JPH11154894A - 方向変換エコー・キャンセラおよび方法 - Google Patents

方向変換エコー・キャンセラおよび方法

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JPH11154894A
JPH11154894A JP26738798A JP26738798A JPH11154894A JP H11154894 A JPH11154894 A JP H11154894A JP 26738798 A JP26738798 A JP 26738798A JP 26738798 A JP26738798 A JP 26738798A JP H11154894 A JPH11154894 A JP H11154894A
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JP
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linear prediction
filter
echo
update direction
prediction residual
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JP26738798A
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English (en)
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Tom Hong Li
トム・ホン・リ
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Motorola Solutions Inc
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Motorola Inc
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 素早く収束し、エコー信号を40dB以上抑
制し、計算上効率的であり、低ドレイン電流特性を有す
る比較的小さな回路に実施可能なエコー・キャンセラを
提供する。 【解決手段】 エコー・キャンセラ(200)は、遠端
入力音声をその線形予測残余に変換する。係数発生回路
(204)において、エコー・キャンセラの係数に対す
る更新方向を2段階で形成する。第1段階において、線
形予測残余領域において更新方向を形成する。第2段階
において、更新方向を残余領域から音声領域に変換する
ことによって、係数適応化に用いられる更新方法を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、エコー
・キャンセラに関し、更に特定すれば、高速収束エコー
・キャンセラ(fast converging echo canceller)に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】双方向通信システムの中には、反対方向
に送信する信号のために別個の経路を有するものがあ
る。かかるシステムでは、一方の経路の信号が反射し
て、他方の経路に侵入する場合がある。これら反射信号
は、一般的に、エコー信号と呼ばれ、所望の通信信号と
干渉する。その結果、反射信号を抑制するために、エコ
ー・キャンセラが開発された。
【0003】エコー・キャンセラは、適応フィルタを用
いて、反射して信号経路の一方に侵入するエコー信号を
推定する。エコー信号を含む信号経路から、このエコー
推定値を減算することによって、ほぼエコーのない、即
ち、エコーを抑制した信号を発生する。
【0004】平均最小二乗(LMS:least mean squar
e )適応フィルタは比較的単純な構造を有し、計算上安
定かつ効率的であるので、エコー信号を推定するために
これらはエコーキャンセラに広く用いられている。しか
しながら、LMS適応フィルタには、テレビ会議(telec
onference)やハンズ・フリー・セルラ通信(hands-free
cellular communication) のような、音響エコー・キャ
ンセレーション(acoustic echo cancellation)の用途に
用いた場合、収束速度(convergence rate)が遅いという
欠点がある。
【0005】LMS適応フィルタの別の欠点として、こ
れらが抑制するエコー・信号は多くの場合30dB(デ
シベル)以下に過ぎないことがあげられる。典型的な音
響的用途では、エコー信号は非常に強力であり、所望の
通信信号と同じ位強い場合もある。かかる環境では、適
応フィルタは、素早く変化するエコー経路を模擬するた
めに、素早く収束しなければならず、エコー信号を少な
くとも40dB抑制することが非常に望ましい。これら
2つの要件を満たすことができない場合、大きなエコー
推定誤差が生じ、これら大きな誤差の結果、所望の通信
信号の信号品質に著しい劣化が発生する。
【0006】繰り返し最小二乗(RLS:recursive le
ast square) アルゴリズムアフィン投影アルゴリズム(a
ffine-projection algorithm) のような他のアルゴリズ
ムを用いた適応フィルタは、LMSフィルタを用いたエ
コー・キャンセラよりは素早く適応するが、これらは不
安定であるか、あるいは計算に費用がかかる。計算に費
用がかかるフィルタとは、大きな回路または大量の処理
資源を必要とするもののことである。不安定な適応フィ
ルタは、迷走性推定値(erratic estimate)を生成し、そ
のために十分に信頼性のある動作を達成することができ
ず、ユーザが通話を通じて明瞭に通信可能なことを保証
することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】素早い収束,安定性,
