JPH11140167A - ポリエステル化合物、その製造方法および用途 - Google Patents

ポリエステル化合物、その製造方法および用途

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JPH11140167A
JPH11140167A JP9312435A JP31243597A JPH11140167A JP H11140167 A JPH11140167 A JP H11140167A JP 9312435 A JP9312435 A JP 9312435A JP 31243597 A JP31243597 A JP 31243597A JP H11140167 A JPH11140167 A JP H11140167A
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epoxy resin
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formula
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JP9312435A
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Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Atsuo Otsuji
淳夫 大辻
Rihoko Suzuki
理穂子 鈴木
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1)で表されるポリエステル化
合物、その製造方法およびその用途を提供する。 (式中、Aは水素原子、あるいは、炭素数2〜10のア
シル基またはアリールカルボニル基を表し、全A中の水
素原子の割合は0〜80モル%であり、Rは炭素数1〜
9の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜8
のアルコキシ基、フェニル基、あるいはハロゲン原子を
表し、lは1または2、mは0〜3、nは0〜100の
整数を表す。但し、nの平均は0〜15の範囲である) 【効果】 本化合物をエポキシ樹脂の硬化剤とすること
により、低吸湿性を実現し、特に半導体封止材用途にお
いてパッケージクラックの発生を低減させることが可能
となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規にして有用な
ポリエステル化合物、その製造方法及びその用途に関す
るものである。本発明のポリエステル化合物は、エポキ
シ樹脂の硬化剤として用いることにより、その硬化物
を、接着、成型、注型、積層、塗料用途や、コーティン
グ材、プリント基板用途等に用いることを可能にし、特
に半導体の封止材料として用いる際の硬化剤として有用
な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂は、前述の様な各種
用途において重宝され、広く用いられている。特にIC
の封止材用途においては、その全てがエポキシ樹脂に硬
化剤としてフェノール樹脂を組み合わせて得られる組成
物であると言っても過言ではない。特に、典型的な組み
合わせとしては、オルソクレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂を主剤とし、硬化剤としてフェノールノボラック
を組み合わせたものである。一方、近年のこの分野にお
ける技術の発達、すなわち、高密度実装化が進むにつ
れ、その実装方式はピン挿入型から表面実装へ移行し、
さらに実装高さを低減するために薄型、小型のパッケー
ジとなってきている。この様な実装方法に用いられる、
高級グレードの封止材としては、近年、ビフェニル型エ
ポキシ樹脂とフェノールアラルキル樹脂の組み合わせが
多く用いられている。
【0003】これら封止材に求められる性能として主な
ものを挙げれば、耐熱性、耐湿性、機械的強度等であ
り、総合的には対クラック性が要求される。このクラッ
クの原因は、簡単にいえば、ICパッケージを実装する
際にかかる熱により、樹脂中に含まれる水分が一気に気
化し、ICと樹脂との剥離を引き起こし、最終的にクラ
ックの発生、となると考えられる。従って、クラックに
対する対策としては、樹脂の耐湿性の向上、接着強
度の向上、樹脂の機械的強度の向上、等が考えられ
る。この中で、最近の技術開発の方向は、主として、樹
脂、特に硬化剤であるフェノール樹脂の低吸湿化を指向
している。
【0004】この問題に対し、従来のノボラック樹脂を
改良し、縮合剤をホルムアルデヒドからベンズアルデヒ
ド等へ変更した各種ノボラック類、フェノール間の連結
基をメチレン基からキシリレン基に代えて水酸基密度を
低減したフェノールアラルキル樹脂(特公平8−016
149)やナフトールアラルキル樹脂(特開平3−90
75)等が提案されている。しかしながら、根本的にエ
ポキシ樹脂とフェノール樹脂との硬化反応は、親水性基
である水酸基の発生を伴うものであり、現状からの大幅
な吸湿性の向上は望めない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、エポ
キシ樹脂用硬化剤としてフェノール樹脂に代わり、対吸
湿性を向上させ、且つ、その他の性能はフェノール樹脂
と同等以上、である新たな硬化剤を見いだすことにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、新規なポリエステル化
合物を見出し、本発明を完成するに到ったものである。
すなわち、本発明は、一般式(1)(化3)で表される
ポリエステル化合物、その製造方法およびその用途に関
するものである。
【0007】
