JPH111411A - シリカ/酸化亜鉛複合体、その製造方法及びそれを配合した化粧料 - Google Patents
シリカ/酸化亜鉛複合体、その製造方法及びそれを配合した化粧料Info
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- JPH111411A JPH111411A JP16960897A JP16960897A JPH111411A JP H111411 A JPH111411 A JP H111411A JP 16960897 A JP16960897 A JP 16960897A JP 16960897 A JP16960897 A JP 16960897A JP H111411 A JPH111411 A JP H111411A
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Abstract
ソフトフォーカス性を有する物質を提供することにあ
る。 【解決手段】シリカ表面に微細酸化亜鉛粒が付着してい
ることを特徴とするシリカ/酸化亜鉛複合体。
Description
合体、その製造方法及びそれを配合した化粧料、特に酸
化亜鉛付着機構の改良に関する。
膚を守る働きがあると同時に、ファンデーションなどの
油分、活性剤などと混じり、経時での化粧崩れの原因と
なる。また、皮脂が多く分泌されると顔の表面に皮脂が
浮き、油光りするいわゆる「皮脂のテカリ」を引き起こ
す。そのため、皮脂を固化させる亜鉛華のような粉末
や、多孔質シリカのような皮脂を吸収させる粉末をファ
ンデーション中に配合することにより、化粧持ちを向上
させたり皮脂のテカリを抑える試みがなされている。
皮脂吸収剤として使用される多孔質シリカは、吸油量に
限界があり、塗布直後は皮脂を抑制する能力に優れてい
るが、長時間の化粧持ちには不十分である。微細亜鉛華
等の亜鉛華は、皮脂を固化させ化粧崩れを防ぐ能力を持
っているが、、皮脂を完全に固化させるまでに長時間を
要するので、皮脂が固化する前に化粧崩れを起こすこと
が考えられる。また、化粧料などに大量に配合しすぎる
と、肌上に塗布したときに白っぽくなってしまい、その
仕上がりが不自然なものとなってしまうことがある。本
発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、
その目的は皮脂固化吸収効果、透明性及びソフトフォー
カス性を有する物質を提供することにある。
に、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、シリカゾル
と亜鉛酸化物の複合化によって得られたシリカ/酸化亜
鉛複合体(シリカ/塩基性炭酸亜鉛複合体等のシリカ/
弱酸亜鉛塩複合体を含む概念)が、化粧料などに配合さ
れた場合に優れた皮脂固化吸収効果、透明性及びソフト
フォーカス効果を有し、皮膚に塗布したときに自然なマ
ット感を与えることを見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明にかかるシリカ/酸化亜鉛複合
体は、シリカ表面に微細酸化亜鉛粒が付着していること
を特徴とする。
記条件Aによる電子顕微鏡写真上で微粒子酸化亜鉛粒が
斑点状に観察されるものであることが好適である。 条件A:すなわち、図1はシリカ/塩基性炭酸亜鉛複合
体の電子顕微鏡写真が示されており、同図(A)はSE
M像、同図(B)は8OKα観察像である。なお、それ
ぞれを得るために用いた機器は、走査型電子顕微鏡(日
立製作所製 S−4500)及びエネルギー分散型X線
分析装置(堀場製作所製 EMAX−5770W)であ
る。
て、シリカ粉末上にはきわめて微細な塩基性炭酸亜鉛粒
が存在することが確認され、この微細亜鉛粒により接触
面積が大きくなり、化粧料などへの比較的少量の配合に
よっても優れた皮脂固化能などを発揮すると共に、シリ
カ自体の吸油性等の特性も発揮し得るものと考えられ
る。また、図2はシリカ/酸化亜鉛複合体の電子顕微鏡
写真が示されており、同図(A)はSEM像、同図
(B)は8OKα観察像である。前記図1同様、シリカ
粉末上にきわめて微細な酸化亜鉛粒が存在している。ま
た、本発明にかかるシリカ/弱酸亜鉛塩複合体の製造方
法は、シリカゾル分散液に亜鉛塩を加え、得られたゲル
状組成物に弱酸強塩基塩を加え、塩基性亜鉛塩/シリカ
ゾル複合体分散液を得、これを乾燥することを特徴とす
