JPH11162249A - 空気清浄機能付き照明器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】臭いの基となる食事時の料理から発生する臭い
を取る。 【解決手段】屋内の天井付近に設置される照明器具１０
の一部に空気清浄機能を組み込み、照明器具の傘１１，
１２を二重にして得られる空間を風洞２０とし、上記風
洞内部の傘の頂部付近にファンモータ３０と、風洞の適
当な箇所にフィルター４２を設ける。煙センサーと臭い
センサーの少なくとも一つを有し、このセンサー出力に
連動して動作する構成とする。また、空気清浄機と照明
器具の一部もしくは全部が抗菌および脱臭効果のある光
再生触媒から構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主に飲食を行う部屋の
空気清浄を目的とした空気清浄機能付き照明器具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、住宅内部の密閉率が向上するに従
い空調効率は向上している一方、換気効率が極端に悪化
しているために、室内から発生する臭いや埃をとる空気
清浄機が要求されている。

【０００３】従来の空気清浄機は、据え置きや壁掛けの
ものが実用化されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したような据え置
きや壁掛け空気清浄機は、何れも臭いや埃の発生源の近
くに設置し難い構造のために、その効果が十分に発揮さ
れない。このような場合空気清浄機は長時間連続して運
転する必要があり、また長時間運転でも次のような場合
には効果が薄いという問題点があった。すなわち、特に
家庭内での臭いの基となる食事時の料理、例えば焼き肉
やすき焼きなどの鍋物、焼き魚および愛煙家の食後の一
服などは、食事室の天井や壁およびカーテンなどに長時
間に渡り付着し、数日にも渡り臭うために、極端な場合
は家庭内でこれらの最も親しみ深い家庭団らん料理を嫌
う傾向がある。

【０００５】本発明は上記課題に鑑み、臭いの基となる
食事時の料理から発生する臭いを取ることを主目的とし
たものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項１においては、屋内の天井付近に設
置される照明器具の一部に空気清浄機能を組み込んだ空
気清浄機能付き照明器具とする。また請求項２において
は、照明器具の傘を二重にして得られる空間を風洞と
し、上記風洞内部の傘の頂部付近にファンモータと、風
洞の適当な箇所にフィルターを有する空気清浄機能付き
照明器具とする。請求項３においては、風洞の内部に集
塵のための帯電電極板を有する請求項２に記載の空気清
浄機能付き照明器具とする。請求項４においては、帯電
電極板の集塵側電極とフィルターを取り外せるように、
風洞を構成する傘の一部を取り外し自在とすると共に、
上記傘の一部の有無を検知する安全スイッチを有する請
求項２もしくは請求項３に記載の空気清浄機能付き照明
器具とする。請求項５においては、汚れ検知センサーを
取り付け、このセンサーに連動して点灯する照明電灯の
色とは異なる色配色の汚れ報知灯を有する請求項１乃至
４に記載の空気清浄機能付き照明器具とする。請求項６
においては、照明器具の電源をインバータ電源とし、集
塵器部分の電源と照明器具部分の電源の一部または全部
を共用した請求項３乃至５に記載の空気清浄機能付き照
明器具とする。請求項７においては、照明器具の傘の少
なくとも一部を二重にして風洞を形成し、上記風洞内部
の傘頂部付近にファンモータと、風洞の適当な箇所にフ
ィルターを有し、上記風洞を形成する二重傘の外側を照
明反射に有効な加工を施し、第２の照明電灯を有する請
求項３乃至６に記載の空気清浄機能付き照明器具とす
る。請求項８においては、煙センサーと臭いセンサーの
少なくとも何れか一つを有し、このセンサー出力に連動
して動作する請求項１乃至７に記載の空気清浄機能付き
照明器具とする。請求項９においては、空気清浄機と照
明器具の一部もしくは全部が抗菌および脱臭効果のある
光再生触媒から構成されている請求項１乃至８に記載の
空気清浄機能付き照明器具とする。

【０００７】

【作用】上記構成により、一般に食卓の上方に設置され
る照明器具に空気清浄機能を組み込み、温かい料理から
発する臭い成分と周辺空気流に乗った埃が、湯気と共に
上方に対流移動する特性を利用して、効果的に消臭と集
塵能力が高められるといった作用を奏する。

【０００８】

【実施例】本発明の第１の実施例を図１に示す。図１に
おいて、照明器具10は屋内の天井につり下げられ、照明
電灯18の周囲には円錐状の第１の傘11が配置され、周知
の通り当該第１の傘11は照明電灯18の反射材となってい
る。当該照明電灯18には白熱球や蛍光灯が広く使用され
ており、電源線60を通して商用電源が供給されている。

