JPH11158337A - 木質様塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

木質様塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法

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JPH11158337A
JPH11158337A JP32357497A JP32357497A JPH11158337A JP H11158337 A JPH11158337 A JP H11158337A JP 32357497 A JP32357497 A JP 32357497A JP 32357497 A JP32357497 A JP 32357497A JP H11158337 A JPH11158337 A JP H11158337A
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JP
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vinyl chloride
cellulose powder
resin composition
chloride resin
woody
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JP32357497A
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English (en)
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Kazuyoshi Kaneko
和義 金子
Hideji Matsumura
松村  秀司
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木質様塩化ビニル系樹脂成形物を得るに際し、
水分吸収性の高いセルロースパウダーの凝集を抑制させ
ることにより分散性を向上させ、合わせて木質感が良好
である塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目的と
するものである。 【解決手段】塩化ビニル系樹脂とセルロースパウダーか
ら成るセルロースパウダーが均一に分散された木質様塩
化ビニル系樹脂組成物を製造する方法において、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部と白色度65〜95%であるセ
ルロースパウダー0.5〜100重量部とを混合した塩
化ビニル系樹脂組成物を、ベント付き押出機を用いて溶
融押出しするに際し、該押出機のベント部の圧力を25
cmHg以上に減圧することを特徴とする木質様塩化ビ
ニル系樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースパウダ
ー含有の木質様塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法に関
し、詳しくは、セルロースパウダーの分散性に優れた木
質様塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、硬質塩化ビニル系樹脂において木
質感のある成形品を得るためには、塩化ビニル系樹脂に
対してセルロースパウダーを含有させて、成形物表面の
面荒れや艶の低下を試みることにより木質感を表現し、
主に押出成形加工を行うことにより得ていた。しかし、
このセルロースパウダーは水分吸収性が高く、水分に対
する管理を徹底する必要があり、水分含有量は初期値で
約1〜3%であり、25℃、相対湿度65%の条件下に
おいては、水分含有量は1日で約4〜6%となり、3日
後には約7〜8%まで増加する性質がある。このため、
セルロースパウダーの貯蔵管理や押出成形時の水分管理
が不十分になると、成形物表面にセルロースパウダーの
凝集が発生して、成形物表面の模様を損なう問題があっ
た。
【0003】この問題を解決するために、押出材料とし
て使用前の乾燥等の管理を行い対応していたが、完全に
解決する方法が無く、安定した成形物を提供することが
難しかった。また、セルロースパウダーの表面改質を施
して凝集防止および分散性向上を試みている例もある
が、経済的に不利となる上に、成形品を得るまでの計
量、配合、造粒、成形の一連の工程における水分管理に
ついては、表面改質を行っても、凝集の問題は完全には
解消されないままであった。
