JPH11179154A - 大気汚染有害物質の浄化方法及び装置 - Google Patents

大気汚染有害物質の浄化方法及び装置

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JPH11179154A
JPH11179154A JP9364840A JP36484097A JPH11179154A JP H11179154 A JPH11179154 A JP H11179154A JP 9364840 A JP9364840 A JP 9364840A JP 36484097 A JP36484097 A JP 36484097A JP H11179154 A JPH11179154 A JP H11179154A
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air
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chloroform
air pollution
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Toshiaki Minami
敏明 南
Hisami Satake
寿巳 佐竹
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Jujo Paper Co Ltd
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Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒反応を利用して紙パルプ製造工程等で
発生するクロロホルムのような大気汚染有害物質までも
分解・除去でき、且つ光触媒体の機能を低下させること
なく安定した状態で長期間連続使用できる方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 光反応性半導体担持物質Aを内蔵した光
触媒反応器Bに注入された気体中の大気汚染有害物質に
紫外線を含有する光を照射する光源Cから紫外線を含有
する光を照射し、光触媒反応により分解した分解ガス中
に発生する酸性ガスをガス捕集器D内の水又は塩基性物
質と反応させて浄化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気汚染有害物質
の浄化方法及び装置に関し、更に詳細には光触媒反応を
利用して紙パルプ製造工程等で発生するクロロホルムの
ような大気汚染有害物質までも分解・除去する浄化方法
及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生活環境に対する関心の高揚に伴い、悪
臭などの日常生活における有害物質の除去の要求が増え
てきており、悪臭除去装置などを組み込んだ空気清浄器
の開発が盛んに行われている。これらの装置では、主に
活性炭を含有したフィルタ−が使われ、活性炭に悪臭物
質を吸着させる方式が採用されてきた。しかしながら、
活性炭は吸着作用はあるが分解能力がないため、一定量
の悪臭物質等の有害物質を吸収すると飽和してしまい、
定期的にフィルタ−を交換しなければならなかった。
【0003】近年、このような問題の解決策として、活
性炭と有害物質を光分解する触媒とを組合わせた複合材
料が開発されて来ている。例えば、特開平1−2347
29号公報で、臭気成分を吸着するハニカム形状等の活
性炭に臭気成分を分解する光触媒層である酸化チタンを
担持させた光反応性半導体複合体を組込んだ空気調和機
が開示されている。この場合、吸着された悪臭成分の一
部は光反応性半導体表面から発現するOHラジカルによ
り分解されるため、活性炭の吸着能を比較的長期間保つ
ことができる。しかし、この方法では光反応性半導体を
担持し且つ光反応効率を高めるために、ハニカム形状等
の特殊な構造の活性炭が必要であり、またその活性炭の
表面及びハニカム内部等に酸化チタンを保持させるため
に特別な工程が必要であった。更に、有害物質を光分解
する触媒として酸化チタンを利用した気相での有害物質
の除去方法としては、例えば特開平2−253848号
公報に、無機質繊維状担体にアナタ−ゼ型酸化チタンを
担持させたオゾン分解触媒が開示されている。
【0004】これ以外に、特開平3−233100号公
報に、二酸化チタンと活性炭との混合物とこれに波長が
300nm以上の光を照射する光源とからなる換気設備