【化3】 (式中、Aは水素原子、あるいは、炭素数2〜10のア
シル基またはアリールカルボニル基を表し、全A中の水
素原子の割合は0〜80モル%であり、Rは炭素数1〜
9の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜8
のアルコキシ基、フェニル基、あるいはハロゲン原子を
表し、lは1または2、mは0〜3、nは0〜100の
整数を表す。但し、nの平均は0〜15の範囲である)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル化合物は、
前記一般式(1)で表される新規なエステル化合物であ
り、そのエステル化率は20〜100モル%である。本
発明のポリエステル化合物は、通常用いられるエポキシ
樹脂用硬化触媒の下、エポキシ樹脂と反応させることに
より、得られる硬化物が、耐熱性、機械的強度、電気特
性、硬化収縮率等の物性を低下させることなく、吸水性
を低減させる、という優れた効果を示すものである。本
発明の前記一般式(1)で表されるポリエステル化合物
は、一般式(2)(化4)で表されるフェノール類アラ
ルキル樹脂をエステル化することによって製造される。
【0009】
【化4】 (式中、Rは炭素数1〜9の直鎖、分岐または環状のア
ルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、
あるいはハロゲン原子を表し、lは1または2、mは0
〜3、nは0〜100の整数を表す。但し、nの平均は
0〜15の範囲である)
【0010】一般式(2)で表されるフェノール類アラ
ルキル樹脂は、フェノール類と、アラルキルハライド、
アラルキルアルコールまたはその誘導体とを、反応させ
て得られるものである。用いられるフェノール類として
は、具体的には、フェノール、o−クレゾール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m
−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−n−
プロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p
−n−ブチルフェノール、p−sec−ブチルフェノー
ル、p−tert−ブチルフェノール、オクチルフェノ
ール、ノニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノー
ル、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、
4,6−キシレノール、3,5−キシレノール、2,
4,6−トリメチルフェノール、グアヤコール(2−メ
トキシフェノール)、3−メトキシフェノール、4−メ
トキシフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェ
ニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−クロロ
フェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノ
ール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノー
ル、p−フルオロフェノール、o−ヨードフェノール、
m−ヨードフェノール、p−ヨードフェノール、o−ブ
ロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフ
ェノール、レゾルシン、ハイドロキノン、カテコール等
が挙げられる。これらのフェノール類は、1種類でも、
2種類以上を混合して用いてもよい。
【0011】これらフェノール類と反応させるアラルキ
ル化合物としては、α,α’−ジクロロ−p−キシレ
ン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジ
クロロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシ
レン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−
ジブロモ−o−キシレン等のα,α’−ジハロゲノキシ
レン類、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,
α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒド
ロキシ−o−キシレンのキシリレングリコール類、α,
α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキ
シ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレ
ン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−
ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−o
−キシレン、α,α’−ジプロポキシ−p−キシレン、
α,α’−ジプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジ
プロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソプロポキ
シ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−
キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレ
ン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−p−キシレ