高い抑制,および計算上効率的な適応フィルタに対する
要望は、とりわけ、移動ハンズ・フリー電話機やハンズ
・フリー・テレビ会議のような環境では大きい。かかる
環境におけるエコー経路は、素早い変化,強いエコー,
および煩い背景ノイズを生じ易い。したがって、エコー
・キャンセラの適応フィルタは、素早く収束し、エコー
信号を40dB以上抑制することが必要となる。また、
エコー・キャンセラは、計算上効率的であり、低ドレイ
ン電流特性を有する比較的小さな回路に実施可能である
ことも望まれている。
【0008】このため、音響エコーを発生し易い環境に
おいて、エコー経路が素早く変化し、エコー信号が強い
場合にも、安定で計算上効率的なフィルタであり続ける
ことが必要である。
【0009】
【発明の実施の形態】エコー・キャンセラは、遠端音声
サンプル(far-end speech sample) を、その線形予測残
余サンプル(linear prediction residual sample) に変
換する。エコー・キャンセラの係数に対する更新方向
を、線形予測残余領域において形成する。次に、残余領
域における更新方向(updating direction)を、音声領域
における更新方向に変換する。音声領域において変換さ
れた更新方向を用いて、エコー・キャンセラの係数適応
化を実行する。線形予測残余領域から音声領域への変換
によって更新方向を算出することにより、最適な更新方
向を得ることができる。これによって、エコー・キャン
セラは、エコー経路への適応化を大幅に高速化すること
ができ、安定性,効率,およびロバスト性を維持しつ
つ、エコー抑制の大幅な増大を可能にする。
【0010】従来の平均最小二乗(LMS)エコー・キ
ャンセラ100を、図1のデバイス101に示す。デバ
イス101は、ハンズ・フリー動作のためのマイクロフ
ォン104およびスピーカ102を含む。スピーカ経路
は、デコーダ106,および送受信機120の受信機出
力に接続されたデジタル−アナログ(D/A)変換器1
08を含む。マイクロフォン経路は、アナログ−デジタ
ル(A/D)変換器114,コンバイナ112,および
送受信機120の送信機に結合されたエンコーダ116
を含む。したがって、信号x(n),y(n)およびe
(n)はデジタル信号である。送受信機120は、無線
電話機内のアンテナ122に結合されている。
【0011】デバイス101は、移動無線電話機に接続
されたハンズ・フリー・アクセサリとすることができ、
あるいは無線電話機またはハンズ・フリー・テレビ会議
デバイスとすることもできる。エコー・キャンセラ10
0は、デジタルおよび/またはアナログ回路を有する双
方向通信デバイス内に実施可能であることを、当業者は
認めよう。したがって、デコーダ106およびエンコー
ダ116は、例示の目的のためのものである。デコーダ
106は、送受信機120がアナログ・セルラ・ホーン
またはアナログ陸線ホーン内にある場合、またはデバイ
ス101がデジタル・セルラ・ホーンまたはデジタル陸
線ホーンのアナログ出力に接続されている場合は、A/
D変換器とすることができる。あるいは、デコーダ10
6は、デジタル・セルラ・ホーンのようなデジタル・デ
バイスにおいては、デジタル・デコーダとすることがで
きる。エンコーダ116は、送受信機120がアナログ
・セルラ・ホーンまたはアナログ陸線ホーン内にある場
合、またはデバイス101がデジタル・セルラ・ホーン
またはデジタル陸線ホーンのようなデジタル・デバイス
のアナログ出力に接続されている場合は、D/A変換器
とすることができる。あるいは、エンコーダ116は、
デジタル・セルラ・ホーンのようなデジタル・デバイス
においては、デジタル・エンコーダとすることができ
る。
【0012】エコー・キャンセラ100について、これ
より、図1ないし図3を参照しながら説明する。現サン
プリング時点をnとし、遠端音声サンプルx(n)がス
ピーカ102への出力であり、近端オーディオ信号y
(n)がマイクロフォン104から受信され、この説明
の目的のために、信号x(n),y(n)は同期されて
いるものとする。即ち、デジタル−アナログ変換器10
8およびアナログ−デジタル変換器114は同じクロッ
クを用いることを意味する。近端オーディオ信号y
(n)は、近端音声s(n),エコーt(n),および
近端ノイズN(n)から成る。エコーt(n)は、スピ
ーカ102によって出力された信号x(n)が反射して
マイクロフォン104に戻ってきた部分である。ノイズ
N(n)は、例えば、車両の車室内における周囲ノイズ
である。
【0013】以下の説明では、適応フィルタの係数の適
応化を実行している間、近端音声s(n)をゼロ(即
ち、近端音声s(n)は存在しない)であると仮定す
る。近端音声および遠端音声が双方とも存在する場合、
即ち、一般的にダブル・トーク(double-talk) と呼ばれ
ている状態にある場合、適応化を停止しなければならな
い。この状況を検出し、この状態の間適応化を禁止する
ためのダブル・トーク検出器(double talk detector)は
当技術分野では既知であり、簡潔化のため以下では詳し
く説明しない。したがって、ここで引用する場合、近端
オーディオ信号y(n)はエコーt(n)およびノイズ
N(n)のみから成るものとする。
【0014】エコー・キャンセラ100は、エコー経路
をモデル化するために、係数発生回路109およびLM
S適応フィルタ110を含む。LMS適応フィルタ11
0が発生するエコー推定値z(n)は、コンバイナ11
2において信号y(n)と結合され、エコー信号の除去
即ち抑制が行われる。エコー推定誤差e(n)は、エコ
ー推定値z(n)と近端信号y(n)との間の差であ
る。LMS適応フィルタ110の係数は、受信した遠端
音声サンプルおよびエコー推定誤差に基づいて、係数発
生回路109によって更新する。
【0015】時点nにおいて、LMS適応フィルタ11
0の係数は、W(n)=[w0 (n)w1 (n)...
