JPH11142892A - エレクトロクロミックミラー - Google Patents

エレクトロクロミックミラー

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JPH11142892A
JPH11142892A JP9342314A JP34231497A JPH11142892A JP H11142892 A JPH11142892 A JP H11142892A JP 9342314 A JP9342314 A JP 9342314A JP 34231497 A JP34231497 A JP 34231497A JP H11142892 A JPH11142892 A JP H11142892A
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JP
Japan
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group
polymer
general formula
electrochromic
layer
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Application number
JP9342314A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kobayashi
正明 小林
Izuru Sugiura
出 杉浦
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性高分子化合物をエレクトロクロミック
物質に用いたエレクトロクロミックミラーの提供。 【解決手段】 反射性導電基板と透明導電基板との間
に、イオン伝導性物質層とエレクトロクロミック層を挿
設し、このエレクトロクロミック層に特定の導電性高分
子化合物を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等の防眩ミラ
ーとして、あるいは屋内で使用される装飾用ミラーとし
て有用なエレクトロクロミックミラーに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
のエレクトロクロミック防眩ミラーとしては、例えば、
酸化タングステン(WO3 )のような無機酸化物を真空
蒸着法またはスパッタリング法で透明導電基板上に成膜
し、これを発色剤(エレクトロクロミック物質)とした
ものが知られている(特開昭63−18336)。しか
し、真空蒸着法またはスパッタリング法の実施には、真
空ポンプの設置が不可欠であるので、発色剤となる膜の
形成がコスト高になる不都合がある。そのため、より簡
便に、且つ安価に製造可能なエレクトロクロミックミラ
ーの開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明はエレクトロク
ロミック物質として特定の導電性高分子化合物を使用す
ることにより、簡便な工程で安価に製造可能なエレクト
ロクロミックミラーを提供する。すなわち、本発明に係
るエレクトロクロミックミラーの一つは、反射性導電基
板と透明導電基板との間に、(A)下記の一般式(1)
で表される繰り返し単位からなる重合体および下記の一
般式(2)で表される繰り返し単位からなる重合体を含
有するエレクトロクロミック層または(B)下記の一般
式(1)で表される繰り返し単位および下記の一般式
(2)で表される繰り返し単位からなる共重合体を含有
するエレクトロクロミック層を設けたことを特徴とす
る。
【化3】 (式中、X- 、Y- は同一であっても異なってもよく、
それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO4 - 、BE4
- 、PF6 - 、CH3 COO- 、CH3 (C6 4 )S
3 - から選ばれる対アニオンを示し、R1 は水素また
は炭素数1〜5のアルキル基を、R2 は炭素数1〜10
の炭化水素残基を、R3 は炭素数1〜20のアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を各々示す。)
【化4】 (式中、R4 は水素または炭素数1〜5のアルキル基、
5 、R6 、R7 、R8及びR9 は水素または炭素数1
〜20の炭化水素基または炭化水素残基を表し、それぞ
れ同一でも異なっても良い。Ar1 は2価の芳香族炭化
水素残基を示す。cは0以上の整数を、dは1以上の整
数を各々示す。) また、本発明に係るエレクトロクロミックミラーの他の
一つは、前記のエレクトロクロミック層がイオン伝導性
物質層を兼ねていることを特徴とする。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明においては、反射性導電基
板と透明導電基板が使用されるが、ここで導電基板とは
電極としての機能を果たす基板を意味する。従って、本
発明で言う導電基板には基板自体を導電性材料で構成さ
せたものと、導電性を持たない基板の少なくとも一方の
表面に電極層を積層させた積層板が包含される。導電性
を備えているか否かに拘らず、基板自体は常温において
平滑な面を有していることが必要であるが、その面は平
面であって、曲面であっても差し支えなく、応力で変形
するものであっても差し支えない。本発明で使用される
導電基板の少なくとも一方は透明導電基板であり、他方
は光を反射できる反射性導電基板である。透明導電基板
は、通常、透明基板上に透明電極層を積層させた形態に
ある。ここで、透明とは10〜100%の光透過率を有
することを意味する。一方、反射性導電基板の形態とし
ては、(1)導電性を持たない透明又は不透明な基板上
に反射性電極層を積層させた積層体、(2)導電性を持
たない透明基板の一方の面に透明電極層を、他方の面に
反射層を積層させた積層体、(3)導電性を持たない透
明基板上に反射層を、その反射層上に透明電極層を積層
させた積層体、(4)反射板を基板とし、これに透明電
極層を積層させた積層体、および(5)基板自体が光反
射層と電極層の両方の機能を備えた板状体などが例示で
きる。透明基板の素材には、格別な制限はなく、例え
ば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等が使用でき
る外、無色あるいは有色の透明性樹脂、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタ
クリレート、ポリスチレン等が使用可能である。本発明
の透明電極層は文字通り透明で、電極としての機能を果
たす薄膜を意味し、そのような薄膜としては、例えば、
金、銀、クロム、銅、タングステン等の金属又はITO
(In2 3 −SnO2 )、酸化錫、酸化銀、酸化亜
鉛、酸化バナジウム等の金属酸化物からなる導電性薄膜
などが挙げられる。この膜の膜厚は、通常100〜5、
000オングスロトーム、好ましくは500〜3、00
0オングスロトームの範囲にあり、表面抵抗(抵抗率)
は、通常0.5〜500Ω/cm2 、好ましくは1〜5
0Ω/cm2 の範囲にある。導電性薄膜の形成方法に
は、任意の方法が採用可能であって、薄膜を構成する金
属又は金属酸化物等の種類により、適宜な方法が選択で
きる。通常は真空蒸着法、イオンプレーティング法、ス
パッタリング法、あるいはゾルゲル法等が採用される。
この際、膜厚は薄膜の透明性が損なわれない範囲で選択
されることは勿論である。導電性薄膜には、酸化還元能
の付与、導電性の向上、電気二重層容量の付与の目的
で、部分的に不透明な電極活性物質を付与することもで
きるが、その付与量は薄膜全体の透明性が損なわれない
範囲で選ばれる。不透明な電極活性物質としては、例え
ば、銅、銀、金、白金、鉄、タングステン、チタン、リ
チウム等の金属;ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ
