成、BDV感染細胞からの抽出、遺伝
子組み替えした大腸菌等に発現させる等の方法がある
が、特異性の高いペプチドを得ることができる合成法に
よることが好ましい。合成法としては例えば固相合成法
等が挙げられる。また、担体へのペプチドの吸着を容易
にするために、ペプチドの末端にシステインやリジン等
のアミノ酸残基を付加しても差し支えない。ペプチドの
固相化用担体としては、磁気感応性粒子、マイクロタイ
タープレート、プラスチックビーズ、赤血球、ゼラチン
粒子、ポリアミノ酸粒子、ラテックス粒子、ナイロン
膜、ニトロセルロース膜などいずれの担体も使用するこ
とができ、測定法に応じて適宜選択すればよい。電気化
学発光法の場合には磁気粒子、ラテックス粒子等が好ま
しい。標識用抗体としては、ヒトIgG抗体、ヒトIgM抗
体、ヒトIgA抗体などが用いられる。標識物質としての
電気化学発光物質としては、ルテニウム−トリス−ビ−
ピリジル、オスミウム−トリス−ビ−ピリジル、カドミ
ウム−トリス−ビ−ピリジル、レニウム−トリス−ビ−
ピリジル等が挙げられる。測定の手順は以下の通りであ
る。抗原ペプチドを磁気感応性粒子に固相化し、検体試
料とを反応させる。これを洗浄後、電気化学発光物質で
標識した抗ヒトIgG抗体と反応させる。さらに洗浄後、
磁気感応性粒子に電気エネルギーを加えて、電気化学発
光物質からの発光量を測定する。本発明に係る測定試薬
は、配列番号1〜6に記載したポリペプチドの少なくと
も1つを必須構成成分とし、標識用抗体、標準抗原、酵
素および基質等からなる。該ペプチドと電気化学発光物
質が同時に含まれる場合には両者が結合した状態であっ
てもよい。また、測定の都合により、適切な抗原希釈
液、反応希釈液、洗浄液、発光補助液等が含まれていて
もよい。
【0006】本発明に使用したリコンビナントBDVp4
0抗原蛋白およびリコンビナントBDVp24抗原蛋白は、
常法の遺伝子組み替え手法により調製することができ
る。たとえば、p40cDNA(Cubitt, B., et al., J. V
irol., 68, 1382-1396, 1994)をプラスミドに組み込
む。cDNAを組み込むプラスミドベクターとしてはpB
luescript II SK、大腸菌由来のpBR322、pUC18、枯草菌
由来のpsH15などが挙げられるが、これらは宿主細胞内
に保持されて複製、増幅されるものであれば、いずれも
使用することができる。この様にして得られたベクター
は適切な宿主、たとえば大腸菌などに導入し、形質転換
体を作製する。ベクターの宿主への導入法としては、た
とえばコンピテント細胞法(J. Mol. Biol., 53, 154, 1
970)、プロトプラスト法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
75, 1929, 1978)、リン酸カルシウム法(Science, 221,
551, 1983)、インビトロパッケージング法(Proc. Nat
l. Acad. Sci, USA, 72, 581, 1975)、ウイルスベクタ
ー法(Cell, 37, 1053, 1984)などが挙げられる。宿主と
なり得る大腸菌としては、たとえば Escherichia coli
HB101、JM109などが挙げられる。cDNAのベクターが
プラスミドの場合には、塩化カルシウム法、塩化カルシ
ウム・塩化ルビジウム法を用いて宿主細胞に保持させる
ことができる(Molecular Cloning, A Laboratory Manua
l, Cold Spring Harbor Laboratory, p249, 1982)。そ
して、これら形質転換体を通常の培養方法で増殖させた
後、培養物中からp40抗原蛋白を得ることができる(Mole
cular Cloning, A Laboratory Manual,Cold Spring Har
bor Laboratory, 1982)。
0抗原蛋白およびリコンビナントBDVp24抗原蛋白は、
常法の遺伝子組み替え手法により調製することができ
る。たとえば、p40cDNA(Cubitt, B., et al., J. V
irol., 68, 1382-1396, 1994)をプラスミドに組み込
む。cDNAを組み込むプラスミドベクターとしてはpB
luescript II SK、大腸菌由来のpBR322、pUC18、枯草菌
由来のpsH15などが挙げられるが、これらは宿主細胞内
に保持されて複製、増幅されるものであれば、いずれも
使用することができる。この様にして得られたベクター
は適切な宿主、たとえば大腸菌などに導入し、形質転換
体を作製する。ベクターの宿主への導入法としては、た
とえばコンピテント細胞法(J. Mol. Biol., 53, 154, 1
970)、プロトプラスト法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
75, 1929, 1978)、リン酸カルシウム法(Science, 221,
551, 1983)、インビトロパッケージング法(Proc. Nat
l. Acad. Sci, USA, 72, 581, 1975)、ウイルスベクタ
ー法(Cell, 37, 1053, 1984)などが挙げられる。宿主と
なり得る大腸菌としては、たとえば Escherichia coli
HB101、JM109などが挙げられる。cDNAのベクターが
プラスミドの場合には、塩化カルシウム法、塩化カルシ
ウム・塩化ルビジウム法を用いて宿主細胞に保持させる
ことができる(Molecular Cloning, A Laboratory Manua
l, Cold Spring Harbor Laboratory, p249, 1982)。そ
して、これら形質転換体を通常の培養方法で増殖させた
後、培養物中からp40抗原蛋白を得ることができる(Mole