L-1 (n)]T である。Lはフィルタ長であり、上付
き文字T(即ち[]T )は、ベクトルの転置を意味す
る。L個の遠端受信遠端音声サンプルは、X(n)=
[x(n),x(n−1),...,x(n−L+
1)]T である。LMS適応フィルタのエコー推定値z
(n)は、次の式で表される。 z(n)=X(n)T W(n) (1) LMS適応フィルタ110に対するエコー推定誤差e
(n)は、次の式で表される。
【0016】 e(n)=y(n)−z(n) (2) LMS適応フィルタ110の係数W(n)は、次の式に
したがって更新される。
【0017】
【数3】 ここで、μは適応化の刻み幅(step size) であり、||
X(n)||2 =X(n)T X(n)である。
【0018】R(n)=E{X(n)X(n)T }=
{rij(n)|i,j=0,1,...,L−1}は、
遠端音声サンプルの自己相関マトリクスである。E
* }は、統計的平均である。遠端音声信号は非定置状
(nonstationary) であるので、R(n)は時間変動Lx
Lマトリクスであり、L個の時間変動正固有値{λi
(n)i=0,1,...,L−1}およびL個の時間
変動固有ベクトル{vi (n)i=0,1,...,L
−1)}を有する。S(n)=E{y(n)X(n)}
=[s0 (n)s1 (n)...SL-1 (n)]T
[E{y(n)x(n)}E{y(n)x(n−
1)}...E{y(n)X(n−L+1)}]T は、
遠端音声サンプルおよび近端オーディオ信号の自己相関
ベクトルである。
【0019】適応フィルタの性能は、L個の時間変動固
有値および固有ベクトルの値によって左右される。μは
固定であり、次の規則に従うように選択しなければなら
ないことは既知である。
【0020】 0<μ<2/λmax (n) (4) ここで、λmax (n)はR(n)の最大固有値である。
遠端音声は非定置状であるので、λmax (n)は大きな
ダイナミック・レンジを有する。しかしながら、適応フ
ィルタの安定性を維持するためには、μは、常に式
(4)の範囲に収まるように、非常に小さくなければな
らない。この安定性を維持するための小さなμは、LM
S適応フィルタの収束が遅い原因の1つである。
【0021】LMS適応フィルタ110の最適係数は、
0 =[w01 ,...,wL-1T である。通常、
0 は、時間と共に非常にゆっくりと変化する。したが
って、ここでは、これを一定ベクトルと見なす。LMS
適応フィルタが現係数W(n)を用いて発生するエコー
推定誤差は、以下のように与えられる。
【0022】 ε(n)=y(n)−z(n)=y(n)−X(n)T W(n) (5) ここで、y(n)は近端エコー信号である。y(n)が
エコーおよびノイズで構成されている状況について、以
下で検討する。以下の分析では、近端ノイズは存在しな
いと仮定する。W(n)がy(n)およびX(n)と相
関付けされていない場合(この想定は、W(n)が収束
し、W(n)が一定ベクトルと見なされる場合、近似的
に正しい)、LMS適応エコー・キャンセラのエコー推
定値の平均二乗誤差は、以下によって定義される。
【0023】 ξ=E{ε2 (n)}=E{[y(n)−X(n)T W(n)]2 } =E{y(n)2 }+E{W(n)T X(n)X(n)T W(n)}−2E {y(n)X(n)W(n)T } =E{y(n)2 }+W(n)T E{X(n)X(n)T }W(n)−2E{ y(n)X(n)}W(n)T =E{y(n)2 }+W(n)T R(n)W(n)−2S(n)W(n)T (6) W0 はW(n)の最適解であり、ξはW(n)の関数で
あるので、W0 におけるξの傾斜はゼロである。これ
は、以下の式を満足する。
【0024】 ∂ξ/∂W(n)=0 =>2R(n)W0 −2S(n)=0 =>W0 =R(n)-1S(n) (7) (7)式を(6)式に代入することによって、以下の式
を用いて、エコー推定値の最小平均二乗誤差を得ること
ができる。
【0025】 ξmin =E{y(n)2 }−S(n)T0 (8) ξmin は時間変動するが、時間と共に非常にゆっくり変
化するので、ここでは定数と見なす。式(8)および式
(7)を式(6)に代入することによって、以下の関係
を証明することができる。
【0026】 ξ=ξmin +[W(n)−W0T R(n)[W(n)−W0 ] (9) LMS適応フィルタは、W(n)をその真値W0 に近づ
