JPH11147923A - プロピレンブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

プロピレンブロック共重合体及びその製造方法

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JPH11147923A
JPH11147923A JP31351897A JP31351897A JPH11147923A JP H11147923 A JPH11147923 A JP H11147923A JP 31351897 A JP31351897 A JP 31351897A JP 31351897 A JP31351897 A JP 31351897A JP H11147923 A JPH11147923 A JP H11147923A
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JP
Japan
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group
component
molecular weight
propylene
carbon atoms
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Pending
Application number
JP31351897A
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English (en)
Inventor
Tokuji Inoue
篤司 井上
Hideo Sano
英男 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高立体規則性を保持しながら、広い分子量分
布を有し、ゴム状共重合体成分の固有粘度が低いプロピ
レンブロック共重合体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 結晶性重合体成分及びゴム状重合体成分
からなるプロピレンブロック共重合体であって、Mw/
Mnが15以上、mmmmペンタッド分率が97%以
上、及び、当該ゴム状重合体成分の固有粘度[η]が1
0以下であることを特徴とするプロピレン共重合体、並
びに、[A]マグネシウム、チタン、ハロゲン元素及び
電子供与体を必須とする触媒固体成分、[B]有機アル
ミニウム化合物成分、並びに[C]特定の多環式アミノ
基含有有機ケイ素化合物成分とからなる触媒の存在下
に、α−オレフィンを重合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の物性、構造
を有するプロピレンブロック共重合体及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンを自動車、家電製品など
の構造材料として用いるためには、剛性、耐熱性に優
れ、良好な種々の機械物性を有すること、さらに耐衝撃
性が優れていることが要求されている。このため、前段
でプロピレン重合によりポリプロピレンを製造した後
に、後段でプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合
により製造したプロピレンブロック共重合体が用いられ
ている。
【0003】プロピレンブロック共重合体としては、前
段重合で製造されたポリプロピレンとして、立体規則
性、融点などが高く、さらに成形加工した場合の成形体
の表面均一性を保つためにポリプロピレンの分子量分布
が広いことが必要である。
【0004】これまで、マグネシウム、チタン、ハロゲ
ン元素、及び電子供与体を必須とする触媒固体成分、周
期率表I 〜III 族金属の有機金属化合物、及び電子供与
体からなる高活性担持型触媒系を用いて、高立体規則性
ポリプロピレンを製造する方法が数多く提案されてい
る。さらに、特開昭62-11705号公報、特開昭63- 259807
号公報、特開平 2-84404号公報、特開平4-202505号公
報、特開平4-370103号公報などには、特に電子供与体と
して一つ以上の分岐アルキル基又はシクロアルキル基が
ケイ素に直接結合している有機ケイ素化合物を用いるこ
とを特徴とする重合触媒が開示されている。
【0005】しかし、上記の担持型触媒系を用いて得ら
れるプロピレン重合体は、通常、分子量分布は狭く、重
合体溶融時の粘弾性が小さく、用途によっては、成形
性、成形体の外観などに問題となる場合がある。
【0006】この問題を改善するために、特開昭63-245
408 、特開平2-232207、特開平4-370103などに、複数の
重合器を用いた重合あるいは、多段重合することによっ
て、分子量分布を拡大する方法が開示されている。しか
し、この様な方法は、煩雑な操作が必要で工業的に生産
速度を下げざるを得ず、コスト面を含めて好ましくな
い。特に、Mwが200,000以下の低分子量でしか
も、Mw/Mnが10以上の分子量分布の広いプロピレ
ン重合体を複数の重合器で製造するには、一方の重合器
で水素などの連鎖移動剤を過剰に用いて超低分子量のプ
ロピレン重合体を製造しなければならず、耐圧限界のあ
る重合器では重合温度を下げざるを得ず、生産速度やポ
リマーの立体規則性に悪影響を及ぼす問題がある。
【0007】また、特開平3-7703号公報、特開平4-1360
06号公報、特開平8-301920公報には、異なるメルトフロ
ーレート(MFR)を与える少なくとも二種類の有機ケ
イ素化合物を混合し触媒成分として用いる重合方法が開
示されているが、どちらか一方の触媒成分が作用するこ
とが多く、分子量分布拡大効果が充分でない。また、こ
の方法では、二種類以上の触媒成分を使用する事が必須
となるため、重合プロセス、重合装置、および重合操作
がより煩雑になる。
【0008】また、特開平8-120021号公報には立体規則
性を向上させるための触媒成分として一つの環状アミノ
基を有する有機ケイ素化合物を用いる方法、あるいは、
特開平8-143621号公報には二つの環状アミノ基を有する
有機ケイ素化合物を用いる方法が開示されている。一
方、特開平6-329726号公報には、高流動性の高結晶性プ
ロピレン重合体と低流動性の高結晶性プロピレン重合体
とを所望の割合で混合して得られた高流動性、高融点、
高結晶性ポリプロピレンが開示されているが、実施例で
開示されているポリプロピレンのMw/Mnは高々10
程度であり、また、分子量については記載されていな
