JPH11147660A - テープカッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】通常の使用状態ときには繰り出されている貼着
テープの引き戻しが生じないようにして、テープカッタ
ーの使用勝手を向上させる。 【解決手段】繰り出し部３におけるローラ９，１０の
内、一方のローラ９を他方のローラ１０に付勢状態にし
て離接可能に設け、一対のローラ９，１０が粘着テープ
を繰り出し可能に挟持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テープカッター、
特に梱包作業に用いる貼着テープを装着し、手持ち状態
で貼着テープの繰り出しや切断が行えるテープカッター
に関するものである。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】一般に貼着テープを使
用した梱包作業においては、貼着テープロールからその
貼着テープを繰り出したり切断したりすることが繰り返
し行われており、貼着テープの繰り出しや切断が簡便に
行えるように、従来から貼着テープロールを装着する手
持ち式のテープカッターが使用されている。図６に示さ
れているように、この種の手持ち式のテープカッター１
は事務用品としての卓上型の刃付きテープホルダーとは
異なるものであって、貼着テープロールの巻芯が回転可
能に装着できるようにその巻芯の内周形状に対応して板
材を円弧状に曲成したホルダー本体２と、そのホルダー
本体２の貼着テープ繰り出し方向Ｘでの前方に位置する
繰り出し部３と、その繰り出し部３からさらに前方に位
置する切断部４と、前記ホルダー本体２に被さるように
回動可能に設けられて緩やかな曲面形状を呈するカバー
５とを具備している。前記繰り出し部３は互いに回転自
由に軸支された一対のローラ３ａ、３ｂとをそのローラ
間に所要の隙間３ｃを開けるようにして貼着テープ繰り
出し方向Ｘに並べ設けたものであり、例えば、この繰り
出し部３における貼着テープ繰り出し方向Ｘでの前方側
に位置する一方のローラ３ａにあっては、図示されてい
るように、前記ホルダー本体２の側縁における曲げ起こ
し部２ａの前縁部分に縦板材６を取り付け、その縦板材
６の貼着テープ繰り出し方向Ｘの前方側を前記一方のロ
ーラ３ａの両端を支持するように折り曲げ形成し、その
折り曲げ部６ａに一方のローラ３ａを回転自由に軸支さ
せており、また、貼着テープ繰り出し方向Ｘでの後方側
（即ち、ホルダー本体２側）に位置する他方のローラ３
ｂにあっては、前記縦板材６に片持ち状態にして回転自
由に軸支されている。

【０００３】また、切断部４はホルダー本体２に装着し
た貼着テープロールから上記繰り出し部３におけるロー
ラ３ａ、３ｂの間を通して繰り出された貼着テープを切
断する切断刃７を、上記折り曲げ部６ａで構成された前
傾斜板６ｂに押さえ板８を用いながら取り付けたもので
ある。そして、上記カバー５は前記折り曲げ部６ａの後
部に軸支されることで上述したようにホルダー本体２に
被さる位置から上方へ跳ね上げることができるように回
動可能に設けられており、ホルダー本体２とこのカバー
５とに手を掛けながらテープカッター１が手持ちできる
とともに、ホルダー本体２に装着した貼着テープロール
をそのホルダー本体２とカバー５とで挟み込むようにす
れば貼着テープロールの回転を規制することができ、貼
着テープロールの回転を止めたままテープカッター全体
を前方に傾け、繰り出された貼着テープに前記切断部４
を当てることで貼着テープを切断することができる。