【0004】さらに、従来の一般的な方法により溶融押
出した塩化ビニル系樹脂組成物を用いて押出成形を行う
と、この塩化ビニル系樹脂組成物のペレット内部に含ま
れる水分により、セルロースパウダーの二次凝集が起こ
り、成形物中のセルロースパウダーの凝集は進行し、セ
ルロースパウダーが巨大化する問題があり、後加工を行
った成形品表面のセルロースパウダーの凝集物の問題は
解決されないままであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
方法での問題点を解決し、セルロースパウダーの凝集を
抑制させることにより分散性を向上させ、合わせて木質
感が良好である塩化ビニル系樹脂組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決するため鋭意研究を行った結果、セルロース
パウダーを添加し混合した塩化ビニル系樹脂を、ベント
付き押出機を用いてそのベント部の圧力を減圧すること
により、セルロースパウダーが均一に分散された塩化ビ
ニル系樹脂組成物が得られ、さらに後の異形押出成形等
の二次加工を行ってもセルロースパウダーの二次凝集も
なく、セルロースパウダーが均一に分散された木質感の
優れた塩化ビニル系樹脂成形物が得られることがわか
り、本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂とセ
ルロースパウダーから成るセルロースパウダーが均一に
分散された木質様塩化ビニル系樹脂組成物を製造する方
法において、塩化ビニル系樹脂100重量部と白色度6
5〜95%であるセルロースパウダー0.5〜100重
量部とを混合した塩化ビニル系樹脂組成物を、ベント付
き押出機を用いて溶融押出しするに際し、該押出機のベ
ント部の圧力を25cmHg以上に減圧することを特徴
とする木質様塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、押出成形物にセルロー
スパウダーの凝集が発生しないための材料としての塩化
ビニル系樹脂組成物の製造に関するものであり、この塩
化ビニル系樹脂組成物を得るための押出造粒時に、ベン
ト付き押出機を用いそのベント部の圧力を減圧にするこ
とにより、塩化ビニル系樹脂組成物に対してセルロース
パウダーが均一に分散含有させることができる。
【0009】本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂と
は、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルと他の単量体と
の共重合体、塩化ビニルと他の重合体とのグラフト共重
合体、あるいは上記単独重合体、共重合体およびグラフ
ト共重合体の塩素化物等が挙げられる。これらの塩化ビ
ニル系樹脂の重合度は、通常400〜3000程度であ
り、好ましくは500〜2500、さらに好ましくは7
00〜2000である。この重合度が400未満である
と成形物とした時の強度が不足し、3000を超えると
成形加工性が低下する。
【0010】さらに、これら塩化ビニル系樹脂に加え
て、架橋塩化ビニル系樹脂も使用することができる。こ
の架橋塩化ビニル系樹脂の重合度は、通常400〜60
00程度であり、好ましくは600〜4000であり、
さらに好ましくは700〜2500である。架橋塩化ビ
ニル系樹脂は、一般的に架橋度は10%以上であり、大
半は30%前後である。
【0011】塩化ビニル単独重合体の場合、その製造方
法は従来公知の重合方法で行われ、例えば懸濁重合など
が挙げられる。これらは、市場で容易に入手可能であ
り、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTH−500、TH
−600、TH−700、TH−800、TH−100
0、TH−1300、TH−1400、TH−170
0、TH−2000等を用いることができ、重合度はそ
れぞれ500、600、700、800、1000、1
300、1400、1700、2000である。
【0012】塩化ビニル共重合体として、例えば、エチ
レン−塩化ビニル共重合体および酢酸ビニル−塩化ビニ
ル共重合体の場合、その製造方法は従来公知の重合方法
で行われ、例えば懸濁重合などが挙げられる。これらエ
チレン−塩化ビニル共重合体としては、市場で容易に入
手可能であり、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTE−6
50、TE−800、TE−1050、TE−130
0、TE−1700等を用いることができ、重合度はそ
れぞれ650、780、1050、1300、1700