ン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−m−キシレ
ン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−o−キシレ
ン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,
α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ
−n−ブトキシ−o−キシレン等のα,α’−ジアルコ
キシキシレン類が挙げられる。これらのアラルキルハラ
イド、アラルキルアルコールまたはその誘導体は、1種
類で、または数種類の混合物として用いることができ
る。
【0012】一般式(2)で表されるフェノール類アラ
ルキル樹脂の代表的なものとして、Rが水素原子、すな
わち、フェノールアラルキル樹脂であるXYLOK樹脂
が挙げられ、三井化学(株)より種々の分子量を持つも
のがミレックスの商標で販売されている。本発明におけ
る原料として用いるフェノール類アラルキル樹脂の分子
量として好適な範囲は、Mw(重量平均分子量、以下同
じ)として約300〜5000程度である。なお、n=
0体、すなわち、単離されたビスフェノール体も、フェ
ノール類アラルキル樹脂と同様に使用することができ
る。
【0013】本発明の一般式(1)で表されるポリエス
テル化合物は、一般式(2)で表されるフェノール類ア
ラルキル樹脂を、一般式(3)で表される脂肪族または
芳香族の二カルボン酸一無水物、一般式(4)で表され
る脂肪族または芳香族のカルボン酸クロライド、およ
び、一般式(5)で表される脂肪族または芳香族のカル
ボン酸のいずれかと、反応させてエステル化することに
よって製造される。 (B−CO )2 −O (3) B−COCl (4) B−COOH (5) (上式中、Bは炭素数1〜9のアルキル基またはアリー
ル基を表す)
【0014】エステル化剤としては、前記式(3)〜
(5)で表される有機カルボン酸無水物、有機カルボン
酸ハロゲン化物、有機カルボン酸のいずれでも良く、誘
導したいエステルの炭素数によるエステル化剤の特徴に
より都合の良いものを選択すればよい。これらのエステ
ル化剤を具体的に例示すれば、無水酢酸、アセチルクロ
ライド、酢酸、無水プロピオン酸、プロピオン酸クロラ
イド、プロピオン酸ブロマイド、プロピオン酸、無水酪
酸、酪酸クロライド、酪酸、無水吉草酸、吉草酸クロラ
イド、吉草酸ブロマイド、吉草酸、ピバリン酸クロライ
ド、ピバリン酸、無水安息香酸、安息香酸クロライド、
安息香酸ブロマイド、安息香酸、o−メチル安息香酸ク
ロライド、m−メチル安息香酸クロライド、p−メチル
安息香酸クロライド、o−メチル安息香酸、m−メチル
安息香酸、p−メチル安息香酸、フェニル酢酸クロライ
ド、フェニル酢酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,4
−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,
6−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、
3,5−ジメチル安息香酸、2−フェニルプロピオン
酸、3−フェニルプロピオン酸、o−トリル酢酸、m−
トリル酢酸、p−トリル酢酸、クメン酸等を挙げること
が出来る。これらのエステル化剤は単独あるいは任意の
2種類以上を併用して用いることも可能である。
【0015】これらのエステル化剤の使用量は、フェノ
ールアラルキル樹脂の水酸基に対して任意のモル比で用
いればよいが、本発明の効果を発現させるためには20
モル%以上が必要である。上限は特に限定されず、過剰
に用いて充分にエステル化を進行させ多場合、過剰のエ
ステル化剤は反応終了後除去すればよいが、現実的に
は、反応容積効率、コスト等の観点から、水酸基に対し
10倍モル以下、好ましくは5倍モル以下、さらに好ま
しくは3倍モル以下が良い。
【0016】本発明のポリエステル化合物を得る際の反
応は、エステル化剤の種類によって異なるが、それぞれ
について、以下に述べる。 一般式(3)で表される有機カルボン酸無水物を用い
る場合:一般に用いられる反応方法を用いれば良い。す
なわち、フェノール類アラルキル樹脂の水酸基に対し、
エステル化するべき任意の量の有機カルボン酸無水物を
反応させ。その後、副成する有機カルボン酸を、常圧蒸
留、減圧蒸留、水洗、炭酸塩等の弱塩基水による洗浄
等、任意の方法もしくはそれらの組み合わせによって除
去することにより、目的とするエステル化合物を得る。
部分エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、
本発明においては20モル%以上の有機カルボン酸無水
物を用い、完全にエステル化する際には水酸基に対して
等モル以上を用いる。なお、溶剤を兼ねる場合には、そ
の上限は特に制限されるものではないが、経済効率、反
応の容積効率を考慮すれば10倍モル%以下で用いれば
よい。なお、この使用量は後述の有機カルボン酸を用い
た反応の際にも同様である。
【0017】この反応は、一般に、ピリジン、ピペリジ
ン、トリエチルアミン等の反応に対して不活性な有機塩
基の存在下に行うことが多いが、これら有機塩基を用い
なくとも充分反応は進行する。本発明のエステル化物を
ICの封止材等の電気・電子分野に用いる場合には、こ
れらの含窒素有機塩基が残存することを避けなければな
らない。このため、本発明においては有機塩基を用いな
いことが望ましく、有機塩基を用いた場合には、最終的
に水洗行程を導入することが望ましい。
【0018】反応に際しては、溶媒は用いても、用いな
くても良い。原料とするフェノール類アラルキル樹脂が
反応温度において充分溶融し、且つエステル化剤が液体
