JPH11140285A - 耐熱性の改良されたポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性の改良されたポリエステル樹脂組成物

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JPH11140285A
JPH11140285A JP30309797A JP30309797A JPH11140285A JP H11140285 A JPH11140285 A JP H11140285A JP 30309797 A JP30309797 A JP 30309797A JP 30309797 A JP30309797 A JP 30309797A JP H11140285 A JPH11140285 A JP H11140285A
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宏 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は耐熱性の改良されたポリエステル
樹脂組成物および貯蔵安定性に優れたポリエステルフィ
ルムを提供する。 【構成】 数平均分子量10000以上の高分子量ポ
リエステルと酸化防止剤を含み、190℃下での耐熱性
が、特定の式で表される粘度保持率で0.7以上である
事が特徴の耐熱性に優れたポリエステル樹脂組成物であ
る。室温下での保管時でも強度低下の少ない優れたポリ
エステルフィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性の改良されたポ
リエステル樹脂組成物およびフィルムに関する。詳しく
は、高分子量脂肪族ポリエステルに酸化防止剤を加える
ことにより得られる耐熱性の改良されたポリエステル樹
脂組成物および貯蔵安定性に優れたフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族ポリエステルは一般に生分解性が
認められており、その特徴を生かして繊維、成型品、シ
ートやフィルムに使用することが期待されている。
【0003】しかしながら、本発明者らは、かねてより
脂肪族ポリエステルおよびその成型品の耐熱性について
研究を行っていたところ、脂肪族ポリエステルは耐熱性
が悪く、高温にさらさらされる条件下、例えば190℃
の高温下では、30分後の分子量保持率が70%未満と
なり、射出成型品や押し出し成型品としての使用には問
題を残していることが判明した。
【0004】さらに驚くべきことに、耐熱性が悪い脂肪
族ポリエステルは室温での保存においても劣化が起こ
り、例えばフィルムに成形加工した場合などは経時的に
強度などの物性が大きく低下することが判った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記脂肪族
ポリエステルの問題点を解決し、耐熱性、貯蔵安定性に
優れた新規で有用なポリエステル樹脂組成物、および経
時的な強度低下の少ない貯蔵安定性に優れたポリエステ
ルフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、上記問題点を解決すべく鋭意検討を行った結
果、数平均分子量10000以上の高分子量脂肪族ポリ
エステル(A)と酸化防止剤(B)から成り、式(1)
で表される粘度保持指数が0.7以上になるように
(A)成分と(B)成分を配合することを特徴とする耐
熱性の改良されたポリエステル樹脂組成物を開発するこ
とにより上記の目的を達成した。
【0007】
【数1】
【0008】X:フローテスターによる測定で190
℃、30分後の粘度(ポイズ) Y:フローテスターによる測定で190℃、5分後の粘
度(ポイズ)
【0009】
【作用】本発明に用いる高分子量脂肪族ポリエステル
(A)を得るには、イ)多塩基酸(あるいはそのエステ
ル)とグリコールを重縮合する方法、ロ)ヒドロキシカ
ルボン酸(あるいはそのエステル)を重縮合する方法、
ハ)環状酸無水物と環状エーテルを開環重合する方法,
ニ)環状エステルを開環重合する方法が挙げられる。
【0010】イ)の方法で用いられる多塩基酸として
は、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカ
ンジカルボン酸、ダイマー酸あるいはそれらのエステル
等が挙げられ、グリコールとしては、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、デカメチレングリコール等が挙げられる。ま
た、グリコール成分の一部としてポリオキシアルキレン
グリコールを使用することも可能であり、例えばポリオ
キシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレングリコールおよびこれ
らの共重合体が例示される。これらのうちで、得られる
ポリエステルの融点、生分解性、経済性を考慮するとコ
ハク酸とエチレングリコール及び/またはコハク酸と
1,4ーブタンジオールの組合せが好ましい。高分子量
脂肪族ポリエステル(A)の製造に際しては多塩基酸
(あるいはそのエステル)成分およびグリコール成分の
全量を初期混合し反応させてもよく、または反応の進行
にともなって分割して添加してもさしつかえない。重縮
合反応としては通常のエステル交換法またはエステル化
法さらには両方の併用によっても可能であり、また必要
により反応容器内を加圧または減圧にすることにより重
合度を上げることができる。
【0011】ロ)の方法で用いられるヒドロキシカルボ
ン酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、3−ヒドロ
キシプロピオン酸、3−ヒドロキシ−2、2−ジメチル
プロピオン酸、3−ヒドロキシ−3−メチル−酪酸、4
−ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロ
キシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草
酸、6−ヒドロキシカプロン酸、クエン酸、リンゴ酸あ
るいはそれらのエステル等が挙げられる。重縮合反応と
しては通常のエステル交換法またはエステル化法さらに
は両方の併用によっても何らさしつかえなく、また必要
により反応容器内を加圧または減圧にすることにより重
合度を上げることができる。
【0012】ハ)の方法で用いられる環状酸無水物とし
ては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸、無水シトラ
コン酸、等が挙げられる。環状エーテルとしては、例え
ばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキ
センオキシド、スチレンオキシド、エピクロロヒドリ
ン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、オキセパン、1,3−ジ
オキソラン、トリオキサンなどが挙げられる。これらの
うちで、得られるポリエステルの融点、生分解性、経済
性を考慮すると無水コハク酸とエチレンオキシドの組合
せが好ましい。開環重合は公知の開環重合触媒を用い、
溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うことがで
きる。
【0013】ニ)の方法で用いられる環状エステルとし
ては、例えばβ−プロピオラクトン、β−メチル−β−
プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラ
クトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。開環
重合は公知の開環重合触媒を用い、溶媒中での重合や塊
状重合等の方法により行うことができる。
【0014】このような高分子量脂肪族ポリエステル
(A)を得る方法のなかで比較的短い時間で工業的に効
率よく製造できる方法としてハ)の環状酸無水物と環状
エーテルを開環重合する方法が好ましい。以下、環状酸
無水物と環状エーテルの開環重合についてさらに詳しく
説明する。
【0015】本発明で用いられる無水コハク酸等の環状
酸無水物は、これまで単独重合しないことが知られてい
た。このような単独重合しない環状酸無水物に対し、重
合触媒の存在下に環状エーテルを逐次的に添加して重合
させることによって、実質的に酸成分とアルコール成分
が交互共重合したポリエステルが短時間で生成させ得
る。
【0016】重合は溶媒中での重合や塊状重合等の方法
により行うことができる。溶媒中での重合では環状酸無
水物は溶媒に溶解させて用い、塊状重合では環状酸無水
物を溶融させてから本発明に用いる。
【0017】溶媒中での重合は、回分式でも連続式でも
行うことができ、その際使用される溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n
−ヘキサン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロエタ
ンなどの不活性溶媒をあげることができる。
【0018】重合触媒としては、特に限定はなく、通常
ポリエステルを開環重合する際に使用するものを用い
る。例えばテトラメトキシジルコニウム、テトラエトキ
シジルコニウム、テトラ−iso−プロポキシジルコニ
ウム、テトラ−iso−ブトキシジルコニウム、テトラ
−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−t−ブトキシジ
ルコニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プ
ロポキシアルミニウム、トリ−iso−プロポキシアル
ミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−i
so−ブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシ
アルミニウム、モノ−sec−ブトキシ−ジ−iso−
プロポキシアルミニウム、エチルアセトアセテートアル
ミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エ
チルアセトアセテート)、テトラエトキシチタン、テト
ラ−iso−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキ
シチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−se
c−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、ト
リ−iso−プロポキシガリウム、トリ−iso−プロ
ポキシアンチモン、トリ−iso−ブトキシアンチモ
ン、トリメトキシボロン、トリエトキシボロン、トリ−
iso−プロポキシボロン、トリ−n−プロポキシボロ
ン、トリ−iso−ブトキシボロン、トリ−n−ブトキ
シボロン、トリ−sec−ブトキシボロン、トリ−t−
ブトキシボロン、トリ−iso−プロポキシガリウム、
テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニ
ウム、テトラ−iso−プロポキシゲルマニウム、テト
ラ−n−プロポキシゲルマニウム、テトラ−iso−ブ
トキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウ
ム、テトラ−sec−ブトキシゲルマニウム、テトラ−
t−ブトキシゲルマニウムなどの金属アルコキド;五塩
化アンチモン、塩化亜鉛、臭化リチウム、塩化すず(I
V)、塩化カドミウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテ
ルなどのハロゲン化物;トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、エチルアルミニウムジクロライド、トリ−iso−
ブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;ジメ
チル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛などのア
ルキル亜鉛;トリアリルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−オクチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ジ
アザビシクロオクタン類、などの三級アミン;リンタン
グステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸な
どのヘテロポリ酸およびそのアルカリ金属塩;酸塩化ジ
ルコニウム、オクチル酸ジルコニール、ステアリン酸ジ
ルコニール、硝酸ジルコニールなどのオキシジルコニウ
ム化合物等が挙げられ、中でもオクチル酸ジルコニー
ル、テトラアルコキシジルコニウム、トリアルコキシア
ルミニウム化合物が特に好ましい。重合触媒の使用量に
は特に制限はないが、通常環状酸無水物および環状エー
テルの合計量に対して0.001〜10重量%である。
重合触媒の添加方法は環状酸無水物に添加しておいても
よく、環状エーテルのように逐次添加してもよい。
【0019】重合温度は環状酸無水物と環状エーテルが
反応する温度であれば特に制限はないが、10〜250
℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは10
0〜150℃である。反応に際して、反応容器内の圧力
は反応温度および溶媒の有無や溶媒の種類によって異な
るが、環状エーテルの逐次的な添加による圧力の上昇に
伴う未反応環状エーテルの増加は、反応生成物中のポリ
エーテル成分を増やすことになり好ましくない。したが
って、反応容器内の圧力は常圧〜50kgf/cm2が好まし
く、より好ましくは常圧〜15kgf/cm2 となるように
環状エーテルを添加する。
【0020】環状エーテルの逐次添加は、環状酸無水物
100重量部に対し1時間あたり環状エーテルを3〜9
0重量部が好ましく、より好ましくは5〜50重量部の
割合で行なう。
【0021】環状エーテルの添加速度が下限の3重量部
より遅い場合には、反応が長時間となり生産性が低下す
るなど工業的に好ましくない。また、上限の90重量部
より速い場合には、反応生成物中のポリエーテル成分が
増加して融点の低いポリエステルしか得られなくなる。
【0022】なお、環状エーテルの逐次添加とは、環状
エーテルを一括して添加しないことであり、連続的に滴
下する方法や多段階に分割して断続的に添加する方法の
いずれでもよい。好ましくは添加量が経時的に大きく変
動しないように連続的に添加するのがよい。
【0023】本発明における環状酸無水物および環状エ
ーテルの反応比率は、これらのモル比で40/60〜60/40
の比率となるようにするのが好ましく、残存環状酸無水
物およびポリエステルの末端カルボキシル基がポリエス
テルの物性を低下させることを考慮すると環状エーテル
(D)を過剰に添加するために40/60〜49/51の比率と
なるようにするのがさらに好ましい。このようにするこ
とにより、ポリエステルの末端カルボキシル基の50%
未満がカルボキシル基となり、耐熱性が向上する。
【0024】この比率の範囲をはずれると、未反応モノ
マーが増大して収率が低下することがある。本発明で前
記モル比を考慮して決定した所定量の環状エーテルを逐
次添加し終わった後、前記反応温度で重合を継続して熟
成するのが好ましい。熟成反応後に重合系から生成した
ポリエステルを分離すればよい。
【0025】イ)、ロ)、ハ)、ニ)のいずれの方法に
よって得られたポリエステルも数平均分子量が1000
0よりも低い場合、さらにエステル交換反応で高分子量
化しても良い。また、イソシアネート化合物のようなカ
ップリング剤で高分子量化することも考えられるが、多
官能イソシアネートによるゲル状物の発生、残存イソシ
アネート化合物の毒性の問題などから好ましくない。
【0026】本発明において使用する酸化防止剤(B)
としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止
剤、リン系酸化防止剤が挙げられ、公知の化合物の中か
ら次のようなものが挙げられる。
【0027】フェノール系酸化防止剤としては、例え
ば、次に示すような化合物が挙げられる:2,4−ビス
−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,
5−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕(商品名 IRGANOX 1010)、2,2−チ
オ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−
ビス−〔2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,
1−ジメチルエチル〕2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ〔5,5〕ウンデカン(商品名 Sumiliz
er GA−80)、トリエチレングリコール−ビス
〔3−(3−tブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕(商品名 IRGANOX 2
45)、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕(商品名 IRGANOX 259)、テト
ラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシハイドロシンナメート)〕メタン、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート(商品名 IRGANOX 107