が開示されており、特開平4−256755号公報に、
二酸化チタン等を粒状パルプに担持させることにより家
庭用の脱臭,消臭剤として使用できることが開示されて
いる。更に、久永らはセラミックペ−パ−に二酸化チタ
ンを保持することにより有機ハロゲン化合物の光分解を
行っている(電気化学協会誌、60巻、107ペ−ジ、
1992年)。一方、世界規模での地球環境保護の観点
から、各種の化学工場から排出される大気汚染有害物質
の削減が実施されようとしており、製紙業界でも工場か
ら排出されるクロロホルム,ベンゼン,ホルムアルデヒ
ド等の化学物質が削減の対象になっている。
【0005】しかしながら、前記の従来技術において
は、気相中での有害物質の光分解によって生じる二次的
生成物である各種の酸に対する考慮はなされていなかっ
た。例えば、酸化チタンなどの光触媒分解により大気汚
染物質の一つであるホルマリン等のアルデヒド類からは
分解中間生成物としてカルボン酸が、クロロホルム等の
含塩素系化合物からは最終生成物として塩化水素が、N
Ox等の含窒素系化合物からは最終生成物として硝酸
が、SOx等の含硫黄系化合物からは最終生成物として
硫酸がというように各種の酸が発生する。これらの強酸
は酸化チタン等の光触媒の固体表面に吸着するため、光
触媒担持体の有害物質の分解効率を著しく低下させると
共に、発生した強酸が大気中に再び放出されるといった
二次的大気汚染の問題を生ずる。特に、パルプ製造工程
中の塩素系薬品によるパルプ漂白工程において発生する
大気汚染有害物質の一つであるクロロホルムを効率良く
分解し、その過程で酸化チタン光触媒固体表面から二次
的に発生する塩化水素を効率良く除去できる浄化方法や
装置はこれまでに全く存在していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パルプ製造
工程内の塩素系パルプ漂白工程において発生するクロロ
ホルム等の大気汚染有害物質を効率良く分解すると共
に、その過程で発生する塩化水素等の酸を効率良く除去
する浄化方法及び装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、大気汚染有害物質を含有す
る気体中の大気汚染有害物質を光触媒反応により分解し
て分解ガス中に発生する酸性ガスを水又は塩基性物質と
反応させて浄化すればよく、この大気汚染有害物質の浄
化方法を実施するには、ガス注入口より大気汚染有害物
質を含有する気体が注入される光反応性半導体担持物質
を内蔵した光触媒反応器と、該光触媒反応器内に紫外線
を含有する光を照射する光源と、該光触媒反応器を通過
した気体中の光触媒反応により分解した酸性ガスを水又
は塩基性物質と反応させるガス捕集器とを備えている大
気汚染有害物質の浄化装置が好適であることを究明して
本発明を完成したのである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明に係
る大気汚染有害物質の浄化方法及び装置を詳細に説明す
る。図1〜図3はそれぞれ本発明に係る大気汚染有害物
質の浄化装置の1実施例を示す概念図であり、図4は図
1に示した本発明に係る大気汚染有害物質の浄化装置の
1実施例をタンデムに設置した1実施例を示す概念図で
ある。図面中、Aは光反応性半導体担持体を、Bは光触
媒反応器を、Cは紫外線を含有した光を照射する光源
を、Dはガス捕集器を、Eは流量調整機能付き気体循環
装置を、Fは注入口を、Gは開閉弁付きの排出口を示
し、図面中の矢印→は大気汚染有害物質の浄化装置内の
気体の流れ方向を示す。
【0009】本発明において使用する光反応性半導体と
は、0.5〜5eV、好ましくは1〜3eVの禁止帯幅
を有する、光触媒反応を生じる半導体である。このよう
な光反応性半導体としては、酸化亜鉛,三酸化タングス
テン,二酸化チタン,酸化セリウム等の金属酸化物粒子
がよく、特に二酸化チタンが好ましい。
【0010】これらの金属酸化物粒子は、通常比表面積
が10〜500m2/gのものが用いられるが、二酸化
チタンの場合は比表面積が50〜400m2/gのもの
が好ましい。また、光反応性半導体の表面に白金,パラ
ジウム等の貴金属を担持させることにより、触媒効果の
向上を図ることもできる。
【0011】本発明においては、光反応性半導体を様々
な基材に担持させて光反応性半導体担持体Aとして光触
媒反応器Bに内蔵させる。光反応性半導体担持体Aとし
ては公知のものが幅広く利用できる。例えば図1に示す
如く、セラミック,ガラス,石英ガラス,活性炭,活性
