JPH11166088A - ゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法

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JPH11166088A
JPH11166088A JP10269751A JP26975198A JPH11166088A JP H11166088 A JPH11166088 A JP H11166088A JP 10269751 A JP10269751 A JP 10269751A JP 26975198 A JP26975198 A JP 26975198A JP H11166088 A JPH11166088 A JP H11166088A
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rubber
styrene
resin composition
polymerization
producing
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JP10269751A
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Inventor
Ryuichi Sugimoto
隆一 杉本
Hisao Morita
尚夫 森田
So Iwamoto
宗 岩本
Masato Takaku
真人 高久
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性及び流動性の高いゴム変性スチレン
樹脂組成物を得る。 【解決手段】 連続的につながった2基以上の反応槽か
らなる連続重合装置を用いて、ゴム変性スチレン樹脂組
成物を製造するに際し、有機過酸化物の濃度(wt.p
pm)[I]と芳香族系溶剤の濃度[E](wt.%)
と分子量調整剤の濃度[S](wt.ppm)が次式、 9≦15[I]1/2/[E]+[S]1/3≦21 式[1] を満たす重合原液を使用し、完全混合型反応槽である第
1攪拌槽においてスチレンの反応率が20〜35%でゴ
ムの分散相を形成、続く反応槽で反応率を50〜95%
まで高め、残存のモノマーと溶媒を分離して、体積平均
粒子径が1〜4ミクロン、体積基準の粒子径の累積分布
の10%値と90%値の比の値が3ないし20の範囲で
あるゴム分散粒子を形成させる製造方法の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム変性スチレン系
樹脂組成物の製造方法に関する。詳しくは特定の重合条
件で、重合することにより耐衝撃性を向上させた流動性
の高いゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレンは透明で硬く、寸法安定
性、電気絶縁性に優れた樹脂であるが衝撃に弱い。この
欠点を改良するためにゴム状重合体を加えた耐衝撃性ス
チレン系樹脂が開発されている。耐衝撃性スチレン系樹
脂はポリスチレンにゴム状重合体をブレンドしたものも
知られているが単にゴム状重合体をブレンドしただけで
は耐衝撃性の改良効果が小さい。
【0003】通常はスチレンの重合時にゴム状重合体を
加えてグラフト反応によりゴム状重合体にスチレンをグ
ラフト化することによりゴム状重合体を分散し易くして
耐衝撃性の良好なゴム変性スチレン系樹脂組成物が製造
されている。
【0004】この様にして製造されるゴム変性スチレン
系樹脂組成物の物性にはゴム状重合体の粒子の大きさと
その構造が大きな影響を与えていることが知られてお
り、ゴム状重合体の粒子のモルフォロジーをコントロー
ルすることにより物性の良好なゴム変性スチレン系樹脂
組成物を合成する検討がなされている。
【0005】この様な耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を製
造する方法として現在では塊状重合方法、溶液重合方
法、懸濁重合方法、塊状−懸濁重合方法、乳化重合方法
などの重合方法が工業的に実施されている。
【0006】これらの重合方法の中でも連続塊状重合方
法は物性の均一な製品が大量に低コストで得られること
から生産規模の拡大に伴って、多く採用されている。
【0007】連続塊状重合方法では耐衝撃性スチレン系
樹脂の製造に改質剤としてゴム状重合体が用いられてお
り、通常はこれらのゴム状重合体を粉砕機で砕片にして
スチレンモノマー中に入れて溶解し、ついで重合開始
剤、分子量調整剤、酸化防止剤等の添加剤を加えて重合
させ、ゴム状重合体の二重結合にスチレンがグラフトす
ることによりポリスチレンを内包したゴム状重合体粒子
が分散した耐衝撃性の良好なスチレン系樹脂が製造され
ている。
【0008】この様にして製造される耐衝撃性スチレン
系樹脂は耐衝撃性と剛性のバランスに優れていることか
ら、ABS樹脂に代えてゴム変性スチレン系樹脂の使用
