JPH11178732A - 浴槽用蓋、浴槽用蓋部材および浴槽用蓋部材のパッケージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入浴時に浴室の洗い場を占めることなく容易
に浴槽用蓋の開閉、浴室壁面への係止ができ、かつ、清
掃が容易な上、インテリアとしても利用可能な浴槽用蓋
を提供する。併せて、需用者が浴槽用蓋部材を容易に持
ち運びできるパッケージを提供する。 【解決手段】 浴槽用蓋を平板状の浴槽用蓋本体と、該
浴槽用蓋本体を浴室の壁面に係止する係止手段からなる
ものとし、前記蓋本体を浴槽縁部に立て掛け、前記係止
手段を介して壁面に固定可能に構成されているものとす
る。また、前記浴槽用蓋において、その表面及び／又は
裏面には装飾模様を配してなるものとし、好適には前記
装飾模様を浴槽用蓋の表裏両面に配し、一面を横位置模
様とし、他面を縦位置模様とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は浴槽用蓋に係り、特に取
り扱いが容易であり、入浴時に洗い場の場所を取らず、
かつ浴室の装飾としても利用できる浴槽用蓋、浴槽用蓋
部材およびその持ち運びのためのパッケージに関する。

【０００２】

【従来の技術】浴槽用蓋としては、従来、いわゆるシャ
ッター式のもの、すなわち使用時には浴槽上面に広げて
蓋として機能させ、入浴時には円筒状に巻き上げて洗い
場に置くものが広く用いられてきた。また、浴槽上面を
覆う部分を２ないし３枚に分割した板状の蓋も用いられ
てきた。これらの蓋は何れも入浴時には浴室の洗い場に
置かざるを得ず、浴室が狭い場合には入浴の快適さを損
なうものである上、一般に重量が重く、開閉のための取
り扱いが容易ではなかった。また、これらの蓋は保温機
能が重視され、浴室の装飾機能は考慮されていなかっ
た。さらに、シャッター式の風呂蓋等では表面に凹凸が
多く、汚れがつきやすく、かつその清掃にも手間がかか
り、衛生上の問題もあった。

【０００３】このような問題を解決するために、実開昭
６３−５０２８３号公報には、絵や写真をプリントした
風呂蓋の端に取手孔と掛け孔を設け、入浴時には風呂蓋
を浴室の壁面に掛けて洗い場を大きく占めることをなく
し、併せて、インテリアとしても利用しようとする提案
がなされている。また、実開平３ー１０２９８４号公報
には、合板の表面及び裏面に発泡樹脂から成るシートを
貼着して蓋体を形成し、この蓋体の周縁に廻り縁を設け
てなる風呂の蓋が提案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記提案
によるときは、蓋の開閉の際の壁面への固定などの取り
扱いが容易でないという問題があった。また、風呂蓋の
清掃を容易にするという観点からの検討も不十分であっ
た。さらに、従来の提案では、浴槽用蓋を浴室壁面に立
て掛ける場合に利用できる壁面との関係が考慮されてお
らず、インテリアとして利用するには浴室の条件に合わ
せて多種類の蓋を用意しなければならないという問題も
あった。

【０００５】本発明はこれら従来の浴槽用蓋に係る問題
点を解決することを目的とし、入浴時に浴室の洗い場を
占めることなく容易に浴槽用蓋の開閉、壁面への係止、
固定ができ、かつ、清掃が容易な上、インテリアとして
も利用可能な浴槽用蓋を提案することを目的とする。併
せて、本発明に係る浴槽用蓋部材を需用者が容易に持ち
運びできるパッケージを提案することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、まず、浴槽用蓋を、平板状の浴槽用蓋本体
と、該浴槽用蓋本体を浴室の壁面に係止する係止部材か
らなり、前記浴槽用蓋本体を浴槽縁部に立て掛け、前記
係止部材を介して壁面に係止可能に構成されているもの
とする。また、前記浴槽用蓋を多孔質樹脂または中空樹
脂成形品からなるものとして軽量化し、前記壁面への係
止を容易にするものである。また、その表面及び／又は
裏面には装飾模様を配してなるものとし、好適には前記
装飾模様を浴槽用蓋の表裏両面に配し、一面を横位置模
様とし、他面を縦位置模様とするものである。

【０００７】さらに、本発明は浴槽用蓋部材を、平板状
の浴槽用蓋本体と、該浴槽用蓋本体に対する接着手段を
有する磁性体と、浴室の壁面に対する接着手段を有する
磁性体とからなるものとする。さらに、上記浴槽用蓋の
パッケージを持ち運び用把手をパッケージ外面の中央部
下方に取り付けてなるものとする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。図１は本発明に係る浴槽用蓋の代表的な使
用状態を示す立面図である。ここに示すように、浴室内
に設置された浴槽４の上縁部５に置かれる浴槽用蓋１に
は係止手段２として磁性体３が取り付けられており、入
浴時には一点破線で示すように蓋１の一端を浴槽４の上
縁部５に置いて壁面６に立て掛け、浴室の壁面６に設け
た係止手段２としての磁性体３’と前記浴槽用蓋１に取
り付けられた磁性体３を磁力により吸着させ、浴槽用蓋
１を壁面６に係止できるようになっている。