けようとする。即ち、ξをξmin に近づけようとする。
適応フィルタの収束挙動は、係数が2つの場合、即ち、
L=2で、W(n)=[w0 (n)w1 (n)]および
0 =[w01 ]という場合について理解することが
できる。したがって、図2および図3に示す等平均二乗
曲線(equal mean square curve) を参照しながら、適応
フィルタの収束挙動について説明する。これらの曲線
は、ξを異なる一定値に設定し、w0 (n)およびw1
(n)を軸として用いることによって、プロットしたも
のである。曲線は、w0 (n)−w1 (n)面では楕円
形であり、R(n)の固有ベクトルが楕円の主軸を規定
し、固有値が誤差面の急降度(steepness) を規定する。
したがって、固有値が大きい程、軸が長く、マトリクス
R(n)の固有値は、軸の長さを定義する。
【0027】音声信号は非定置であるので、等平均二乗
誤差曲線は、時間変動楕円形(time-varying ellipses)
となる。LMS適応フィルタは、更新方向として、図2
における11および図3における13の傾斜方向を採用
する。傾斜方向は、単純で信頼性の高い唯一の更新方向
である。図からわかるように、方向11は、図2に示す
最適方向12から大きく変動し、更新方向13は、マト
リクスR(n)が時間変動固有値を有するこれら2つの
例を含む殆どの場合、図3に示す最適方向から大きく変
動する。
【0028】等平均二乗誤差曲線の形状およびサイズ
は、時間と共に変化する。したがって、LMS適応フィ
ルタは、多くの場合、最適な方向から大きな発散を有す
る更新方向を用いる。これは、何故LMS適応フィルタ
の収束が遅く、音響エコー・キャンセレーションのよう
な用途においてエコー信号の40dB以上の抑制が不可
能な別の理由である。
【0029】改善されたエコー・キャンセラ200のシ
ステム・アーキテクチャを図4に示す。エコー・キャン
セラ200は、マイクロプロセッサ,デジタル信号プロ
セッサ,マイクロコンピュータ,コンピュータ,または
その他の適切な回路であればいかなるものを用いても、
実施可能である。エコー・キャンセラ200は、線形予
測回路202を含み、入力信号である遠端音声信号x
(n)を受信するように接続され、線形予測係数および
残余信号d(n)を出力203に出力する。線形予測回
路は、いずれか適切な線形予測フィルタ回路を用いて実
施することができる。線形予測誤差フィルタは、その係
数を推定するために処理速度が速い多くのアルゴリズム
が入手可能であるので有利である。好ましくは、計算上
効率的でありかつ安定な高速アルゴリズムを用いる。こ
れらの特性を有する線形予測誤差フィルタを選択するこ
とによって、エコー・キャンセラ200が安定で効率的
であることを保証する。
【0030】線形予測分析は、非常に精度が高い音声パ
ラメータの推定値を与えることができる。線形予測シス
テムは、発声音声(voiced speech) に対するインパルス
列、または非発声音声(unvoiced speech) に対するラン
ダム・ノイズ・シーケンスによって励起される。線形予
測システムのパラメータは、時間と共に非常にゆっくり
と変動する。音声サンプルs(n)と励起u(n)との
間の関係は、次の式によって表される。
【0031】
【数4】 ここで、pは時間変動デジタル・フィルタの次数、Gは
ゲイン・ファクタ、および{αk |k=1,
2,...,p}は、時間変動デジタル・フィルタの係
数である。
【0032】音声サンプルの線形予測は、過去のサンプ
ルの線形結合(linear combination)から現音声サンプル
の推定値を生成する。s(n)ハットをs(n)の線形
予測値とすると、s(n)ハットは、以下のように、予
測フィルタ係数{αk |k=1,2,...,p}を用
いて、線形予測器によって得ることができる。
【0033】
【数5】 式(11)の線形予測器の予測誤差は、以下の式で与え
られる。
【0034】
【数6】 式(12)から、予測誤差シーケンスは、線形予測誤差
フィルタの出力であり、その伝達関数は、以下の通りで
あることがわかる。
【0035】
【数7】 線形予測誤差フィルタ係数{αk |k=1,
2,...,p}を推定する繰り返し高速アルゴリズム
は、既知である。線形予測誤差フィルタは、白色ノイズ
の特性を有する残余信号を生成するので、白色化フィル
タ(whitening filter)である。本発明では、Levinson-D