白土,ゼオライト,合成ゼオライト,セピオライト,ベ
ントナイトなどのペレット状の無機多孔質物質に酸化チ
タン等の前記光反応性半導体の超微粒子を混合,混練,
焼成することにより担持させたものであっても、図3に
示す如く、セラミック,ガラス,石英ガラス,活性炭,
活性白土,ゼオライト,合成ゼオライト,セピオライ
ト,ベントナイトなどの粒子状又はフレ−ク状の無機多
孔質物質に酸化チタン等の前記光反応性半導体の超微粒
子を混合,混練,焼成することにより担持させたもので
あっても、図2に示す如く、有機又は無機合成高分子繊
維から成る繊維状物に光反応性半導体の超微粒子を混
合,混練,焼成することにより担持させたものや、更に
有機又は無機合成高分子繊維から成る不織布,織布,天
然繊維から成る紙,織布などの通気性シ−ト内或いは通
気性シ−ト上に光反応性半導体の超微粒子を担持させた
ものであっても、更には発泡又は成型加工などによりハ
ニカム状や三次元網目構造化した無機多孔質物質に光反
応性半導体の超微粒子を担持させたものであっても良
い。これらの中で、セラミック,ガラス,石英ガラス,
ベントナイトなどのペレット状の無機多孔質物質にX線
粒径5〜30nmの超微粒子二酸化チタンを混合,混
練,焼成又は造粒したもの、或いは有機又は無機合成高
分子繊維から成る不織布,織布,天然繊維から成る紙,
織布などの通気性シ−ト内や通気性シ−ト上にX線粒径
5〜30nmの超微粒子二酸化チタンを担持させ、ハニ
カム状に加工した光反応性半導体担持体Aが望ましい。
【0012】このようにして製造された光反応性半導体
担持体Aは光触媒反応器Bに内蔵され、紫外線を含有し
た光を照射する光源Cから紫外線を含有した光が照射さ
れる。この紫外線を含有した光を照射する光源Cとして
は、波長200〜400nmで紫外線強度1〜100m
W/cm2の紫外線を発生する太陽光,蛍光灯,ブラッ
クライト,殺菌灯,水銀灯,ハロゲンランプ,白熱ラン
プの光などを単独で、又は組合せて利用できる。更に、
外部から光触媒反応器Bを100〜300℃に加熱する
ことにより、光触媒反応器B内の光反応性半導体担持体
Aに生じた分解ガス中の酸性ガスを効率良くガス捕集器
Dへと誘導することもできる。
【0013】光触媒反応器Bにはガス捕集器Dが連結さ
れており、光触媒反応器B内での光触媒反応により発生
した二次的生成物である塩化水素,硫酸,硝酸などの強
酸はガス捕集器D内で捕集される。このガス捕集器Dと
しては、水を注入しておくことにより酸性水として取り
出した後に塩基性水溶液で中和して処理することができ
るが、予めガス捕集器D内に塩基性水溶液を注入してお
くことにより捕集処理と中和処理とを同時に行うことも
できる。また、ガス捕集器D内に塩基性固体をを充填し
ておくことにより、固体状態で中和処理を行うこともで
きる。この場合、塩基性固体のサイズとしては直径0.
1〜10mmが望ましい。
【0014】また、ガス捕集方法としては、発生した二
次的生成物である塩化水素,硫酸,硝酸などのガス状強
酸物質に水又は塩基性水溶液を霧状に噴霧することも考
えられるが、除去効率を考慮すると水又は塩基性水溶液
を含有させたガス捕集器Dを使用するか、塩基性固体を
充填したガス捕集器Dを設置しておくことにより固体状
態で中和処理する方法が優れている。
【0015】ガス捕集器D内に注入又は充填する塩基性
水溶液や塩基性固体の塩基性物質としては、従来公知の
塩基性物質が利用できる。具体的には、水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム,水酸化カルシウム,炭酸ナトリウ
ム,炭酸水素ナトリウム,炭酸カルシウム,水酸化アル
ミニウム,アンモニア水などが挙げられる。
【0016】このようにして、クロロホルムなどの紙パ
ルプ製造工程で発生する大気汚染有害気体物質を含有す
る気体を装置内に取り込み、光触媒反応器B内の光反応
性半導体担持体Aで光触媒分解を行い、二次的に発生す
る塩化水素,硫酸,硝酸などの強酸成分をガス捕集器D
内の水,塩基性水溶液又は塩基性固体で捕集する。更
に、装置内に設置されたファン,ブロワ−などの流量調
整機能付き気体循環装置Eを用いることで装置内の気体
を強制的に流動させることが好ましく、図1〜3に示す
如く光触媒反応器Bとガス捕集器Dとが1基ずつ設置さ
れている場合には装置内の気体を連続循環し、大気汚染
有害気体物質を一定レベルまで分解した後に開閉弁付き
の排出口Gから浄化された気体として大気中に排出する
ことが好ましいが、図4に示す如く光触媒反応器Bとガ