6)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベン
ジルフォスフォネート−ジエチルエステル(商品名 I
RGANOX 1222)、N,N’−ヘキサメチレン
−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナムアミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシ-ベンジルフォスフォネート−ジエチルエス
テル、1,3,5−トリメチル−2,4,6,−トリス
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、ビス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム(商品名
IRGANOX 1425WL)、トリス−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシア
ヌレート(商品名 IRGANOX 3114)、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、2,2−ビス〔4−(2−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナモイルオキシ))エトキシフェニル〕プロパン、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなど。
【0028】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、次
に示すような化合物が挙げられる:ジラウリル−3,3
−チオジプロピオネート(商品名 SUMILIZER
TPL−R)、ジミリスチル−3,3−チオジプロピ
オネート(商品名 SUMILIZER TPM)、ジ
ステアリル−3,3−チオジプロピオネート(商品名S
UMILIZER TPS)、ペンタエリスリチルテト
ラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート(商品名
SUMILIZER TP−D)、ジトリデシル−3,
3−チオジプロピオネート(商品名 SUMILIZE
R TL)、2−メルカプトベンゾイミダゾール(商品
名 SUMILIZER MB)など。
【0029】リン系酸化防止剤としては、例えば、次に
示すような化合物が挙げられる:トリフェニルフォスフ
ァイト、トリラウリルフォスファイト、トリス(ノニル
フェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホスファイ
ト、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニ
ルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホス
ファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、テト
ラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−
ビフェニレンフォスフォナイト(商品名 IRGAFO
S P−EPQFF)、トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト(商品名 IRGAFOS
168)、ジステアリルペンタエリスリトール-ジ-ホス
ファイト、ジオクチルペンタエリスリトール-ジ-ホスフ
ァイト、ジイソデシルペンタエリスリトール-ジ-ホスフ
ァイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペン
タエリスリトール-ジ-ホスファイト、ビス(2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジ−ホスファイト(商品名 アデカスタブ PE
P−36)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−4,4’−ビフェニレンフォスフォナイト(商
品名 SANDOSTAB P−EPQ)などの次亜リ
ン酸、亜リン酸およびそのエステル類;リン酸ジフェニ
ル、リン酸2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸ジベ
ンジル、リン酸トリエチル、リン酸トリメチル、リン酸
トリオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(4
−ter−ブチルフェニル)、リン酸トリス(ブトキシ
エチル)、リン酸トリ−n−ブチルなどのリン酸および
そのエステル類;次亜リン酸、ポリリン酸など。
【0030】上記酸化防止剤は、単独あるいは二種以上
を併用することができる。例えば、リン系の酸化防止剤
とイオウ系の酸化防止剤を組み合わせる事等は好まし
い。
【0031】上記酸化防止剤は、高分子量脂肪族ポリエ
ステル(A)100重量部に対して0.01〜2.00
重量部、好ましくは0.05〜1.00重量部の割合で
含有される。酸化防止剤の含有量が0.05重量部を下
回る場合には、ポリエステルを熱安定化させる効果が得
られない。逆に、酸化防止剤の含有量が1.00重量部
を上回る場合には、上記安定化効果は得られるが、含有
量に比例した効果は得られず、かつ機械的強度などの物
性が低下する。
【0032】本発明の組成物の製造方法は、酸化防止剤
(B)を高分子量脂肪族ポリエステル(A)製造する際
に混練する方法、高分子量脂肪族ポリエステル(A)製
造した後に混練する方法などが適用可能である。
【0033】本発明組成物には、必要に応じて他の成
分、例えば顔料、染料、耐熱剤、結晶核剤、耐候剤、滑
剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、強化材、難燃剤、可
塑剤、他の重合体を本発明の効果を損なわない範囲で添
加することができる。