である場合、また、反応温度において溶融、あるいは樹
脂に溶解し反応に支障がない場合には無溶媒で反応を行
えばよい。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば
全て使用することが出来る。それらを例示すれば、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−ジク
ロロベンゼン、ジフェニルエーテル等の芳香族炭化水素
類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒類、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の
エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類、等を単独で、あるいは任
意の組み合わせで用いることが出来る。
【0019】反応温度は60℃〜200℃の範囲、望ま
しくは80℃〜180℃の範囲、特に望ましくは100
℃〜160℃の範囲が望ましい。反応時間はエステル化
剤の種類や反応温度に大きく左右されるが、およそ1時
間〜25時間の範囲であり、現実的には高速液体クロマ
トグラフィーやガスクロマトグラフィー等でエステル化
剤の消失や水酸基の消失などを追跡しつつ終点を決定す
ることが望ましい。反応は、常圧、加圧(オートクレー
ブ中)、減圧のいずれでもよく、また、反応系の雰囲気
は空気中、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス中
のいずれでも良いが、好ましくは窒素雰囲気下が良い。
【0020】一般式(4)で表される有機カルボン酸
ハライドを用いる場合:この場合も一般に用いられる手
法を用いることが出来る。すなわち、フェノール類アラ
ルキル樹脂の水酸基に対し、エステル化するべき任意の
量の有機カルボン酸ハライドを反応させれば良い。この
場合、副成するハロゲン化水素は、ピリジン、ピペラジ
ン、トリエチルアミン等の反応に不活性な塩基を、反応
系内に必要量存在させて、系内においてトラップする方
法や、ガスとして反応中に順次速やかに系外に放出し、
反応系外に設置された水またはアルカリトラップを用い
て捕捉する方法があるが、エステル化合物の用途を考え
ると、先に示した理由により、ハロゲン化水素ガスを反
応中速やかに系外に放出する方法が好ましい。この時、
やはり反応に不活性なガスの気流下において反応を行う
とより好ましい。
【0021】有機カルボン酸ハライドの使用量は、部分
エステル化を行う際は、水酸基に対して任意の量、本発
明においては20モル%以上の有機カルボン酸ハライド
を用いる。完全にエステル化する際には水酸基に対して
等モルもしくは小過剰を用いればよく、大過剰を用いる
ことは特に制限されるものではないが、経済効率、反応
の容積効率、さらに反応後の処理工程の煩雑さを考慮す
れば120モル%以下で用いればよい。反応温度、反応
における溶媒の使用、反応の形態に関しては先の有機カ
ルボン酸無水物の場合に準じればよい。
【0022】一般式(4)で表される有機カルボン酸
を用いる場合:エステル化剤として有機カルボン酸を用
いる場合には、ほぼ有機カルボン酸無水物を用いる場合
に準じればよいが、反応に際しては酸触媒を必要とす
る。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸
等の鉱酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、ジメチルスルホン酸、ジエチル
スルホン酸等の有機スルホン酸類、トリフルオロメタン
スルホン酸に代表される超強酸、アルカンスルホン酸型
に代表される酸性イオン交換樹脂、パーフルオロアルカ
ンスルホン酸型に代表される超強酸型イオン交換樹脂等
である。その使用量は、原料の重量に対して超強酸の場
合が0.00001〜5重量%、好ましくは0.000
1〜1重量%、より好ましくは0.001〜0.1重量
%の範囲、イオン交換樹脂類の場合が1〜100重量
%、好ましくは10〜50重量%の範囲、その他の場合
は0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%
の範囲である。この範囲を下まわると反応速度が低下
し、現実的な反応時間では完結しない。また、この範囲
より大きくなると、副反応が無視できなくなり、あるい
は触媒の除去の行程の煩雑さ等を含めてコストの増大に
繋がる。
【0023】以上、3種類のエステル化剤について、そ
の反応を説明してきたが、いずれの場合も、より精製度
の高いエステル化物を得る必要のある場合には、反応終
了後に、水洗行程を導入すればよい。その場合は、トル
エン、キシレン、メチルイソブチルケトン、メチルエチ
ルケトン、酢酸エチル等の、水洗可能な溶媒を用いて、
洗浄廃水に酸性成分、イオン性不純物が混入しなくなる
まで洗浄すればよい。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、2官能以
上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂に、以上のようにし
て得られた、本発明の一般式(1)で表されるエステル
化率20〜100モル%のエステル化物を、硬化剤とし
て含有させて得られる樹脂組成物である。本発明のエス
テル化物は、従来のフェノール樹脂と同様に、エポキシ
樹脂に対する硬化剤として用いること、従来のエポキシ
−フェノール硬化物と同様の熱硬化性樹脂として、利用
することが出来る。本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化
してなる硬化物の最も大きな特徴は、エポキシ−フェノ
ール硬化物と比較して吸湿率が低減されることにある。