【０００９】浴槽用蓋本体１は、平板状のものとして、
ワンタッチで蓋の開閉ができるようにする。平板状とは
大きな凹凸がないという意味であって、これにより清掃
が容易になるとともに、後述する装飾模様の貼り付けが
容易になる。なお、上記平板状の浴槽用蓋本体１は完全
に一体のものであってもよいが、その端部を切欠きある
いは分割した上、それらを蝶番等の手段によって本体と
繋ぎ、端部のみが開閉できる構造にして、蓋全体は閉じ
たまま湯の汲み出しなどができるようにしてもよい。

【００１０】上記浴槽用蓋１の材質は多孔質の樹脂また
は中空樹脂成形品とし軽量化するのがよい。これによ
り、入浴時における蓋１の開閉が極めて容易になり力の
ない老人等でも面倒がらずに確実に蓋を閉めて入浴を終
わることができる。ここに、多孔質の樹脂とは、いわゆ
る発泡樹脂を広く含み、軽量で比較的強度のある発泡ポ
リエチレン、ポリウレタン等を利用しうる。その密度は
０．０２〜０．１０ｇ／ｃｍ³程度とするのがよく、ま
た、その厚さは浴槽用蓋に要求される強度を考慮してほ
ぼ１０〜４０ｍｍとするのがよい。この多孔質の樹脂
は、軽量化のため原則として上記樹脂のみで構成する
が、必要に応じて、補強のため、鋼線などの補強部材を
適宜を内部に配してもよい。また、中空樹脂製とは、硬
質ポリエチレンなどでできた比較的大きな空間を内部に
有する樹脂成形品をいい、適当な強度を有し、かつ、軽
量であることが望ましい。

【００１１】上記多孔質の樹脂の外部表面は滑らかなシ
ートで覆ってもよい。また、表面に薄い不透水性のコー
ティングを施してもよい。これにより浴槽用蓋１は汚れ
がつきがたくなり、また清掃が容易になり、また、後に
説明する装飾模様を貼り付けるのが容易になる。なお、
浴槽用蓋１が浴槽４の上縁５と当接する部分には必要に
応じ滑り止め加工を施しておくのがよい。

【００１２】このように構成された浴槽用蓋１の端部に
は、図１に示すように、たとえば磁石３などが取り付け
られ、一方浴室壁面６には上記磁石と引き合う磁性体
３’が取り付けられ、これらを係止部材２として上記浴
槽用蓋を浴槽上縁部５と壁面６との間に立てかけるとと
もに、蓋本体１を壁面６に係止することができる。かく
することにより、浴室の洗い場７には浴槽用蓋が置かれ
ることがないので、洗い場を広く使うことができ快適に
入浴できる。

【００１３】上記例においては、蓋本体１を浴室壁面６
に係止する手段は磁石３、３’を用いたが、本発明にお
いては特に磁石に限ることを要せず、いわゆるマジック
テープ、ホック、吸着盤、粘着テープその他の固定手段
を広く用いうる。その際、請求項２記載のように蓋本体
１が軽量の部材で構成されている場合には、上記係止手
段は着脱容易な簡便なものを用いればよい。なお、上記
係止手段は蓋本体１の端部と壁面６との間に設ければよ
いが、その個数は、その幅方向について１カ所としても
よくあるいは２個所以上としてもよい。さらに、上記係
止手段は必ずしも浴槽用蓋本体１と浴室の壁面６との間
に設けることを要せず、浴槽用蓋の側面部９と浴槽上縁
部５の間に滑り止めを設けて蓋１を壁面６に立てかけた
とき蓋１がずり落ちないようにしてもよい。

【００１４】本発明に係る浴槽用蓋本体の表面は全体を
無地のままとしても基本的機能は達しうるが、その表面
及び／又は裏面には装飾模様を配するのが好適である。
装飾模様としては、写真、絵画、さらには文字等を広く
用いることができ、これらを蓋表面に貼り付け、あるい
は印刷するなどの手段により蓋本体と一体化するとよ
い。その場合において、装飾模様はその裏面のみに配
し、図１のように蓋１を壁６に立てかけたとき、模様が
浴室内を飾るように現れるようにし、一面は無地として
もよい。あるいは両面に模様を配し、蓋として使用する
ときと入浴時とでは異なった模様が現れるようにしても
よい。さらに、上記蓋本体の表面に鏡（プラスチックミ
ラー）や時計、砂時計、温度計、水温計さらにはテレ
ビ、ラジオ、音響装置、カップホールダー、防水ポケッ
ト、防水ブックホルダーなどの入浴の際使用する小物を
配置することも可能である。

