JPH11148198A - 軽量気泡コンクリートパネル及びその表面加工方法 - Google Patents

軽量気泡コンクリートパネル及びその表面加工方法

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JPH11148198A
JPH11148198A JP9307253A JP30725397A JPH11148198A JP H11148198 A JPH11148198 A JP H11148198A JP 9307253 A JP9307253 A JP 9307253A JP 30725397 A JP30725397 A JP 30725397A JP H11148198 A JPH11148198 A JP H11148198A
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panel
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洋明 柳田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運搬及び施工時の衝撃による溝部の側面部分
の損傷を防止し、加えて自然調(石割調、石目調)の表
面テクスチャーを有する軽量気泡コンクリートパネル及
びその表面加工方法の提供。 【解決手段】 表面に溝部が加工された軽量気泡コンク
リートパネルにおいて、この溝部及びパネルの端部分に
沿って溝部の片側又は両側、およびパネルの端部分に剥
離帯が形成されている軽量気泡コンクリートパネル、お
よび溝部の底面部分及び側面部分の未欠損部の一部を除
いた軽量気泡コンクリートパネル全面に、剥離帯が形成
されている軽量気泡コンクリートパネル、並びに表面に
溝部を加工し、次いで溝部に剥離用具で衝撃を与え、溝
部の側面部分を欠落させ、気泡の切断面をそのまま露出
させた剥離帯を形成する表面加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に溝部が加工
された軽量気泡コンクリートパネル及びその表面加工方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量気泡コンクリートパネルは、補強鉄
筋等を内在させて補強した軽量な既製パネルであり、例
えば幅60センチ、長さ数メートルの大きなパネルとし
て知られている。この軽量気泡コンクリートパネルは、
経済性、軽量性、耐火断熱性、加工性に優れているとい
う特性を有しており、建築業界において個人住宅、店舗
付住宅、ビルディングの屋根、床、外壁及び間仕切り材
等として多用されている。しかし、軽量気泡コンクリー
トパネルはこのように諸性質の優れた材料であるが、生
産効率上、一般にフラットな平面を持ったパネルとして
生産される為、外壁材として使用した場合、意匠性に乏
しいという問題点がある。
【0003】そこで、従来から、この課題を克服するた
めに、軽量気泡コンクリートのパネル表面に、溝を形成
する方法が提案されている。例えば、特開昭58−16
0106号公報や特願開昭59−167203号公報に
は、回転切削刃を使用した表面加工技術がある。しか
し、これらの技術で溝加工されたものは、得られる意匠
が機械的に画一的なものに限定されること、また表面と
溝部で構成される形状は比較的鋭利なものになるため、
溝部の側面部分に塗料が付着しにくく、輸送及び施工時
の衝撃などによって側面部分が損傷した場合、この損傷
跡が目立ち易い等の本質的な課題が残されている。
【0004】また、特開昭63−25284号公報のよ
うに、エンペラーユニットを使用して小綱球のような投
射剤を軽量気泡コンクリートパネル表面に衝突させて凹
部、即ち溝部を得る技術があるが、該溝部の側面部分は
鋭角急峻になり、輸送及び施工時の衝撃になどによる損
傷は避けられなく、また損傷した部分と小鋼球による加
工面とが表面のテクスチャーが異なり、損傷跡が目立ち
易い等の本質的な課題が残されている。
【0005】更に、特開昭63−82702号公報や特
開昭63−82705号公報のように、小鋼球による加
工と刃物による溝部の加工とを併用した場合でも、溝部
の側面部が急峻になることは避けられず、輸送及び施工
時の衝撃などによって損傷し易く、また損傷した部分と
他の面とのテクスチァーが異なり、損傷跡が目立ち易い
等の本質的な課題が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決する為に創案されたもので、表面加工により、
溝部の側面部分における塗料の付着性を向上させ、運搬
及び施工時の衝撃による溝部の側面部分の損傷を防止
し、加えて、石割調、石目調など自然調の表面テクスチ
