JPH11158783A - 人工芝用原糸およびそれを用いた人工芝 - Google Patents
人工芝用原糸およびそれを用いた人工芝Info
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- JPH11158783A JPH11158783A JP32829997A JP32829997A JPH11158783A JP H11158783 A JPH11158783 A JP H11158783A JP 32829997 A JP32829997 A JP 32829997A JP 32829997 A JP32829997 A JP 32829997A JP H11158783 A JPH11158783 A JP H11158783A
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Abstract
れ、かつ湿潤状態で性能の変化の少なく、さらに染色に
おける発色性に優れる新規な人工芝を提供する。 【解決手段】 プロピレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とする極限粘度０．５以上のポリエステルを主
成分としてなり、４．５ｇ／ｄ以上の強度および１５％
以上の破断伸度を有する繊維を人工芝用原糸とすること
で、引っ張り強度特性、伸長および曲げ変形の回復性に
優れ、かつ湿潤での性能の変化が少なく、しかも耐候性
等にも優れるという各性能をバランス良く備えた人工芝
を提供することができる。
Description
球・ゴルフ・サッカー場やインテリア内装などに広く天
然芝に変わって用いられる、吸湿・吸水などによる性能
の低下が少なく、かつ屈曲・伸長疲労特性に優れ、かつ
分散染料による発色性に非常に優れた人工芝用の原糸と
それを用いた人工芝に関する。
・野球・ゴルフ・サッカー場やインテリア内装などに人
工芝が多く用いられるようになってきた。従来、かかる
人工芝に用いられる原糸の素材としては塩化ビニリデ
ン、ナイロン６、ポリエチレン、ポリプロピレン等が一
般的であった。
疲労性・耐候性や難燃性などの芝生用原糸に求められる
緒特性に優れるものの廃棄後の焼却時に塩素系ガスやダ
イオキシンを発生するとされ、環境面での問題が指摘さ
れている。一方、ポリエチレンやポリプロピレン等のオ
レフィン系繊維は燃焼時に有毒ガスを発生させない一方
で、繰り返し疲労時の耐久性および、耐候性や難燃性に
難点があった。又、ナイロン繊維の耐久性は非常に良好
であるが、基本的に吸水することにより、乾燥時と湿潤
時においてその力学性能が変化し、しいては芝生として
の特性も変化してしまうという問題点があった。
下が少なく、かつ繰り返しの伸長や屈曲変形時の耐疲労
性に優れ、さらには耐候性等にも優れるという各性能を
バランス良く備えた人工芝生用原糸およびそれを用いた
人工芝が求められていた。
に、吸湿・吸水による性能の変化および、長期に使用さ
れる場合の紫外線曝露等に伴う性能の低下が少なく、し
かも屈曲疲労性のような力学的耐久性を併せ持ち、さら
に耐候性等にも優れるという各性能をバランス良く備え
た人工芝生用原糸およびそれを用いた人工芝を提供する
ことにある。
レンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする極限粘
度０．５以上のポリエステルを主成分としてなり、４．
５ｇ／ｄ以上の強度および１５％以上の破断伸度を有す
ることを特徴とする人工芝用原糸、および表層面の主部
分がプロピレンテレフタレートを主たる繰り返し単位と
する極限粘度０．５以上のポリエステルを主成分として
なり、４．５ｇ／ｄ以上の強度および１５％以上の破断
伸度を有する人工芝用原糸で構成されている人工芝を提
供するものである。以下、詳しく本発明について述べ
る。
は人工芝の表面を構成する人工芝用原糸の主成分素材と
してプロピレンテレフタレートを主たる繰り返し単位と
する極限粘度０．５以上のポリエステル繊維を用いるこ
とにある。主骨格としてポリエステル系繊維であること
により、基本的に吸湿・吸水を抑制し、それらにより加
速される長期の劣化を抑制することができる。さらに
は、ポリアミドに比べて、その使用は経済的でもあり、
基本的にポリエステルであることから資源回収が容易で
あり、焼却時にも有毒なガスが発生しないという利点が
ある。
しては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチレ
ングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステ
ルであることが重要である。グリコール成分がトリメチ
レングリコールであることにより、これを主骨格とする
ポリエステルで構成された人工芝用原糸は、ポリエステ
ルの疎水性などの良好な特性を維持して、且つポリアミ
ド系繊維で構成された人工芝用原糸と同等以上の極めて
優れた屈曲疲労性および伸長回復性を有し、又それを用
いた人工芝は各種性能がバランス良く良好である。
く述べると、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメ
チレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルを対象とする。また、テレフタル酸成分の一部を
他の二官能性カルボン酸成分で置き換えたポリエステル
であっても良く、および／またはグリコール成分の一部
を主成分以外の上記グリコールもしくは他のジオール成
分で置き換えたポリエステルであってもよい。ここで使
用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸として