ピロール、フタロシアニンなどの酸化還元能を有する有
機物;活性炭、グラファイトなどの炭素材、V2 5
MnO2 、NiO、Ir2 3 などの金属酸化物または
これらの混合物が挙げられる。そして、電極活性物質を
導電性薄膜に結着させるためには、任意の樹脂バインダ
ーを使用することができる。導電性薄膜上に不透明な電
極活性物質等を付与した一例としては、ITO薄膜上
に、活性炭素繊維、グラファイト、アクリル樹脂等から
なる組成物の塗膜を、ストライプ状またはドット状等の
微細パターンを設けたものがあり、他の一例としては金
(Au)薄膜上に、V2 5 、アセチレンブラック、ブ
チルゴム等からなる組成物の塗膜をメッシュ状に設けた
ものがある。本発明の反射性電極層は、鏡面を有し、し
かも電極として電気化学的に安定な機能を発揮する薄膜
を意味し、そのような薄膜としては、例えば、金、白
金、タングステン、タンタル、レニウム、オスミウム、
イリジウム、銀、ニッケル、パラジウム等の金属膜や、
白金−パラジウム、白金−ロジウム、ステンレス等の合
金膜が挙げられる。このような鏡面を備えた薄膜の形成
には、任意の方法を採用可能であって、例えば、真空蒸
着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法など
を適宜採用することができる。反射性電極層を設ける基
板は透明であるか、不透明であるかを問わない。従っ
て、反射性電極層を設ける基板としては、先に例示した
透明基板の外、透明でない各種のプラスチック、ガラ
ス、木材、石材等が使用可能である。本発明で言うの反
射板または反射層は、鏡面を有する基板又は薄膜を意味
し、例えば、銀、クロム、アルミニウム、ステンレス等
の板状体又はその薄膜を意味する。基板自体が反射層と
電極機能を兼ね備える板状体としては、前記反射性電極
層として例示したもののうち、自己支持性があるものが
挙げられる。
【0005】次に本発明のエレクトロクロミック層につ
いて説明する。本発明のエレクトロクロミック層の特徴
は、下記の一般式(1)で表される繰り返し単位からな
る重合体(重合体(I) )と、下記の一般式(2)で表さ
れる繰り返し単位からなる重合体(重合体(II))を含有
しているか、あるいは、一般式(1)で表される繰り返
し単位と、一般式(2)で表される繰り返し単位を有す
る共重合体(共重合体(III) )を含有している点にあ
る。
【化5】 一般式(1)において、X- 、Y- は同一であっても異
なってもよく、それぞれ個別にハロゲンアニオン、Cl
4 - 、BE4 - 、PF6 - 、CH3 COO-、CH3
(C6 4 )SO3 - から選ばれる対アニオンを示し、
ハロゲンアニオンとしては、F- 、Cl- 、Br- 、I
- 等が挙げられる。R1 は水素または炭素数1〜5のア
ルキル基を示し、このアルキル基としては、メチル基、
エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等があげられる。
1 は水素又はメチル基であることが特に好ましい。R
2 は炭素数1〜10の炭化水素残基を示し、具体的に
は、 等を挙げることができる。R3 は炭素数1〜20の、好
ましくは3〜8のアルキル基、アリール基またはアラル
キル基を示し、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が、
アラルキル基としては、ベンジル基等が例示できる。重
合体(I) は一般式(1)で表される繰り返し単位を2個
以上有し、通常は2〜500個、好ましくは2〜100
個、さらに好ましくは2〜50個有し、実質的に線状重
合体である。
【化6】 一般式(2)において、R4 は水素または炭素数1〜5
のアルキル基を示し、このアルキル基としては、メチル
基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等があげられ
る。R4 は水素またはメチル基であることが特に好まし
い。R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 は、水素原子、
炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基また
は炭化水素残基を示し、それぞれ同一でも異なっても良
い。この炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オク
チル基等のアルキル基、トリル基、エチルフェニル基等
のアルキルフェニル基、フェニル基等のアリール基、ア
ラルキル基などが挙げられ、また炭化水素残基として
は、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基などのア
ルコキシフェニル基などが挙げられる。Ar1 は2価の
芳香族炭化水素残基を示し、具体的には、フェニレン基
(o-、m-、p-)、置換フェニレン基(置換基としては、
6 と同様なものが挙げられるが、典型的にはアルキル
置換フェニレン基等)、ビフェニレン基などが挙げられ
る。cは0以上の整数であり、通常0〜20、好ましく
は0〜10、更に好ましくは0〜5である。dは1以上
であり、通常1〜20、好ましくは1〜5である。重合
体(II)は一般式(2)での繰り返し単位を2個以上有
し、通常は2〜500個、好ましくは2〜100個有
し、実質的に線状重合体である。エレクトロクロミック
層に含まれるエレクトロクロミック物質が、重合体(I)
と重合体(II)との混合体で構成される場合、重合体(I)
:重合体(II)の混合割合(ビオロゲン構造:フェニレ
ンアミン構造[モル組成比])は任意に選ぶことができ
るが、通常は1:500〜100:1、好ましくは1:
50〜10:1の範囲にある。また、エレクトロクロミ
ック物質が共重合体(III) で構成される場合も、共重合
体(III) における一般式(1)の繰り返し単位:一般式
(2)の繰り返し単位の比率(ビオロゲン構造:フェニ
レンアミン構造[モル組成比])は任意に選ぶことがで
きるが、通常は1:500〜100:1、好ましくは
1:50〜10:1の範囲にある。そして、共重合体(I
II) は各繰り返し単位をそれぞれ2個以上有し、通常は
2〜500個、好ましくは2〜100個有している。共
重合体(III) は、ブロック共重合体、ランダム共重合
体、交互共重合体のいずれであっても差し支えない。
【0006】重合体(I) 、重合体(II)および共重合体(I
II) は、公知の方法を利用して容易に製造することがで
きるが、その一例を挙げると次の通りである。重合体
(I) は、まず、ビピリジルとR3 Yとを実質的に1:1
の比で反応させ、下記の一般式(21)で表されるモノ
置換ビピリジルを得た後、反応性基をもつ下記の一般式
(22)で表される化合物と反応させ、重合体(I) の前
駆体モノマーである下記の化合物(23)を製造し、次
いで、前駆体モノマーを有機溶媒中で、過酸化ベンゾイ
ルを開始剤としてラジカル重合させることにより、容易
に製造することができる。
【化7】
【化8】
【化9】 (式中、X- 、Y- 、R1 、R2 及びR3 は一般式
(1)で定義したところに同じ。) 重合体(II)は、まず、一般式(24)で表されるアミン
化合物と、反応性基をもつ一般式(25)で表される化
合物とを反応させ、重合体(II)の前駆体モノマーである
化合物(26)を製造し、ついで、前駆体モノマーを有
機溶媒中で、過酸化ベンゾイルを開始剤としてラジカル
重合させる方法で容易に製造することができる。
【化10】
【化11】
【化12】 (式中、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 及びAr
1 は、一般式(2)で定義したところと同じであり、z
はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンを示す。) また、共重合体(III) は、一般式(23)で表される化
