JPH11149851A - 限流遮断装置 - Google Patents

限流遮断装置

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JPH11149851A
JPH11149851A JP31370697A JP31370697A JPH11149851A JP H11149851 A JPH11149851 A JP H11149851A JP 31370697 A JP31370697 A JP 31370697A JP 31370697 A JP31370697 A JP 31370697A JP H11149851 A JPH11149851 A JP H11149851A
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JP
Japan
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current
electrode
circuit
vacuum valve
capacitor
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Application number
JP31370697A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Tsurunaga
和行 鶴永
Jun Matsuzaki
順 松崎
Hideki Hachiya
英樹 蜂屋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、大きな限流効果を得られ、定常損
失を低減でき、高電圧・大電流回路に適用でき、コンパ
クト化並びに低コスト化の実現を図る。 【解決手段】 電源1と負荷2との間に直列に接続され
て用いられ、事故電流を限流して遮断するための限流遮
断装置であって、電源と負荷との間に接続される固定電
極4bと可動電極4cとを有し、さらに可動電極の近傍
に絶縁距離を有して配置された制御電極4dとを有する
真空バルブ4と、真空バルブの制御電極から固定電極に
至る消弧用閉回路内に設けられ、任意電圧に充電される
コンデンサC2と、消弧用閉回路内でコンデンサに直列
に接続された消弧用リアクトルL2とを備えた限流遮断
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高電圧・大電流の
電路に適用可能な限流遮断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電路に短絡や地絡事故が発生すると数十
kAにも及ぶ事故電流が流れ、系統及び電力機器に大き
なダメージを与えてしまう。このような事故電流を瞬時
に検出し抑制する技術を限流技術と称し、これまで様々
な原理のものが開発されている。
【0003】図10及び図11は、その代表的な従来技
術である限流遮断装置の構成とその適用回路を示してい
る(特公昭50−4876号公報)。図10の適用回路
において、Eは3相電源、R及びXは短絡回路に設けた
抵抗とインダクタンス、Bは遮断器、RGは限流素子で
ある。
【0004】この従来技術では、限流素子RGとしてニ
オブカーバイドからなるPTC(Positive Temperature
Coefficient)抵抗体を用い、そのPTC特性を利用して
事故電流を限流するようになっている。ニオブカーバイ
ドは図11に示すように温度上昇に対応して固有抵抗が
大きく変化するPTC特性を有している。したがって、
通常の電流値では限流素子RG温度は上昇せず低抵抗状
態を維持して回路に影響を与えない。
【0005】しかし、回路に事故が発生して過大な電流
が流れると、限流素子RGの固有抵抗が増大して回路電
流を減少させるように作用する。このような限流作用に
よって事故電流が大幅に抑制されることから、遮断器の
コンパクト化と過大な事故電流による系統へのダメージ
低減が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
限流遮断装置では限流素子と遮断器との直列構成によ
り、短絡電流の如き急峻な立上りをもつ過電流に対し、
第1波から限流できる優れた特徴を有する反面、固有抵
抗の変化幅が比較的小さいため、以下のような問題があ