は、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン
酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、ｐ−オキシ安息
香酸、アジピン酸、セバシン酸、１，４−シクロヘキサ
ンジカルボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能
性カルボン酸を挙げることができる。また上記グリコー
ル以外のジオール成分としては、例えば、エチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサン−
１，４−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビス
フェノールＡ、ビスフェノールＳの如き脂肪族、脂環
族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレ
ングリコール等を挙げることができる。さらに、ポリエ
ステルが実質的に線状である範囲でトリメリット酸、ピ
ロメリット酸の如きポリカルボン酸、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如きポリ
オール、５−ヒドロキシイソフタル酸、３，５−ジヒド
ロキシ安息香酸の如き三官能以上のエステル形成基を有
するモノマーを使用することができる。さらに上記の重
合体または、共重合体のブレンド物であっても良い。
分とジオール成分から構成されるポリエステル繊維は、
プロピレンテレフタレート成分が全体の５０％以上でな
い屈曲疲労特性・伸長回復性や耐候性の点で満足のいく
素材は得られない。さらにその繰り返し単位の８０モル
％以上がプロピレンテレフタレート単位であることが特
に好ましい。
フィラメントでも良いし、マルチフィラメントであって
も良い。タフィティング加工の場合、通常は５００デニ
ール程度のマルチフィラメントを撚りあわせた物を用い
る事が外観性や耐久性等の性能面で好ましい。糸の断面
形状は特に限定されないが、楕円や偏平な形状である方
が好ましく、場合によってはフィルムを切断したスリッ
トヤーンの様な形態であっても良い。
分がプロピレンテレフタレートを主たる繰り返し単位と
する極限粘度０．５以上のポリエステルを主成分として
なリ、４．５ｇ／ｄ以上の強度および１５％以上の破断
伸度を有する人工芝用原糸で構成されていることを特徴
とし、その原糸の使用形態は問わない。基本的には上記
の原糸がポリプロピレンやポリエステル等の織物や不織
布にタフティングされたパイル部を形成するいわゆるタ
フテッド型の人工芝や、本人工芝用原糸をステープルに
カットし、ウエッブ積層後にニードルパンチしてシート
状にされるいわゆるニードルパンチタイプの人工芝等の
形態が挙げられる。本素材の弾性回復特性を引き出すに
はタフテッドタイプが好ましい。
意の重合体や酸化防止剤、制電剤、染色改良剤、染料、
顔料、艶消剤、蛍光増白剤、不活性微粒子その他の添加
剤が含有されていてもよい。特に不活性微粒子を添加す
る場合は外部析出法および内部析出法のいずれも採用可
能である。特に長期屋外使用が前提である本用途では顔
料等の着色剤および紫外線吸収剤等の配合が好ましい。
は、ポリマーの極限粘度が０．５以上である必要がある
が、このような高重合度のポリマーを得るためには、溶
融重合のみを用いる方法もあるが、さらに高重合度が必
要な場合は真空下、あるいは不活性ガス雰囲気下で固相
重合し、高重合度化する事が好ましい。
ロンやポリオレフィン素材を用いた場合に対し、弾性回
復性・屈曲特性などの特性を有し、かつ吸湿・吸水等に
よる性能の低下および長期屋外での光曝露によっても性
能の低下が少なく。さらに耐候性等にも優れるという各
性能をバランス良く備えた人工芝生用原糸およびそれを
用いた人工芝を提供することができる。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお各
種特性の評価方法は下記の方法に従った。
クロロエタン＝１／１混合溶媒に溶解し、３０℃におい
て測定した。
り、２０℃、６５％ＲＨの温湿度管理された部屋で２４
時間放置後、測定した。
り、２０℃、６５％ＲＨの温湿度管理された部屋で２４
時間放置後、引張試験機により、引張強度、伸度を測定
した。又、湿潤時の強度はサンプルを常温で水中に２４
時間浸漬後、表面に付着の水分をガーゼにより軽く拭き
取って後、同様の手順により測定した。
よる伸長弾性率の測定方法に準拠するが、２０℃、６５
％ＲＨの温湿度管理された部屋で２４時間放置後、引張
試験機により、糸長２０ｃｍ、引張り速度２ｃｍ／分で
１０％伸長後、直ちに除重し、元のつかみ間隔に戻した
後、直ちに２ｃｍ／分の引張り速度で引張る。 弾性回復率（％）＝（Ｌ−Ｌ１）／Ｌ×１００ Ｌ：１０％伸長時の伸び（ｍｍ、ここでは２０ｍｍ） Ｌ１：第１回目引張り後の残留ひずみ（ｍｍ）
ＰＴ）レジンを０．１ｍｍＨｇの真空度で８０℃で４時
間予備乾燥した後、同真空度条件で１８０℃で２０時間
固相重合を行い、極限粘度０．８５のＰＰＴレジンを得
た。固相重合後、真空を窒素ガスで破壊し、そのまま外
気に触れないように容器に移した。得られたＰＰＴレジ
ンを、２７０℃に調節したスクリュー型押し出し機にて
所定の顔料と紫外線吸収剤を溶融混合した後、２７５℃
に調整された矩形型のノズルを有する口金を用いて紡糸
温度を同じく２７５℃で紡糸し、２０℃、０．３ｍ／ｓ
の冷却風で冷却し、５００ｍ／分の紡糸速度で引き取
り、一旦巻き取った。
ーラーで予備加熱したあと１２０℃のスチーム下で５．
２倍に延伸し、１４０℃に設定したホットロールで３％
のリラックス率で熱セットして、５２０デニールで６フ