である。また、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体として
も、例えば、大洋塩ビ(株)社製のTV−800があ
り、重合度は780であり、これらにおいても、市場で
容易に入手できる。
【0013】次に、塩化ビニルをグラフト共重合させて
なる塩化ビニル系グラフト共重合体とは、例えば、ホモ
ポリマーとした時にその二時転移点が−10℃以下であ
るアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタア
クリレート70〜99重量部と多官能性モノマー1〜3
0重量部に塩化ビニル70〜99重量部をグラフト共重
合させて得られる塩化ビニル系グラフト共重合体等が挙
げられ、これらを単独で、あるいは2種類以上を組み合
わせて用いることができる。
【0014】これら塩化ビニル系グラフト共重合体とし
ては、市場で容易に入手可能であり、例えば、大洋塩ビ
(株)社製のTA−I200、TA−I100、TA−
E200、TA−E230等を用いることができ、重合
度はそれぞれ500、700、1000、1300であ
る。
【0015】塩化ビニル系樹脂の塩素化物として、例え
ば、塩素化ポリ塩化ビニルがあり、これらは市場で容易
に入手可能であり、例えば、鐘淵化学工業(株)社製の
H−305、H−526、H−829等を用いることが
でき、重合度はそれぞれ500、600、900であ
り、塩素含有量はそれぞれ63、65、68%である。
【0016】架橋塩化ビニル系樹脂としては、市場で容
易に入手可能であり、例えば、チッソ(株)社製のSD
7E、SD10E、SD13Eや信越化学工業(株)社
製のGR800T、GR1300T、GR2500T等
を用いることができ、それらの重合度は各々、700、
1000、1300であり、800、1300、250
0である。
【0017】塩化ビニル系樹脂としては、上述した塩化
ビニル単独重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル系
グラフト共重合体、塩素化塩化ビニル系樹脂、架橋塩化
ビニル系樹脂をそれぞれ単独で使用しても、あるいはこ
れらのうち2種類以上を一般的な公知の方法で混合して
使用しても構わない。
【0018】本発明で用いられるセルロースパウダー
は、原料が木、パルプまたは紙を各々単独で、あるいは
これらのうち2種類以上の混合物を酸、アルカリ加水分
解処理を施して、木酸やリグニンなどの不純物を取り除
いた、白色度65〜95%のものであり、手触り感や艶
などの木質感を付与させるために使用している。これら
は市場で容易に入手可能であり、例えば、日本製紙
(株)社製の白色度80%(JIS P8123−6
1)100メッシュパスのKCフロックW−100、2
00メッシュパスのKCフロックW−200など、粒度
の異なるものが挙げられるが、何れにおいても使用する
ことができる。これらの添加部数は、該塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して0.5〜100重量部であり、
好ましくは1〜60重量部、さらに好ましくは2〜40
重量部である。0.5重量部未満では手触りによる表面
が荒れたような木質感が少なく、100重量部を越える
と成形加工性が著しく低下する。
【0019】後述の本発明における塩化ビニル系樹脂組
成物には、一般に用いられている安定剤、滑剤、発泡
剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔
料および充填剤などを必要に応じて使用することができ
る。
【0020】ここでいう安定剤としては、市場で容易に
入手可能であり、例えば、鉛白、三塩基性硫酸鉛、二塩
基性亜リン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイ
ン酸鉛、ステアリン酸鉛、ケイ酸鉛およびシリカゲル共
沈物などの鉛系安定剤、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム、ラウリン酸バリウムなどの金属石鹸、
バリウム/亜鉛、カルシウム/亜鉛などの金属塩があ
る。
【0021】また、有機錫系安定剤としては、メチル
基、ブチル基あるいはオクチル基などのアルキル基を有
し、置換基の種類によりカルボキシレート系、マレート
系あるいはメルカプト系に大別される。これらは市場で
容易に入手可能であり、例えば、ジメチル錫ビス−2−
エチルヘキシルチオグリコレート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫マレート、ジブチル錫メルカプト、ジ