合物と一般式(26)で表される化合物とを均一に溶解
させ得る有機溶媒中で、アゾビスイソブチロニトリルを
開始剤としてラジカル重合させる方法で容易に製造する
ことができる。
【0007】一般に、エレクトロクロミックミラーは、
反射性導電基と透明導電基板との間に、エレクトロクロ
ミック物質の層を配し、さらに、イオン伝導性物質の
層、即ち電解質層を設けるのが通常であるが、本発明の
エレクトロクロミックミラーにあっては、エレクトロク
ロミック物質を含有する層が電解質層を兼ねているこ
と、換言すれば、エレクトロクロミック層と電解質層が
実質的に同一の単一層であることが好ましい。この好ま
しい態様のエレクトロクロミック発色層は、電圧を印可
することで容易に酸化還元され着消色する。エレクトロ
クロミック発色層の厚さは、通常1μm〜3mm、好ま
しくは10μm〜1mmの範囲ある。本発明に於いて、
イオン伝導性物質とは、エレクトロクロミック層に着
色、消色、色変化等を起こさせることができる物質を指
し、このイオン伝導性物質は、通常、室温で1×10-7
S/cm以上のイオン伝導度を示すことが好ましい。本
発明で使用可能なイオン伝導性物質は、液系イオン伝導
性物質、ゲル化液系イオン伝導性物質及び固体系イオン
伝導性物質に大別される。
【0008】液系イオン伝導性物質は、溶媒に塩類、酸
類、アルカリ類等の支持電解質を溶解して調製すること
ができる。この溶媒としては、支持電解質を溶解できる
ものであれば特に限定されないが、特に極性をするもの
が好ましい。具体的には、水が使用できる外、メタノー
ル、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタ
ン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロ
ラクトン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメト
キシエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プ
ロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリ
ル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、
メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソ
ラン、スルホラン、トリメチルホスフェイト、ポリエチ
レングリコール等の有機極性溶媒が使用可能で、なかで
も、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニト
リル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラ
ヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリ
ル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメ
チルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、トリメ
チルホスフェイト、ポリエチレングリコールなどの有機
極性溶媒が望ましい。各溶媒は単独使用でも混合使用で
も差し支えない。支持電解質としての塩類は、特に限定
されず、各種のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩な
どの無機イオン塩、4級アンモニウム塩、環状4級アン
モニウム塩などが使用可能である。具体的には、LiC
lO4 、LiSCN、LiBF4、LiAsF6 、Li
CF3 SO3 、LiPF6 、LiI、NaI、NaSC
N、NaClO4 、NaBF4 、NaAsF6 、KSC
N、KCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩:(C
3 4 NBF4 、(C2 5 4 NBF4 、(n−C
4 9 4 NBF4 、(C2 5 4 NBr、(C2
5 4 NClO4 、(n−C4 9 4 NClO4 等の
4級アンモニウム塩および環状4級アンモニウム塩等が
各種塩類を挙げることができる。支持電解質としての酸
類は、特に限定されず、無機酸、有機酸などが使用可能
である。具体的には、硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン
酸類、カルボン酸類などが挙げられる。支持電解質とし
てのアルカリ類も、特に限定されず、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが使用でき
る。液系イオン伝導性物質を反射性導電基板基板と透明
導電基板との間の所望個所に注入するには、真空注入法
や大気注入法が採用できるほか、反射性導電基板基板と
透明導電基板を対向させてその周縁部をシールし、基板
間の間隙にメニスカス法によって注入する方法が採用可
能である。
【0009】ゲル化液系イオン伝導性物質は、前記の液
系イオン伝導性物質に、さらにポリマーを含有させた
り、ゲル化剤を含有させたすることで調製することがで
きる。この場合のポリマーとしては、例えば、ポリアク
リロニトリル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリ
アクリルアミド、セルロース、ポリエステル、ポリプロ
ピレンオキサイド、ナフィオンなどが使用可能である。
またゲル化剤としては、例えば、オキシエチレンメタク
リレート、オキシエチレンアクリレート、ウレタンアク
リレート、アクリルアミド、寒天などが使用可能であ
る。ゲル化液系イオン伝導性物質を反射性導電基板基板
と透明導電基板との間の所望個所に注入するには、真空
注入法や大気注入法が採用できるほか、反射性導電基板
基板と透明導電基板を対向させてその周縁部をシール
し、基板間の間隙にメニスカス法によって注入する方法
が採用可能である。
【0010】固体系イオン伝導性物質には、室温で固体
であり、かつイオン導電性を有する物質が使用でき、例
えば、ポリエチレンオキサイド、オキシエチレンメタク
リレートのポリマー、ナフィオン、ポリスチレンスルホ
ン酸、Li3 N、Na- β-Al2 3 、Sn(HPO
4 2 ・H2 Oなどが使用可能である。特にオキシアル
キレンメタクリレート系化合物、オキシアルキレンアク
リレート系化合物またはウレタンアクリレート系化合物
を重合することによって得られる高分子化合物(以下、
これを高分子固体電解質と呼ぶ)は、固体系イオン伝導
性物質として好ましい。
【0011】高分子固体電解質の第1の例は、下記の一
般式(3)で示されるウレタンアクリレートと、先に示
した有機極性溶媒と支持電解質を含む組成物(以下組成
物Aと略す)を固化することにより得られる高分子化合
物である。
【化13】 (式中、R10およびR11は同一または異なる基であっ
て、下記の一般式(4)〜(6)から選ばれる基を示
し、R12およびR13は同一または異なる基であって、炭
素数1〜20、好ましくは2〜12の2価炭化水素残基
を示し、Yはポリエーテル単位、ポリエステル単位、ポ
リカーボネート単位またはこれらの混合単位を示す。ま
たeは1〜100、好ましくは1〜50、さらに好まし
くは1〜20の範囲の整数を示す。)
【化14】
【化15】
【化16】 一般式(4)〜(6)に於いて、R14〜R16 は同一ま
たは異なる基であって、水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示し、またR17 は炭素数1〜20の、好
ましくは2〜8の2〜4価有機残基を示す。この有機残
基としては、アルキルトリル基、アルキルテトラリル基
及び下記の一般式(7)で示されるアルキレン基等の炭
化水素残基が挙げられる。
【化17】 一般式(7)に於いて、R18は炭素数1〜3のアルキル