い。
【0009】また、三塩化チタン含有固体成分と有機ア
ルミニウム成分からなる触媒系を用いて、ポリプロピレ
ンを製造する方法も行われている。この場合は広い分子
量分布を有するポリプロピレンが得られるが、上記の担
持型触媒系に比較して、ポリプロピレンの立体規則性が
小さく、また、重合活性も低い問題点がある。
【0010】さらに、プロピレンブロック共重合体にお
いては、三塩化チタン含有固体成分触媒系を用いた場
合、ゴム状重合体成分の固有粘度[η]が高くなり、成
形品にジェルが発生することがありこの点で好ましくな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決し、高立体規則性を保持しながら、
広い分子量分布を有し、ゴム状共重合体成分の固有粘度
が低いプロピレンブロック共重合体及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0012】
【問題点解決のための技術的手段】本発明は、結晶性重
合体成分及びゴム状重合体成分からなるプロピレンブロ
ック共重合体であって、GPC測定におけるポリスチレ
ン換算で求めた重量平均分子量と数平均分子量の比Mw
/Mnが15以上、及び13C−NMRにおけるmmmm
ペンタッド分率が97%以上、及び、当該ゴム状重合体
成分の固有粘度[η]が10以下であることを特徴とす
るプロピレン共重合体に関する。
【0013】また、本発明は、[A]マグネシウム、チ
タン、ハロゲン元素及び電子供与体を必須とする触媒固
体成分、[B]有機アルミニウム化合物成分、並びに
[C]一般式 (1)又は(2)で表される有機ケイ素
化合物成分とからなる触媒の存在下に、α−オレフィン
を重合させて製造することを上記のプロピレンブロック
共重合体の製造方法に関する。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】 (但し、(1)又は(2)において、R1 は炭素数1〜
8の炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜24の炭化水
素基、炭素数2〜24の炭化水素アミノ基又は炭素数1
〜24の炭化水素アルコキシ基を示し、R3 Nは窒素原
子とともに骨格を形成する炭素数が7〜40の多環式ア
ミノ基を示す。)
【0016】
【発明の実施の形態】本発明におけるプロピレンブロッ
ク共重合体は下記の特性を有するものである。
【0017】GPC測定におけるポリスチレン換算で重
量平均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnが15以
上、好ましくは20以上、特に好ましくは20〜30以
上である。
【0018】Macromolecules 8 , 687(1975)に基づいて
帰属した13C−NMR測定において、連続するプロピレ
ンモノマーユニットの5種のメチル基の配置(ddまた
はllをmとする)mmmmの分率が97%以上、好ま
しくは97.5%以上であり、特に好ましくは97.5
〜99.5%である。
【0019】当該ゴム状重合体成分の固有粘度[η]が
10以下であり、好ましくは9以下であり、特に好まし
くは8〜5である。[η]が上記の範囲より高すぎる
と、プロピレンブロック共重合体からの成形品にジェル
が発生することがある。
【0020】本発明のプロピレン重合体は、例えば、
[A]マグネシウム、チタン、ハロゲン元素及び電子供
与体を必須とする触媒固体成分、[B]有機アルミニウ
ム化合物成分、並びに[C]一般式 (1)又は(2)
で表される有機ケイ素化合物成分とからなる触媒の存在
下にα−オレフィンを重合する方法で製造できる。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】(但し、(1)又は(2)において、R1
は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜
24の炭化水素基、炭素数2〜24の炭化水素アミノ基
又は炭素数1〜24の炭化水素アルコキシ基を示し、R
3 Nは窒素原子とともに骨格を形成する炭素数が7〜4
0の飽和多環式アミノ基を示す。)
【0024】触媒固体成分[A]の製造方法は特に限定
されず、たとえば、特開昭54-94590公報、特開昭56-554
05号公報、特開昭56-45909号公報、特開昭56-163102 号
公報、特開昭57-63310号公報、特開昭57-15408号公報、
特開昭58-83006号公報、特開昭58-83016号公報、特開昭
58-138707 号公報、特開昭59-149905 号公報、特開昭60
-23404号公報、特開昭60-32805号公報、特開昭61-18330
号公報、特開昭61-55104号公報、特開平2-77413 号公
報、特開平2-117905号公報などに提案されている方法が
採用できる。
【0025】成分[A]の代表的な製造方法として、
(1)塩化マグネシウムなどのマグネシウム化合物、電子
供与体、及び四塩化チタンなどのハロゲン化チタン化合
物を共粉砕する方法(2) 溶媒にマグネシウム化合物及び
電子供与体を溶解し、この溶液にハロゲン化チタン化合
物を添加して触媒固体を析出させる方法などが挙げられ
る。
【0026】成分[A]としては、特開昭60-152511 号
公報、特開昭61-31402号公報、特開昭62-81405号公報に
記載の触媒固体成分が、本発明の効果を達成する上で特
に好ましい。これら記載の製造方法によれば、ハロゲン
化アルミニウムとケイ素化合物を反応させ、さらにグリ
ニャール化合物を反応させて固体を析出させる。上記反
応で使用することのできるハロゲン化アルミニウムは、
無水のハロゲン化アルミニウムが好ましいが、吸湿性に
より完全に無水のものを用いることが困難であり、少量
の水分を含有するハロゲン化アルミニウムも用いること
ができる。ハロゲン化アルミニウムの具体例としては、
三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三沃化アル
ミニウムを挙げることができ、特に三塩化アルミニウム
が好ましい。
【0027】上記反応で使用されるケイ素化合物の具体
例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリブトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