ャーを有する軽量気泡コンクリートパネル及び表面加工
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、次の通
りである。 (1) 表面に溝部が加工された軽量気泡コンクリート
パネルにおいて、該溝部の片側又は両側に剥離帯が形成
されていることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネ
ル。 (2) 剥離帯がさらに軽量気泡コンクリートパネルの
端部分に形成されていることを特徴とする上記(1)記
載の軽量気泡コンクリートパネル。 (3) 溝部と溝部との間の軽量気泡コンクリートパネ
ル表面全面に剥離帯が形成されていることを特徴とする
上記(1)または(2)記載の軽量気泡コンクリートパ
ネル。 (4) 溝部の底面部分にも剥離帯が形成されているこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)記載の軽量気泡コン
クリートパネル。 (5) 表面に溝部が加工された軽量気泡コンクリート
パネルの溝部の少なくとも一方の側面部分、または上記
一方の側面部分に加えて溝部の底面部分または軽量気泡
コンクリートパネルの端部分の少なくとも一方の部分に
剥離用工具で衝撃を与え、上記部分の一つ以上に剥離帯
を形成することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネ
ルの表面加工方法。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の軽量気泡コンクリートパネルの表面外観の例を模
式的に図1、図7、図10、図12に示す。本発明にお
いて、普通の軽量気泡コンクリートパネルとは、次のよ
うな製造方法によるものをいう。例えば、石灰質原料、
珪酸質原料に水、発泡剤等が加えられたモルタルスラリ
ーを補強筋が多数配置された型枠に注入し、気泡を含む
型枠状の大きなブロックを、硬化途中の半硬化状態でピ
アノ線を用いて切断し、オートクレーブ養生したもので
ある。
【0009】本発明でいう軽量気泡コンクリートパネル
は、気泡を含有するものなら、どのような形状のものも
含み、建物の床、屋根、間仕切材として使用されるフラ
ットパネル、外壁の出隅部に利用されるL字型、R型の
コーナーパネル、補強筋の形状やオートクレーブ養生後
のパネルの切削加工によって所定の形状に製造されるも
のが挙げられる。軽量気泡コンクリートパネルに最初に
加工される溝部2は、例えば従来公知の、切削工具のド
リル、フライス、チップソー、リーマ、木工用のこ等を
使用することにより形成することができる。溝部2の
幅、深さは、特に限定されるものではなく、意匠、加工
性から決めることができるが、幅が2〜30mm、深さ
が2〜50mmが一般的である。
【0010】溝部2の断面形状は図5に示すような形状
に限定されるものではなく、例えば底面部分が曲面であ
っても、V字型の傾斜構造であってもよい。また溝部2
の長手方向の形状は直線であっても、曲線であってもよ
いが、直線的にすると切削加工が容易である。縦方向の
直線のみ、又は横方向の直線のみであっても、縦横の直
線からなるタイル調や煉瓦模様であってもよい。この溝
部2は後に形成される剥離帯5が存在してもその機械的
に切削される底面部分がそのまま連続して残ることによ
り、溝部2の存在を認めることができる。また、パネル
の端部分の形状は溝部2と同一のものでもよく、切削加
工してない比較的平坦なフラットなものでもよい。
【0011】通常、軽量気泡コンクリートパネルの表面
に当たる部分に存在した気泡及びその縁は、切断時にピ
アノ線により、変形したり押し潰されたりするため、さ
さくれ状や押し潰された比較的平滑な重質層になつてい
る。また、切削加工された表面は気泡が露出している部
分と、切削工具の刃物により押し潰され重質部分とで構
成されているのが一般的である。剥離帯5は、剥離用工
具8で溝部2の側面部分3又は底面部分4に、物理的衝
撃を与え、こじるようにして側面部分3又は底面部分4
を欠落剥離させるさせることにより得られるものであ
る。
【0012】この剥離帯5は連続した一定の幅で存在す
るものではなく、欠落幅は不規則な波状を呈する。この
側面部分が欠落して形成される剥離帯5は、必ずしも連
続して設ける必要はなく、欠落剥離されていない側面部
分と剥離されて欠落した部分とが不規則に混在していて
もよい。また、剥離帯5は、溝部2の側面部分3の片側
に沿ってのみ形成してもよく、この反対側の側面部分3
に形成してもよく、両側の側面部分に形成してもよく、
また、片側の側面部分とこの反対側の片側の側面部分と
に形成した組合せでもよく、さらに片側の側面部分と両