が多くなってきており、家電製品やOA機器、自動車部
品を始め、多くの工業部品にも使用されている。たとえ
ば射出成形法で成形される大型でより複雑な形状を有
し、しかも肉厚が薄い成形物にも用いられるようになっ
た。最近ではこれらの成形加工性を改良するため、流動
性の高い樹脂材料が望まれるようになってきた。
【0009】しかしながらゴム変性スチレン系樹脂組成
物に含まれるゴム状重合体は衝撃性の改良には多く入れ
るほど有効であるが、逆に流動性を低下させてしまうと
言う問題があった。
【0010】そのために流動性を改良する方法として分
子量調整剤(連鎖移動剤)を大量に用いてマトリックス
部分の分子量を小さくする方法が知られているがこの方
法では衝撃強度が低下すると言う問題がある。
【0011】衝撃強度改良のため、米国特許44939
22、や特開昭63−112846号公報ではスチレン
−ブタジエン共重合ゴムを用いて形成された単一オクル
ージョン構造のゴム状重合体粒子を有するゴム変性スチ
レン系樹脂組成物と少量のサラミ構造のゴム状重合体粒
子を有する通常のゴム変性スチレン系樹脂組成物をブレ
ンドする方法が提案されている。これらの方法では衝撃
強度は改良されるが製造工程が複雑であり、物性も十分
とは言えない。
【0012】また特開昭52−86444号公報にはゴ
ム状重合体として連鎖のブタジエン単位に占めるシス
1、4結合の割合が90モル%以上のポリブタジエンゴ
ムを用いた耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、また特
公昭55−30525号公報には有機過酸化物を使用し
て特定のゴム状重合体を使用して樹脂中のゲル含有量を
増加させる方法が開示されているが、このら方法では何
れも流動性が低下する。
【0013】また特開昭60−130613号公報、特
開昭60−130614号公報では特定のゴム状重合体
を使用し、分散ゴム状重合体粒子の粒子径や粒子径分布
を特定した樹脂組成物について開示されているが、製品
の流動性を向上せしめて衝撃強度を高く保持したゴム変
性スチレン系樹脂組成物を製造する技術については何等
開示されていない。
【0014】また、特公平6−99531号公報には、
有機過酸化物と分子量調整剤(連鎖移動剤)の量比を特
定してスチレンを重合することにより、高い衝撃性のス
チレン系樹脂を製造する方法が開示されているが、この
方法では高い衝撃性のスチレン系樹脂は製造できるが高
流動性のものは得られない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一般にスチレン系単量
体のラジカル重合では重合速度は開始剤濃度の2分の1
乗に比例することが知られている。ところが樹脂の流動
性を上げるためにマトリックス部分の分子量を小さくす
る分子量調整剤(連鎖移動剤)を入れると、この関係が
成り立たなくなってしまう。一方、連鎖移動剤として用
いられる分子量調整剤のメルカプタン化合物は有機過酸
化物と共に使用するとゴム状重合体粒子の粒子径を小さ
くする効果が低下することが知られている。
【0016】また有機過酸化物だけでは使用量に比例し
て粒子径分布が非常に広くなってしまうなどの問題があ
る。いずれにせよ開始剤として使用される有機過酸化物
濃度と連鎖移動剤濃度との関係はほとんど解明されてお
らず、さらにこれらの量比関係と得られる樹脂の物性と
の関連に関しては全く知られていない。
【0017】例えば射出成形法で成形される大型で薄肉
で複雑な形状を有する成形物用の樹脂材料として適当
な、ゴム変性スチレン系樹脂の製造方法が望まれてい
る。本発明は成形加工時の流動性が高く、高い衝撃強度
を有する物性のバランスの優れたゴム変性スチレン系樹
脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討を行い、重合に関わる種々の因子
の物性への影響を詳細に検討したところ、開始剤濃度と
連鎖移動剤濃度との関係を把握して流動性を改良するた
めに分子量を小さくしてもゴム状重合体へのスチレンの
グラフト率を大きくしてさらに分散されたゴム状重合体
の粒子径と粒子径分布をコントロールするという、従来
の知見より全く新しい製造方法によってゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を製造することにより流動性が高く、高
い衝撃強度を有するゴム変性スチレン系樹脂組成物が得
られ、上記の目的が達成されることを見いだして本発明
を完成した。
【0019】すなわち本発明は、少なくとも1基の完全
混合型反応槽を含む、2基以上の反応槽からなる連続重
合装置を用い、塊状重合又は溶液重合により、連続相が
スチレン系樹脂、分散相がスチレン系樹脂を内包するジ
エン系ゴム状重合体からなるゴム変性スチレン系樹脂組
成物を製造する方法であって、重合系の第1槽目の完全
混合槽に装入する原料(以下重合原料液と呼ぶ)が、
(1)スチレン系単量体、芳香族系溶剤及びジエン系ゴ