る。 (i) 限流素子に常時負荷電流が流れるので、通電容量が
制限される。すなわち、負荷電流に比例して限流素子温
度が上昇して限流を行なうため、回路動作や限流特性に
影響しない範囲で限流素子の定常温度(通電電流値)を
抑制する必要がある。 (ii)限流素子に常時負荷電流が流れるので、定常通電電
流によるジュール発熱(電力損失)が生じる。 (iii) 現状で実用可能な限流素子の常温下の固有抵抗変
化幅は、約1:10が限度である。したがって、限流素
子が電源と負荷との間に直列に接続される構成では、適
用回路電圧に比例して限流効果が減少する。
【0007】すなわち、限流時に必要な限流素子の限流
時抵抗値(Rm )は、 Rm =E/Im (Ω) …(1) である。ここで、E;回路電圧(V)、Im ;限流電流
値(A)である。このとき、無通電時の限流素子の定常
時抵抗値R0 は、Rm の1/10であるから、R0 =R
m /10となる。よって、限流素子の連続通電電流許容
値(I)は、
【0008】
【数1】 となる。ここに、α;限流素子の放熱係数(W/K)、
β;限流素子の抵抗温度係数、θt;限流素子の定常時
の許容温度上昇値(K)である。
【0009】以上から、限流電流値Im を一定とした場
合、回路電圧Eが高くなると限流時抵抗値Rm も大きな
値が必要となり、よって、定常時抵抗値R0 も大きくな
るという関係が分かる。
【0010】なお、限流素子の放熱係数α及び定常時許
容温度上昇値θtは、限流素子の外形及び特性で決定さ
れる。α及びθtを一定とすれば、定常時抵抗値R0
大きいほど、連続通電電流許容値Iが低くなる。
【0011】逆に、通電電流許容値Iを上げるように定
常時抵抗値R0 を低く設定すれば、限流時の必要抵抗値
m が定常時抵抗値R0 の10倍程度しかないために、
回路電圧の上昇に従い、必然的に限流電流値Im が大き
くなって限流効果を減少させる問題がある。
【0012】すなわち、高電圧回路への適用は、限流効
果を低減させる問題がある。同様に大電流回路への適用
は、限流効果を低減させる問題があり、且つジュール発
熱による定常損失を増大させる問題がある。
【0013】また、これらの問題を回避する観点から、
限流素子の並列数や直列数を増やして1素子に係る定常
損失を低減させる方式が考えられる。しかしながら、こ
の方式は、余分な限流素子を設けるため、装置全体のサ
イズ及びコストを増大させる問題がある。
【0014】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、大きな限流効果を得られ、限流素子による定常損失
を低減でき、高電圧・大電流回路に適用でき、コンパク
ト化並びに低コスト化を実現し得る限流遮断装置を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、三極式
の真空バルブと、LC直列共振回路とを用いて限流作用
を行ない、もって、定常損失を低減しつつ、大きな限流
効果を得ることにある。また、余分な限流素子を設け
ず、コンパクト化並びに低コスト化を図ることにある。
【0016】さて、以上のような本発明の骨子に基づい
て具体的には以下のような手段が講じられる。請求項1
に対応する発明は、電源と負荷との間に直列に接続され
て用いられ、事故電流を限流して遮断するための限流遮
断装置であって、前記電源と負荷との間に接続される固
定電極と可動電極とを有し、さらに前記可動電極の近傍
に絶縁距離を有して配置された制御電極とを有する真空
バルブと、前記真空バルブの制御電極から前記固定電極
に至る消弧用閉回路内に設けられ、任意電圧に充電され
るコンデンサと、前記消弧用閉回路内で前記コンデンサ
に直列に接続された消弧用リアクトルとを備えた限流遮
断装置である。
【0017】また、請求項2に対応する発明は、電源と
負荷との間に直列に接続されて用いられ、事故電流を限
流して遮断するための限流遮断装置であって、前記電源
と負荷との間に接続される固定電極と可動電極とを有
し、さらに前記固定電極の近傍に絶縁距離を有して配置
された制御電極とを有する真空バルブと、前記真空バル
ブの制御電極から前記可動電極に至る消弧用閉回路内に
設けられ、任意電圧に充電されるコンデンサと、前記消
弧用閉回路内で前記コンデンサに直列に接続された消弧
用リアクトルとを備えた限流遮断装置である。
【0018】さらに、請求項3に対応する発明は、請求