【０００４】ところで、上記のテープカッターにおいて
は、新しい貼着テープロールを装着して貼着テープの引
き出し端を上記繰り出し部に通し易くするなどの理由か
ら、上述したように二つのローラの間に隙間が設けられ
ている。しかしながら、テープカッターの使用を終えた
場合や、貼着テープを切断した後に一時的にテープカッ
ターから手を離すなどした場合に貼着テープロールが自
由回転し易くなり、繰り出されていた貼着テープがその
回転によって前記隙間を抜けて簡単に引き戻されてしま
い、貼着テープの切断縁が貼着テープロール自体に貼着
してしまうという不都合がある。そして、このように貼
着テープロールに貼着テープの切断端が一旦、貼着して
しまうと、その切断端が見付け難くなるとともに、切断
端の剥ぎ起こしも簡単には行えなくなってしまい、これ
を防止するために、貼着テープの切断端を折り返して貼
着しない折り返しを設けるという手間を要していた。そ
こで本発明は上記事情に鑑み、通常の使用状態時には繰
り出されている貼着テープの引き戻しが生じないように
することを課題とし、テープカッターの使用勝手を向上
させることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を考慮
してなされたもので、貼着テープロールが回転可能に装
着されたホルダー本体の貼着テープ繰り出し方向前方
に、一対のローラからなる繰り出し部とこの繰り出し部
におけるローラ間を通して繰り出された粘着テープを切
断する切断刃からなる切断部とを設け、前記貼着テープ
ロールに接触可能に設けられたカバーと前記ホルダー本
体とで貼着テープロールを挟み込んで貼着テープロール
の回転を規制する構成としたテープカッターにおいて、
前記繰り出し部におけるローラの内、一方のローラが他
方のローラに付勢状態にして離接可能に設けられて、一
対のローラが粘着テープを繰り出し可能に挟持すること
を特徴とするテープカッターを提供して、上記課題を解
消するものである。そして、本発明において、繰り出し
部における貼着テープの接着面が接する側のローラは、
貼着テープを送り出す回転方向とは反対方向への回転を
規制する反転防止手段を有することが良好である。ま
た、繰り出し部において付勢状態にして他方のローラに
離接可能に設けられている上記ローラを他方のローラか
ら離す引き離し手段が設けられていることが良好であ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】つぎに本発明を図１から図５に示
す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図６と
図７とに示す従来例と構成が重複する部分は同符号を付
してその説明を省略する。本発明のテープカッター１の
繰り出し部３は一対のローラ９，１０が従来例と同様に
貼着テープ繰り出し方向Ｘに並設されている。そして、
貼着テープ繰り出し方向Ｘでの前方側（切断部４側）に
位置する一方のローラ９は上記折り曲げ部６ａに直接的
に取り付けられているものではなく、図１から図３に示
すように、その折り曲げ部６ａの後部側において上記カ
バー５の回転中心軸ａと同軸上で軸支されて折り曲げ部
６ａの前傾斜板６ｂの下面側から下方に向けて回動でき
るローラ押さえ１１に回転可能にして取り付けられてい
る。さらに、前記ローラ押さえ１１と前傾斜板６ｂとの
間にスプリングなどからなる付勢手段１２が配置されて
いて、この付勢手段１２からの付勢力を前記ローラ押さ
え１１を介して伝えられることによってこの一方のロー
ラ９が他方のローラ１０に向けて付勢されており、この
一方のローラ９に対して積極的に前記前傾斜板６ｂ側に
回動させる力が加わらない限り、一方のローラ９が他方
のローラ１０に当接し、繰り出された貼着テープを両ロ
ーラ９，１０で繰り出し可能にしながら挟持する。

【０００７】また、他方のローラ１０は繰り出される貼
着テープの接着面が接する側のローラであって、その他
方のローラ１０の周面１０ａにローレット加工を施して
貼着テープが強固に接着することなく或る程度の接着力
で接着し、貼着テープの繰り出し操作に支障が生じない
ように図られている。さらに、この他方のローラ１０に
あってはラチェットなどからなる反転防止手段１３が設
けられていて、他方のローラ１０が貼着テープを送り出
す回転方向とは反対方向に回転しないように規制された
ものとしている。このように繰り出された貼着テープを
一対のローラ９，１０が挟み込んで支持し、その貼着テ
ープをさらに繰り出す場合には両ローラ９，１０はそれ
ぞれ貼着テープ繰り出し方向に回転することになる（な
お、一方のローラは何れの方向にも回転できるものであ
る）。そして、テープカッターから手を離した際などに
おいて貼着テープロールが少し回転したとしても、繰り
出されていた貼着テープが一対のローラ９，１０で挟持
され、かつ、他方のローラ１０が反転しないことから、
繰り出されている貼着テープがローラ間から抜けずに確
実に保持され、上述したように貼着テープロールに切断
端が貼着してしまうということが防止される。