る。
に加えられる亜鉛塩は塩化亜鉛であり、弱酸強塩基塩は
炭酸ナトリウムであることが好適である。また、本発明
にかかるシリカ/酸化亜鉛複合体の製造方法において、
前記シリカ/弱酸亜鉛塩複合体を加熱脱水することが好
適である。また、本発明において、前記シリカ/弱酸亜
鉛塩複合体に強塩基を加えてpH8以上とし、得られた
ゲル組成物を乾燥しシリカ/酸化亜鉛複合体を得ること
が好適である。また、本発明にかかる化粧料は、前記シ
リカ/酸化亜鉛複合体を配合したことを特徴とする。
説明する。本発明の一実施態様にかかる酸化亜鉛複合体
は、下記のように製造され得る。なお、本実施態様にお
いて、複合体中に酸化亜鉛は塩化亜鉛換算でシリカゾル
の20重量%に相当する量を担持した。
スXS:日産化学製)250gを入れ、同量のイオン交
換水で希釈した。この水溶液に1M塩化亜鉛水溶液11
0mlをホモミキサーで撹拌しながら徐添した。得られた
ゲル状組成物に0.8M炭酸ナトリウム水溶液200ml
を添加し、ホモミキサーで再び撹拌混合した。得られた
塩基性炭酸亜鉛/シリカゾル複合体水溶液を10000
rpmで20分間遠心分離にかけ、沈殿物を回収し、3回
水洗を繰り返した。得られたものを凍結乾燥し、シリカ
/塩基性炭酸亜鉛複合体を得た。
合体水溶液を90℃で加熱脱水した。得られた固体を粉
砕器を用いて微粉砕し、得られた粉末を3回水洗した。
この粉末を乾燥させてシリカ/酸化亜鉛複合体を得た。
本発明にかかる化粧料に配合されるシリカ/塩化亜鉛複
合体のうち、シリカ/塩基性炭酸亜鉛複合体は、上記実
施態様のように、塩基性炭酸亜鉛を脱水する方法の外
に、亜鉛イオンとシリカの複合化したゲル化物に水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムのよう
な水酸化物を溶液のpHが8以上になるようにして加
え、酸化亜鉛を析出させたゲル組成物を得、該ゲル組成
物を乾燥後、水洗することによっても得られる。他に、
シリカ/塩基性炭酸亜鉛粉末を120℃以上で加熱する
ことによっても得られる。
れる酸化亜鉛もしくは塩基性炭酸亜鉛の量が多くなれ
ば、皮脂固化速度が早くなっていく傾向が見られるが、
同時に粉末の透明性が失われてくる。特に担持量がシリ
カゾルの100重量%を越えると、粉末の透明性が著し
く低下し、また皮脂固化速度も頭打ちになるため、透明
性及び皮脂固化速度の点を考慮すると酸化亜鉛ないし塩
基性炭酸亜鉛の担持量はシリカゾルに対して100重量
%以下、特に10〜50重量%が好ましい。また、前記
シリカゾル分散液に加えられる亜鉛塩は塩化亜鉛に限ら
れることはなく、例えば酢酸亜鉛のような有機亜鉛化合
物を用いることもできる。
物の配合量は、化粧料の種類によっても異なるが、通常
0.1〜98重量%であり、好ましくは0.5〜80重
量%の範囲で用いられる。0.1重量%未満では期待さ
れる諸々の効果が不十分なことがあり、また98%以上
配合しても効果のさらなる上昇は認められない。本発明
の化粧料は、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティッ
ク状、軟膏状、液状などの形態を採ることができ、例え
ば化粧水、乳液、クリームなどのフェーシャル化粧料、
ファンデーション、口紅、アイシャドー、頬紅、アイラ
イナー、ネイルエナメル、マスカラなどのメーキャップ
化粧料、ヘアトリートメント、ヘアリキッド、セットロ
ーションなどの毛髪化粧料等か含まれる。
加えて本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料に用
いられる成分を配合することができる。例えばワセリ
ン、ラノリン、セレシン、カルナバロウ、キャンデリラ
ロウ、高級アルコールなどの固形、半固形油分、スクワ
ラン、流動パラフィン、エステル油等の流動油分、シリ
コーン油等の油分、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリ
ンなどの保湿剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活
性剤などの界面活性剤、顔料、防腐剤、香料、賦活剤な
どを適宜配合することができる。なお、本発明で得られ
たシリカ/亜鉛化合物複合体は、流動性のある高級脂肪
酸を固化させる働きがあるので、複合体の効果をより引
き出すためにはオレイン酸などの液状脂肪酸は配合を控