項1又は請求項2に対応する限流遮断装置において、前
記真空バルブに設けられ、励磁により前記可動電極を前
記固定電極から離間させる方向に磁界を発生する電磁反
発コイルと、前記電磁反発コイルの一端から前記コンデ
ンサを介して前記電磁反発コイルの他端に至る離間用閉
回路内で前記コンデンサに直列に接続されたサイリスタ
スイッチと、前記離間用閉回路内で前記コンデンサに直
列に接続された離間用リアクトルと、前記電源と負荷と
の間を流れる電流を検出し、この検出結果が所定値を超
えると、瞬時に前記サイリスタスイッチを所定時間ター
ンオンさせる過電流検出器とを備えた限流遮断装置であ
る。
【0019】また、請求項4に対応する発明は、請求項
1に対応する限流遮断装置において、前記真空バルブと
しては、開極状態で前記可動電極と前記制御電極とが機
械的に接触する限流遮断装置である。
【0020】さらに、請求項5に対応する発明は、請求
項1に対応する限流遮断装置において、前記真空バルブ
としては、閉路状態から開極状態に移行するとき、前記
可動電極と前記制御電極とが一瞬接触してから離れる限
流遮断装置である。 (作用)従って、請求項1に対応する発明は以上のよう
な手段を講じたことにより、真空バルブの固定電極と可
動電極とが離間して両電極間にアークを生じたとき、こ
のアークによって真空中の絶縁度が低下し、例えばコン
デンサ→消弧用リアクトル→制御電極→可動電極→固定
電極→コンデンサという消弧用閉回路が形成され、コン
デンサからの放電電流がこの消弧用閉回路を流れる。
【0021】この放電電流は、コンデンサと消弧用リア
クトルとのLC共振電流でもあり、事故時の短絡電流よ
りも波高値及び周波数が大きいため、固定電極と可動電
極との間を流れる電流に一瞬、電流ゼロ点を生じさせ、
もって、アークを消滅させる。
【0022】このように、真空バルブをオフ状態とした
後のコンデンサと消弧用リアクトルとの合成インピーダ
ンスによって大きな限流効果を得られ、また、真空バル
ブを基本素子とすることから限流素子による定常損失を
低減でき、高電圧・大電流回路に適用でき、さらに、余
分な限流素子を設けるという手法を用いないので、コン
パクト化並びに低コスト化を実現させることができる。
【0023】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明に対し、固定電極と可動電極との配置
を相対的に逆にした変形構成であるため、請求項1に対
応する作用と同様の作用を奏することができる。
【0024】さらに、請求項3に対応する発明は、過電
流検出器が、電源と負荷との間を流れる電流を検出し、
この検出結果が所定値を超えると、瞬時にサイリスタス
イッチを所定時間ターンオンさせ、サイリスタスイッチ
がオン状態になると、電磁反発コイルの一端からコンデ
ンサ及び離間用リアクトルを介して電磁反発コイルの他
端に至る離間用閉回路内でLC共振電流が流れ、電磁反
発コイルが、このLC共振電流による励磁により可動電
極を固定電極から離間させる方向に磁界を発生させ、可
動電極が固定電極から離間するので、請求項1又は請求
項2に対応する作用に加え、容易且つ迅速、確実に可動
電極と固定電極とを互いに離間させることができる。
【0025】また、請求項4に対応する発明は、真空バ
ルブとしては、開極状態で可動電極と制御電極とが機械
的に接触するので、請求項1に対応する作用に加え、可
動電極が所定距離だけ固定電極から離れた時点でコンデ
ンサからの高周波電流を短絡電流に重畳させることがで
きる。
【0026】さらに、請求項5に対応する発明は、真空
バルブとしては、閉路状態から開極状態に移行すると
き、可動電極と制御電極とが一瞬接触してから離れるの
で、請求項1に対応する作用に加え、可動電極と制御電
極との一瞬の接触によって短絡電流がコンデンサ側へ転
流し、固定電極と可動電極との間のアーク電流が遮断さ
れ、その後、制御電極と可動電極が解離すると転流した
短絡電流によって制御電極と可動電極間にアークが生じ
るが、回路電流の振動によって電流ゼロ点が生じるた
め、真空バルブを遮断状態とすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は本発明の第1の実施形態に係
る限流遮断装置を適用した大電流高電圧回路の構成を示
す模式図である。この回路は、電源1と負荷2との間に