ィラメントの糸を得た。糸の断面形状は長軸と短軸の比
が約５．０の楕円状の偏平形状であった。得られた延伸
糸特性を表１に示した。湿潤時に性能の変化が少なく、
弾性回復性に優れる人工芝用原糸を得ることができた。
を加えた後２本合糸して上撚りとしてＳ２００回／ｍし
て合糸してセットし、供給糸とした。ポリエステル５０
０デニール９６フィラメントの糸を経緯に用いた織密度
（経：３１本／インチ、緯２９本／インチ）で織られた
基布に、タフトマシーンを用いて５／３２ゲージ、ステ
ップ９．５回／インチ、パイル高さ８ｍｍの規格でタフ
ティングを施した。こうして得られたタフト地に天然ゴ
ムを主体とする裏張剤を用いてバッキングし、両耳をカ
ットして人工芝を仕上げた。外観形状に問題無く、従来
に無い耐疲労特性や耐候性に優れ、乾燥および湿潤時に
も性能、タッチに変化の少ない新規な人工芝を得ること
ができた。
特性を表１に示す。
で、ナイロンやポリオレフィン素材を用いた場合に対
し、弾性回復性・屈曲特性などの特性を有し、かつ吸湿
・吸水等による性能の低下および長期屋外での光曝露に
よっても、性能の低下が少なく、さらに発色性に優れた
分散染料を用い、かつ常圧で染色可能であり、さらに耐
候性等にも優れるという各性能をバランス良く備えた芝
生用原糸およびそれを用いた人工芝を提供することがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項１】 プロピレンテレフタレートを主たる繰り
返し単位とする極限粘度０．５以上のポリエステルを主
成分としてなり、４．５ｇ／ｄ以上の強度および１５％
以上の破断伸度を有することを特徴とする人工芝用原
糸。 - 【請求項２】 表層面の主部分が請求項１の人工芝用原
糸で構成されていることを特徴とする人工芝。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32829997A JP3659379B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 人工芝用原糸およびそれを用いた人工芝 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32829997A JP3659379B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 人工芝用原糸およびそれを用いた人工芝 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11158783A true JPH11158783A (ja) | 1999-06-15 |
| JP3659379B2 JP3659379B2 (ja) | 2005-06-15 |
Family
ID=18208685
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32829997A Expired - Lifetime JP3659379B2 (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 人工芝用原糸およびそれを用いた人工芝 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3659379B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002069799A (ja) * | 2000-08-25 | 2002-03-08 | Asahi Kasei Corp | ボア用立毛布帛 |
| JP2002363837A (ja) * | 2001-06-01 | 2002-12-18 | Diatex Co Ltd | 蛍光発光性長尺体、標識体及び人工芝状体 |
| WO2014006798A1 (ja) * | 2012-07-02 | 2014-01-09 | 住友ゴム工業株式会社 | 人工芝 |
| JP2020197115A (ja) * | 2017-05-15 | 2020-12-10 | コクリエーション グラス カンパニー リミテッドＣｏｃｒｅａｔｉｏｎ Ｇｒａｓｓ Ｃｏ．Ｌｔｄ | 全量回収可能な人工芝およびその製作方法 |
-
1997
- 1997-11-28 JP JP32829997A patent/JP3659379B2/ja not_active Expired - Lifetime
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002069799A (ja) * | 2000-08-25 | 2002-03-08 | Asahi Kasei Corp | ボア用立毛布帛 |
| JP2002363837A (ja) * | 2001-06-01 | 2002-12-18 | Diatex Co Ltd | 蛍光発光性長尺体、標識体及び人工芝状体 |
| WO2014006798A1 (ja) * | 2012-07-02 | 2014-01-09 | 住友ゴム工業株式会社 | 人工芝 |
| JP2020197115A (ja) * | 2017-05-15 | 2020-12-10 | コクリエーション グラス カンパニー リミテッドＣｏｃｒｅａｔｉｏｎ Ｇｒａｓｓ Ｃｏ．Ｌｔｄ | 全量回収可能な人工芝およびその製作方法 |
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|---|---|
| JP3659379B2 (ja) | 2005-06-15 |
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