基または水素を示し、fは0〜6の整数を示す。fが2
以上の場合、R18は同一でも異なっても良い。一般式
(7)で示されるアルキレン基等の炭化水素残基は、水
素原子の一部が炭素数1〜6、好ましくは1〜3のアル
コキシ基又は炭素数6〜12のアリールオキシ基などの
含酸素炭化水素基で置換されていて差し支えない。一般
式(4)〜(6)に於けるR17の具体例を摘記すると、 等を好ましく挙げることができる。一般式(3)のR12
及びR13で示される2価炭化水素残基には、鎖状2価炭
化水素基、芳香族炭化水素基、含脂環炭化水素基などが
含まれるが、鎖状2価炭化水素基としては、先の一般式
(7)で示されるアルキレン基等を挙げることができ、
芳香族炭化水素基および含脂環炭化水素基としては、下
記の一般式(8)〜(10)で示される炭化水素基等が
挙げられる。
【化18】
【化19】
【化20】 一般式(8)〜(10)に於いて、R19およびR20は同
一または異なる基であって、フェニレン基、置換フェニ
レン基(アルキル置換フェニレン基等)、シクロアルキ
レン基、置換シクロアルキレン基(アルキル置換シクロ
アルキレン基等)を示す。R21〜R24は同一または異な
る基であって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示す。また、gは1〜5の整数を示す。一般式
(3)に於けるR12およびR13の具体例は、下記の一般
式(11)〜(17)で例示できる。
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】 一般式(3)に於けるYはポリエーテル単位、ポリエス
テル単位およびポリカーボネート単位またはこれらの混
合単位を示すが、このポリエーテル単位、ポリエステル
単位、ポリカーボネート単位及びこれらの混合単位とし
ては、それぞれ下記の一般式(a)〜(d)で示される
単位を挙げることができる。
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】 一般式(a)〜(d)に於いて、R25〜R30は同一また
は異なる基であって、炭素数1〜20、好ましくは2〜
12の2価の炭化水素残基を示し、hは2〜300、好
ましくは10〜200の整数を、iは1〜300、好ま
しくは2〜200の整数を、jは1〜200、好ましく
は2〜100の整数を、kは1〜200、好ましくは2
〜100の整数を、lは1〜300、好ましくは10〜
200の整数をそれぞれ示す。R25〜R30は、直鎖また
は分岐のアルキレン基であることが好ましく、さらに言
えば、R27はメチレン基、エチレン基、トリメチレン
基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基、プロピレン基のいずれかであることが、R25
26およびR28〜R30はエチレン基、プロピレン基のい
ずれかであることが好ましい。また、一般式(a)〜
(d)に於いて、各単位は同一のいわゆる単独重合で
も、異なる単位の共重合でも、いずれのものでもよい。
一般式(3)で示されるウレタンアクリレートの分子量
は、通常、重量平均分子量で2,500〜30,00
0、好ましくは3,000〜20,000の範囲にあ
る。また、ウレタンアクリレート1分子中の重合官能基
数は、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4が望
ましい。一般式(3)で示されるウレタンアクリレート
は、公知の方法により容易に製造することができ、その
製法は特に限定されるものではない。
【0012】上記した組成物Aを調製する際に使用する
有機極性溶媒(有機非水溶媒)の量は、ウレタンアクリ
レート100重量部に対して通常100〜1200重量
部、好ましくは200〜900重量部の範囲で選ばれ
る、有機非水溶媒の使用量が少なすぎると、イオン伝導
度が低下し、なく、また有機非水溶媒の使用量が多すぎ
ると、組成物Aが固化した後の機械強度が低下してしま
う場合がある。支持電解質には先に例示したもの使用で
き、その使用量は有機非水溶媒に対し0.1〜30重量
%、好ましくは1〜20重量%の範囲で選ばれる。組成
物Aは、基本的には、ウレタンアクリレートと有機非水
溶媒(有機極性溶媒)と支持電解質からなる基本成分を
固化することにより得られるが、この組成物には本発明
の目的を損なわない範囲で任意成分を必要に応じて加え
ることができ、そうした任意成分としては、例えば架橋
剤や重合開始剤(光または熱)などが挙げられる。組成
物Aを反射性導電基板基板と透明導電基板との間の所望
個所に注入するには、真空注入法や大気注入法が採用で
きるほか、反射性導電基板基板と透明導電基板を対向さ
せてその周縁部をシールし、基板間の間隙にメニスカス
法によって組成物Aを注入する方法が採用可能である。
そして、基板間に注入された組成物Aを適宜な方法で固
化させることにより、高分子固体電解質層を形成させる
ことができる。重合性成分または架橋性成分などが、重
合(重縮合)ないしは架橋反応によって硬化し、組成物
全体が常温において実質的に流動しない状態となること
をいう。なお、この場合ネットワーク状の基本構造を有
する。
【0013】高分子固体電解質の第2の例は、アクリロ
イル変性ポリアルキレンオキシドと、前記した有機極性
溶媒と支持電解質を含む組成物(以下組成物Bと略す)
を固化することにより得られる高分子化合物である。上
記アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドの一例は、
一般式(18)で表される単官能アクリロイル変性ポリ
アルキレンオキシドである。
【化32】 一般式(18)に於いて、R31、R32、R33およびR34
は、各々個別に水素または炭素数1〜5のアルキル基を
示し、そのアルキル基としては、メチル基、エチル基、
i-プロピル基、n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル
基、n-ペンチル基等が挙げられ、特にR31〜R33はそれ
ぞれ水素又はメチル基であることが、R34は水素、メチ
ル基又はエチル基であることが好ましい。一般式(1
8)のmは、1以上の整数、通常1≦m≦100、好ま
しくは2≦m≦50、さらに好ましくは2≦m≦30の
範囲の整数を示す。一般式(18)で示される化合物の
具体例としては、オキシアルキレンユニットを1〜10
0個、好ましくは2〜50個、さらに好ましくは1〜2
0個の範囲で持つメトキシポリエチレングリコールメタ
クリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタク
リレート、エトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート、エトキシポリプロピレングリコールメタクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メ
トキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキ
シポリエチレングリコールアクリレート、エトキシポリ
プロピレングリコールアクリレート、またはこれらの混
合物を挙げることができる。一般式(18)のmが2以
上の場合、オキシアルキレンユニットは互いに異なるい
わゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つものでも
よく、その具体例としては、例えば、オキシエチレンユ
ニットを1〜50個、好ましくは1〜20個の範囲で持
ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜50個、好ま
しくは1〜20個の範囲で持つところの、メトキシポリ
(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレート、
エトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタ
クリレート、メトキシポリ(エチレン・プロピレン)グ
リコールアクリレート、エトキシポリ(エチレン・プロ
ピレン)グリコールアクリレート、またはこれらの混合
物が挙げられる。
【0014】本発明で使用可能なアクリロイル変性ポリ
アルキレンオキシドの他の例は、一般式(19)で示さ
れる2官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシド及
び一般式(20)で表されるところの、3官能以上の多
官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドなどが挙
げられる。
【化33】
【化34】 一般式(19)において、R35、R36、R37およびR38
は、各々個別に水素または炭素数1〜5のアルキル基を
示す、このアルキル基としては、メチル基、エチル基、
i-プロピル基、n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル
基、n-ペンチル基等が挙げられる。特にR35〜R38はそ
れぞれ水素又はメチル基であることが好ましい。一般式
(19)中のnは、1以上の整数、通常1≦n≦10
0、好ましくは2≦n≦50、さらに好ましくは2≦n
≦30の範囲の整数を示す。一般式(19)で示される
2官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドの具体
例は、オキシアルキレンユニットを1〜100個、好ま
しくは2〜50個、さらに好ましくは1〜20個の範囲
で持つポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
プロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール
ジメタクリレート、またはこれらの混合物等を挙げるこ
とができる。nが2以上の場合、オキシアルキレンユニ
ットが互いに異なるいわゆる共重合オキシアルキレンユ
ニットを持つものでもよく、その例としては、例えば、
オキシエチレンユニットを1〜50個、好ましくは1〜
20個の範囲で持ち、かつオキシプロピレンユニットを
1〜50個、好ましくは1〜20個の範囲で持つところ
の、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールジメタク
リレート、ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールジ
アクリレート、またはこれらの混合物などが挙げられ
る。一般式(20)に於いて、R39、R40およびR
41は、各々個別に水素または炭素数1〜5のアルキル基
を示し、このアルキル基としては、メチル基、エチル
基、i-プロピル基、n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチ
ル基、n-ペンチル基等が挙げられる。R39〜R41は水素
又はメチル基であることが好ましい。一般式(20)の
pは1以上の整数、通常1≦p≦100、好ましくは2
≦p≦50さらに好ましくは2≦p≦30の範囲の整数
を示し、qは連結基Lの連結数を示し、2≦q≦4の整
数を示す。連結基Lは、通常、炭素数1〜30、好まし
くは1〜20の2価、3価または4価の炭化水素基であ
る。2価炭化水素基としては、アルキレン基、アリーレ
ン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、
またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基などが
挙げられ、具体的には、 などが挙げられる。3価の炭化水素基としては、アルキ
ルトリル基、アリールトリル基、アリールアルキルトリ
ル基、アルキルアリールトリル基、またはこれらを基本
骨格として有する炭化水素基などが挙げられ、具体的に
などが挙げられる。また、4価の炭化水素基としては、
アルキルテトラリル基、アリールテトラリル基、アリー
ルアルキルテトラリル基、アルキルアリールテトラリル
基、またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基な
どが挙げられ、具体的には (Bzはベンゼン環を示す)等が挙げられる。多官能ア
クリロイル変性ポリアルキレンオキシドの具体例として
は、オキシアルキレンユニットを1〜100個、好まし
くは2〜50個、さらに好ましくは1〜20個の範囲で
持つトリメチロールプロパントリ(ポリエチレングリコ
ールアクリレート)、トリメチロールプロパントリ(ポ
リエチレングリコールメタクリレート)、トリメチロー
ルプロパントリ(ポリプロピレングリコールアクリレー
ト)、トリメチロールプロパントリ(ポリプロピレング
リコールメタクリレート)、テトラメチロールメタンテ
トラ(ポリエチレングリコールアクリレート)、テトラ
メチロールメタンテトラ(ポリエチレングリコールメタ
クリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリプ
ロピレングリコールアクリレート)、テトラメチロール
メタンテトラ(ポリプロピレングリコールメタクリレー
ト)、2,2−ビス[4−(アクリロキシポリエトキ
シ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタク
リロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−(アクリロキシポリイソプロポキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポ
リイソプロポキシ)フェニル]プロパン、またはこれら
の混合物等を挙げることができる。また、pが2以上の
場合、オキシアルキレンユニットが互いに異なるいわゆ
る共重合オキシアルキレンユニットを持つものでもよ
く、例えば、オキシエチレンユニットを1〜50個、好
ましくは1〜20個の範囲で持ち、かつオキシプロピレ
ンユニットを1〜50個、好ましくは1〜20個の範囲
で持つところの、トリメチロールプロパントリ(ポリ
(エチレン・プロピレン)グリコールアクリレート)、
トリメチロールプロパントリ(ポリ(エチレン・プロピ
レン)グリコールメタクリレート)、テトラメチロール
メタンテトラ(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコー
ルアクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポ
リ(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレー
ト)、またはこれらの混合物などがその具体例である。
一般式(18)で表される単官能アクリロイル変性ポリ
アルキレンオキシドと一般式(19)又は一般式(2
0)で表される多官能アクリロイル変性ポリアルキレン
オキシドは併用することができる。併用する場合、単官
能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシド/多官能ア
クリロイル変性ポリアルキレンオキシドの重量比は通常
0.01/99.9〜99.9/0.01、好ましくは
1/99〜99/1、さらに好ましくは20/80〜8
0/20の範囲にある。組成物Bを調製するに際しての
極性有機溶媒の使用量は、アクリロイル変性ポリアルキ
レンオキシドに対して通常50〜800重量%、好まし
くは100〜500重量%の範囲にあり、支持電解質の
使用量は、アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドお
よび極性有機溶媒の重量和に対して通常1〜30重量
%、好ましくは3〜20重量%の範囲である。前記組成
物Bには、必要の応じて光重合開始剤や熱重合開始剤を
添加することができ、その使用量はアクリロイル変性ポ