側の側面部分または、反対側の片側の側面部分と両側の
部分とに形成した組合せでもよく、片側の側面部分と反
対側の片側の側面部分と両側の側面部分とに形成した3
者の組合せでもよく、組合せの仕方は溝部一つ置きでも
二つ以上置きでもこれらの複合でもよい。
【0013】剥離帯5は、意匠的には点状でも、縞状で
も、格子状でも、またこれらの複合状で、さらに溝部と
溝部との間全面に剥離帯が形成されたものとこれら点
状、縞状、格子状、またこれらの複合状との組合せで形
成してもよい。溝部の側面部分は連続して存在するの
で、この反対側の側面部分3に不規則に部分的に側面部
分を欠落させた剥離帯5を形成することがより好まし
い。更に、溝部2の底面部分4及び側面部分3の未欠損
部の一部を除いた軽量気泡コンクリートパネル全面に剥
離帯が形成されていてもよい。また、剥離帯5の形状及
び表面積は、溝部2の断面形状及び寸法(幅、深さ)、
溝部2の配置方法(溝部2の全体形状、間隔)、剥離用
工具の形状、挿入位置などの諸条件を変化させることに
より、意匠を変化に富んだものとすることが可能であ
る。
【0014】本発明で用いる剥離用工具8の刃物形状
は、特に限定されるものではなく、意匠、加工性から決
めることができるが、溝部2の深さの表面に剥離作用を
及ぼす衝撃を与えることができるものであれば特に制限
されない。例えば、図6に示すような先端が傾斜してい
るもの、フラットなもの、イカリ状のものでもよい。先
端の厚さは0.5〜25mm、幅は10〜100mmの
ものが好ましい。図1に示した軽量気泡コンクリートパ
ネルは、横方向に直線的な溝部2の両側に剥離帯5が形
成された一例であり、図7に示した軽量気泡コンクリー
トパネルは、縦横の直線的な溝部2の両側に剥離帯5が
形成された一例である。溝部2の側面部分3の欠落状態
を図2、図11、図13の断面図に示す。6が欠落部で
あり、この部分がパネルより欠落剥離させられた部分で
ある。
【0015】この剥離帯5の表面のテクスチャーは、溝
部2と同様に、軽量気泡コンクリートの気泡の切断面が
そのまま表面に露出したものとなっているが、溝部の表
面とは異なった表面のテクスチャーとなっている。例え
ば、軽量気泡コンクリートパネルの表面は製造時に半硬
化の段階でピアノ線等で切断されるので気泡の縁が変形
したり、つぶれており、また、回転刃物等で形成される
溝部2の側面部分3や底面部分4は比較的平らで滑らか
な面である。これに対し、剥離帯5の部分は、溝部2の
側面部分3が欠落し、気泡の内面がそのまま露出した姿
になっているところに特徴を有するのである。
【0016】次に、本発明の軽量気泡コンクリートパネ
ルの表面加工方法は、普通の軽量気泡コンクリートパネ
ルの表面部分に、先ず前処理として溝部を設け、溝部の
側面部分又は底面部分に剥離工具により衝撃を与え、軽
量気泡コンクリートパネルの表面の一部を剥離し、気泡
の切断面が露出したままの部分のみの剥離帯を形成する
ものである。軽量気泡コンクリートパネルは、フラツト
パネルであつても、コーナーパネルであつてもよい。表
面加工方法を図面に基づいて説明する。
【0017】図4のようなパターンで、図5のような溝
部2を加工した軽量気泡コンクリートパネルの溝部に
剥離用工具を挿入し、図6に示すように剥離用工具8で
矢印の方向にこじることにより溝部2の側面部分に刃物
で物理的衝撃を与える。そうすると溝部2の側面部分に
沿って軽量気泡コンクリートの6の部分が欠落し、剥離
されて、気泡の切断面が露出した剥離帯5が形成され
る。このようにして、図1、図7、図10、図12に示
すような本発明の表面加工された軽量気泡コンクリート
パネルが得られる。例えば、普通の軽量気泡コンクリー
トパネルは、その製造過程において、オートクレーブ養
生により硬化される前の半可逆性の状態で、大きなブロ
ックからピアノ線を用いて多数のパネルに切断して製造
されるため、軽量気泡コンクリートパネル表面にあった
気泡はピアノ線により押し潰され、比較的平坦な表面を
有している。
【0018】本発明の表面加工方法は、このような普通
の軽量気泡コンクリートパネルの表面部分に前処理とし
て溝部を加工し、次いで、溝部の側面部分に物理的衝撃
を与え、こじって剥離帯を形成させるというものであ
る。そして、本発明の軽量気泡コンクリートパネルは、
半可逆性の状態でピアノ線により切断された比較的平滑
な表面部分、直線的な溝部、天然石を破砕したような剥
離帯、又は単に直線的な溝部と天然石を破砕したような
剥離帯とで構成され、これらの間に明瞭なコントラスト
を有している点に特徴があり、外壁に使用した場合、普
通の軽量気泡コンクリートパネルにはない独特な自然調
のテクスチャー外観が得られる。加えて、強度の小さい
鋭利な溝部の側面部分を予め剥離させているため、上記