【００１５】さらに、図２に示すように浴槽用蓋本体１
の縦位置と横位置とで配する模様を変えるものよい。こ
のようにすることにより、図３（ａ）、（ｂ）に示すよ
うに浴槽用蓋本体１を壁面６の正面あるいは側面いずれ
の面に立てかけても装飾模様を浴室内に現すことができ
る。これによりたとえば浴室の一面には窓８などがあ
り、蓋本体１を立てかけることができない場合であって
も、他の面に蓋本体１を立てかけ、装飾模様を浴室内に
現すことが可能である。

【００１６】この表裏横位置と縦位置とで装飾模様を異
ならせる場合には、上記蓋本体１の側に設ける係止手段
２は、蓋本体１を横位置で使用する場合には縦位置の装
飾模様が現れているサイドの端部に設ければよく、一
方、縦位置で使用する場合には上記と逆にすればよい。

【００１７】本発明の浴槽用蓋に用いる係止手段、たと
えば磁石３は、蓋本体１及び壁面に対する接着材によっ
て蓋本体１及び壁面６に固定される。この固定は本発明
に係る風呂蓋の使用者自身で行うようにすれば良く、そ
のため、たとえばマグネットと適当な接着剤をセットと
して供給すればよい。あるいは工場製作段階で蓋本体１
には磁石などを固定しておき、壁面用の磁性体は壁面の
特性に応じ使用者自身が壁面６に取り付けるようにして
もよい。このようにすることにより、前記のように縦位
置と横位置とで装飾模様を異ならせ、使用者自身が好み
や環境に合わせて使用方向を決めることができ、販売店
における在庫の減少を図りながら、需用者の好み・環境
に合わせて使用できる浴槽用蓋を供給できる。

【００１８】本発明に係る浴槽用蓋１は軽量ではある
が、いわゆる１枚物であるので需用者が販売店から家庭
内に持ちこむのにやや問題がある。その点を解決するた
めに、本発明においては、上記浴槽用蓋部材を収納した
パッケージ１１の持ち運び用把手１２を図４に示す如く
パッケージ１１の中央部下方に取付け、需用者が小脇に
抱えて持ち運べるようにするのがよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、浴
槽用蓋を入浴時に洗い場の場所を取らず、かつ極めて容
易に開閉することができるので、入浴者はこまめに蓋を
閉めるようになる。その結果、蓋本来の目的である浴槽
からの無駄な放熱を防ぐという目的が十分果たされるこ
とになり、追いだきや熱湯の注入などによる熱エネルギ
ーの消費を抑制することができ、地球環境問題の解決に
も寄与する。さらに、本発明の浴槽用蓋は使用者の環境
に合わせて浴室の装飾としても利用できるようにするこ
とができるようになっており、これにより需用者は上記
効果を装飾効果とともに得ることができる。さらに、縦
位置と横位置とで装飾模様を異ならせることにより、販
売店における在庫の減少を図りながら、需用者の好み・
環境に合わせてた浴槽用蓋を提供することが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る浴槽用蓋の使用状態を示す断面図
である。

【図２】本発明に係る浴槽用蓋本体表裏両面に表される
装飾模様を示す見取り図である。

【図３】浴室内における本発明に係る浴槽用蓋の使用状
態を示す見取り図である。

【図４】本発明に係る浴槽用蓋部材の運搬に用いるパッ
ケージの外面斜視図である。

【符号の説明】

１：浴槽用蓋本体 ２：係止手段 ３、３’：磁性体 ４：浴槽 ５：浴槽上部縁 ６：浴室壁面 ７：洗い場 ８：窓 ９：浴槽用蓋側面部 １１：パッケージ １２：把手

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平板状の浴槽用蓋本体と、該浴槽用蓋本
   体を浴室の壁面に係止する係止手段からなり、前記浴槽
   用蓋本体を浴槽縁部に立て掛け、前記係止手段を介して
   壁面に係止可能に構成されていることを特徴とする浴槽
   用蓋。
2. 【請求項２】 浴槽用蓋本体は多孔質樹脂または中空樹
   脂成形品からなることを特徴とする請求項１記載の浴槽
   用蓋。
3. 【請求項３】 浴槽用蓋本体の表面及び／又は裏面には
   装飾模様を配してなることを特徴とする請求項１又は２
   記載の浴槽用蓋。
4. 【請求項４】 装飾模様が浴槽用蓋の表裏両面に配さ
   れ、一面が横位置模様であり、他面が縦位置模様である
   ことを特徴とする請求項３記載の浴槽用蓋。
5. 【請求項５】 平板状の浴槽用蓋本体と、該浴槽用蓋本
   体に対する接着手段を有する磁性体と、浴室の壁面に対
   する接着手段を有する磁性体とからなることを特徴とす
   る浴槽用蓋部材。
6. 【請求項６】 浴槽用蓋部材のパッケージにおいて、持
   ち運び用把手をパッケージ外面の中央部下方に取り付け
   てなることを特徴とする請求項５記載の浴槽用蓋部材の
   パッケージ。