ム状重合体の重量の合計を100重量部とした場合、
(a)スチレン系単量体60〜85重量部 (b)芳香族系溶剤が5〜35重量部、及び(c)25
℃での5重量%スチレン溶液粘度が30〜90センチポ
イズのジエン系ゴム状重合体が、3〜20重量部、から
なり、さらに(2)スチレン系単量体に対し、(a)有
機過酸化物20〜300wt.ppm、(b)分子量調
整剤0〜350wt.ppmを含み、かつ、(3)重合
原料液中の、有機過酸化物の濃度[I](wt.pp
m)と芳香族系溶剤の濃度[E](wt.%)及び分子
量調整剤の濃度を[S](wt.ppm)としたとき、
[I]、[E]及び[S]が次の式[1]、 9≦15[I]1/2/[E]+[S]1/3≦21・・・・・[1] で示される関係式を満足する重合原料液を使用して、第
1の完全混合型反応槽でスチレン系単量体を20〜35
%まで反応させて該ゴム状重合体からなる分散相を形成
させ、引き続き以降の反応でスチレン系単量体の反応
率を50ないし95%まで高め、さらに、残存のモノマ
ーと溶剤を分離する工程からなる、分散相であるゴム状
重合体粒子が体積平均径が1〜4μm、体積基準による
累積粒子径分布の10%値(D1)と90%値(D2)
との比の値(D1/D2)が3〜20の範囲であるゴム
変性スチレン系樹脂組成物の製造方法である。
【0020】本発明の方法では、第1に、有機過酸化物
量と分子量調整剤(連鎖移動剤)量、さらには重合系に
添加される芳香族系溶剤の濃度とを式[1]の関係を保
持させること。
【0021】さらに、スチレン系樹脂を内包するジエン
系ゴム状重合体粒子の粒子径と粒子径分布が、スチレン
系樹脂組成物の流動性と衝撃強度のバランス向上に関係
しているので、これ等を好ましい関係にするために、第
1の完全混合型反応槽でスチレン系単量体を20〜35
%まで反応させる必要がある。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明でいうスチレン系単量体と
は、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレ
ンのような側鎖アルキル置換スチレン、ビニルトルエ
ン、ビニルキシレン、o−t−ブチルスチレン、p−t
−ブチルスチレンのような核アルキル置換スチレン、モ
ノクロルスチレン、ジクロルスチレン、トリブロモスチ
レン、テトラブロモスチレン等のハロゲン化スチレン及
びp−ヒドロキシスチレン、o−メトキシスチレン等が
挙げられる。特に好ましくは、スチレン、α−メチルス
チレン、及びビニルトルエンである、スチレン系単量体
はこれらのうちの一種又は二種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0023】また、スチレン系単量体に対して25w
t.%以下であれば他のラジカル重合可能な単量体、例
えばメチルメタクリレート、アクリル酸、フェニルマレ
イミド、アクリロニトリル、アクリルアミド、無水マレ
イン酸等を同時に用いることができる。
【0024】本発明においては、ゴム状重合体を粒子化
する際に重合開始剤として有機過酸化物を使用すること
が必要である。有機過酸化物の使用量はゴム状重合体を
溶解した溶液に含まれるスチレン系単量体に対して20
〜300wt.ppmの範囲で使用することが好まし
く、より好ましくは30〜250wt.ppmである。
【0025】有機過酸化物が20wt.ppm未満で
は、ゴム状重合体に対するスチレン系単量体のグラフト
反応が起こりにくいので耐衝撃性の向上効果が少ない。
また300wt.ppmを超えて使用するとゴム状重合
体成分に対するスチレン系単量体のグラフト反応の割合
を高くすることができるので、衝撃強度の高いゴム変性
スチレン系樹脂組成物を製造することができるが流動性
を低下させるので好ましくない。
【0026】本発明で使用する有機過酸化物としては一
般的にスチレン系単量体の重合に用いられているもので
あれば特に制限はなく使用される。例えば、2,2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)オクタン、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘ
キサン、4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレー
ト等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパ−オキ
シド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオ
キシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等の
ジヒドロカルビルパーオキシド類、アセチルパーオキシ
ド、イソブチリルパーオキシド、オクタノイルパーオキ