側面部分における塗料の付着性を向上でき、運搬及び施
工時の衝撃などによる欠けや亀裂の発生を防止できると
いう利点がある。
【0019】本発明の表面加工方法は、比較的欠け易い
という軽量気泡コンクリートパネルの強度的に脆いとい
う性質を利用しており、また前処理として溝部を施し、
溝部の側面部分のみに剥離用工具で物理的衝撃を与える
(例えば、回転機構を有する剥離用工具でこじり上げ
る、片側の側面部分に支点を置き、てこの原理でこじり
上げるなど)という原理に基づいたものであるため、剥
離用工具の圧縮跡や他部位への損傷を発生させずに容易
に剥離帯を形成させすることができ、得られた石割調、
石目調などの自然石調の意匠からは想像できないほど、
生産性に優れたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、評価は次の方法により実施
した。 (1)衝撃試験 実施例で得られた試料を8枚づつ台の上に積重ねワイヤ
ーロープで固定した後、1.5Gの重力加速度をパネル
の幅方向および長さ方向に3時間繰り返し与え続けた
後、欠損、亀裂の有無について観察した。 (2)塗装試験 実施例で得られた試料を8枚づつ施工架台へ建て込み、
パネル表面の下地調整を十分行った後、市販の軽量気泡
コンクリートパネル用塗料をパネル表面へ下塗り、主材
吹き、上塗りの手順で吹きつけた。上塗り後24時間後
の最終養生を終えた時点で、パネル表面の塗着状態およ
び意匠性を目視で評価した。
【0021】
【実施例1】図4と図5に示すように、厚さ10cm、
幅60cm、長さ300cmの軽量気泡コンクリートパ
ネル表面に、前処理として、通常の回転刃を使用して通
常の加工方法で横方向に溝部2を加工した。次に図6に
示すように、溝部2の空間に回転機構7を有した剥離用
工具8を挿入し、図中の矢印に示すような左右に繰り返
す回転運動を与えて剥離用工具8の刃物に溝部2の側面
部3をこじり上げる力を加えた。その結果、気泡の切断
面が露出したほぼ円形状の剥離部が形成された。6が欠
落した部分である。以上の加工を全ての溝部2の側面部
3に沿って連続的に行ったところ、天然石を破砕したよ
うな凹凸のひだをもつ剥離帯5が得られた。
【0022】
【実施例2】以下に、溝部の種類を変えたときの実施例
を示す。図1は、溝部2の両側の側面部3を実施例1と
同様の方法で加工したパネル表面を模式的に示す平面図
である。一部分を拡大した断面図、平面図を図2、図3
に示す。連続的な石割調の意匠の軽量気泡コンクリート
パネルが得られた。
【0023】
【実施例3】図7は、溝部を縦横に形成し、次いで軽量
気泡コンクリートパネルの、溝部2の両側の側面部分3
を実施例1と同様の方法で加工した模式的に示すパネル
表面である。一部分を拡大した平面図、断面図を図8、
図9に示す。石目調の意匠の軽量気泡コンクリートパネ
ルが得られた。
【0024】
【実施例4】図10と図11は、溝部2の片側の側面部
分3を実施例1と同様の方法で加工したパネル表面と断
面図を模式的に示す。剥離帯5を有する側面部分と未加
工の側面部分とで構成される直線的石割調の意匠の軽量
気泡コンクリートパネルが得られた。
【0025】
【実施例5】図12は、溝部を縦、横に多数形成した軽
量気泡コンクリートパネルの、溝部2と両側の側面部分
3を実施例1と同様の方法で加工したパネル表面を示す
例である。図13、図14に断面図、平面図を示すよう
に、溝部2の底面部分4及び側面部分3の未欠損部の一
部を除いた軽量気泡コンクリート全面が剥離帯5で形成
される石割調の意匠の軽量気泡コンクリートパネルが得
られた。
【0026】
【参考例】実施例1〜5で得られた厚さ10cm、幅6
0cm、長さ300cmの軽量気泡コンクリートパネル
をそれぞれ8枚ずつ用意し、積み重ねて衝撃試験を実施
したところ、溝部の側面部分での欠けや亀裂は全く発生
せず、加工直後の形状を維持していた。次に、実施例1
〜5でで得られた軽量気泡コンクリートパネル全てにつ
いて塗装試験及び施工試験を行った。その結果、塗装
時、溝部の側面部分における塗料の付着不足や塗装むら
などの発生は全く無く、また外壁として使用した場合、
剥離帯に凹凸ひだのある形状によって、通常の軽量気泡
コンクリートパネルの建築物にはみられない明瞭なコン
トラスト、自然調のテクスチャーが得られた。
【0027】
【発明の効果】本発明の軽量気泡コンクリートパネル
は、溝部の側面部分に沿って剥離帯を形成させているた
め、搬送途中等での衝撃による損傷が少なく、また万一
損傷が生じても最初に加工した剥離帯と損傷部との差が
見分け難く、損傷として識別できないという優れた利点
がある。また、本発明の軽量気泡コンクリートパネル
は、溝部の側面部分の塗料の付着性低下が認められず、