【０００９】本実施例においては前記第１の傘11の外側
に第２の傘12を配置し、この両傘間が風洞20を形成して
いる。また照明電灯18の上部には、ファンモータ30と、
当該ファンモータ30に取り付けられ動作するファン32と
が配置され、これらが傘の頂上付近のケース101に格納
されている。第１の実施例においては、当該ファン32
は、図２に示すように、ファンモータ30に同軸的に形成
されるシロッコファンを使用している。当該ケース101
のファン32が設けられる部分には、主に風洞20内の空気
を風洞20外に排出するための排気部15が設けられてい
る。当該排気部15には図１や図３に示すような安全カバ
ー102を設けることで外部からファン32に触れられない
ものとしている。当該安全カバー102は、図１のように
ケース101を変形させて設けてもよいし、図３に示すよ
うに網の目状の材料をケース101の開口部分に貼り付け
てもよい。このようなケース101や安全カバー102により
照明器具10の支持フレーム104が形成されており、この
支持フレーム104が電源線60により吊り下げられると同
時に、それぞれの傘11と12も支持している。また、第１
の傘11と第２の傘12が形成する下部の開口部には周知の
活性炭や酸化チタン不織布などからなるドーナッツ状の
フィルタ42が設けられている。以上の通り第１の実施例
においては、ファンモータ30とファン32、フィルタ42に
より空気清浄機が形成されている。

【００１０】次に本発明の第２の実施例について述べ
る。本第２の実施例は図４に示すようなものとなってい
る。図４において、照明器具10は屋内の天井につり下げ
られ、照明電灯18の周囲には円錐状の第１の傘11が配置
され、周知の通り当該第１の傘11は照明電灯18の反射材
となっている。当該照明電灯18には白熱球や蛍光灯が広
く使用されており、電源線60を通して商用電源が供給さ
れている。

【００１１】本実施例においては、前記第１の傘11の外
側に第２の傘12を配置し、この両傘間が風洞20を形成し
ている。また照明電灯18の上部には、ファンモータ30
と、当該ファンモータ30に取り付けられ動作するファン
32とが配置され、これらがケース101に格納されてい
る。第２の実施例においては、当該ファン32は、図２に
示すように、ファンモータ30に同軸的に形成されるシロ
ッコファンを使用している。当該ケース101のファン32
が設けられる部分には、主に風洞20内の空気を風洞20外
に排出するための排気部15が設けられている。当該排気
部15には図４や図３に示すような安全カバー102を設け
ることで外部からファン32に触れられないものとしてい
る。当該安全カバー102は、図４のようにケース101を変
形させて設けてもよいし、図３に示すように網の目状の
材料をケース101の開口部分に貼り付けてもよい。この
ようなケース101や安全カバー102により照明器具10の支
持フレーム104が形成されており、この支持フレーム104
が電源線60により吊り下げられると同時に、それぞれの
傘11と12も支持している。

【００１２】上記第１の傘11と第２の傘12とが形成する
風洞20内には、上記円錐型の第１の傘11と同軸的であ
り、且つドーナッツ型をしたフィルタ42と集塵電極板4
4、帯電電極板44が設けられ、風洞20の最下部付近には
風洞20内に指等が入り込まないように安全カバー16が配
置されている。当該集塵電極板44と帯電電極板14はそれ
ぞれ図５と図６とが示すような形状をしており、これら
が空気清浄器部分となっている。

【００１３】なお、本第２の実施例では、メンテナンス
性の向上を考慮して第２の傘12の一部を取り外し可能と
したメンテナンスカバー40とし、容易に風洞内部20の部
品を着脱可能としている。したがって上記フィルタ42や
集塵電極板44，帯電電極板14は容易に着脱可能となって
おり、これらのそれぞれが第１の傘11と当接する部分に
はストッパー421と441、141が設けられ、このストッパ4
41と141は接触電極として一部兼用して、第１の傘11に
固定されるものとなっている。また、これら集塵器部分
の電源は、上記ファンモータ30の下部であって且つ照明
電灯18の上部に設けられており、前記メンテナンスカバ
ー40とケース101との接合部分には安全スイッチ46があ
り、集塵器が動作中であっても、メンテナンスカバー40
が外されれば当該安全スイッチにより少なくとも空気清
浄機の動作が停止するようになっている。この電気的な
概略結線図を図８および図９に示す。図８には安全スイ
ッチ46と集塵器用スイッチ52との関係を示しており、当
該両スイッチは直列接続となっており、何れか一方のス
イッチがオフすれば照明電灯18とファンモータ30の両方
が停止する回路構成となっている。また、図８において
は照明電灯18用の電源と集塵器用の電源とを別個に設け
ているが、図９に示すようにインバータ装置を使用する
ことで、これら両電源を共用化できる。