シド、デカノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキシド、m−トルオレニルパーオキシド等の
ジアシルパーオキシド類、ジ−イソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−ミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−エ
トキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチ
ル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等
のパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパーオキシ
アセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチル
−ヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5
−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシノ
ウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブ
チルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキ
シエステル類、アセチルアセトンパーオキシド、メチル
エチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキ
シド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオ
キシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド類等のケ
トンパーオキシド類、t−ブチルヒドロパーオキシド、
クメンヒドロパーオキシド、ジ−イソプロピルベンゼン
ヒドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,
5−ジヒドロパーオキシド、1,1,3,3−テトラメ
チル−ブチルヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシ
ド類が例示されるが、これ等の中でも1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンが特に好ましい。これ等は単独、または2種以
上を混合して使用することもできる。
【0027】本発明では分子量調整剤を使用しなくとも
充分流動性のよい樹脂が得られる。一般的に分子量調整
剤はスチレン系単量体に対して0〜350wt.pp
m、好ましくは0〜250wt.ppm使用される。分
子量調整剤としては一般的にスチレン系の重合反応に使
用されているものであれば特に制限はなく、メルカプタ
ン化合物やα−メチルスチレン2量体などが使用され
る。なかでもメルカプタン化合物としてはアルキルメル
カプタン化合物が好ましい。
【0028】また本発明では芳香族系溶剤を重合原料液
100重量部に対し5〜35重量部、好ましくは15〜
35重量部使用することが特徴である。芳香族系溶剤が
5重量部未満では流動性が低下し、35重量%を越える
と有機過酸化物使用の効果が減少して衝撃強度が向上し
ない。
【0029】芳香族系溶剤としてはベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、(n−、i−)プロピルベンゼ
ン、(o−,m−,p−)キシレン、(o−,m−,p
−)ジエチルベンゼン等およびこれ等の混合物が挙げら
れる。
【0030】芳香族系溶剤は連鎖移動剤としての効果も
有ることが知られており、これらの芳香族系の溶剤を使
用して、さらに分子量調整剤を併用することにより、分
子量を調整することができるので本発明においては開始
剤濃度と分子量調節剤濃度との関係として芳香族系溶剤
の濃度も考慮される。
【0031】本発明者らは式[1]に示された量比で有
機過酸化物と芳香族系溶剤と分子量調節剤を使用するこ
とによりゴム状重合体へのスチレンのグラフト量を高く
保持したままゴム状重合体粒子径を小さくしてさらに粒
子径分布を比較的狭く保つことが可能となり、衝撃強度
と流動性のバランスの優れたゴム変性スチレン系樹脂組
成物が得られることを見いだした。
【0032】即ち本発明では、有機過酸化物の濃度
[I](wt.ppm)と芳香族系溶剤の濃度[E]
(wt.%)と分子量調整剤の濃度[S](wt.pp
m)の関係が式[1]、 9≦15[I]1/2/[E]+[S]1/3≦21・・・・[1] 好ましくは式[2] 9≦15[I]1/2/[E]+[S]1/3≦15・・・・[2] の条件を満足する重合原料液を使用する事が重要であ
る。
【0033】この重合原料液を使用して、第1攪拌槽に
おいてスチレンの反応率が20ないし35%でゴム状重