オクチル錫ビス−2−エチルヘキシルチオグリコレート
などが挙げられる。
【0022】滑剤としては、流動パラフィン、パラフィ
ンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素
系、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステ
アリン酸などの脂肪酸系、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属
石鹸系、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ
オレート、ブチルステアレート、ステアリン酸モノグリ
セライド、硬化油などのエステル系、ステアリン酸アル
コールなどの高級アルコール系などが挙げられる。これ
らは各々単独使用、あるいは2種類以上を混合して使用
できる。
【0023】発泡を付与させる目的として、以下の発泡
剤を添加して使用することができる。その発泡剤として
は、例えば、p,p’−オキシビス−ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド(OBSH)、アゾジカルボンアミド(A
DCA)、炭酸水素ナトリウム(重曹:NaHCO3)等
が挙げられる。これらは、単独あるいは複合して使用し
ても構わない。これらの発泡剤は、例えば、永和化成工
業(株)社製のセルボンSCP(NaHCO3)、DS−
25(ADCA+OBSH)、セルマイクC1(ADC
A)などがある。これら発泡剤の合計添加重量部数は、
該塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.05〜
3.0重量部であり、好ましくは0.1〜1.5重量部
であり、さらに好ましくは0.2〜1.0重量部であ
る。0.05重量部未満では比重軽減効果がなく、発泡
倍率の向上はあまり期待できない。3.0重量部を越え
ると高発泡状態となり、成形品の強度が十分に保てず、
極限られた成形品しか得られないことになり、成形加工
性に問題が出てくる。
【0024】可塑剤としては、フタル酸ジ2エチルヘキ
シル、フタル酸ジイソノニルなどのフタル酸系、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化脂肪酸ブチルなどのエポキシ
系、アジピン酸ジ2エチルヘキシル、アジピン酸ジイソ
ノニルなどの脂肪族二塩基酸エステル系、前記の脂肪族
二塩基酸とグリコールの重縮化合物から成るポリエステ
ル系、塩素化パラフィン系、トリクレジルホスフェイ
ト、トリフェニルホスフェイトなどのリン酸エステル
系、トリ2エチルヘキシルトリメリテート、トリイソデ
シルトリメリテートなどのトリメリット酸エステル系な
どが使用できる。これらは各々単独使用、あるいは2種
類以上を混合して使用できる。
【0025】加工助剤としては、例えば、ポリメチルメ
タアクリレート(PMMA)が挙げられる。
【0026】顔料としては、例えば、酸化チタン、ベン
ガラ、黄鉛、カーボンブラック、カーボンホワイト、リ
トポン等が挙げられ、中でも酸化チタンが主に用いられ
る。
【0027】さらに充填剤としては、例えば、炭酸カル
シウム、クレー、含水珪酸、無水珪酸、珪酸カルシウ
ム、珪酸アルミニウムアスベスト粉、酸化アンチモン、
タルク、三水和アルミニウム、水和硼酸亜鉛、酸化マグ
ネシウム、重曹、硝酸加里、水酸化カルシウム、雲母、
合成フッ素雲母などが挙げられ、中でも、炭酸カルシウ
ムが好ましく用いられる。
【0028】本発明における押出機とは、単軸押出機、
コニカル二軸押出機、パラレル二軸押出機、コニーダー
型混練機等が挙げらるが、少なくとも塩化ビニル系樹脂
組成物の製造に際しては、ベント部から減圧できるタイ
プのベント付き押出機を用いることが必須であり、材料
中、特にセルロースパウダー中の水分を取り除くように
したものである。
【0029】塩化ビニル系樹脂組成物を得る方法として
は、前述の塩化ビニル系樹脂に白色度65〜95%のセ
ルロースパウダーを加え、さらに安定剤、滑剤、また必
要に応じてその他添加剤を加えて、例えば、ヘンシェル
ミキサー、バンバリーミキサー、リボンブレンダーなど
の攪拌機により攪拌・配合を行い、得られた配合粉を、
例えば、コニカル二軸押出機、パラレル二軸押出機、単
軸押出機、コニーダー型混練機等のベント付き押出機に
より、ベント部の圧力を25cmHg以上に減圧して溶
融押出することにより、塩化ビニル系樹脂組成物として
得ることができる。