urbin 繰り返しアルゴリズムが特に有利である。このフ
ィルタは、多数の望ましい特性を有する。これは、音声
予測には普及しており、したがって非常によく理解さ
れ、開発されている。これは計算上効率的であるので、
比較的小さな回路に実施することができる。このアルゴ
リズムの別の重要な特性としては、このフィルタを採用
した線形予測誤差フィルタは安定であることがあげられ
る。
【0036】エコー・キャンセラ200は、受信オーデ
ィオ・サンプルのフレーム単位で動作する。受信オーデ
ィオ・サンプルとは、スピーカ102に出力される遠端
信号およびマイクロフォン104から入力される近端信
号双方からの信号サンプルを意味する。遠端信号および
近端信号双方からのオーディオ・サンプルは同期が取ら
れている。フレーム・サイズKは、通常50ないし20
0サンプルである。一旦遠端および近端双方からK個の
新しいオーディオ・サンプルのフレームが受信される
と、アルゴリズムの動作が開始する。K個の受信遠端音
声サンプルは、x(n),x(n−1),...x(n
−K+1)であり、K個の受信近端信号サンプルは、y
(n),y(n−1),...y(n−K+1)であ
る。ここで、nは現サンプル時点である。
【0037】動作において、K個の受信遠端音声サンプ
ル、即ち、入力信号サンプルの線形予測分析を、最初に
線形予測回路202において実行する。線形予測誤差フ
ィルタ係数{αk |k=1,2,...,p}は、例え
ば、Levinson-Durbin アルゴリズムのような種々のアル
ゴリズムによって、推定することができる。線形予測回
路202に用いる線形予測誤差フィルタの次数pは、例
えば、5ないし15の範囲とするとよい。線形予測回路
202に対する線形予測誤差フィルタは、以下の式で表
される伝達関数A(z)を有する。
【0038】
【数8】 適応フィルタの係数は、係数更新回路である、係数発生
回路204において更新される。LMS適応フィルタ1
10において更新された係数を用いて、適応エコー・キ
ャンセレーションを、K個の受信オーディオ・サンプ
ル、即ち、入力信号サンプル上で実行する。時間インデ
ックスiが、K個の新たな受信オーディオ・サンプルの
時間範囲内にある。即ち、n≦i≦n−K+1である。
W(i)=[w0 (i)w1 (i)...wL-1
(i)]T は、時点iにおける適応エコー・キャンセラ
の係数であり、Lは適応エコー・キャンセラの長さであ
り、X(i)=[X(i)x(i−1)...x(i−
L+1)]T は、時点iにおけるL個の受信遠端音声サ
ンプルのベクトルである。Lは、Kよりも小さくても大
きくてもよい。
【0039】K個の受信サンプルに対して、各サンプル
毎に、即ち、i=n−K+1,n−k+2,...,n
に対して、エコー・キャンセラ200は、エコー・キャ
ンセレーションを実行する。エコー・キャンセラ200
は:i=n−K+1において、係数W(n−K+1)を
用いてエコー・エコーキャンセレーションを実行し、係
数W(n−K+1)を係数W(n−K+2)に更新す
る。
【0040】時点i=n−K+2において、係数(n−
K+2)を用いてエコー・キャンセレーションを実行
し、係数(n−K+2)を係数(n−K+3)に更新す
る。
【0041】更に、最後のサンプル時点i=nにおい
て、係数W(n)を用いてエコー・キャンセレーション
を実行し、係数W(n)が係数W(n+1)に更新され
るまで、連続する各サンプル時点においてこの動作を繰
り返し、次のフレームを待ち、当該フレームに対してこ
のシーケンスを繰り返す。
【0042】指定した時点iにおいて、適応エコー・キ
ャンセラのエコー推定誤差は、以下のようになる。
【0043】 e(i)=y(i)−X(i)T W(i) (15) ここで、y(i)は時点iにおける近端オーディオ・サ
ンプルである。
【0044】時点iにおいて、適応エコー・キャンセラ
の係数更新方向は、線形予測残余領域において構築され
る。受信遠端音声サンプルのL個の線形予測残余サンプ
ルd(i),d(i−1),...d(i−L+1)
は、線形予測誤差フィルタA(z)を用いて、時点iに
おける受信遠端音声サンプルをフィルタ処理することに
よって生成される。
【0045】
【数9】 線形予測残余領域における適応エコー・キャンセラの係
数更新方向は、Q(i)であり、以下のように表され
る。
【0046】
【数10】 ここで、D(i)=[d(i),d(i−1),...