従来、エポキシ樹脂は、特に封止材の分野において、フ
ェノール樹脂を硬化剤として多く用いられてきたが、そ
の性能の向上は、低吸湿率化の向上と大きな相関があ
る。すなわち、樹脂中に含まれる水分が、IRリフロー
時の様に急激に200℃以上の高温に晒されると、一気
に気化し、いわゆる水蒸気爆発的な力が生じる。このた
めにクラックを生じ、種々の物性に悪影響を及ぼし、最
悪の場合は封止材とチップとの剥離に到る場合がある。
【0025】近年のフェノール樹脂の骨格の改良によ
り、低吸湿率を特徴とするフェノール樹脂が種々提案さ
れていることについては、先に述べた通りである。しか
しながら、エポキシ基と水酸基の反応である限り、下記
反応式(化5)で示されるように、その硬化反応生成物
中に、アルコール性水酸基が存在するため、吸湿性の低
減もすでに限界に近いところにある。
【0026】
【化5】 一方、本発明の場合、エポキシ基とエステルの反応であ
るために、その硬化後に生成する骨格は、下記反応式
(化6)で示されるように水酸基は生成しない。このた
め、従来の硬化物と比較して吸湿性が大幅に低下する利
点がある。
【0027】
【化6】
【0028】本発明で用いられるエポキシ樹脂として
は、2官能以上のエポキシ基を持つものはすべてその範
疇に入る。具体的には、2官能以上の化合物とエピクロ
ルヒドリンとを反応させることにより得られるエポキシ
樹脂である。2官能以上の化合物としては、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノー
ルA=BPA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン(ビスフェノールF=BPF)、4,4’−チオジフ
ェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3,’5,5’−テトラメチルビフェニル、フ
ェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹
脂、混合クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラル
キル樹脂、o−クレゾールアラルキル樹脂、混合クレゾ
ールアラルキル樹脂、レゾルシンアラルキル樹脂、ナフ
トールアラルキル樹脂、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、4,4’−ジアミノシフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン、フェノール−ジシクロペ
ンタジエン樹脂、o−クレゾール−ジシクロペンタジエ
ン樹脂、混合クレゾール−ジシクロペンタジエン樹脂、
イソシアヌル酸等を挙げることが出来る。
【0029】本発明においては、これらのエポキシ樹脂
を単独で、あるいは、2種類以上を適宜組み合わせて用
いることが出来るが、中でも好ましいものとしては、
4、4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ
メチルビフェニル型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂型エ
ポキシ樹脂、o−クレゾールアラルキル樹脂型エポキシ
樹脂を挙げることが出来る。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来のエ
ポキシ樹脂組成物と同様の用途に用いることができる。
接着用途やコーティング材に用いる場合には、そのまま
で用いることができる。また、その他の用途において、
必要であれば、無機または有機充填剤等を配合して用い
ることも可能である。本発明の半導体用エポキシ樹脂組
成物は、本発明のエポキシ樹脂組成物に無機または有機
充填剤(フィラー)を配合したものである。フィラーの
配合量は、全樹脂組成物中の50重量%以上であり、耐
湿性、機械的強度の観点から、好ましくは70重量%以
上、特に好ましくは85重量%が望ましい。そのフィラ
ーとして用いられるものを具体的に挙げれば、シリカ、
アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、タルク、ケイ酸カルシ
ウム、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、チタンホワイ
ト等の粉体、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維
等の繊維体等である。これらの中で封止材用途において
好ましいものは、結晶性シリカおよび/または溶融シリ
カであり、さらにその樹脂組成物の成型時の流動性を考
慮すると、その形状は球形または球型と不定型の混合物
が望ましい。
【0031】また、本発明の半導体用エポキシ樹脂組成
物には、得られる硬化物の機械的強度や耐熱性の面を考
慮した各種添加剤を配合することもできる。例えば、樹
脂と無機充填材との接着性向上のためにカップリング剤
を用いることが望ましく、かかるカップリング剤として
はシラン系、チタネート系、アルミネート系、およびジ
ルコアルミネート系等を挙げることが出来る。なかでも
好ましいものとしてはシランカップリング剤であり、特
にエポキシ基と反応する官能基を持つシランカップリン
グ剤が最も好ましい。
【0032】このようなカップリング剤としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N
−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等を挙げることが出来、これらは単独で、あるいは
2種類以上組み合わせて使用することが出来る。これら
のカップリング剤は、予め無機充填材の表面に吸着ある
いは、反応により固定化されていることが望ましい。