cular Cloning, A Laboratory Manual,Cold Spring Har
bor Laboratory, 1982)。
【0007】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 BDV合成ペプチドの作製 Cubittら(Cubitt, B., et al., J. Virol., 68, 1382-1
396, 1994)が報告したBDVの核蛋白(p40)とポリメラ
ーゼコファクター(p24)部位のアミノ酸配列から、Hopp-
Woods法(Hopp, T. P., et al., Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 78, 3824-3828, 1981)によって、親水性に富ん
だ部位を13カ所選択した(図1および2)。それぞれのア
ミノ酸配列について、固相合成法によりペプチドを合成
し、逆相液体クロマトグラフィーを使用して純度が95%
以上になるように精製した。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 BDV合成ペプチドの作製 Cubittら(Cubitt, B., et al., J. Virol., 68, 1382-1
396, 1994)が報告したBDVの核蛋白(p40)とポリメラ
ーゼコファクター(p24)部位のアミノ酸配列から、Hopp-
Woods法(Hopp, T. P., et al., Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA, 78, 3824-3828, 1981)によって、親水性に富ん
だ部位を13カ所選択した(図1および2)。それぞれのア
ミノ酸配列について、固相合成法によりペプチドを合成
し、逆相液体クロマトグラフィーを使用して純度が95%
以上になるように精製した。
【0008】実施例2 BDV合成ペプチドのスクリー
ニング リコンビナントBDVp40抗原またはリコンビナントB
DVp24抗原をウサギに接種して、抗BDVp40血清、抗
BDVP24血清をそれぞれ作製した。対照としては正常
ウサギ血清を使用した。実施例1で合成した13種類のペ
プチドを、濃度100μg/mlとなるように0.05Mホウ酸緩
衝液(pH9.5)に溶解した。各ペプチド溶液1mlに対して
磁気感応性ビーズ(ダイナビーズM-450TM、ダイナール社
製)30mgを加え、37℃で一夜混和し、13種類のペプチド
結合ビーズを作製した。反応管にニワトリ血清200μl、
ウサギ抗血清20μlおよび各ペプチド結合ビーズ(1mg/m
l)25μlを加え、30℃で9分間反応させた。ビーズを洗
浄後、ルテニウム錯体で標識した抗ウサギIgG抗体液(1
μg/ml)を200μl加え、30℃で9分間反応させた。さら
にビーズを洗浄後、発光電解液を250μl添加してから電
気エネルギーを加え、ビーズにトラップされたルテニウ
ム錯体からの発光量を専用の測定器(ピコルミ8220TM、
三光純薬社製)で計測した。その結果、No.1、2、7お
よびNo.8のペプチドが抗BDVp40ウサギ血清と特異的
に反応し、No.10および11のペプチドが抗BDVp24ウサ
ギ血清と特異的に反応するペプチドであることが判明し
た(表1、2)。これらのペプチドのアミノ酸配列を、配
列番号1(No.1)、2(No.2)、3(No.7)、4(No.8)、5(N
o.10)、6(No.11)にそれぞれ記載した。
ニング リコンビナントBDVp40抗原またはリコンビナントB
DVp24抗原をウサギに接種して、抗BDVp40血清、抗
BDVP24血清をそれぞれ作製した。対照としては正常
ウサギ血清を使用した。実施例1で合成した13種類のペ
プチドを、濃度100μg/mlとなるように0.05Mホウ酸緩
衝液(pH9.5)に溶解した。各ペプチド溶液1mlに対して
磁気感応性ビーズ(ダイナビーズM-450TM、ダイナール社
製)30mgを加え、37℃で一夜混和し、13種類のペプチド
結合ビーズを作製した。反応管にニワトリ血清200μl、
ウサギ抗血清20μlおよび各ペプチド結合ビーズ(1mg/m
l)25μlを加え、30℃で9分間反応させた。ビーズを洗
浄後、ルテニウム錯体で標識した抗ウサギIgG抗体液(1
μg/ml)を200μl加え、30℃で9分間反応させた。さら
にビーズを洗浄後、発光電解液を250μl添加してから電
気エネルギーを加え、ビーズにトラップされたルテニウ
ム錯体からの発光量を専用の測定器(ピコルミ8220TM、
三光純薬社製)で計測した。その結果、No.1、2、7お
よびNo.8のペプチドが抗BDVp40ウサギ血清と特異的
に反応し、No.10および11のペプチドが抗BDVp24ウサ
ギ血清と特異的に反応するペプチドであることが判明し
た(表1、2)。これらのペプチドのアミノ酸配列を、配
列番号1(No.1)、2(No.2)、3(No.7)、4(No.8)、5(N
o.10)、6(No.11)にそれぞれ記載した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
配列番号1 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Pro Lys Arg Arg Leu Val Asp Asp Ala Asp Ala Met Glu Asp Gln Asp 1 5 10 15 Leu Tyr
【0012】配列番号2 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly His Glu Lys Asp Ile Arg Gln Asn Ala Val Ala Leu Leu Asp Gln 1 5 10 15 Ser Arg Arg Asp Met 20