遮断器3及び限流遮断装置が直流に接続されている。
【0028】ここで、電源1は、交流電源であり、例え
ばAC6600Vで50Hz定格で内部インピーダンス
5%のものが使用される。なお、電源1は、交流電源に
限らず、直流電源としてもよい。
【0029】負荷2は、インピーダンス11Ωの抵抗負
荷となっており、定常電流値は600Aとなるよう構成
されている。遮断器3は、限流遮断装置が事故電流を限
流遮断した後に回路を遮断するものであり、ここでは、
事故電流を2サイクルで遮断可能な真空遮断器となって
いる。
【0030】限流遮断装置は、遮断器3と負荷2との間
に接続された真空バルブ4、この真空バルブ4をオンオ
フ駆動させるための過電流検出器5、この過電流検出器
5からの指令に基づいて真空バルブ4をオン駆動させる
ための制御ユニット6並びに操作機構7、過電流検出器
5からの指令に基づいて真空バルブ4をオフ駆動させる
ためのサイリスタスイッチ8を有して第1コンデンサC
1、第1リアクトルL1並びに電磁反発コイル9からな
る第1LC直列共振回路、真空バルブ4をオフ駆動させ
るための第2コンデンサC2並びに第2リアクトルL2
からなる第2LC直列共振回路、及びこれら第1並びに
第2コンデンサC1,C2を充電するための充電装置1
0を備えている。
【0031】過電流検出器5は、回路に生じる電流の絶
対値もしくはdi/dt値から事故電流か否かを判別し
て検出する機能を有し、事故電流と判別したとき、瞬時
にサイリスタスイッチ8をターンオンさせると同時に、
制御ユニット6を介して操作機構を開極操作させる機能
をもっている。具体的には過電流検出器5は、波高値1
700A以上の回路電流を事故電流として判別し、瞬時
にオン指令をサイリスタスイッチ8に与えると同時にオ
フ指令を制御ユニット6に与えるものである。
【0032】真空バルブ4は、真空容器4a中に固定電
極4bと可動電極4cを対向配置し、且つ制御電極4d
を可動電極4cの近傍に配置した3極式のものである。
具体的には真空バルブ4は、遮断器3及び第2コンデン
サC2に電気的に接続された固定電極4bと、この固定
電極4bに対向配置され、通電軸を介して負荷2に電気
的に接続された可動電極4cと、可動電極4cの通電軸
から所定間隔だけ離れて通電軸に対向配置され、第2リ
アクトルL2に電気的に接続された制御電極4dと、可
動電極4cの通電軸に固定されたショートリング11
と、サイリスタスイッチ8及び第1リアクトルL1に電
気的に接続されて励磁によりショートリング11に反発
磁界を与えて可動電極4cを固定電極4bから離間させ
る電磁反発コイル9と、ショートリング11と操作機構
7との間に介在して設けられた絶縁フランジ12とを備
えている。
【0033】制御電極4dは、可動電極4cの通電軸近
傍に配置され、固定電極4b及び可動電極4cが電流を
遮断した直後のアークの拡散により、真空容器4a内に
絶縁低下を生じたとき、通電軸を介して可動電極4cと
電気的に導通する電極である。
【0034】可動電極4cは、過電流検出器5からのオ
フ指令により電磁反発コイル9を流れるLC共振電流に
よって、約500μsで4mm以上下方に押下げられて
開極するものであり、開極時には操作機構7の開極ラッ
チによって開状態で一旦保持される構成となっている。
【0035】サイリスタスイッチ8は、過電流検出器5
からオン指令を受けて所定時間オンするものであり、第
1LC直列共振回路を介して電磁反発コイル9に第1の
LC共振電流を供給するためのものである。
【0036】電磁反発コイル9は、真空容器4aに固設
され、サイリスタスイッチ8のターンオンによって、自
己のインダクタンス、リアクトルL1及びコンデンサC
1からなる閉回路に第1のLC共振電流が流れたとき、
ショートリング11に対し高周波の強磁界を印加するも
のである。なお、第1のLC共振電流は、約4500A
波高値で約700Hzの周波数をもつ。
【0037】コンデンサC1は、電磁反発コイル9の駆
動用電源であり、常時充電装置10に充電されており、
例えば500μFの静電容量を有し、充電電圧が約20
00Vとなっている。
【0038】リアクトルL1は、コンデンサC1との共
振周波数を調整するためのものであり、例えば電磁反発
コイル9とリアクトルL1との合成インダクタンスを約
100μHとするためのリアクトルであって、所望によ