【0033】さらに、本発明においては、樹脂組成物に
対し、必要に応じて、各種の添加剤を用いることが可能
である。例えば、脂肪酸、脂肪酸塩、ワックス等離型
剤、ブロム化合物、アンチモン、りん等の難燃剤、カー
ボンブラック等の着色剤、各種シリコーンオイル等であ
る。
【0034】本発明において、エポキシ樹脂組成物を硬
化させるにあたり、硬化促進剤(硬化触媒)を用いるこ
とは望ましいことである。硬化促進剤としては、通常の
エポキシ樹脂−フェノール樹脂の硬化時におけるものと
同一のものを用いればよい。かかる硬化促進剤として
は、2−メチルイミダゾール、2−メチル−4−エチル
イミダゾール、2−ヘプタイミダゾール等の各種イミダ
ゾール類、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミ
ン、N−メチルモルホリン等のアミン類、トリブチルホ
スフィン、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフ
ィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウ
ムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテ
トラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン類、
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7およびその誘導体等を挙げることが出来る。これら硬
化促進剤は、単独で用いても2種類以上の併用でも良
く、その使用量としては、硬化樹脂成分100部に対
し、硬化促進剤0.01〜10重量部の範囲である。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 実施例1 温度計、攪拌機、滴下ロートおよび還流冷却器を備えた
ガラス製容器に、フェノールアラルキル樹脂〔商品名:
ミレックスXLC−4L、水酸基当量169g/eq:
三井化学(株)製〕507g(3mol)を装入し、内
温を125℃まで昇温した。内温を同温度に保ち、攪拌
を行いながら、無水酢酸336.9g(3.3mol)
を2時間で滴下した。その後、125℃を保ちながら2
時間反応を行った後、更に140℃まで昇温した。14
0〜150℃において2時間熟成したのち、過剰の無水
酢酸および副生した酢酸を最高150℃/10mmHg
の条件で減圧留去した。ここで得られた樹脂を、トルエ
ン1400gに溶解し、廃水が中性になるまで60〜7
0℃において湯洗を行った後、トルエンを最高150℃
/5mmHgの条件で留去して水酸基が完全にアセチル
化された樹脂を609g得た。この樹脂の溶融粘度(I
CIコーン型溶融粘度計による。以下同じ)は100℃
で3.4ポイズ、125℃で1.0ポイズ、150℃で
0.5ポイズであり、水酸基当量は3000g/eq以
上(検出できず)であった。
【0036】実施例2 実施例1において、無水酢酸量を153.2g(1.5
mol)とした以外は同様にして、約50%の水酸基が
アセチル化された樹脂を555g得た。この樹脂の溶融
粘度は100℃で10.5ポイズ、125℃で2.1ポ
イズ、150℃で1.0ポイズであり、水酸基当量は3
60g/eqであった。
【0037】実施例3 実施例1において、無水酢酸量を61.2g(0.6m
ol)とした以外は同様にして、約20%の水酸基がア
セチル化された樹脂を527g得た。この樹脂の溶融粘
度は100℃で17ポイズ、125℃で3.5ポイズ、
150℃で1.7ポイズであり、水酸基当量は221g
/eqであった。
【0038】実施例4 実施例1において、無水酢酸を、安息香酸クロライド4
63.9g(3.3mol)に代えた以外は同様にし
て、水酸基が完全にベンゾイル化された樹脂を750g
得た。この樹脂の溶融粘度は100℃で4.2ポイズ、
125℃で2.7ポイズ、150℃で0.7ポイズであ
り、水酸基当量は3000g/eq以上(検出できず)
であった。
【0039】実施例5 実施例4において、安息香酸クロライド量を210.8
g(1.5mol)にした以外は同様にして、約50%
の水酸基がベンゾイル化された樹脂を627g得た。こ
の樹脂の溶融粘度は100℃で12.0ポイズ、125
℃で3.4ポイズ、150℃で1.3ポイズであり、水
酸基当量は391g/eqであった。
【0040】実施例6〜10 実施例1〜5において製造された樹脂を、o−クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂に対する硬化剤として用
い、第1表(表1、2)に示す配合で、ローラー温度1
00〜105℃に調整されたミキシングロール機で3分
間混練し、Bステージ化物を得た。この樹脂を注型加工
し、得られた硬化物の物性を測定した。物性測定用の試
験片は、トランスファー成型(180℃,30Kg/c
2 ,3min)により成型した。注型加工し、得られ
た硬化物の物性を測定した。結果を第1表に示した。ま
た、この樹脂を用い、フラットパッケージ型半導体装置
用リードフレームの素子搭載部に、半導体素子(10m
m×10mm角)を搭載した後、トランスファー成型
(180℃,30Kg/cm2 ,3min)により半導
体を得た。この半導体装置について、V.S.Pテスト
(クラック発生テスト)を行った。結果を第1表に示し
た。
【0041】実施例11〜15 実施例1〜5において製造された樹脂を、4,4’−ジ
ヒドロキシ,3,3’,5,5’−テトラメチルビフェ
ニル型エポキシ樹脂に対する硬化剤として用い、第1表
に示す配合で、実施例6〜10と同様にして得られた硬
化物の物性を測定した。結果を第1表に示した。また、
実施例6〜10と同様に半導体装置を作製し、V.P.