【００１４】次に図５と図６に基づいて集塵器付近の構
成を説明する。図５に示すように、第２の傘12からメン
テナンスカバー40を取り外すと風洞20からフィルタ42と
集塵電極板44とが取り外せる。フィルタ42については一
般に空気清浄機や空調機器に使用されるフィルタや活性
炭あるいは酸化チタン不織布などを使用したフィルタを
使用している。集塵電極板44は、次に述べる帯電電極板
14の電極142に対向して丸状円形の穴442を設けたドーナ
ツ型の金属板で構成されている。図６には上記帯電電極
板14を示し、このＡ−Ａ断面を矢印方向に見た断面図を
図７に示す。すなわち帯電電極板14は上記集塵電極板44
と同様のドーナッツ型の金属板状に図６に示すような針
型の電極142-142を持ち、上記の通りこれら電極142が集
塵電極板44の穴442に対向する如く設けられている。

【００１５】本第２の実施例においては、以上の構成の
他に汚れ検知灯50と集塵器用スイッチ52とが設けられて
いる。汚れ検知灯50は照明電灯18の取り付け部分の近傍
であって、照明器具10の下側から容易に識別できる位置
に設けられている。この汚れ検知灯50は、図示しない汚
れ検知センサの検知結果を表示するものであり、当該汚
れセンサが光透過度合いや集塵電極での電流増加等の変
動により汚れを検知した場合に照明電灯18の色とは異な
る色配色の光を表示するものである。また、集塵器用ス
イッチ52は、照明器具10の上面のケース101上に備えら
れており、誤った入切操作を行い難い部分に設けられて
いる。以上の通り第２の実施例においては、ファンモー
タ30とファン32、フィルタ42、集塵電極板44、帯電電極
板14を主な構成要素として空気清浄機が形成されてい
る。

【００１６】本発明の第３の実施例を図１０に示す。図
１０では上記第１もしくは第２の実施例に用いた照明器
具10の形状が異なっている。すなわち当該第３の実施例
においては、前記図１もしくは図４に示す照明器具の第
２の傘12の外側に第２の照明電灯19を有し、外形が反射
板を兼ねるアクリルカバーで形成されていることを除け
ば上記第１の実施例もしくは第２の実施例の照明器具の
構成と同一もしくは相当分であるために説明は省略す
る。

【００１７】本発明の第４の実施例を図１１に示す。第
４の実施例においては、上記第１乃至第３の実施例のよ
うな傘を持たず、ドーナッツ型の蛍光灯のみで形成され
る照明器具を示している。このような照明器具では、前
述のそれぞれの実施例に示すような構成とは異なり、蛍
光灯のの内径中にフィルタおよび集塵器部分を配置し、
ファン32により強制対流を発生させている。

【００１８】上記のそれそれの実施例においては、ファ
ン32をシロッコ型としてファンモータ30の上部に配置し
ているが、これ以外のファン構造、例えばスクリュー型
とし、ファンモータ30の上部に配置してもよい。照明器
具20は天井つり下げ型に限らず天井に直接取り付けるも
のであってもよい。

【００１９】また照明電灯18や集塵器の運転は器具に取
り付けられたスイッチではなくてもリモコンによる遠隔
操作により行ってもよい。このような場合では照明器具
10にスイッチを付加しなくてもよい。

【００２０】また汚れ検知センサ以外に、煙センサーと
臭いセンサーの少なくとも一つを検知することによっ
て、肌理細かい空気清浄制御ができる。またフィルタ42
をはじめ集塵電極板44、帯電電極板14の位置は風洞20内
であれば任意に選択でき、設計要求の空気清浄要求能力
によって、傘の大きさと位置を適宜変更できるものであ
る。

【００２１】またフィルタ42や傘11、12、ケース101
は、抗菌および脱臭効果に優れた酸化チタン等の光再生
触媒を入れてもよいし、空気清浄機は、イオンを利用し
た静電式の集塵器を使用しても同様の効果が得られ、こ
の発明が制約を受けるものではない。

【００２２】次に本発明の動作を説明する。第１の実施
例によれば、照明器具10に取り付けられたファン32によ
りテーブル側から天井方向に対流が生じる。これにより
テーブル上に置かれる食品や煙草の臭いがファン32によ
り吸い上げられることになるが、当該照明器具10の主な
対流が生じる風洞20の入り口付近には活性炭等の消臭材
がフィルタ42として備えられているので、ファン32に到
達する空気は脱臭が行われている。