り回路の残留インダクタンスの調整で代用可能となって
いる。
【0039】ショートリング11は、高速に可動電極4
cを開極させるためのものであり、可動電極4cの通電
軸に強固に締結されて設けられ、電磁反発コイル9の発
生磁界を遮蔽するように電流を誘起して電磁反発コイル
9との間に反発力を生じる機能をもっている。
【0040】絶縁フランジ12は、可動電極4cと操作
機構7とを電気的に絶縁しつつ両者を機械的に結合する
ためのものである。操作機構7は、制御ユニット6から
受ける信号により、可動電極4cを駆動して真空バルブ
4のオン/オフ操作を実行するものであり、図示しない
開極ラッチによって開(オフ)状態で可動電極4cの通
電軸を保持する機能をもっている。
【0041】制御ユニット6は、通常操作における真空
バルブ4のオン/オフ指令に基づくオンオフ操作する機
能と、事故電流限流遮断後の再投入の際に、操作機構7
の開極ラッチ開放コイル(図示せず)を駆動して真空バ
ルブ4を閉(オン)操作可能に制御する機能とをもって
いる。
【0042】一方、コンデンサC2は、真空バルブ4の
制御電極4dと固定電極4bとの間に第2のLC共振電
流を重畳するためのものであり、1000μFの静電容
量を有し、充電装置によって約2000Vの電圧に充電
されている。
【0043】リアクトルL2は、コンデンサC2との共
振周波数を調整するためのものであり、例えば約10μ
Hのインダクタンス値を有しており、所望により回路の
残留インダクタンスの調整で代用可能となっている。
【0044】第2LC直列共振回路は、両端が短絡され
ると、自己の閉回路を波高値20kAで1600Hzの
第2のLC共振電流が流れるよう構成されている。充電
装置10は、コンデンサC1,C2を夫々約2000V
に充電するための装置であり、所望により、各コンデン
サC1,C2毎に個別に設けてもよい。
【0045】次に、以上のように構成された限流遮断装
置の動作を図2及び図3を用いて説明する。定常時、図
2(a)に示すように、真空バルブ4は可動電極4cと
固定電極4bとの間が接触通電状態にあり、限流遮断装
置のインピーダンスはほぼゼロとなって、図3に示すよ
うに、電源1から負荷2に600Aの定常負荷電流が供
給されている(時刻t0)。ここで、負荷2に短絡自己
が発生し、大電流高電圧回路に短絡電流が流れる場合に
ついて述べる。負荷2に短絡事故が発生すると(時刻t
1)、図3の破線で示すように、短絡電流は定格電流の
約20倍の値(波高値17kA)まで上昇しようとす
る。
【0046】過電流検出器5は、短絡電流が1700A
まで上昇すると短絡電流を検知し、サイリスタスイッチ
8にオン指令を入力すると同時に制御ユニット6にオフ
指令を入力する(時刻t2)。
【0047】サイリスタスイッチ8はこのオン指令によ
りターンオンする。サイリスタスイッチ8のオン動作に
より、コンデンサC1からは電磁反発コイル9及びリア
クトルL1のインダクタンス値によって決定される第1
のLC共振電流が電磁反発コイル9に流れ、この波高値
は4500A、周波数は700Hzである。この第1の
LC共振電流により、電磁反発コイル9は強磁界を発生
し、ショートリング11に反発力が生じて可動電極4c
の通電軸を500μs以内に4mm以上下方に押し下げ
る。
【0048】その結果、真空バルブ4は開極し、可動電
極4cは操作機構7の開極ラッチにより所定位置に保持
される。このとき、固定電極4bと可動電極4cとの間
には、図2(b)に示すように、電流遮断による主接点
アークが発生する。
【0049】この時点では、主接点(真空)アークのア
ーク電圧が低いことから、短絡電流はほとんど限流され
ず、図3に示すように、上昇を続ける。主接点アークの
発生による拡散蒸気によって、真空バルブ(真空容器)
内の絶縁耐圧が低下すると、コンデンサC2の電界によ
り制御電極4dと可動電極4cとの間の絶縁が破壊さ
れ、コンデンサC2からリアクトルL2、可動電極4c
及び固定電極4bを通ってコンデンサC2に戻る放電回
路が形成される。
【0050】この放電回路にはリアクトルL2とコンデ
ンサC2により決定される、波高値20kAで1600
Hzの第2のLC共振電流が流れると共に(時刻t
3)、この第2のLC共振電流は、図2(c)及び図3
に示すように、固定電極4bと可動電極4cとの間に流
れる短絡電流に重畳される。