【0034】本発明組成物は、(B)成分を(A)成分
の中に任意の方法によって分散させ複合化することによ
って調製されるが、本発明組成物は、式(I)で表され
る粘度保持指数が0.7以上、好ましくは0.8以上、
更に好ましくは0.9以上になるように(A)成分と
(B)成分を配合させなければならない。
【0035】
【数1】
【0036】X:フローテスターによる測定で190
℃、30分後の粘度(ポイズ) Y:フローテスターによる測定で190℃、5分後の粘
度(ポイズ) 粘度保持指数が0.7未満の場合は、成形加工時の熱安
定性が悪く、成形加工前に比べて成形加工後の分子量が
低下して強度、伸度などの物性が悪くなる。また、成形
加工後においても粘度保持指数が0.7未満の場合は、
経時安定性が低く、強度、伸度などの物性が経時的に悪
くなりフィルム、シート、成型品、繊維、不織布、発泡
体などの各種用途に用いることができない。
【0037】この粘度保持指数の測定は市販のフローテ
スター(島津製作所製、CFT−500C)にダイ(ノ
ズル直径1.00mm、ノズル長さ10.0mm)を装着し
て190℃、試験荷重10kgf、大気中でおこなった。
また、試験に用いる試料はペレット状のものを80℃、
減圧下(20〜50mmHg)、10時間乾燥した。測定手
順は190℃になったフローテスターに乾燥直後のペレ
ット2〜3gを充填し、充填開始から5分後の粘度(ポ
イズ)を測定した(Y)。さらに同様の手順であらたに
乾燥直後のペレット2〜3gを充填し直し、充填開始か
ら30分後の粘度(ポイズ)を測定した(X)。
【0038】本発明組成物の場合は耐熱性が改良され、
成形性も良好であるので、押し出し成形、射出成形、中
空成形、真空成形等の通常の成型方法に適用することが
でき、各種部品、容器、資材、器具、フィルム、シー
ト、繊維、不織布、発泡体等の成型品とすることができ
る。そして、この組成物から得られた脂肪族ポリエステ
ルフィルムは、室温保存での経時的な強度低下、強度変
化が少なく非常に有効である。そしてこのフィルムに関
しての成形方法も特に限定されるものではない。通常の
フィルムに適用できる成形方法が利用できる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。なお、例中の部は重量部を表わす。実施例で実施
した評価方法は以下の通りである。結果をまとめて表1
に示した。
【0040】(分子量)ゲルパーミエーションクロマト
グラフを用いてポリスチレン換算の数平均分子量を測定
した。
【0041】(融点)DSCにて測定した。
【0042】(経時安定性)130℃、150kg/cm
2、2分間の条件で圧縮成形機により厚さ200ミクロ
ンのフィルムを作成し、得られたフィルムを5mm×7cm
の短冊状試料に切り抜いた。この短冊状試料を23℃、
相対湿度65%の恒温恒湿室に1日放置したものを初期
とし、これとは別に50℃、大気中28日、さら23
℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に1日放置したものを
28日後とし、それぞれをASTM−D882−90
(A法)に準じて引っ張り速度20mm/分、標点間距離
2cmで引張試験した。
【0043】これらの値を式(2)に代入して、フィル
ムの強度保持率(%)を求めた。
【0044】
【数2】
【0045】V:フィルムの引張試験で28日後の破断
強度(kgf/cm2) W:フィルムの引張試験で初期の破断強度(kgf/cm
2) (生分解性試験)130℃、150kg/cm2、2分間の
条件で圧縮成形機により厚さ200ミクロンのフィルム
を作成し、得られたフィルムを土壌を仕込んだプランタ
ー中に埋設して、一日一回散水し23℃、相対湿度65
%の恒温恒湿室中に保存し、100日後の外観変化を観
察した。
【0046】なお、土壌は箕面市小野原および吹田市西
御旅町で採取したもの、腐葉土を3:1:3の割合で混
合したものを使用した。
【0047】結果は下記の通りに記載した。
【0048】(+):外観変化が認められた。
【0049】(−):外観変化が認められなかった。
【0050】(実施例1)オートクレーブに蒸留精製し
た無水コハク酸500.0部およびオクチル酸ジルコニ
ール3.68部を加え、窒素置換を行った。次いで攪拌
下にオートクレーブを徐々に130℃まで昇温して無水
コハク酸を溶融し、同温度でオートクレーブ内の圧力を
4.0〜6.5kgf/cm2 に維持しながら、酸化エチレ
ン231.1部を1時間あたり58部の添加速度で4.
0時間にわたって連続的に導入した。酸化エチレン導入
後130℃で1.0時間熟成反応を行ってから系を常温
にもどすことにより、重合生成物を得た。GPC測定に
よる数平均分子量は36000、DSCによる融点は1
03.4℃であった。
【0051】得られた重合生成物12.0部とペンタエ
リスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(商品
名IRGANOX 1010)0.06部を温度計、撹
拌装置、窒素導入管を付した50ミリリットルのセパラ
ブルフラスコに加え、窒素置換を3回おこなった後、窒
素気流中、ドライアイス−メタノールに浸したトラップ
を備えた真空ポンプで0.9〜1.1mmHgの減圧
下、温度240℃の条件で1.5時間反応させ、ポリエ
ステル樹脂組成物(1)を得た。GPC測定による数平
均分子量は67000、DSC測定による融点は、10
2.7℃であった。
【0052】(実施例2)撹拌機、出口にドライアイス
−メタノールに浸したトラップを備えたウィグリュー分
留管及びガス導入管を付した三つ口フラスコに、コハク
酸519.6部、エチレングリコール286.8部およ
びチタンテトライソプロポキシド0.0772部を入
れ、オイルバス中に浸した。オイルバスを昇温し、窒素
をゆっくり流し、温度182〜200℃、常圧〜3.0
mmHgの減圧度で7時間要して生成する水と過剰のエチレ
ングリコールを留去し、数平均分子量9700のポリエ
ステルを得た。引き続き、温度200〜223℃、3.