トリメチルモノエトキシシラン、トリメチルモノブトキ
シシランを挙げることができる。特に、メチルフェニル
ジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシランが好ましい。
【0028】ハロゲン化アルミニウムとケイ素化合物の
反応における化合物の使用量は、元素比(Al/Si)で通
常0.4 〜1.5 、好ましくは0.7 〜1.3 の範囲であり、反
応するに際しヘキサン、トルエンなどの不活性溶媒を使
用することが好ましい。反応温度は通常10〜100 ℃、好
ましくは20〜80℃であり、反応時間は通常0.2 〜5 時
間、好ましくは0.5 〜3 時間である。
【0029】上記反応で使用されるマグネシウム化合物
の具体例としては、エチルマグネシウムクロライド、プ
ロピルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムク
ロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチル
マグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイ
ド、プロピルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシ
ウムブロマイド、エチルマグネシウムアイオダイドが挙
げられる。マグネシウム化合物の溶媒としては、例え
ば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、ジイソアミルエーテル等の脂肪族エーテ
ル、テトラヒドロフランなどの脂肪族環状エーテルを使
用することができる。
【0030】マグネシウム化合物の使用量は、前記ハロ
ゲン化アルミニウムとケイ素化合物の反応生成物の調製
に使用されたハロゲン化アルミニウムに対する元素比
(Mg/Al)で通常0.5 〜3 、好ましくは1.5 〜2.3 の範
囲である。反応温度は通常-50〜100 ℃、好ましくは-20
〜50℃、反応時間は通常0.2 〜5 時間、好ましくは0.5
〜3 時間である。
【0031】ハロゲン化アルミニウムとケイ素化合物と
の反応、続いてグリニヤール化合物との反応において得
られた白色系の固体を、電子供与体及びハロゲン化チタ
ン化合物と接触処理する。接触処理の方法としては、
(1)固体をハロゲン化チタン化合物で処理した後、電子
供与体で処理し、さらに再度ハロゲン化チタン化合物で
処理する方法、および、 (2)固体をハロゲン化チタン化
合物と電子供与体の共存下で処理した後、ハロゲン化チ
タン化合物で処理する方法、などの従来良く知られた方
法が採用できる。
【0032】例えば上記固体を不活性溶媒中に分散さ
せ、これに電子供与体または/及びハロゲン化チタン化
合物を溶解する、あるいは不活性溶媒を使用せずに電子
供与体または/及び液状ハロゲン化チタン化合物の中に
固体を分散させる。この場合、固体と電子供与体または
/及びハロゲン化チタン化合物との接触処理を攪拌下、
温度は通常50〜150 ℃、接触時間は特に制限はないが通
常0.2 〜5 時間で行うことができる。また、この接触処
理を複数回行うこともできる。
【0033】接触処理に使用できるハロゲン化チタン化
合物の具体例としては、テトラクロロチタン、テトラブ
ロモチタン、トリクロロモノブトキシチタン、トリブロ
モモノエトキシチタン、トリクロロモノイソプロポキシ
チタン、ジクロロジエトキシチタン、ジクロロジブトキ
シチタン、モノクロロトリエトキシチタン、モノクロロ
トリブトキシチタンを挙げることができる。特に、テト
ラクロロチタン、トリクロロモノブトキシチタンが好ま
しい。
【0034】上記の接触処理で使用する電子供与体は、
ルイス塩基性の化合物であり、好ましくは、芳香族ジエ
ステルであり、特に好ましくは、オルトフタル酸ジエス
テルである。オルトフタル酸ジエステルの具体例とし
て、オルトフタル酸ジエチル、オルトフタル酸ジn-ブチ
ル、オルトフタル酸ジイソブチル、オルトフタル酸ジペ
ンチル、オルトフタル酸ジn-ヘキシル、オルトフタル酸
ジ-2- エチルヘキシル、オルトフタル酸ジ-n- ヘプチ
ル、オルトフタル酸ジn-オクチルなどが挙げられる。ま
た、電子供与体として、特開平3-706 号公報、同3-6280
5 号公報、同4-270705号公報、同6-25332 号公報に示さ
れているような2個以上のエーテル基を有する化合物も
好ましく用いることができる。
【0035】上記の接触処理の後に、一般には処理固体
を処理混合物から分離し、不活性溶剤で充分洗浄して得
られる固体を、本発明の触媒固体成分[A]としてα−
オレフィンの重合触媒として使用することができる。
【0036】本発明の有機アルミニウム化合物成分
[B]としては、アルキルアルミニウム、アルキルアル
ミニウムハライドなどが使用できるが、特に好ましいの
はトリアルキルアルミニウムであり、具体例としては、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リn-プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウムなどが挙げられる。前記有機アルミニウム化合物類
はいずれも混合物としても使用することができる。ま
た、アルキルアルミニウムと水との反応によって得られ
るポリアルミノキサンも同様に使用することができる。
【0037】プロピレンの重合触媒として有機アルミニ
ウム化合物成分[B]の使用量は、触媒固体成分[A]
のチタンに対する元素比(Al/Ti) で、0.1 〜500 、好ま
しくは0.5 〜150 である。
【0038】本発明の成分[C]は、一般式 (1)又
は(2)で表される有機ケイ素化合物である。
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】(但し、(1)又は(2)において、R1
は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜
24の炭化水素基、炭素数2〜24の炭化水素アミノ基
又は炭素数1〜24の炭化水素アルコキシ基を示し、R
3 Nは窒素原子とともに骨格を形成する炭素数が7〜4
0の飽和多環式アミノ基を示す。)
【0042】R1 は炭素数1〜8の炭化水素基であり、
炭素数1〜8の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基な
どが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-