【００２３】また第２乃至第４の実施例においては、集
塵器として電気的な集塵電極板44や帯電電極板14を備え
ているので、より優れた空気清浄効果が得られる。また
汚れ検知灯50のような汚れセンサを取り付けることで、
空気が汚れている場合のみ集塵器部分を運転状態にして
いる。

【００２４】

【発明の効果】上記構成により、図１２が示すように、
食品や煙草等の臭を天井方向に吸い上げ、フィルタや集
塵器を通すことで空気清浄作用が得られ、室内の臭いが
消される。図１２には、本発明の照明器具を使用したと
きの室内の対流状態を示している。

【００２５】本発明は照明器具内に集塵器等を備えるの
で、別体の空気清浄器が不要で室内の無駄なスペースが
省略できる。また、集塵器部分が天井近くまで上げられ
るので、特に暖かい空気などは集塵しやすく、床置きや
壁掛け型の空気清浄機と比較して優れた空気清浄効果が
得られる。

【００２６】さらに、室内空気を対流することによる快
適空調空間実現の副次効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例とする照明器具の側面断
面図を示す

【図２】ファンの一実施例を示す

【図３】安全カバーの一実施例を示す

【図４】本発明の第２の実施例とする照明器具の側面断
面図を示す

【図５】図４の集塵器付近の部品図を示す

【図６】帯電電極板の上面図を示す

【図７】図６のＡ−Ａ断面を矢印方向に見た図を示す

【図８】本発明の照明器具の概略電気回路図の一例を示
す

【図９】本発明の照明器具の概略電気回路図の他の例を
示す

【図１０】本発明の第３の実施例とする照明器具の側面
断面図を示す

【図１１】本発明の第４の実施例とする照明器具の側面
断面図を示す

【図１２】本発明の照明器具を使用したときの室内の対
流状態を示す

【符号の説明】

図において同一符号は同一、または相当部分を示す。 １０照明器具 １０１ケース １０２安全カバー １１第１の傘 １２第２の傘 １４帯電電極板 １４２電極 １５排気部 １６安全カバー １８照明電灯 １９第２の照明電灯 ２０風洞 ３０ファンモータ ３２ファン ４０メンテナンスカバー ４２フィルタ ４４集塵電極板 ４６安全スイッチ ５０汚れ検知灯 ５２集塵器用スイッチ ５４集塵器電源 ６０電源線 １２１，４２１，４４１ストッパー １０４支持フレーム ４４２穴

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】屋内の天井付近に設置される照明器具の一
   部に空気清浄機能を組み込んだ空気清浄機能付き照明器
   具。
2. 【請求項２】照明器具の傘を二重にして得られる空間を
   風洞とし、上記風洞内部の傘の頂部付近にファンモータ
   と、風洞の適当な箇所にフィルターを有する空気清浄機
   能付き照明器具。
3. 【請求項３】風洞の内部に集塵のための帯電電極板を有
   する請求項２に記載の空気清浄機能付き照明器具。
4. 【請求項４】帯電電極板の集塵側電極とフィルターを取
   り外せるように、風洞を構成する傘の一部を取り外し自
   在とすると共に、上記傘の一部の有無を検知する安全ス
   イッチを有する請求項２もしくは請求項３に記載の空気
   清浄機能付き照明器具。
5. 【請求項５】汚れ検知センサーを取り付け、このセンサ
   ーに連動して点灯する照明電灯の色とは異なる色配色の
   汚れ報知灯を有する請求項１乃至４に記載の空気清浄機
   能付き照明器具。
6. 【請求項６】照明器具の電源をインバータ電源とし、集
   塵器部分の電源と照明器具部分の電源の一部または全部
   を共用した請求項３乃至５に記載の空気清浄機能付き照
   明器具。
7. 【請求項７】照明器具の傘の少なくとも一部を二重にし
   て風洞を形成し、上記風洞内部の傘頂部付近にファンモ
   ータと、風洞の適当な箇所にフィルターを有し、上記風
   洞を形成する二重傘の外側を照明反射に有効な加工を施
   し、第２の照明電灯を有する請求項３乃至６に記載の空
   気清浄機能付き照明器具。
8. 【請求項８】煙センサーと臭いセンサーの少なくとも何
   れか一つを有し、このセンサー出力に連動して動作する
   請求項１乃至７に記載の空気清浄機能付き照明器具。
9. 【請求項９】空気清浄機と照明器具の一部もしくは全部
   が抗菌および脱臭効果のある光再生触媒から構成されて
   いる請求項１乃至８に記載の空気清浄機能付き照明器
   具。