搬送途中等の衝撃による損傷及び溝部の側面部分の塗料
の付着性低下といった従来の軽量気泡コンクリート化粧
パネルの本質的な課題を克服している。また、外壁とし
て使用した場合、剥離帯の不規則な凹凸形状によって紫
外線の入射角が不規則になるため、塗料の劣化も低減で
きるという新たな効果も発生する。
【0028】更に、剥離帯により、石割調、石目調など
自然石調の表面テクスチャーの外観が得られ、通常の軽
量気泡コンクリートパネルのみでは達成されない意匠性
を表現していることから、差別化、個性化、高付加価値
化など近年の建築市場のニーズに充分対応し得るもので
ある。そして、本発明の表面加工方法は、軽量気泡コン
クリート本体表面を剥離させるものであるため、軽量気
泡コンクリートパネルの本来の製法、諸性質を変えず
に、生産性良く、低コストで意匠性に富んだ軽量気泡コ
ンクリートパネルの工業生産を可能にするものである。
また、本発明の表面加工方法は、前処理として溝部を施
す際の寸法、形状、および剥離用工具の寸法、形状、両
者の組み合わせによって、様々なバリエーションを表現
できるなど、工業的に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、表面加工された、軽量気泡コンクリ
ートパネルの1例を模式的に示した平面図である。
【図2】図1の軽量気泡コンクリートパネルの溝部を長
手方向に直角に切断した断面図である。
【図3】図1の溝部と溝部との間を部分拡大し模式的に
示した平面図である。
【図4】表面加工する前に溝部を加工した軽量気泡コン
クリートパネルを模式的に示す平面図である。
【図5】図4の軽量気泡コンクリートパネルの溝部の長
手方向に直角の断面図である。
【図6】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの加工方
法を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの外観表
面の1例を模式的に示す平面図である。
【図8】図7の部分拡大面を模式的に示す平面図であ
る。
【図9】図7の軽量気泡コンクリートパネルの溝部の長
手方向に直角の断面を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの1例
を模式的に示す平面図である。
【図11】図10の軽量気泡コンクリートパネルの溝部
の長手方向に直角の断面を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの1例
の外観表面を模式的に示す平面図である。
【図13】図12のパネルの溝部の長手方向に直角の断
面を模式的に示す断面図である。
【図14】図12の一部分を拡大し模式的に示す平面図
である。
【符号の説明】 軽量気泡コンクリートパネル 2 溝部 3 溝部の側面部分 4 溝部の底面部分 5 剥離帯 6 欠落部 7 回転機構 8 剥離用工具 9 剥離帯の凹凸のひだ 10 軽量気泡コンクリートパネルの端部分 11 軽量気泡コンクリートパネルの表面加工されてい
ない部分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に溝部が加工された軽量気泡コンク
    リートパネルにおいて、該溝部の片側又は両側に剥離帯
    が形成されていることを特徴とする軽量気泡コンクリー
    トパネル。
  2. 【請求項2】 剥離帯がさらに軽量気泡コンクリートパ
    ネルの端部分に形成されていることを特徴とする請求項
    1記載の軽量気泡コンクリートパネル。
  3. 【請求項3】 溝部と溝部との間の軽量気泡コンクリー
    トパネル表面全面に剥離帯が形成されていることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の軽量気泡コンクリ
    ートパネル。
  4. 【請求項4】 溝部の底面部分にも剥離帯が形成されて
    いることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の軽
    量気泡コンクリートパネル。
  5. 【請求項5】 表面に溝部が加工された軽量気泡コンク
    リートパネルの溝部の少なくとも一方の側部分、また
    は、上記一方の側部分に加えて溝部の底面部分または軽
    量気泡コンクリートパネルの端部分の、少なくとも一方
    の部分に剥離用工具で衝撃を与え、上記部分の一つ以上
    に剥離帯を形成することを特徴とする軽量気泡コンクリ
    ートパネルの表面加工方法。
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