合体の分散相を形成させる工程を設け、引き続き連続的
につながった反応槽で反応率を50ないし95%まで高
めた後、残存のモノマーと溶剤を分離して、体積平均粒
子径が1〜4μm、好ましくは1.5〜4μm、体積基
準の粒子径の累積分布の10%値と90%値の比の値が
3〜20、好ましくは3〜15の範囲であるゴム状重合
体分散粒子を形成させることによって成形加工時の流動
性が高く、高い衝撃強度を有する物性のバランスの優れ
たゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造することが可能
になる。
【0034】特に、式[2]の条件を満足する重合原料
液を使用した場合は、前記の高い流動性及び高い耐衝撃
性に加えて、成形物の制振性(成形物に振動を与えたと
きに振動が減少する性質)が向上するばかりでなく、衝
撃音が小さくなるという特性(成形物し衝撃を与えた時
の音が小さいこと)を有する。この性質を利用して、例
えば、鉄板と本発明の樹脂組成物で成形したシートを張
り合わせたものは、振動吸収板や衝撃時の音を下げる防
音板として使用することができる。
【0035】さらに、特記すべきことは、従来のHIP
Sでは成形物にくぎを打ち付けると成形物が割れてしま
うのに対して、本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
の成形物ではくぎ打ちすることが可能となった。
【0036】本発明では、ゴム状重合体としてジエン系
ゴム状重合体が好ましく、ゴム状重合体の所定量を添加
した上記スチレン系単量体又は同単量体の混合物を重合
させることにより、スチレン系重合体中に上記ゴム状重
合体が分散状態の粒子に形成される。
【0037】ここで、ゴム状重合体は25℃で測定した
5重量%スチレン溶液粘度が20〜100センチポイ
ズ、好ましくは30〜90センチポイズのものである。
ジエン系ゴム状重合体はジエン化合物の単独重合体、ま
たはジエン化合物と他のモノマーとのゴム状を共重体で
あり、中でも連鎖のブタジエン単位に占めるシス1,4
結合の割合が90モル%以上のブタジエン重合体、ある
いはスチレン/ブタジエン共重合体が好ましい。
【0038】ジエン系ゴム状重合体の使用割合は重合原
料液100重量部に対して3〜20重量部が、好まし
く、さらに好ましくは5〜20重量部である。
【0039】本発明においては、上記のようにして形成
されるゴム状重合体粒子の体積平均粒子径は1〜4μm
にする必要がある。ここでいう体積平均粒子径は、次の
ようにして測定する。すなわち、樹脂を超薄切片法によ
って超薄切片試料とし、その電子顕微鏡写真を撮影す
る。写真中のゴム状重合体粒子500〜700個の粒子
の短径及び長径を測定してその平均を粒子径とし、次式
により体積平均粒子径を算出するものである。
【0040】体積平均粒子径ΣnD4 /ΣnD3 (但し、nは粒子径Dμmのゴム状重合体粒子の個数で
ある。)
【0041】この体積平均粒子径が1μm未満の場合に
は、得られたゴム変性スチレン系樹脂の衝撃強度が低
く、又4μmを超える場合は成形物の外観、特に表面光
沢が低下する。
【0042】体積平均粒子径は、ゴム状重合体を粒子化
する反応槽における、撹拌機の撹拌強度、反応温度、有
機過酸化物の量によって調整され、攪拌強度を大とすれ
ば粒子径は小となり、反応温度を高くすれば粒子径は大
となり、有機過酸化物を増加させれば粒子径は小となる
ので、本発明の範囲内でこれらの値を調節することによ
り制御することができる。
【0043】本発明においては、ゴム状重合体粒子の体
積基準の粒子径を大きい方の粒子からその個数を累積し
てカウントし、その累積粒子径分布が10%となる粒子
径D1と90%となる粒子径D2の比の値D1/D2
(以下、分布係数という)を3〜20の範囲に調整する
ことにより流動性と衝撃強度の物性のバランスの優れた
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造できる。
【0044】この値が好ましくは3〜15の範囲にする
ようにすると衝撃強度の向上効果と成形物の外観、特に
光沢がよくなる。分布係数はゴム状重合体の分子量分
布、ゴム状重合体の混合比、重合時の撹拌強度及び滞留
時間、有機過酸化物の量等によって調整することができ
る。また、撹拌強度を大とすれば分布係数は小となり、
滞留時間を長くすれば分布係数は小となるので、これら
を調節することにより分布係数を制御することができ
る。
【0045】この範囲以外では、体積平均粒子径の非常
に大きな粒子や異常形状の粒子が発生するため、衝撃強
度が低下したり成形品の外観が悪くなるので好ましくな
い。
【0046】本発明においては、スチレン系単量体の転
化率は公知の方法、例えば重合温度、使用する重合開始
剤の種類、濃度、滞留時間等によって調節される。
【0047】本発明の方法における重合温度は、通常5
0〜200℃であり、好ましくは80〜150℃であ
る。
【0048】重合温度を高くすれば転化率は高くなり、