【0051】このLC共振電流の波高値は短絡電流より
も大きく且つその周波数も非常に高いことから、固定電
極4bと可動電極4cとの間に流れる電流の総和は、図
3に示すように、短時間の内にゼロとなるタイミング
(電流ゼロ点)が生じ(時刻t4)、固定電極4bと可
動電極4cとの間のアークが遮断される。
【0052】固定電極4bと可動電極4cとの間のアー
クの消滅により、短絡電流は、コンデンサC2側に転流
し、コンデンサC2及びリアクトルL2の合成インピー
ダンスによって限流されると同時に、制御電極4d及び
可動電極4cを通って短絡事故点に流れ続ける。このと
き、制御電極4dと可動電極4cとの間には制御接点ア
ークが形成されるが、コンデンサC2とインダクタンス
L2及び図示しない系統インダクタンスによって決定さ
れる周波数の過渡振動によって電流ゼロ点を生じるた
め、制御接点アークは、時刻t4直後に遮断される。
【0053】これら一連の動作は、数百μs以内に完了
することから、短絡電流は最大値まで上昇することな
く、所定値に限流され遮断される。上述したように本実
施形態によれば、過電流検出器5が、電源1と負荷2と
の間を流れる電流を検出し、この検出結果が所定値を超
えると、瞬時にサイリスタスイッチ8を所定時間ターン
オンさせ、サイリスタスイッチ8がオン状態になると、
電磁反発コイル9の一端から第1コンデンサC1及び第
1リアクトルL1を介して電磁反発コイル9の他端に至
る離間用閉回路内でLC共振電流が流れ、電磁反発コイ
ル9が、このLC共振電流による励磁により可動電極4
cを固定電極4bから離間させる方向に磁界を発生さ
せ、可動電極4cが固定電極4bから離間するので、容
易且つ迅速、確実に可動電極4cと固定電極4bとを互
いに離間させることができる。
【0054】また、真空バルブ4をオフ状態とした後の
第2コンデンサC2及び第2リアクトルL2の合成イン
ピーダンスによって大きな限流効果を得られ、さらに、
真空バルブ4を基本素子とすることから限流素子による
定常損失を低減でき、高電圧・大電流回路に適用でき、
さらにまた、余分な限流素子を設けるという手法を用い
ないので、コンパクト化並びに低コスト化を実現させる
ことができる。
【0055】さらに、定常電流が真空バルブを流れるこ
とから通電損失や電圧降下をきたすことなく負荷への給
電を行なうことができる。すなわち、真空バルブ4を基
本素子としていることから、高電圧・大電流系統の限流
遮断装置として適用可能でかつ安価に提供することがで
きる。
【0056】また、事故電流を高速に検出し、事故電流
値が十分小さい間にコンデンサC2からの高周波電流を
事故電流に重畳させて事故電流を高速に限流遮断するこ
とができるため、系統の事故電流による電磁力や短時間
耐量を低く設計でき、もって、系統間の自由な連系や遮
断器、ケーブル等の電力機器のコンパクト化とコスト低
減を図ることができる。
【0057】また、交流回路に限らず、直流回路におい
ても同様の限流遮断動作が可能であり、広範な用途に適
用できる利点を有する。 (第2の実施形態)図4は本発明の第2の実施形態に係
る限流遮断装置が適用された大電流高電圧回路の構成を
示す模式図であり、図1と同一部分には同一符号を付し
てその詳しい説明は省略し、ここでは異なる部分につい
てのみ述べる。なお、以下の実施形態も同様にして重複
した説明を省略する。
【0058】すなわち、本実施形態は、図1におけるコ
ンデンサC1及びC2を1個に集約した構成である。先
の実施形態では、コンデンサC1,C2を各々充電し、
各々の回路に使用していたが、本実施形態では、1つの
コンデンサCのみで電磁反発コイルを駆動して可動電極
を高速に開極した後、制御電極を介して高周波電流を短
絡電流に重畳させている。
【0059】以上のような構成としても、第1の実施形
態と同様の効果に加え、回路の簡素化を図ることができ
る。 (第3の実施形態)図5は本発明の第3の実施形態に係
る限流遮断装置の真空バルブの構成を示す模式図であ
る。
【0060】本実施形態では、図1における真空バルブ
の制御電極をフローティング方式から有接触方式に変更
している。この方式では、過電流を検知して電磁反発コ
イル9を駆動し、真空バルブ4の可動電極4cを高速に
開極するまでは第1の実施形態と同様であるが、可動電
極4cの開極により、可動電極4cと制御電極4dとが