0mmHgの減圧度で3時間15分要して生成するエチレン
グリコールを留去し、数平均分子量19200のポリエ
ステルを得た。次いで、得られたポリエステル50.7
8部とペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕(商品名 IRGANOX 1010)0.25
4部を温度計、撹拌装置、窒素導入管を付した50ミリ
リットルのセパラブルフラスコに加え、窒素置換を3回
おこなった後、窒素気流中、ドライアイス−メタノール
に浸したトラップを備えた真空ポンプで0.9〜1.5
mmHgの減圧下、温度220℃の条件で4.5時間反
応させ、ポリエステル樹脂組成物(2)を得た。GPC
測定による数平均分子量は66500、DSC測定によ
る融点は、102.0℃であった。
【0053】(実施例3)実施例1のペンタエリスリチ
ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(商品名 IR
GANOX 1010)0.06部を3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−
ジエチルエステル(商品名 IRGANOX 122
2)0.06部に変えた他は実施例1と同様にしてポリ
エステル樹脂組成物(3)を得た。GPC測定による数
平均分子量は68000、DSC測定による融点は、1
02.9℃であった。
【0054】(実施例4)実施例1のペンタエリスリチ
ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(商品名 IR
GANOX 1010)0.06部を3,9−ビス−
〔2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)−プロピオニルオキシ)−1,1−ジ
メチルエチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン(商品名 Sumilizer
GA−80)0.024部とテトラキス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンフォスフ
ォナイト(商品名 IRGAFOS P−EPQFF)
0.024部に変えた他は実施例1と同様にしてポリエ
ステル樹脂組成物(4)を得た。GPC測定による数平
均分子量は67000、DSC測定による融点は、10
1.5℃であった。
【0055】(比較例1)実施例1のペンタエリスリチ
ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(商品名 IR
GANOX 1010)0.06部を加えなかった他は
実施例1と同様にして比較ポリエステル樹脂組成物
(1)を得た。GPC測定による数平均分子量は670
00、DSC測定による融点は、103.0℃であっ
た。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、耐
熱性が良好で、生分解性の優れた繊維、成型品、フィル
ムやシート等への成形加工が容易である。したがって、
本発明で得られるポリエステル樹脂組成物は、使い捨て
の包装材料や日用雑貨品等に有効に使用できる。得られ
たフィルムは経時的な強度低下が少なく貯蔵安定性に優
れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量10000以上の高分子量脂
    肪族ポリエステル(A)と酸化防止剤(B)を含み、式
    (1)で表される粘度保持指数が0.7以上になるよう
    に(A)成分と(B)成分を配合することを特徴とする
    耐熱性の改良されたポリエステル樹脂組成物。 【数1】 X:フローテスターによる測定で190℃、30分後の
    粘度(ポイズ) Y:フローテスターによる測定で190℃、5分後の粘
    度(ポイズ)
  2. 【請求項2】式(2)で表される、前記ポリエステル樹
    脂組成物から得られるフィルムの強度保持率が80%以
    上である、請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。 【数2】 V:フィルムの引張試験で28日後の破断強度(kgf/c
    m2) W:フィルムの引張試験で初期の破断強度(kgf/cm2
  3. 【請求項3】前記高分子量脂肪族ポリエステル(A)
    が、炭素数2〜6の脂肪族ジカルボン酸成分および、炭
    素数2〜4の脂肪族グリコール成分とから得られるもの
    である、請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】前記高分子量脂肪族ポリエステル(A)
    が、無水コハク酸を主成分とする環状酸無水物(C)お
    よび酸化エチレンを主成分とする環状エーテル(D)を
    開環共重合して得られるものである、請求項1〜3記載
    のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記請求項1〜4記載のポリエステル樹脂
    組成物含有のポリエステルフィルム。
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