えることが好ましい。
て、本発明の説明を行う。まず、試験方法について説明
する。皮脂固化速度 皮脂構成成分の1つである液状脂肪酸固化速度の測定を
行った。測定方法は、化粧料2gを50mlのバイアル瓶
にとり、この中にオレイン酸5gを加え、粉とオレイン
酸が均一に混ざるように撹拌する。これを静置し、混合
物が固まりバイアル瓶を傾けても流動しなくなる時間
(分)を測定した。皮脂固化速度は、この時間により評
価した。吸油量 軟膏板の上に化粧料を5gとり、皮脂類似油分としてス
クワランを滴下し、へらで均一に練りながら化粧料が一
つの固まりとしてまとまったところを終点とし、そのと
きまでに滴下したスクワランの量をその化粧料の吸油量
(ml/100g)とした。
仕上がりの官能評価を行った。 評点 評価 1 :非常に白っぽく不自然 2 :白っぽく不自然 3 :どちらともいえない 4 :どちらかというと自然 5 :白っぽさを感じさせず自然
のを黒色紙の上に厚さ100μmのアプリケーターを用
いて塗膜にした。これを乾燥させ、測色計で明度(L
値)を測った。明度が低いほど下地の黒色が目立ってい
ることを示すため、明度の高低から透明性を評価した。ソフトフォーカス性 化粧料を粘着テープ上に薄く均一に塗布したものを村上
色彩技術研究所製ゴニオスペクトロフォトメーターGS
P−1変角光沢度計に取り付け、45度の入射光に対し
−25〜45度までの反射光のL値を測定した。ソフト
フォーカス性の大小の指標としては、(反射角45度に
おけるL値)/(反射角−25度におけるL値)の比を
とり、この値が大きいほど光沢がありソフトフォーカス
性が小さく、またこの値が1に近いほど、すなわち反射
光のL値が正反射方向においても拡散反射方向において
も変化がないものほどマット感を有し、ソフトフォーカ
ス性が大きいと定義した。
レンダーで混合する。これに残りの原料を添加してよく
混合し、調色した後、香料を噴霧し、均一に混ぜる。こ
れを粉砕器で粉砕した後ふるいを通し、粉白粉を調製し
た。 <結果>前記表1より明らかなように、シリカ単独(試
験例2)の場合には皮脂固化作用はほとんど観察されな
かった。一方、亜鉛華単独(試験例3)の場合には皮脂
固化作用は認められるものの、その速度は満足の行くも
のではなく、また、仕上がり及び透明性共に悪いもので
あった。シリカ、亜鉛華を8:2の割合で混合したもの
を用いた場合(試験例4)には、皮脂固化能は生じるも
のの、その速度はきわめて遅く、実用には不十分なもの
であることが理解できる。これに対し、本発明の実施態
様である試験例1では、前記いずれの試験例と比較して
も、きわめて優れた特性を示した。
する。配合例1 パウダリーファンデーション 1.タルク 15.0 2.マイカ 30.0 3.シリカ/酸化亜鉛複合体 15.0 4.二酸化チタン 15.0 5.雲母チタン 3.0 6.ステアリン酸亜鉛 1.0 7.ナイロンパウダー 5.0 8.酸化鉄赤 1.0 9.酸化鉄黄 3.0 10.酸化鉄黒 0.2 11.スクワラン 6.0 12.酢酸ラノリン 1.0 13.ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0 14.ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール 2.0 15.モノオレイン酸ソルビタン 0.5 16.防腐剤 適量 17.酸化防止剤 適量 18.香料 適量
ミキサーで混合し、この混合物に成分2〜7を添加して
よく混合してから、成分12〜18を70℃で加熱溶解
したものを添加混合した。この後、5HPパルペライザ
ー(細川ミクロン)で粉砕し、これを中皿に成型して目
的のパウダリーファンデーションを得た。同様にして、
シリカ/酸化亜鉛複合体の代わりにカオリンを配合した
化粧料を比較配合例1とした。 <評価> 配合例1 比較配合例1 吸油量(ml/100g化粧料) 46.8 38.8 上記結果より、本配合例の化粧料はスクワランの吸油量
が高く、皮脂吸収能が優れているという結果を示した。
後、成分9〜13を添加し分散処理した。これをあらか
じめ70℃に加熱しておいて成分5〜7に添加して乳化
分散した。その後室温まで冷却して14を加え、目的の
乳化ファンデーションを得た。同様にして、シリカ/酸
化亜鉛複合体の代わりに亜鉛華を配合した化粧料を比較
配合例2とした。 <評価> 配合例2 比較配合例2 仕上がり 3.8 2.8 この結果より、本配合例の化粧料は、白っぽさを感じさ