ブチル基、ter-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル
基、iso-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル
基、シクロヘキシル基などが挙げられる。特に好ましく
はメチル基である。
【0043】R2 は炭素数2〜24好ましくは2〜8の
炭化水素基、炭素数2〜24好ましくは2〜8の炭化水
素アミノ基、または炭素数1〜24好ましくは1〜8の
炭化水素アルコキシ基である。中でも、炭素数2〜24
の炭化水素基又は炭素数2〜24の炭化水素アミノ基が
挙げられる。
【0044】炭素数2〜24の炭化水素基の具体例とし
て、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチ
ル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ter-ブチル基、n-
ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチ
ル基、n-オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、テキシル基、フェニル基、ベンジル基、トルイル
基などが挙げられる。又、トリメチルシリルメチル基、
ビストリメチルシリルメチル基などのケイ素原子を含有
する炭化水素基が挙げられる。
【0045】炭素数2〜24の炭化水素アミノ基の具体
例として、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、
ジエチルアミノ基、エチルn-プロピルアミノ基、ジn-プ
ロピルアミノ基、エチルイソプロピルアミノ基、ジイソ
プロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ヘキ
サメチレンイミノ基などが挙げられる。炭素数1〜24
の炭化水素アルコキシ基の具体例として、メトキシ基、
iso-プロポキシ基、ter-ブトキシ基などが挙げられる。
【0046】R3 Nは窒素原子とともに骨格を形成する
炭素数が7〜40、好ましくは7〜20の飽和多環式ア
ミノ基である。該飽和多環式アミノ基の窒素原子は、成
分[C]の有機ケイ素化合物のケイ素原子と直接結合す
る。すなわち、第二級アミンであるR3 NHの水素原子
が外れてSiとNが化学結合したものである。一般式
(1)において二つのR3 N基は同じであってもよい
し、異なっていてもよい。
【0047】R3 NHの具体例としては、下記の化学構
造式で示すように、パーヒドロインドール、パーヒドロ
イソインドール、パーヒドロキノリン、パーヒドロイソ
キノリン、パーヒドロカルバゾール、パーヒドロアクリ
ジン、パーヒドロフェナントリジン、パーヒドロベンゾ
(g) キノリン、パーヒドロベンゾ(h) キノリン、パーヒ
ドロベンゾ(f) キノリン、パーヒドロベンゾ(g) イソキ
ノリン、パーヒドロベンゾ(h) イソキノリン、パーヒド
ロベンゾ(f) イソキノリン、パーヒドロアセキノリン、
パーヒドロアセイソキノリン、パーヒドロイミノスチル
ベンのようなアミン化合物、さらには前記アミン化合物
において窒素原子以外の水素原子の一部がアルキル基、
フェニル基、シクロアルキル基で置換されたアミン化合
物を挙げることができる。
【0048】特に好ましいR3 NHは、パーヒドロイン
ドール、パーヒドロイソインドール、パーヒドロキノリ
ン、パーヒドロイソキノリンおよびそれらの誘導体を挙
げることができる。
【0049】
【化9】
【0050】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
としては、一般式(3)で表されるパーヒドロキノリノ
化合物、一般式(4)で表されるパーヒドロイソキノリ
ノ化合物、一般式(5)で表される(パーヒドロキノリ
ノ)(パーヒドロイソキノリノ)化合物などが挙げられ
る。
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】R4 はR3 Nの飽和環上の置換基を表し、
水素、又は、炭素数1〜24の不飽和あるいは飽和脂肪
族炭化水素基である。R4 として好ましいのは、水素、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、
n-ブチル基、iso-ブチル基、ter-ブチル基、sec-ブチル
基などが挙げられる。R3 Nの飽和環上の炭化水素置換
基は1以上であってもよい。
【0055】一般式(3)で表される化合物としては、
ビス(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシランなどが挙
げられる。
【0056】また、ビス(2-メチルパーヒドロキノリ
ノ)ジメトキシシラン、ビス(3-メチルパーヒドロキノ
リノ)ジメトキシシラン、ビス(4-メチルパーヒドロキ
ノリノ)ジメトキシシラン、ビス(5-メチルパーヒドロ
キノリノ)ジメトキシシラン、ビス(6-メチルパーヒド
ロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(7-メチルパーヒ
ドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(8-メチルパー
ヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(9-メチルパ
ーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(10- メチ
ルパーヒドロキノリノ)ジメトキシシランなどのビス
(メチル置換パーヒドロキノリノ)ジメトキシシランが
挙げられる。
【0057】一般式(4)で表される化合物としては、
ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシランなど
が挙げられる。
【0058】また、ビス(1-メチルパーヒドロイソキノ
リノ)ジメトキシシラン、ビス(3-メチルパーヒドロイ
ソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(4-メチルパーヒ
ドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(5-メチル
パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビス(6-
メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ビ
ス(7-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラ
ン、ビス(8-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジメトキ
シシラン、ビス(9-メチルパーヒドロイソキノリノ)ジ
メトキシシラン、ビス(10- メチルパーヒドロイソキノ
リノ)ジメトキシシランなどのビス(メチル置換パーヒ
ドロイソキノリノ)ジメトキシシラン化合物が挙げられ
る。
【0059】一般式(5)で表される化合物としては、
(パーヒドロキノリノ)(パーヒドロイソキノリノ)ジ
メトキシシラン、(パーヒドロキノリノ)(1-メチルパ
ーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、などの化合
物が挙げられる。
【0060】また、ビス(パーヒドロインドーリノ)ジ
メトキシシラン、ビス(パーヒドロイソインドーリノ)
ジメトキシシランなどが挙げられる。
【0061】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
の具体例としては、下記に化学構造式で示される化合物
を挙げられる。
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
としては、一般式(6)で表されるるパーヒドロキノリ
ノ化合物、一般式(7)で表されるパーヒドロイソキノ
リノ化合物などが挙げられる。
【0065】
【化15】
【0066】
【化16】
【0067】R4 はR3 Nの飽和環上の置換基を表し、
水素、又は、炭素数1〜24の不飽和あるいは飽和脂肪
族炭化水素基である。R4 として好ましいのは、水素、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、
n-ブチル基、iso-ブチル基、ter-ブチル基、sec-ブチル
基などが挙げられる。また、R3 Nの飽和環上の炭化水
素置換基の数は1以上であってもよい。
【0068】一般式(6)で表される化合物としては、
エチル(パ−ヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、n-プ
ロピル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、iso-
プロピル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、n-
ブチル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、iso-
ブチル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ter-
ブチル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、sec-
ブチル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、n-ヘ
キシル(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ピペ
リジノ(パ−ヒドロキノリノ)ジメトキシシラン、ジエ
チルアミノ(パーヒドロキノリノ)ジメトキシシララン
などの化合物が挙げられる。
【0069】一般式(7)で表されるパーヒドロイソキ
ノリノ化合物の具体例としては、n-プロピル(パーヒド
ロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-プロピル(パ
ーヒドロイイソキノリノ)ジメトキシシラン、n-ブチル
(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、iso-ブ
チル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、te
r-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラ
ン、sec-ブチル(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシ
シランなどの化合物が好適である。
【0070】一般式(2)で表される有機ケイ素化合物
の具体例としては、下記に化学構造式で示される化合物
を挙げることができる。
【0071】
【化17】
【0072】
【化18】
【0073】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
成分[C]は、たとえば、テトラメトキシシランあるい
はジクロロジメトキシシランと、HNR第二級アミンの
マグネシウムあるいはリチウム塩の二当量との反応によ
り合成することができる。また、一般式(2)で表され
る成分[C]は、アルキルトリメトキシシランあるいは
アルキルクロロジメトキシシランと、HNR第二級アミ
ンのマグネシウムあるいはリチウム塩との当量反応によ
り合成することができる。成分[C]の使用量は、成分
[B]のアルミニウムに対する成分[C]のシランの元
素比(Si/Al) で0.01〜1.0 が好ましく、特に0.05〜0.33
が好ましい。
【0074】本発明においては、水素などの連鎖移動剤
を使用することができる。所望の立体規則性、融点及び
分子量を有するプロピレン重合体を製造するための水素
の使用量は、重合方法及び重合条件によって、適宜決定
することができるが、通常、水素分圧0.05〜3.0 の範囲
である。
【0075】本発明においては、上記の触媒系の存在
下、第一段階でプロピレン単独重合又はプロピレンと他
のα−オレフィンとの共重合により結晶性重合体を製造
した後、引き続いて、上記の触媒系を失活させずに、第
二段階でプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン
との共重合によりゴム状共重合体を製造することによっ
て、プロピレンブロック共重合体を製造することができ
る。
【0076】第一段階の重合は、プロピレンの単独重合
でもよいが、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重