【0013】配列番号3 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Lys Lys Glu Asn Pro Thr Met Ala Gly Tyr Arg Ala Ser 1 5 10
【0014】配列番号4 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Arg Tyr Arg Arg Arg Glu Ile Ser Arg Gly Glu Asp Gly Ala Glu Leu 1 5 10 15 Ser Gly Glu Ile 20
【0015】配列番号5 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gln Pro Val Asp Gln Leu Leu Lys Asp Leu Arg Lys Asn Pro Ser 1 5 10 15
【0016】配列番号6 配列の長さ:21 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asp Pro Asp Gln Arg Thr Gly Arg Glu Gln Leu Ser Asn Asp Glu Leu 1 5 10 15 Ile Lys Lys Leu Val 20
【0017】
【図1】BDVの核蛋白(p40)アミノ酸配列の親水性パ
ターンと合成したペプチドの部位を示した図である。
ターンと合成したペプチドの部位を示した図である。
【図2】BDVのポリメラーゼコファクター(p24)アミ
ノ酸配列の親水性パターンと合成したペプチドの部位を
示した図である。
ノ酸配列の親水性パターンと合成したペプチドの部位を
示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】ボルナ病ウイルスの核蛋白(p40)また
はポリメラーゼコファクター(p24)を構成するポリ
ペプチドであって、配列番号1〜6に記載したアミノ酸
配列を含むものからなるポリペプチドまたはそれらと実
質的に同等なポリペプチド。 - 【請求項2】生体試料中のボルナ病ウイルスの核蛋白
(p40)および/またはポリメラーゼコファクター
(p24)を構成するポリペプチドに対する抗体を検出
する方法であって、(a)生体試料と配列番号1〜6に
示したアミノ酸配列を含むものからなるポリペプチドま
たはそれらと実質的に同等なポリペプチドの少なくとも
1つを混合して、免疫反応物を生成させる過程、(b)
上記免疫反応物に標識を施す過程、(c)標識物を測定
する過程、からなるボルナ病ウイルス抗体の検出方法。 - 【請求項3】ボルナ病ウイルスの核蛋白(p40)およ
び/またはポリメラーゼコファクター(p24)を構成
するポリペプチドであって、配列番号1〜6に記載した
アミノ酸配列を含むものからなるポリペプチドまたはそ
れらと実質的に同等なポリペプチドの少なくとも1つを
構成成分とすることを特徴とするボルナ病ウイルス抗体
の検出試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35473397A JPH11180998A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | ボルナ病ウイルス抗体検出用ポリペプチド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35473397A JPH11180998A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | ボルナ病ウイルス抗体検出用ポリペプチド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11180998A true JPH11180998A (ja) | 1999-07-06 |
Family
ID=18439546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35473397A Pending JPH11180998A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | ボルナ病ウイルス抗体検出用ポリペプチド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11180998A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1460426A1 (en) | 2003-03-20 | 2004-09-22 | Sysmex Corporation | Method for detecting antibody against BDV (Borna disease virus) for detecting a BDV infection |
EP3505936A1 (de) * | 2017-12-29 | 2019-07-03 | Euroimmun Medizinische Labordiagnostika AG | Verfahren zur diagnose einer bornavirus-infektion |
-
1997
- 1997-12-24 JP JP35473397A patent/JPH11180998A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1460426A1 (en) | 2003-03-20 | 2004-09-22 | Sysmex Corporation | Method for detecting antibody against BDV (Borna disease virus) for detecting a BDV infection |