ス捕集器Dとが複数基タンデムに設置されている場合に
は装置内の気体を強制的に流動させて大気汚染有害気体
物質を一定レベルまで分解した後に大気中に排出すれば
よい。
【0017】このような本発明に係る大気汚染有害物質
の浄化方法及び装置によれば、光反応性半導体担持体A
を内蔵した光触媒反応器Bを光源Cから紫外線を含有し
た光を照射することにより、塩素系パルプ漂白工程にお
いて発生するクロロホルムなどの大気汚染有害物質を光
分解し、そこで二次的に発生する塩化水素などの酸性物
質を光触媒反応器Bに連結されたガス捕集器Dで捕集す
ることにより、大気汚染有害物質の光触媒分解と二次的
大気汚染有害物質の除去とを同時に行うことができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 (実施例1)硫酸チタニルを加熱加水分解して得られた
酸性チタニアゾルをTiO2基準で40g/Lに水で希
釈した後、この希釈液に多孔質球状セラミックビ−ズ
(直径2mm)の充填材を1時間含浸させ、アンモニア
水を添加してpH7に中和して充填材の表面に酸化チタ
ンを付着させた。更に、この酸化チタン付着充填材をろ
過分離し、乾燥させた後、600℃の温度で1時間焼成
し、この焼成した充填材を水洗,乾燥して光反応性半導
体担持体Aを得た。この担持体A50gをガラス管(内
径20mm×長さ300mm×厚さ1mm)内に充填し
て光触媒反応器Bとした。この光触媒反応器Bの両サイ
ド5cmの距離に20Wの紫外線を含有した光を照射す
る光源Cであるブラックライト(352nmに吸収ピ−
ク)を2個設置し、この光触媒反応器Bに水を注入した
ガス捕集器Dを連結し、このガス捕集器Dに流量調整機
能付き気体循環装置Eとしてエアーポンプを連結し、こ
のエアーポンプEから送り出された気体が開閉弁付きの
排出口Gと大気汚染物質を含有する気体を注入する注入
口Fとに供給され、開閉弁付きの排出口Gが閉鎖されて
いる場合には再び光触媒反応器Bに接続されて循環シス
テムが構成されている図1に示す全容積が5000ml
に設定された大気汚染物質の浄化装置を形成した。
【0019】この図1に示す浄化装置を使用して、注入
口Fから濃度250000ppmのガス状クロロホルム
を含有する空気3mlを、シリンジを用いて系内に注入
した。この時、注入口Fから測定した系内のクロロホル
ムの初期濃度は150ppmであった。そして、ブラッ
クライトCから紫外線強度4mW/cm2で光照射を行
いながら、エアーポンプEにより10リットル/分の流
量で系内の気体を循環し、10時間連続運転を行った。
10時間後、開閉弁付きの排出口Gを開いて排出口Gか
ら排出ガスを採取し、クロロホルム及び塩化水素の濃度
を測定した。その結果、クロロホルムの光触媒分解反応
により発生した塩化水素は総てガス捕集器D内の水に溶
解して塩酸に変化していて塩化水素の濃度は0ppmで
あった。また、クロロホルムの最終濃度は5ppmであ
った。このように、クロロホルムの初期濃度150pp
mと最終濃度5ppmとより、光触媒分解効率は96.
7%であり、また10時間の連続運転でも光反応性半導
体担持体Aの分解効率の低下は認められなかった。
【0020】(比較例1)実施例1において、ガス捕集
器Dを設置しない以外は同様な装置及び条件で実験を行
った。その結果、クロロホルムの光触媒分解反応により
発生した塩化水素の濃度は100ppm、クロロホルム
の最終濃度は50ppmであった。このように、クロロ
ホルムの初期濃度150ppmと最終濃度50ppmと
より、光触媒分解効率は66.7%であり、10時間の
連続運転で光反応性半導体担持体Aの分解効率の低下が
認められた。
【0021】(実施例2)硫酸法酸化チタンの製造工程
中に得られる含水酸化チタンを水酸化ナトリウム水溶液
で中和洗浄し、塩酸により解膠して酸化チタン換算で4
0重量%でpH1のチタニアゾル原液を得た。このチタ
ニアゾル原液を10倍に希釈した後、ブチンジオール系
ノニオン界面活性剤のメタノール溶液を1000ppm
添加してチタニア含浸液とした。水流交絡法により強度
を増強したポリプロピレン繊維より成る不織布(目付
量:40g/m2)をコロナ処理した後、上記チタニア
ゾル含浸液に浸漬して軽く絞った。一方、炭酸水素ナト
リウムを水に溶解してpH8のアルカリ処理用水溶液を
作製し、このアルカリ処理用水溶液にチタニアゾルを含
浸させた不織布を浸漬して酸化チタンを不織布に担持さ
せ、80℃で3分間風乾し、更に成型加工によりハニカ
ム構造の光反応性半導体担持体Aを得た。この担持体A