リアルキレンオキシドに対して通常0.005〜5重量
%、好ましくは0.01〜3重量%の範囲である。
【0015】組成物Bを反射性導電基板基板と透明導電
基板との間の所望個所に注入するには、真空注入法や大
気注入法が採用できるほか、反射性導電基板基板と透明
導電基板を対向させてその周縁部をシールし、基板間の
間隙にメニスカス法によって組成物Aを注入する方法が
採用可能である。そして、基板間に注入された組成物A
を適宜な方法で固化させることにより、高分子固体電解
質層を形成させることができる。重合性成分(単官能ま
たは多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシド)
または架橋性成分などが、重合(重縮合)ないしは架橋
反応によって硬化し、組成物全体が常温において実質的
に流動しない状態となることをいう。なお、この場合ネ
ットワーク状の基本構造を有する。
【0016】以上説明した液系イオン伝導性物質、ゲル
化液系イオン伝導性物質並びに固体系イオン伝導性物質
は、本発明のエレクトロクロミックミラーに必要な電解
質層を、エレクトロクロミック層とは個別に設ける際に
使用可能であるが、本発明にあっては、反射性導電基板
と透明導電基板との間に挟持される単一層が、エレクト
ロクロミック層と電解質層の両者の役割を担う態様が好
ましい。この態様の実現には、次の方法を採用すること
ができる。 イオン伝導性物質に液系又はゲル化液系を使用し、
これに前記した重合体(I) と重合体(II)を、あるいは共
重合体(III) を均質に溶解又は分散させるか、重合体
(I) 及び重合体(II)の前駆体モノマー又は共重合体(II
I) の前駆体モノマーを、液系又はゲル化液系イオン伝
導性物質に溶かして重合させる方法。 イオン伝導性物質に固体系を、典型的には前記の高
分子固体電解質を使用し、その前駆体である組成物A又
は組成物B中に、重合体(I) と重合体(II)を、あるいは
共重合体(III) を均質に溶解又は分散させて、組成物を
固化させるか、あるいは組成物A又は組成物B中で、重
合体(I) 及び重合体(II)の前駆体モノマー又は共重合体
(III) の前駆体モノマーを、重合させる方法。
【0017】本発明のエレクトロクロミックミラーは、
反射性導電基板と透明導電基板との間に、エレクトロク
ロミック層と電解質層(イオン伝導性物質層)を個別に
挟持させるたものであっても差し支えないが、同一層が
エレクトロクロミック層と電解質層の役割を兼備するエ
レクトロクロミックミラーの製造法を、図面に沿って説
明する。図1に示すエレクトロクロミックミラーは、透
明基板1とその表面に積層させた透明電極層2からなる
透明導電基板と、透明又は不透明な基板5とその表面に
積層させた反射性導電基板との間に、エレクトロクロミ
ック層兼電解質層6を挟持させた構造にあり、このエレ
クトロクロミックミラーは次の方法で製造することがで
きる。まず、透明基板1上に透明電極層2を形成して積
層板Aを、基板5上に反射性電極層4を形成して積層板
Bを得る。次いで、積層板Aと積層板Bを透明電極層と
反射性電極層が向き合うよう、1〜1000μm程度の
間隔で対向させ、注入口を除いた周縁をシール材6でシ
ールし、注入口付きの空セルを作成する。続いて、本発
明のエレクトロクロミック物質(重合体(I) 及び重合体
(II)、又は共重合体(III) )と、イオン伝導性物質(通
常液状)を、前記の注入口から注入した後、ここを封止
することで、図1に示すエレクトロクロミックミラーを
製造することができる。積層板Aと積層板Bを対向させ
る際には、両者の間隔を一定に確保するためにスペーサ
ーを用いることができる。スペーサーとしては特に限定
されないが、ガラス、ポリマー等で構成されるビーズま
たはシートを用いることができる。スペーサーは積層板
の表面上に直接設けることもできる。イオン伝導性物質
として本発明の固体系イオン伝導性物質を使用した場合
には、注入後組成物A又は組成物Bを硬化させるが、こ
れには硬化剤を併用又は併用しない熱硬化法、光硬化法
が利用できる。また、本発明のエレクトロクロミックミ
ラーは、透明基板1上に透明電極層2、エレクトロクロ
ミック層兼イオン導電性物質層3を、記載順に順次形成
した積層体A’と、基板5上に反射性電極層4を形成し
た積層体B’をそれぞれ作成した後、積層体A’のエレ
クトロクロミック層兼イオン伝導性物質層3と、積層体
B’の反射性電極層4とが密着させ、両積層体の周縁を
シール材6でシールする方法で製造することもできる。
図2に示すエレクトロクロミックミラーは、透明基板1
の一方の面に透明電極層2を形成した透明導電基板と、
透明基板1の一方の面に透明電極層2を、他方の面に反
射層4を形成した反射性導電基板とを、両基板の透明電
極層が向き合うよう、適宜な間隔で対向させ、この間隙
にエレクトロクロミック層兼イオン伝導性物質層3を挟
持させた構造にある。図2に示すエレクトロクロミック
ミラーは、透明基板1の一方の面に透明電極層2を、も
う一方の面に反射層8を形成させること以外は、図1に
示すエレクトロクロミックミラーの場合と同様の手順で
製造することができる。本発明のエレクトロクロミック
ミラーには、必要に応じて、紫外線反射層や紫外線吸収
層などの紫外線カット層、ミラー全体もしくは各膜層の
表面保護を目的とするオーバーコート層などを設けるこ
とができる。紫外線カット層を設置する場合は、これを
透明基板1の外界側もしくは透明電極層側に、オーバー
コート層を設置する場合は、これを透明基板1の外界側
や反射層8の外界側などに設けることが好ましい。
【0018】
【発明の効果】本発明のエレクトロクロミックミラー
は、特定の化合物を含有するエレクトロクロミック層を
用いることにより応答速度が速く、十分な耐久性やメモ
リー性を有する。本発明のエレクトロクロミックミラー
は、特定の化合物を含有するエレクトロクロミック層を
用い、工程が簡便であるため、比較的容易にかつ安価に
製造することができ、また、係る化合物の仕様を変更す
ることにより着色濃度が容易に調節できるという優れた
特徴を有する。イオン伝導性物質層に固体電解質を用い
ることが容易であり、従って、電解質溶液が飛び散るこ
とがなく、大型で安全性が高いミラーを作ることができ
る。しかも、本発明のエレクトロクロミックミラーは、
それぞれの電極間に電圧を印加することによりエレクト
ロクロミック現象による発色・消色を起こすことがで
き、電圧印加手段としては公知のものを利用することが
できる。以上のことから、本発明のエレクトロクロミッ
クミラーは、自動車等の車両用に代表される防眩ミラー
や、装飾用ミラーなどに好適に使用することができる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
するが、発明は実施例に制限されるものではない。 実施例1(1)エレクトロクロミック化合物の合成 ビピリジル3.12g(20mmol)をフラスコ中で
100mlのアセトニトリルに溶解させ、ここに2−ブ
ロモエタノールとメタクリル酸クロライドとの反応で得
られた2−ブロモエチルメタクリレート7.72g(4
0mmol) を加えた。室温で24時間撹拌した後、析
出した固体を濾別、乾燥して式(27)で表されるN,
N‘−ジ−メタクリルエチルビピリジニウムジブロマイ
ド9.22g(17mmol)を得た。
【化35】 (2)電子供与体化合物の合成 500mlの3つ口フラスコにジフェニルアミン25.
4g(150mmol)、セシウムフロライド22.8
g(150mmol)を秤り取り、フラスコ内を窒素置
換して、ジメチルスルフォキシド250ml加えて撹拌
した。1−フロロ−4−ニトロベンゼン21.3g(1
50mmol)加えてオイルバスで120℃に加熱し、
24時間撹拌を継続した。反応溶液を氷水に注ぎ固体を
析出させ、得られた固体を酢酸より再結晶させて式(2
8)で表される化合物29.5g(102mmol)を
得た。
【化36】 上記のようにして得られた化合物(27)のうち15.