Sテストを行った。結果を第1表に示した。
【0042】実施例16〜20 実施例1〜5において製造された樹脂を、フェノールア
ラルキル樹脂型エポキシ樹脂に対する硬化剤として用
い、第2表(表3、4)に示す配合で実施例6〜10と
同様にして得られた硬化物の物性を測定した。また、実
施例6〜10と同様に半導体装置を作製し、V.P.S
テストを行った。結果を第2表に示した。
【0043】実施例21〜25 実施例1〜5において製造された樹脂を、o−クレゾー
ルアラルキル樹脂型エポキシ樹脂に対する硬化剤として
用い、第2表に示す配合で実施例6〜10と同様にして
得られた硬化物の物性を測定した。また、実施例6〜1
0と同様に半導体装置を作製し、V.P.Sテストを行
った。結果を第2表に示した。
【0044】比較例1 実施例6〜10における硬化剤を、フェノールアラルキ
ル樹脂〔商品名:ミレックスXLC4L,水酸基当量1
69g/eq:三井化学(株)製〕に代えた以外は同様
にして、得られた硬化物の物性を測定し、また、V.
P.Sテストを行った。結果を第1表に示した。
【0045】比較例2 実施例11〜15における硬化剤を、フェノールアラル
キル樹脂〔商品名:ミレックスXLC4L,水酸基当量
169g/eq:三井化学(株)製〕に代えた以外は同
様にして、得られた硬化物の物性を測定し、また、V.
P.Sテストを行った。結果を第1表に示した。
【0046】比較例3 実施例16〜20における硬化剤を、フェノールアラル
キル樹脂〔商品名:ミレックスXLC4L,水酸基当量
169g/eq:三井化学(株)製〕に変えた以外は同
様にして、得られた硬化物の物性を測定し、また、V.
P.Sテストを行った。結果を第2表に示した。
【0047】比較例4 実施例21〜25における硬化剤を、フェノールアラル
キル樹脂〔商品名:ミレックスXLC4L,水酸基当量
169g/eq:三井化学(株)製〕に変えた以外は同
様にして、得られた硬化物の物性を測定し、また、V.