有機過酸化物濃度を高くすれば転化率は高くなり、重合
時間を長くすれば転化率は高くなったり、滞留時間を長
くすれば転化率は高くなるので、これらを調節すること
により転化率を制御することができる。
【0049】また本発明の物性のバランスの優れた樹脂
を製造するためには、連続塊状重合または連続溶液重合
により、重合の工程をゴム状重合体の分散相を形成さ
せ、ゴム状重合体の粒子の粒子径と粒子径分布を制御す
る工程と重合率を高める工程からなる少なくとも2つの
工程に分けて制御することが必要である。すなわち重合
反応工程に連続的に原料の単量体を供給して、第一の工
程では完全混合型反応槽においてスチレンの反応率が2
0ないし35%になるまで重合反応をおこなわせてゴム
状重合体の分散相を形成させ、ゴム状重合体粒子の粒子
径と粒子径分布を制御して、引き続き連続的につながっ
た反応槽で反応率を50ないし95%まで反応させて高
め、生成重合体を連続的に重合反応工程より取り出すこ
とにより極めて高い流動性と衝撃強度を与えることがで
きる。
【0050】第1の工程ではゴム状重合体を溶解してい
る重合原料液から重合が進行してスチレン系重合体の量
が増えてくるに従って、重合原料液中の連続相であった
ゴム状重合体成分が相分離を起こし、撹拌による剪断に
よって粒子を形成する。その際に粒子径と粒子径分布が
調整される。従って第1の工程において使用される反応
槽は完全混合型の反応槽であることが必要である。完全
混合型反応槽を使用しなかったり、スチレンの反応率が
20%未満、あるいは35%を超えた場合は、ゴム状重
合体粒子径の調整が難かしく、大粒子径のゴム状重合体
粒子や不定形のゴム状重合体粒子が生成して衝撃強度が
低下したり、流動性が低くなったりするので好ましくな
い。
【0051】本発明で完全混合型反応槽とは必ずしも理
想的な完全混合が行える反応槽でなくても良く、撹拌に
よってせん断が起こり、それによってゴム状重合体粒子
を形成させることが可能な撹拌機を有する反応槽であれ
ば使用できる。例えば、「新ポリマー製造プロセス」
(工業調査会、佐伯康春、佐伯康治、尾見信三著)18
2頁〜187頁の図7.3、図7.4、187頁の図
7.3、図7.4、図7.5及び図7.6に記載されて
いる。
【0052】ゴム状重合体の粒子を形成した第1の工程
に続いて、ゴム状重合体粒子の形状を維持しながらさら
に重合を行って重合転化率を高める後重合工程を行う
が、後重合工程では反応槽のタイプは特に限定されず、
完全混合型撹拌槽や塔型混合撹拌槽などの撹拌槽のみな
らず管型の反応槽などを使用することができる。後重合
工程終了時の単量体の重合体への転化率は50ないし9
0重量%、好ましくは50ないし85重量%さらに好ま
しくは50ないし80重量%である。
【0053】本発明によって製造されたゴム変性スチレ
ン系樹脂を用いた成型品は従来法より高い衝撃強度の値
を示しながら、成型物を成形するときの流動性が大幅に
向上している。一般にゴム変性スチレン系樹脂の流動性
を上げると衝撃強度が低下するにもかかわらず本発明で
衝撃強度が高く維持される理由は不明であるが高グラフ
ト化のために触媒(有機過酸化物)を大量に使用しても
本発明の式[1]の関係の範囲であればスチレン系樹脂
の分子量を小さくしても粒子径が小さくなり、しかも粒
子径分布を小さくコントロールできるのでゴム状重合体
粒子が比較的均一になり、成型物を成形するときの流動
性が大幅に向上しているものと思われる。
【0054】なお、本発明で得られたゴム変性スチレン
系樹脂は、分散相であるジエン系ゴム状重合体中に内包
されるスチレン系重合体が、該ジエン系ゴム状重合体に
グラフト重合されている。これは重合終了後の重合反応
液をGPC−IRで分析してもポリスチレンとゴム状重
合体が分離できないことから確認されている。
【0055】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物に
は必要に応じてフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防
止剤、イオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、ミネラル油
等の流動性改良剤、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、
有機ポリシロキサン等の離型剤を重合原料液或いは重合
の途中もしくは重合の終了した時点で添加してもよい。
【0056】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。本実施例及び比較例での物性の評価方法は以下の方
法で行った。 (1)MFI:JIS K−7210(温度:200
℃、荷重49N) (2)アイゾット衝撃強度:JIS K−7110
(6.4mm/ノッチ付き)に準じて測定した。 (3)くぎ打ち性:厚さ3.2mm、直径5cmの円盤