(縦300mm×横300mm×厚み10mm)をガラ
ス管(内径300mm×長さ300mm×厚さ5mm)
内に設置し光触媒反応器Bとした。この光触媒反応器B
の両サイド5cmの距離に紫外線を含有した光を照射す
る光源Cである20Wの殺菌灯(254nmに吸収ピ−
ク)を2個設置した。この光触媒反応器Bに水酸化ナト
リウム水溶液を注入したガス捕集器Dを連結し、このガ
ス捕集器Dに流量調整機能付き気体循環装置Eとしてエ
アーポンプを連結し、このエアーポンプEから送り出さ
れた気体が開閉弁付きの排出口Gと大気汚染物質を含有
する気体を注入する注入口Fとに供給され、開閉弁付き
の排出口Gが閉鎖されている場合には再び光触媒反応器
Bに接続されて循環システムが構成されている図2に示
す全容積が5000mlに設定された大気汚染物質の浄
化装置を形成した。
【0022】この図2に示す浄化装置を使用して、注入
口Fから濃度250000ppmのガス状クロロホルム
を含有する空気3mlを、シリンジを用いて系内に注入
した。この時、注入口Fから測定した系内のクロロホル
ムの初期濃度は150ppmであった。そして、殺菌灯
Cから紫外線強度4mW/cm2で光照射を行いなが
ら、エアーポンプEにより10リットル/分の流量で系
内の気体を循環し、10時間連続運転を行った。10時
間後、開閉弁付きの排出口Gを開いて排出口Gから排出
ガスを採取し、クロロホルム及び塩化水素の濃度を測定
した。その結果、クロロホルムの光触媒分解反応により
発生した塩化水素は総てガス捕集器D内の水酸化ナトリ
ウム水溶液と反応して塩化ナトリウムに変化しており、
塩化水素の濃度は0ppmであった。また、クロロホル
ムの最終濃度は4ppmであった。このように、クロロ
ホルムの初期濃度150ppmと最終濃度4ppmとよ
り、光触媒分解効率は97.3%であり、また10時間
の連続運転でも光反応性半導体担持体Aの分解効率の低
下は認められなかった。
【0023】(比較例2)実施例2において、ガス捕集
器Dを設置しない以外は同様な装置及び条件で実験を行
った。その結果、クロロホルムの光触媒分解反応により
発生した塩化水素の濃度は90ppmであった。また、
クロロホルムの最終濃度は55ppmであった。クロロ
ホルムの初期濃度150ppmと最終濃度55ppmと
より、光触媒分解効率は63.3%であり、10時間の
連続運転で光反応性半導体担持体Aの分解効率の低下が
認められた。
【0024】(実施例3)LBKP微細パルプ繊維10
0gを水2000mlに1時間撹拌しながら分散させ、
このパルプ繊維分散液に超微粒子酸化チタンの20%分
散液50gを添加し1時間撹拌し、更に10%ポリビニ
ルアルコール水溶液50gを添加し1時間撹拌した。次
にスクリーンでこの超微粒子酸化チタンの付着した微細
パルプ繊維を濾過し、濾過物を100℃で1時間乾燥・
粉砕して光反応性半導体担持体Aを得た。この担持体A
50gを、ガラス管(内径20mm×長さ300mm×
厚さ1mm)内に充填して光触媒反応器Bとした。この
光触媒反応器Bの両サイド5cmの距離に100Wの紫
外線を含有した光を照射する光源Cである水銀灯を2個
設置し、この光触媒反応器Bに水酸化ナトリウム固体を
充填したガス捕集器Dを連結し、このガス捕集器Dに流
量調整機能付き気体循環装置Eとしてエアーポンプを連
結し、このエアーポンプEから送り出された気体が開閉
弁付きの排出口Gと大気汚染物質を含有する気体を注入
する注入口Fとに供給され、開閉弁付きの排出口Gが閉
鎖されている場合には再び光触媒反応器Bに接続されて
循環システムが構成されている図3に示す全容積が50
00mlに設定された大気汚染物質の浄化装置を形成し
た。
【0025】この図3に示す浄化装置を使用して、注入
口Fから濃度250000ppmのガス状クロロホルム
を含有する空気3mlを、シリンジを用いて系内に注入
した。この時、注入口Fから測定した系内のクロロホル
ムの初期濃度は150ppmであった。そして、水銀灯
Cから紫外線強度20mW/cm2で光照射を行いなが
らエアーポンプEにより10リットル/分の流量で系内
の気体を循環し、10時間連続運転を行った。10時間
後、開閉弁付きの排出口Gを開いて排出口Gから排出ガ
スを採取し、クロロホルム及び塩化水素の濃度を測定し
た。その結果、クロロホルムの光触媒分解反応により発
生した塩化水素は総てガス捕集器D内の水酸化ナトリウ
ム固体と反応して塩化ナトリウムに変化しており、塩化
水素の濃度は0ppmであった。また、クロロホルムの