機械的に接触して電気導通を引き起こす点が相違する。
【0061】この方式の利点は、制御電極4dと可動電
極4cとを接触させることにより、可動電極4cが所定
距離だけ固定電極4bから離れた時点でコンデンサC2
からの高周波電流を短絡電流に重畳できる点にある。
【0062】反面、限流された短絡電流を真空バルブ4
で遮断できなくなるので、限流された短絡電流の遮断に
は遮断器が不可欠となる。上述したように本実施形態に
よれば、第1の実施形態の効果に加え、真空バルブ4と
しては、開極状態で可動電極4cと制御電極4dとが機
械的に接触するので、可動電極4cが所定距離だけ固定
電極4bから離れた時点でコンデンサC2からの高周波
電流を短絡電流に重畳させることができる。 (第4の実施形態)図6は本発明の第4の実施形態に係
る限流遮断装置の真空バルブの構成を示す模式図であ
る。
【0063】本実施形態は、図6に示すように、真空バ
ルブ4内の可動電極4cが開極する過程で、一瞬、制御
電極4dと電気的に接触した後、解離する構造となって
いる。
【0064】この方式の利点は、第3の実施形態とは異
なり、限流された短絡電流を遮断できる点にある。すな
わち、以上のような構造によれば、可動電極4cと制御
電極4dとの一瞬の接触によって短絡電流はコンデンサ
C2側へ転流し、固定電極4bと可動電極4cとの間の
アーク電流は遮断される。その後、制御電極4dと可動
電極4cが解離すると転流した短絡電流によって制御電
極4dと可動電極4c間にアークが生じるが、回路電流
の振動によって電流ゼロ点が生じるため、真空バルブ4
は遮断状態となる。
【0065】上述したように本実施形態によれば、第1
の実施形態の効果に加え、真空バルブ4としては、閉路
状態から開極状態に移行するとき、可動電極4cと制御
電極4dとが一瞬接触してから離れるので、可動電極4
cと制御電極4dとの一瞬の接触によって短絡電流がコ
ンデンサ側へ転流し、固定電極4bと可動電極4cとの
間のアーク電流が遮断され、制御電極4dと可動電極4
cが解離すると、制御電極4dと可動電極4cとの間に
アークが生じた後にこのアークが電流ゼロ点により消弧
されるため、真空バルブ4を遮断状態とすることができ
る。 (他の実施形態)なお、上記各実施形態は、可動電極4
c側に制御電極4dを設けた場合について説明したが、
これに限らず、図7乃至図9に示すように、固定電極4
b側に制御電極4dを設けた構成としても、本発明を同
様に実施して同様の効果を得ることができる。その他、
本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
できる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大
きな限流効果を得られ、限流素子による定常損失を低減
でき、高電圧・大電流回路に適用でき、コンパクト化並
びに低コスト化を実現できる限流遮断装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る限流遮断装置を
適用した大電流高電圧回路の構成を示す模式図
【図2】同実施形態における動作を説明するための模式
【図3】同実施形態における動作を説明するためのタイ
ムチャート
【図4】本発明の第2の実施形態に係る限流遮断装置が
適用された大電流高電圧回路の構成を示す模式図
【図5】本発明の第3の実施形態に係る限流遮断装置の
真空バルブ及びその周辺構成を示す模式図
【図6】本発明の第4の実施形態に係る限流遮断装置の
真空バルブ及びその周辺構成を示す模式図
【図7】本発明に係る第1の実施形態の変形形態を示す
模式図
【図8】同変形形態の動作を説明するための模式図
【図9】本発明に係る第2の実施形態の変形形態を示す
模式図
【図10】従来の限流遮断装置の構成とその適用回路を
示す図
【図11】従来の限流素子の正温度係数特性を示す図
【符号の説明】
1…電源 2…負荷 3…遮断器 4…真空バルブ 4a…真空容器 4b…固定電極 4c…可動電極 4d…制御電極 5…過電流検出器 6…制御ユニット 7…操作機構 8…サイリスタスイッチ 9…電磁反発コイル 10…充電装置 11…ショートリング 12…絶縁フランジ L1,L2…リアクトル C1,C2,C…コンデンサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源と負荷との間に直列に接続されて用