0g(52mmol)を、500ml3つ口フラスコに
移し、ジメチルフォルムアミド200ml、5%パラジ
ウム/カーボン1.5gを加えて、常圧で水素を供給し
た。室温で12時間撹拌を続けた後、パラジウムカーボ
ンを濾過して除き、反応溶液を氷水に注いで固体を析出
させた。得られた白色固体を減圧乾燥させ、式(29)
で示される化合物12.5g(48mmol)を得た。
【化37】 化合物(29)12.5g(48mmol)を500m
lの3つ口フラスコに移し、ベンゼン250ml、トリ
エチルアミン10mlを加えて、氷冷下で撹拌した。メ
タクリル酸クロライド6.3g(60mmol)/ベン
ゼン20ml溶液を滴下した。反応溶液を1NHCl水
溶液で2回、水で2回、1NNaOH水溶液で2回それ
ぞれ洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し
て13.4g(41mmol)の化合物(30)を得
た。
【化38】 (3)エレクトロクロミック化合物と電子供与体化合物
との重合 化合物(27)5.4g(10mmol)と化合物(3
0)6.6g(20mmol)とをγ−ブチロラクトン
30mlに溶解させ、AIBN0.2gを加えてオイル
バスで80℃に加熱し、化合物(27)と化合物(3
0)との共重合ポリマー溶液を得た。GPC分析より得
られたポリマーの平均分子量は約12,000であっ
た。(4)エレクトロクロミックミラーの作製 高反射性電極として白金薄膜の付いた基板を用い、これ
を積層板Bとし、積層板Bの白金薄膜側の周辺部に、電
解質前駆体溶液の注入口の部分を除いてエポキシ系接着
剤を線状に塗布し、この上にITO被覆された透明ガラ
ス基板Aを、ITO面と白金電極層とが向かい合うよう
に重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口
付き空セルを作製した。一方、メトキシポリエチレング
リコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社
製 MEO4)[オキシエチレンユニット数4] 1.
0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中
村化学工業株式会社製 9G)[オキシエチレンユニッ
ト数9]0.02g、γ−ブチロラクトン 4.0gの
混合溶液に、過塩素酸リチウム0.4gを添加し、均一
溶液とした。暗室内で、上記均一溶液に光重合開始剤で
ある1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製、商品
名「ダイキュア−1116」)0.02gを添加し、均
一溶液を得た。ここに上記(3)で得た化合物(27)
と化合物(30)との共重合ポリマー溶液2mlを加え
て均一化させ、脱気後、上述のようにして作成したセル
の注入口より電解質前駆体として注入した。注入口をエ
ポキシ系接着剤で封止した後、透明基板側から蛍光灯の
光を当てて電解質前駆体を硬化させ、高分子固体型電解
質を得た。このようにして図1に示す構成の全固体型エ
レクトロクロミックミラーを得た。このミラーは組み立
てた時点では着色しておらず、反射率は約85%であっ
た。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレ
クトロクロミック特性を示した。すなわち、1.5Vの
電圧を印可すると着色し、633nmの波長の光の反射
率約10%となった。電圧印可を停止後も着色状態を維
持し100時間後も反射率10%であった。 実施例2(1)エレクトロクロミック化合物の合成 メタノール中で、ビビリジルとヘプチルクロライドとを
等モル量で反応させて、モノ置換体N−ヘプチルビピリ
ジニウムクロライドを得た。このN−ヘプチルビピリジ
ニウムクロライド7.06g(21mmol)をメタノ
ール150mlに溶解させ、2−ブロモエチルメタクリ
レート11.39g(21mmol)を加えて、室温で
24時間撹拌し、式(31)で示されるN−ヘプチル−
N’−メタクリルエチルビピリジニウムジブロマイドを
得た。
【化39】 (2)エレクトロクロミック化合物と電子供与体化合物
との重合 化合物(31)10.6g(20mmol)と化合物
(30)6.6g(20mmol)とをγ−ブチロラク
トン30mlに溶解させ、AIBN0.2gを加えてオ
イルバスで80℃に加熱し、化合物(31)と化合物
(30)との共重合ポリマー溶液を得た。GPC分析よ
り得られたポリマーの平均分子量は約10,000であ
った。(3)エレクトロクロミックミラーの作製 高反射性電極としてパラジウム薄膜の付いた基板を用
い、これを積層板Dとし、積層板Dの該パラジウムの周
辺部に、電解質前駆体溶液の注入口の部分を除いてエポ
キシ系接着剤を線状に塗布し、この上にSnO2 被覆さ
れた透明ガラス基板Cを、SnO2 面とパラジウム層と
が向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を
硬化させ、注入口付き空セルを作製した。一方、(2)
で得られた化合物(31)と化合物(30)との共重合
ポリマー溶液5.0gに、メトキシポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会社製
MEO4)[オキシエチレンユニット数4] 1.0
g、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村
化学工業株式会社製 9G)[オキシエチレンユニット
数9]0.02g、過塩素酸リチウム0.4gを添加し
て均一溶液とした。暗室内で、上記均一溶液に光重合開
始剤である1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社
製、商品名「ダイキュア−1116」)0.02gを添
加した。この溶液を脱気後、上述のようにして作成した
セルの注入口より電解質前駆体として注入した。注入口
をエポキシ系接着剤で封止した後、透明基板側から蛍光
灯の光を当てて電解質前駆体を硬化させ、固体型電解質
を得た。このようにして図1に示す構成の全固体型エレ
クトロクロミックミラーを得た。このミラーは組み立て
た時点では着色しておらず、反射率は約85%であっ
た。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレ
クトロクロミック特性を示した。すなわち、1.5Vの
電圧を印可すると着色し、反射率約15%となった。電
圧印可を停止後も着色状態を維持し100時間後も反射
率10%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレクトロクロミックミラーの構成の
一つを示す断面図である。
【図2】本発明のエレクトロクロミックミラーの構成の
他の一つを示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明電極層 3 エレクトロクロミック発色層兼イオン伝導性物質層 4 反射性電極 5 基板 6 シール材 7 反射層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】(式中、X、Yは同一であっても異なって
もよく、それぞれ個別にハロゲンアニオン、Cl
BF 、PF 、CHCOO、CH
(C)SO から選ばれる対アニオンを示し、
は水素または炭素数1〜5のアルキル基を、R
炭素数1〜10の炭化水素残基を、Rは炭素数1〜2
0のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を各々
表す。)
【化2】(式中、Rは水素または炭素数1〜5のアル
キル基、R、R、R7、及びRは水素または
炭素数1〜20の炭化水素基または炭化水素残基を表
し、それぞれ同一でも異なっても良い。Arは2価の
芳香族炭化水素残基を示す。cは0以上の整数を、dは
1以上の整数を各々示す。)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明はエレクトロク
ロミック物質として特定の導電性高分子化合物を使用す
ることにより、簡便な工程で安価に製造可能なエレクト
ロクロミックミラーを提供する。すなわち、本発明に係
るエレクトロクロミックミラーの一つは、反射性導電基
板と透明導電基板との間に、(A)下記の一般式(1)
で表される繰り返し単位からなる重合体および下記の一