最終濃度は3ppmであった。このように、クロロホル
ムの初期濃度150ppmと最終濃度3ppmとより、
光触媒分解効率は98%であり、また10時間の連続運
転でも光反応性半導体担持体Aの分解効率の低下は認め
られなかった。
【0026】(比較例3)実施例3において、ガス捕集
器Dを設置しない以外は同様な装置及び条件で実験を行
った。その結果、クロロホルムの光触媒分解反応により
発生した塩化水素の濃度は125ppm、クロロホルム
の最終濃度は60ppmであった。このように、クロロ
ホルムの初期濃度150ppmと最終濃度60ppmと
より、光触媒分解効率は60%であり、10時間の連続
運転で光反応性半導体担持体Aの分解効率の低下が認め
られた。
【0027】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明に係る大気
汚染有害物質の浄化方法及び装置は、化学工場で排出さ
れるクロロホルムの如き大気汚染有害物質を効率良く光
分解し、二次的に発生する大気汚染有害物質をも捕集・
除去できるため、極めて効率良く大気汚染有害物質の浄
化が行えると同時に、光触媒体の機能を低下させること
なく安定した状態で長期間連続使用できる。特に、パル
プ製造工程中の塩素系薬品によるパルプ漂白工程におい
て発生する大気汚染有害物質の一つであるクロロホルム
を効率良く分解できると共に、その過程で二次的に発生
する塩化水素を効率良く除去することが可能であり、そ
の工業的価値は非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気汚染有害物質の浄化装置の1
実施例を示す概念図である。
【図2】本発明に係る大気汚染有害物質の浄化装置の他
の実施例を示す概念図である。
【図3】本発明に係る大気汚染有害物質の浄化装置の他
の実施例を示す概念図である。
【図4】図1に示した本発明に係る大気汚染有害物質の
浄化装置の1実施例をタンデムに設置した1実施例を示
す概念図である。
【符号の説明】
A 光反応性半導体担持体 B 光触媒反応器 C 紫外線を含有した光を照射する光源 D ガス捕集器 E 流量調整機能付き気体循環装置 F 注入口 G 開閉弁付き排出口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気汚染有害物質を含有する気体中の大
    気汚染有害物質を光触媒反応により分解して分解ガス中
    に発生する酸性ガスを水又は塩基性物質と反応させて浄
    化することを特徴とする大気汚染有害物質の浄化方法。
  2. 【請求項2】 大気汚染有害物質が紙パルプ製造工程等
    で発生するクロロホルムである請求項1に記載の大気汚
    染有害物質の浄化方法。
  3. 【請求項3】 ガス注入口(F)より大気汚染有害物質を
    含有する気体が注入される光反応性半導体担持物質(A)
    を内蔵した光触媒反応器(B)と、該光触媒反応器(B)内
    に紫外線を含有する光を照射する光源(C)と、該光触媒
    反応器(B)を通過した気体中の光触媒反応により分解し
    た酸性ガスを水又は塩基性物質と反応させるガス捕集器
    (D)とを備えていることを特徴とする大気汚染有害物質
    の浄化装置。
  4. 【請求項4】 ガス捕集器(D)内の塩基性物質が、塩基
    性水溶液又は塩基性固体である請求項3に記載の有害物
    質の大気汚染有害物質の浄化装置。
  5. 【請求項5】 紫外線を含有する光を照射する光源(C)
    が、太陽光,蛍光灯,ブラックライト,殺菌灯、水銀
    灯,ハロゲンランプ及び白熱ランプの群から選ばれる少
    なくとも一種の光源である請求項3又は4に記載の大気
    汚染有害物質の浄化装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100713173B1 (ko) 2006-01-19 2007-05-02 고려공업검사 주식회사 기-액 2상 유동층 반응기를 포함하는 공기정화장치
JP2010149038A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 持続的光触媒反応を利用した大気中の窒素酸化物の回収方法
WO2011061842A1 (ja) * 2009-11-19 2011-05-26 イビデン株式会社 ハニカム構造体の製造方法
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