合でもよい。α−オレフィンとしては、エチレン、ブテ
ン-1、3-メチルブテン-1、3-メチルペンテン-1、4-メチ
ルペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルヘキセン-1、オク
テン-1、スチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレ
ン、4-メチルスチレン、ビニルシクロヘキサン、ビニル
シクロペンタン、2-ビニルナフタレン、9-ビニルアント
ラセンなどの非環状モノオレフィンが挙げられる。ま
た、シクロペンテン、シクロヘキサン、ノルボルネンな
どの環状モノオレフィンが挙げられる。ジシクロペンタ
ジエン、5-エチリデンノルボルネン-2、4-ビニルシクロ
ヘキセン、1,5-ヘキサジエンなどのジオレフィンが挙げ
られる。
【0077】第一段階の重合で得られる結晶性重合体中
のプロピレン以外のα−オレフィンの割合は、ポリプロ
ピレンの特性を失わない程度の量、例えば、10重量%以
下であることが好ましい。結晶性重合体中のプロピレン
以外のα−オレフィンの割合が10重量%を越えると低結
晶性重合体副生物が増大する。
【0078】第二段階の重合は、プロピレンとプロピレ
ン以外のα−オレフィンとの共重合によりゴム状共重合
体を製造する。α−オレフィンとしては、エチレン、ブ
テン-1、3-メチルブテン-1、3-メチルペンテン-1、4-メ
チルペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルヘキセン-1、オ
クテン-1、スチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチ
レン、4-メチルスチレン、ビニルシクロヘキサン、ビニ
ルシクロペンタン、2-ビニルナフタレン、9-ビニルアン
トラセンなどの非環状モノオレフィンが挙げられる。ま
た、シクロペンテン、シクロヘキサン、ノルボルネンな
どの環状モノオレフィンが挙げられる。ジシクロペンタ
ジエン、5-エチリデンノルボルネン-2、4-ビニルシクロ
ヘキセン、1,5-ヘキサジエンなどのジオレフィンが挙げ
られる。
【0079】第二段階で得られるプロピレンと他のα−
オレフィンとのゴム状共重合体の割合は、全ブロック共
重合体量の通常 3〜40重量%、好ましくは 5〜30重量%
である。該ゴム状共重合体中のプロピレン以外のα−オ
レフィンの割合は、10〜40重量%が好ましい。
【0080】本発明の重合様式としては、不活性炭化水
素溶媒中でのスラリー重合、液体状態でのモノマーを溶
媒としてその中で重合させる塊状重合、モノマーを気体
状態で触媒と接触させる気相重合、又は、これらを組み
合わせて重合を行うことができる。中でも、第一段階で
液体状態のモノマーを溶媒として重合させる塊状重合で
行い、第二段階でモノマーを気体状態で触媒と接触させ
る気相重合で行うことが好ましい。
【0081】塊状重合では、プロピレン又はプロピレン
と他のα−オレフィンとの混合モノマーを液状に保ちう
る温度および圧力条件で行うことが好ましい。重合温
度、通常30〜90℃、好ましくは50〜80℃である。重合時
間は、通常 5分〜5 時間である。
【0082】気相重合では、プロピレン又はプロピレン
と他のα−オレフィンとの混合モノマーを液状に保ちう
る温度および圧力条件で行われる。気相重合は、通常、
大気圧〜20kg/cm2、好ましくは大気圧〜10kg/cm2であ
る。重合温度は、通常、30〜95℃、好ましくは、40〜70
℃である。重合時間は、通常、30分〜10時間、好ましく
は 1〜 5時間である。
【0083】スラリー重合では、不活性炭化水素の存在
下、プロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィンと
の混合モノマーを導入して行われる。不活性炭化水素と
しては、プロパン、 ブタン、 ペンタン、 ヘキサン、ヘプ
タン、 オクタンなどが挙げられる。
【0084】生成重合体の分子量調節のため、必要に応
じて連鎖移動剤として水素を重合系に加えてもよい。所
望の立体規則性、融点及び分子量を有するα−オレフィ
ン重合体を製造するための水素の使用量は、重合方法及
び重合条件によって、適宜決定することができるが、通
常、水素分圧0.05〜3.0 の範囲である。
【0085】また、本発明では、プロピレンあるいは他
のα−オレフィンを前記の各種重合方法に従って予備重
合してから、本重合を行ってもよい。予備重合の効果と
しては、重合活性の向上、重合体の立体規則性の向上、
重合体の粒子形状の安定化があげられる。予備重合の方
法としては、あらかじめ触媒固体成分[A]を、有機ア
ルミニウム化合物成分[B]及び有機ケイ素化合物成分
[C]と接触処理し、固体の洗浄によって予備処理固体
を調製することができる。さらに、成分[A]または前
記の予備処理固体を用いて、成分[B]及び成分[C]
の存在下、限定された量のエチレンあるいはα−オレフ
ィンを重合することによって予備重合処理固体を調製す
ることができる。
【0086】本発明における予備重合は、気相法、スラ
リー法、塊状法などで行うことができる。予備重合にお
いて得られた固体は分離してから本重合に用いる、ある
いは、分離せずに本重合を続けて行うことができる。
【0087】予備重合時間は通常、0.1 〜10時間であ
り、触媒固体成分1g当たり0.1 〜100gの予備重合体が生
成するまで予備重合を続けることが好ましい。触媒固体
成分1g当たり0.1g未満であると本重合活性が充分でなく
触媒残渣が多くなり、α−オレフィン重合体の立体規則
性も充分でない。また、100gをこえると、重合活性およ
びα−オレフィン重合体の結晶性が低下する傾向があ
る。予備重合温度は、0 〜100 ℃、好ましくは10〜90℃
で各触媒成分の存在下に行う。50℃をこえるような高い
温度で予備重合を行う場合は、エチレンあるいはα−オ
レフィン濃度を小さくするか、重合時間を短くすること
が好ましい。重合時間が長い場合と触媒固体成分1g当た
り0.1 〜100gの予備重合体の生成を制御することが困難
であり、また、本重合で重合活性が低下したり、得られ
るα−オレフィン重合体の結晶性が低下したりする。
【0088】予備重合での有機アルミニウム化合物成分
[B]の使用量は、通常、触媒固体成分のチタン原子に
対して Al/Tiモル比が0.5 〜1000、好ましくは1 〜400
である。有機ケイ素化合物成分[C]の使用量は、通
常、成分[B]のアルミニウム原子に対して Si/Alモル