d(i−L+1)]T 、およびQ(i)=[q0
(i),q1 (i),...qL-1 (i)]T ,μは適
応化の刻み幅であり、||D(i)||2 =D(i)T
D(i)である。
【0047】線形予測残余領域において適応エコー・キ
ャンセラの係数変更方向を得た後、係数発生回路204
では、音声領域における更新方法を、A(z)およびQ
(i)に基づいて算出することができる。音声領域にお
ける適応エコー・キャンセラの係数更新方向は、G
(i)=[g0 (i)g1 (i)...gL-1 (i)]
Tである。G(i)の算出は、以下の式によって、G
(i)の各成分について行う。
【0048】
【数11】 ここで、gj (i)=1(j=−1,−2,...,−
p)は、先の式を計算するために仮定されたものであ
る。
【0049】式(18)および式(16)は、異なる動
作方向を有するフィルタを表す。式(16)は、前進線
形予測フィルタ処理(forward linear prediction filte
ring) を行い、音声領域からの遠端音声サンプルを、線
形予測残余領域に変換する。式(18)は、逆進線形予
測(backward linear prediction)を行い、更新方向を線
形予測残余領域から音声領域に変換する。
【0050】G(i)を得た後、適応エコー・キャンセ
ラの係数は、以下のように、直接更新することができ
る。
【0051】 W(i+1)=W(i)+G(i) (19) ここで、W(i+1)は、時点i+1において次のサン
プルに用いるために更新された係数である。
【0052】音声信号に対する線形予測誤差フィルタの
係数は、時間と共にゆっくりと変化するので、各フレー
ム内部では、線形予測誤差フィルタの係数は、事実上1
フレームの間では変化しない。したがって、これは、音
声サンプルの1フレームの内側では、線形時間不変FI
Rフィルタ(linear time-invariant FIR filter)と見な
すことができる。音声サンプルの1フレームに対する係
数は、Levinson-Durbin アルゴリズムによって推定す
る。また、線形予測誤差フィルタは、白色化フィルタで
あり、線形予測残余は事実上白色ノイズである。したが
って、線形予測残余の自己相関マトリクスは、白色ノイ
ズのそれである。
【0053】P(i)+E{D(i)D(i)T }=
{pij(n)|i,j=0,1,...,L−1}は、
線形予測残余の自己相関マトリクスである。線形予測残
余領域における更新方向Q(i)を、適応化において更
新方向として用いる場合、時点iにおけるLMSエコー
推定値の平均二乗誤差β(i)は、式(5)ないし
(9)にしたがって、以下の式から得られる。
【0054】 β(i)=βmin +[V(i)−V0T P(i)[V(i)−V0 ] (20) ここで、βmin は、β(i)の最小値である。先と同
様、これは、時間と共にゆっくりと変化するので、定数
と見なすことができる。V(i)は、時点iにおけるエ
コー・キャンセラの係数であり、(1/A(z))によ
るW(i)の畳み込みである。V0 は、先に定義した係
数V(i)の最適解であり、これは時間と共にゆっくり
と変化するので、一定ベクトルと見なされる。V(i)
は、W0 および(1/A(z))の畳み込みである。
【0055】線形予測残余領域に対する等平均二乗誤差
曲線を図5に示す。P(i)は、L個の等しい固有値を
有し、等平均二乗誤差曲線は円である。その結果、傾斜
方向51が、LMSフィルタに得られる唯一の信頼性の
ある更新方向となり、傾斜方向51は、円上のいずれの
点においても最適な方向となる。V(i)は、W(i)
がW0 に収束するよりも、格段に速くV0 に収束する。
尚、V(i)はW(i)に等しくなく、実際には、(1
/A(z))によるW(i)の畳み込みである。最適な
更新方向は、残余領域においてQ(i)として求めるこ
とができる。
【0056】W(i)に対する音声領域における最適更
新方向は、Q(i)およびA(z)の得られる情報から
求めることができる。以下の式を、V(i)の適応化に
ついて検討する。
【0057】 V(i+1)=V(i)+Q(i) (21) これは、線形予測残余領域における更新方向を用いるこ
とを除いて、図1のLMS適応フィルタと同一である。
収束の後、係数は、真の係数W(i)と等価ではない
が、(1/A(z))による畳み込みと等価である。線
形予測誤差フィルタA(z)は、受信遠端音声サンプル
の1フレームの内側では、時間不変であるので、W
(i)はV(i)およびA(z)の畳み込みである。式
(21)のA(z)による畳み込みは、以下のように行
われる。
【0058】
【数12】 ここで、丸印内のxは、2つのフィルタの畳み込みを表
す。したがって、上述の適応方程式は、残余領域におけ
る更新方向のA(z)による畳み込みによって、更新方
向を導出し、エコー・キャンセラ200において用いら
れるのは、この変換更新方向である。
【0059】変換更新方向は、未だ音声領域における最
適方向を示す。これは、以下によって立証される。 (1)Q(i)は、V(i)の適応化に対する最適方向
であるので、V(i)+ηQ(i)−V0 =0となるよ
うなスカラηが存在する。 (2)A(z)とQ(i)の畳み込みがW(i)に対す
る最適更新方向でない場合、
【0060】
【数13】 となるようなスカラαは存在しない。 (3)A(z)は線形時間不変フィルタであり、
【0061】