    いられ、事故電流を限流して遮断するための限流遮断装
    置であって、 前記電源と負荷との間に接続される固定電極と可動電極
    とを有し、さらに前記可動電極の近傍に絶縁距離を有し
    て配置された制御電極とを有する真空バルブと、 前記真空バルブの制御電極から前記固定電極に至る消弧
    用閉回路内に設けられ、任意電圧に充電されるコンデン
    サと、 前記消弧用閉回路内で前記コンデンサに直列に接続され
    た消弧用リアクトルとを備えたことを特徴とする限流遮
    断装置。
  2. 【請求項2】 電源と負荷との間に直列に接続されて用
    いられ、事故電流を限流して遮断するための限流遮断装
    置であって、 前記電源と負荷との間に接続される固定電極と可動電極
    とを有し、さらに前記固定電極の近傍に絶縁距離を有し
    て配置された制御電極とを有する真空バルブと、 前記真空バルブの制御電極から前記可動電極に至る消弧
    用閉回路内に設けられ、任意電圧に充電されるコンデン
    サと、 前記消弧用閉回路内で前記コンデンサに直列に接続され
    た消弧用リアクトルとを備えたことを特徴とする限流遮
    断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の限流遮断
    装置において、 前記真空バルブに設けられ、励磁により前記可動電極を
    前記固定電極から離間させる方向に磁界を発生する電磁
    反発コイルと、 前記電磁反発コイルの一端から前記コンデンサを介して
    前記電磁反発コイルの他端に至る離間用閉回路内で前記
    コンデンサに直列に接続されたサイリスタスイッチと、 前記離間用閉回路内で前記コンデンサに直列に接続され
    た離間用リアクトルと、 前記電源と負荷との間を流れる電流を検出し、この検出
    結果が所定値を超えると、瞬時に前記サイリスタスイッ
    チを所定時間ターンオンさせる過電流検出器とを備えた
    ことを特徴とする限流遮断装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の限流遮断装置におい
    て、 前記真空バルブは、開極状態で前記可動電極と前記制御
    電極とが機械的に接触することを特徴とする限流遮断装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の限流遮断装置におい
    て、 前記真空バルブは、閉路状態から開極状態に移行すると
    き、前記可動電極と前記制御電極とが一瞬接触してから
    離れることを特徴とする限流遮断装置。
JP31370697A 1997-04-30 1997-11-14 限流遮断装置 Pending JPH11149851A (ja)

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JP31370697A JPH11149851A (ja) 1997-11-14 1997-11-14 限流遮断装置
US09/069,164 US6097246A (en) 1997-04-30 1998-04-29 Current limiting breaking device using electromagnetic repulsion coil

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006079860A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Toshiba Corp 真空遮断装置の制御回路
CN109188251A (zh) * 2018-10-16 2019-01-11 南京南瑞继保电气有限公司 一种故障限流器试验电路和控制方法

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JP2006079860A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Toshiba Corp 真空遮断装置の制御回路
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