比が0.01〜1 、好ましくは0.08〜0.5 である。また予備
重合時に、必要に応じて水素を共存させることができ
る。本発明においては、前記の予備処理固体あるいは予
備重合処理固体を、本重合における触媒固体成分として
用いる場合は、本重合において成分[C]を省くことが
できる。
【0089】
【発明の効果】本発明によって得られるプロピレンブロ
ック共重合体は、高結晶性で且つ分子量分布が広く、成
形体の剛性、耐熱性、引張り強度などの機械物性にすぐ
れ、また、溶融時のせん断速度に対するダイスウェル値
が高いため、フローマークなどの成形体の外観不良の問
題がない。本発明のプロピレンブロック重合体は、単独
で用いるだけではなく、コンパウンド用材料として、他
のプラスチック、エラストマーとのブレンド、さらにグ
ラスファイバー、タルクなどの無機、有機フィラーの強
化剤、その他結晶核剤を混合使用でき、特に限定されな
いが自動車、家電などの構造材料としてすぐれた性能を
発揮できる。
【0090】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。実施例に
おいて、(共)重合反応速度とは、触媒固体1g、1 時間
当たりの生成ポリマーの収量(g) である。
【0091】ブロック率とは、全重合体中の共重合体重
量割合(共重合体収量/全重合体収量×100%)である。
HIは重合体を沸騰n-ヘプタンで 6時間ソックスレー抽
出した時の不溶分の割合(不溶分ポリマー重量/仕込み
ポリマー重量×100%)である。溶融流動性(MI)は、ASTM
-D1238にしたがって測定した230 ℃、2.16Kgの加重下で
10分間の溶融重合体の重量(g) を表す。
【0092】融点(Tm)は、DSC(セイコー電子工業製
ASC-5200)により測定した。測定条件として、プロピ
レン重合体においては、10mgを23〜230 ℃まで毎分10℃
の速度で昇温し、そのまま5 分間保持した後、230 〜40
℃まで毎分5 ℃の速度で降温し、再び40〜230 ℃まで毎
分10℃の速度での昇温した際の融点を測定した。
【0093】重合体の立体規則性の指標の1つで、その
ミクロタクティシティーを調べたアイソペンタッド分率
(mmmm)% は、プロピレン重合体においてMacromolelcule
s 8, 687(1975) に基づいて帰属した13C−NMRスペ
クトルのピーク強度比より算出した。13C−NMRスペ
クトルは、日本電子製 EX-400 の装置を用い、TMSを
基準とし、温度130 ℃、o-ジクロロベンゼン溶媒を用い
て測定した。
【0094】分子量分布は、ポリスチレンを標準物質と
して用いたGPC(ウォーターズ社製 150CV型、o-ジク
ロロベンゼン溶媒、カラム SHODEX 、温度145 ℃、濃度
0.05wt% )から求めた重量平均分子量Mw及び数平均分
子量Mnの比Mw/Mnによって評価した。
【0095】生成共重合体中のエチレン含有量の測定は
以下の様に行った。試料をホットプレスの熱板上で加熱
溶融させて、加圧冷却後、水浴中に急冷させ、約30μの
フィルムを成形した。このフィルムを赤外分光光度計に
て、 974cm-1と 720cm -1 のピークを測定し、予め作成
された検量線に基づいて、エチレン含有量を計算した。
【0096】ラバー成分の固有粘度[η]の測定は以下
の様に行った。試料20mgを精秤し、25mLメスフラスコ中
に入れ、次に0.3%のBHTを含有するデカリン20mLを加
える。試料を 135℃で完全に溶解させ、 135℃で設定さ
れた恒温槽を用いて、粘度計の中に、この溶解液20mLを
移し、指定された標線間の通過時間を測定することによ
って、粘度式を用いて、ラバー成分の固有粘度[η]の
測定を行った。
【0097】参考例 (有機ケイ素化合物成分[C]の合成法 合成例:ビス
パーヒドロキノリノジメトキシシラン) 滴下ロートを
備えた容量200mL の3ツ口フラスコ内にスターラーピー
スを入れ、真空ポンプを用いて、フラスコ内を十分窒素
置換した後、フラスコ内に蒸留・脱水n-ヘプタン100mL
、デカヒドロキノリン17.9mL(0.12mol) を入れ、滴下
ロート内には、1.6Mのブチルリチウムヘキサン溶液75mL
(0.12mol) を入れた。フラスコ内温度を 4℃に保ちなが
ら、滴下ロート内のブチルリチウム溶液をフラスコ内に
ゆっくりと滴下した。滴下終了後、引き続き室温で12時
間攪拌を行い、パーヒドロキノリンのリチウム塩を得
た。
【0098】次に、滴下ロートを備えたガラスフィルタ
ー付きフラスコ(容量400mL )内にスターラーピースを
入れ、真空ポンプを用いて、フラスコ内を十分窒素置換
した後、フラスコ内には、蒸留・脱水n-ヘプタン60mL、
テトラメトキシシラン8.9mL(0.06mol) を入れ、滴下ロ
ート内には、前記のパーヒドロキノリンのリチウム塩を
入れた。室温にて、滴下ロート内のパーヒドロキノリン
のリチウム塩をフラスコ内にゆっくりと滴下した。滴下
終了後、引き続き40℃で2 時間攪拌を行い、さらに、室
温で12時間攪拌を行った。目的物が生成していることを
ガスクロマトグラフィーで確認した後、沈殿物をろ過し
た。このろ液中の溶媒を減圧下に十分に留去し、その
後、生成物の1次蒸留および2次蒸留を行って精製し、
目的物であるビスパーヒドロキノリノジメトキシシラン
を得た。この化合物の沸点は189.5℃/3mmHg 、GC純
度96.5% であった。
【0099】実施例1 (1) 触媒固体成分[A] の調製 無水塩化アルミニウム15mmolをトルエン40mLに添加し、
次いで、メチルトリエトキシシラン15mmolを攪拌下に滴
下し、滴下終了後25℃で 1時間反応させた。反応生成物
を-5℃に冷却した後、攪拌下にブチルマグネシウムクロ
ライド30mmolを含むジイソプロピルエーテル18mLを30分
間で反応生成物に滴下し、反応溶液の温度を-5〜 0℃の
範囲内に保った。滴下終了後徐々に昇温し、30℃で1時
間反応を続けた。析出した固体を濾別し、トルエン及び
n-ヘプタンで洗浄した。次に、得られた固体4.9gをトル
エン30mLに懸濁させ、この懸濁液に四塩化チタン 150mm
ol、フタル酸ジ-n- ヘプチル 3.3mmolを添加し、攪拌下
に90℃で 1時間反応させた。同温度で固体をろ別し、ト
ルエン、次いでn-ヘプタンで洗浄した。さらに、再度固
体をトルエン30mLに懸濁させ、四塩化チタン 150mmolを
添加し、攪拌下に90℃で 1時間反応させた。同温度で固