【数14】 であるので、上述の式は以下のように書き換えることが
できる。
【0062】
【数15】 (4)明らかに、上述の式を成り立たせる少なくとも1
つのスカラα=ηがある。したがって、A(z)および
Q(i)の畳み込みによって、W(i)に対する最適更
新方向が生成される。
【0063】同様に、エコー・キャンセラ200のエコ
ー推定値の二乗平均誤差は、式(5)ないし(9)にし
たがって、以下のように表すことができる。
【0064】 ε(n)=y(n)−z(n)=y(n)−X(n)T W(n) (23) ここで、y(n)は近端信号である。W(n)=[w0
(n)w1 (n)...wL-1 (n)]T は、エコー・
キャンセラ200の係数である。X(n)=[x
(n),x(n−1),...,x(n−L+1)]T
は、受信遠端音声サンプルである。この新たな適応エコ
ー・キャンセラのエコー推定値の二乗平均誤差は、以下
によって定義される。
【0065】 ξN =E{ε2 (n)}=E{[y(n)−X(n)T W(n)]2 } =ξmin +[W(n)−W0T R(n)[W(n)−W0 ] ここで、ξmin =E{y(n)2 }−S(n)T0
は、エコー・キャンセラ200による最小平均二乗誤差
である。w0 =[w01 ,...,WL-1T は、エ
コー・キャンセラ200の最適係数である。R(n)=
{X(n)X(n)T }は、以前と同様に定義される。
等平均二乗誤差曲線は、図1のLMSエコー・キャンセ
ラのそれと同一である。しかしながら、図6に示すよう
に、更新方向は改善されている。
【0066】2つの係数、即ち、L=2で、W(i)=
[w0 (i)w1 (i)]およびW0 =[w01 ]の
場合について、新たな適応フィルタの二乗平均誤差曲線
を図6に示す。新たな適応フィルタは、その更新方向と
して、図1のLMS適応フィルタの場合のように、傾斜
方向61を採用していない。係数発生回路204は、2
段階で係数更新方向を決定する。まず、遠端音声の線形
予測残余領域において、更新方向を求める。第2に、こ
の更新方向を音声領域に変換し、最適更新方向62を得
る。係数発生回路204は、常に最適更新方向を用いる
ので、従来技術のLMSフィルタにおいて発生する遠端
音声の固有ベクトルおよび固有値の変化の有害な影響を
回避する。
【0067】エコー・キャンセラ200(図2)は、従
来のLMS適応エコー・キャンセラよりも、格段に速く
収束する。また、エコー・キャンセラ200は、60d
B以上音響エコーを抑制することができる。これは、音
響エコー・キャンセレーションの用途に利用する場合に
特に有用である。
【0068】したがって、エコー・キャンセラ200
(図2)は従来のLMS適応フィルタ110を用いるこ
とがわかる。しかしながら、係数発生回路204によっ
て、改善された更新方向が用いられる。更新方向は、線
形予測誤差フィルタの出力から導出され、このフィルタ
は、ブロック700(図7)に示すように、入力信号サ
ンプルから線形予測係数を算出する。線形予測誤差フィ
ルタ係数を算出するためのアルゴリズムは、容易に実装
され、高速であり、しかも安定である。Levinson-Durbi
n アルゴリズムは、既知であり、計算上効率的であり、
エコー・キャンセラ回路のサイズを過度に増大させるこ
となく実装可能であるので、有利に採用することができ
る。他にも既知の低次の有限インパルス応答(FIR)
フィルタがあり、線形予測情報を算出するために用いる
ことができる。
【0069】線形予測残余領域における更新方向は、ブ
ロック701に示すように、線形予測残余から導出され
る。これは、遠端音声サンプルを線形予測残余に変換し
た後に行われる。これは、入力信号サンプルのFIRフ
ィルタ処理を伴う。FIRフィルタの次数は、例えば、
約10とすることができる。したがって、計算上要求さ
れる電力は小さく、安定性も保証される。したがって、
更新方向は、最初に線形予測残余領域にある(線形予測
フィルタによって処理される信号は、線形予測領域にあ
る)。
【0070】次に、ブロック702に示すように、更新
方向を線形予測残余領域から音声領域に変換する。音声
領域は、デジタル化音声である。領域変換は、FIRフ
ィルタを用いて行うことができる。音声領域における更
新方向は、係数発生回路204が用いて適応フィルタ係
数を更新する。
【0071】LMSエコー・キャンセラは、簡素であ
り、ロバスト性が高く、しかも計算上効率的であること
が知られている。エコー・キャンセラ200は、LMS
フィルタを採用し、改善された更新方向を用いることに
よって適応化の収束速度を向上させつつ、LMSエコー
・キャンセラのこれらの特性を利用することが好まし
い。改善されたエコー・キャンセラは、容易に実施さ
れ、安定で、ロバスト性が高く、しかも計算上効率的で
あると結論付けることができる。シミュレーションによ
って、エコー・キャンセラ200はノイズが多い環境に
おいてもロバスト性が高いことが示された。更新方向の
変換によって、収束速度が格段に高速化し、収束の高速
化によってエコー抑制も大幅に増大した。当業者は、変
換した適応方向の利点を、非LMSエコー・キャンセラ
に採用可能であることも認めよう。したがって、ここで
用いる場合「適応フィルタ」および「エコー・キャンセ
ラ」は、LMS適応フィルタおよびLMSエコー・キャ
ンセラには限定される訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるエコー・キャンセラを示す回路