【０００８】さらに、この繰り出し部３において、上記
一方のローラ９が取り付けられているローラ押さえ１１
には側方に張り出るレバー１４が引き離し手段として設
けられており、このレバー１４を指掛かりにして上方側
に持ち上げるようにすることでローラ押さえ１１が上記
前傾斜板６ｂ側に回動してローラ９を他方のローラ１０
から離すことができ、新しい貼着テープロールを装着し
て引き出し端をローラ間に通すような場合、回転自由な
ローラ９に直接触れることなく簡単に両ローラ９，１０
の間を開くことができるように設けられている。なお、
本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のテープカ
ッターによれば、貼着テープロールが回転可能に装着さ
れたホルダー本体の貼着テープ繰り出し方向前方に、一
対のローラからなる繰り出し部とこの繰り出し部におけ
るローラ間を通して繰り出された粘着テープを切断する
切断刃からなる切断部とを設け、前記貼着テープロール
に接触可能に設けられたカバーと前記ホルダー本体とで
貼着テープロールを挟み込んで貼着テープロールの回転
を規制する構成としたテープカッターであって、前記繰
り出し部におけるローラの内、一方のローラが他方のロ
ーラに付勢状態にして離接可能に設けられて、一対のロ
ーラが粘着テープを繰り出し可能に挟持することを特徴
とするものである。このように一方のローラを他方のロ
ーラに向けて付勢してその他方のローラに対して離接可
能に設け、繰り出された貼着テープを一方のローラと他
方のローラとで繰り出し可能に挟持するので、繰り出し
部から前方へ貼着テープが繰り出されている状態を常時
確保でき、従来のような貼着テープの戻り込みや外れが
確実に防止できるようになる。そして、一方のローラを
付勢力に抗してローラ間に隙間を形成させることで、装
着された新しい貼着テープロールの引き出し端を繰り出
し部に通すことができる。

【００１０】そして、繰り出し部における貼着テープの
接着面が接する側のローラが、貼着テープを送り出す回
転方向とは反対方向への回転を規制する反転防止手段を
有するようにすることで、繰り出されている貼着テープ
の挟持を一層確実に行うとともに、貼着テープ切断後に
おいても繰り出し部から前方への繰り出されている貼着
テープを或る長さで保持でき、つぎの繰り出し操作に際
して切断縁を確実に掴めるようになる。さらに、付勢状
態にして他方のローラに離接可能に設けられているロー
ラを他方のローラから離す引き離し手段を設けるように
することで、一方のローラに直接触れることなく容易に
ローラ間を開くことができるようになるなど、実用性に
優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るテープカッターの一例を側面側か
ら示す説明図である。

【図２】一例の切断部と繰り出し部とを示す説明図であ
る。

【図３】一例における一方のローラとローラ押さえとを
示す説明図である。

【図４】繰り出し部における貼着テープの挟持状態を断
面で示す説明図である。

【図５】繰り出し部における両ローラを離した状態を断
面で示す説明図である。

【図６】従来例を示す説明図である。

【図７】同じく従来例の側面側を示す説明図である。

【符号の説明】

１…テープカッター ２…ホルダー本体 ３…繰り出し部 ４…切断部 ６…縦板材 ６ａ…折り曲げ部 ６ｂ…前傾斜板 ９…一方のローラ １０…他方のローラ １１…ローラ押さえ １２…付勢手段 １３…反転防止手段

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】貼着テープロールが回転可能に装着された
   ホルダー本体の貼着テープ繰り出し方向前方に、一対の
   ローラからなる繰り出し部とこの繰り出し部におけるロ
   ーラ間を通して繰り出された粘着テープを切断する切断
   刃からなる切断部とを設け、前記貼着テープロールに接
   触可能に設けられたカバーと前記ホルダー本体とで貼着
   テープロールを挟み込んで貼着テープロールの回転を規
   制する構成としたテープカッターにおいて、 前記繰り出し部におけるローラの内、一方のローラが他
   方のローラに付勢状態にして離接可能に設けられて、一
   対のローラが粘着テープを繰り出し可能に挟持すること
   を特徴とするテープカッター。
2. 【請求項２】上記繰り出し部における貼着テープの接着
   面が接する側のローラは、貼着テープを送り出す回転方
   向とは反対方向への回転を規制する反転防止手段を有す
   る請求項１に記載のテープカッター。
3. 【請求項３】上記繰り出し部において付勢状態にして他
   方のローラに離接可能に設けられている上記ローラを他
   方のローラから離す引き離し手段が設けられている請求
   項１または２に記載のテープカッター。