体を濾別し、固体をトルエン次いでn-ヘプタンで洗浄し
た。得られた触媒固体成分中のチタン含有量は3.55wt%
であった。この固体をヘプタン80mLに懸濁し触媒固体成
分のヘプタンスラリーを調製した。
【0100】(2) 予備重合 攪拌機付の内容積2Lのステンレス製オートクレーブ内
部を充分に窒素置換し、トリエチルアルミニウム2.3
4mmol(n-ヘキサン2.62ml溶液)、ビスパー
ヒドロイソキノリノジメトキシシラン0.392ミリモ
ル(n−ヘプタン2.0ml溶液)を注射器でオートク
レーブ内に注入した。次に、水素を20℃換算で7kg
/cm2 、液体プロピレンを900mlを導入し、10
℃に保持した水浴にオートクレーブを浸し、攪拌機を作
動させて、オートクレーブ内部を攪拌した。10分後、
あらかじめテフロン製カプセルにセットしておいた触媒
固体12mgの全量を系内に添加することによって、予
備重合を開始した。予備重合は10℃で10分間実施し
た。
【0101】(3) プロピレンホモ重合(結晶性ポリプロ
ピレンの製造) 予備重合完了後、攪拌機を停止させ、直ちにオートクレ
ーブを高温浴槽に移設し、攪拌を開始して昇温した。6
0℃に到達してから、同温度で50分間のホモ重合を行
った。ホモ重合完了後、攪拌を停止させ、未反応プロピ
レンを放出し、内部を窒素ガスで充分に置換してから、
浴槽からオートクレーブを取り出した。室温でオートク
レーブ内部を保持させ、内圧を0.2kg/cm2 ・G
の窒素雰囲気下に保持された空のオートクレーブ重量と
ホモ重合終了後のオートクレーブ重量差から算出した。
次に、ホモポリマーの基礎物性を評価するために窒素圧
力をかけて、オートクレーブ内のノズルからホモポリマ
ーを一部抜き出し、再度、オートクレーブ内の内圧を
0.2kg/cm2 ・Gの窒素雰囲気下に保持し、オー
トクレーブの重量を測定することによって、抜き出し前
後の重量差からサンプリング量を算出した。表1及び表
2に測定結果を示した。
【0102】(4) ブロック共重合(エチレン−プロピレ
ン共重合) オートクレーブを浴槽に移設して、攪拌を開始させてか
ら、40℃まで、昇温した。同温度で、プロピレンガス
を200Ncc/min.,エチレンガスを100Nc
c/min.の割合で連続的にオートクレーブに供給
し、ブロック共重合を開始した。共重合圧力は、2kg
/cm2 ・Gに保持させ、40℃で240分間、共重合
を行った。共重合反応完了後、攪拌を停止させ、未反応
ガスを系外に排出してから、オートクレーブ内部を充分
に窒素置換した。次にオートクレーブを浴槽から取り出
し、室温に保持させてオートクレーブの内圧を0.2k
g/cm2 ・Gの窒素雰囲気下にしてから、重量を測定
し、ブロック共重合前後の重量差からブロック収量を測
定した。このブロック共重合体の基礎物性の測定結果
は、表1及び表2に記載した。
【0103】比較例1 攪拌機付の内容積2Lのステンレス製オートクレーブの
内部を充分に窒素置換し、トリエチルアルミニウム2.
34mmol(n-ヘキサン2.62ml溶液)、シクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン0.392ミリモル
(n−ヘプタン2.0ml溶液)を注射器でオートクレ
ーブ内に注入した。次に、水素を20℃換算で7kg/
cm2 、液体プロピレンを900mlを導入し、実施例
1と同様の操作により、予備重合、ホモ重合及びブロッ
ク共重合を実施し、ホモ重合活性、共重合活性を算出し
た。また、得られたホモポリマー、ブロック共重合体の
基礎物性を測定し、その結果を表1及び表2に記載し
た。
【0104】比較例2 攪拌機付の内容積2Lのステンレス製オートクレーブの
内部を充分に窒素置換し、トリエチルアルミニウム2.
34mmol(n-ヘキサン2.62ml溶液)、トリフ
ェニルエトキシシラン0.392ミリモル(n−ヘプタ
ン2.0ml溶液)を注射器でオートクレーブ内に注入
した。次に、水素を20℃換算で7kg/cm2 、液体
プロピレンを900mlを導入し、実施例1と同様の操
作により、予備重合、ホモ重合及びブロック共重合を実
施し、ホモ重合活性、共重合活性を算出した。また、得
られたホモポリマー、ブロック共重合体の基礎物性を測
定し、その結果を表1及び表2に記載した。
【0105】比較例3 攪拌機付の内容積2Lのステンレス製オートクレーブの
内部を充分に窒素置換し、ジエチルアルミニウムモノク
ロライド2.66mmol(n-ヘキサン2.82ml溶
液)を注射器でオートクレーブ内に注入した。次に、水
素を20℃換算で7kg/cm2 、液体プロピレンを9
00mlを導入した後、オートクレーブを高温浴槽中に
移設した。攪拌を開始し、60℃に保持し、あらかじめ
カプセル内にセットしておいたTiCl3 (AA)12
5mgの全量を系内に添加することによって、ホモ重合
を開始させた。60℃で50分間、ホモ重合反応を行っ
た後は、実施例1と同様の操作により、ブロック共重合
反応を行い、得られた結果を表1及び表2に記載した。
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性重合体成分及びゴム状重合体成分
    からなるプロピレンブロック共重合体であって、GPC
    測定におけるポリスチレン換算で求めた重量平均分子量
    と数平均分子量の比Mw/Mnが15以上、13C−NM
    Rにおけるmmmmペンタッド分率が97%以上、及
    び、当該ゴム状重合体成分の固有粘度[η]が10以下
    であることを特徴とするプロピレン共重合体。
  2. 【請求項2】 [A]マグネシウム、チタン、ハロゲン
    元素及び電子供与体を必須とする触媒固体成分、[B]
    有機アルミニウム化合物成分、並びに[C]一般式
    (1)又は(2)で表される有機ケイ素化合物成分とか
    らなる触媒の存在下に、α−オレフィンを重合させて製
    造することを特徴とする請求項1に記載のプロピレンブ
    ロック共重合体の製造方法。 【化1】 【化2】 (但し、(1)又は(2)において、R1 は炭素数1〜
    8の炭化水素基を示し、R2 は炭素数2〜24の炭化水
    素基、炭素数2〜24の炭化水素アミノ基又は炭素数1
    〜24の炭化水素アルコキシ基を示し、R3 Nは窒素原
    子とともに骨格を形成する炭素数が7〜40の多環式ア
    ミノ基を示す。)
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