構成図。
【図2】係数が2つのみ、即ち、L=2の場合に、LM
S適応エコー・キャンセラの係数の不正確な推定値によ
って発生したエコー推定値の等平均二乗誤差曲線の例を
示すグラフ。
【図3】係数が2つのみ、即ち、L=2の場合に、LM
S適応エコー・キャンセラの係数の不正確な推定値によ
って発生したエコー推定値の等平均二乗誤差曲線の別の
例を示すグラフ。
【図4】エコー・キャンセラを示す回路構成図。
【図5】係数を2つのみ、即ち、L=2として、線形予
測残余領域における更新方向を用いた場合に、適応エコ
ー・キャンセラの係数の不正確な推定値によって発生し
たエコー推定値の等平均二乗誤差曲線の例を示すグラ
フ。
【図6】係数を2つのみ、即ち、L=2として、線形予
測残余領域における更新方向から変換された、音声領域
における更新方向を用いた場合に、適応エコー・キャン
セラの係数の不正確な推定値によって発生するエコー推
定値の等平均二乗誤差曲線の例を示す図。
【図7】更新方向の発生を示すフロー・チャート。
【符号の説明】
100 平均最小二乗(LMS)エコー・キャンセラ 101 デバイス 102 スピーカ 104 マイクロフォン 106 デコーダ 108 デジタル−アナログ(D/A)変換器 112 コンバイナ 114 アナログ−デジタル(A/D)変換器 116 エンコーダ 120 送受信機 200 エコー・キャンセラ 202 線形予測回路 203 出力 204 係数発生回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】適応フィルタを含むエコー・キャンセラに
    おいて更新方向を発生する方法であって:線形予測残余
    領域において更新方向を算出する段階;および前記更新
    方向を前記線形予測残余領域から音声領域に変換し、前
    記適応フィルタの係数更新に用いるための、音声領域更
    新方向を発生する段階;から成ることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】Levinson-Durbin アルゴリズムを用いて線
    形予測残余信号を発生し、これより、前記線形予測残余
    領域における前記更新方向を算出することを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記線形予測残余領域において前記更新方
    向を算出する前記段階は、線形予測係数を用いて算出さ
    れる線形予測残余信号を導出する段階を含むことを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記線形予測残余信号は、複数の線形予測
    係数を有する線形予測誤差フィルタを用いて発生するこ
    とを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記線形予測残余信号はd(n)であり、 【数1】 であり、ここで、pはフィルタの次数、x(n)および
    x(n−k)はそれぞれ入力信号の現サンプルおよび過
    去のサンプル、ならびに{αk }は前記線形予測誤差フ
    ィルタの線形予測係数であることを特徴とする請求項4
    記載の方法。
  6. 【請求項6】前記変換する段階は、有限インパルス応答
    フィルタにおいて前記更新方向にフィルタ処理を施し、
    前記音声領域における前記更新方向を得る段階を含むこ
    とを特徴とする請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】前記変換する段階は、前記線形予測係数を
    用いて前記更新方向を前記音声領域に変換する段階を含
    むことを特徴とする請求項3記載の方法。
  8. 【請求項8】前記更新方向を変換する前記段階は、以下
    の式にしたがって前記音声領域において更新方向gn
    (i)を算出する段階を含み、 【数2】 ここで、Lは前記適応フィルタの長さ、pは前記線形予
    測誤差フィルタの次数、Q(i)=[q0 (i),q1
    (i),...,qL-1 (i)]T は前記線形予測残余
    領域における更新方向、G(i)=[g0 (i),g1
    (i),...gL-1 (i)]T は前記音声領域更新方
    向、および{αk }は前記線形予測誤差フィルタの係数
    であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】前記適応フィルタの現係数および遠端音声
    サンプルを用いてエコー推定値を発生する段階;前記遠
    端音声サンプルに基づいて、線形予測フィルタ係数を発
    生する段階;前記線形予測フィルタ係数から線形予測残
    余信号を発生する段階;前記線形予測残余信号から、前
    記線形予測残余領域における前記エコー・キャンセラに
    対する前記更新方向を算出する段階;および前記現係数
    および前記音声領域更新方向に基づいて、前記適応フィ
    ルタに対する更新係数を発生する段階;を更に含むこと
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9のいずれか1項に定義
    された方法にしたがって動作するエコー・キャンセラ。
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