せず、自然な仕上がりであることが確認された。
ゾール容器に入れ、バルブを装着し、噴射剤を充填す
る。同様にして、シリカ/酸化亜鉛複合体の代わりに亜
鉛華を配合した化粧料を比較配合例3とした。 <評価> 配合例3 比較配合例3 透明性 51.8 62.4 この結果より、本配合例の化粧料は透明度が高く下地の
黒がはっきりと現れていることが解る。これにより本配
合例の化粧料は、透明性が高く仕上がりの美しい化粧で
あることが確認された。
で混合してから成分10〜17を70℃で加熱溶解した
ものを添加混合した。この後5HPパルペライザー(細
川ミクロン)で粉砕し、これを中皿に成型して目的の両
用ファンデーションを得た。同様にして、シリカ/酸化
亜鉛複合体の代わりに亜鉛華を配合した化粧料を比較配
合例4とした。 <評価> 配合例4 比較配合例4 反射角45度におけるL値 104.11 131.72 反射角−25度におけるL値 91.68 95.63 ソフトフォーカス性(/) 1.14 1.38 上記結果より、配合例4の化粧料はソフトフォーカス性
が1に近く、自然なマット感を有することが解る。
〜8を添加し、ディスパーで混合した後、コロイドミル
で分散した。16を添加し、脱気後70℃で容器に流し
込み冷却した。
に1を加え十分分散させる。この中に6〜16を加熱溶
解させたものを加え、ホモジナイザーを用いて乳化分散
した。その後、室温まで撹拌冷却して目的のサンスクリ
ーンを得た。
れに3を加え、十分分散させる。この中に1と2を加熱
溶解させたものを加え、ホモジナイザーを用いて乳化分
散した。その後、室温まで撹拌冷却して目的のW/O型
サンスクリーンを得た。
する(顔料部)。その一方で4を10の一部に溶解する
(染料部)。5〜10を90℃に加熱溶解し顔料部を加
えホモミキサーで均一に分散する。分散後、所定の容器
に充填して目的の頬紅を得た。
に溶解した香料を均一に噴霧し混合する。この粉末を粉
砕した後に圧縮成型を行う。
潤分散させる。5に8,9,10を添加溶解し、前述の
分散相に添加する。次に6,7を添加し十分に分散さ
せ、脱気、濾過する。
カ/酸化亜鉛複合体によれば、シリカ表面にきわめて微
細な酸化亜鉛粒を形成することにより、酸化亜鉛の接触
面積を高め、しかもシリカの性質を損なうこともない複
合体を得ることができる。また、本発明にかかる化粧料
によれば、前記複合体を用いることにより吸油性、皮脂
固化能、透明度、ソフトフォーカス性を大幅に完全する
ことができる。
亜鉛複合体の粒子表面状態を示す電子顕微鏡写真であ
る。
合体の粒子表面状態を示す電子顕微鏡写真である。
Claims (8)
- 【請求項1】 シリカ表面に微細酸化亜鉛粒が付着して
いることを特徴とするシリカ/酸化亜鉛複合体。 - 【請求項2】 請求項1記載の複合体において、下記条
件Aによる電子顕微鏡写真上で微粒子酸化亜鉛粒が斑点
状に観察されるものであることを特徴とするシリカ/酸
化亜鉛複合体。 条件A: - 【請求項3】 シリカゾル分散液に亜鉛塩を加え、得ら
れたゲル状組成物に弱酸強塩基塩を加え、塩基性亜鉛塩
/シリカゾル複合体分散液を得、これを乾燥することを
特徴とするシリカ/弱酸亜鉛塩複合体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の方法において、シリカゾ
ル分散液に加えられる亜鉛塩は塩化亜鉛であり、弱酸強
塩基塩は炭酸ナトリウムであることを特徴とするシリカ
/弱酸亜鉛塩複合体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項3において得られたシリカ/弱酸
亜鉛塩複合体を加熱脱水することを特徴とするシリカ/
酸化亜鉛複合体の製造方法。 - 【請求項6】 請求項3において得られたシリカ/弱酸
亜鉛塩複合体に強塩基を加えてpH8以上とし、得られ
たゲル組成物を乾燥することを特徴とするシリカ/酸化
亜鉛複合体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1又は2記載のシリカ/酸化亜鉛
複合体を配合したことを特徴とする化粧料。 - 【請求項8】 請求項7記載の化粧料において、液状脂
肪酸を実質的に含まないことを特徴とする化粧料。
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