般式(2)で表される繰り返し単位からなる重合体を含
有するエレクトロクロミック層または(B)下記の一般
式(1)で表される繰り返し単位および下記の一般式
(2)で表される繰り返し単位からなる共重合体を含有
するエレクトロクロミック層を設けたことを特徴とす
る。
【化3】(式中、X、Yは同一であっても異なって
もよく、それぞれ個別にハロゲンアニオン、Cl
BF 、PF 、CHCOO、CH
(C)SO から選ばれる対アニオンを示し、
は水素または炭素数1〜5のアルキル基を、R
炭素数1〜10の炭化水素残基を、Rは炭素数1〜2
0のアルキル基、アリール基またはアラルキル基を各々
示す。)
【化4】(式中、Rは水素または炭素数1〜5のアル
キル基、R、R、R、R及びRは水素または
炭素数1〜20の炭化水素基または炭化水素残基を表
し、それぞれ同一でも異なっても良い。Arは2価の
芳香族炭化水素残基を示す。cは0以上の整数を、dは
1以上の整数を各々示す。) また、本発明に係るエレクトロクロミックミラーの他の
一つは、前記のエレクトロクロミック層がイオン伝導性
物質層を兼ねていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】次に本発明のエレクトロクロミック層につ
いて説明する。本発明のエレクトロクロミック層の特徴
は、下記の一般式(1)で表される繰り返し単位からな
る重合体(重合体(I))と、下記の一般式(2)で表
される繰り返し単位からなる重合体(重合体(II))
を含有しているか、あるいは、一般式(1)で表される
繰り返し単位と、一般式(2)で表される繰り返し単位
を有する共重合体(共重合体(III))を含有してい
る点にある。
【化5】一般式(1)において、X、Yは同一であ
っても異なってもよく、それぞれ個別にハロゲンアニオ
ン、ClO BF 、PF 、CHCO
、CH(C)SO から選ばれる対アニ
オンを示し、ハロゲンアニオンとしては、F、C
、Br、I等が挙げられる。Rは水素または
炭素数1〜5のアルキル基を示し、このアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロ
ピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基
等があげられる。Rは水素又はメチル基であることが
特に好ましい。Rは炭素数1〜10の炭化水素残基を
示し、具体的には、 等を挙げることができる。Rは炭素数1〜20の、好
ましくは3〜8のアルキル基、アリール基またはアラル
キル基を示し、アルキル基としては、メチル基、エチル
基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が、
アラルキル基としては、ベンジル基等が例示できる。重
合体(I)は一般式(1)で表される繰り返し単位を2
個以上有し、通常は2〜500個、好ましくは2〜10
0個、さらに好ましくは2〜50個有し、実質的に線状
重合体である。
【化6】一般式(2)において、Rは水素または炭素
数1〜5のアルキル基を示し、このアルキル基として
は、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等
があげられる。Rは水素またはメチル基であることが
特に好ましい。R、R、R、RおよびRは、
水素原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化
水素基または炭化水素残基を示し、それぞれ同一でも異
なっても良い。この炭化水素基としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基等のアルキル基、トリル基、エチルフ
ェニル基等のアルキルフェニル基、フェニル基等のアリ
ール基、アラルキル基などが挙げられ、また炭化水素残
基としては、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基
などのアルコキシフェニル基などが挙げられる。Ar
は2価の芳香族炭化水素残基を示し、具体的には、フェ
ニレン基(o−、m−、p−)、置換フェニレン基(置
換基としては、Rと同様なものが挙げられるが、典型
的にはアルキル置換フェニレン基等)、ビフェニレン基
などが挙げられる。cは0以上の整数であり、通常0〜
20、好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜5であ
る。dは1以上であり、通常1〜20、好ましくは1〜
5である。重合体(II)は一般式(2)での繰り返し
単位を2個以上有し、通常は2〜500個、好ましくは
2〜100個有し、実質的に線状重合体である。エレク
トロクロミック層に含まれるエレクトロクロミック物質
が、重合体(I)と重合体(II)との混合体で構成さ
れる場合、重合体(I):重合体(II)の混合割合
(ビオロゲン構造:フェニレンアミン構造[モル組成
比])は任意に選ぶことができるが、通常は1:500
〜100:1、好ましくは1:50〜10:1の範囲に
ある。また、エレクトロクロミック物質が共重合体(I
II)で構成される場合も、共重合体(III)におけ
る一般式(1)の繰り返し単位:一般式(2)の繰り返
し単位の比率(ビオロゲン構造:フェニレンアミン構造
[モル組成比])は任意に選ぶことができるが、通常は
1:500〜100:1、好ましくは1:50〜10:
1の範囲にある。そして、共重合体(III)は各繰り
返し単位をそれぞれ2個以上有し、通常は2〜500
個、好ましくは2〜100個有している。共重合体(I
II)は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互
共重合体のいずれであっても差し支えない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射性導電基板と透明導電基板との間
    に、(A)下記の一般式(1)で表される繰り返し単位
    からなる重合体および下記の一般式(2)で表される繰
    り返し単位からなる重合体を含有するエレクトロクロミ
    ック層または(B)下記の一般式(1)で表される繰り
    返し単位および下記の一般式(2)で表される繰り返し
    単位からなる共重合体を含有するエレクトロクロミック
    層を設けたエレクトロクロミックミラー。 【化1】 (式中、X- 、Y- は同一であっても異なってもよく、
    それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO4 - 、BE4
    - 、PF6 - 、CH3 COO- 、CH3 (C6 4 )S
    3 - から選ばれる対アニオンを示し、R1 は水素また
    は炭素数1〜5のアルキル基を、R2 は炭素数1〜10
    の炭化水素残基を、R3 は炭素数1〜20のアルキル
    基、アリール基またはアラルキル基を各々表す。) 【化2】 (式中、R4 は水素または炭素数1〜5のアルキル基、
    5 、R6 、R7 、R8及びR9 は水素または炭素数1
    〜20の炭化水素基または炭化水素残基を表し、それぞ
    れ同一でも異なっても良い。Ar1 は2価の芳香族炭化
    水素残基を示す。cは0以上の整数を、dは1以上の整
    数を各々示す。)
  2. 【請求項2】 前記のエレクトロクロミック層がイオン
    伝導性物質層を兼ねていることを特徴とする請求項1記
    載のエレクトロクロミックミラー。
JP9342314A 1997-11-05 1997-11-05 エレクトロクロミックミラー Pending JPH11142892A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017019747A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 株式会社リコー エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017019747A (ja) * 2015-07-10 2017-01-26 株式会社リコー エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及びエレクトロクロミック表示素子

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