【0030】この塩化ビニル系樹脂組成物を得るための
押出条件としては、例えば、池貝鉄工(株)社製のL/
D=22、口径110mmのベント付きパラレル二軸押
出機(GT−110)を使用した場合、押出機のベント
部の圧力を25cmHg以上に減圧し、各シリンダーの
設定温度として、シリンダー1は130〜140℃、シ
リンダー2は130〜150℃、シリンダー3は135
〜155℃、シリンダー4は140〜165℃、シリン
ダー5は135℃〜155℃、アダプターを140〜1
60℃、ダイスを150〜170℃として行い、ベント
部はシリンダー4の部分にある。
【0031】押出機ベント部の圧力を25cmHg以上
に減圧させる以外については、樹脂温度、生産量等に応
じて、フィーダー回転数、スクリュー回転数等の条件を
変えて行う必要がある。特に、前述の例にあるように、
ベント部付近であるシリンダー4の設定温度を前後のシ
リンダー設定温度より5〜30℃高くして加熱させて溶
融押出を行うことにより、さらにセルロースパウダー中
の水分が抜け、セルロースパウダー同士の凝集を抑制
し、セルロースパウダーが均一に分散された木質様塩化
ビニル系樹脂組成物が結果としてペレットで得ることが
できる。
【0032】得られた塩化ビニル系樹脂組成物のペレッ
トを用いて、単軸押出機、コニカル二軸押出機、パラレ
ル二軸押出機等にブレーカープレートおよび加熱ダイス
をヘッド部に装備した押出機と冷却サイジング台を配置
した押出成形ラインにおいて押出溶融成形を行うことに
より、セルロースパウダーが均一に分散した木質感に優
れた塩化ビニル系樹脂成形物を得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0034】溶融押出して得た塩化ビニル系樹脂組成物
のペレットを、さらに押出成形をして得た成形品を用い
て、木質感、セルロースパウダーの分散性について以下
のように評価した。
【0035】木質感については、成形品表面の艶を測定
し評価した。測定は、(株)堀場製作所製ハンディ光沢
計グロスチェッカIG−320を使用して行った。ここ
では艶の指標であるグロス値が15以下で木質感がある
と判断した。
【0036】セルロースパウダーの分散性については、
成形品表面のセルロースパウダー凝集物の粒径および個
数を測定した。規格については、成形品表面積225c
m2当たりに直径1〜2mmのセルロースパウダー凝集
物が20個以内、あるいは前述の表面積あたり直径2m
m以上のセルロースパウダー凝集物が0個の場合、合格
とした。
【0037】実施例1 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度700の塩化ビニ
ル単独重合体(大洋塩ビ(株)社製、TH−700)1
00重量部を用いて、白色度80%以上のセルロースパ
ウダー(日本製紙(株)社製、KCフロックW200)
30重量部、安定剤としてジブチル錫メルカプト1重量
部、滑剤としてグリセリンモノステアレートと合成ポリ
エチレンワックスを混合したもの2.5重量部、加工助
剤としてポリメチルメタクリレート(PMMA)10重
量部と、充填剤として炭酸カルシウム5重量部、発泡剤
としてADCA/OBSHの複合発泡剤(永和化成工業
(株)社製、DS−25)0.5重量部を三井三池
(株)社製ヘンシェルミキサ−にて混合し、得られた塩
化ビニル系樹脂組成物を池貝鉄工(株)社製のL/D=
22、口径110mmのベント付きパラレル二軸押出機
(GT−110)を使用して、ベント部の圧力を42c
mHgまで減圧し、押出機各部の設定温度は、シリンダ
ー1を130℃、シリンダー2を130℃、シリンダー
3を135℃、シリンダー4を145℃、シリンダー5
を135℃、アダプターを150℃、ダイスを155
℃、スクリューを60℃として、スクリュー回転数を3
0rpmで溶融押出を行い、塩化ビニル系樹脂組成物の
ペレットを得た。
【0038】得られたペレットを用いて、北畑鉄工所製
のL/D=25、口径65mm単軸フルフライト型スク
リュー押出機(KT−65−4型)を使用して、シリン
ダー1温度を140℃、シリンダー2温度を175℃、
シリンダー3温度を180℃、アダプター温度を175
℃、ダイス温度を180℃設定で、幅120mm、厚み
20mmの平板成形品を得た。この成形品を用いて、前
述の項目であるグロス値、セルロースパウダー凝集物の
粒径および個数について測定した。結果を表1に示す。
【0039】実施例2 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度1000の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体(大洋塩ビ(株)社製、TA−