状の試験片の中央に太さ1mmのくぎを金槌で打ち込ん
だ時に、割れや欠けの発生しないものを良、割れや欠け
の発生したものを不良とした。
【0057】実施例1 4基の直列の撹拌機付き完全混合型反応槽の出口に予熱
器、ついで真空槽を連結した連続塊状重合装置を用いて
ゴム変性スチレン系樹脂を製造した。第1基目の撹拌機
付き完全混合型反応槽にゴム状重合体(I)として、2
5℃、5wt%スチレン溶液粘度32センチポイズ、シ
ス1,4結合の割合が98%のブタジエン重合体9重量
部、エチルベンゼン22重量部、スチレン69重量部、
スチレンに対し有機過酸化物として1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン200wt.ppmよりなる重合原料液を連続的に
供給し、攪拌機の攪拌速度を95rpmとして反応させ
た。
【0058】第1基目は反応温度は142℃、滞留時間
を1.5時間とした。第2基目は反応温度を145℃、
滞留時間を2時間とし、第3基目は反応温度を145
℃、滞留時間を2.5時間とした。予熱器の温度は、2
10〜240℃に保持し、真空槽の真空度は40Tor
rとした。結果を表1に示す。
【0059】実施例2 実施例1でエチルベンゼン30重量部、スチレン61重
量部、有機過酸化物して1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン200
wt.ppmとして第1基目の撹拌速度を400rpm
とした以外は実施例1と同様の条件で行った。結果を表
1に示す。
【0060】比較例1 実施例1で有機過酸化物を用いずにブタジエン重合体を
2.5重量部として実施例1と同じ条件で重合を行っ
た。得られた製品は、アイゾット衝撃強度4.5kJ/
2と低かった。
【0061】実施例3 実施例1においてブタジエン重合体を5重量部とし、エ
チルベンゼン22重量部、スチレン73重量部、スチレ
ンに対して分子量調整剤としてt−ブチルドデシルメル
カプタンを200wt.ppmとした以外は実施例1と
同様の条件でゴム変性スチレン系樹脂を製造した。結果
を表1に示す。
【0062】実施例4 実施例1においてブタジエン重合体を15重量部、エチ
ルベンゼン22重量部、スチレン63重量部とした以外
は実施例1と同様の条件で行った。結果を表1に示す。
【0063】実施例5 実施例1においてブタジエン重合体を9重量部、エチル
ベンゼン22重量部、スチレン69重量部、有機過酸化
物して1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン50wt.ppm、t−
ブチルドデシルメルカプタンを200wt.ppmとし
た以外は実施例1と同様の条件で行った。結果を表1に
示す。
【0064】実施例6 実施例5においてブタジエン重合体を9重量部、エチル
ベンゼン22重量部、スチレン69重量部、有機過酸化
物して1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン100wt.ppm、t
−ブチルドデシルメルカプタンを使用しなかった以外は
実施例5と同様の条件で行った。結果を表1に示す。
【0065】実施例7 3基の直列の撹拌機付き完全混合型反応槽の出口に予熱
器、ついで真空槽を連結した連続塊状重合装置を用いて
ゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造した。第1基目の
撹拌機付き完全混合型反応槽にゴム状重合体(I)とし
て、ブロック型、スチレン含有率20wt%、25℃で
の5wt%スチレン溶液粘度32センチポイズのスチレ
ン/ブタジエン共重合体12重量部、エチルベンゼン1
8重量部、スチレン70重量部、有機過酸化物として
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン200wt.ppmよりなる重
合原料液を連続的に供給した。第1基目の撹拌機の撹拌
速度は300rpm、反応温度は142℃、滞留時間を
1.5時間とした。第2基目は反応温度を145℃、滞
留時間を2時間とし、第3基目は反応温度を145℃、
滞留時間を2.5時間とした。予熱器の温度は210〜
240℃に保持し、真空槽の真空度は40Torrとし
てゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造した。結果を表
1に示す。
【0066】実施例8 実施例1の方法において、スチレン74重量部、ゴム状
重合体6重量部、エチルベンゼン20重量部、有機過酸
化物200wt.ppm、分子量調整剤250wt.p
pmとして重合した結果を表1に示す。
【0067】比較例2 実施例1の方法において、第1反応槽の温度を下げて、
スチレンの反応率を10%とした以外は同様に重合を行
った。第1反応槽では粒子径の制御が十分にできず、粒
子径が大きくなった。得られた樹脂組成物のゴム状重合
体粒子径は4.2μm、分布係数は25、MFIは2.