US7919256B2 (en) | 2003-03-20 | 2011-04-05 | Sysmex Corporation | Method for detecting Borna disease virus infection |
EP3505936A1 (de) * | 2017-12-29 | 2019-07-03 | Euroimmun Medizinische Labordiagnostika AG | Verfahren zur diagnose einer bornavirus-infektion |
EP3505935A1 (de) * | 2017-12-29 | 2019-07-03 | Euroimmun Medizinische Labordiagnostika AG | Verfahren zur diagnose einer bornavirus-infektion |
KR20190082100A (ko) * | 2017-12-29 | 2019-07-09 | 유로이뮨 메디지니쉐 라보디아그노스티카 아게 | 보르나바이러스 감염의 진단 방법 |
JP2019120689A (ja) * | 2017-12-29 | 2019-07-22 | ユーロイミューン・メディツィニシェ・ラボルディアグノシュティカ・アクチエンゲゼルシャフト | ボルナウイルス感染を診断する方法 |
US10802024B2 (en) | 2017-12-29 | 2020-10-13 | Euroimmun Medizinische Labordiagnostika Ag | Method for the diagnosis of bornavirus infection |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2130969C1 (ru) | Композиция для диагностики гепатита c человека (варианты), способ и набор для обнаружения антител к вирусу гепатита c человека | |
CN111978378B (zh) | SARS-CoV-2抗原多肽及其应用 | |
WO2017144173A1 (en) | An immunoassay for the diagnosis of viral infections | |
KR20070026802A (ko) | 한타바이러스 감염을 진단하기 위한 방법 및 시약 | |
JP2009185037A (ja) | EhrlichiacanisおよびEhrlichiachaffeensis抗体の検出のための組成物および方法 | |
CN111610327A (zh) | 一种新型冠状病毒检测试剂盒及其制备方法 | |
EP1328811B1 (en) | Hcv mosaic antigen composition | |
JP5647599B2 (ja) | 生物学的試料中の物質を検出する方法 | |
EP1745291B1 (en) | Detection of west nile virus | |
ES2390394T3 (es) | Péptidos sintéticos inmunorreactivos con los autoanticuerpos de la artritis reumatoide | |
KR100500793B1 (ko) | C형간염바이러스감염증진단약 | |
EP3658171B1 (en) | Multi-epitope fusion protein of an hcv antigen and uses thereof | |
JPH01163665A (ja) | イムノアツセイおよびそれに使用される生物学的構築体 | |
CA2161826A1 (en) | Method of measuring interferon activity | |
JPH11180998A (ja) | ボルナ病ウイルス抗体検出用ポリペプチド | |
US20060234214A1 (en) | Methods of detecting hepatitis C virus | |
CA2537429A1 (en) | Method and device for detecting feline immunodeficiency virus | |
JP3149116B2 (ja) | ヒトパルボウイルスのエピトープ関連ペプチド | |
CA2550264C (en) | Method and device for detecting feline immunodeficiency virus | |
US9915662B2 (en) | Protein microarray for characterizing the specificity of the monoclonal immunoglobulins of MGUS or myeloma patients | |
AU680821B2 (en) | Measles virus-specific antibody detection using recombinant measles proteins | |
EP3872492A1 (en) | Identifying borna disease virus (bodv) infection through detection of antibodies against the bodv glycoprotein | |
CN115197294A (zh) | 多肽、多肽组合物、试剂盒及相关应用 | |
JP5348361B2 (ja) | タンパク質の担体への固定化方法、タンパク質を固定化した担体及びタンパク質を固定化した担体を用いた被検物質の測定試薬 | |
JP2003043044A (ja) | 抗体捕捉法による抗体の免疫学的測定方法 |