P.Sテストを行った。結果を第2表に示した。
【0048】尚、各種物性等の試験方法は以下の通りで
ある。 ・Tg(ガラス転移温度):TMA針進入法(島津 T
MA−DRW DT−30により測定。 ・曲げ強度、弾性率:JIS K−6911による。 ・煮沸吸水率:100℃の沸騰水中で2時間煮沸後の重
量増加を測定。 ・V.P.Sテスト:試験用の半導体装置を85℃、8
5%の恒温恒湿槽に168時間放置した後、直ちに24
0℃のフロリナート液〔住友スリーエム(株)製、FC
−70〕に投入し、パッケージ樹脂にクラックが発生し
た半導体の数を数えた。試験値を分数で示し、分子はク
ラックの発生した半導体の数、分母は被験体数である。
【0049】また、試験に用いたエポキシ樹脂、各種添
加剤、硬化促進剤は以下の通りである。 ・o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:EOCN
102S〔(株)日本化薬社製、エポキシ当量193g
/eq〕 ・4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テト
ラメチルビフェニル型エポキシ樹脂:YX4000H
〔油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ当量184g
/eq〕。 ・フェノールアラルキル樹脂型エポキシ樹脂:ミレック
スXLC−4LS〔三井化学(株)製、水酸基当量16
9g/eq〕を常法によりエポキシ化したもの、エポキ
シ当量238g/eq。 ・o−クレゾールアラルキル樹脂型エポキシ樹脂:o−
クレゾールアラルキル樹脂〔三井化学(株)製、水酸基
当量183g/eq〕を常法によりエポキシ化したも
の、エポキシ当量250g/eq。 ・C11Z:ウンデシルイミダゾール(四国ファインケ
ミカル社製) ・無機充填材:球形溶融シリカ〔ハリミックS−CO、
(株)マイクロン社製〕50重量部と、不定形溶融シリ
カ〔ヒューズレックスRD−8、(株)龍森製〕50重
量部の混合物。 ・シランカップリング材:(SZ−6083、東レダウ
コーニングシリコーン社製) ・カルナバワックス:ブラジル産 ・カーボンブラック:三菱化学(株)製、#3250B ・酸化アンチモン:住友金属鉱山製三酸化アンチモン
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】以上、実施例等により詳細に説明してきた
が、各種エポキシ樹脂に対する硬化剤として従来用いて
きたフェノールアラルキル樹脂の水酸基をエステル化す
ることにより、硬化反応としては従来の触媒その他処方
を踏襲しながら、その硬化後の骨格に親水性の高い水酸
基を生成しない硬化反応を行うために吸水率が低下して
いることが各実施例および比較例から判る。かかる産業
分野においては、これまで硬化剤となるフェノール樹脂
の骨格を種々検討し、硬化物の吸湿率を低下させること
により、パッケージのIRリフロー時のクラック発生を
低減させてきたが、本発明によりさらに一段高い水準の
低吸湿率、ひいてはクラック低減を図ることが可能とな
った。
【0055】
【発明の効果】本発明のエステル化合物は、エポキシ樹
脂の硬化剤として従来の汎用硬化剤であるフェノール樹
脂と同様の硬化システムで硬化でき、且つ低吸湿性を特
徴とするため、接着、成型、注型、積層、塗料用途をは
じめ、コーティング剤やプリント基板用途等に用いるこ
とができ、特に半導体の封止材として用いることによ
り、従来のエポキシ樹脂−フェノール樹脂硬化物より低
吸湿であるが故に、対クラック性に優れたパッケージを
与えるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 63/40 C08G 63/40 C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 63/00 C08L 63/00 C H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表されるポリエ
    ステル化合物。 【化1】 (式中、Aは水素原子、あるいは、炭素数2〜10のア
    シル基またはアリールカルボニル基を表し、全A中の水
    素原子の割合は0〜80モル%であり、Rは炭素数1〜
    9の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜8
    のアルコキシ基、フェニル基、あるいはハロゲン原子を
    表し、lは1または2、mは0〜3、nは0〜100の
    整数を表す。但し、nの平均は0〜15の範囲である)
  2. 【請求項2】 一般式(2)(化2)で表されるフェノ
    ールアラルキル樹脂と、 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜9の直鎖、分岐または環状のア
    ルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、
    あるいはハロゲン原子を表し、lは1または2、mは0
    〜3、nは0〜100の整数を表す。但し、nの平均は
    0〜15の範囲である) 一般式(3)で表される脂肪族または芳香族の二カルボ
    ン酸一無水物、一般式(4)で表される脂肪族または芳
    香族のカルボン酸クロライド、および、一般式(5)で
    表される脂肪族または芳香族のカルボン酸のいずれかと
    を、 (B−CO )2 −O (3) B−COCl (4) B−COOH (5) (上式中、Bは炭素数1〜9のアルキル基またはアリー
    ル基を表す)反応させることを特徴とする請求項1記載
    のポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(3)で表される化合物が無水酢
    酸または無水安息香酸であり、一般式(4)で表される
    化合物が酢酸クロライドまたは安息香酸クロライドであ
    る請求項2記載のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 反応を無触媒下で行うことを特徴とする
    請求項3記載のポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 2官能以上のエポキシ基を持つエポキシ
    樹脂に、硬化剤として請求項1に記載のポリエステルを
    含有させることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のエポキシ樹脂組成物に、
    50重量%以上の無機充填剤を配合してなる半導体封止
    用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のエポキシ樹脂組成物を硬
    化してなる硬化物。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のエポキシ樹脂組成物を硬
    化してなる硬化物。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の硬化物により封止された
    半導体装置。
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