8、アイゾット衝撃強度は11KJ/m 3であり、MF
Iが低く本発明の目的とする樹脂組成物は得られなかっ
た。
【0068】
【表1】
【0069】
【発明の効果】本発明のゴム変性スチレン系樹脂組成物
は、衝撃強度と樹脂の流動性、及び外観、特に光沢との
バランスが優れており、家庭電気製品、電子機器等の部
品材料の用途において産業上の利用価値は大きいもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高久 真人 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井化学 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1基の完全混合型反応槽を含
    む、2基以上の反応槽からなる連続重合装置を用い、塊
    状重合又は溶液重合により、連続相がスチレン系樹脂、
    分散相がスチレン系樹脂を内包するジエン系ゴム状重合
    体からなるゴム変性スチレン系樹脂組成物を製造する方
    法であって、重合系の第1槽目の完全混合型反応槽に装
    入する原料(以下重合原料液と呼ぶ)が、(1)スチレ
    ン系単量体、芳香族系溶剤及びジエン系ゴム状重合体の
    重量の合計を100重量部とした場合、 (a)スチレン系単量体60〜85重量部 (b)芳香族系溶剤が5〜35重量部、及び (c)25℃での5重量%スチレン溶液粘度が30〜9
    0センチポイズのジエン系ゴム状重合体が、3〜20重
    量部、からなり、さらに(2)スチレン系単量体に対
    し、 (a)有機過酸化物20〜300wt.ppm、 (b)分子量調整剤0〜350wt.ppmを含み、か
    つ、(3)重合原料液中の、有機過酸化物の濃度を
    [I](wt.ppm)と芳香族系溶剤の濃度を[E]
    (wt.%)及び分子量調整剤の濃度を[S](wt.
    ppm)としたとき、[I]、[E]及び[S]が次の
    式[1]、 9≦15[I]1/2/[E]+[S]1/3≦21・・・・・[1] で示される関係式を満足する重合原料液を使用して、第
    1の完全混合型反応槽でスチレン系単量体を20〜35
    %まで反応させて該ゴム状重合体からなる分散相を形成
    させ、引き続き以降の反応槽でスチレン系単量体の反応
    率を50〜95%まで高め、さらに、残存のモノマーと
    溶剤を分離する工程からなる、分散相であるゴム状重合
    体粒子が体積平均径が1〜4μm、体積基準による累積
    粒子径分布の10%値(D1)と90%値(D2)との
    比の値(D1/D2)が3〜20の範囲であるゴム変性
    スチレン系樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 分散相であるジエン系ゴム状重合体中に
    内包されるスチレン系重合体が、該ジエン系ゴム状重合
    体にグラフト重合されている、請求項1記載のゴム変性
    スチレン系樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 [I]、[E]及び[S]が次の式
    [2]、 9≦15[I]1/2/[E]+[S]1/3≦15・・・・[2] で示される関係式を満足する重合原料液を使用する請求
    項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 スチレン系単量体がスチレンである、請
    求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 芳香族系溶剤がベンゼン、トルエンまた
    はエチルベンゼンから選ばれた少なくとも1種である請
    求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 ジエン系ゴム状重合体が、ブタジエン重
    合体またはスチレン/ブタジエン共重合体から選ばれた
    少なくとも1種である請求項1記載のゴム変性スチレン
    系樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機過酸化物が、1,1−ビス(t−ブ
    チルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
    ンである請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 分子量調整剤が、メルカプタン化合物で
    ある請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 分散相であるゴム状重合体粒子が、体積
    基準による累積粒子径分布の10%値(D1)と90%
    値(D2)との比の値(D1/D2)が3〜15の範囲
    である請求項1記載のゴム変性スチレン系樹脂組成物の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 ジエン系ゴム状重合体が、連鎖のブタ
    ジエン単位に占めるシス1,4結合の割合が90モル%
    以上であるブタジエン重合体である請求項1記載のゴム
    変性スチレン系樹脂組成物の製造方法。
JP10269751A 1997-09-30 1998-09-24 ゴム変性スチレン系樹脂組成物の製造方法 Pending JPH11166088A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002226654A (ja) * 2001-01-30 2002-08-14 Nippon A & L Kk 軟質性樹脂組成物
JP5242174B2 (ja) * 2006-01-31 2013-07-24 Psジャパン株式会社 ゴム変性スチレン系樹脂及びその樹脂を含んでなる光拡散板
JP2017186438A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 東洋スチレン株式会社 スチレン系樹脂組成物

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