E 200)100重量部、白色度80%以上のセルロ
ースパウダー(日本製紙(株)社製、KCフロックW2
00)3重量部を用いて、ベント部の圧力を35cmH
gに減圧した他は実施例1と同様にして配合、溶融押
出、成形を行い、得られた成形品を用いて各項目を測定
した。結果を表1に示す。
【0040】実施例3 塩化ビニル系樹脂として、平均重合度700の架橋塩化
ビニル系樹脂(チッソ(株)社製、SD7E)100重
量部、白色度80%以上のセルロースパウダー(日本製
紙(株)社製、KCフロックW200)80重量部を用
いて、ベント部の圧力を58cmHgに減圧した他は実
施例1と同様にして配合、溶融押出、成形を行い、得ら
れた成形品を用いて各項目を測定した。結果1を表に示
す。
【0041】比較例1 溶融押出時にベント部の圧力を21cmHgに減圧した
他は実施例1と同様にして配合、溶融押出、成形を行
い、得られた成形品を用いて各項目を測定した。成形品
表面のセルロースパウダー凝集物については、直径1〜
2mmの凝集物の個数は18個と規格内にあったが、2
mm以上の凝集物が2個となり、結果的には不合格であ
った。結果を表1に示す。
【0042】比較例2 溶融押出時にベント部の減圧を行わない他は実施例1と
同様にして配合、溶融押出、成形を行い、得られた成形
品を用いて各項目を測定した。成形品表面のセルロース
パウダー凝集物については、直径1〜2mmの凝集物の
個数は45個、2mm以上の凝集物は7個となり、とも
に規格外となり不合格であった。結果を表1に示す。
【0043】比較例3 白色度80%以上のセルロースパウダー(日本製紙
(株)社製、KCフロックW200)を用いないで、ベ
ント部の圧力を25cmHgに減圧した他は実施例1と
同様にして配合、溶融押出、成形を行い、得られた成形
品を用いて各項目を測定した。木質感の指標であるグロ
ス値が47と高く、木質感はなかった。結果を表1に示
す。
【0044】比較例4 白色度80%以上のセルロースパウダー(日本製紙
(株)社製、KCフロックW200)を120重量部用
い、ベント部の圧力を31cmHgに減圧した他は実施
例1と同様にして配合、溶融押出を行ったが、押出機の
モーター負荷および樹脂圧力が極端に高くなり、ペレッ
ト化することができなかった。結果を表1に示す。
【0045】比較例5 溶融押出時にベント部の圧力を42cmHgに減圧し、
ベント部付近のシリンダー4の設定温度をベント部前後
のシリンダー3およびシリンダー5の設定温度と同様の
135℃とした他は実施例1と同様にして配合、溶融押
出、成形を行い、得られた成形品を用いて各項目を測定
した。成形品表面のセルロースパウダー凝集物について
は、直径2mm以上の凝集物は全く無かったが、1〜2
mmの凝集物の個数は23個と規格外となり、結果的に
は不合格であった。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の方法によれば、押出機のベント
部の圧力を減圧することにより、塩化ビニル系樹脂に対
して、白色度65〜95%であるセルロースパウダーを
均一に分散含有させた塩化ビニル系樹脂組成物を得るこ
とができ、後の押出成形においても上記セルロースパウ
ダーの分散性を維持させることができ、木質感に優れた
塩化ビニル系樹脂成形物を提供でき、産業上優位であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 27:06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂とセルロースパウダーか
    ら成るセルロースパウダーが均一に分散された木質様塩
    化ビニル系樹脂組成物を製造する方法において、塩化ビ
    ニル系樹脂100重量部と白色度65〜95%であるセ
    ルロースパウダー0.5〜100重量部とを混合した塩
    化ビニル系樹脂組成物を、ベント付き押出機を用いて溶
    融押出しするに際し、該押出機のベント部の圧力を25
    cmHg以上に減圧することを特徴とする木質様塩化ビ
    ニル系樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の押出機のベント部が、該ベ
    ント部の前後部の加熱温度より5〜30℃高く加熱する
    ことを特徴とする木質様塩化ビニル系樹脂組成物の製造
    方法。
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